JP5188997B2 - 曝気攪拌装置 - Google Patents
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Description
この曝気攪拌装置は、図4に示すように、処理槽8内に垂直に配置されたドラフトチューブ81と、ドラフトチューブ81内に位置し、かつ電動機82により駆動軸83を介して回転されるインペラ84と、インペラ84の下に配置され、かつブロワ85に接続された散気管86と、散気管86の下に配置された整流部材87とを具備している。
そして、この曝気攪拌装置は、インペラ84によりドラフトチューブ81内に下向流を形成し、これに空気を吹き込むことにより、処理すべき水に散気しながら水を攪拌するようにしている。
この場合、曝気の気泡を細かくする必要があるが、空気を水中に供給する給気孔は、従来と同様に十分に大きく保つ必要がある。
すなわち、水に空気を吹き込むために設けた給気孔は水中にあるため、空気供給元のブロワを停止した際には、この給気孔にゴミが混在した汚水が入り込み、ブロワの運転再開時には、このゴミが給気孔の一部を塞ぎ、空気の排出を妨げるというような問題も発生する。
すなわち、本発明の曝気攪拌装置では、気泡を細かくするために給気孔を小さくする必要がないことから、給気孔を大径に設けて目詰まりの発生を防止するとともに、水深の浅いインペラ付近に設けたこの大径の給気孔から水中に空気を送り込むことにより、ブロワの動力を軽減して省エネルギー化を図ることができる。
そして、速度勾配の強い水流で細分化された微細気泡は、浮力を失っているため、水流と共に水槽の底部に運ばれ長い時間滞留するとともに、微細気泡は同じ体積の粗大気泡より表面積が大きく水との接触面積が大きいことから酸素の溶解速度を高めることができ、これにより、浮力が大きく少量の酸素が水に移動したときには水面に達する通常の気泡に比較し、微細気泡内の多くの割合の酸素を水に移動させることができる。
さらに、整流板は、インペラによる旋回流を筒軸方向に整流することにより、インペラの外周部より下流側で、かつ、整流板の上流側で形成された微細気泡が旋回流により合体して粗大化することを防止することができる。
この曝気攪拌装置は、電動機1で回転する、インペラ2を取り付けた攪拌軸3の周囲に円筒の筒体4を配設し、インペラ2により筒体4の内部に下向き流を発生させるようにしている。
そして、この曝気攪拌装置は、インペラ2のやや下流側の周囲で筒体4の壁部に給気部51aを設け、給気部51aの給気孔51を介してインペラ2の外周部に空気を供給するブロワ機構6を設けている。
これにより、インペラ2による筒体4からの下向き流を水槽の底部で外向き流とするとともに、該外向き流を水槽の側壁で上向き流となし、該上向き流を水面付近で略水平の内向き流として筒体4に流入させることができ、これにより、低動力で水槽全体に微細気泡を含んだ水を循環させることができる。
筒体4の壁部には、この整流板7の周囲で給気孔52が設けられており、前記ブロワ機構6により該給気孔52を介して整流板7の内部に空気を供給するようになっている。
整流板7は、図3(c)に示すように、その断面形状が楕円又は翼断面形状に形成されており、該整流板7を通過した水流に整流板7の下流側で小さな渦を発生させることができる。
ブロワ機構6は、インペラ2と整流板7の位置で、それぞれ筒体4の周囲に空気室63を設けており、インペラ2側の空気室63と筒体4の内部とを円周上の複数の給気孔51により連通させるとともに、整流板7側の空気室63と整流板7の内部とを整流板7との接合部で複数の給気孔52により連通させている。
また、給気孔51の下限位置は、インペラ2の外周部の最下部の高さ(水深)より、インペラ直径の0.1倍から1倍の長さ分下側となるような高さ(水深)としている。
それに加えて、大きな径の気泡は浮力が大きいため、水流の方向が上向以外の場合、すなわち下向きや横向き(水平方向)の場合においても、その気泡はほぼ上向きとなる傾向がある。
一例として、こうした気泡の滞留時間を保つために、気泡の発生位置を槽底部に設定する技術が古くからあるが、その場合においても、気泡の滞留距離は高々水深長さであり、発生してから大気へと開放されるまでの時間(滞留時間)は短く、供給する空気量に対する酸素溶解量の比が小さい(20%程度)という課題が残る。
この気泡の微細化と、気泡の長時間の滞留とについて以下に述べる。
上記のように、大径の給気孔51から空気を排出し、排出後、瞬時に気泡が1mm以下の気泡に微細化するように、気泡がその発生直後に水流の速度勾配の大きな場所(乱れの強い場所)を通過するような構造とする。
気泡の微細化現象は、上記のように、水流の速度勾配の大きなところで顕著に発生するが、本実施例の曝気攪拌装置で水流の速度勾配の大きなところは2つある。
インペラ2の外周部の速度勾配について以下に記す。
インペラ2の外周端部の速度(周速)は、インペラ2の回転速度と直径できまる。一例としてインペラ2の回転速度を1000rpm〜1200rpm、直径を0.2〜0.3mと設定した場合、インペラ外周部の速度は約10〜15m/s(以下、平均値をもって12.5m/sとする)になる。
このとき、インペラ2の羽根の外周部の表面には、インペラ2とほぼ同じ流速の水流が発生するため、インペラ2の外周部においては水流の速度は12.5m/sとなる。
インペラ2の直後では、同様に速度勾配が大きな水流が発生するため、この水流の中に気泡を投入すると、気泡発生部の給気孔51が3〜7ミリ程度と大きくても、気泡径は、その発生部近傍で、水流により1mm以下に微細化される。
給気孔51又は排出孔71は水深が浅いところとなるため、送風のためのブロワ61の動力は小さくてすむ。
本実施例の曝気攪拌装置においては、水平の旋回流を抑えるための整流板7の下側(下流側)は、水流の速度勾配が大きく、細かい渦が発生しているため、この整流板7の下部に空気の排出孔71を設けておき、整流板7を中空としてその内部にブロワ61にて空気を供給している。
微細化された気泡を槽内で長時間滞留させる手段として、長時間滞留するような水流、すなわち長い軌跡を描くような水流とともに流すようにする。
その水流とは、表層部で発生し表層部から水槽底部へと向かい、底部では外周部へ向かい壁面付近で上昇するというようなもので、水流はその長い距離を進むにつれて速度を減少させながら流れるため、平均的には水槽内を長時間滞留するものである。
このような水流とともに流すための気泡を発生させる位置、すなわち給気孔51又は排出孔71の位置は、巨視的にみて表層部とする。
こうすることにより、気泡は少なくとも水槽の表層から底部、底部から表面へ向かって大気開放という風に、水深分の長さの2倍以上は滞留距離を経ることになる。
また、気泡は水流とともに様々な軌跡を描いて流れるが、それらのなかには表層から底部、底部から表面に向かわずに表層の取水口へと向かい、再度下向きに流れるといった循環を何度も繰り返すものもあり、全気泡の平均滞留時間は長期化される。
1.本実施例の曝気攪拌装置による微細気泡は、同じ体積の粗大気泡と比べて表面積が大きく、水との接触面積が大きいことから、酸素の溶解速度が高くなる。
この効果により、大気へ開放されるまでに気泡内の酸素のうち平均40%以上の割合の酸素が水に溶ける。
運転条件としての水圧だけをみると、従来機の1/5程度、深槽においては1/10程度と極めて小さくなる。
インペラ2の回転によりインペラ2の下流側の水流は攪拌軸3の回りに旋回する速度成分を含んだスパイラル状の流れとなる。
このインペラ2の下流側の水流は、図3(b)に示すように、整流板7により、旋回成分が抑制されるため軸方向に流れる。そのため、旋回流により発生する遠心力により、気泡が旋回中心に集まり合体するといったことを防止できる。
2 インペラ
3 攪拌軸
4 筒体
41 拡径部
42 円板
43 流入口
51 給気孔
51a 給気部
52 給気孔
6 ブロワ機構
61 ブロワ
62 導管
63 空気室
7 整流板
71 排出孔
Claims (2)
- インペラを取り付けた攪拌軸の周囲に筒体を配設し、該インペラにより筒体の内部に下向き流を発生させるようにした曝気攪拌装置において、インペラの周囲を囲う筒体の外周に第1の空気室を設け、前記筒体の壁部のインペラの下流側の位置に直径3〜7mmの第1の給気孔を設けて、前記第1の空気室と筒体の内部とを前記第1の給気孔により連通させるとともに、インペラの下流側にインペラによる旋回流を筒軸方向に整流する断面形状が楕円又は翼断面形状の中空の整流板を配設し、該整流板の下部のみに直径3〜7mmの空気の排出孔を設け、かつ、前記中空の整流板の内部に空気を供給する第2の給気孔を筒体の壁部に設け、さらに、整流板の周囲を囲う筒体の外周に第2の空気室を設け、該第2の空気室と整流板の内部とを前記第2の給気孔により連通させ、前記第1の空気室及び第2の空気室に空気を供給するブロワ機構を設けたことを特徴とする曝気攪拌装置。
- 筒体の上部を喇叭状に拡径するとともに、該拡径部と対向するように所定間隔をあけて円板を配設し、周囲から筒体の半径内方向に水を流入させる流入口を設けたことを特徴とする請求項1記載の曝気攪拌装置。
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