JP2007232326A - 空気調節装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドレンタンクが満水になったとき、ドレンタンクの着脱によって振動が発生しても、異常停止しないようにする。
【解決手段】ドレンタンクの満水が検知されたとき、ドレンタンクをハウジングから取り外す。このとき、ハウジングが振動する。制御装置は、満水を検知したとき、この振動を無視して、異常停止を行わない。空のドレンタンクをハウジングに装着すると、ハウジングが振動する。同様に、振動が無視され、異常停止しない。
【選択図】 図3

Description

本発明は、冷凍サイクルの運転によって除湿を行える床置き型の空気調節装置に関する。
従来、暖房機器は、ヒータや燃焼装置を備えている。地震等によって転倒した場合の安全対策として、特許文献1に記載のように、地震等による振動や衝撃を検知するために、感震器が設けられる。感震器が振動を検知すると、即座に運転が停止される。
一方、床置き型の空気調節装置の1つである除湿機では、一般的にヒータのような発熱体を備えていなかった。しかし、近年、除湿機は、単に室内を除湿するという目的で使用するだけでなく、室内に干された衣類を乾燥するという目的のためにも使用されるようになってきた。そのため、特許文献2に記載のように、除湿機にも発熱体が設けられ、除湿した風を暖めて吹き出すことにより、衣類を素早く乾燥させることができる。
特開平11−173565号公報 特開2003−42514号公報
転倒に対する安全対策のため、除湿機も感震器を備え、転倒等のような異常振動が検知されると、運転を停止して、電源をオフする異常停止が行われる。ところで、除湿機は床置きされるため、ハウジングにキャスタが設けられ、移動可能とされる。そして、除湿機は、除湿によって発生した水を溜めるドレンタンクを備えている。ドレンタンクが満水になると、ドレンタンクをハウジングから取り外し、排水してからドレンタンクをハウジングに装着する。
移動自在なハウジングは揺れやすい。そのため、ドレンタンクの着脱の際に、ハウジングに振動が発生する。この振動が検知されると、除湿機は異常停止する。このように、ドレンタンクの着脱の度に異常停止してしまい、利便性が悪くなる。
本発明は、上記に鑑み、ドレンタンクの着脱に伴って振動が発生しても、異常停止しないようにすることにより、利便性の向上を図った除湿機等の空気調節装置の提供を目的とする。
本発明は、移動自在なハウジングに、蒸発器、凝縮器および圧縮機からなる冷凍サイクルと、蒸発器に結露した水を溜める着脱可能なドレンタンクと、ドレンタンクの水位を検出する水位検出器と、ハウジングに加わった振動を検出する振動検知器と、振動検知器の検知信号に応じて冷凍サイクルの運転を制御する制御装置とが設けられ、制御装置は、ドレンタンクの水位が所定水位になったことを検知したとき、振動の検知による制御を禁止するものである。
ドレンタンクが満水となる所定水位になったとき、ドレンタンクがハウジングから取り外されたり、ハウジングに装着される。このとき、ハウジングが振動して、振動検知器は、振動を検出する。制御装置は、所定水位になったことを検知しているので、振動検知器からの検知信号を無視して、振動検知時の制御を禁止する。したがって、振動を検知したときにおける異常停止が行われない。
制御装置は、振動検知器から入力された検知信号をキャンセルする。すなわち、振動検知器の検知信号は入力されるが、振動の判断は行わない。これによって、振動は検知しても無効にして、振動ではないと判断することにより、振動の検知による制御が禁止されることになる。あるいは、制御装置は、振動検知器からの検知信号の入力を拒否する。すなわち、振動検知器から検知信号が出力されても、制御装置は、検知信号を受け付けない。検知信号は制御装置に入力されないので、振動が検知されることはない。これによっても、振動がないと判断されるので、振動の検知による制御は行われない。
そして、制御装置は、ドレンタンクの水位が所定水位になったことを検知した後、所定水位より低い水位を検知したとき、所定時間だけ振動の検知による制御を禁止する。ドレンタンクの水位が低下するということは、ドレンタンクをハウジングから取り外して、排水した後、装着した場合である。
ドレンタンクの装着によって、水位が低くなったことが検知される。このとき、振動が発生しても、ドレンタンクが装着されたときから所定時間の間だけ、振動は検知されない。したがって、ドレンタンクの装着に伴う振動は無視され、不要な異常停止は行われない。
また、ドレンタンクの着脱を検出するドレンタンク検出器が設けられ、制御装置は、ドレンタンクの装着あるいは取り外しを検知したとき、振動の検知による制御を禁止する。そして、制御装置は、ドレンタンクの取り外しを検知した後、ドレンタンクの装着を検知したとき、所定時間だけ振動の検知による制御を禁止する。
ドレンタンクの水位が所定水位になったときだけでなく、ドレンタンクの水位が所定水位になる前でも、ドレンタンクが着脱される場合がある。このような場合でも、着脱に伴うハウジングの振動が無視され、不要な異常停止は行われない。
本発明によると、ドレンタンクの満水等によって、ハウジングに対してドレンタンクを着脱したとき、着脱によるハウジングの振動を検出しても、この振動を無視するので、異常停止を回避できる。したがって、不要な運転の停止をなくすことができ、利便性の向上を図れる。
本実施形態の除湿機を図1に示す。除湿機の合成樹脂製ハウジング1は、縦長タイプで前後方向の奥行きが小さい構造とされる。ハウジング1内には、蒸発器2、凝縮器3、圧縮機4がそれぞれ設けられ、これらによって冷凍サイクルが構成される。ハウジング1の内部は、上下に仕切られ、上側に蒸発器2および凝縮器3が配され、下側に圧縮機4が配される。蒸発器2の下方には、ドレンタンク5が配される。ドレンタンク5は、ハウジング1の側面の下部から出し入れ可能とされる。
ハウジング1の前面の上部に第1吹出口6、背面の中央部に吸込口7、その上方に第2吹出口8がそれぞれ形成される。ハウジング1の上面には、操作部と持ち運び用の把手とが設けられ、下面の4隅にはキャスタ9が取り付けられ、容易に移動可能とされる。
ハウジング1の内部には、吸込口7から蒸発器2を通って第1吹出口6に至る冷風路10と、吸込口7から凝縮器3を通って第2吹出口8に至る温風路11とが形成される。冷風路10では、蒸発器2の下流側に第1送風機12が配される。温風路11では、凝縮器3の下流側に第2送風機13が配される。
冷風路10中に、正イオンおよび負イオンを発生するイオン発生装置15が設けられ、冷風とともに正イオンおよび負イオンが室内に放出される。イオン発生装置15は、第1送風機12の下流側に配される。また、冷風路10中に、発熱体としてヒータ16が設けられる。ヒータ16は、第1送風機12の下流側に配され、蒸発器2を通過した風を温める。第1吹出口6にはルーバが設けられている。ルーバは、モータによって上下方向に回動される。このルーバと一体的に縦ルーバが設けられる。縦ルーバは、別のモータによって左右方向に回動される。
温風路11は、途中で分岐して、冷風路10に接続される。分岐点は、第2送風機13の下流側に位置し、分岐点に、風の流れ方向を切り替えるダンパ17が設けられる。ダンパ17が回動することにより、温風路11は、冷風路10に対して独立した状態と、冷風路10に接続された状態とに切り替えられる。したがって、送風切替の操作によって、温風が第2吹出口8に向かう風の流れと、温風と冷風とを混合して第1吹出口6に向かう風の流れとが選択できる。なお、ダンパ17の回動は、レバー操作によって行われる。あるいはモータによってダンパ17を回動させてもよい。また、ダンパ17の代わりに、切替バルブを用いて、送風切替を行ってもよい。
そして、冷凍サイクルの運転を制御する制御装置20が設けられる。図2に示すように、マイクロコンピュータからなる制御装置20には、室内の湿度を検出する湿度検知器21、室温を検出する温度検知器22、蒸発器2の温度を検出する蒸発器温度検知器23、ヒータ16の近傍の温度を検出するヒータ温度検知器24、ドレンタンク5の満水を検出する満水検知装置25、ハウジング1に加わった振動を検出する振動検知器26がそれぞれ接続される。また、各送風機12、13のモータを駆動するためのモータ駆動回路27、圧縮機4を駆動するための圧縮機駆動回路28、ヒータ16に通電するためのヒータ駆動回路29、イオン発生装置15に高電圧を印加するための高圧ユニット駆動回路30、ルーバのモータを駆動するためのルーバ駆動回路31がそれぞれ接続される。
湿度検知器21および温度検知器22は、吸込口7の近傍に配され、室内から吸い込んだ空気の温度や湿度を検出する。蒸発器温度検知器23は、蒸発器2の表面温度を検出する。ヒータ温度検知器24は、ヒータ16よりも下流側で第1吹出口6の近傍に配される。ヒータ温度検知器24がヒータ16を通過した風の温度を検出することにより、ヒータ16の近傍の温度が間接的に検出される。
満水検知装置25は、ドレンタンク5の水位に応じて上下するフロート32と、フロート32と一体的に設けられた磁石33と、磁気を検出するホールセンサ等の磁気センサ34とからなる。フロート32と磁石33はドレンタンク5内に配され、磁石33は支軸を挟んでフロート32に対向して設けられ、両者はシーソーのように動く。磁気センサ34は、ドレンタンク5の上方に設けられ、磁石33と対向するように配される。ドレンタンク5が満水になると、磁石33が磁気センサ34から離れ、磁気センサ34がオフ信号を出力することにより、満水が検知される。また、ドレンタンク5がハウジング1から取り出されたとき、磁石33は磁気センサ34から離れ、ドレンタンク5がハウジング1に装着されると、磁石33は磁気センサ34に近接する。これにより、ドレンタンク5の有無を検知することができる。すなわち、満水検知装置25は、ドレンタンク5の有無を検出するドレンタンク検知器を兼用している。
振動検知器26は、球および球の動きに応じてオンオフするスイッチからなる一般的な感震器とされる。振動検知器26は、ハウジング1内の上部に配される。
そして、制御装置20は、選択された運転モードにしたがって、これらの検知器から入力された情報に基づき各駆動回路を駆動制御する。運転モードとして、冷風運転、衣類乾燥運転、衣類乾燥(速乾)運転、自動除湿運転、連続運転、送風運転が選択可能とされる。運転モードの選択は、操作部の運転切替ボタンを操作することにより行われる。
また、送風切替の操作により、クールモードとドライモードとが選択できる。クールモードでは、温風路11と冷風路10とはそれぞれ独立しており、第1吹出口6から冷風が吹き出され、第2吹出口8から温風が吹き出される。ドライモードでは、温風路11が冷風路10に連通して、第1吹出口6から冷風と温風とが同時に吹き出され、第2吹出口8からわずかに温風が吹き出される。なお、モータによってダンパ17を回動させる場合、運転モードに応じてクールモードあるいはドライモードを自動的に切り替えることができる。
冷風運転では、クールモードを選択する。第1送風機12により、室内の空気が吸込口7からフィルタを通して吸い込まれる。冷風路10を流れる空気は、蒸発器2を通過するときに冷却され、冷風となる。このとき、空気中の水分が蒸発器2の表面に結露して、冷風は除湿される。結露した水分は、ドレンタンク5に集められる。除湿されて乾燥した冷風は、第1吹出口6から吹き出される。また、第2送風機13により、室内の空気が吸込口7からフィルタを通して吸い込まれる。温風路11を流れる風は、凝縮器3で加熱されて温風となって、第2吹出口8から吹き出される。このとき、設定された風量にしたがって、各送風機12、13が駆動される。
衣類乾燥運転では、ドライモードを選択する。吸込口7から吸い込まれた室内の空気は、蒸発器2により除湿され、冷風となる。凝縮器3によって温められた空気は、温風路11から冷風路10に流れる。第1吹出口6から乾燥した冷風と温風とが混合されて吹き出される。このとき、設定された風量にしたがって、各送風機12、13が駆動される。
衣類乾燥(速乾)運転では、ドライモードを選択して、ヒータ16を作動させる。風の流れは衣類乾燥運転時と同じである。ヒータ16の作動により、冷風が温められ、温風と混合されて、より高温になった風が第1吹出口6から吹き出される。このとき、設定された風量にしたがって、各送風機12、13が駆動される。
自動除湿運転では、ドライモードを選択する。風の流れは衣類乾燥運転時と同じである。このとき、設定された風量にしたがって、各送風機12、13が駆動される。また、室温および室内の湿度に応じて、冷凍サイクルの運転が制御され、除湿運転と送風運転とが切り替えられる。すなわち、湿度が規定値以上のときは、除湿運転が行われ、規定値未満になると、冷凍サイクルの運転が停止されて、送風運転が行われる。この規定値は、室温によって異なり、室温が標準温度以下のとき、規定値は標準湿度に設定され、室温が標準温度より高いとき、規定値は標準湿度より低い湿度、例えば55%に設定される。なお、標準温度は、27℃あるいは28℃とされる。標準湿度は、60%とされる。
また、自動除湿運転では、室温が標準温度よりも低いとき、風量が増大するように各送風機12、13が駆動される。すなわち、低温、例えば15℃以下になったとき、自動的に風量が増える。これにより、低温時の除湿能力が高まる。
連続運転では、クールモードかドライモードのいずれかを選択する。湿度に関係なく連続した除湿運転が行われる。このとき、設定された風量にしたがって、各送風機12、13が駆動される。
送風運転では、クールモードかドライモードのいずれかを選択する。冷凍サイクルの運転は行われず、各送風機12、13だけが駆動される。
制御装置20は、イオン発生装置15を駆動して、正イオンおよび負イオンを発生させて、室内に放出するイオン運転を行う。イオン運転は、上記の各運転に対して任意で行われる。すなわち、イオン運転ボタンが操作されたときに、イオン運転が行われる。
イオン発生装置15は、イオン発生素子と、これに高電圧を印加する高圧ユニット駆動回路30とを有する。制御装置20が高圧ユニット駆動回路30を駆動すると、イオン発生素子に高電圧が印加され、イオン発生素子から正イオンおよび負イオンが発生する。正イオンおよび負イオンは、冷風路10を流れる風によって第1吹出口6から吹き出される。
衣類乾燥運転、衣類乾燥(速乾)運転、自動除湿運転のときにイオン運転を行う場合、湿度に応じてイオン運転が制御される。湿度が上記の規定値より高い第2規定値、例えば70%以上のとき、標準のイオン運転時よりもイオンの発生量が増えるように高濃度運転が行われる。高濃度運転では、イオン発生素子に印加する高圧パルス電圧の印加回数を多くすることにより、放電回数を増やして、イオンを多く発生させる。湿度が第2規定値未満のとき、標準のイオン運転が行われる。なお、標準のイオン運転では、正イオンおよび負イオンの発生量は約15万個/ccとされ、高濃度運転では、発生量は40万〜50万個/ccとされる。
連続運転のときにイオン運転を行う場合、標準のイオン運転が行われる。さらに、衣類乾燥運転、衣類乾燥(速乾)運転のときにイオン運転を行う場合、運転開始後、一定時間、例えば15分間は湿度に関係なく高濃度運転が行われる。高濃度運転によって、カビ菌等の室内に浮遊している菌に対して、すばやく除菌できる。
また、冷凍サイクルの運転において、制御装置20は、室温に応じて圧縮機4の駆動を制御する。室温が第1温度未満、例えば約5℃未満になると、圧縮機4が停止され、除湿した水の凍結を防止する。室温が第2温度以上、例えば約40℃以上になると、冷凍サイクルの運転が停止され、装置に無理がかからないようにして、装置を保護する。室温が第3温度以上、例えば約35℃以上のとき、圧縮機4を駆動したまま、送風機12、13が高回転され、圧縮機4の温度を下げるようにする。
さらに、制御装置20は、除霜運転も行う。除霜運転は、室温が設定温度以下、例えば19℃以下になると行われる。また、蒸発器2の表面温度が所定温度以下、例えば0℃以下になったときにも、除霜運転が行われる。除霜運転では、圧縮機4が停止され、各送風機12、13が駆動される。このとき、各送風機12、13は除湿運転時よりも高回転とされ、風量が上がる。また、ルーバは上方向に回動され、吹き出す風が上向きとなる。
冷凍サイクルの運転中、室内の空気が除湿されて、ドレンタンク5に水が溜まっていく。ドレンタンク5の水位が所定水位になると、制御装置20は、満水検知装置25からの出力信号によって満水を検知する。すなわち、水位の上昇に伴って、フロート32が上がると、磁石33が下がる。満水になると、磁気センサ34は磁石33の磁気を検出できなくなり、磁気センサ34はオフ信号を出力する。
制御装置20は、満水になったことを検知すると、冷凍サイクルの運転を停止するとともに、各送風機12、13の駆動を停止する満水停止を実行する。ドレンタンク5がハウジング1から取り出された後、空になったドレンタンク5が装着されると、満水検知装置25の磁気センサ34は、ドレンタンク5内の磁石33の磁気を検出する。磁気センサ34がオン信号を出力すると、制御装置20は、ドレンタンク5が装着されたことを検知して、運転待機状態となる。なお、排水後のドレンタンク5が装着されたとき、満水停止前の運転を自動的に再開するような制御を行ってもよい。
また、ハウジング1に振動が加わったり、ハウジング1が転倒したとき、振動検知器26は、この動きを検出して、オン信号を出力する。制御装置20は、振動検知器26の出力に基づいて振動の程度を判断する。軽微な振動の場合、振動検知器26からの出力は、一瞬のオン信号であったり、短時間のオン信号である。一方、強い振動や転倒の場合、振動検知器26からの出力は、連続したオン信号、あるいは長時間のオン信号である。制御装置20は、所定時間経過したとき、オン信号が入力されていると、異常な振動であると判断し、所定時間経過したとき、オン信号が入力されていないと、軽微な振動であるから異常ではないと判断する。このように、最初に振動が検知されたときから制御を開始するまでの間に所定時間のタイムラグが設けられる。このタイムラグ時間は、振動検知器26からのオン信号が入力された時点から判断する時点までの時間である。
そして、制御装置20は、異常振動であると判断したとき、即座に全ての運転を停止して、電源をオフする異常停止を実行する。このとき、制御装置20も動作を停止する。異常停止の復帰には、運転ボタンを2回操作するといった特殊操作を要する。特殊操作が行われると、電源がオンし、制御装置20が立ち上がって、運転の制御が行われる。
異常停止後、すぐに運転を開始するとき、振動検知器26自身が揺れていて、オン信号を出力する場合がある。この場合に特殊操作が行われたとき、制御装置20は、振動検知器26からの入力を一定時間受け付けない。一定時間の間に、振動検知器26がオン信号を出力しても、制御装置20は、この信号を無視し、異常停止を行わない。一定時間経過すると、運転が開始される。したがって、異常停止が繰り返されず、すぐに運転を開始することができる。
ところで、ドレンタンク5が満水になったとき、ハウジング1からドレンタンク5が取り出されて、排水される。そして、空になったドレンタンク5がハウジング1に装着される。この着脱のとき、ハウジング1に衝撃が加わって、ハウジング1が揺れる。振動検出器26は、この振動を検出してしまう。
そこで、制御装置20は、ドレンタンク5の満水になったことを検知したとき、振動の検知による制御を禁止する。すなわち、ドレンタンク5が満水になったとき、ドレンタンク5が着脱されるので、制御装置20は、振動を検知しても、異常停止を行わない。
ドレンタンク5が満水になると、満水検知装置25は所定水位になったことを検出して、磁気センサ34がオフ信号を出力する。図3に示すように、制御装置20は、満水検知装置25からオフ信号が入力されると、満水を検知して(♯10)、満水停止を行う。このとき、制御装置20は、満水フラグをオンする。そして、振動検知器26からの入力を確認する(♯20)。
ドレンタンク5の着脱に伴ってハウジング1に振動が加わったとき、振動検知器26は、オン信号を出力する。このオン信号を受けた制御装置20は、入力されたオン信号をキャンセルする。すなわち、満水フラグがオンのとき、振動検知器26からのオン信号が入力されると、このオン信号に基づき振動の判断を行うが、オン信号をキャンセルすることにより、信号を無効にして、異常振動ではないと判断する。あるいは、制御装置20は、振動検知器26からのオン信号の入力を拒否する。すなわち、満水フラグがオンのとき、振動検知器26からオン信号を受け付けないようにする。したがって、制御装置20は、振動の判断を行わない。このようにして、制御装置20は、異常振動が発生していても異常停止を行わず、満水停止を継続する(♯40)。
制御装置20は、満水フラグがオンであることを確認する(♯10)と、再度振動検知器26からの入力の有無を確認する(♯20)。ハウジングの振動が収まっていると、振動検知器26からオフ信号が出力される。このオフ信号を受けた制御装置20は、満水検知装置25からの信号を確認する(♯30)。満水検知装置25の出力がオフ信号であれば、まだ満水であると判断し、満水停止を継続する。
空のドレンタンク5が装着されていると、満水検知装置25はオン信号を出力する。制御装置20は、満水でなくなったことを検知して、満水停止を解除し、満水フラグをオフして、運転待機状態とする(♯50)。その後、運転ボタンの操作により運転を開始するか、あるいは満水停止前の運転を自動的に再開する。なお、ドレンタンク5が満水でないとき、すなわち満水フラグがオフであれば、通常の運転が行われる(♯60)。
このように、ドレンタンク5が満水になったとき、ドレンタンク5の着脱が行われる。このとき、ハウジング1に振動が加わり、振動検知器26は振動を検出する。しかし、この振動は無視され、異常停止が回避される。したがって、ドレンタンク5の着脱の度に特殊操作を行って、運転を復帰させる必要がなくなり、利便性の向上を図れる。
また、満水になったドレンタンク5を取り出した後、空のドレンタンク5が装着される。このときにも、ハウジング1が振動して、制御装置20は、異常振動と判断するおそれがある。そこで、制御装置20は、ドレンタンク5の満水を検知した後、所定水位より低い水位を検知したとき、所定時間だけ振動の検知による制御を禁止する。すなわち、満水停止中に、ドレンタンク5が装着されたとき、制御装置20は、振動を検知しても、異常停止を行わない。
図4に示すように、ドレンタンク5が満水になったときの制御装置20の動作(♯110、♯130、♯140、♯200)は、上記の図3に示した場合と同じである。制御装置20は、空のドレンタンク5が装着されたとき、満水検知装置25からのオン信号に応じて満水ではないと判断して、所定時間のための満水復帰カウントを開始する(♯210)。このとき、満水フラグはオンのままである。
制御装置20は、満水復帰カウント中、ドレンタンク5の水位の変化の有無を確認する(♯150)。ドレンタンク5を装着したときの振動によって、満水検知装置25のフロートが揺れて、満水であるにもかかわらず、水位が低下したと誤検知するおそれがある。この確認によって、満水であることを検知すると、満水復帰カウントを中止する。満水でないことを確認すると、カウントを続ける(♯152)。
ドレンタンク5が装着されてから所定時間経過したとき(♯160)、制御装置20は、満水復帰カウントを中止し(♯161)、満水停止を解除し、満水フラグをオフして、運転待機状態とする(♯220)。その後、運転ボタンの操作により運転を開始するか、あるいは満水停止前の運転を自動的に再開する。運転が行われると、制御装置20は、ドレンタンク5が満水になるまで、通常の振動の検知を行う(♯170)。振動を検知しなければ、運転が継続される(♯230)。振動を検知すると、異常停止される(♯240)。
このように、空にしたドレンタンク5を装着したとき、ハウジング1に振動が加わり、振動検知器26は振動を検出する。しかし、所定時間の間だけ、この振動は無視され、異常停止が回避される。この所定時間は、ドレンタンク5を装着したときに発生する振動が検知されない程度までに収まる時間に設定する。したがって、不要な異常停止をなくすことができ、利便性の向上を図れる。
また、運転ボタンの操作により冷風運転、衣類乾燥運転、衣類乾燥(速乾)運転、自動除湿運転、連続運転のいずれかの除湿運転が停止された後、再運転を行うとき、制御装置20は、圧縮機4の駆動を規制する。すなわち、除湿運転の停止後、再運転のために運転ボタンが操作されたとき、一定時間、例えば3分間だけ圧縮機4を駆動せず、送風機12、13だけを駆動する。一定時間経過すると、圧縮機4が駆動され、冷凍サイクルの運転が開始される。また、電源プラグを差し込んだ直後に、運転ボタンを操作したときにも、同様の制御が行われる。これによって、圧縮機4に負荷がかからず、装置の保護を図れる。
ここで、衣類乾燥(速乾)運転では、ヒータ16が作動する。冷凍サイクルの運転が停止しているときにヒータ16が作動すると、室内の空気が加熱され、高温の風が第1吹出口6から吹き出される。そこで、制御装置20は、冷凍サイクルの運転に応じてヒータ16の作動を制御する。冷凍サイクルの運転を開始するとき、まず圧縮機4を駆動して、その後ヒータ16を作動する。すなわち、圧縮機4が駆動されるまで、ヒータ16の作動は禁止される。冷凍サイクルの運転を停止するとき、まずヒータ16の作動を停止して、その後圧縮機4を停止する。
このように、圧縮機4が駆動しているときにのみ、ヒータ16は作動可能とされる。圧縮機4の駆動により冷風が発生するので、ヒータ16は冷風を加熱することになる。したがって、高温の風が吹き出すことを防止できる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正および変更を加え得ることは勿論である。空気調節装置として、除湿機以外に、移動自在な床置き型であればよく、一体型空気調和機、クーラ、冷風機があげられる。
満水検知装置は、ドレンタンクの水位が満水時の所定水位になったことを検出する。所定水位として、満水時の水位よりも低い報知水位を設定してもよく、報知水位になったとき、ドレンタンクの排水を促すように報知する。この満水検知装置の代わりに、水位検出器として、ドレンタンクの水位を連続的に検出するものにしてもよい。また、水位検出器以外に、ドレンタンクの着脱を検出する専用のドレンタンク検出器を設ける。制御装置は、ドレンタンクの着脱を検出したとき、振動を検知しても、これに対する判断を行わない。したがって、満水時以外のときにドレンタンクが着脱された場合でも、不要な異常停止を防げる。
本発明の除湿機の概略構成を示す図 除湿機の制御ブロック図 ドレンタンクが満水になったときの運転制御のフローチャート ドレンタンクが満水になったときの運転制御のフローチャート
符号の説明
1 ハウジング
2 蒸発器
3 凝縮器
4 圧縮機
5 ドレンタンク
6 第1吹出口
7 吸込口
8 第2吹出口
12 第1送風機
13 第2送風機
15 イオン発生装置
16 ヒータ
20 制御装置
24 ヒータ温度検知器
25 満水検知装置
26 振動検知器

Claims (6)

  1. 移動自在なハウジングに、蒸発器、凝縮器および圧縮機からなる冷凍サイクルと、蒸発器に結露した水を溜める着脱可能なドレンタンクと、ドレンタンクの水位を検出する水位検出器と、ハウジングに加わった振動を検出する振動検知器と、振動検知器の検知信号に応じて冷凍サイクルの運転を制御する制御装置とが設けられ、制御装置は、ドレンタンクの水位が所定水位になったことを検知したとき、振動の検知による制御を禁止することを特徴とする空気調節装置。
  2. 制御装置は、振動検知器から入力された検知信号をキャンセルすることを特徴とする請求項1記載の空気調節装置。
  3. 制御装置は、振動検知器からの検知信号の入力を拒否することを特徴とする請求項1記載の空気調節装置。
  4. 制御装置は、ドレンタンクの水位が所定水位になったことを検知した後、所定水位より低い水位を検知したとき、所定時間だけ振動の検知による制御を禁止することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気調節装置。
  5. 移動自在なハウジングに、蒸発器、凝縮器および圧縮機からなる冷凍サイクルと、蒸発器に結露した水を溜める着脱可能なドレンタンクと、ドレンタンクの着脱を検出するドレンタンク検出器と、ハウジングに加わった振動を検出する振動検知器と、振動検知器の検知信号に応じて冷凍サイクルの運転を制御する制御装置とが設けられ、制御装置は、ドレンタンクの装着あるいは取り外しを検知したとき、振動の検知による制御を禁止することを特徴とする空気調節装置。
  6. 制御装置は、ドレンタンクの取り外しを検知した後、ドレンタンクの装着を検知したとき、所定時間だけ振動の検知による制御を禁止することを特徴とする請求項5記載の空気調節装置。
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