以下、図面を参照して、本発明に係るデジタルデータ(放送)受信機について説明する。また、以下では本発明に係るデジタルデータ受信機を、車載用として説明するが、車載用に限定的に利用されるのもではなく、家庭用や携帯機器用等にも用いることが可能である。即ち、本発明に係るデジタルデータ受信機は、以下の説明に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り、様々な形態を採り得る。
本発明に係るデジタルデータ受信機は、日本の地上デジタルテレビ放送に対応した受信機等として機能するものである。地上デジタルテレビ放送では、1チャンネル分の帯域を13個のセグメントに分割し、そのうちの12セグメントを固定向けサービス(家庭用の一般向け)用とし、残りの1セグメントを携帯向けサービス(移動体受信端末)用に割り付けている。固定向けサービスではデータ圧縮方式としてMPEG2方式を採用し、携帯向けサービスではデータ圧縮方式としてH.264方式(MPEG−4Part10としても知られる映像圧縮方式の一つ)(又はMPEG4方式)を採用している。なお、地上デジタルテレビ放送では、12セグメントをさらに2つに分割して、合計3種類の番組を1チャンネル分の帯域で送信することも可能である。
固定向けサービスの符号化デジタルデータは、MPEG2方式で符号化されたものであって、高品質であるが、ビットレートが高いことからノイズ耐性が弱く、放送局からの距離が長くなると、良好な受信が困難となる場合がある。これに対して、携帯向けサービス向けの符号化デジタルデータは、H.264方式(又はMPEG4方式)で符号化されたものであって、MPEG2方式に比べるとビットレートが低いため、ノイズ耐性が強く、放送局からの距離がより長くなっても良好に受信することが可能となる。
本発明に係るデジタルデータ受信装置は、サイマル放送(同一の放送チャンネルにおいて、固定向けサービスと携帯向けサービスによる同一番組が放送されている場合)が実施されているか否かを判定する機能を有する。
図1は、本発明に係わるデジタルデータ受信機100の概要を示すブロック図である。
デジタルデータ受信機100は、チューナ部10、第1OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調部20、第2OFDM復調部22、デコーダ部30、音声切換処理部40、映像切換処理部42、第1遅延部50、第2遅延部52、音声出力処理部60、映像出力処理部62、受信状態検出部70、音量データ検出部72、サイマル判定部74、制御部90、記憶部92、I/O94、システムバス96等から構成した。
デジタルデータ受信機100は、アンテナ110、複数の車載スピーカを含む音声出力部120、液晶等による表示パネル132及び表示パネル132上に設けられたタッチパネルセンサ134等を含む車載用の表示部130及びリモコン140等と接続した。なお、図示してはいないが、デジタルデータ受信機100は、地図情報を有し、ジャイロやGPS等を利用して車両の現在位置を把握しながら地図情報を提供するナビゲーション装置と接続されていても良い。また、デジタルデータ受信機100は、アンテナ110、音声出力部120、表示部130、リモコン190及びナビゲーション装置の何れか1つ又は複数を含むように、また何れか1つ又は複数に含まれるように構成されても良い。
デジタルデータ受信機100は、タッチパネルセンサ134及び/又はリモコン140に設けられた各種入力手段からの操作入力によって制御されるように構成されている。
チューナ部10は、車体に取り付けられたアンテナ110より、制御部90からの制御信号に応じた放送波を受信するように同調され、受信帯域に存在するOFDM信号を抽出して、第1及び第2OFDM復調処理部20及び22へ送る。なお、チューナ部10は、放送波を受信する際の電界強度信号Sを、システムバス96を介して制御部90に送信する。
第1OFDM復調処理部20は、固定向けサービスのセグメントにおけるOFDM信号の復調を行ってデジタル信号を取り出し、デジタル信号の誤り訂正処理を行ってTS(トランスポート・ストリーム)パケット信号を出力及び分離し、固定向けサービスの音声に関するTSパケット信号を第1音声デコーダ32へ送信し、固定向けサービスの映像に関するTSパケット信号を第1映像デコーダ34へ送信する。また、第1OFDM復調処理部20は、誤り訂正処理によって誤り訂正を行うことができなかったことを示す第1訂正エラー信号(リードソロモン信号)RS1を、システムバス96を介して制御部90に送信する。さらに、第1OFDM復調処理部20は、TSパケットのヘッダ部に含まれるCRC(Cyclic Redundancy Check)データを利用して、伝送上のビット・エラーを検出し、予め定められた閾値をビット・エラーが越えた場合には、第1BER(Bit Error Ratio)信号を、システムバス96を介して制御部90へ、また受信状態検出部70へ送信する。
第2OFDM復調処理部22は、携帯向けサービスのセグメントにおけるOFDM信号の復調を行ってデジタル信号を取り出し、デジタル信号の誤り訂正処理を行ってTSパケット信号を出力及び分離し、携帯向けサービス向けの音声に関するTSパケット信号を第2音声デコーダ36へ送信し、携帯向けサービス向けの映像に関するTSパケット信号を第2映像デコーダ38へ送信する。また、第2OFDM復調処理部22は、誤り訂正処理によって誤り訂正を行うことができなかったことを示す第2訂正エラー信号(リードソロモン信号)RS2を、システムバス96を介して制御部90に送信する。さらに、第2OFDM復調処理部22は、TSパケットのヘッダ部に含まれるCRCデータを利用して、伝送上のビット・エラーを検出し、予め定められた閾値をビット・エラーが越えた場合には、第2BER信号を、システムバス96を介して制御部90へ、また受信状態検出部70へ送信する。
デコーダ部30は、固定向けサービスの音声データをデコードする第1音声デコーダ32、固定向けサービスの映像データをデコードする第1映像デコーダ34、携帯向けサービスの音声データをデコードする第2音声デコーダ36、携帯向けサービスの映像データをデコードする第2映像デコーダ38を有する。なお、各デコーダ32〜38は、それぞれの機能を有する個別の電子回路として構成されても良いし、それぞれの機能をソフトウエア的に達成するハードウエア的には1つのデコーダ装置であっても良い。
第1音声デコーダ32は、第1OFDM復調部20から受信したTSパケットに含まれるデータをデコードして、固定向けサービス(MPEG2方式)の第1音声データを生成し、第1映像デコーダ34は、第1OFDM復調部20から受信したTSパケットに含まれるデータをデコードして、固定向けサービス(MPEG2方式)の第1映像データを生成するように構成した。また、第2音声デコーダ36は、第2OFDM復調部22から受信したTSパケットに含まれるデータをデコードして、携帯向けサービス向け(H.264方式又はMPEG4方式)の第2音声データを生成し、第2映像デコーダ38は、第1OFDM復調部20から受信したTSパケットに含まれるデータをデコードして、携帯向けサービス向け(H.264方式又はMPEG4方式)の第2映像データを生成するように構成した。
また、第1音声デコーダ32及び第2音声デコーダ36は、デコード時に、エラーが発生した場合には、デコードエラーが発生したことを示す第1及び第2デコードエラー信号を、システムバス96を介して制御部90へ送信する。制御部90では、デコードエラー信号を受信した場合には、受信状態が悪いと判断することができる。さらに、第1音声デコーダ32及び第2音声デコーダ36は、デコードエラーが発生した場合には、不適切なデータによって爆音が生じない様に、NULLデータのみからなる音声データを出力する。NULLデータのみからなる音声データは、無音としてスピーカから出力されることとなる。
なお、デコーダ部30は、第1又は第2OFDM復調部20又は22から受信したTSパケットに含まれるデータをデコードして、EPG(番組案内情報)データ等を生成し、システムバス96を介して、制御部90へ生成データを出力するデータデコーダを有していても良い。
第1音声デコーダ32及び第2音声デコーダ36からの音声データは音声切換処理部40へ送信され、第1映像デコーダ36及び第2映像デコーダ38からの映像データは映像切換処理部42へ送信される。
音声切換処理部40では、制御部90からの制御信号に応じて、第1音声デコーダ32からの固定向けサービスの音声データ及び第2音声デコーダ36からの携帯向けサービス向けの音声データの何れか一方が選択されて出力されるように切換制御がなされる。音声切換処理部40から出力される選択された音声データは、第1遅延部50において、他方の音声データとの同期を合わせた後、音声出力処理部60へ出力される。音声出力処理部60では、音声データをアナログ信号へ変換し、音量を適正化させて、複数の車載スピーカへ出力する等の処理を行う。
映像切換処理部42では、制御部90からの制御信号に応じて、第1映像デコーダ34からの固定向けサービスの映像データ及び第2映像デコーダ38からの携帯向けサービス向けの映像データの何れか一方が選択されて出力されるように切換制御がなされる。映像切換処理部42から出力される選択された映像データは、第2遅延部52において、他方の映像データとの同期を合わせた後、映像出力処理部62へ出力される。映像出力処理部62では、映像データを表示部130のサイズ及び/又は性能等に合わせる適合処理、静止画像やフリーズ画像等との合成処理等を行う。
また、第1及び/又は第2遅延部50、52は、音声データと映像データとの同期合わせも行う。
受信状態検出部70は、第1及び第2OFDM復調部20及び22からの第1及び第2BER信号、後述する音量データ検出部72からの第1及び第2無音信号に基づいて、固定向けサービス及び携帯向けサービスの受信状態を検出し、状態信号(図9(e)参照)をシステムバス96を介して制御部90へ送信する。
音量データ検出部72は、第1音声デコーダ32からの第1音声データを用いて、第1音声データが無音状態か否かを示す第1無音信号を受信状態検出部70、サイマル判定部74及び制御部90へ送信する。また、音量データ検出部72は、第2音声デコーダ36からの第2音声データを用いて、第2音声データが無音状態か否かを示す第2無音信号を受信状態検出部70、サイマル判定部72及び制御部90へ送信する。
本実施形態では、音声データは、20μs毎の16ビットデータによって表現されるように設定されているが、無音の場合には、NULLデータが連続することとなる。そこで、音量データ検出部72では、所定時間以上、NULLデータが連続した場合に、無音であると判定するように構成されている。なお、無音となる場合としては、同調した放送チャンネルにおける固定向け又は携帯向けサービスの番組が放送されていない場合、又は受信状態が悪くデコードエラーが発生している場合が考えられる。
サイマル放送検出部74は、CPU、RAM及びROMを少なくとも含んで構成され、予めインストールされているプログラムにしたがって動作し、音量データ検出部72からの第1及び第2無音信号、第1及び第2音声デコーダ32及び36からの第1及び第2音声データを用いて、サイマル放送が行われて意いるか否かを判定し、判定結果をシステムバスを介して制御部90へ送信する。
制御部90は、CPU、RAM及びROMを少なくとも含んで構成され、予めインストールされているプログラムにしたがって動作し、システムバス96と接続されている各要素の制御を行う。また、制御部90は、チューナ部10からの電界強度信号S、第1及び第2OFDM復調処理部20及び22からの第1及び第2訂正エラー信号RS1及びRS2、第1及び第2OFDM復調処理部20及び22からの第1及び第2BER信号、第1及び第2音声デコーダ32及び36からの第1及び第2デコードエラー信号、受信状態検出部70からの状態信号、音量データ検出部72からの第1及び第2無音信号、サイマル判定部74からのサイマル状態判定信号を受信し、各信号の全て又は一部に基づいて最適な音声データ及び映像データを出力するように、音声切換処理部40、映像切換処理部42、第1及び第2遅延部50及び52、音声出力処理部60及び映像出力処理部62等の制御を行う。
図2は、TS(Transport Stream)及びPES(Packetized Elementary Stream)の構成を示す図である。
図2(a)に示すように、TSは、複数のTSパケットから構成され、1つのTSパケットは188バイトの固定長である。また、TSパケットは、4バイトのヘッダ部(TSH)と、184バイトのデータ部から構成される。ヘッダ部は、13ビットのTSパケットを識別するためのPID(パケットID)、そのTSパケット内に誤りがあるか否かを示すTSエラービット等が含まれる。データ部には、映像、音声、データ放送用のデータ等のデータが含まれる。TSパケットには、映像データを含むパケット、音声データを含むパケット、データ放送用のデータを含むパケット、NULLデータのみを含むパケット等があり、特定のパケットがどのようなパケットであるかはPIDにより判断することができる。
図2(b)に示す映像PESは、第1又は第2映像デコーダ34及び38において、複数のTSパケットに含まれる映像データから再構成された映像パケットを示している。1つのパケットは固定長ではなく、ヘッダ部(PH)と符号化されたデータから構成されるデータ部から構成される。ヘッダ部(PH)には、プログラム時刻基準値を示すPCR(Program Clock Reference)、映像データと音声データとの同期を取るための提示時刻情報(PTS:Presentation Time Stamp)、および伝送上のビット・エラーを検出するための用いることができるCRCデータが含まれる。なお、データ部における符号化されたデータが復号化された時には、復号時刻を示す復号時刻情報(DTS:Decoding Time Stamp)が付される。
図2(c)に示す音声PESは、第1又は第2音声デコーダ32及び36において、複数のTSパケットに含まれる音声データから再構成された音声パケットを示している。1つのパケットは固定長ではなく、ヘッダ部(PH)と符号化されたデータから構成されるデータ部から構成される。ヘッダ部(PH)には、同様に、PCR、PTS及びCRCデータが含まれる。なお、データ部における符号化されたデータが復号化された時には、DTSが付される。
デコードされた固定向けサービス映像データ及び音声データと、デコードされた携帯向けサービス向け映像データ及び音声データが、それぞれどのようなタイミングにあるかは、前述した、PCR、PTS及びDTSの何れか一つ又は複数によって判別することができる。
図3は、サイマル前処理の一例の処理フローを示す図である。
後述するサイマル放送の判定の前に、TMCC信号内の情報を利用して、サイマル放送でありえない場合については、サイマル放送の判定処理を行うまでもなく、サイマル放送ではないと判断するようにしたものである。
図3に示す処理フローは、主に、制御部90が、予めインストールされたプログラムに従って、デジタルデータ受信機100の他の要素と協同して実行する。また、図3の処理フローが開始される時点で、デジタルデータ受信機100は、電源がONされ、各種機能が動作可能な状況にあるものとする。さらに、図3に示す処理フローは、ユーザによって選局がなされた場合や、デジタルデータ受信機100の電源がONされた場合等、適当なタイミングで繰り返し実行される。
最初に、制御部90は、第1又は第2OFDM復調部20又は22で認識されるTMCC信号内の情報を取得する(S1)。
TMCC信号は、デジタル放送における伝送方式を規定する伝送制御信号であって、少なくとも、部分受信フラグデータ、A階層伝送パラメータ情報、B階層伝送パラメータ情報及びC階層伝送パラメータ情報を含んでいる。
部分受信フラグデータは、伝送帯域中央のセグメントが部分受信用に設定されている場合には「1」に、そうでない場合には「0」に設定されている。サイマル放送の場合には、伝送帯域中央の1セグメントが携帯向けサービスに利用され、他の12セグメントが固定向けサービスに利用されるため、部分受信フラグデータが「0」の場合には、携帯向けサービスが行われない状況、即ちサイマル放送ではありえない状況であると判断することができる。また、逆に、部分受信フラグデータが「1」の場合には、携帯向けサービスがあることを示しており、通常携帯向けサービスを行う場合には、固定向けサービスが行われることが多いので、サイマル放送が行われている可能性が高いと判断することができる。
次に、制御部90は、TMCC信号内の情報から部分受信フラグデータを取得し、部分受信フラグデータが「0」の場合には、S3へ進んで、サイマル判定せずとの判断を行い、受信フラグデータが「1」の場合には、S4へ進んで、サイマル判定を実行するとの判断を行って、サイマル判定の前処理を終了する。サイマル判定を実行すると判断された場合には、後述する図4に示す処理フローに従って、サイマル判定が実行される。
ところで、TMCC信号内のA〜C階層伝送パラメータ情報は、それぞれ、キャリア変調方式データ、畳込み符号化率データ、時間インターリーブ長データ、セグメント数データを有している。キャリア変調方式データはキャリア変調方式が、例えば、DQPSK、QPSK、16QAM、64QAMの何れかであるか、又はその階層が未使用の階層であることを示している。また、畳込み符号化率データは、畳込み符号化率が、例えば、1/2、2/3、3/4、5/6、7/8の何れかであるか、又はその階層が未使用の階層であることを示している。時間インターリーブ長データは、時間インターリーブにおけるモードの種別またその階層が未使用の階層であることを示している。セグメント数データは、その階層が何セグメントを利用しているか、又はその階層が未使用の階層であることを示している。
サイマル放送を行う場合、A階層及びB階層において、固定向けサービスと携帯向けサービスを行うことから、何れかの階層が未使用である場合には、サイマル放送ではないと判断することができる。何れかの階層が未使用であるか否かは、A又はB階層伝送パラメータ情報のキャリア変調方式データ、畳込み符号化率データ、時間インターリーブ長データ及びセグメント数データ何れかが未使用の階層であることを示しているか否かによって判断することができる。また、A又はB階層伝送パラメータ情報のセグメント数データが1の場合には、携帯向けサービスがあることを示しており、通常携帯向けサービスを行う場合には、固定向けサービスが行われことが多いので、サイマル放送が行われている可能性が高いと判断することができる。
したがって、図3では、サイマル放送を実施しているか否かを示すデータとしてTMCC信号内の部分受信フラグデータを利用して、サイマル判定の前処理を行った。しかしながら、A又はB階層伝送パラメータ情報のキャリア変調方式データ、畳込み符号化率データ、時間インターリーブ長データ及びセグメント数データ何れかが未使用の階層であることを示しているか否かの情報に基づいて、サイマル判定を行うか否かのサイマル判定の前処理を行うようにしても良い。
また、図3では、TMCC信号内の部分受信フラグデータを利用して、サイマル判定の前処理を行ったが、A又はB階層伝送パラメータ情報のセグメント数データが1か否かの情報に基づいて、サイマル判定を行うか否かのサイマル判定の前処理を行うようにしても良い。
特許文献1においては、TMCC信号のリザーブ項目を利用して、サイマル放送か否かを判定しようとしたが、全ての放送局がそのようにリザーブ項目を利用するか不明であって、サイマル判定が常に良好に機能するか不確定である。しかしながら、上述した、TMCC信号内の部分受信フラグデータ、A又はB階層伝送パラメータ情報のキャリア変調方式データ、畳込み符号化率データ、時間インターリーブ長データ及びセグメント数データの利用方法を確定しており、確実に利用することができる。
図4は、サイマル判定の一例の処理フローを示す図である。
図4に示す処理フローは、主に、サイマル判定部74が、予めインストールされたプログラムに従って、デジタルデータ受信機100の他の要素と協同して実行する。また、図4の処理フローが開始される時点で、デジタルデータ受信機100は、電源がONされ、各種機能が動作可能な状況にあるものとする。さらに、図4に示す処理フローは、ユーザによって選局がなされた場合や、デジタルデータ受信機100の電源がONされた場合等、適当なタイミングで繰り返し実行される。
最初に、N=0と設定する(S10)。
次に、音量データ検出部72から、第1音声デコーダ32からの固定向けサービスの第1音声データが無音であるか否かを示す第1無音信号と、第2音声デコーダ36からの携帯向けサービスの第2音声データが無音であるか否かを示す第1無音信号とを取得し(S11)、第1無音信号又は第2無音信号に基づいて、第1の音声データ及び第2音声データの何れか一方が無音であるか否かの判断を行う(S12)。第1音声データ及び第2音声データの何れか一方が無音であると判断された場合には、S25へ進み、サイマル放送ではないと判断して、一連の判定処理を終了する。
S12において、第1音声データ及び第2音声データが何れも無音では無いと判断された場合、次に、第1音声データを第1所定時間分取得して記憶部92へ記憶し(S13)、第2音声データを第2所定時間分取得して記憶部92へ記憶する(S14)。第1所定時間は、例えば、500msであり、第2所定時間は、例えば、2000msである。
次に、S4及び5で取得した第1音声データ及び第2音声データの音量包絡線の一致度の時間相関を演算する(S15)。
図5は、音量包絡線を説明するための図である。
図5(a)は音声データの元データを示しており、図5(b)は図5(a)に示す元データから作成された音量包絡線の一例を示している。図5(b)に示す音量包絡線は、一定期間毎の音声データの絶対値を平均した値を直線で結んだものである。ここでは、一定期間を50msした。しかしながら、一定期間(サンプリング周期)は、人が一句を発音する周期の半分程度が好ましく、25ms以上且つ100ms以下であることが好ましい。第1音声データと第2音声データは、元々圧縮方法が異なるデータをデコードしたものであって、あまり詳しく比較しすぎると、サイマル放送であるのに、異なったデータであると認識されてしまうからである。また、第1及び第2音量データの音量包絡線は、それぞれの平均音量が等しくなるように規格化されている。後述する一致度の時間相関を取り易くするためである。
図6は、音量包絡線の一致度の時間相関の演算を説明するための図である。
図6(a)は図5で説明した方法にて作成した第1音声データの音量包絡線を示す図であり、図6(b)は図5で説明した方法にて作成した第2音声データの音量包絡線を示す図である。前述したように、第1音声データは500ms分、第2音声データについては2000ms分のデータに対応した音量包絡線を作成した。図6(a)及び(b)において、横1マスは、50msに対応している。
サイマル判定部74は、図6(a)の全データ500ms分を、図6(b)の図中のX1の部分の500ms分から、図中のZ1の部分の500ms分まで、50ms毎に一致度を複数求め、その内一番高い値を、S15における一致度P1とする。図6(b)の例では、図中のY1の部分が一致度が一番高い部分である。
一致度は、「A1」を図6(a)に含まれるデータ、「B1」を図6(b)における図6(a)との比較対象部分に含まれるデータとすると、A1の絶対値の合算値とB1の絶対値の合算値の関係から以下の式により求めることができる。なお、図6(a)の全データと図6(b)における図6(a)との比較対象部分とが完全に一致する場合には、一致度は無限大となる。
次に、サイマル判定部74は、S6で求めた音量包絡線の同期ずれの測定を行う(S16)。第1音声デコーダ32と第2音声デコーダ36とが出力する音声データの再生時間は完全に一致しているとは限らないことから、第1音声データに対応する音声包絡線と第2音声データに対応する音声包絡線との間に同期ずれが生じる。同期ずれは、図6(b)における時間T1として測定される。
次に、S4及び5で取得した第1音声データ及び第2音声データの周波数包絡線の一致度の時間相関を演算する(S17)。周波数包絡線は、図5(a)に示す音声データの元データを用いて、一定期間毎の音声データの周波数を直線で結んだものである。一定期間としては、音声包絡線を作成する場合と同様に、50msした。
一定期間毎の周波数を取得する方法としては、一定期間内に音量データがプラスからマイナスになる点(ゼロクロス)の数をカウントすることによって求めることができる。例えば、50ms間に5回のゼロクロス(1s間に100回のゼロクロスと同等)がカウントできる場合には、50Hzとなる。
また、測定の精度を上げるために、第1音声デコーダ32からの第1音声データ及び第2音声デコーダからの第2音声データから高周波ノイズを除去した後に、周波数包絡線を作成することが好ましい。高周波ノイズを除去するためには、高周波カットフィルタを用いることができる。即ち、サイマル判定部74は、高周波カットフィルタを介して、第1及び第2音声データを入力するように構成することが好ましい。
さらに、周波数包絡線を作成する前に、帯域制限をしたい上限周波数でサンプリングし直しておくことも可能である。高周波カットフィルタを用いる場合と同様に、第1及び第2音声データから、比較に不必要な高周波成分を除くためである。
図7は、周波数包絡線の一致度の時間相関の演算を説明するための図である。
図7(a)は第1音声データの周波数包絡線を示す図であり、図7(b)は第2音声データの周波数包絡線を示す図である。前述したように、第1音声データは500ms分、第2音声データについては2000ms分のデータに対応した周波数包絡線を作成した。図7(a)及び(b)において、横1マスは、50msに対応している。
サイマル判定部74は、図7(a)の全データ500ms分を、図7(b)の図中のX2の部分の500ms分から、図中のZ2の部分の500ms分まで、50ms毎に一致度を複数求め、その内一番高い値を、S17における一致度P2とする。図7(b)の例では、図中のY2の部分が一致度が一番高い部分である。
一致度は、「A2」を図7(a)に含まれるデータ、「B2」を図7(b)における図7(a)との比較対象部分に含まれるデータとすると、A2の絶対値の合算値とB2の絶対値の合算値の関係から以下の式により求めることができる。なお、図7(a)の全データと図7(b)における図7(a)との比較対象部分とが完全に一致する場合には、一致度は無限大となる。
次に、サイマル判定部74は、S8で求めた周波数包絡線の同期ずれの測定を行う(S18)。第1音声デコーダ32と第2音声デコーダ36とが出力する音声データの再生時間は完全に一致しているとは限らないことから、第1音声データに対応する周波数包絡線と第2音声データに対応する周波数包絡線との間に同期ずれが生じる。同期ずれは、図7(b)における時間T2として測定される。
次に、サイマル判定部74は、上記の演算又は測定結果に基づいて、第1条件が全てYESか否かについて判断する(S19)。第1条件とは、以下に示す3つを全て満足することを言う。
(1)S15で演算して求めた音声包絡線の一致度P1が所定の閾値以上か。即ち、一致度P1が所定の閾値以上であれば、第1音声データと第2音声データと同じ音声データであると判断することができる。
(2)S17で演算して求めた周波数包絡線の一致度P2が所定の閾値以上か。即ち、一致度P2が所定の閾値以上であれば、第1音声データと第2音声データとが同じ音声データであると判断することができる。
(3)S16で求めた同期ずれT1とS18で求めた同期ずれT2とがほぼ一致するか(例えば、±25ms以内)。音量包絡線の同期ずれと周波数包絡線の同期ずれがほぼ一致しているということは、第1音声データと第2音声データとが同じ音声データであると判断することができる。
上記の(1)〜(3)の条件が全てYESの場合には、第1音声データと第2音声データは同じデータであると判断し、S24へ進み、サイマル放送と判定して一連の処理フローを終了する。
次に、サイマル判定部74は、上記の演算又は測定結果に基づいて、第1条件が全てNOか否かについて判断する(S20)。上記の(1)〜(3)の条件が全てNOの場合には、第1音声データと第2音声データは同じデータではない判断し、S25へ進み、サイマル放送ではないと判定して一連の処理フローを終了する。
上記(1)〜(3)の全てがYESでない、又は上記(1)〜(3)の全てがNOではない場合には、十分にサイマル放送か否かを判定することができない可能性があるので、S21においてNをインクリメントし、Nが5より大きいか否かをS22で判断して、Nが5以下の場合には、再度、S11〜S20を最大5回に渡って繰り返す。即ち、最大5回、新しい第1音声データ及び第2音声データを取得し、音声包絡線、周波数包絡線及び同期ずれを測定し直して、再度サイマル放送か否かの判定を行う。
5回の判定を行っても、更にサイマル放送か否かの判断がつかない場合には、第2条件を満足するか否かの判断を行う(S23)。
第2条件とは、5回の測定結果に基づいて、上記の(1)及び(2)はYESであるという場合が、3回以上連続で発生している場合を言う。即ち、第2条件とは、上記(3)は満たさないが、他の条件は複数回連続している場合をいい、S19に示す第1条件より緩和されてはいるが、サイマル放送と判定してよい最低の条件を示すものである。したがって、S21において、第2条件を満足している場合には、サイマル放送と判定し、第2条件を満足していない場合には、サイマル放送ではないと判定する。
図4に示したサイマル放送か否かを判定する処理フローは、一例であって、例えば、第1及び第2無音信号のみで、簡易的にサイマル放送か否かの判定を行うようにしても良いし、上記(1)〜(3)の何れか1つの条件でもYESであれば、簡易的にサイマル放送であると判定しても良い。
また、上記(1)〜(3)の他に演算又は測定を行い、その演算又は測定結果を上記の第1条件及び/又は第2条件に追加することができる。例えば、S13及び14で取得した第1音声データ及び第2音声データの平均音量比を演算によって求め、比がほぼ1(例えば、0.95以上)の場合を、1つの条件とすることもできる。
図4の例では、第1音声データの4倍に相当する第2音声データを取得しているが、これは、最大の同期ずれ量を見込んで定めたものである。しかしながら、前述した、PCR、PTS及びDTSの何れか一つ又は複数、TMCC信号内の時間インターリーブ長データ等によって、第1音声データと第2音声データの同期ずれ量をおおよそ判別することができるので、これらの値を用いて、第1音声データと第2音声データを取得して記憶する量を調整するように構成することができる。
図4の例では、第1音声データ及び第2音声データを両方とも記憶するようにした。しかしながら、一方のみを記憶させ、他方をリアルタイムで比較するようにして、一致度P1及びP2、同期ずれ量T1及びT2を測定するようにしても良い。
図4の例では、第2音声データを第1音声データより長く取得したが、逆にすることも可能である。
なお、図3に示すサイマル前処理を行わずに、直接図4に示すサイマル判定を行うようにしても良い。
図8は、切換処理の一例の処理フローを示す図である。
図8に示す処理フローは、映像及び音声の切換を同時に行うものとするが、個別に切換制御を行うことも可能である。また、切換条件(良好に受信されているか、復帰の条件を満たしているか等)や詳しいタイミング、さらに変更例等については後述する。また、図8に示す処理フローは、制御部90が、予めインストールされたプログラムに従い、デジタルデータ受信機100の各要素と連携して実行する。また、図8に示すフローは、所定タイミング繰り返し実行される。なお、図8に示す処理フローが開始される時点において、デーデジタルデータ受信機100は、電源がONされ、各種機能が動作可能な状況であるものとする。
制御部90は、図3に示した処理フローに従って、サイマル判定を行うか否かの判断を行う(S30)。サイマル判定を実行する場合には、サイマル判定部74が、図4に示した処理フローに従って、サイマル判定を行い(S31)、制御部90は、その結果を受け取る。
S31において、サイマル放送であると判定された場合には、制御部90は、受信状態検出部70からの情報に基づいて、固定向けサービスの受信状態が良好か否かの判断を行い(S32)、固定向けサービスの受信状態が良好な場合には、固定向けサービスの音声(第1音声デコーダ32からの第1音声データ)及び映像(第1映像デコーダ34からの第1映像データ)が出力されるように、音声切換処理部40及び映像切換処理部42を制御する(S37)。
S32において、固定向けサービスの受信状態が良好でないと判断された場合には、次に、制御部90は、受信状態検出部70からの情報に基づいて、携帯向けサービスの受信状態が良好か否かの判断を行い(S33)、携帯向けサービスの受信状態が良好な場合には、携帯向けサービスの音声(第2音声デコーダ36からの第2音声データ)及び映像(第2映像デコーダ38からの第2映像データ)が出力されるように、音声切換処理部40及び映像切換処理部42を制御する(S38)。
S33において、携帯向けサービスの受信状態が良好でない判断された場合には、次に、制御部90は、ミュート信号を音声出力部120へ出力するように音声出力処理部60を制御し、予め予め記憶部92等に記憶された静止画像を表示部130に出力するように映像出力処理部62を制御する(S39)。なお、静止画像の代わりに、第1又は第2映像データから作成したフリーズ画像を表示するようにしても良い。フリーズ画像とは、固定向けサービス又は携帯向けサービスの受信状態が良好な時点で記憶された1フレーム分の静止画像を言う。さらに、後述する図12に示すように、固定向けサービスの映像と携帯向けサービスの映像とを切換える場合には、適宜、フリーズ画像を混在させて表示させることも可能である。
サイマル前処理(S30)においてサイマル判定せずと判断された場合、及びサイマル判定(S31)においてサイマル放送ではないと判定された場合、次に、制御部90は、現在受信可能なサービスが、固定向けサービスなのか、携帯向けサービスなのかの判断を行う(S34)。
現在受信可能なサービスが固定向けサービスであると判断された場合、制御部90は、受信状態検出部70からの情報に基づいて、固定向けサービスの受信状態が良好か否かの判断を行い(S35)、固定向けサービスの受信状態が良好な場合には、固定向けサービスの音声(第1音声デコーダ32からの第1音声データ)及び映像(第1映像デコーダ34からの第1映像データ)が出力されるように、音声切換処理部40及び映像切換処理部42を制御する(S37)。
S35において、固定向けサービスの受信状態が良好でないと判断された場合には、次に、制御部90は、ミュート信号を音声出力部120へ出力するように音声出力処理部60を制御し、予め記憶部92等に記憶した静止画像を表示部130に出力するように映像出力処理部62を制御する(S39)。
S34において、現在受信可能なサービスが携帯向けサービスであると判断された場合、制御部90は、受信状態検出部70からの情報に基づいて、携帯向けサービスの受信状態が良好か否かの判断を行い(S36)、携帯向けサービスの受信状態が良好な場合には、携帯向けサービスの音声(第2音声デコーダ36からの第2音声データ)及び映像(第2映像デコーダ38からの第2映像データ)が出力されるように、音声切換処理部40及び映像切換処理部42を制御する(S38)。
S36において、携帯向けサービスの受信状態が良好でない判断された場合には、次に、制御部90は、ミュート信号を音声出力部120へ出力するように音声出力処理部60を制御し、予め記憶部92等に記憶した静止画像を表示部130に出力するように映像出力処理部62を制御する(S39)。
このように、サイマル前処理の後に、サイマル判定を行うので、必要な場合にのみサイマル判定を行えばよく、効率良く、短期間でサイマル放送か否かの判定を行うことが可能となった。
なお、図8の例では、固定向けサービスと携帯向けサービスにおける音声データ及び映像データは常に対応して出力させるように制御した。しかしながら、映像データのみを受信状況に応じて、固定向けサービスと携帯向けサービスとの間で切換えるように制御を行い、音声データは常に携帯向けサービスのものを利用するように制御しても良い。携帯向けサービスの音声データは、広範囲で安定して視聴することが可能であって、映像データと比較すると、固定向けサービスの音声データとの差異が大きくないからである。
また、映像データは、常に固定向けサービスのものを利用し、音声データは常に携帯向けサービスのものを利用するように制御しても良い。
さらに、映像データ及び音声データのそれぞれについて、固定向けサービスを利用するか、携帯向けサービスを利用するかを、ユーザがタッチパネルセンサ134又はリモコン140等を利用して、自由に設定できるように構成しても良い。
図9は、デジタルデータ受信機における固定向けサービスと携帯向けサービス間の音声出力の切換えのタイミングの一例を示す図である。
図8に示す処理フローにしたがって、固定向けサービス、携帯向けサービス、フリーズ画像とミュート出力の何れかに切換処理されて、出力がなされることとなる。しかしながら、例えば、固定向けサービスから携帯向けサービスへ、突然切換わると、ユーザに違和感を生じさせることとなることから、特に音声出力については、スムーズに切り換える必要が生じる。図9では、制御部90が、受信状態検出部70が出力する受信状態に基づいて音声出力の切換を行うタイミングの一例を示している。
図9(a)は、第1OFDM復調部20から出力される第1BER信号を示しており、図9(b)は、第2OFDM復調部22から出力される第2BER信号を示している。第1及び第2BER信号は、受信状態が良好な場合には「H」レベルとなり、受信状態が悪い場合には「L」レベルになるように設定されている。
図9(c)は、音量データ検出部72から出力される第1無音信号を示し、図9(d)は、音量データ検出部72から出力される第2無音信号を示している。第1及び第2無音信号は、音声データが無音でないと判断された場合には「H」レベル、音声データが無音と判断された場合には「L」レベルとなるように設定されている。
図9(e)は、受信状態検出部70が出力する状態信号を示している。状態信号は、固定向けサービスと携帯向けサービスの両方の受信状態が良い場合には「V3」レベル、固定向けサービスのみ受信状況が良い場合には「V2」レベル、携帯向けサービスのみ受信状況が良い場合には「V1」レベル、固定向けサービスと携帯向けサービスの両方の受信状態が悪い場合には「V0」レベルとなるように設定されている。なお、状態信号は、説明の便宜上、アナログ信号として取り扱っているが、2ビットのデジタル信号とすることもできる。
図9(f)は、受信状態検出部70からの切換信号に応じて、制御部90が音声切換処理部40等を制御して出力する音声出力の一例を示している。
T10において、第1BER信号が「H」レベルから「L」レベルに変化したことを受けて、受信状態検出部70は、第2BER信号が「H」レベルであることを条件に、状態信号を「V3」レベルから「V1」レベルに切り換える。即ち、固定向けサービスの受信状態が悪化し、携帯向けサービスのみの受信状態が良好であることを示している。
T15において第1BER信号が「L」から「H」に変化しているが、この時点では、受信状態検出部70は、状態信号の切換えを行わず、T16において、第1無音信号が「L」レベルから「H」レベルへ復帰して初めて、状態信号を「V2」レベルから「V4」レベルに切り換える。即ち、固定向けサービスの受信状態が良好になったので、固定向けサービスと携帯向けサービスの両方が良好な状態になったことを示している。
制御部90は、T10における状態信号の「V4」レベルから「V2」レベルへの切換えに応じて、音声切換処理部40を制御して、固定向けサービスに対応した第1音声データ(201)の出力をフェードアウトさせ(202)、T12において完全に停止させる(フェードアウト期間S1)。その後、制御部90は、ミュート期間S2を置いて、T13から音声切換処理部40を制御して、携帯向けサービスに対応した第2音声データの出力をフェードインさせ(203)、T14において完全に出力させる(フェードイン期間S3)。したがって、T14の時点で、完全に携帯向けサービスに対応した第2音声データに切換わる(204)。
また、制御部90は、T16における状態信号の「V2」レベルから「V4」レベルへの切換えに応じて、音声切換処理部40を制御して、携帯向けサービスに対応した第2音声データの出力をフェードアウトさせ(205)、T17において完全に停止させる(フェードアウト期間S4)。その後、制御部90は、ミュート期間S5を置いて、T18から音声切換処理部40を制御して、固定向けサービスに対応した第1音声データの出力をフェードインさせ(206)、T19において完全に出力させる(フェードイン期間S6)。したがって、T19の時点で、完全に固定向けサービスに対応した第1音声データに切換わる(207)。
前述したように、第1音声データと第2音声データとの間には、同期ずれが生じている場合があるので、T13から第2音声データをフェードインさせる場合及びT18から第1音声データをフェードインさせる場合には、第1遅延部50を利用して、同期ずれを合わせて出力するようにすることが好ましい。同期ずれは、前述した、PCR、PTS及びDTSの何れか一つ又は複数によって求めることができる。また、サイマル放送の判定時に測定した図6(b)における時間T1又は図7(b)における時間T2を用いて求めることができる。さらに、TMCC信号内の時間インターリーブ長データは同期ずれと関連しているので、時間インターリーブ長データを用いて、同期ずれを求めるようにすることもできる。
図9に示すように、固定向けサービスと携帯向けサービスとの間の音声データの切換えを、ミュート期間を置いて同期ずれを合わせ、フェードアウト及びフェードインを行えば、違和感なくスムーズに行うことが可能となる。
なお、固定向けサービスと携帯向けサービスとの間の音声データの切換えが、頻繁に発生しないように、インターバル期間を設定し、一度切換えが行われたら、例えば、100msのインターバル期間は、他方の受信状態が回復しても切換えが発生しないように制御することも可能である。
図9の場合では、受信状態検出部は、第1及び第2無音信号と、第1及び第2BER信号とに基づいて、状態信号を出力した。しかしながら、受信状態を識別する信号として、第1及び第2BER信号の代わりに、チューナ部10からの電界強度信号S、第1及び第2OFDM復調処理部20及び22からの第1及び第2訂正エラー信号RS1及びRS2、第1及び第2音声デコーダ32及び36からの第1及び第2デコードエラー信号を利用することも可能である。
図9の場合では、固定向けサービスと携帯向けサービスにおける音声データ及び映像データは常に対応して出力させるように制御した。しかしながら、映像データのみを受信状況に応じて、固定向けサービスと携帯向けサービスとの間で切換えるように制御を行い、音声データは常に携帯向けサービスのものを利用するように制御しても良い。携帯向けサービスの音声データは、広範囲で安定して視聴することが可能であって、映像データと比較すると、固定向けサービスの音声データとの差異が大きくないからである。
また、映像データは、常に固定向けサービスのものを利用し、音声データは常に携帯向けサービスのものを利用するように制御しても良い。
さらに、映像データ及び音声データのそれぞれについて、固定向けサービスを利用するか、携帯向けサービスを利用するかを、ユーザがタッチパネルセンサ134又はリモコン140等を利用して、自由に設定できるように構成しても良い。
図10は、デジタルデータ受信機における固定向けサービスと携帯向けサービス間の音声出力の切換えのタイミングの他の例を示す図である。
図10(a)は、図9の(e)に対応し、図10(b)は、受信状態検出部70からの状態信号に応じて、制御部90が音声切換処理部40等を制御して出力する音声出力の他の例を示している。
図10(b)の例では、制御部90は、T10における状態信号の「V4」レベルから「V2」レベルへの切換えに応じて、音声切換処理部40を制御して、固定向けサービスに対応した第1音声データの出力(210)をフェードアウトさせ、同時に、携帯向けサービスに対応した第2音声データの出力(220)をフェードインさせる、所謂クロスフェードを実行している。したがって、T12の時点で、完全に携帯向けサービスに対応した第2音声データに切換わる。
また、制御部90は、T16における状態信号の「V2」レベルから「V4」レベルへの切換えに応じて、音声切換処理部40を制御して、携帯向けサービスに対応した第2音声データの出力(220)をフェードアウトさせ、同時に、固定向けサービスに対応した第1音声データの出力(210)をフェードインさせる、所謂クロスフェードを実行している。したがって、T17の時点で、完全に固定向けサービスに対応した第1音声データに切換わる。
このように、クロスフェードを行う場合には、第1音声データと第2音声データとの同期が合っている必要があることから、図9と同様に、第1遅延部50を利用して、同期ずれを合わせてから出力するようにすることが好ましい。同期ずれは、前述した、PCR、PTS及びDTSの何れか一つ又は複数によって求めることができる。また、サイマル放送の判定時に測定した図6(b)における時間T1又は図7(b)における時間T2を用いて求めることができる。さらに、TMCC信号内の時間インターリーブ長データは同期ずれと関連しているので、時間インターリーブ長データを用いて、同期ずれを求めるようにすることもできる。
図11は、サイマル放送時の画像の切換えの一例を示す図である。
図8に示す処理フローに従うと、サイマル放送であると判定された場合、固定向けサービス、携帯向けサービス、静止画像とミュート出力の何れかに切換処理されて、出力がなされることとなる。しかしながら、例えば、固定向けサービスの映像から携帯向けサービスの映像へ、突然切換わると、ユーザに違和感を生じさせることとなることから、スムーズに画像を切り換える必要がある。図11では、制御部90が、図8に示す処理フローにおいて、サイマル放送であると判定された場合において、受信状態検出部70が出力する受信状態に基づいて画像の切換を行う動作の一例を示している。
図11において、画面300〜304は、表示パネル132上に表示される画面を示している。
固定向けサービスの受信状態が良好な場合、第1映像デコーダ34からの第1映像データの基づく映像(動画像)が、固定向けサービスの映像として表示パネル132全体に表示される画面300が表示される(図8のS37参照)。
固定向けサービスの映像の受信状態が悪化すると(400)、まずは、表示パネル132全体に表示される固定向けサービスの映像に基づくフリーズ画像(静止画像)と、小画面310に表示される第2映像デコーダ38からの第2映像データの基づく携帯向けサービスの映像と、を含む画面301が表示される。
画面301が表示されてから、固定向けサービスの映像の受信状態が悪化した状態が所定時間続くと(401)、次に、表示パネル132全体に表示される携帯向けサービスの映像と、小画面311に表示される固定向けサービスの映像に基づくフリーズ画像と、を含む画面302が表示される。なお、画面301から画面302への切換えは、ユーザが画面301中の小画面310の部分を押圧した場合にも実行される。
画面302が表示されてから、固定向けサービスの映像の受信状態が悪化した状態が所定時間続くと(402)、次に、表示パネル132全体に表示される携帯向けサービスの映像を含む画面303が表示される(図8のS38参照)。なお、画面302から画面303への切換えは、ユーザが画面302中の小画面311の部分を押圧した場合にも実行される。
画面303が表示されてから、固定向けサービスの映像の受信状態が良好になると(403)、画面302の画面が表示される。なお、画面303から画面302への切換えは、ユーザが画面303何れかの部分を押圧した場合にも実行される。
画面302が表示されてから、固定向けサービスの映像の受信状態が良好になると(404)、画面301の画面が表示される。なお、画面302から画面301への切換えは、ユーザが画面302中の小画面311の部分を押圧した場合にも実行される。
画面301が表示されてから、固定向けサービスの映像の受信状態が良好になると(405)、画面300の画面が表示される。なお、画面301から画面300への切換えは、ユーザが画面301中の小画面310の部分を押圧した場合にも実行される。
なお、画面301が表示されている場合に、ユーザが画面301の小画面以外の部分を押圧した場合には(406)、表示パネル132全体に固定向けサービスの映像に基づくフリーズ画像が表示される画面304が表示されるようにすることも可能である。さらに、画面304が表示されている場合に、ユーザが画面304の何れかの部分を押圧した場合には(407)、画面301が表示されるようにすることが好ましい。
このようにして、固定向けサービスの映像を含む画面300と、携帯向けサービスの映像を含む画面303との間の切換えが行われる。図11に示すように、突然、映像が切換わるのではなく、ステップを経て切換えが行われるので、ユーザに違和感なく、固定向けサービスから携帯向けサービスへの切換えをスムーズになされることとなる。なお、図11の場合、音声データは、表示パネル全体に表示される映像又は画像に合わせて切換えられることが好ましい。
映像出力処理部62は、固定向けサービスの受信状態が良好な時点で記憶部92等に記憶されたデータに基づいて、固定向けサービスの映像に基づくフリーズ画像を作成して記憶する。さらに、映像出力処理部62は、映像切換処理部42から受信した携帯向けサービスに係る第2映像データと固定向けサービスの映像に基づくフリーズ画像とを合成して、例えば、画面301及び302を作成して、表示パネル132へ表示する。
なお、画面301及び画面302では、2つの映像及び/画像を1つの画面内に表示するように構成したが、前述したように日本デジタル放送では、3階層を同時に送信することができるので、3つの映像及び/画像を1つの画面内に表示するように構成しても良い。
図12は、サイマル放送でない場合の画像の切換えの一例を示す図である。
図8に示す処理フローに従うと、サイマル判定せずと判断された場合(図8のS30参照)又はサイマル放送でない(図8のS31参照)と判定された場合、固定/携帯向けサービスの映像及び静止画像の何れかが出力がなされることとなる。しかしながら、例えば、固定/携帯向けサービスの映像から静止画像へ、突然切換わると、ユーザに違和感を生じさせることとなることから、スムーズに画像を切り換える必要がある。図12では、制御部90が、図8に示す処理フローにおいて、サイマル判定せずと判断された場合(図8のS30参照)又はサイマル放送でない(図8のS31参照)と判定された場合において、受信状態検出部70が出力する受信状態に基づいて画像の切換を行う動作の一例を示している。即ち、図12の例では、固定向けサービス及び携帯向けサービスの何れか一方のみが受信可能である状態における画面の切換えを示している。
図12において、画面320〜324は、表示パネル132上の表示される画面を示している。
固定/携帯向けサービスの受信状態が良好な場合、第1映像デコーダ34からの第1映像データの基づく映像又は第2映像デコーダ38からの第2映像データの基づく映像が、固定/携帯向けサービスの映像として表示パネル132全体に表示される画面320が表示される(図8のS37参照)。
固定/携帯向けサービスの映像の受信状態が悪化すると(410)、まずは、表示パネル132全体に表示される固定/携帯向けサービスの映像に基づくフリーズ画像と、小画面310に表示される予め記憶部92等に記憶された静止画像データに基づく静止画像と、を含む画面321が表示される。
画面321が表示されてから、固定/携帯向けサービスの映像の受信状態が悪化した状態が所定時間続くと(411)、次に、表示パネル132全体に表示される静止画像と、小画面330に表示される固定/携帯向けサービスの映像に基づくフリーズ画像と、を含む画面322が表示される。なお、画面321から画面322への切換えは、ユーザが画面321中の小画面330の部分を押圧した場合にも実行される。
画面322が表示されてから、固定/携帯向けサービスの映像の受信状態が悪化した状態が所定時間続くと(412)、次に、表示パネル132全体に表示される静止画像を含む画面323が表示される(図8のS39参照)。なお、画面322から画面323への切換えは、ユーザが画面322中の小画面331の部分を押圧した場合にも実行される。
画面323が表示されてから、固定/携帯向けサービスの映像の受信状態が良好になると(413)、画面322の画面が表示される。なお、画面323から画面322への切換えは、ユーザが画面323何れかの部分を押圧した場合にも実行される。
画面322が表示されてから、固定/携帯向けサービスの映像の受信状態が良好になると(414)、画面321の画面が表示される。なお、画面322から画面321への切換えは、ユーザが画面322中の小画面331の部分を押圧した場合にも実行される。
画面321が表示されてから、固定/携帯向けサービスの映像の受信状態が良好になると(415)、画面320の画面が表示される。なお、画面321から画面320への切換えは、ユーザが画面321中の小画面330の部分を押圧した場合にも実行される。
なお、画面321が表示されている場合に、ユーザが画面321の小画面以外の部分を押圧した場合には(416)、表示パネル132全体に固定/携帯向けサービスの映像に基づくフリーズ画像が表示される画面324が表示されるようにすることも可能である。さらに、画面324が表示されている場合に、ユーザが画面324の何れかの部分を押圧した場合には(417)、画面321が表示されるようにすることが好ましい。
このようにして、固定/携帯向けサービスの映像を含む画面320と、静止画像を含む画面323との間の切換えが行われる。図12に示すように、突然、映像が切換わるのではなく、ステップを経て切換えが行われるので、ユーザに違和感なく、固定/携帯向けサービスから静止画像への切換えをスムーズになされることとなる。なお、図12の場合、音声データは、表示パネル全体に表示される映像又は画像に合わせて切換えられることが好ましく、静止画像に対応してはミュート出力を出力するように制御することが好ましい。
図13は、サイマル放送でない場合の画像の切換えの他の例を示す図である。
図8に示す処理フローに従うと、サイマル判定せずと判断された場合(図8のS30参照)又はサイマル放送でない(図8のS31参照)と判定された場合、固定/携帯向けサービスの映像及び静止画像の何れかが出力がなされることとなる。しかしながら、サイマル放送でない場合で、固定向けサービスと携帯向けサービスとで異なる番組を放送している場合がありえる。そのような場合には、同じ番組ではなくても、受信可能な画像を表示した方が好ましい場合もある。即ち、所望の番組が視聴できなくても、静止画像を見るよりは、何らかの番組を視聴できるようにしようとするものである。
図13では、制御部90が、図8の処理フローとは異なり、サイマル放送でない場合であって、固定向けサービスと携帯向けサービスとで異なる番組を放送している場合に、受信状態検出部70が出力する受信状態に基づいて画像の切換を行う動作の一例を示している。
図13において、画面340〜323は、表示パネル132上の表示される画面を示している。また、図13では、固定向けサービスでは第1番組が放送され、携帯向けサービスでは、第1番組とは異なる第2番組が放送されているものとする。
固定向けサービスの受信状態が良好な場合、第1映像デコーダ34からの第1映像データの基づく映像が、第1番組の映像として表示パネル132全体に表示される画面340が表示される。
固定向けサービスの映像の受信状態が悪化すると(420)、まずは、表示パネル132全体に表示される第1番組の映像に基づくフリーズ画像と、小画面350に表示される第2映像デコーダ38からの第2映像データの基づく第2番組の映像と、を含む画面341が表示される。
画面341が表示されてから、固定向けサービスの受信状態が悪化した状態が所定時間続くと(421)、次に、表示パネル132全体に表示される第2番組の映像と、小画面351に表示される第1番組の映像に基づくフリーズ画像と、を含む画面342が表示される。なお、画面341から画面342への切換えは、ユーザが画面341中の小画面350の部分を押圧した場合にも実行される。
画面342が表示されてから、固定向けサービスの受信状態が悪化した状態が所定時間続くと(422)、次に、表示パネル132全体に第2番組の映像が表示される画面343が表示される。なお、画面342から画面343への切換えは、ユーザが画面342中の小画面351の部分を押圧した場合にも実行される。
画面343が表示されてから、固定向けサービスの映像の受信状態が良好になると(423)、画面342の画面が表示される。なお、画面343から画面342への切換えは、ユーザが画面343何れかの部分を押圧した場合にも実行される。
画面342が表示されてから、固定向けサービスの映像の受信状態が良好になると(424)、画面341の画面が表示される。なお、画面342から画面341への切換えは、ユーザが画面342中の小画面351の部分を押圧した場合にも実行される。
画面341が表示されてから、固定向けサービスの映像の受信状態が良好になると(425)、画面340の画面が表示される。なお、画面341から画面340への切換えは、ユーザが画面341中の小画面350の部分を押圧した場合にも実行される。
なお、画面341が表示されている場合に、ユーザが画面341の小画面以外の部分を押圧した場合には(426)、表示パネル132全体に第1番組に基づくフリーズ画像が表示される画面344が表示されるようにすることも可能である。さらに、画面344が表示されている場合に、ユーザが画面344の何れかの部分を押圧した場合には(427)、画面341が表示されるようにすることが好ましい。
このようにして、固定向けサービスに係る第1番組の映像を含む画面340と、携帯向けサービスに係る第2番組の画像を含む画面343との間の切換えが行われる。図13に示すように、突然、映像が切換わるのではなく、ステップを経て切換えが行われるので、ユーザに違和感なく、第1番組の映像から第2番組の映像への切換えをスムーズになされることとなる。なお、図13の場合、音声データは、表示パネル全体に表示される映像又は画像に合わせて切換えられることが好ましい。
図14は、画像の切換方法の更に他の例を示す図である。
図11における画面301及び画面302、図12における画面321及び画面322、図13における画面341及び画面342では、一方の画像又は映像の中に小画面を作成して他方の画像又は映像を表示させた。しかしながら、図14の画面360のように、左右の2画面に2つの画像又は映像を表示するようにしても良い。なお、画面360は、図11の画面301の表示方法を変更させたものである。
また、2つの画像又は映像を表示させた場合に、そのまま2つの画面を固定して表示させるように設定する設定ボタン370を表示させることが好ましい。
さらに、ユーザが設定ボタン370の部分を押圧して、2画面表示に固定した場合には、画面361に示すように、2つの画面を固定して表示させる設定を解除するための解除ボタン371を表示させることが好ましい(430)。なお、ユーザが設定ボタン371の部分を押圧して、2画面の表示を固定して表示させる設定を解除した場合には、画面360が表示される(431)。
即ち、例えば、図11の例では、通常は、固定向けサービスの受信状況に応じて画面301から画面302へ、又は画面301から画面300へ自動的に切換わるが、設定ボタン370を利用した場合には、固定向けサービスの受信状況に拘わらず、画面は2画面表示に固定されることとなる。さらに、その場合、ボタン371を利用した場合には、再度通常通り、自動的に画面の切換が行われる。このような、画面の設定及び解除は、タッチパネルセンサ134を押圧することによって出力される設定信号又は解除信号に応じて、制御部90が制御を行う。
図15は、画像の切換方法の更に他の例を示す図。
図11における画面300、画面303及び画面304、図12における画面320、画面323及び画面324、図13における画面340、画面323及び画面344では、1つの画像又は映像を表示させた場合に、そのまま1画面表示を固定して表示させるように設定する設定ボタン390を表示させることが好ましい。
さらに、ユーザが設定ボタン390の部分を押圧して、1画面表示に固定した場合には、画面381に示すように、1画面の表示を固定して表示させる設定を解除するための解除ボタン391を表示させることが好ましい(440)。なお、ユーザが設定ボタン391の部分を押圧して、1画面の表示を固定して表示させる設定を解除した場合には、画面380が表示される(441)。
即ち、例えば、図11の例では、通常は、固定向けサービスの受信状況に応じて画面300から画面301へ自動的に切換わるが、設定ボタン390を利用した場合には、固定向けサービスの受信状況に拘わらず、画面は1画面表示に固定されることとなる。さらに、その場合、ボタン391を利用した場合には、再度通常通り、自動的に画面の切換が行われる。このような、画面の設定及び解除は、タッチパネルセンサ134を押圧することによって出力される設定信号又は解除信号に応じて、制御部90が制御を行う。