JP4563948B2 - 空気調節装置 - Google Patents

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Description

本発明は、冷凍サイクルの運転によって除湿を行える床置き型の空気調節装置に関する。
ハウジングに冷凍サイクルを内装した除湿機等の空気調節装置では、除湿機能を利用して、乾燥した風を発熱体によって温めて、吹き出すことにより、衣類を乾燥する衣類乾燥運転を行う。
このような衣類乾燥運転において、特許文献1に記載された除湿機では、室内の臭いをなくすために負イオンを発生させている。このとき、イオン発生量の制御として、室内に干している洗濯物の量を選択して、洗濯物の量が多いと、負イオンの発生量を多くする。あるいは、運転初期に室内の湿度が高いとき、負イオンの発生量を多くし、湿度が下がるにつれて負イオンの発生量を少なくする。あるいは、衣類乾燥の経過時間に応じて負イオンの発生量を減少させる。
特開2003−240265号公報
衣類乾燥運転を行うに際して、洗濯物を干して、すぐに運転を開始するとき、室内の湿度はまだ高くなっていない。そのため、運転初期に湿度に応じてイオン発生量を制御する場合、湿度が低いので、イオン発生量は少ないままであり、イオンの効果が十分に得られない。衣類乾燥の経過時間に応じてイオン発生量を制御する場合、洗濯物が乾いていくにつれて、室内に臭い成分や浮遊菌が増えてくる。しかし、イオン発生量は減っていくので、同様に十分なイオンの効果が得られない。なお、洗濯物の量に応じてイオン発生量を制御する場合、ユーザが選択しなければならず、湿度や臭いに適したイオン発生が行われないおそれがある。
このように、イオンの効果を十分に発揮させたいときに、イオン発生量が少ないという問題がある。そこで、本発明は、上記に鑑み、イオンを発生させながら衣類乾燥運転を行うとき、イオンの効果を確実に発揮させることができる除湿機等の空気調節装置の提供を目的とする。
本発明は、ハウジングに、蒸発器、凝縮器および圧縮機からなる冷凍サイクルと、除菌のためのイオンを発生するイオン発生装置と、イオン発生装置を駆動する駆動回路と、蒸発器を通過して除湿された風をイオンとともに吹出口から吹き出すための送風機と、周囲の湿度を検出する湿度検出器と、除湿された風によって衣類乾燥運転を行うとき、湿度に応じてイオン発生量を変えるよう駆動回路を制御する制御装置とが設けられ、制御装置は、湿度が低いときにはイオンの発生量が少ない標準運転、湿度が高いときには標準運転時よりイオン発生量が多い中運転とする通常時の制御を行い、衣類乾燥運転を開始したとき、湿度に関係なくイオン発生量を前記通常時の制御のときのイオン発生量よりも多くなるように駆動回路を制御するものである。
衣類乾燥運転を開始したとき、大量のイオンが発生して、吹出口から室内に吹き出される。衣類から水分が蒸発して乾燥していくと、湿度が高くなり、カビ菌が繁殖しやすくなる。しかし、大量のイオンによって、室内に浮遊しているカビ菌等の浮遊菌が除去され、カビ菌の活動が抑えられる。すなわち、必要なときに、イオンによる除菌効果が最大限に発揮される。
そして、制御装置は、衣類乾燥運転開始から一定時間が経過したとき、湿度に応じてイオン発生量を変える通常時の制御を行う。一定時間が経過すると、冷凍サイクルの運転により、室内が除湿され、湿度が下がる。そのため、カビ菌の繁殖が抑えられる。このとき、運転開始時よりもイオンが少なくてよいので、通常のイオン発生量となる。ただし、湿度が高いほどイオン発生量が多くなるように、湿度に応じた通常の制御が行われる。以上のように、状況に応じてイオン発生を制御することにより、効率よく除菌を行える。
凝縮器を通過して温められた風を他の吹出口に導くクールモードと、凝縮器を通過して温められた風と蒸発器を通過して冷やされた風とを混合して吹出口に導くドライモードとが切り替え自在とされ、衣類乾燥運転にはドライモードが選択される。
クールモードでは、蒸発器を通過して冷やされた風が吹出口から吹き出され、温められた風は他の吹出口から吹き出される。ドライモードでは、冷風と温風とが混合されて、温かく乾燥した風が吹き出される。したがって、衣類乾燥には、ドライモードが適しており、衣類を早く乾燥できる。なお、衣類乾燥を行わないときには、クールモードによって、冷風を吹き出すことができる。
蒸発器の下流側に発熱体が設けられ、制御装置は、衣類乾燥運転を行うとき、冷風を温めるために発熱体を駆動する。これによって、温かい風が吹き出す。特に、ドライモードを選択すると、より温かい風となる。そのため、衣類の乾燥が促進され、乾燥時間を短縮できる。
本発明によると、衣類乾燥運転の開始時には室内の湿度に関係なくイオン発生量が通常時よりも多くなるように制御し、一定時間が経過すると、湿度に応じてイオン発生量を変えるので、必要な時期に必要なだけのイオンを発生させ、その効果を確実に発揮させることができる。
また、衣類乾燥運転時には、凝縮器を通過して温められた風と蒸発器を通過して冷やされた風とを混合して吹出口に導くドライモードが選択され、蒸発器の下流側に設けられた発熱体を駆動して冷風を温めるので、より多くの風を洗濯物に当てることができ、しかも温風を吹き出すので、乾燥時間の短縮を図れる。
本実施形態の除湿機を図1に示す。除湿機の合成樹脂製ハウジング1は、縦長タイプで前後方向の奥行きが小さい構造とされる。ハウジング1内には、蒸発器2、凝縮器3、圧縮機4がそれぞれ設けられ、これらによって冷凍サイクルが構成される。ハウジング1の内部は、上下に仕切られ、上側に蒸発器2および凝縮器3が配され、下側に圧縮機4が配される。蒸発器2の下方には、ドレンタンク5が配される。ドレンタンク5は、ハウジング1の側面の下部から出し入れ可能とされる。
ハウジング1の前面の上部に第1吹出口6、背面の中央部に吸込口7、その上方に第2吹出口8がそれぞれ形成される。ハウジング1の上面には、操作部と持ち運び用の把手とが設けられ、下面の4隅にはキャスタ9が取り付けられ、容易に移動可能とされる。
ハウジング1の内部には、吸込口7から蒸発器2を通って第1吹出口6に至る冷風路10と、吸込口7から凝縮器3を通って第2吹出口8に至る温風路11とが形成される。冷風路10では、蒸発器2の下流側に第1送風機12が配される。第1送風機12は、蒸発器2を通過した風を第1吹出口6から吹き出す。温風路11では、凝縮器3の下流側に第2送風機13が配される。第2送風機13は、凝縮器3を冷却した風を第2吹出口8から吹き出す。
冷風路10中に、正イオンおよび負イオンを発生するイオン発生装置15が設けられ、冷風とともに正イオンおよび負イオンが室内に放出される。イオン発生装置15は、第1送風機12の下流側に配される。また、冷風路10中に、発熱体としてヒータ16が設けられる。ヒータ16は、第1送風機12の下流側に配され、蒸発器2を通過した風を温める。第1吹出口6にはルーバが設けられている。ルーバは、モータによって上下方向に回動される。このルーバと一体的に縦ルーバが設けられる。縦ルーバは、別のモータによって左右方向に回動される。
温風路11は、途中で分岐して、冷風路10に接続される。分岐点は、第2送風機13の下流側に位置し、分岐点に、風の流れ方向を切り替えるダンパ17が設けられる。ダンパ17が回動することにより、温風路11は、冷風路10に対して独立した状態と、冷風路10に接続された状態とに切り替えられる。したがって、送風切替の操作によって、温風が第2吹出口8に向かう風の流れと、温風と冷風とを混合して第1吹出口6に向かう風の流れとが選択できる。なお、ダンパ17の回動は、レバー操作によって行われる。あるいはモータによってダンパ17を回動させてもよい。また、ダンパ17の代わりに、切替バルブを用いて、送風切替を行ってもよい。
そして、冷凍サイクルの運転を制御する制御装置20が設けられる。図2に示すように、マイクロコンピュータからなる制御装置20には、室内の湿度を検出する湿度検知器21、室温を検出する温度検知器22、蒸発器2の温度を検出する蒸発器温度検知器23、ヒータ16の近傍の温度を検出するヒータ温度検知器24、ドレンタンク5の満水を検出する満水検知装置25、ハウジング1に加わった振動を検出する振動検知器26がそれぞれ接続される。また、各送風機12、13のモータを駆動するためのモータ駆動回路27、圧縮機4を駆動するための圧縮機駆動回路28、ヒータ16に通電するためのヒータ駆動回路29、イオン発生装置15に高電圧を印加するための高圧ユニット駆動回路30、ルーバのモータを駆動するためのルーバ駆動回路31がそれぞれ接続される。
湿度検知器21および温度検知器22は、吸込口7の近傍に配され、室内から吸い込んだ空気の温度や湿度を検出する。蒸発器温度検知器23は、蒸発器2の表面温度を検出する。ヒータ温度検知器24は、ヒータ16よりも下流側で第1吹出口6の近傍に配される。ヒータ温度検知器24がヒータ16を通過した風の温度を検出することにより、ヒータ16の近傍の温度が間接的に検出される。
満水検知装置25は、ドレンタンク5の水位に応じて上下するフロート32と、フロート32と一体的に設けられた磁石33と、磁気を検出するホールセンサ等の磁気センサ34とからなる。フロート32と磁石33はドレンタンク5内に配され、磁石33は支軸を挟んでフロート32に対向して設けられ、両者はシーソーのように動く。磁気センサ34は、ドレンタンク5の上方に設けられ、磁石33と対向するように配される。ドレンタンク5が満水になると、磁石33が磁気センサ34から離れ、磁気センサ34がオフ信号を出力することにより、満水が検知される。また、ドレンタンク5がハウジング1から取り出されたとき、磁石33は磁気センサ34から離れ、ドレンタンク5がハウジング1に装着されると、磁石33は磁気センサ34に近接する。これにより、ドレンタンク5の有無を検知することができる。すなわち、満水検知装置25は、ドレンタンク5の有無を検出するドレンタンク検知器を兼用している。
振動検知器26は、球および球の動きに応じてオンオフするスイッチからなる一般的な感震器とされる。振動検知器26は、ハウジング1内の上部に配される。
そして、制御装置20は、選択された運転モードにしたがって、これらの検知器から入力された情報に基づき各駆動回路を駆動制御する。運転モードとして、冷風運転、衣類乾燥運転、衣類乾燥(速乾)運転、自動除湿運転、連続運転、送風運転が選択可能とされる。運転モードの選択は、操作部の運転切替ボタンを操作することにより行われる。
また、送風切替の操作により、クールモードとドライモードとが選択できる。クールモードでは、温風路11と冷風路10とはそれぞれ独立しており、第1吹出口6から冷風が吹き出され、第2吹出口8から温風が吹き出される。ドライモードでは、温風路11が冷風路10に連通して、第1吹出口6から冷風と温風とが同時に吹き出され、第2吹出口8からわずかに温風が吹き出される。なお、モータによってダンパ17を回動させる場合、運転モードに応じてクールモードあるいはドライモードを自動的に切り替えることができる。
冷風運転では、クールモードを選択する。第1送風機12により、室内の空気が吸込口7からフィルタを通して吸い込まれる。冷風路10を流れる風は、蒸発器2を通過するときに冷却され、冷風となる。このとき、水分が蒸発器2の表面に結露して、冷風は除湿される。結露した水分は、ドレンタンク5に集められる。除湿されて乾燥した冷風は、第1吹出口6から吹き出される。また、第2送風機13により、室内の空気が吸込口7からフィルタを通して吸い込まれる。温風路11を流れる風は、凝縮器3で加熱されて温風となって、第2吹出口8から吹き出される。このとき、設定された風量にしたがって、各送風機12、13が駆動される。
衣類乾燥運転では、ドライモードを選択する。吸込口7から吸い込まれた室内の空気は、蒸発器2を通過して、除湿された冷風となる。凝縮器3によって温められた風は、温風路11から冷風路10に流れる。第1吹出口6から乾燥した冷風と温風とが混合されて吹き出される。このとき、設定された風量にしたがって、各送風機12、13が駆動される。
衣類乾燥(速乾)運転では、ドライモードを選択して、ヒータ16を作動させる。風の流れは衣類乾燥運転時と同じである。ヒータ16の作動により、冷風が温められ、温風と混合されて、より高温になった風が第1吹出口6から吹き出される。このとき、設定された風量にしたがって、各送風機12、13が駆動される。
そして、衣類乾燥(速乾)運転を行うとき、ヒータ16は圧縮機4に連動して駆動される。制御装置20は、衣類乾燥(速乾)運転を開始するとき、圧縮機4のオンした後でヒータ16をオンする。衣類乾燥(速乾)運転を終了するとき、ヒータ16をオフした後で圧縮機4をオフする。すなわち、圧縮機4がオンしているときにのみヒータ16はオン可能となる。したがって、ヒータ16が単独で駆動されることはないので、過熱を防止できる。例えば、ヒータ16の周囲の温度が高くなって、ハウジング1を損傷するといったことを防げる。また、高温の風が吹き出すことも防止できる。
自動除湿運転では、ドライモードを選択する。風の流れは衣類乾燥運転時と同じである。このとき、設定された風量にしたがって、各送風機12、13が駆動される。また、室温および室内の湿度に応じて、冷凍サイクルの運転が制御され、除湿運転と送風運転とが切り替えられる。すなわち、湿度が規定値以上のとき、除湿運転が行われ、規定値未満になると、冷凍サイクルの運転が停止されて、送風運転が行われる。この規定値は、室温によって異なり、室温が標準温度以下のとき、規定値は標準湿度に設定され、室温が標準温度より高いとき、規定値は標準湿度より低い湿度、例えば55%に設定される。なお、標準温度は、27℃あるいは28℃とされる。標準湿度は、60%とされる。
また、自動除湿運転では、室温が標準温度よりも低いとき、風量が増大するように各送風機12、13が駆動される。すなわち、低温、例えば15℃以下になったとき、自動的に風量が増える。これにより、低温時の除湿能力が高まる。
連続運転では、クールモードかドライモードのいずれかを選択する。湿度に関係なく連続した除湿運転が行われる。このとき、設定された風量にしたがって、各送風機12、13が駆動される。
送風運転では、クールモードかドライモードのいずれかを選択する。冷凍サイクルの運転は行われず、各送風機12、13だけが駆動される。
制御装置20は、イオン発生装置15を駆動して、正イオンおよび負イオンを発生させて、室内に放出するイオン運転を行う。イオン運転は、上記の各運転に対して任意で行われる。すなわち、イオン運転ボタンが操作されたときに、イオン運転が行われる。
イオン発生装置15は、イオン発生素子と、これに高電圧を印加する高圧ユニットを駆動する高圧ユニット駆動回路30とを有する。制御装置20が高圧ユニット駆動回路30を駆動すると、イオン発生素子に高電圧が印加され、イオン発生素子から正イオンおよび負イオンが発生する。正イオンおよび負イオンは、冷風路10を流れる冷風によって第1吹出口6から吹き出される。
制御装置20は、選択された運転モードに応じてイオン運転を制御して、イオン発生量を調節する。図3に示すように、衣類乾燥運転あるいは衣類乾燥(速乾)運転のときにイオン運転を行う場合、運転開始後、一定時間、例えば15分間は湿度に関係なく高濃度運転が行われる。一定時間が経過したとき、湿度に応じてイオン運転を制御する通常時の制御が行われる。通常時には、湿度が上記の規定値より高い第2規定値未満、例えば70%未満のとき、高濃度運転時よりもイオンの発生量が少ない標準運転が行われる。湿度が第2規定値以上、例えば70%以上のとき、標準運転時よりもイオン発生量が多く、高濃度運転時よりもイオン発生量が少ない中運転が行われる。
自動除湿運転のときにイオン運転を行う場合、湿度に応じてイオン運転が制御される。湿度が第2規定値以上のとき、中運転が行われる。湿度が第2規定値未満のとき、標準運転が行われる。連続運転のときにイオン運転を行う場合、標準運転が行われる。また、冷風運転あるいは送風運転のときにイオン運転を行う場合、標準運転が行われる。
制御装置20は、高圧ユニット駆動回路30を位相制御する。高圧ユニット駆動回路30は、図4に示す駆動信号を高圧ユニットに出力する。高圧ユニットは、高圧ユニット駆動回路30の駆動出力に応じて高圧パルス電圧をイオン発生素子に印加する。イオン発生素子での放電回数が変化し、イオン発生量が増減する。
図4に示すように、高濃度運転では、高圧ユニット駆動回路30の駆動出力は、4クロックのうち1クロック分のパルス信号となり、放電回数は、約150回/秒となる。このときのイオン発生量は、正イオンと負イオンが約40万〜50万個/ccとなる。中運転では、駆動出力は、1クロックに1回のパルス信号となり、放電回数は、約60回/秒となる。このときのイオン発生量は、正イオンと負イオンが約20万個/ccとなる。標準運転では、駆動出力は、2クロックに1回のパルス信号となり、放電回数は、約30回/秒となる。このときのイオン発生量は、正イオンと負イオンが約15万個/ccとなる。
衣類乾燥運転あるいは衣類乾燥(速乾)運転において、運転開始とともにイオン発生装置15は高濃度運転され、正イオンおよび負イオンが室内に大量に放出される。運転開始時には湿度が低くても、洗濯物が乾燥するにつれて室内の湿度が上がると、カビ菌が繁殖しやすくなる。このような除菌が必要な時期に大量のイオンを放出することができるので、カビ菌等の浮遊菌を除去でき、カビが繁殖する際のカビ臭さを抑えることができる。そして、時間が経過すると、除湿の機能により、湿度が下がるので、高濃度運転から中運転あるいは標準運転に切り替えても、十分にイオンによる除菌効果を発揮させることができる。
また、冷凍サイクルの運転において、制御装置20は、室温に応じて圧縮機4の駆動を制御する。室温が第1温度未満、例えば約5℃未満になると、圧縮機4が停止され、除湿した水の凍結を防止する。室温が第2温度以上、例えば約40℃以上になると、冷凍サイクルの運転が停止され、装置に無理がかからないようにして、装置を保護する。室温が第3温度以上、例えば約35℃以上のとき、圧縮機4を駆動したまま、送風機12、13が高回転され、圧縮機4の温度を下げるようにする。
さらに、制御装置20は、蒸発器2への着霜を検知したとき、除霜運転も行う。着霜の検知としては、所定の霜付き条件を満たしたときに着霜と判断する。例えば、室温が設定温度以下、例えば19℃以下になったとき、あるいは、蒸発器2の表面温度が所定温度以下、例えば0℃以下になったときである。制御装置20は、温度検知器22や蒸発器温度検知器23からの出力によりこの条件を満たしたことを検知したとき、除霜運転を行う。
除霜運転を開始すると、制御装置20は、圧縮機4を停止させ、各送風機12、13を駆動する。各送風機12、13に対して、それぞれモータ駆動回路27が設けられ、各送風機12、13は独立して駆動される。除湿運転時に設定された風量よりも高い風量となるように、各送風機12、13の回転数が上げられる。この除霜運転により、吸込口7から吸い込まれた室内の空気が蒸発器2を通過して、蒸発器2に付いた霜が溶ける。蒸発器2を通過した空気は、第1吹出口6から吹き出される。このとき、ルーバは上方向に回動される。第1吹出口6から風が上向きに吹き出すことによって、温かい風はユーザに直接当たることがなくなり、ユーザに不快感を与えることはない。
冷凍サイクルの運転中、室内の空気が除湿されて、ドレンタンク5に水が溜まっていく。ドレンタンク5の水位が一定水位になると、制御装置20は、満水検知装置25からの出力信号によって満水を検知する。すなわち、水位の上昇に伴って、フロート32が上がると、磁石33が下がる。満水になると、磁気センサ34は磁石33の磁気を検出できなくなり、磁気センサ34はオフ信号を出力する。
制御装置20は、満水になったことを検知すると、冷凍サイクルの運転を停止するとともに、各送風機12、13の駆動を停止する満水停止を実行する。ドレンタンク5がハウジング1から取り出された後、空になったドレンタンク5が装着されると、満水検知装置25の磁気センサ34は、ドレンタンク5内の磁石33の磁気を検出する。磁気センサ34がオン信号を出力すると、制御装置20は、ドレンタンク5が装着されたことを検知して、運転待機状態となる。なお、排水後のドレンタンク5が装着されたとき、満水停止前の運転を自動的に再開するような制御を行ってもよい。
また、ハウジング1に振動が加わったり、ハウジング1が転倒したとき、振動検知器26は、この動きを検出して、オン信号を出力する。制御装置20は、振動検知器26の出力に基づいて振動の程度を判断する。軽微な振動の場合、振動検知器26からの出力は、一瞬のオン信号であったり、短時間のオン信号である。一方、強い振動や転倒の場合、振動検知器26からの出力は、連続したオン信号、あるいは長時間のオン信号である。制御装置20は、所定時間経過したとき、オン信号が入力されていると、異常な振動であると判断し、所定時間経過したとき、オン信号が入力されていないと、軽微な振動であるから異常ではないと判断する。このように、最初に振動が検知されたときから制御を開始するまでの間に所定時間のタイムラグが設けられる。このタイムラグ時間は、振動検知器26からのオン信号が入力された時点から判断する時点までの時間である。
そして、制御装置20は、異常振動であると判断したとき、即座に全ての運転を停止して、電源をオフする異常停止を実行する。このとき、制御装置20も動作を停止する。異常停止の復帰には、運転ボタンを2回操作するといった特殊操作を要する。特殊操作が行われると、電源がオンし、制御装置20が立ち上がって、運転の制御が行われる。
異常停止後、すぐに運転を開始するとき、振動検知器26自身が揺れていて、オン信号を出力する場合がある。この場合に特殊操作が行われたとき、制御装置20は、振動検知器26からの入力を一定時間受け付けない。一定時間の間に、振動検知器26がオン信号を出力しても、制御装置20は、この信号を無視し、異常停止を行わない。一定時間経過すると、運転が開始される。したがって、異常停止が繰り返されず、すぐに運転を開始することができる。
ところで、ドレンタンク5が満水になったとき、ハウジング1からドレンタンク5が取り出されて、排水される。そして、空になったドレンタンク5がハウジング1に装着される。この着脱のとき、ハウジング1に衝撃が加わって、ハウジング1が揺れる。振動検出器26は、この振動を検出してしまう。
そこで、制御装置20は、ドレンタンク5の満水になったことを検知したとき、振動の検知による制御を禁止する。すなわち、ドレンタンク5が満水になったとき、ドレンタンク5が着脱されるので、制御装置20は、振動を検知しても、異常停止を行わない。
このように、ドレンタンク5が満水になったとき、ドレンタンク5の着脱が行われる。このとき、ハウジング1に振動が加わり、振動検知器26は振動を検出する。しかし、この振動は無視され、異常停止が回避される。したがって、ドレンタンク5の着脱の度に特殊操作を行って、運転を復帰させる必要がなくなり、利便性の向上を図れる。
また、満水になったドレンタンク5を取り出した後、空のドレンタンク5が装着される。このときにも、ハウジング1が振動して、制御装置20は、異常振動と判断するおそれがある。そこで、制御装置20は、ドレンタンク5の満水を検知した後、一定水位より低い水位を検知したとき、所定時間だけ振動の検知による制御を禁止する。すなわち、満水停止中に、ドレンタンク5が装着されたとき、制御装置20は、振動を検知しても、異常停止を行わない。
このように、空にしたドレンタンク5を装着したとき、ハウジング1に振動が加わり、振動検知器26は振動を検出する。しかし、所定時間だけ、この振動は無視され、異常停止が回避される。この所定時間は、ドレンタンク5を装着したときに発生する振動が検知されない程度にまで収まる時間に設定する。したがって、不要な異常停止をなくすことができ、利便性の向上を図れる。
また、運転ボタンの操作により冷風運転、衣類乾燥運転、衣類乾燥(速乾)運転、自動除湿運転、連続運転のいずれかの除湿運転が停止された後、再運転を行うとき、制御装置20は、圧縮機4の駆動を規制する。すなわち、除湿運転の停止後、再運転のために運転ボタンが操作されたとき、一定時間、例えば3分間だけ圧縮機4を駆動せず、送風機12、13だけを駆動する。一定時間が経過すると、圧縮機4が駆動され、冷凍サイクルの運転が開始される。また、電源プラグを差し込んだ直後に、運転ボタンを操作したときにも、同様の制御が行われる。これによって、圧縮機4に負荷がかからず、装置の保護を図れる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正および変更を加え得ることは勿論である。空気調節装置として、除湿機以外に、移動自在な床置き型であればよく、一体型空気調和機、クーラ、冷風機があげられる。また、ヒータを駆動する冷凍サイクルの運転としては、衣類乾燥(速乾)運転に限らず、衣類乾燥運転、自動除湿運転、自動運転のときに、ヒータを駆動して、吹き出す風の温度を調節してもよい。
本発明の除湿機の概略構成を示す図 除湿機の制御ブロック図 イオン運転とヒータ駆動の設定テーブルを示す図 高圧ユニット駆動回路の駆動出力信号波形を示す図
符号の説明
1 ハウジング
2 蒸発器
3 凝縮器
4 圧縮機
5 ドレンタンク
6 第1吹出口
7 吸込口
8 第2吹出口
12 第1送風機
13 第2送風機
15 イオン発生装置
16 ヒータ
20 制御装置
30 高圧ユニット駆動回路

Claims (4)

  1. ハウジングに、蒸発器、凝縮器および圧縮機からなる冷凍サイクルと、除菌のためのイオンを発生するイオン発生装置と、イオン発生装置を駆動する駆動回路と、蒸発器を通過して除湿された風をイオンとともに吹出口から吹き出すための送風機と、周囲の湿度を検出する湿度検出器と、除湿された風によって衣類乾燥運転を行うとき、湿度に応じてイオン発生量を変えるよう駆動回路を制御する制御装置とが設けられ、前記制御装置は、湿度が低いときにはイオンの発生量が少ない標準運転、湿度が高いときには標準運転時よりイオン発生量が多い中運転とする通常時の制御を行い、衣類乾燥運転を開始したとき、湿度に関係なくイオン発生量を前記通常時の制御のときのイオン発生量よりも多くなるように駆動回路を制御することを特徴とする空気調節装置。
  2. 前記制装置は、衣類乾燥運転開始から一定時間が経過したとき、湿度に応じてイオン発生量を変える通常時の制御を行うことを特徴とする請求項1記載の空気調節装置。
  3. 凝縮器を通過して温められた風を他の吹出口に導くクールモードと、凝縮器を通過して温められた風と蒸発器を通過して冷やされた風とを混合して吹出口に導くドライモードとが切り替え自在とされ、衣類乾燥運転にはドライモードが選択されることを特徴とする請求項1または2記載の空気調節装置。
  4. 蒸発器の下流側に発熱体が設けられ、前記制御装置は、衣類乾燥運転を行うとき、冷風を温めるために前記発熱体を駆動することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気調節装置。
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