JPH0716880B2 - 巨大気孔を備えた多孔性砥石 - Google Patents
巨大気孔を備えた多孔性砥石Info
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- JPH0716880B2 JPH0716880B2 JP16917090A JP16917090A JPH0716880B2 JP H0716880 B2 JPH0716880 B2 JP H0716880B2 JP 16917090 A JP16917090 A JP 16917090A JP 16917090 A JP16917090 A JP 16917090A JP H0716880 B2 JPH0716880 B2 JP H0716880B2
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Description
大気孔が設けられた多孔性砥石に関するものである。
に対して比較的大きな径を有する多数の巨大気孔を備え
た多孔性砥石が知られている。このように巨大気孔が人
工的に設けられた多孔性砥石は、ビトリファイド砥石に
限らず、レジノイド砥石、CBN砥石などに適用されてお
り、目詰まりがなく、切味が維持されるとともに、広範
な適用範囲が得られる特徴がある。切粉が上記気孔内に
捕捉されるので、目詰まりが好適に防止されて切味が維
持される一方、工具鋼、軽合金、焼結合金などの難削性
の材質に対しても研削が可能となって砥石の適用範囲が
拡大されるからである。
が多数内部に設けられているため、研削量に対する砥石
摩耗量が比較的大きいという欠点があった。本発明者等
は以上の事情を背景として種々試験を重ねるうち、砥石
内に設けられる気孔の径寸法のばらつきを小さくする
と、研削量に対する砥石の摩耗が好適に改善される事実
を見出した。本発明はかかる知見に基づいて為されたも
のである。
10倍以上の径を有する巨大気孔を備えた多孔性砥石にお
いて、その巨大気孔の粒径分布における変動係数を25%
以下としたことにある。
件で製作された砥石に対して、巨大気孔の変動係数を25
%以下とした砥石は、研削量が同等以上であるにも拘わ
らず、砥石摩耗量が半分程度に改善されるのである。
晶系窒化硼素)などの超砥粒が用いられると一層好適な
性能が得られる。
結合剤が用いられると一層好適な性能が得られる。
孔として、そのCBN砥粒に無機結合剤とともに混合され
たレジンボールが窒素雰囲気によって焼失させられるこ
とにより形成されたものが用いられると一層好適な性能
が得られる。
仕上げ用が用いられると一層好適な性能が得られる。
る。
mmの角型であって、第2図および第3図に示すように、
粒径3〜6μmのCBN砥粒12と、それらCBN砥粒12を相互
に結合する無機結合剤(ビトリファイドボンド、たとえ
ば融点800℃程度の硼珪酸ガラス)14と、そのCBN砥粒12
よりも10倍以上の粒径を有する巨大気孔16とを備えてい
る。この砥石10は、焼成後の状態において、砥粒率が30
容積%、結合剤率が20容積%、気孔率が50容積%となる
ような嵩比重を備えている。
た工程により製造されるのであるが、原料の調整段階に
おいて上記巨大気孔16と同様の径を有する気孔形成粒
子、たとえばスチロール、ポリエステル、エポキシ等の
合成樹脂からなるレジンボールが坏土に混入され且つ均
一に混合される。この坏土が金型内に充填され且つプレ
ス成形が施された後、900℃程度の窒素雰囲気で焼成が
施されると、上記レジンボールがそのCBN砥石10の焼成
工程において焼失させられて、そのレジンボールと同様
の径を有する巨大気孔16が形成されるのである。そし
て、本実施例の上記CBN砥石10には、平均粒径が100μm
である粒度分布の幅が狭く選択されたレジンボールが用
いられている。このレジンボールの分布の広がりの程度
は、変動係数Cv〔=(σ/xav)×100%、σ:標準偏
差、xav:分布の算術平均値)で表わすと25%以下とされ
ている。通常の市販のレジンボールの変動係数Cvは30〜
55%程度であるので、市販のレジンボールから篩によっ
て選択したものが使用されるのである。
あること以外は上記CBN砥石10と同じ製造条件である対
象品砥石と、上記CBN砥石10、すなわち変動係数Cvが25
%である試料No.1、変動係数Cvが20%である試料No.2、
変動係数Cvが15%である試料No.3とを対象として、以下
に示す研削試験条件Iにおいて行った比較試験結果を示
している。
である本実施例のCBN砥石10によれば、仕上面粗さが改
善されるだけでなく、砥石の摩耗状態が好適に改善さ
れ、耐久性が向上する。さらに詳しく考察すると、第5
図に示すように、変動係数Cvが25%である試料No.1で
は、摩耗率(=砥石摩耗量/単位研削量)に一応の効果
が認められ、変動係数Cvが20%である試料No.2では、摩
耗率にさらに顕著な効果が認められ、変動係数Cvが15%
である試料No.3では、摩耗率に最も効果が認められるの
である。
係数Cvの小さい気孔形成粒子を用いることから、巨大気
孔16の径が均一となるので、一定の大きさの切り屑が得
られて、安定した研削が持続できることが考えられる。
これに対し、変動係数Cvが高い場合には気孔形成粒子が
最密充填配合をとりやすくなるので、研削面にポアが集
中した領域が発生し均質性を阻害すると考えられるので
ある。
リファイド砥石20の外形および気孔は、第1図乃至第3
図に示される前述の実施例のCBN砥石10と同様に、JIS規
格2000番(6.7μm程度の粒径)白色溶融アルミナ砥粒
(WA)22と、それら白色溶融アルミナ砥粒22を相互に結
合する無機結合剤(ビトリファイドボンド)24と、その
白色溶融アルミナ砥粒22よりも10倍以上の粒径を有する
巨大気孔26とを備えている。このビトリファイド砥石20
は、焼成後の状態において、砥粒率が37容積%、結合剤
率が8.5容積%、気孔率が54.5容積%(その中で、レジ
ンボールの占める気孔率12容積%)となるような嵩比重
を備えている。
造工程としてよく知られた工程により製造されるのであ
るが、原料の調整段階において上記巨大気孔26と同様の
径を有する気孔形成粒子、たとえばレジンボールが混入
される。このレジンボールがビトリファイド砥石20の焼
成工程において焼失させられることにより、そのレジン
ボールと同様の径を有する巨大気孔26が形成されるので
ある。そして、上記ビトリファイド砥石20にも、平均粒
径が100μmであるが変動係数Cvが20%であるレジンボ
ールが用いられており、巨大気孔26の径もその20%の変
動係数Cvに対応してばらつきが小さくされている。
砥石20(試料No.4)と、使用したレジンボールの変動係
数Cvが30%であること以外はそのビトリファイド砥石20
と同じ製造条件である対象品砥石とを、以下に示す研削
試験条件IIにおいて比較試験した結果を示している。
イド砥石20によれば、仕上面粗さが改善されるだけでな
く、研削量に対する砥石摩耗量が35%も減少し、好適な
耐久性が得られるのである。
リファイド砥石30は、たとえば第7図に示すような凸曲
面形状の研削面を備えた長手状を成しており、JIS規格3
20番(40.0μm程度の粒径)緑色溶融炭化珪素砥粒(Si
C)32と、第2図乃至第3図に示される前述の実施例のC
BN砥石10およびビトリファイド砥石20と同様に、それら
緑色溶融炭化珪素砥粒を相互に結合する無機結合剤(ビ
トリファイドボンド)34と、その緑色溶融炭化珪素砥粒
32よりも10倍以上の粒径を有する巨大気孔36とを備えて
いる。このビトリファイド砥石30は、焼成後の状態にお
いて、砥粒率が43容積%、結合剤率が12容積%、気孔率
が45容積%(その中で、レジンボールの占める気孔率9
容積%)となるような嵩比重を備えている。
石20と同様の製造工程により製造され、原料の調節段階
においても同様に、気孔形成粒子、たとえばレジンボー
ルが混入されて巨大気孔36が形成される。このビトリフ
ァイド砥石30には、平均粒径が300μmであるが変動係
数Dvが20%であるレジンボールが用いられており、巨大
気孔36の径もその20%の変動係数Cvに対応してばらつき
が小さくされている。
砥石30(試料No.5)と、使用したレジンボールの変動係
数Cvが30%であること以外はそのビトリファイド砥石30
と同じ製造条件である対象品砥石No.1と、更に砥粒率47
%、結合剤9%、気孔率は対象品砥石No.1とほぼ同一の
44%であるが製造工程において気孔形成粒子が混合され
ていない、即ち巨大気孔が形成されていない対象品砥石
No.2とを、以下に示す研削試験条件IIIにおいて比較試
験した結果を示している。
イド砥石30によれば、仕上面粗さが改善されるだけでな
く、研削量に対する砥石摩耗量が、変動係数Cvが30であ
る対象品砥石No.1では45%、巨大気孔が形成されていな
い対象品砥石No.2では75%も減少し、好適な耐久性が得
られるのである。
本発明はその他の態様においても適用される。
砥石および凸曲面形状の研削面を備えた長手状のホーニ
ング砥石について説明されていたが、円形の砥石であっ
ても差支えないし、ダイヤモンドなどの他の種類の砥粒
が用いられてもよいし、複数種類の砥粒が混合して用い
られてもよい。
よびビトリファイド砥石20、30について説明されていた
が、上記無機結合剤14、24、34に替えて熱硬化性樹脂な
どの有機結合剤が用いられる所謂レジノイド砥石であっ
ても、本発明が適用され得る。この場合には、レジノイ
ド砥石の比較的低い焼成温度でも焼失する気孔形成粒
子、たとえばナフタリンが用いられる。
砥石20、30では、焼成工程において焼失する気孔形成粒
子が用いられていたが、内部に巨大気孔を備えたアルミ
ナバルーンなどのように焼失しない気孔形成粒子が用い
られてもよいのである。
り、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々変
更が加えられ得るものである。
である。第2図は、第1図の実施例の砥石の断面を示す
図、第3図は第1図の要部を拡大した図である。第4図
は、第1図の実施例の砥石の性能試験結果を示す図表で
ある。第5図は、第1図の実施例の砥石の摩耗率を示す
図である。第6図は、本発明の他の実施例の第4図に対
応する図である。第7図は、本発明の他の実施例の第1
図に対応する図である。第8図は、第7図の実施例の第
4図に対応する図である。 10:CBN砥石 12:CBN砥粒 16,26,36:巨大気孔 20:ビトリファイド砥石 22:白色溶融アルミナ砥粒 30:ビトリファイド砥石 32:緑色溶融炭化珪素砥粒
Claims (5)
- 【請求項1】砥粒に対して10倍以上の径を有する巨大気
孔を備えた多孔性砥石において、 前記巨大気孔の粒径分布における変動係数を25%以下と
したことを特徴とする巨大気孔を備えた多孔性砥石。 - 【請求項2】前記砥粒は、超砥粒である請求項1の巨大
気孔を備えた多孔性砥石。 - 【請求項3】前記砥粒を相互に結合するための結合剤
は、無機結合剤である請求項1または2の巨大気孔を備
えた多孔性砥石。 - 【請求項4】前記砥粒はCBN砥粒であり、前記巨大気孔
は、該砥粒に無機結合剤とともに混合されたレジンボー
ルが窒素雰囲気によって焼失させられることにより形成
されたものである請求項1乃至3のいずれか1つに記載
の巨大気孔を備えた多孔性砥石。 - 【請求項5】前記多孔性砥石は、ホーニング用または超
仕上げ用である請求項1乃至4のいずれか1つに記載の
巨大気孔を備えた多孔性砥石。
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- 1990-06-27 JP JP16917090A patent/JPH0716880B2/ja not_active Expired - Fee Related
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