JP4377087B2 - 気液混合溶解装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液中に気体を溶解させる気液混合溶解装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図7に示されるように、曝気処理用の液槽11内の液12に酸素を溶解させるときは、コンプレッサまたはブロワなどの強制給気装置13を用いて、加圧された空気を、液槽11の底部に配管されたノズル14に供給し、ノズル14から液槽11内の液中に空気を強制的に吹込むことで無数の気泡15を発生させ、気泡15内の酸素を液槽11内の液中に溶解させるようにしている。なお、処理前の液は、入口管16より液槽11内に流入し、処理後の液は、液槽11より出口管17を経て外部へ流出する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ノズル14から噴出された気泡15が液槽11内の液面まで浮上する間だけで、気泡中の酸素を液槽11内の液中に溶解させるので、酸素の溶解効率が良くない。
【0004】
また、コンプレッサやブロワなどの強制給気装置13は、多くの電力を消費する。特に、液槽11が深いほど、加圧された空気を水圧に抗して液槽11の底部まで強制的に吹込む必要があるので、電力消費量が多くなり、コストがかかるとともに、強制給気装置13から発生する騒音も大きくなる。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、気体の溶解効率を向上できるとともにコストや騒音を低減できる気液混合溶解装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された発明は、液中に挿入され上部から液および気体を吸込む筒体と、筒体の下部に設けられ筒体内の液および気体を攪拌混合しながら吸込むとともに周囲に吐出するポンプとを具備し、筒体が、液中に開口される吸液口を有するとともに吸液口から内部に吸込まれた液を滝状に落下させるストレート筒部と、ストレート筒部の下部に設けられ下方に向って漸次小径のテーパ筒部とを備えた気液混合溶解装置であり、ポンプ吸込力で生ずる筒体内での気液攪拌混合作用による気体溶解と、ポンプ内での気液攪拌混合作用による気体溶解と、ポンプから液中に吐出された気泡が液中を浮上する際の気体溶解との3段階の気体溶解処理が連続になされることにより、高い気体溶解効率が得られ、特に、ポンプの吸込作用によって吸液口よりストレート筒部内に滝のようになって流込んだ液と気体が、テーパ筒部の内部でサイクロン状の激しい乱流を発生させるから、テーパ筒部内で気液を効率良く攪拌混合させて、気体溶解効率を向上でき、また、ポンプの吸込作用によってストレート筒部内の液面液位が低下し、吸液口よりストレート筒部内に吸込まれた液が、気体を巻込みながら滝のようになって流落ちるため、従来のコンプレッサやブロワなどの強制給気装置を用いることなく気体を大気圧下で効率良く吸引でき、ポンプ駆動に要するエネルギのコストを低減できるとともに騒音も低減できる。
【0007】
請求項2に記載された発明は、請求項1記載の気液混合溶解装置における吸液口が、ストレート筒部の接線方向に設けられた気液混合溶解装置であり、接線方向の吸液口から吸込まれた液は、ストレート筒部の内部で旋回流となって中央部が凹むように流落ちるため、気体を中央部の凹み部分で効率良く巻込み、強制給気装置を用いることなく大気圧下で効率良く吸引できる。
【0008】
請求項3に記載された発明は、請求項1または2記載の気液混合溶解装置におけるポンプが、筒体の下端に固定されたケーシングと、ケーシングの内部に回転自在に設けられたポンプ羽根と、ポンプ羽根の中心に接続された主軸と、主軸を回動する駆動装置とを具備した気液混合溶解装置であり、筒体とともに液中に挿入されたポンプのケーシング内では、加圧下で気液がポンプ羽根により回転しながら攪拌混合されるから、気体を液中に高濃度で溶解できるとともに、ケーシングの吸込側および吐出側の両方に液中深度に応じた液圧が作用することから、ポンプ負荷は液中深度に影響されにくいので、コンプレッサやブロワなどの強制給気装置を用いて液中に気体を吹込む場合に対し、ポンプ駆動に要するエネルギのコストや騒音を低減できる。また、前記3段階の気体溶解処理を1台の駆動装置のみにより効率良くできる。
【0009】
請求項4に記載された発明は、請求項3記載の気液混合溶解装置におけるケーシングが、円筒状に形成され、ケーシングの円筒周面から突出された複数の吐出ノズルを具備した気液混合溶解装置であり、ケーシング内のポンプ羽根による攪拌混合で生じた気体溶解液と多量の微小気泡とを、ケーシングの円筒周面から突出された複数の吐出ノズルよりケーシング周囲の広範囲に連続的に分散吐出できる。分散吐出された気体溶解液は、ポンプ周囲の液と混合され、その液の溶存酸素値を高め、小さな気泡は液面まで浮上する間に、接触した液中に気泡中の気体を溶解させることができる。
【0010】
請求項5に記載された発明は、請求項3または4記載の気液混合溶解装置におけるポンプ羽根が、主軸に直角に取付けられた複数の皿形の回転翼と、これらの回転翼の少なくとも対向面に設けられ回転翼の表面抵抗を増加させる抵抗増加手段とを具備した気液混合溶解装置であり、主軸に直角に取付けられた複数の皿形の回転翼は高速回転が可能であり、それらの間の抵抗増加手段により液を高速で切裂くように撹拌して回転翼の表面で微細な乱流を発生させ、無数の微細な気泡を効率良く発生させることで、液中への気体溶解比率を格段に高めることができるとともに、気体溶解比率が高い気液混合体を性能低下を起こすことなく、高速回転による遠心力で移送してポンプ周囲の液中に吐出できる。また、主軸に直角に取付けられた皿形の回転翼の表面抵抗を抵抗増加手段により増加させるのみであるから、ポンプ内目詰まりや夾雑物の絡付きなどを防止できる。
【0011】
請求項6に記載された発明は、請求項5記載の気液混合溶解装置における複数の皿形の回転翼が、斜め下向きに折曲された折曲周縁部を有し、折曲周縁部に抵抗増加手段が径方向に設けられた気液混合溶解装置であり、斜め下向きに折曲された折曲周縁部の径方向の抵抗増加手段から与えられた遠心力により、斜め下方へ方向付けされた気液混合体は、ポンプからいったん斜め下方へ吐出された後、浮上に転ずるので、浮上に要する時間をかせぎ、液中を浮上する際に溶解する気体溶解をより効果的にできる。
【0012】
請求項7に記載された発明は、請求項1乃至6のいずれか記載の気液混合溶解装置における筒体が、液槽の上部で固定され、ポンプは、液槽の底部の近傍に配置された気液混合溶解装置であり、既設の液槽内にも、その液槽の上部から本装置を挿入するようにして設置でき、3段階の気体溶解処理により液槽内での気体溶解効率を向上できるとともに、従来のコンプレッサやブロワなどの強制給気装置を用いて液中に気体を吹込む場合に対し、ポンプ駆動に要するエネルギのコストや騒音を低減できる。
【0013】
請求項8に記載された発明は、請求項3乃至7のいずれか記載の気液混合溶解装置における駆動装置が、ポンプの下側に一体的に設けられた気液混合溶解装置であり、液の深さに関係なくポンプ羽根の主軸の長さおよび太さを大幅に短小化および小径化できるため、主軸およびこの主軸の軸振れ振動を抑える軸受構造を小型で安価なものにできるとともに、筒体中で気体がサイクロン現象により液中に吸引混合される際に、筒体内に障害物となる主軸を貫通させる必要がないので、サイクロン現象効果がより大となり、サイクロン現象効果による気体吸引量を増大できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、図1乃至図3に示された一実施の形態、図4乃至図6に示された他の実施の形態を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
先ず、図1乃至図3に示された一実施の形態を説明する。
【0016】
図1は、気液混合溶解装置の全体を示し、液槽21の上縁部に、取付板22を介して、液中に挿入された筒体23が固定されている。この筒体23は、上部から液および気体を吸込むものである。筒体23の下部には、筒体23内の液および気体を攪拌混合しながら吸込むとともに周囲に吐出するポンプ24が設けられている。ポンプ24は、液槽21の底部の近傍に配置されている。
【0017】
筒体23の槽内液面25より上側位置には、吸気口26が設けられ、この吸気口26に吸気管27が接続されている。この吸気管27の先端は、大気に開放されている。吸気管27には気体供給源を接続しても良い。
【0018】
筒体23の槽内液面25より下側位置には、液槽21内の液中に開口された複数の吸液口28が2段に設けられている。なお、下段の吸液口28は、なくても良い。
【0019】
筒体23は、吸液口28から内部に吸込まれた液を滝状に落下させるストレート筒部31と、このストレート筒部31の下部に連続的に設けられた、下方に向って漸次小径のテーパ筒部32とを具備している。
【0020】
ストレート筒部31の下端とテーパ筒部32の上端は、それぞれに一体化されたフランジ部33により接続されているが、ストレート筒部31とテーパ筒部32は一体成形しても良い。
【0021】
図2に示されるように、ストレート筒部31に開口された吸液口28は、ストレート筒部31の接線方向に設けられている。
【0022】
また、図1に示されるように、ポンプ24は、筒体23のテーパ筒部32の下端に、吸込口34および吐出口35を有する有底円筒状に形成されたケーシング36が固定され、このケーシング36の内部に、気液混合、撹拌用および送液用のポンプ羽根37が回転自在に設けられ、また、ポンプ羽根37の中心に筒体23を貫通した主軸38が接続され、主軸38を回動する駆動装置としての電動機39が、筒体23の上側に配置されている。
【0023】
電動機39は、取付板22の上側に取付台41を介してモータ本体42が固定され、モータ本体42から突出されたモータ回転軸43がカップリング44を介して主軸38に接続されている。
【0024】
主軸38は、取付板22に設けられた軸受部45と、ストレート筒部31およびテーパ筒部32間のフランジ部33に設けられた軸受部46とにより、回動自在に軸受支持されているが、例えば、主軸38の下端をポンプ24のケーシング36で軸受支持できる場合や、主軸38の長さが短い場合は、中間の軸受部46は、設けない方が望ましい。
【0025】
この中間部分には、ストレート筒部31からテーパ筒部32への液流通を円滑にできるようにする上で、できるだけ大きな通孔47を設けておく。
【0026】
ポンプ24の吐出口35は、ケーシング36の円筒周面から突出された複数の吐出ノズル48の内部に設けられている。この吐出ノズル48は、ケーシング36の円筒周面に等間隔で配置しても良いし、液槽21の壁面などの設置場所環境によっては不等間隔で配置しても良い。
【0027】
ケーシング36の内部に配置されたポンプ羽根37は、主軸38に複数の皿形の回転翼51が直角に取付けられ、これらの回転翼51の少なくとも対向面に、回転翼51の表面抵抗を増加させる抵抗増加手段としての凸部材52が設けられている。
【0028】
複数の皿形の回転翼51は、斜め下向きに折曲された折曲周縁部53を有し、前記吐出ノズル48も、同様に斜め下向きに突出されている。
【0029】
図3に示されるように、抵抗増加手段としての凸部材52は、折曲周縁部53にて径方向に設けられている。
【0030】
次に、図1乃至図3に示された実施の形態の作用を説明する。
【0031】
ポンプ24の吸込作用によって、ストレート筒部31内の液面56の液位が低下し、吸液口28よりストレート筒部31内に吸込まれた液が、気体を巻込みながら滝のようになって流落ちるため、従来のコンプレッサやブロワなどの強制給気装置を用いなくても、気体は、大気圧下で吸気管27より効率良く吸引される。
【0032】
このとき、図2に示されるように、液は、接線方向の吸液口28からストレート筒部31内に吸込まれ、ストレート筒部31の内部で旋回流となって、図1に示されるように中央部が凹むように流落ちるサイクロン現象が生ずるため、気体を中央部の凹み部分57に巻込み、大気圧下でも多量の気体を効率良く吸引できる(サイクロン現象効果)。
【0033】
吸液口28よりストレート筒部31内に滝のようになって流込んだ液と気体は、ストレート筒部31内で混合作用を受けながら、ストレート筒部31内から通孔47を経てテーパ筒部32の内部に移行し、このテーパ筒部32の内部でサイクロン状の激しい乱流58を発生させるので、この乱流58によりテーパ筒部32内で気液が効率良く攪拌混合され、液中に気体が効率良く溶解される。
【0034】
テーパ筒部32内で処理された気液混合体は、ポンプ24の吸込口34よりケーシング36内に吸込まれ、液槽21の底部の液圧による加圧下で、ポンプ羽根37により回転しながら攪拌混合されるので、このケーシング36内でも、さらに気体が液中に高濃度に溶解される。
【0035】
このとき、主軸38に直角に取付けられた複数の皿形の回転翼51は高速回転が可能であり、それらの間の凸部材52により液を高速で切裂くように撹拌して回転翼51の表面で微細な乱流を発生させ、無数の微細な気泡を効率良く発生させることで、液中への気体溶解比率が格段に高められる。
【0036】
ケーシング36内のポンプ羽根37による攪拌混合で生じた気体溶解液と、多量の微小気泡は、ケーシング36の円筒周面から突出された複数の吐出ノズル48より、ポンプ周囲の液槽21内の液中に、広範囲に連続的に分散吐出される。
【0037】
その際、ポンプ24は、気体溶解比率の高い気液混合体を性能低下を起こすことなく、高速回転による遠心力で移送してポンプ周囲の液中に吐出する。
【0038】
ポンプ24の各吐出ノズル48から分散吐出された気体溶解液は、ポンプ周囲の液と混合され、その液の溶存酸素値を高める。また、多量の微細な気泡59は、ポンプ周囲から槽内液面25まで浮上するが、その間に、接触した液中に気泡中の酸素を溶解させる。
【0039】
ポンプ24の斜め下向きに折曲された折曲周縁部53の凸部材52から与えられた遠心力により、斜め下方へ方向付けされた気液混合体は、吐出ノズル48からいったん斜め下方へ吐出された後、浮上に転ずるので、浮上に要する時間がかかる分、液中を浮上する際の気体溶解が、より効果的になされる。
【0040】
このように、ポンプ24の吸込力で生ずる筒体23内での気液攪拌混合作用による気体溶解と、ポンプ24内での気液攪拌混合作用による気体溶解と、ポンプ24から液槽21内の液中に吐出された気泡59が液中を浮上する際の気体溶解の3段階の気体溶解処理が連続になされることにより、高い気体溶解効率が得られる。
【0041】
次に、本装置により得られる効果を列記する。
【0042】
筒体23内では、主軸38の回転によるポンプ24の吸込作用によって、ストレート筒部31内の液面56の液位が低下することで、ストレート筒部31に開口された吸液口28より液が、空気を巻込みながら滝のようになって流落ちるから、コンプレッサやブロワを用いず、大気圧下で空気を効率良く吸引して液中に混合できる。
【0043】
さらに、筒体23のテーパ筒部32の内部では、主軸38の回転によるポンプ羽根37の回転によって滝のようになって流れ込んだ液と空気とが、テーパ筒部32の内部でサイクロン状の激しい乱流58を発生させ、撹拌されながら通過するため、液中に気体を効率良く混合溶解できる。
【0044】
ポンプ24内では、加圧下で気液が回転しながら撹拌混合されるので、気体を液中に高濃度で溶解できる。
【0045】
その際、ポンプ24は、複数枚数の特殊形状のポンプ羽根37を用いて気液を高速回転で撹拌混合するので、気体の混合比率が50%以上の液も性能低下を起こすことなく、移送することができ、液中に多量の空気を注入できる。なお、通常のポンプ24では、液に対する気体の混合比率は5%が限度である。
【0046】
さらに、ポンプ24は、主軸38に直角に取付けられた皿形の回転翼51の表面抵抗を凸部材52により増加させるのみであるから、汚泥液などによるポンプ24内の目詰まりや夾雑物の絡付きなどを防止できる。
【0047】
ポンプ24は、ポンプ羽根37の高速回転力により、複数箇所の吐出ノズル48より、気体溶解液および多量の微細な気泡59などの気液混合体を、液槽21内の底部の広い範囲の液中に達続的に分散放出できる。
【0048】
そして、気体溶解液は、分散して液槽21内の液と混合されるから、液槽21内の液の溶存酸素値すなわちDО値を高めることができる。また、小さな気泡59は液面25まで液槽21内の液と接触しながら浮上し、この間に気泡59中の酸素が液槽21内の液に酸素移動するので、高い酸素溶解効率が得られる。
【0049】
また、電動機39は、1台のみで3段階の気体溶解処理を効率良くでき、さらに、筒体23を貫通する主軸38により、液中のポンプ羽根37に対し電動機39を液上に分離したから、電動機39のメンテナンスを容易にできる。
【0050】
次に、図4乃至図6に示された他の実施の形態を説明する。なお、図1乃至図3に示された実施の形態と同様の部分には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0051】
図4に示されるように、ポンプ24のケーシング36の下側に、ポンプ24の駆動装置としての液密構造の電動機39が一体的に設けられている。
【0052】
この電動機39のモータ本体42の側面には、液槽21の底面61に設置される脚部62が下方へ向けて一体に突出され、また、モータ本体42の上面には、軸受部63を介して取付フランジ64が一体に形成され、このモータ本体42と一体の取付フランジ64が、ポンプ24のケーシング36の底板部65にパッキング66を介して液密に固定されている。
【0053】
取付フランジ64の中央部に設けられた軸受部63から上方へ突出された主軸38は、ケーシング36の底板部65に穿設された軸穴67を通して、ポンプ羽根37の中心に接続されている。
【0054】
このため、図5に示されるように、筒体23の内部には主軸38などがなく、筒体23内の旋回流を妨げるものがない。
【0055】
ポンプ羽根37は、主軸38に下側の回転翼51が直角に取付けられ、この回転翼51の上側に、図6に示されるように配置された複数の結合部材68を介して、上側の回転翼51が平行に取付けられ、これらの上下の回転翼51の対向面に、回転翼51の表面抵抗を増加させる抵抗増加手段としての凸部材52が設けられている。
【0056】
そして、この水中モータ式の気液混合溶解装置は、ポンプ羽根37の主軸38の長さおよび太さを、液槽21の深さ(すなわち液深)に関係なく一定にすることができ、主軸関連の構造を大幅に短小化および小径化できる。
【0057】
すなわち、主軸38およびこの主軸38の軸振れ振動を抑える軸受部63を小型化でき、主軸38および軸受部63の制作費が安価になり、装置の製造コストを低減でき、また、軸受部63の損傷が軽減し、メンテナンスコストを低減できる。
【0058】
さらに、筒体23内に主軸38を貫通させる必要がないので、筒体23中で気体がサイクロン現象により液中に吸引混合される際に、筒体23内に主軸38がある場合に比べて、サイクロン現象効果がより顕著になり、サイクロン現象効果による気体吸引量が増大する。
【0059】
以上のように、各実施の形態において、液中への空気の混合溶解処理は、筒体23のテーパ筒部32の内部、ポンプ24の内部、液槽21の内部の3段階でなされるため、高い気体溶解効率が得られ、液槽21内の液中の酸素濃度を高濃度化できる。
【0060】
さらに、本装置は、既設の液槽21内にも、その液槽21の上部から挿入するようにして設置できるので、イニシャルコストを低減できる。
【0061】
また、電動機39は、液中のポンプ24を軽負荷状態で駆動でき、従来のコンプレッサやブロワなどの強制給気装置を用いて液中に気体を吹込む場合に対し、ポンプ駆動に要するランニングコストを低減できるとともに、電動機39などから生ずる音は静かであり、低騒音化を図れる。
【0062】
すなわち、ケーシング36の吸込側および吐出側の両方に液中深度に応じた液圧が作用することから、ポンプ24の負荷は液中深度に影響されにくいので、コンプレッサやブロワなどの強制給気装置を用いて液中に気体を吹込む場合に対し、ポンプ24の駆動に要する電動機39のエネルギコストや騒音は低い。
【0063】
なお、本装置は、空気中の酸素を水中に溶解させる水処理用の曝気槽で用いることが一般的であるが、吸気管27から空気以外の気体または酸素のみを筒体23内に供給すれば、その気体を液体中に溶解させることも可能である。さらに、本装置は、液槽21に設置されるものとして限定されるものではなく、池などの自然に形成された液溜り部に用いられる形態も含むものである。
【0064】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、ポンプ吸込力で生ずる筒体内での気液攪拌混合作用による気体溶解と、ポンプ内での気液攪拌混合作用による気体溶解と、ポンプから液中に吐出された気泡が液中を浮上する際の気体溶解との3段階の気体溶解処理が連続になされることにより、高い気体溶解効率が得られ、特に、ポンプの吸込作用によって吸液口よりストレート筒部内に滝のようになって流込んだ液と気体が、テーパ筒部の内部でサイクロン状の激しい乱流を発生させるから、テーパ筒部内で気液を効率良く攪拌混合させて、気体溶解効率を向上でき、また、ポンプの吸込作用によってストレート筒部内の液面液位が低下し、吸液口よりストレート筒部内に吸込まれた液が、気体を巻込みながら滝のようになって流落ちるため、従来のコンプレッサやブロワなどの強制給気装置を用いることなく気体を大気圧下で効率良く吸引でき、ポンプ駆動に要するエネルギのコストを低減できるとともに騒音も低減できる。
【0065】
請求項2記載の発明によれば、接線方向の吸液口から吸込まれた液は、ストレート筒部の内部で旋回流となって中央部が凹むように流落ちるため、気体を中央部の凹み部分で効率良く巻込み、強制給気装置を用いることなく大気圧下で効率良く吸引できる。
【0066】
請求項3記載の発明によれば、筒体とともに液中に挿入されたポンプのケーシング内では、加圧下で気液がポンプ羽根により回転しながら攪拌混合されるから、気体を液中に高濃度で溶解できるとともに、ケーシングの吸込側および吐出側の両方に液中深度に応じた液圧が作用することから、ポンプ負荷は液中深度に影響されにくいので、コンプレッサやブロワなどの強制給気装置を用いて液中に気体を吹込む場合に対し、ポンプ駆動に要するエネルギのコストや騒音を低減できる。また、前記3段階の気体溶解処理を1台の駆動装置のみにより効率良くできる。
【0067】
請求項4記載の発明によれば、ケーシング内のポンプ羽根による攪拌混合で生じた気体溶解液と多量の微小気泡とを、ケーシングの円筒周面から突出された複数の吐出ノズルよりケーシング周囲の広範囲に連続的に分散吐出できる。分散吐出された気体溶解液は、ポンプ周囲の液と混合され、その液の溶存酸素値を高め、小さな気泡は液面まで浮上する間に、接触した液中に気泡中の気体を溶解させることができる。
【0068】
請求項5記載の発明によれば、主軸に直角に取付けられた複数の皿形の回転翼は高速回転が可能であり、それらの間の抵抗増加手段により液を高速で切裂くように撹拌して回転翼の表面で微細な乱流を発生させ、無数の微細な気泡を効率良く発生させることで、液中への気体溶解比率を格段に高めることができるとともに、気体溶解比率が高い気液混合体を性能低下を起こすことなく、高速回転による遠心力で移送してポンプ周囲の液中に吐出できる。また、主軸に直角に取付けられた皿形の回転翼の表面抵抗を抵抗増加手段により増加させるのみであるから、ポンプ内目詰まりや夾雑物の絡付きなどを防止できる。
【0069】
請求項6記載の発明によれば、斜め下向きに折曲された折曲周縁部の径方向の抵抗増加手段から与えられた遠心力により、斜め下方へ方向付けされた気液混合体は、ポンプからいったん斜め下方へ吐出された後、浮上に転ずるので、浮上に要する時間をかせぎ、液中を浮上する際に溶解する気体溶解をより効果的にできる。
【0070】
請求項7記載の発明によれば、既設の液槽内にも、その液槽の上部から本装置を挿入するようにして設置でき、3段階の気体溶解処理により液槽内での気体溶解効率を向上できるとともに、従来のコンプレッサやブロワなどの強制給気装置を用いて液中に気体を吹込む場合に対し、ポンプ駆動に要するエネルギのコストや騒音を低減できる。
【0071】
請求項8記載の発明によれば、駆動装置が、ポンプの下側に一体的に設けられたので、液の深さに関係なくポンプ羽根の主軸の長さおよび太さを大幅に短小化および小径化できるため、主軸およびこの主軸の軸振れ振動を抑える軸受構造を小型で安価なものにできるとともに、筒体中で気体がサイクロン現象により液中に吸引混合される際に、筒体内に障害物となる主軸を貫通させる必要がないので、サイクロン現象効果がより大となり、サイクロン現象効果による気体吸引量を増大できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る気液混合溶解装置の一実施の形態を示す断面図である。
【図2】 同上気液混合溶解装置の液吸込部分の断面図である。
【図3】 同上気液混合溶解装置のポンプ羽根の平面図である。
【図4】 本発明に係る気液混合溶解装置の他の実施の形態を示す断面図である。
【図5】 同上気液混合溶解装置の液吸込部分の断面図である。
【図6】 同上気液混合溶解装置のポンプ羽根の平面図である。
【図7】 従来の気液混合溶解装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
21 液槽
23 筒体
24 ポンプ
28 吸液口
31 ストレート筒部
32 テーパ筒部
36 ケーシング
37 ポンプ羽根
38 主軸
39 駆動装置としての電動機
48 吐出ノズル
51 回転翼
52 抵抗増加手段としての凸部材
53 折曲周縁部
Claims (8)
- 液中に挿入され上部から液および気体を吸込む筒体と、
筒体の下部に設けられ筒体内の液および気体を攪拌混合しながら吸込むとともに周囲に吐出するポンプとを具備し、
筒体は、
液中に開口される吸液口を有するとともに吸液口から内部に吸込まれた液を滝状に落下させるストレート筒部と、
ストレート筒部の下部に設けられ下方に向って漸次小径のテーパ筒部とを備えた
ことを特徴とする気液混合溶解装置。 - 吸液口は、
ストレート筒部の接線方向に設けられた
ことを特徴とする請求項1記載の気液混合溶解装置。 - ポンプは、
筒体の下端に固定されたケーシングと、
ケーシングの内部に回転自在に設けられたポンプ羽根と、
ポンプ羽根の中心に接続された主軸と、
主軸を回動する駆動装置と
を具備したことを特徴とする請求項1または2記載の気液混合溶解装置。 - ケーシングは、円筒状に形成され、
ケーシングの円筒周面から突出された複数の吐出ノズル
を具備したことを特徴とする請求項3記載の気液混合溶解装置。 - ポンプ羽根は、
主軸に直角に取付けられた複数の皿形の回転翼と、
これらの回転翼の少なくとも対向面に設けられ回転翼の表面抵抗を増加させる抵抗増加手段と
を具備したことを特徴とする請求項3または4記載の気液混合溶解装置。 - 複数の皿形の回転翼は、
斜め下向きに折曲された折曲周縁部を有し、
折曲周縁部に抵抗増加手段が径方向に設けられた
ことを特徴とする請求項5記載の気液混合溶解装置。 - 筒体は、液槽の上部で固定され、
ポンプは、液槽の底部の近傍に配置された
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか記載の気液混合溶解装置。 - 駆動装置は、ポンプの下側に一体的に設けられた
ことを特徴とする請求項3乃至7のいずれか記載の気液混合溶解装置。
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