JP4562088B2 - 自吸式ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、自吸運転の際には、吸込ケーシング側の空気を吐出ケーシング側に移送する空気移送効率を高め、自吸運転に必要な時間を短くして速やかに揚水運転に移行できるようにした自吸式ポンプに関するものである。
自吸式両吸込渦巻ポンプの一例が、特開2004−183561号公報に示されている。この特開2004−18356号公報に示される技術は、ポンプケーシングの羽根車室(吐出室)から吐出ケーシング側に吐き出される水の一部を、吐出ケーシングの壁に開口した導入口から内壁に対して略接線方向に流入させて、吐出ケーシング内の水に旋回流を生成させ、この旋回流の遠心分離作用により吐出ケーシング内の気液混合水から水と空気を効果的に分離する。さらに、前記導入口よりも下流側の吐出ケーシングの壁に水の旋回方向で略接線方向に流出口を開口し、この流出口を戻り水量規制部を介して吸込ケーシングに連通する。旋回流により分離された吐出ケーシング内の水が流出口に流入し、さらに戻り水量規制部を経て吸込ケーシング内に戻される。
また、特開2003−148373号公報に示される自吸式ポンプは、ポンプ停止時に、ポンプ羽根車が浸るように自吸水がポンプケーシング内に溜まるようにし、しかも吸込ケーシングが吸込口から連続してポンプの回転方向に沿って断面積が徐々に減少するボリュート形状に構成されている。吸込ケーシング内に溜まっている自吸水が羽根車入口に流入する際に、ボリュート形状により旋回流が生成され、ポンプ羽根車の羽根車入口角を大きくすることができる。このポンプ羽根車の羽根車入口角が大きいことにより、ポンプ起動の際に、吸込ケーシング側から吐出ケーシング側への空気排出流量を大きなものとすることができる。
特開2004−183561号公報 特開2003−148373号公報
上記特開2004−183561号公報に示された技術は、吐出ケーシング側に移送された気液混合水から空気と水を効率的に分離し、分離した水を吸込ケーシング側に戻して吸込ケーシング側の自吸水の水量を増すことで、自吸運転に必要な時間を短くでき、揚水運転への移行が迅速にできるようにしたものである。
また、特開2003−148373号公報に示された技術は、ポンプ羽根車の羽根車入口角を大きくすることで、吸込ケーシング側の空気を吐出ケーシング側に効率良く移送でき、やはり自吸運転に必要な時間を短くして迅速に揚水運転への移行が可能である。しかし、揚水運転時にあっては、ポンプ羽根車の羽根車入口角が大きすぎて、羽根車入口で水が周方向に回転し、この旋回させるだけのエネルギーが浪費されて、ポンプ効率が低下することが予測される。
本発明者は、自吸運転に必要な時間を短くするには、吸込ケーシング側の空気を吐出ケーシング側に速やかに移送できれば良く、そのための一つの手段として、吸込ケーシング側で自吸水に空気を多量に混入させた空気含有率の高い気液混合水を生成させれば良いことに想到した。そこで、本発明者らは、吸込ケーシングの形状に着目し、試験研究を重ねた結果、空気含有率の高い気液混合水を生成できる吸込ケーシングの形状を完成させた。
ところで、従来の自吸式ポンプにあっては、図15の一部切り欠き図に示すごとく、吸込ケーシング10の下側壁面の形状は、ポンプ羽根車12の外周上端レベルまたは吸込口14の下端レベルからポンプ羽根車12の回転軸16の中心レベルまでの間で、垂直に対して角度θが35°〜45°の範囲でポンプ羽根車12から離れる方向の吸込口14側に傾斜して構成されていた。なお、特開2004−183561号公報に示された自吸式ポンプにあっては、角度θが略45°の傾斜で構成されている。
かかる従来の吸込ケーシング10の形状にあっては、ポンプ羽根車12が回転されると、自吸水が吐出ケーシング18側に移送されて吸込ケーシング10内に溜まっている自吸水のレベルが低下し、羽根車入口20の上部分が空気に露出し、下部分が自吸水に浸った状態となる。すると、ポンプ羽根車12の回転により撹拌された水が、羽根車入口20を経て吸込ケーシング10の下側壁面の内面まで飛沫となって飛ばされる。この飛沫となって飛ばされた水は、吸込ケーシング10の下側壁面の内面に衝突するが、下側壁面が垂直に対して吸込口14側に35〜45°の傾斜で構成されているために、壁面に衝突してもはね返されにくい。そこで、自吸水に多量の空気が混入され得ないことが観察された。
本発明は、上述のごとき従来技術で観察された知見に基づき、空気が大量に混入され易い吸込ケーシングを形成し、自吸運転に必要な時間を短くして迅速に揚水運転に移行できる自吸式ポンプを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために本発明の自吸式ポンプは、ポンプ停止時に、ポンプ羽根車が浸るように自吸水がポンプケーシング内に溜まる自吸式ポンプにおいて、前記ポンプ羽根車の外周上端レベルから前記ポンプ羽根車の回転軸レベルまでの間の吸込ケーシングの下側壁面を、垂直にまたは垂直から30°の範囲内で前記ポンプ羽根車から離れる側に傾斜させて、外側に凸なる曲面とし、前記吸込ケーシングの吸込口をその下端が前記ポンプ羽根車の外周上端レベルよりも高い位置となるようにし、吐出室から吐出ケーシング内に内壁に対して略接線方向に水を流出させる旋回流生成部を設け、垂直を軸方向とする円筒状でその上下が閉塞された戻り水量規制部を設け、前記旋回流生成部の流出口よりも上流側に開口した導出口を前記戻り水量規制部の円筒状の上部分の側壁に略接線方向に流入するように開口した戻り水量流入口に連通し、前記戻り水量規制部の円筒状の底面の略中心位置に開口した戻り水量流出口を吸込室に連通して構成されている。
そして、前記吸込ケーシングを、水平面で上吸込ケーシングと下吸込ケーシングとに2分割し、前記上吸込ケーシングと下吸込ケーシングをフランジ接合して構成しても良い。
請求項1記載の自吸式ポンプにあっては、吸込ケーシングの下側壁面が、垂直にまたは垂直から30°の範囲内でポンプ羽根車から離れる側に傾斜させて構成されているので、羽根車入口から飛沫となって飛ばされた水は、吸込ケーシングの下側壁面の内面に激しく衝突し、多くの空気を巻き込んで自吸水の空気含有率を高いものとする。そして、この空気含有率の高い吸込ケーシング側の自吸水を吐出ケーシングに移送することで、吸込ケーシング側の空気を迅速に吐出ケーシング側に移送できる。この結果、自吸運転に必要な時間を短くでき、速やかに揚水運転に移行することができる。また、吸込ケーシングの下側壁面を外側に凸な曲面としたので、吸込ケーシングの内容積を大きくでき、ポンプ停止時にポンプケーシング内に多量の自吸水を溜めることができる。しかも、吸込ケーシング側に溜まる自吸水の量が多く、吸込ケーシング側の空気を吐出ケーシング側に移送するのに好都合である。さらに、吸込ケーシングの吸込口の下端が、ポンプ羽根車の外周上端レベルよりも高い位置にあるので、ポンプが停止して吸込ケーシング内の水に対してサイホン破壊が生じた際に、吸込ケーシング内にある水の量を多く保持でき、もってポンプ停止時の自吸水の量を多くすることができる。そしてさらに、自吸運転時にあっては、旋回流生成部の作用により気液混合水から分離された水が戻り水量規制部を経て吸込室に戻され、再度自吸水となって自吸運転に必要な時間が短くなる。さらにまた、揚水運転時にあっては、戻り水量規制部により吐出ケーシングから吸込室に戻る戻り水量が大きく規制でき、効率的な揚水運転ができる。
請求項2記載の自吸式ポンプにあっては、吸込ケーシングを水平面で上下に2分割してフランジ接合しているので、羽根車入口等が異物で閉塞された場合などに、吸込ケーシングの上吸込ケーシングを取り外して容易に異物を取り除くことができる。
まず、発明者が完成させた、空気含有率の高い気液混合水を吸込ケーシングで生成して、これを吐出ケーシングに移送できるようにした自吸式ポンプの構造を図1ないし図8を参照して説明する。図1は、発明者が完成させた自吸式ポンプを両吸込渦巻ポンプに適用した構造の外観正面図である。図2は、図1のX−X断面矢視図である。図3は、図2に実線で断面部分を示したY−Y断面矢視図である。図4は、図2に破線で断面部分を示したZ−Z断面矢視図である。図5は、ポンプ羽根車が完全に水没するように自吸水を充填した状態の模式的な断面図である。図6は、自吸運転時の状態を示す模式的な断面図である。図7は、吸込ケーシングの下側壁面の角度により自吸運転に必要な時間の関係を示す特性図である。図8は、揚水運転からポンプが停止してサイホン破壊が生ずる際の状態を示す模式的な断面図である。
図1ないし図4において、空気含有率の高い気溶混合水を吸込ケーシングで生成して、これを吐出ケーシングに移送できるようにした自吸式ポンプが、両吸込渦巻ポンプに適用されている。ポンプケーシングは1つの吸込口14を有する吸込ケーシング10が両側に2つの流路として分岐されて、両側の吸込室22、22に連通される。そして、これらの吸込室22、22が、両側の羽根車入口20、20により1つの渦巻状の吐出室24(羽根車室)に連通され、この吐出室24が上方に向いた吐出口26を有する吐出ケーシング18に連通される。渦巻状の吐出室24には、渦巻状の略中心に回転軸16が回転自在に配設され、この回転軸16にポンプ羽根車12が固定されている。回転軸16は、駆動機に駆動連結されていて、適宜に駆動回転されることは勿論である。そして、吸込口14は、図示しない吸込管を介して吸込水槽の水面下に連通される。また、吐出口26は、図示しない吐出管を介して吐出水槽に開口されている。かかる構造は、特開2004−183561号公報に示された自吸式両吸込ポンプと同様である。
そして、図1ないし図4に示す構造において、図15に示す従来の構造と相違するところを、以下説明する。まず、吸込ケーシング10の吸込口14付近は、略水平に構成され、しかも吸込口14の下端レベルaが、ポンプ羽根車12の外周上端レベルbよりも距離hだけ高い位置に設けられる。また、吸込ケーシング10の下側壁面で、ポンプ羽根車12の外周上端レベルbから回転軸16の中心レベルcまでの間の壁面G〜Hは、垂直に対してポンプ羽根車12と離れる方向の吸込口14側に略30°の角度θで傾斜しており、しかも傾斜の角度θが徐々に変化して外側に凸の曲面で形成される。
また、渦巻状の吐出室24と吐出ケーシング18を連通する旋回流生成部28が設けられる。この旋回流生成部28は、吐出室24に流入口30を開口し、この流入口30に流入した水が、吐出ケーシング18内に水の流れ方向と略直交する平面で内壁に対して略接線方向に流出するように流出口32が設けられる。
かかる構成からなる構造において、図5に示すごとく、ポンプケーシングには自吸水が吸込口14の下端レベルaの近くまで溜められて、ポンプ羽根車12が完全に水没する状態に充填される。この図5に示す状態から、回転軸16を回転させてポンプを起動すると、ポンプ羽根車12の回転に伴い自吸水は吐出ケーシング18側に移送され、吐出室24および吸込室22、22内の自吸水の水面位置が低下し、図6に示すごとく、羽根車入口20、20の上部分が空気中に露出し、下部分が自吸水に浸った状態となる。すると、ポンプ羽根車12の回転で激しく撹拌された自吸水の一部が、羽根車入口20、20から吸込室22、22内に飛沫となって飛ばされ、吸込ケーシング10の下側壁面の内面に激しく衝突してはね返り、自吸水の水面に落下する。すると、この落下の際に、多くの空気を気泡として巻き込んで自吸水の空気含有率を高いものとする。そして、この空気含有率の高い自吸水が吐出ケーシング18側に移送される。
また、吐出室24の自吸水の一部は、旋回流生成部28の流入口30に流入し、吐出ケーシング18内に流出口32から内壁面に対して略接線方向に流出して、吐出ケーシング18内の自吸水に旋回流を生成させる。この旋回流により、吐出ケーシング18内の気液混合水からなる自吸水は、遠心分離作用により水と空気に分離され、旋回中心に集まる空気は吐出口26を経て外部に放出され、旋回外周部に集まる比重の大きい水は、圧力の高い吐出室24からポンプ羽根車12の回転するのに必要な両側にできる隙間を経て吸込室22へ戻って再び自吸水となる。
発明者は、吸込ケーシング10の下側壁面の傾斜の角度θを、0°〜55°まで種々変えて実験を重ねた結果、図7に示すごとき特性が得られた。試験は、口径200mmの自吸式両吸込ポンプを用いて、吸い上げ高さを2mとし、下側壁面の傾斜の角度θが0°〜55°の範囲で変えたものをいくつか用意し、ポンプ起動から2mの高さまで水を吸い上げるまでに要した時間を測定した。特性図からは、吸込ケーシング10の下側壁面のG〜Hの間が垂直の状態で、自吸運転に必要な時間が最も短くて約2分であった。そして、傾斜の角度θが大きくなっても、0°〜30°の範囲では緩やかに自吸運転に必要な時間が長くなり、約2分〜約2分30秒と、それほど大きな差異は見られない。しかし、傾斜の角度θが30°を越えて大きくなると、自吸運転に必要な時間が急激に長くなる。したがって、吸込ケーシング10の下側壁面の傾斜の角度θを、0°〜30°に設定すれば、吸込ケーシング10側の空気が吐出ケーシング24側に速やかに移送され、自吸運転に必要な時間の短縮に効果的であることが判明した。
ここで、図1ないし図4に示す構造にあっては、吸込ケーシング10の下側壁面のG〜H間は、傾斜がなだらかに変化して外側に凸なる曲面で形成されているが、下側壁面のG〜H間が、直線で形成されていても良い。しかしながら、下側壁面のG〜H間を外側に凸なる曲面で形成することで、吸込ケーシング10内の内容積を大きくでき、それだけ自吸水を多量に溜めることができる。また、吸込ケーシング10の下側壁面をなだらかに変化する外側に凸なる曲面で形成することで、羽根車入口20、20への水の流入が円滑なものとなる。なお、羽根車入口20、20から吸込ケーシング10の下側壁面のG−H間までの距離を短くできれば、飛沫が衝突する激しさが大きなものとなり、より空気の巻き込みも多くなることが想定される。しかるに、吸込ケーシング10は、揚水運転時に所定の流路断面積が必要であり、羽根車入口20、20から吸込ケーシング10の下側壁面のG−H間までの距離を、従来の構造から大きく変更することは現実的でない。
さらに、揚水運転からポンプが停止されると、サイホン効果によりポンプケーシング内の水は、吸込水槽側に逆流する。そして、図8に示すごとく、吐出ケーシング18および吐出室24の水面のレベルが低下し、羽根車入口20、20の上端レベルs以下となると、吸込室22、22および吸込ケーシング10内に空気が流入し、サイホン破壊が生ずる。このサイホン破壊が生ずる瞬間において、吸込ケーシング10内は水で充満されており、吸込口14の下端レベルaが高いほど、また吸込口14付近の水平部分が長いほど、ポンプケーシング側に残る水量が多くなり、図5に示すごとく、自吸水が吸込口14の下端レベルaに近い水面まで多量に残留する。よって、ポンプを再起動する際に、自吸水を外部から補充する必要がなく、またサイホン効果による逆流を阻止するための逆止弁も必要がない。
次に、図1ないし図4に示す構造を更に改良した、本発明の第実施例を図9ないし図13を参照して説明する。図9は、本発明の自吸式ポンプを両吸込渦巻ポンプに適用した第実施例の正面断面図である。図10は、第実施例の側面断面図である。図11は、戻り水量規制部の縦断面図である。図12は吐出ケーシングに戻り水量規制部への導出口の開口状態を示す図である。図13は、戻り水量規制部の流入圧力と戻り水量の関係を示す図である。図9ないし図12において、図1ないし図4に示すものと同じまたは均等な部材には、同じ符号を付けて重複する説明を省略する。
実施例において、図1ないし図4に示す構造と相違するところは、戻り水量規制部44を設けたことにある。まず、旋回流生成部28の流出口32が開口された位置よりも上流側で、吐出ケーシング18に直交するようにして導出口40が図12に示すごとく開口され、この導出口40が連通管42を介して戻り水量規制部44に開口された戻り水量流入口46に連通される。この戻り水量規制部44は、垂直を軸方向とする円筒状でその上下が閉塞され、この円筒状の上部分の側壁に、略接線方向に戻り水量流入口46が開口される。そして、戻り水量規制部44は、ポンプケーシングの吸込室22、22および吐出室24の上方位置に適宜に配設される。さらに、戻り水量規制部44の円筒状の底面の略中心位置に戻り水量流出口48が開口され、この戻り水量流出口48が分岐連通管50、50を介してポンプケーシングの両側の吸込室22、22の上部位置に連通される。
かかる構成の第実施例において、自吸運転時にあっては、ポンプ羽根車12の回転により吐出ケーシング18内の気液混合水の水面が徐々に低下するとともに、旋回流生成部28の作用により吐出ケーシング18内の気液混合水に旋回流が生じ、その遠心分離作用により旋回外周部に集まる水と旋回中心に集まる空気とに分離される。そして、吐出ケーシング18内にある気液混合水から分離された水の圧力が高まり、この分離された水が旋回外周部に開口する導出口40に流入する。なお、導出口40を旋回流生成部28よりも上流側に開口させることで、吐出ケーシング18内の水面が低下しても、確実に導出口40には気液混合水から分離された水が流入し得る。さらに、導出口40に流入した水は、連通管42を通過して戻り水量流入口46から戻り水量規制部44内に内壁に沿うようにして流入し、内壁を伝って螺旋状に旋回して流下する。そしてさらに、この旋回して流下した水が、底面でその流れ方向を急激に変えて、戻り水量流出口48から分岐連通管50、50を通過して吸込室22、22に戻され、再度自吸水となる。よって、ポンプケーシング内は迅速に自吸水で満たされ、自吸運転に必要な時間が短くなる。しかも、揚水運転時にあっては、戻り水量流出口48が円筒状の底面の略中心位置にあるので、旋回して流下した水は流れ方向を急激に変化させて戻り水量流出口48に流れ込み、流れの損失抵抗が大きいとともに、旋回流の中心位置は外周部よりも圧力が低くなるために、戻り水量流出口48における圧力P2は、戻り水量流入口46の圧力P1に比較してかなり低いものとなる。そこで、戻り水量規制部44内の水は戻り水量流出口48から流出しにくくなる。もって、図13に実線で示したごとく、流入圧力P1の増加に対して戻り水量が大きく規制されて、吐出側から吸込側への戻り水量を少なくすることができ、効率的な揚水運転が可能である。なお、図13で破線は、戻り水量規制部44を経ることなしに、吐出ケーシング18に開口した導出口40から連通管42および分岐連通管50、50を介して直接的に吸込室22、22に連通した場合の流入圧力P1に対する戻り水量を示すものである。
さらに、本発明の第実施例を図14を参照して説明する。図14は、本発明の自吸式ポンプの第実施例の正面図である。
実施例にあっては、吸込ケーシング10が、水平面で上吸込ケーシング10aと下吸込ケーシング10bとに2分割され、上吸込ケーシング10aと下吸込ケーシング10bとをフランジ接合させたものである。かかる構成では、羽根車入口20、20等が異物で閉塞された場合に、上吸込ケーシング10aを取り外して、下吸込ケーシング10bのフランジ部の開口から手や治具等を挿入して容易に異物を取り除くことができ、保守管理が容易である。
なお、上記実施例において、流体としての対象を水として説明したが、水以外の流体を対象とすることも可能である。また、上記実施例では本発明の自吸式ポンプを両吸込渦巻ポンプに適用しているが、片吸込渦巻ポンプに適用できることは勿論である。さらに、吸込ケーシング10の吸込口14は、上記実施例に示されたものに限られず、上記実施例とはその開口方向が90°ないし180°垂直軸回りに回転して配設されても良く、また必ずしも水平方向に向けて開口されていなくても良い。そして、吐出ケーシング18の吐出口26は、上記実施例に示したごとき上方向に向けて開口されたものに限られず、斜め上方や水平方向に向けて開口されたものであっても良い。
発明者が完成させた、空気含有率の高い気液混合水を吸込ケーシングで生成して、これを吐出ケーシングに移送できるようにした自吸式ポンプを両吸込渦巻ポンプに適用した構造の外観正面図である。 図1のX−X断面矢視図である。 図2に実線で断面部分を示したY−Y断面矢視図である。 図2に破線で断面部分を示したZ−Z断面矢視図である。 ポンプ羽根車が完全に水没するように自吸水を充填した状態の模式的な断面図である。 自吸運転時の状態を示す模式的な断面図である。 吸込ケーシングの下側壁面の角度により自吸運転に必要な時間の関係を示す特性図である。 揚水運転からポンプが停止してサイホン破壊が生ずる際の状態を示す模式的な断面図である。 本発明の自吸式ポンプを両吸込渦巻ポンプに適用した第実施例の正面断面図である。 実施例の側面断面図である。 戻り水量規制部の縦断面図である。 吐出ケーシングに戻り水量規制部への導出口の開口状態を示す図である。 戻り水量規制部の流入圧力と戻り水量の関係を示す図である。 本発明の自吸式ポンプの第実施例の正面図である。 従来の自吸式ポンプの一部切り欠き図である。
10 吸込ケーシング
10a 上吸込ケーシング
10b 下吸込ケーシング
12 ポンプ羽根車
14 吸込口
16 回転軸
18 吐出ケーシング
20 羽根車入口
22 吸込室
24 吐出室
26 吐出口
28 旋回流生成部
30 流入口
32 流出口
40 導出口
42 連通管
44 戻り水量規制部
46 戻り水量流入口
48 戻り水量流出口
50 分岐連通管
P1 戻り水量流入口の圧力
P2 戻り水量流出口の圧力

Claims (2)

  1. ポンプ停止時に、ポンプ羽根車が浸るように自吸水がポンプケーシング内に溜まる自吸式ポンプにおいて、前記ポンプ羽根車の外周上端レベルから前記ポンプ羽根車の回転軸レベルまでの間の吸込ケーシングの下側壁面を、垂直にまたは垂直から30°の範囲内で前記ポンプ羽根車から離れる側に傾斜させて、外側に凸なる曲面とし、前記吸込ケーシングの吸込口をその下端が前記ポンプ羽根車の外周上端レベルよりも高い位置となるようにし、吐出室から吐出ケーシング内に内壁に対して略接線方向に水を流出させる旋回流生成部を設け、垂直を軸方向とする円筒状でその上下が閉塞された戻り水量規制部を設け、前記旋回流生成部の流出口よりも上流側に開口した導出口を前記戻り水量規制部の円筒状の上部分の側壁に略接線方向に流入するように開口した戻り水量流入口に連通し、前記戻り水量規制部の円筒状の底面の略中心位置に開口した戻り水量流出口を吸込室に連通して構成したことを特徴とする自吸式ポンプ。
  2. 請求項1記載の自吸式ポンプにおいて、前記吸込ケーシングを、水平面で上吸込ケーシングと下吸込ケーシングとに2分割し、前記上吸込ケーシングと下吸込ケーシングをフランジ接合して構成したことを特徴とする自吸式ポンプ。
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