本発明は、超音波を利用して流体の流量を計測する超音波流量計に関し、特にその電源オン時のノイズを低減させる技術に関する。
従来、流路に2つの超音波振動子を配置し、超音波振動子間を伝播する超音波の伝播時間を計測することにより、流路を流れるガスの流量を計測する超音波流量計が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図13は従来のこの種の超音波流量計の構成を示すブロック図である。この超音波流量計は、測定対象となるガスが流れる流体管路1に配置された第1超音波振動子2および第2超音波振動子3と、これら第1超音波振動子2および第2超音波振動子3を制御するための切替部4、駆動部5、増幅部6、ゼロクロス検出部7、計時部8、演算部9、制御部10、クロック発振部11および電源部12から構成されている。
第1超音波振動子2は、切替部4からの信号に応じて超音波を発生し、第2超音波振動子3に向けて送信するとともに、第2超音波振動子3からの超音波を検出し、得られた信号を切替部4に送る。
第2超音波振動子3は、切替部4からの信号に応じた超音波を発生し、第1超音波振動子2に向けて送信するとともに、第1超音波振動子2からの超音波を検出し、得られた信号を切替部4に送る。
ここで、超音波が第1超音波振動子2から第2超音波振動子3に向けて伝播する方向を順方向という。逆に、超音波が第2超音波振動子3から第1超音波振動子2に向けて伝播する方向を逆方向という。
切替部4は、制御部10からの制御信号に応じて、超音波を順方向に伝播させるか逆方向に伝播させるかを切り替える。
駆動部5は、制御部10から送られてくる送信信号を、切替部4を介して送信側となる超音波振動子に送ることにより該超音波振動子を駆動する。制御部10は、クロック発振部11で発生された基準クロック信号に同期して送信信号を送出する。
増幅部6は、電源部12から供給される電源によって動作するアンプから構成されている。増幅部6は、電源部12から電源が供給されている状態で、受信側となった超音波振動子から切替部4を介して送られてくる信号を増幅する。増幅部6で増幅された信号は、受信信号としてゼロクロス検出部7に送られる。
ゼロクロス検出部7は、増幅部6から送られてくる受信信号の特定のゼロクロス点を受信波の受信ポイントとして検出する。ゼロクロス検出部7の出力は、受信ポイント検出信号として計時部8および制御部10に送られる。
計時部8は、クロック発振部11からの基準クロック信号に同期して、超音波が送信されてから受信されるまでの時間、即ち、第1超音波振動子2と第2超音波振動子3との間を超音波が伝播する時間を計測する。具体的には、計時部8は、制御部10から送られてくるスタート信号に応答して計時を開始し、ゼロクロス検出部7から送られてくる信号に応答して計時を一時停止する。そして、制御部10から送られてくるストップ信号に応答して一方向の超音波の伝搬時間の計時を停止する。計時部8で計測された超音波の伝播時間は、演算部9に送られる。
演算部9は、計時部8から送られてくる順方向の超音波の伝播時間及び逆方向の超音波の伝播時間に基づき、流体管路1を流れるガスの流速を算出し、さらに、流速に基づいて流量を算出する。演算部9で算出された流量が、例えば図示しない表示器に表示され、また課金に使用される。
制御部10は、例えばマイクロコンピュータから構成されており、この超音波流量計の全体を制御する。制御部10による制御動作は後に詳細に説明する。
クロック発振部11は、所定周期で発振する基準クロック信号を発生する。クロック発振部11で発生された基準クロック信号は、制御部10および計時部8に送られる。制御部10は、基準クロック信号に同期して送信信号を送出する。また、計時部8は、基準クロック信号に同期して超音波の伝播時間を計時する。
電源部12は、例えば電池から構成されており、受信側となった超音波振動子から切替部4を経由して信号が得られるタイミングで一定期間だけ増幅部6に電源を供給する。増幅部6に電源を供給するタイミングは、制御部10からの制御信号に基づいて生成される。このように、電源部12から増幅部6に電源を間欠的に供給することにより、電池の長寿命化が実現されている。
次に、上述した従来の超音波流量計の動作を、図14に示すタイミングチャートを参照しながら説明する。
制御部10は、まず、切替部4に制御信号を送ることにより、第1超音波振動子2が送信側になり第2超音波振動子3が受信側になるように、つまり超音波が順方向に伝播されるように設定する。その後、制御部10は、図14(a)に示すように、送信信号を駆動部5に送る。同時に、制御部10は、計時部8にスタート信号を送る。これにより、計時部8は伝播時間の測定を開始する。
駆動部5は、切替部4を経由して第1超音波振動子2を駆動する。これにより、第1超音波振動子2は超音波を発生する。この超音波を受信した第2超音波振動子3において発生された信号は、電源部12から電源が供給されている増幅部6で増幅され、図2(b)に示すように、受信信号としてゼロクロス検出部7に送られる。ゼロクロス検出部7は、図2(c)に示すように、受信信号のゼロクロス点を検出して受信ポイント検出信号を生成し、計時部8および制御部10に送る。
制御部10は、受信ポイント検出信号を受信すると、再び送信信号を駆動部5に送る。以上の動作が特定回数(図2に示す例では5回)だけ繰り返される。制御部10は、最後に、計時部8へストップ信号を送る。これにより、計時部8における順方向の伝播時間の測定が終了し、計時部8で計時された伝播時間は演算部9に送られる。
次に、制御部10は、切替部4に制御信号を送ることにより、第2超音波振動子3が送信側になり第1超音波振動子2が受信側になるように、つまり超音波が逆方向に伝播されるように設定する。その後、上述した順方向の場合と同様の動作が行われる。
計時部8における逆方向の伝播時間の測定が終了し、計時部8で計時された伝播時間が演算部9に送られると、演算部9は、順方向の超音波の伝播時間と逆方向の超音波の伝播時間との差に基づき、流体管路1の中を流れるガスの流速を算出し、さらに、この流速に基づいて流量を算出する。
特開平11−173880号公報
ところで、上述した従来の超音波流量計では、図2(d)に示すように、制御部10は、電源部12に制御信号を送ることにより、超音波が受信側の超音波振動子に到達する少し前のタイミングで電源部12から増幅部6へ電源が供給されるように制御し、ゼロクロス検出部7から受信ポイント検出信号を受け取った後に電源部12から増幅部6への電源供給が停止されるように制御する。このような制御により、増幅部6には電源が間欠的に供給されることになるので、増幅部6における消費電力が低減され、電池の長寿命化が実現されている。
しかしながら、上述した従来の超音波流量計では、図2(e)に示すように、増幅部6の電源がオンされると、増幅部6の動作が安定するまでの間、増幅部6の入力端に電圧変動が発生し、この電圧によって受信側の超音波振動子が振動し、これがノイズとなって現れる。その結果、低消費電力のために増幅部6の電源を間欠的にオンさせる構成では、高精度な計測値を得ることができないという問題がある。
本発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、電源が間欠的にオンされてもノイズの発生を抑止して、低消費電力で高精度な計測値を得ることができる超音波流量計を提供することを課題とする。
本発明に係る超音波流量計は、流体の流路に一定の距離をおいて配置された一対の超音波振動子の間で超音波を送受し、送信側の超音波振動子から送信された超音波を受信側の超音波振動子で受信することにより得られた受信信号に基づき流量を求める超音波流量計であって、受信側の超音波振動子からの信号を差動増幅する増幅部と、増幅部の差動入力チャネル間に設けられたダンピング抵抗と、増幅部の電源端子との間の接続をオン/オフするスイッチを有する電源部と、スイッチをオンして電源部から増幅部への電源供給を開始させる制御部とを備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る超音波流量計によれば、差動増幅する増幅器で増幅部を構成するとともに差動入力チャネル間にダンピング抵抗を設けたので、増幅部の電源オン時の差動入力チャネル間の電圧変動は発生しない。その結果、差動入力チャネルの各々に発生した電圧変動は差動動作によりキャンセルされるので、電源オンによる増幅部の入力端の電圧変動の影響を受けない。従って、S/Nの高い受信信号を得ることができ、低消費電力で高精度な計測値を得ることができる。
以下、本発明の実施例に係る超音波流量計を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明の実施例に係る超音波流量計の全体的な構成は、図13および図14を参照して説明した従来の超音波流量計と同一であるので、説明を省略し、以下では、相違する部分を中心に説明する。
図1は本発明の実施例1に係る超音波流量計における増幅部6の構成を示す回路図である。増幅部6は、アンプ13と入力短絡抵抗14とから構成されている。
アンプ13は、受信側の超音波振動子から切替部4を経由して送られてくる増幅部入力信号S3を増幅し、受信信号として出力する。アンプ13の電源端子には、電源部12から電源S1が間欠的に供給される。
入力短絡抵抗14は、制御部10から送られてくる制御信号S2に応じてそのインピーダンスを変化させる。入力短絡抵抗14の一方の端子はアンプ13の入力端に接続され、他方の端子は接地されている。入力短絡抵抗14は、例えばトランジスタやFETといった半導体素子から構成することができる。この場合、半導体素子のベースまたはゲートに制御信号S2を印加することによりインピーダンスを変化させる。
次に、上記のように構成される増幅部6を有する本発明の実施例1に係る超音波流量計の動作を、増幅部6の電源がオンされるタイミングを中心に、図2に示すタイミングチャートを参照しながら説明する。
制御部10は、制御信号を電源部12に送ることにより、図2(a)に示すように、送信側の超音波振動子から送出された超音波が、受信側の超音波振動子に到達する少し前のタイミングで、電源部12から増幅部6へ供給する電源S1をオンする。同時に、制御部10は、制御信号S2を増幅部6に供給することにより、図2(b)に示すように、入力短絡抵抗14のインピーダンスが低インピーダンス(ゼロ)から徐々に高インピーダンスに変化するように制御する。
その結果、増幅部6の電源S1がオンされた直後は、アンプ13の入力端は短絡、つまり接地された状態になるので、電源S1がオンされた直後に増幅部6の入力端に発生する電圧変動は抑止される。従って、受信側の超音波振動子は、電圧変動の影響を受けることはない。その後、入力短絡抵抗14のインピーダンスは徐々に高くなるが、電源S1がオンされてから時間が経過するに連れて、増幅部6の入力端に発生する電圧変動は徐々に収束するので、図2(c)に示すように、電源S1がオンされた近傍のタイミング(破線で示す部分)で、増幅部入力信号S3にノイズは発生しない。
その後、制御部10は、ゼロクロス検出部7から受信ポイント検出信号を受け取ると、制御信号を電源部12に送ることにより、電源部12から増幅部6へ供給される電源S1をオフする。これにより、増幅部6には間欠的に電源S1が供給されるので、消費電力が低減され、電池の長寿命化が実現されている。
以上説明したように、本発明の実施例1に係る超音波流量計によれば、増幅部6の電源オン時にアンプ13の入力端を低インピーダンスにして短絡するので、増幅部入力信号S3にノイズが発生しない。その結果、受信側の超音波振動子に不要な振動を起こさせないので、S/Nの高い受信信号が得られ、低消費電力で高精度な計測値を得ることができる。
図3は本発明の実施例2に係る超音波流量計における増幅部6と電源部12の構成を示す回路図である。
増幅部6は、NPN型のトランジスタT、抵抗R1、抵抗R2および抵抗R3から構成されている。トランジスタTのベースには、受信側の超音波振動子から切替部4を経由して送られてくる増幅部入力信号S3が入力される。トランジスタTのコレクタは抵抗R1を介して電源部12の第1電源接続抵抗12aに接続され、エミッタは抵抗R2を介して電源部12の第2電源接続抵抗12bに接続されている。さらに、トランジスタTのベースは抵抗R3を介して接地されている。
電源部12は、第1電源接続抵抗12aおよび第2電源接続抵抗12bを含んで構成されている。第1電源接続抵抗12aおよび第2電源接続抵抗12bは、制御部10から送られてくる制御信号S4に応じてそのインピーダンスを変化させる。第1電源接続抵抗12aの一方の端子は増幅部6の抵抗R1に接続され、他方の端子はプラス電源に接続されている。第2電源接続抵抗12bの一方の端子は増幅部6の抵抗R2に接続され、他方の端子はマイナス電源に接続されている。これら第1電源接続抵抗12aおよび第2電源接続抵抗12bは、実施例1の入力短絡抵抗14と同じもので構成することができる。
次に、上記のように構成される増幅部6および電源部12を有する本発明の実施例2に係る超音波流量計の動作を、増幅部6の電源がオンされるタイミングを中心に、図4に示すタイミングチャートを参照しながら説明する。
制御部10は、図4(a)に示すように、送信側の超音波振動子から送出された超音波が受信側の超音波振動子に到達する少し前のタイミングで、小さい値を有する制御信号S4を第1電源接続抵抗12aおよび第2電源接続抵抗12bに送り、その後、制御信号S4の値が徐々に増大するように制御する。これにより、第1電源接続抵抗12aおよび第2電源接続抵抗12bのインピーダンスは、高インピーダンス(無限大)から徐々に低インピーダンスに変化する。
その結果、制御信号S4の出力が開始された直後は、トランジスタTに電流は流れないので、増幅部6の入力端に電圧変動は発生しない。従って、受信側の超音波振動子は、電圧変動の影響を受けることはない。その後、図4(a)に示すように、制御信号S4が大きくなるに従って第1電源接続抵抗12aおよび第2電源接続抵抗12bのインピーダンスは徐々に低くなり、トランジスタTに流れる電流が徐々に増加する。そして、所定時間が経過することにより、増幅部6は電源オン状態になるが、電源がオフ状態からオン状態に移行する期間では増幅部6の電源電圧が小さいので増幅部6の入力端に発生する電圧変動も小さい。従って、図4(b)に示すように、増幅部6の電源がオンにされる近傍のタイミング(破線で示す部分)で増幅部入力信号S3にノイズは発生しない。
その後、制御部10は、ゼロクロス検出部7から受信ポイント検出信号を受け取ると、小さい値を有する制御信号S4を第1電源接続抵抗12aおよび第2電源接続抵抗12bに送ることにより、増幅部6を電源オフ状態にする。これにより、増幅部6には間欠的に電源が供給されるので消費電力が低減され、電池の長寿命化が実現されている。
以上説明したように、本発明の実施例2に係る超音波流量計によれば、増幅部6への電源供給を開始する際は、第1電源接続抵抗12aおよび第2電源接続抵抗12bを高インピーダンスにして増幅部6へ供給する電流を最小にするので、増幅部入力信号S3にノイズが発生しない。その結果、受信側の超音波振動子に不要な振動を起こさせないのでS/Nの高い受信信号が得られ、低消費電力で高精度な計測値を得ることができる。
図5は本発明の実施例3に係る超音波流量計における増幅部6の構成を示す回路図である。増幅部6は、アンプ13、入力接続抵抗15および抵抗R4から構成されている。
アンプ13は、受信側の超音波振動子から切替部4を経由して送られてくる増幅部入力信号S3が、入力接続抵抗15を経由して送られてくるアンプ入力信号S6を増幅し、受信信号として出力する。アンプ13の電源端子には、電源部12から電源S1が間欠的に供給される。
入力接続抵抗15は、制御部10から送られてくる制御信号S5に応じてそのインピーダンスを変化させる。入力接続抵抗15の一方の端子はアンプ13の入力端に接続され、他方の端子は切替部4に接続されている。入力接続抵抗15は、実施例1の入力短絡抵抗14と同じもので構成することができる。抵抗R4の一方の端子は入力接続抵抗15の他方の端子に接続され、他方の端子は接地されている。
次に、上記のように構成される増幅部6を有する本発明の実施例3に係る超音波流量計の動作を、増幅部6の電源がオンされるタイミングを中心に、図6に示すタイミングチャートを参照しながら説明する。
制御部10は、制御信号を電源部12に送ることにより、図6(a)に示すように、送信側の超音波振動子から送出された超音波が受信側の超音波振動子に到達する少し前のタイミングで電源部12から増幅部6へ供給する電源S1をオンする。同時に、制御部10は、制御信号S5を増幅部6に供給することにより、図6(b)に示すように、入力接続抵抗15のインピーダンスが高インピーダンス(無限大)から徐々に低インピーダンスに変化するように制御する。
その結果、増幅部6の電源S1がオンされた直後は、アンプ13の入力端に電圧変動が発生してアンプ入力信号S6には、図6(c)に示すようなノイズが発生するが、入力接続抵抗15のインピーダンスは高インピーダンスであり開放されていると見なすことができるので、アンプ入力信号S6に発生したノイズは切替部4に伝達されない。従って、受信側の超音波振動子は、電圧変動の影響を受けることはない。その後、入力接続抵抗15のインピーダンスは徐々に低くなるが、電源S1がオンにされてから時間が経過するに連れて増幅部6の入力端に発生する電圧変動は徐々に小さくなるので、図6(d)に示すように、電源S1がオンにされた近傍のタイミング(破線で示す部分)で増幅部入力信号S3にノイズは発生しない。
その後、制御部10は、ゼロクロス検出部7から受信ポイント検出信号を受け取ると、制御信号を電源部12に送ることにより、電源部12から増幅部6へ供給される電源S1をオフにする。これにより、増幅部6には間欠的に電源が供給されるので消費電力が低減され、電池の長寿命化が実現されている。
以上説明したように、本発明の実施例3に係る超音波流量計によれば、増幅部6の電源オン時に、入力接続抵抗15を高インピーダンスにしてアンプ13の入力端と切替部4とを電気的に切り離すので、増幅部入力信号S3に発生されたノイズは受信側の超音波振動子に伝達されない。その結果、受信側の超音波振動子に不要な振動を起こさせないのでS/Nの高い受信信号が得られ、低消費電力で高精度な計測値を得ることができる。
次に、この実施例3の変形例を説明する。図7(a)は、本発明の実施例3の変形例に係る超音波流量計における増幅部6の構成を示す回路図である。この増幅部6は、アンプ13、抵抗R5および開閉スイッチSWから構成されている。
アンプ13は、受信側の超音波振動子から切替部4を経由して送られてくる増幅部入力信号S3が、抵抗R5または開閉スイッチSWを経由して送られてくるアンプ入力信号S6を増幅し、受信信号として出力する。アンプ13の電源端子には、電源部12から電源S1が間欠的に供給される。
抵抗R5は、受信側の超音波振動子に存在する容量CsとでCR時定数回路を形成する。抵抗R5の一方の端子はアンプ13の入力端に接続され、他方の端子は切替部4に接続されている。開閉スイッチSWは、制御部10からの制御信号S5’に応答して開閉される。開閉スイッチSWは、抵抗R5に並列に接続されている。
次に、上記のように構成される増幅部6を有する本発明の実施例3の変形例に係る超音波流量計の動作を、増幅部6の電源がオンされるタイミングを中心に、図8に示すタイミングチャートを参照しながら説明する。
制御部10は、制御信号を電源部12に送ることにより、図8(a)に示すように、送信側の超音波振動子から送出された超音波が受信側の超音波振動子に到達する少し前のタイミングで電源部12から増幅部6へ供給する電源S1をオンする。同時に、制御部10は、制御信号S5’を増幅部6に供給することにより、図8(b)に示すように、開閉スイッチSWをオフさせる。
その結果、増幅部6の電源S1がオンされた直後は、アンプ13の入力端に電圧変動が発生してアンプ入力信号S6にはノイズが発生するが、容量Csと抵抗R5で構成される時定数回路により増幅部入力信号S3は低レベルから立ち上がり始めた状態にあるので、アンプ入力信号S6に発生したノイズは切替部4に伝達されない。従って、受信側の超音波振動子は、電圧変動の影響を受けることはない。その後、増幅部入力信号S3のレベルは徐々に上昇するが、電源S1がオンされてから時間が経過するに連れて増幅部6の入力端に発生する電圧変動は徐々に小さくなるので、図6(c)に示すように、電源S1がオンされた近傍のタイミング(破線で示す部分)で増幅部入力信号S3にノイズは発生しない。そして、増幅部入力信号S3が所定のレベルになった時点(所定時間が経過した時点)で、制御部10は、制御信号S5’を増幅部6に供給することにより、図8(b)に示すように、開閉スイッチSWをオンさせる。これにより、受信側の超音波振動子から切替部4を経由してきた信号が直接にアンプ13に供給される状態になる。
その後、制御部10は、ゼロクロス検出部7から受信ポイント検出信号を受け取ると、制御信号を電源部12に送ることにより、電源部12から増幅部6へ供給される電源S1をオフにする。これにより、増幅部6には間欠的に電源が供給されるので消費電力が低減され、電池の長寿命化が実現されている。
なお、図7(a)に示す構成に代えて、図7(b)に示すように、切替部4と開閉スイッチSWと抵抗R5とを一体化することもできる。即ち、図7(b)に示すように、受信側の超音波振動子2,3毎に、抵抗R5と切替信号により開閉する開閉スイッチSWとを直列に接続し、直列に接続された抵抗R5と開閉スイッチSWとの両端に、制御信号S5’により開閉する開閉スイッチSWを接続して一体化した切替部4´をアンプ13に接続するようにしても良い。
以上説明したように、本発明の実施例3の変形例に係る超音波流量計によれば、増幅部6の電源オン時に、開閉スイッチSWを開放して受信側の超音波振動子からの信号を、抵抗R5を介してアンプ13の入力端に送り、アンプ13の電源オンから所定時間後に開閉スイッチを閉成して受信側の超音波振動子からの信号を直接にアンプ13の入力端に送るように構成したので、アンプ13の電源オン時に、アンプの動作が安定するまでの期間ではアンプ13の入力端で発生した電圧変動が抵抗R5により小さく抑えられて受信側の超音波振動子に伝達されない。その結果、受信側の超音波振動子に不要な振動を起こさせないので、S/Nの高い受信信号を得ることができ、低消費電力で高精度な計測値を得ることができる。
図9は本発明の実施例4に係る超音波流量計における増幅部6と電源部12の構成を示す回路図である。
増幅部6は、NPN型の第1トランジスタT1、第2トランジスタT2および抵抗R6〜R10から構成された差動アンプと、ダンピング抵抗R11およびR12とから構成されている。
第1トランジスタT1のベースには、受信側の超音波振動子から切替部4を経由して送られてくる増幅部入力信号+側S8が入力される。第1トランジスタT1のコレクタは抵抗R6を介して電源部12の第1スイッチ12cに接続され、エミッタは抵抗R7および抵抗R10を介して電源部12の第2スイッチ12dに接続されている。また、第2トランジスタT2のベースには、受信側の超音波振動子から切替部4を経由して送られてくる増幅部入力信号−側S8が入力される。第2トランジスタT2のコレクタは抵抗R8を介して電源部12の第1スイッチ12cに接続され、エミッタは抵抗R9および抵抗R10を介して電源部12の第2スイッチ12dに接続されている。
ダンピング抵抗R11は、差動入力チャネル間(増幅部入力信号+側S8と増幅部入力信号−側S8との間)に設けられている。ダンピング抵抗R12は、差動出力チャネル間(第1トランジスタT1のコレクタと第2トランジスタT2のコレクタとの間)に設けられている。
電源部12は、第1スイッチ12cおよび第2スイッチ12dを含んで構成されている。第1スイッチ12cおよび第2スイッチ12dは、制御部10から送られてくる制御信号S7に応じてオン/オフする。第1スイッチ12cの一方の端子は増幅部6の抵抗R6と抵抗R8の接続点に接続され、他方の端子はプラス電源に接続されている。第2スイッチ12dの一方の端子は増幅部6の抵抗R10に接続され、他方の端子はマイナス電源に接続されている。
次に、上記のように構成される増幅部6および電源部12を有する本発明の実施例4に係る超音波流量計の動作を、増幅部6の電源がオンされるタイミングを中心に、図10に示すタイミングチャートを参照しながら説明する。
制御部10は、送信側の超音波振動子から送出された超音波が受信側の超音波振動子に到達する少し前のタイミングで、制御信号S7を第1スイッチ12cおよび第2スイッチ12dに送ることにより、図10(a)に示すように、電源部12から増幅部6への電源供給を開始する。
その結果、増幅部6の電源がオンされた直後は、第1トランジスタT1と第2トランジスタT2の入力端(ベース)に電圧変動が発生するので、各差動入力チャネル、つまり増幅部入力信号+側S8および増幅部入力信号−側S8には、図10(b)および図10(c)に示すようなノイズが発生する。これら増幅部入力信号+側S8および増幅部入力信号−側S8はダンピング抵抗R11によって接続されているので、これら両ノイズのレベルはほぼ等しくなる。従って、受信側の超音波振動子が電圧変動の影響を受けて受信側の超音波振動子からノイズを含む信号が送られてきても、差動動作により両ノイズはキャンセルされるので、図10(d)に示すように、増幅部6の電源がオンにされる近傍のタイミング(破線で示す部分)で増幅部入力信号S3にノイズは発生しないと見なすことができる。
その後、制御部10は、ゼロクロス検出部7から受信ポイント検出信号を受け取ると、制御信号S7を第1スイッチ12cおよび第2スイッチ12dに送ることにより、増幅部6を電源オフ状態にする。これにより、増幅部6には間欠的に電源が供給されるので消費電力が低減され、電池の長寿命化が実現されている。
以上説明したように、本発明の実施例4に係る超音波流量計によれば、増幅部6を、差動アンプで構成するとともに差動入力チャネル間にダンピング抵抗R11を設けたので、増幅部6の電源オン時に差動入力チャネルの各々には電圧変動が発生するが差動入力チャネル間の電圧変動は発生しない。その結果、差動入力チャネルの各々に発生した電圧変動は差動動作によりキャンセルされるので、電源オンによる増幅部6の入力端の電圧変動の影響を受けない。従って、S/Nの高い受信信号を得ることができ、低消費電力で高精度な計測値を得ることができる。
図11は本発明の実施例5に係る超音波流量計における増幅部6と電源部12の構成を示す回路図である。
増幅部6は、NPN型のトランジスタT3、抵抗R13〜R15およびコンデンサCから構成されている。抵抗R15とコンデンサCは、高周波信号をカットするローパスフィルタ回路を構成している。
第1トランジスタT1のベースは、ローパスフィルタ回路を構成する抵抗R15を介して切替部4に接続されている。トランジスタT3のコレクタは抵抗R13を介して電源部12の第1スイッチ12cに接続され、エミッタは抵抗R14を介して電源部12の第2スイッチ12dに接続されている。また、コンデンサCの一方の端子は、抵抗R15と切替部4との接続点に接続され、他方の端子は接地されている。
電源部12は、第1スイッチ12cおよび第2スイッチ12dを含んで構成されている。第1スイッチ12cおよび第2スイッチ12dは、制御部10から送られてくる制御信号S7に応じてオン/オフする。第1スイッチ12cの一方の端子は増幅部6の抵抗R13に接続され、他方の端子はプラス電源に接続されている。第2スイッチ12dの一方の端子は増幅部6の抵抗R14に接続され、他方の端子はマイナス電源に接続されている。
次に、上記のように構成される増幅部6および電源部12を有する本発明の実施例5に係る超音波流量計の動作を、増幅部6の電源がオンされるタイミングを中心に、図12に示すタイミングチャートを参照しながら説明する。
制御部10は、送信側の超音波振動子から送出された超音波が受信側の超音波振動子に到達する少し前のタイミングで、制御信号S7を第1スイッチ12cおよび第2スイッチ12dに送ることにより、図12(a)に示すように、電源部12から増幅部6への電源供給を開始する。
その結果、増幅部6の電源がオンされた直後は、トランジスタT3の入力端(ベース)に電圧変動が発生するので、アンプ入力信号S6には、図12(b)に示すようなノイズが発生する。このノイズが含まれるアンプ入力信号S6は、ローパスフィルタ回路を経由することによりノイズレベルが低減されて、図12(c)に示すように、増幅部入力信号S3として出力される。従って、増幅部6の電源がオンにされる近傍のタイミング(破線で示す部分)で増幅部入力信号S3に発生するノイズは非常に小さくなる。
その後、制御部10は、ゼロクロス検出部7から受信ポイント検出信号を受け取ると、制御信号S7を第1スイッチ12cおよび第2スイッチ12dに送ることにより、増幅部6を電源オフ状態にする。これにより、増幅部6には間欠的に電源が供給されるので消費電力が低減され、電池の長寿命化が実現されている。
以上説明したように、本発明の実施例5に係る超音波流量計によれば、受信側の超音波振動子からの増幅部入力信号S3を、フィルタ回路を通してトランジスタT3に供給するように構成したので、増幅部の電源オン時に、トランジスタT3の動作が安定するまでの期間においてトランジスタT3の入力端(ベース)に発生した電圧変動はローパスフィルタ回路でフィルタリングされることにより小さい値に抑えられる。その結果、受信側の超音波振動子で発生する不要な振動も非常に小さくなるので、S/Nの高い受信信号を得ることができ、低消費電力で高精度な計測値を得ることができる。
本発明は、流路を流れるガスの流量を計測する超音波ガスメータ等の超音波流量計に適用可能である。
本発明の実施例1に係る超音波流量計における増幅部の構成を示す回路図である。
本発明の実施例1に係る超音波流量計の動作を示すタイミングチャートである。
本発明の実施例2に係る超音波流量計における増幅部および電源部の構成を示す回路図である。
本発明の実施例2に係る超音波流量計の動作を示すタイミングチャートである。
本発明の実施例3に係る超音波流量計における増幅部の構成を示す回路図である。
本発明の実施例3に係る超音波流量計の動作を示すタイミングチャートである。
本発明の実施例3の変形例に係る超音波流量計における増幅部の構成を示す回路図である。
本発明の実施例3の変形例に係る超音波流量計の動作を示すタイミングチャートである。
本発明の実施例4に係る超音波流量計における増幅部および電源部の構成を示す回路図である。
本発明の実施例4に係る超音波流量計の動作を示すタイミングチャートである。
本発明の実施例5に係る超音波流量計における増幅部および電源部の構成を示す回路図である。
本発明の実施例5に係る超音波流量計の動作を示すタイミングチャートである。
従来の超音波流量計の構成を示すブロック図である。
従来の超音波流量計の動作を示すタイミングチャートである。
符号の説明
1 流体管路
2 第1超音波振動子
3 第2超音波振動子
4 切替部
5 駆動部
6 増幅部
7 ゼロクロス検出部
8 計時部
10 制御部
11 クロック発振部
12 電源部
12a 第1電源接続抵抗
12b 第2電源接続抵抗
12c 第1スイッチ
12d 第2スイッチ
13 アンプ
14 入力短絡抵抗
15 入力接続抵抗
R1〜R15 抵抗
C コンデンサ
T、T1、T2、T3 トランジスタ
SW 開閉スイッチ