JP4562609B2 - ビトリファイド砥石及びその製造方法と、それを用いた鋳鉄製ワーク研削方法 - Google Patents

ビトリファイド砥石及びその製造方法と、それを用いた鋳鉄製ワーク研削方法 Download PDF

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Description

本発明は、超砥粒、骨材及びガラス質結合剤を含む焼成体からなるビトリファイド砥石及びその製造方法と、それを用いた鋳鉄製ワーク研削方法に関する。
超砥粒ビトリファイド砥石は、ダイヤモンド又は立方晶窒化ホウ素(CBN)からなる超砥粒、骨材及びガラス質結合剤(ビトリファイドボンド)、場合によってはさらに気孔を含む焼成体からなり、研削されるワークにダレが生じない等の利点があることから、例えば、特許文献1にも記載されているように、研削材として広汎に使用されている。なお、ワークとしては、自動車の内燃機関に組み込まれたカムシャフトが例示される。
カムシャフトを研削するためのビトリファイド砥石は、例えば、超砥粒を45〜50体積%、骨材を0〜5体積%、ガラス質結合剤を13〜20体積%の割合で混合し、次に、この混合物に対して焼成処理を施すことによって作製されている。この場合、ビトリファイド砥石における超砥粒の集中度は、180〜200と比較的大きくなる。また、ガラス質結合剤が超砥粒や骨材の粒子同士の間に介在し、これらの粒子を物理的に結合する。
ここで、骨材としては、超砥粒を選定する際に使用された篩と目開きの大きさが同等〜1/3の範囲内、例えば、#150の篩を通過したものが選定される。一般的な骨材の材質としては、ムライト、コージェライト、スポジュメン等が挙げられる。
しかしながら、この種のビトリファイド砥石には、超砥粒の保持力が十分であるとは言い難い側面がある。すなわち、研削が進行するにつれ、超砥粒及び骨材がガラス質結合剤ごと欠落することがある。このような事態が生じると、ビトリファイド砥石の摩耗が進行して早期に寿命となるのは勿論、カムシャフトが欠落した部位を巻き込みながら研削が進行するので、カムシャフトの表面粗さも大きくなってしまう。
例えば、粒度が#80〜#100の立方晶窒化ホウ素(CBN)からなる超砥粒を43〜46体積%、#150の篩を通過したムライトからなる骨材を4〜7体積%、ガラス質結合剤を18〜21体積%含む直径200mm、厚み4mmのビトリファイド砥石を作製し、研削能率を120mm3/mm・秒、砥石周速を130m/秒としてFCD700製のカムシャフトの研削加工を行ったところ、カムシャフト30本当たりに換算した砥石摩耗量は10〜12μm(240加工サイクル)であり、約7000本の研削加工を終了した際に該ビトリファイド砥石が寿命となった。また、研削加工後のカムシャフトの表面粗さは、2.5〜3μmであった。
このような観点から、特許文献2には、砥石強度、ひいては耐摩耗性を向上させるべく、特定寸法の気孔径の量と、総気孔量とを設定することが提案されている。
特開2002−331462号公報 特開2002−224963号公報
超砥粒の集中度が180〜200程度に大きなビトリファイド砥石では、超砥粒の占有体積率が著しく大きい。このため、研削加工中、超砥粒とカムシャフトとが高確率で摺接する。換言すれば、超砥粒とカムシャフトとの間に滑りが発生し、このために摩擦熱が生じるので、カムシャフトに研削焼け(焼き付き)が生じることが懸念される。この懸念を、気孔径や量を規定することで払拭することは困難である。
すなわち、特許文献2記載の技術では、耐摩耗性を向上させる一方で研削焼け(焼き付き)を回避することは困難である。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、高い研削能率で研削加工を行う場合でも耐摩耗性が向上して寿命も長期化したビトリファイド砥石及びその製造方法と、それを使用した鋳鉄製ワークの研削方法を提供することを目的とする。
本発明者がビトリファイド砥石の欠落部位を観察したところ、橋架接合状態が不十分で骨材がさほど含まれていないことが確認された。骨材は、通常、超砥粒同士の間に介在して砥石の強度を向上させる。従って、本発明者は、ビトリファイド砥石中に骨材を略均等に分散させれば、ビトリファイド砥石から欠落が起こることを抑制することができるようになると推察した。
本発明者は、この知見に基づき鋭意検討を重ね、本発明をするに至った。
すなわち、本発明は、超砥粒と、前記超砥粒同士の間に存在する骨材と、前記超砥粒と前記骨材とを結合するガラス質結合剤とを含む焼成体からなるビトリファイド砥石において、
前記超砥粒の粒度が#60〜#140、集中度が160〜185であり、
前記骨材は、3〜10体積%を占め、粒度が#170〜#270であるとともに最小粒子と最大粒子との粒径の差が0.014mm以内であり、
前記ガラス質結合剤は、25〜35体積%を占めるとともに軟化点が550℃以上であることを特徴とする。なお、本発明において、粒度が#60〜#140の粉末とは、ASTMに規格される#60から#140までの各篩を通過させることを試み、#80、#100、#120、#140の各篩上に残留する粉末を指称するものとする。
このビトリファイド砥石では、超砥粒の集中度が160〜185と小さいのでカムシャフト等のワークに研削焼け(焼き付き)が生じ難い。
また、骨材は、粒度分布幅が狭いのでビトリファイド砥石中に分散し易く、しかも、粒径が超砥粒の粒径に対して1/2〜1/3であることから、粒子同士の間に収まり易い。従って、部位に関わらず強度ないし剛性が略均等で、このために欠落が生じ難いビトリファイド砥石を構成することができる。
さらに、ガラス質結合剤の体積率が大きいので、ビトリファイド砥石の結合力が大きくなる。このため、超砥粒が脱落し難い。
すなわち、本発明によれば、研削焼け(焼き付き)、欠落、超砥粒の脱落が生じ難く、摩耗が抑制され、結局、長寿命であり、しかも、ワークの研削加工面の面粗さが小さいビトリファイド砥石を構成することができる。
また、本発明は、超砥粒と、前記超砥粒同士の間に存在する骨材と、前記超砥粒と前記骨材とを結合するガラス質結合剤とを含む焼成体からなるビトリファイド砥石の製造方法において、
骨材の原材料を#170〜#230のA篩で分級した後、前記A篩に比して目開きが小さく且つASTM規格で隣接するB篩で分級し、前記A篩を通過し且つ前記B篩上に残留したものを骨材として選定する工程と、
前記超砥粒、前記骨材、及び軟化点が550℃以上のガラス質結合剤を、それぞれ、40〜46体積%、3〜10体積%、25〜35体積%の割合で混合して混合物とする工程と、
前記混合物に対して800℃以上で焼成処理を施す工程と、
を有することを特徴とする。
このような工程を経ることにより、上記したビトリファイド砥石が得られる。
そして、該ガラス質結合剤の軟化点が高いので、該ガラス質結合剤が流失することを回避することができる。結局、ガラス質結合剤を介して超砥粒や骨材の各粒子が十分に結合され、このために強度ないし剛性に優れたビトリファイド砥石を得ることができる。
この場合、超砥粒の原材料を#60〜#140のC篩で分級した後、#70〜#140であって且つ前記C篩に比して#数が大きいD篩で分級し、前記C篩を通過し且つ前記D篩上に残留したものを超砥粒として選定する工程を行うことが好ましい。このようにして選定された超砥粒を使用することにより、骨材をビトリファイド砥石中に略均一に分散させ、且つ超砥粒同士の間に介在させることが一層容易となる。
以上において、A篩、B篩とは、特定の篩の名称ではなく、それぞれ、目開きが#170〜#230の篩と、目開きが該篩に比して小さく且つASTM規格で隣接する大きさである篩とを便宜的に表現したものである。同様に、C篩、D篩も特定の篩の名称ではなく、目開きが#60〜#140の篩と、目開きが#70〜#140であって且つ前記篩に比して小さい(#数が大きい)篩とを便宜的に表現したものである。
さらに、本発明は、ビトリファイド砥石を使用して鋳鉄製ワークを研削する鋳鉄製ワーク研削方法において、
前記ビトリファイド砥石は、粒度が#60〜#140であり且つ集中度が160〜185の超砥粒と、前記超砥粒同士の間に存在して3〜10体積%を占めるとともに粒度が#170〜#270であり且つ最小粒子と最大粒子との粒径の差が0.014mm以内である骨材と、前記超砥粒と前記骨材とを結合して25〜35体積%を占めるとともに軟化点が550℃以上のガラス質結合剤とを含む焼成体からなり、
研削能率を120〜200mm3/mm・秒に設定し、
前記ビトリファイド砥石と前記鋳鉄製ワークの周速を100m/秒以上とすることを特徴とする。
すなわち、上記したビトリファイド砥石を用いて鋳鉄製ワークに対し研削加工を施す場合、前記のような高負荷条件で実施することができる。このような高負荷条件下では切削加工が速やかに進行するので、研削効率が著しく向上する。ひいては、鋳鉄製ワークを効率よく生産することができる。
なお、鋳鉄製ワークの好適な例としては、自動車の内燃機関を構成するカムシャフトを挙げることができる。
本発明によれば、超砥粒の集中度、骨材の最小径と最大径との寸法差、ガラス質結合剤の軟化点及び体積率を設定するようにしている。このため、研削焼け(焼き付き)や欠落、脱落が生じ難く、ワークの研削加工面の面粗さも小さく、しかも、強度ないし剛性に優れるビトリファイド砥石が構成される。
また、本発明によれば、前記ビトリファイド砥石を用いて高負荷条件下で鋳鉄製ワークに対して研削加工を施すようにしている。このため、研削効率、ひいては鋳鉄製ワークの生産効率が著しく向上する。
以下、本発明につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
先ず、本実施の形態に係るビトリファイド砥石につき説明する。
本実施の形態に係るビトリファイド砥石の要部拡大説明図を図1に示す。このビトリファイド砥石10は超砥粒12と骨材14を含み、これら超砥粒12及び骨材14は、ガラス質結合剤16を介して物理的に結合されている。換言すれば、超砥粒12及び骨材14の粒子同士は、ガラス質結合剤16によって橋架されている。
超砥粒12はカムシャフトを研削する主体であり、ダイヤモンド又はCBNからなる。
本実施の形態において、超砥粒12は、#60〜#140のC篩を通過し、#70〜#140であって且つ第1篩に比して#数が大きい(目開きが小さい)D篩上に残留するものが使用される。すなわち、超砥粒12の粒度は、#60〜#140である。なお、以下の説明においては、C篩、D篩のそれぞれを第1篩、第2篩と表記する。
また、超砥粒12の集中度は160〜185に設定される。ここで、集中度とは、ビトリファイド砥石10の単位体積当たりに超砥粒12が如何なる程度含まれているかを表す指標であり、25体積%が集中度100に相当する。従って、集中度が大きいほど超砥粒12が多く含まれ、一方、集中度が小さいほど超砥粒12が少なく含まれることを意味する。
このことから諒解されるように、本実施の形態に係るビトリファイド砥石10においては、従来技術に係るビトリファイド砥石に比して超砥粒12の数が少なく設定される。なお、集中度が160よりも小さいと、研削加工時に1粒の超砥粒12当たりの仕事量が大きくなるので、加工負荷に対する耐性が低下して摩耗し易くなり、超砥粒12が脱落する傾向が大きくなる。また、185よりも大きいと、切込みが不足して砥石面が滑るために大きな摩擦熱が発生するようになり、カムシャフトに研削焼け(焼き付き)・割れが生じたり、1個の超砥粒12当たりのガラス質結合剤16が不足して該超砥粒12が脱落し易くなるために面粗度が低下する原因となる。
骨材14は、超砥粒12を所定間隔で離間させて砥粒間間隔を確保するとともにビトリファイド砥石10の強度ないし剛性を向上させる成分であり、超砥粒12同士の間に介在する。骨材14の好適な例としては、ムライトが挙げられる。
骨材14は、後述するように、#170〜#230のA篩を通過し、該A篩に比して目開きが小さく且つASTM規格で隣接するB篩上に残留するものが使用される。なお、以下の説明においては、A篩、B篩のそれぞれを第3篩、第4篩と表記する。
ここで、篩のASTM規格につきJIS規格との関係を表1にまとめて示す。この表1から諒解されるように、第3篩として#170のものを選定した場合、第4篩としては、目開きが小さく且つASTM規格で#170に隣接する規格のもの、すなわち、#200のものが選定される。また、第3篩として#200のものを選定した場合には、第4篩として#230のものが選定される。なお、第3篩は、ASTM規格で#170〜#230の範囲内のものであるから、第4篩は#200〜#270の範囲内となる。
Figure 0004562609
そして、規格が隣接する第3篩と第4篩の目開きの寸法差は、最大で#170と#200の0.014mmであるから、骨材14に含まれる粒子のうち、粒径が最小のものと最大のものとの粒径差が0.014mm以内となる。
このように、従来技術においては、#150の篩を通過した骨材14がすべて添加され、このために砥石中に粒径が微細な骨材14も存在していたのに対し、本実施の形態においては、第3篩及び第4篩として規格が隣接するもの同士を選定するとともに、第3篩を通過し且つ第4篩上に残留した骨材14が使用される。このため、ビトリファイド砥石10中の骨材14の粒度分布幅が狭い。
換言すれば、本実施の形態では、骨材14の粒度が略均等である。このため、砥石中で容易に分散する。従って、強度ないし剛性が略均等なビトリファイド砥石10を構成することができる。しかも、粒度が極端に微細な骨材14が存在しないので、超砥粒12が骨材14で囲繞されることがない。従って、超砥粒12にガラス質結合剤16が容易に密着し、これによりビトリファイド砥石10から超砥粒12が脱落することが著しく抑制されるようになる。
骨材14の割合は、3〜10体積%に設定される。3体積%よりも小さいと、超砥粒12同士の距離(砥粒間間隔)を確保することが困難となり、超砥粒12同士が近接するようになる。また、ビトリファイド砥石10の強度ないし剛性を向上させる効果に乏しい。一方、10体積%を超えると、後述するガラス質結合剤16の割合が相対的に減少するので、超砥粒12や骨材14の欠落が生じ易くなる。
ガラス質結合剤16は、焼成処理の際に軟化し、その後の冷却に伴って固化することで超砥粒12と骨材14とを橋架する成分である。
ガラス質結合剤16としては、軟化点が550℃以上のものが採用される。550℃未満で軟化する物質であると、焼成処理の最中に早期に軟化して流動を起こすようになる。このため、結合剤が凝集する傾向が大きくなり、結局、砥石の砥粒突き出しがなくなり、切れ刃が小さくなる。しかも、容易に軟化する成分は低強度であり、このために結合剤そのものの強度が低くなる。以上のような理由から、砥石の強度や剛性が小さくなる。
ガラス質結合剤16は、軟化点が550℃以上で且つ超砥粒12と骨材14とを物理的に結合可能なガラス質物質であれば特に限定されるものではないが、軟化点が570℃のホウケイ酸ガラスが好適な例として挙げられる。
ガラス質結合剤16の割合は、25〜35体積%に設定される。25体積%よりも小さいと、超砥粒12の脱落を抑制する効果に乏しい。また、35体積%よりも大きいと、超砥粒12に対するガラス質結合剤16の量が過剰となるので切れ刃突出がなくなり、ガラス質結合剤16がワークに直接作用する頻度が増加するので、研削加工が困難となる。
本実施の形態によれば、超砥粒12の粒度・集中度、及び骨材14の粒度が従来技術に比して小さいので、焼成処理の際、軟化したガラス質結合剤16が超砥粒12や骨材14の間に十分に浸透する。このため、超砥粒12や骨材14がガラス質結合剤16を介して堅牢に結合され、その結果、強度や剛性が大きなビトリファイド砥石10が構成される。
なお、ビトリファイド砥石10には、15〜25体積%程度の気孔18が存在していてもよい。
ここで、ビトリファイド砥石10による研削加工後のカムシャフトのツルーイングインターバル間加工数と、超砥粒12の集中度及びガラス質結合剤16の体積率との関係をグラフとして図2に示す。図2中の記号「□」、「○」は、それぞれ、加工数が所定の管理幅外、管理幅内であることを表す。この図2から、ガラス質結合剤16の体積率を大きくする場合、超砥粒12の集中度が過度に大きいと研削加工面の面粗さが大きくなり、耐久性が低下して加工数が大きくならないこと、換言すれば、砥粒保持力が低下していることが分かる。すなわち、ガラス質結合剤16の体積率を大きくする場合、超砥粒12の集中度を前記のように設定することにより、研削加工面の面粗さを小さくすることが可能となる。
上記した構成のビトリファイド砥石10は、例えば、次のようにして製造することができる。
先ず、ダイヤモンド又はCBNの粉末を、#60〜#120の間のいずれかの第1篩によって分級する。次に、第1篩を通過した粉末を、#70〜#140の間であって、第1篩よりも#数が大きな(目開きが小さな)第2篩を用いて分級する。第1篩、第2篩としては、例えば、#80、#100のものをそれぞれ採用すればよい。
その一方で、ムライト等の粉末を#170〜#230の第3篩で分級し、次に、第3篩を通過した粉末を、目開きが小さく且つ第3篩に隣接する規格の第4篩で分級する。例えば、第3篩として#230のものを使用した場合、第4篩としては、#270のものを選定する。そして、この第4篩上に残留した分を骨材14として使用する。
このように、目開きの大きさが隣接する第3篩と第4篩を使用して分級を行うことで、粒度分布幅が狭い骨材14を得ることができる。
以上のようにして選定した超砥粒12及び骨材14に対し、軟化点が550℃以上のガラス質結合剤16を添加して混合物とする。ここで、超砥粒12、骨材14、ガラス質結合剤16の割合は、ビトリファイド砥石10を構成した場合、それぞれ、40〜46体積%、3〜10体積%、25〜35体積%を占めるように設定する。
上記したように分級したので、骨材14には微細粒子が含まれていない。このため、骨材14は、混合物中で凝集することなく略均等に分散する。しかも、骨材14の粒度分布幅が狭いので、超砥粒12が該骨材14で囲繞されることもない。
また、超砥粒12の体積%を従来技術に比して小さくすることができるので、高価な超砥粒12の使用量が低減する。このため、コストを低廉化することもできる。
次に、この混合物に対し、800℃以上の温度で焼成処理を施す。この際、ガラス質結合剤16として軟化点が550℃以上のものを選定しているので、軟化したガラス質結合剤16が過度の流動性を呈することが回避される。従って、ガラス質結合剤16が流失、又は比重差によって流動して偏析することを回避することができる。
なお、焼成温度が800℃未満では、ビトリファイド砥石10における砥粒の保持力が十分でなくなる。焼成温度の好ましい範囲は800〜1000℃であり、より好ましい範囲は830〜950℃である。
この焼成処理によってガラス質結合剤16が軟化し、超砥粒12と骨材14との間の間隙を充填するように流動する。従って、焼成処理後に自然放冷等で冷却を行えば、硬化したガラス質結合剤16によって超砥粒12及び骨材14の各粒子が橋架されたビトリファイド砥石10が形成される。この冷却の最中にガラス質結合剤16が熱収縮を起こし、橋架を形成するように流動することで気孔18が生成する。
得られたビトリファイド砥石10においては、骨材14が略均等に分散している。このため、このビトリファイド砥石10は、部位に関わらず強度ないし剛性が略均等である。
しかも、骨材14が超砥粒12を囲繞するように付着していないので、超砥粒12や骨材14の粒子同士がガラス質結合剤16によって物理的に結合されている。従って、ビトリファイド砥石10は、超砥粒12の保持力に優れる。
この点につき、本実施の形態に係る鋳鉄製ワークの研削方法との関係で説明する。なお、本実施の形態では、鋳鉄製ワークとしてカムシャフトを例示する。カムシャフトの材質は、例えば、FCD700が挙げられる。
#80の第1篩を通過して#100の第2篩上に残留したCBNと、#230の第3篩を通過して#270の第4篩上に残留したムライトを混合し、さらに、ホウケイ酸ガラスを添加した。CBN、ムライト及びホウケイ酸ガラスの割合は、それぞれ、ビトリファイド砥石10とした際に43体積%、5体積%、30体積%となるようにした。
この混合物を所定の形状に成形して成形体とした後、該成形体に対して830〜950℃で焼成処理を施し、所定時間の経過後に自然放冷を開始してホウケイ酸ガラスを硬化させた。得られたビトリファイド砥石10は、直径200mm、厚み4mm、超砥粒12の集中度が170〜185、気孔率が16〜25体積%であった。
このビトリファイド砥石10は、上記したように超砥粒12の保持力に優れ、しかも、強度ないし剛性が略均等である。従って、研削能率が120〜200mm3/mm・秒、カムシャフトの周速が100m/秒以上という高負荷条件下で研削加工を行っても、十分な寿命が確保される。しかも、カムシャフトの面粗さが大きくなることもない。
例えば、上記のようにして作製したビトリファイド砥石10を用い、研削能率が190mm3/mm・秒、ビトリファイド砥石10の周速が130m/秒の条件下で切削加工を行った場合、1000本のカムシャフトに対して研削加工を施しても、カムシャフトの面粗さを2.0〜2.5μm程度に維持することができる。
また、カムシャフト100本当たりに換算した砥石摩耗量は7μm(800加工サイクル)であり、寿命となるまで30000本のカムシャフトを研削することが可能であった。すなわち、一般的なビトリファイド砥石に比して寿命が4.3倍と著しく長期化した。しかも、カムシャフトに研削焼け(焼き付き)が生じることもなかった。
このように、本実施の形態によれば、カムシャフトの面粗さを長期間にわたって小さくすることが可能で、しかも、著しく長寿命なビトリファイド砥石10を構成することができる。さらに、このビトリファイド砥石10は、高負荷条件下であっても焼き付きを生じることなく研削加工を行うことができるので、研削加工の効率も向上する。ひいては、カムシャフトの生産効率を向上することができる。
ここで、周速の上限はビトリファイド砥石10を回転させる機器の回転能力によって設定されるが、概ね200m/秒である。
なお、上記した実施の形態では、鋳鉄製ワークとしてカムシャフトを例示したが、特にこれに限定されるものではなく、鋳鉄からなるワークであればよいことはいうまでもない。また、鋳鉄もFCDに特に限定されるものではない。
さらに、本発明に係るビトリファイド砥石10は、鋳鉄製ワークのみならず、その他の材質のワークに研削加工を施す際にも使用することができる。
本実施の形態に係るビトリファイド砥石の要部拡大説明図である。 カムシャフトの面粗さと、超砥粒の集中度及びガラス質結合剤の体積率との関係を示すグラフである。
符号の説明
10…ビトリファイド砥石 12…超砥粒
14…骨材 16…ガラス質結合剤
18…気孔

Claims (4)

  1. 超砥粒と、前記超砥粒同士の間に存在する骨材と、前記超砥粒と前記骨材とを結合するガラス質結合剤とを含む焼成体からなるビトリファイド砥石において、
    前記超砥粒の粒度が#60〜#140、集中度が160〜185であり、
    前記骨材は、3〜10体積%を占め、粒度が#170〜#270であるとともに最小粒子と最大粒子との粒径の差が0.014mm以内であり、
    前記ガラス質結合剤は、25〜35体積%を占めるとともに軟化点が550℃以上であることを特徴とするビトリファイド砥石。
  2. 粒度が#60〜#140且つ集中度が160〜185である超砥粒と、前記超砥粒同士の間に存在して3〜10体積%を占め、粒度が#170〜#270であるとともに最小粒子と最大粒子との粒径の差が0.014mm以内である骨材と、前記超砥粒と前記骨材とを結合し、25〜35体積%を占めるとともに軟化点が550℃以上であるガラス質結合剤とを含む焼成体からなるビトリファイド砥石の製造方法において、
    骨材の原材料を#170〜#230のA篩で分級した後、前記A篩に比して目開きが小さく且つASTM規格で隣接するB篩で分級し、前記A篩を通過し且つ前記B篩上に残留したものを骨材として選定する工程と、
    前記超砥粒、前記骨材、及び軟化点が550℃以上のガラス質結合剤を、それぞれ、ビトリファイド砥石としたときの体積%が40〜46体積%、3〜10体積%、25〜35体積%となる割合で混合して混合物とする工程と、
    前記混合物に対して800℃以上で焼成処理を施す工程と、
    を有することを特徴とするビトリファイド砥石の製造方法。
  3. 請求項2記載の製造方法において、さらに、超砥粒の原材料を#60〜#140のC篩で分級した後、#70〜#140であって且つ前記C篩に比して#数が大きいD篩で分級し、前記C篩を通過し且つ前記D篩上に残留したものを超砥粒として選定する工程を有することを特徴とするビトリファイド砥石の製造方法。
  4. ビトリファイド砥石を使用して鋳鉄製ワークを研削する鋳鉄製ワーク研削方法において、
    前記ビトリファイド砥石は、粒度が#60〜#140であり且つ集中度が160〜185の超砥粒と、前記超砥粒同士の間に存在して3〜10体積%を占めるとともに粒度が#170〜#270であり且つ最小粒子と最大粒子との粒径の差が0.014mm以内である骨材と、前記超砥粒と前記骨材とを結合して25〜35体積%を占めるとともに軟化点が550℃以上のガラス質結合剤とを含む焼成体からなり、
    研削能率を120〜200mm/mm・秒に設定し、
    前記ビトリファイド砥石と前記鋳鉄製ワークの周速を100m/秒以上とすることを特徴とする鋳鉄製ワーク研削方法。
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