JPH0562109A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

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Publication number
JPH0562109A
JPH0562109A JP32769591A JP32769591A JPH0562109A JP H0562109 A JPH0562109 A JP H0562109A JP 32769591 A JP32769591 A JP 32769591A JP 32769591 A JP32769591 A JP 32769591A JP H0562109 A JPH0562109 A JP H0562109A
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JP
Japan
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characteristic
resonance
circuit
delay
magnetic head
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Application number
JP32769591A
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English (en)
Inventor
Norio Nakamura
則男 中村
Kazunori Moriya
和典 森谷
Naoki Kiuchi
直樹 木内
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】再生信号のS/Nを高くすることができると共
に、パターンピークシフトの補償に余弦等化器を必要と
せず、低価格化と小形化を達成できる磁気記録再生装置
を提供することを目的とする。 【構成】共振特性を有する磁気ヘッド11と、この磁気
ヘッド11の出力信号を増幅する差動増幅器12と、こ
の差動増幅器12の出力信号の遅延特性を平坦化するた
めの遅延等化器13とを有し、磁気ヘッド11の共振特
性を利用して再生信号波形をスリミングすることにより
パターンピークシフトの補償を行うようにした磁気記録
再生装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ディスク装置など
の磁気記録再生装置に係り、特に再生系の構成を改良し
た磁気記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置やディジタルVTRな
どでは、二値のディジタル信号を磁気記録媒体上に磁化
反転系列として記録するディジタル磁気記録が用いらて
いる。また、こうして記録媒体に記録された信号の再生
には、リング型ヘッドまたは薄膜ヘッドなどのインダク
ティブタイプの磁気ヘッドが用いられている。
【0003】インダクティブタイプの磁気ヘッドを用い
て信号を再生する場合、再生系の伝達特性はヘッドの共
振特性により図17の曲線aに示されるような、共振周
波数frにピークを有する周波数特性を持つ。このよう
な伝達特性の基に再生された信号をそのまま再生信号処
理系に供給してデータ弁別を行うと、S/Nの劣化と信
号波形の歪を生じ、データの誤読率が著しく増大する。
【0004】そこで、従来では磁気ヘッドのコイルと並
列に数百Ω程度のダンピング抵抗を接続してヘッドによ
る共振回路のQを低下させることにより、共振特性のゲ
インの盛り上がりをなくし、図17のbに示されるよう
に記録信号の周波数帯域内で平坦な周波数特性が得られ
るようにしていた。この場合、ダンピング抵抗で発生す
る熱雑音が再生信号のS/Nを劣化させるので、やはり
データの誤読率を増加させてしまう。
【0005】また、従来では再生信号の波形歪を小さく
するために、共振周波数frを記録信号の最高周波数
(ディジタル磁気記録の場合、最小磁化反転間隔に対応
する周波数)の2倍程度以上という高い周波数に設定す
ることが必要であった。共振周波数frを高くするに
は、ヘッドのインダクタンスを小さく抑える必要がある
ため、ヘッドコイルの巻数を十分に多くとることができ
ず、再生信号の信号レベルを大きくできなくなる。すな
わち、ヘッドコイルの巻数がヘッドの再生能力の最適化
よりも共振特性による制限により決められてしまうた
め、再生信号の振幅に制限が加わり、S/Nを大きくで
きない原因となっている。
【0006】さらにディジタル磁気記録では、磁気ヘッ
ドから得られる再生信号において隣接ビット間の波形干
渉により、図18に示されるように波形のピークがずれ
る、パターンピークシフトと呼ばれる現象が生じる。こ
のパターンピークシフトは信号品質を劣化させ、特に高
密度記録の場合に大きな問題となる。
【0007】パターンピークシフトを補償するために、
従来では主として余弦等化器が用いられている。余弦等
化器は余弦振幅特性を持つ等化器であり、特定の周波数
帯域を強調することによって各ビットに対応する個々の
再生信号波形をスリミングすることにより、パターンピ
ークシフトを低減するものである。しかしながら、余弦
等化器は周知のように高価なディレイラインを必要と
し、また構成素子数が多く回路規模が大きいので、装置
のコストダウンおよび小形化を妨げる要因となってい
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のディジタル磁気記録再生装置においては、ヘッド共振
特性のゲインの盛り上がりを抑えるために用いるダンピ
ング抵抗で熱雑音が発生することと、ヘッドの共振周波
数を高くするためにヘッドコイルの巻数に制限が加わり
再生信号振幅を大きくとることができない等の理由によ
って、再生信号のS/Nを大きくとれないという問題
と、再生信号波形のパターンピークシフトの補償のため
に、高価で回路規模の大きい余弦等化器を必要とすると
いう問題があった。
【0009】本発明は、ヘッドの共振特性に起因する再
生信号のS/N向上の制限要因を取り除いて十分なS/
Nを確保できると共に、パターンピークシフトの補償に
余弦等化器を必要とせず、低価格化と小形化を達成でき
る磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は磁気ヘッドの共振特性を再生信号の波形等
化すなわちパターンピークシフトの補償に利用すること
を骨子とするものであり、磁気記録媒体に記録された信
号を再生する共振特性を有する磁気ヘッドと、この磁気
ヘッドの出力信号を増幅する増幅器と、この増幅器の出
力信号の遅延特性を平坦化するための遅延等化器とを具
備し、磁気ヘッドから遅延等化器までの総合の伝達特性
が磁気記録媒体に記録された信号の周波数帯域の最低周
波数と最高周波数の2倍との間にゲインのピークを持つ
ように設定されていることを基本的な特徴とする。
【0011】また、本発明は上記の基本構成に加えて、
磁気ヘッドに並列にコンデンサを接続することを特徴と
する。さらに、本発明は上記の基本構成に加えて、増幅
器と遅延等化器との間に増幅器の出力信号の振幅特性を
補正する振幅特性補正回路を挿入することを特徴とす
る。上記のコンデンサと振幅特性補正回路を両方備えて
もよい。本発明においては、遅延等化器の出力信号を従
来の装置と同様にローパスフィルタおよび微分回路を通
して二値化回路に入力することが望ましい。
【0012】
【作用】本発明では磁気ヘッドによって形成される共振
回路の共振特性を波形等化に積極的に利用することで、
個々の再生信号波形を鋭くしてパターンピークシフトを
低減させることができる。これにより、従来パターンピ
ークシフトの補償に用いられていた余弦等化器のような
波形等化器が不要となる。
【0013】このように磁気ヘッドの共振特性を波形等
化に利用する場合、共振特性の原因の盛り上がり部分を
記録信号帯域の近傍に配置することになるため、記録信
号帯域内で遅延特性に乱れが生じ、新たに遅延歪による
ピークシフトを引き起こす。そこで、増幅器を経た再生
信号を遅延等化器に入力することにより、遅延特性を平
坦化する。遅延等化器はオールパスフィルタ等によって
実現され、余弦等化器のようにディレイラインを必要と
しないため安価であり、回路規模も小さい。
【0014】また、本発明では上記のように磁気ヘッド
の共振特性のゲインの盛り上がりを波形等化に利用する
ため、ゲインの盛り上がりを除去して平坦な振幅特性を
得る目的で従来使用されていたようなダンピング抵抗は
基本的には不要である。増幅器の入力インピーダンスの
ばらつきを補償したり、共振特性のQを適切な値に調整
する目的で磁気ヘッドに並列に抵抗を付加することもあ
るが、これらの目的からは高い抵抗値のものを使用すれ
ばよい。この場合、その抵抗で発生する熱雑音自体は大
きくなるが、増幅器での入力換算雑音は逆に小さくな
る。
【0015】また、磁気ヘッドの共振特性をパターンピ
ークシフトの補償に利用する関係で共振周波数を従来よ
り低くするために、従来において共振周波数を記録信号
帯域よりも十分高いところに設定するために受けていた
ヘッドコイルの巻数に対する制限が緩和され、共振特性
を考慮することなく独立にヘッドコイルの巻数を決定す
ることができる。これによりヘッドコイルの巻数を増や
して再生信号の振幅を増大させることが可能となり、増
幅器の入力換算雑音の低減と相まってS/Nが飛躍的に
向上する。
【0016】さらに、磁気ヘッドに並列にコンデンサを
付加すると、共振周波数が下がる方向となるため、ヘッ
ド自体のキャパシタンスやインダクタンスあるいは増幅
器の入力キャパシタンス等で定まる共振周波数では記録
信号帯域に対して高過ぎる場合、共振周波数を適切な
値、例えば記録信号帯域の最低周波数と最高周波数の2
倍の周波数との間にまで容易に下げることができ、共振
特性の利用による波形等化がより容易となる。
【0017】一方、増幅器の後段に振幅補正回路を付加
すれば、共振特性におけるゲインの盛り上がりを適切な
振幅に補正することが可能となる。これにより共振特性
の利用による波形等化がより適切に行われる。磁気ヘッ
ドによる裸の共振特性は、一般には波形等化にはゲイン
の盛り上がりが大きすぎる傾向にあるので、振幅補正回
路は例えば直列共振回路を用いた逆共振補正回路により
構成され、ゲインの盛り上がりを抑制することで振幅補
正を行う。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は、本発明の第1の実施例に係る磁気記録再
生装置の再生系の構成を示すブロック図である。
【0019】図1において、磁気記録媒体10は例えば
磁気ディスクや磁気テープであり、ディジタルデータ信
号が所定の変調方式で磁化反転系列として記録されてい
るものとする。例えばハードディスク装置を例にとる
と、変調方式は1−7変調が用いられる。
【0020】この記録媒体10に記録された信号は、磁
気ヘッド11により再生される。磁気ヘッド11は、例
えばバルクコアにコイルを巻いたリング型ヘッドあるい
は薄膜ヘッドからなるインダクティブタイプのヘッドが
使用される。磁気ヘッド11には、抵抗12が並列に接
続されている。磁気ヘッド11からの再生信号は、ヘッ
ドアンプである差動増幅器13により増幅される。抵抗
12は差動増幅器13の入力インピーダンスのばらつき
を補償したり、ヘッド11により形成される共振回路の
Qを調整するためのもので、Qをほぼ1にして周波数特
性を平坦にするために従来より用いられているダンピン
グ抵抗に比較して、かなり高抵抗のもの(10kΩ程
度)が使用される。
【0021】差動増幅器13の出力信号は遅延等化器1
4に入力され、遅延特性が平坦化される。遅延等化器1
4の出力信号は、ローパスフィルタ15により不要な高
周波成分が除去され、さらに微分回路16に入力され
る。微分回路16の出力信号は二値化回路17により二
値化され、データ弁別器18およびPLL回路19に入
力される。PLL回路19は二値化回路17からの二値
化データに同期したウィンドウクロックを生成し、デー
タ弁別器18に供給する。データ弁別器18は、このウ
ィンドウクロックを用いて二値化データを弁別し、記録
信号のデータ変調方式のルールに従って、データの復調
を行い、再生データ系列を出力する。例えばデータ変調
方式が1−7変調であれば、データ弁別器18は1−7
デコーダが用いられる。この場合、最低周波数は記録符
号の“0”の最長のラン・レングス(=7)に相当する
周波数、最高周波数は最短のラン・レングス(=1)に
相当する周波数となる。
【0022】次に、この実施例の磁気記録再生装置の動
作を説明する。磁気ヘッド11は図2に示されるよう
に、抵抗rとインダクタンスLおよびキャパシタンスC
(差動増幅器13の入力キャパシタンスも含む)からな
る共振回路(以下、ヘッド共振回路という)で等価的に
表される。また、このヘッド共振回路に対して並列に抵
抗12と差動増幅器13の入力抵抗との並列合成抵抗R
が付加される。再生時には、このヘッド共振回路に磁気
記録媒体10からの再生信号(これを信号源Esで表
す)が注入される。
【0023】ここで、抵抗12で発生する熱雑音そのも
のは抵抗値の平方根に比例して増加するため、従来のダ
ンピング抵抗(数百Ω)で発生するそれより大きくなる
が、差動増幅器13での入力換算雑音は、抵抗12で発
生する熱雑音がヘッド11のインピーダンスZと、抵抗
12と差動増幅器13の入力抵抗の並列合成抵抗Rとで
Z/(Z+R)により抵抗分割されたものとなるから、
抵抗12の値が高いほど減少する。すなわち、抵抗12
で発生する熱雑音は抵抗値の平方根に比例するが、増幅
器の入力換算雑音は抵抗12の抵抗値に反比例するか
ら、従来の場合より小さくなる。
【0024】また、磁気ヘッド11から差動増幅器13
の入力端または出力端までの伝達特性H(s) の一般式
は、次式(1) で表される。 H(s) =ωo 2 /{s2 +(ωo /Q)s+ωo 2 } …(1)
【0025】 但し、ωo :角周波数,ωo =1/(LC)1/2 Q:共振の尖鋭度 s:ラプラス変数
【0026】式(1) のQをQ=1〜5の範囲で変えたと
きの振幅特性と遅延特性の変化を図4および図5に示
す。また、QをQ=1〜2の範囲でより細かく変えたと
きの振幅特性と遅延特性の変化を図6および図7に示
す。なお、図4〜図7では周波数(角周波数)、振幅お
よび遅延時間はいずれもωo =1で規格化している。後
に説明する図8、図9および図10においても、角周波
数、振幅および遅延時間は全てωo =1で規格化してい
る。
【0027】Qを適当な値に選ぶことで、ヘッド共振回
路の振幅特性によって再生信号に対する波形等化特性を
持たせることができる。即ち、この振幅特性によって記
録媒体10上の各磁化反転に対応する再生信号波形を余
弦等化器を用いた場合と同様にスリミングすることがで
き、パターンピークシフトを低減することが可能とな
る。
【0028】但し、図4および図6のような振幅特性に
すると、図5および図7の遅延特性に示されるように、
周波数によって遅延時間が異なるためにいわゆる遅延歪
が発生し、ピークシフトが起こる。そこで、図1に示し
たように差動増幅器13の後に遅延等化器14を配置
し、遅延等化を行って遅延特性を平坦にする。遅延等化
器13は、例えば図3に示されるように、1次のオール
パスフィルタ(APF)21と2次のオールパスフィル
タ22の縦続接続によって実現できる。
【0029】図8は、Q=1.8とした場合の振幅特性
を拡大して示したものである。図9は、この場合の遅延
等化の様子を示したもので、Aはヘッド共振回路の遅延
特性である。Bは1次のオールパスフィルタ21の遅延
特性、Cは2次のオールパスフィルタ22の遅延特性で
ある。DはAの遅延特性にB,Cの遅延特性を加え合わ
せた特性であり、平坦性の良い遅延特性となっている。
すなわち、磁気ヘッド11からの再生信号を差動増幅器
13を介して図3の構成の遅延等化器14に通すことに
よって、パターンピークシフトがなく、しかも遅延特性
の良好な再生信号が得られる。
【0030】遅延等化器14から出力される等化後の再
生信号は、ローパスフィルタ15および微分回路16を
介して二値化回路17に入力される。ローパスフィルタ
15は例えば4次のバタワースフィルタであり、その振
幅特性を図10の曲線Bとすると、ローパスフィルタ1
5と微分回路16の総合の振幅特性は同図の曲線Cのよ
うになる。差動増幅器で増幅された後の再生信号をロー
パスフィルタを通して微分回路に入力した場合、微分回
路の出力での振幅特性は、ほぼ曲線Bと同様の特性とな
る。
【0031】これに対し、本発明ではヘッド共振回路の
振幅特性(図10の曲線Aに示す)と、図10の曲線C
に示したローパスフィルタ15および微分回路16の総
合の振幅特性とが加え合わせられる結果、最終的に再生
信号に与えられる振幅特性は図10の曲線Dに示すよう
になり、曲線Cに比較してロールオフ特性が急峻とな
る。従って、再生信号に含まれる雑音成分が相対的に減
少する。しかも、前述のように抵抗12で発生する熱雑
音の影響も大幅に減少していることも合わせて考慮すれ
ば、本発明による雑音低減効果は極めて大きいことが分
かる。
【0032】また、従来では磁気ヘッドの共振特性は図
10に破線で示すように設定され、波形歪みを抑えるた
めに、その共振周波数は信号帯域より十分高くする必要
がある。例えば記録信号の変調方式が1−7変調の場
合、記録信号の最高周波数ωaの2倍(2ωa)以上に
共振周波数が選定されている。一方、本発明では磁気ヘ
ッド11の共振特性をパターンピークシフトの補償に利
用するために、共振周波数は図10の曲線Aのように従
来より低くてよく、例えば記録信号の最高周波数ωaよ
り若干高い程度でよい。磁気ヘッド11の共振周波数を
低くできるということは、ヘッド11のインダクタンス
は大きくできるということであり、それだけヘッドコイ
ルの巻数を多くとることができる。この結果、磁気ヘッ
ド11からの再生信号出力の信号レベルが大きくなる。
このように本発明によると雑音は低減される一方、再生
信号レベルは増大するので、再生信号のS/Nが大きく
改善されるという利点がある。
【0033】なお、上記実施例において磁気ヘッド11
に並列に接続される抵抗12は必ずしも必要ではなく、
場合によっては省略することもできる。遅延等化器につ
いては、図3に示した構成に限られず、ヘッド共振回路
の特性によっては例えば1次オールパスフィルタのみで
簡単に構成することも可能である。
【0034】また、抵抗12の値をさらに大きくしてヘ
ッド共振回路のQを比較的大きく選び(例えばQ=6〜
7程度)、差動増幅器13の反転・非反転出力端子間に
LC直列共振回路などを挿入してQを適当な値まで下げ
ることにより、パターンピークシフトの補償を行うよう
にしてもよい。
【0035】次に、本発明の他の実施例を説明する。図
11は、本発明の第2の実施例に係る磁気記録再生装置
の再生系の構成を示すブロック図である。本実施例で
は、図1で説明した磁気ヘッド11に並列にコンデンサ
31が接続され、さらに差動増幅器13と遅延等化器1
4との間に振幅特性補正回路32が挿入されている。
【0036】本実施例の動作を説明する。磁気ヘッド1
1は、図12に示されるように抵抗rとインダクタンス
LおよびキャパシタンスC1 (この場合は、差動増幅器
13の入力キャパシタンスC3 を別に考えている)から
なるヘッド共振回路で等価的に表される。そして、この
ヘッド共振回路に対して並列にコンデンサ31のキャパ
シタンスC2 と差動増幅器13の入力キャパシタンスC
3 が並列に接続され、さらに差動増幅器13の入力抵抗
Riが並列に付加される。
【0037】磁気ヘッド11から差動増幅器13までの
間の伝達特性は、元来はL,C1 +C3 およびRiによ
って決定される共振特性を持つわけであるが、本実施例
ではコンデンサ31が新たに付加されることにより、こ
の、共振特性、特に共振周波数が調整される。具体的に
は、コンデンサ31を付加することで、共振に寄与する
キャパシタンスがC1 +C2+C3 となり、共振周波数
は低い方にずれることになる。
【0038】こうして共振周波数が調整された信号伝達
系を通過した再生信号は、振幅特性補正回路32に入力
される。振幅特性補正回路32は、この例では少なくと
も1段の逆共振補正回路33からなる。逆共振補正回路
33は、磁気ヘッド11から差動増幅器13までの間の
伝達特性が持つ共振特性とは逆の共振特性を持つ共振回
路であり、共振特性のゲインの盛り上がりを所望の形に
補正する。これによって、磁気ヘッド11から遅延等化
器までの総合の伝達特性が所望の振幅特性となるように
合わせ込まれる。すなわち、図10で説明したように磁
気ヘッド11から遅延等化器14までの総合の伝達特性
が記録媒体10に記録された信号の周波数帯域の最低周
波数と最高周波数の2倍との間にゲインのピークを持つ
ように設定される。
【0039】図13は、逆共振補正回路33の具体的な
構成例であり、差動増幅器13の非反転および反転出力
端子間に接続された、抵抗とインダクタおよびコンデン
サからなる直列共振回路41と、この直列共振回路41
の出力を増幅する増幅器42からなる。ヘッド11から
差動増幅器13までの信号伝達系が図12に示したよう
に並列共振回路であるため、これと逆共振の関係にある
直列共振回路41を用いている。逆共振回路33を多段
に縦続接続すれば、伝達特性のより緻密な合わせ込みを
実現できる。
【0040】図14に、このような合わせ込み操作によ
る伝達特性(振幅特性)の変転の様子を、振幅特性補正
回路32を1段の逆共振回路33で構成した場合につい
て示す。図14において、曲線51はコンデンサ31を
付加しない場合の磁気ヘッド11から増幅器13までの
再生信号伝達系の振幅特性であり、その共振周波数は図
10の破線にも示したように、記録信号帯域の最高周波
数の2倍より高い。ここでコンデンサ31を付加する
と、曲線52に示されるように共振周波数が記録信号帯
域の最高周波数の2倍より低域側に移動し、所望の帯域
のゲインが強調された特性となる。そして、この振幅特
性53に逆共振回路33を用いた振幅特性補正回路32
による逆共振特性を重ね合わせることにより、所望の記
録信号帯域において適切な形でゲインを持ち上げれば、
図14の曲線54に示されるような総合の振幅特性が最
終的に得られる。
【0041】そして、振幅特性補正回路32の出力は、
コンデンサ31により記録信号帯域近傍に共振のピーク
が入り込んだことによる遅延特性の劣化が遅延等化器1
4で補償され平坦な遅延特性とされた後、第1の実施例
と同様に、ローパスフィルタ15、微分回路16、二値
化回路17およびデータ弁別器18により処理され、再
生データ系列が得られる。
【0042】図15に本発明の第3の実施例を示す。こ
の実施例では、図11に示した第2の実施例の構成に加
えて、振幅特性補正回路32と遅延等化器14での補正
量を調整するための補正量調整回路34が追加されてい
る。補正量調整回路34の動作は、次の通りである。
【0043】磁気記録媒体10には、モデル信号記録領
域が設けられている。例えば記録媒体10が図16に示
すように磁気ディスク61である場合、特定のトラック
62(またはセクタ)をモデル信号記録領域とし、この
トラック62に予め定めたモデル波形の信号を記録して
おく。モデル波形としては、例えば孤立波形を用いるこ
とができる。
【0044】再生時には補正量調整回路34において、
例えばローパスフィルタ15の出力から磁気ヘッド11
により再生された信号に含まれるモデル波形が抽出され
る。補正量調整回路34は、この再生信号中のモデル波
形と補正量調整回路34内で予め記憶されているモデル
波形との差を求め、この差がある一定の基準を満たす条
件を得るための補正データを作成し、その補正データに
従って振幅特性補正回路41と遅延等化器13での補正
量を調整するための信号を発生する。振幅特性補正回路
41の補正量は、例えば図13における直列共振回路4
1を構成する抵抗、インダクタおよびコンデンサの少な
くとも一つを電気的に制御可能な素子とし、その素子値
を変えることにより調整することができる。
【0045】このように、本実施例によれば再生信号中
のモデル波形が予め定めたモデル波形にできるだけ近付
くように、振幅特性補正回路41や遅延等化器14の補
正量を最適に調整できるという利点がある。
【0046】なお、補正量調整回路34の他の構成法と
して、磁気記録媒体10上の位置に対応させた補正デー
タを予め作成して補正量調整回路34にテーブルとして
記憶させておき、再生時における媒体10上での磁気ヘ
ッド11の位置に応じて補正データを読み出し、それに
基づいて振幅特性補正回路41と遅延等化器14の特性
を調整することも可能である。
【0047】本発明はその他種々変形して実施が可能で
あり、例えば第2、第3の実施例ではコンデンサ31と
振幅特性補正回路32を両方設けたが、必ずしもその必
要はない。例えば、磁気ヘッド11自体と増幅器13の
みで波形等化を行う上で適切な共振周波数が得られる場
合には、コンデンサ31を省略してもよい。振幅特性補
正回路32に関しても、磁気ヘッド11、増幅器13お
よび遅延等化器14のみで、波形等化を行う上で必要な
ゲインのピークの盛り上がりが適切に得られる場合に
は、省略することができる。
【0048】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば磁気
ヘッドの共振特性を利用してパターンピークシフトを補
償すると共に、これに伴う遅延歪の発生を遅延等化器に
よって回避することにより、従来パターンピークシフト
の補償に用いていた高価で回路規模の大きい余弦等化器
が不要となり、装置の低価格化と小形化を図ることがで
きる。
【0049】また、本発明では磁気ヘッドの共振特性の
Qを低下させて振幅特性を平坦化するためのダンピング
抵抗による熱雑音の影響の問題が緩和される。ローパス
フィルタおよび微分回路を増幅器の出力側に付加すれ
ば、ロールオフ特性が急峻になるために、再生信号に含
まれる雑音が大きく減少する。さらに、磁気ヘッドのコ
イルの巻数を多くとれるために、再生信号の信号レベル
が増大するので、再生信号の総合S/Nが大きく改善さ
れる。以上により、本発明によればデータ誤読率が著し
く小さくなり、記録密度を上げていった場合でも信頼性
の高い再生が可能となる。
【0050】一方、磁気ヘッドに並列にコンデンサを付
加したり、増幅器と遅延等化器との間に逆共振を利用し
た振幅特性補正回路を設けることで、磁気ヘッドから遅
延等化器までの総合の伝達特性を所望の特性に正確に設
定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る磁気記録再生装置
の構成を示すブロック図
【図2】同実施例における磁気ヘッドおよび差動増幅器
の部分の等価回路を示す図
【図3】同実施例における遅延等化器の一例を示す図
【図4】同実施例におけるヘッド共振回路のQをパラメ
ータとした振幅特性を示す図
【図5】同実施例におけるヘッド共振回路のQをパラメ
ータとした遅延特性を示す図
【図6】同実施例におけるヘッド共振回路のQをパラメ
ータとした振幅特性を示す図
【図7】同実施例におけるヘッド共振回路のQをパラメ
ータとした遅延特性を示す図
【図8】同実施例におけるヘッド共振回路のQ=1.8
での振幅特性を示す図
【図9】同実施例におけるQ=1.8での各部の遅延特
性を示す図
【図10】同実施例における各部の振幅特性を示す図
【図11】本発明の第2の実施例に係る磁気記録再生装
置の構成を示すブロック図
【図12】同実施例における磁気ヘッドから差動増幅器
までの信号伝達系の等価回路図
【図13】同実施例における逆共振補正回路の具体的な
構成例を示す図
【図14】同実施例における各部の振幅特性を示す図
【図15】本発明の第3の実施例に係る磁気記録再生装
置の構成を示すブロック図
【図16】同実施例における磁気記録媒体上のモデル信
号領域の例を説明するための図
【図17】従来の磁気記録再生装置における磁気ヘッド
再生信号および波形等化後の再生信号の振幅特性を示す
【図18】磁気記録再生装置におけるパターンピークシ
フトを説明するための図。
【符号の説明】
10…磁気記録媒体 11…磁気ヘッ
ド 12…抵抗 13…差動増幅
器 14…遅延等化器 15…ローパス
フィルタ 16…微分回路 17…二値化回
路 18…データ弁別回路 19…PLL回
路 31…コンデンサ 32…振幅特性
補正回路 33…逆共振補正回路 34…補正量調
整回路 41…直列共振回路 42…増幅器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気記録媒体に記録された信号を再生する
    共振特性を有する磁気ヘッドと、 この磁気ヘッドの出力信号を増幅する増幅器と、 この増幅器の出力信号の遅延特性を平坦化するための遅
    延等化器とを具備し、 前記磁気ヘッドから前記遅延等化器までの総合の伝達特
    性が前記磁気記録媒体に記録された信号の周波数帯域の
    最低周波数と最高周波数の2倍との間にゲインのピーク
    を持つように設定されていることを特徴とする磁気記録
    再生装置。
  2. 【請求項2】共振特性を有する磁気ヘッドと、 この磁気ヘッドに並列に接続されたコンデンサと、 前記磁気ヘッドの出力信号を増幅する増幅器と、 この増幅器の出力信号の遅延特性を平坦化するための遅
    延等化器とを具備することを特徴とする磁気記録再生装
    置。
  3. 【請求項3】共振特性を有する磁気ヘッドと、 この磁気ヘッドの出力信号を増幅する増幅器と、 この増幅器の出力信号の振幅特性を補正する振幅特性補
    正回路と、 この振幅特性補正回路の出力信号の遅延特性を平坦化す
    るための遅延等化器とを具備することを特徴とする磁気
    記録再生装置。
  4. 【請求項4】前記振幅特性補正回路は、少なくとも1段
    の直列共振回路からなることを特徴請求項3記載の磁気
    記録再生装置。
  5. 【請求項5】前記遅延等化器の出力信号を入力とするロ
    ーパスフィルタと、このローパスフィルタの出力信号を
    入力とする微分回路と、この微分回路の出力信号を二値
    化する二値化回路とを更に具備することを特徴とする請
    求項1、2、3または4記載の磁気記録再生装置。
JP32769591A 1991-06-27 1991-12-11 磁気記録再生装置 Pending JPH0562109A (ja)

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JP15677791 1991-06-27
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005345148A (ja) * 2004-05-31 2005-12-15 Toshiba Corp 超音波流量計

Cited By (2)

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JP2005345148A (ja) * 2004-05-31 2005-12-15 Toshiba Corp 超音波流量計
JP4562425B2 (ja) * 2004-05-31 2010-10-13 東光東芝メーターシステムズ株式会社 超音波流量計

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