JP2002239587A - 深水の溶存酸素増強装置 - Google Patents

深水の溶存酸素増強装置

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JP2002239587A
JP2002239587A JP2001088747A JP2001088747A JP2002239587A JP 2002239587 A JP2002239587 A JP 2002239587A JP 2001088747 A JP2001088747 A JP 2001088747A JP 2001088747 A JP2001088747 A JP 2001088747A JP 2002239587 A JP2002239587 A JP 2002239587A
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gas
pipe
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oxygen
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Takeshi Yoshioka
健 吉岡
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水質浄化や深水部の貧酸素状態の解消に、コ
ンプレッサーもブロワも使わず、1つの動力源で、簡単
な設備で、容易な操作で、小さい動力費で、振動騒音の
小さい方法で、富酸素水に改善して深水部へ送り、表層
の富酸素水も使用して水中の気泡上昇流のない、深水の
溶存酸素増強装置を提供する。 【手段】 水面上から回転軸を水中に伸ばし圧送羽根等
と吸気管を付設して回転させて、自動吸気しながら気液
混合して富酸素水として圧送管又は気液分離室に圧送
し、富酸素水は深水中へ圧送し、気体は放気管から外部
へ放気するか、又は別途設置した気泡管へ接続して気泡
ポンプとして深水中の貧酸素水を吸引して水面付近へ汲
み上げ、富酸素水化し、必要に応じて揚水や深水中の物
資の輸送にも使用するする深水の溶存酸素増強装置

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶存酸素の少ない深水
部の水(以下『貧酸素水』と言う)を溶存酸素の多い水
(以下『富酸素水』と言う)に改善するため、水面近く
で作った富酸素水を深水部へ圧送する装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、深水部の溶存酸素を改善する装置
として コンプレッサー又はブロワにより水中送気して散気管
から気泡上昇させる方法、エジェクターによる気液流
を水中へ放出する方法、高速回転羽根で自動吸気して
回転羽根で撹拌散気する方法があった。この中で、 コンプレッサー又はブロワによる方法は、設備が大き
く、騒音、振動が大で、動力費が嵩むと共に、水中に折
角生産した富酸素水は深水部に留まらず気泡上昇流に伴
って表層へ上昇移動する欠点があった。 エジェクターによる気液流も前述同様、水中に折角生
産した富酸素水は深水部に留まらず気泡上昇流に伴って
表層へ上昇移動する欠点があった。 高速回転羽根による自動吸気方式もあったが、浅水深
用で、深水部の溶存酸素を増強には不向きであった。 その他、噴水、滝、撹拌、せせらぎ等の方式がある
が、深水部へ到達が困難なため汎用化されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前述
の欠陥を改善するもので、コンプレッサーやブロワを使
わず、動力費の小さい、水中気泡上昇流のない、簡単な
設備で、富酸素水を容易かつ大量に生産して深水部へ圧
送でき、これらの作業を一つの動力で達成可能にする装
置の開発にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決するため請求項1に記載し、図1、図2A及びBに
示す通り、水面下に流入口1を設け、流入口1の下に気
液混合室2を設け、気液混合室2の下部に圧送管3を接
続して圧送管3の下端を放流口4とする、水面上から回
転軸5を延伸して気液混合室2内で圧送羽根等6を付設
し、回転軸5の水面上から吸気管7の上端の吸気口8を
付設して水面下へ延伸して円周方向へ伸ばして他端を吸
出口9として、吸出口9を回転により負圧を起こす方向
に向けて、回転軸5、圧送羽根等6、吸気管7を一体に
回転可能に設置する、動力源10により回転軸5を回転
して圧送羽根等6の稼働で表層水11は流入口1から気
液混合室2に流入させると共に、吸気管7の吸出口9は
回転による負圧を起こして水面上の空気を自動的に吸い
出して、圧送羽根等6の回転で表層水11撹拌混合して
気液混相流となって圧送管3の深水部へ圧送して放流口
4から必要とする場所へ放流することに特徴がある。
【0005】更に本発明は、請求項2に記載し、図2C
に示す通り請求項1の、吸気管7を回転軸5へ一体に付
設しないで、回転軸5とは別に固定設置して水面上の上
端を吸気口8とし、水面下の他端を吸出口9とし、吸出
口9を圧送羽根等6の間近にして、吸気管7を回転させ
ないで圧送羽根等6の回転で吸出口9に負圧が起こるよ
うに設置することに特徴がある。
【0006】更に本発明の請求項3は、請求項1、請求
項2に関して、図7に示す通り、気液混合室2の上部を
空気溜13とし、空気溜13の内部から排気管14を設
けて内部の一端を気体流入口15とし、空気溜13の外
部に伸ばして他端を放気口16とする、気液混合室2で
混合した気液は気液混合室2内で上下に分離し、液体は
下部似接続した圧送管3に圧送され、気体は上部の空気
溜13に溜まり気体流入口15から排気管14を経て放
気口16から外部へ放出することに特徴がある。
【0007】更に本発明の請求項4は、請求項3に関し
て、図3に示す通り、放気管14の気体流入口15に水
位調整器17を付設するすることに特徴がある。
【0008】更に本発明の請求項5は、請求項1、請求
項2に関して、圧送管3の下端に気液分離室12を設け
て、気液分離室12の近くに気泡管18を設けて深水部
から水面近くに延伸して設置し、気液分離室12の上部
から気体サイフォン19を付設して下方へ伸ばして気泡
管18に接続する、圧送管3から圧送した気液混相流は
気液分離室12に入って気液は上下に分離して、液体は
圧送管3の放流口4から深水中の必要な場所へ放流し、
気体は気体サイフォン19を経て気泡管18に流入して
気泡管18を気泡ポンプとして稼働させ、気泡管18の
下部の吸引口20から貧酸素水等を吸引して水面近くへ
引き上げることに特徴がある。
【0009】
【実施の態様】請求項1は、図1、図2A及びBに示す
通り、水面下に流入口1を設け、流入口1の下に気液混
合室2を設け、気液混合室2の下部に圧送管3を接続し
て圧送管3の下端を放流口4とする、水面上から回転軸
5を延伸して気液混合室2内で圧送羽根等6を付設し、
回転軸5の水面上から吸気管7の上端の吸気口8を付設
して水面下へ延伸して円周方向へ伸ばして他端を吸出口
9として、吸出口9を回転により負圧を起こす方向に向
けて、回転軸、圧送羽根等、吸気管7を一体に回転可能
に設置する、動力源10により回転軸5を回転して圧送
羽根等6の稼働で表層水11は流入口1から気液混合室
2に流入させると共に、吸気管7の吸出口9は回転によ
る負圧を起こして水面上の空気を自動的に吸い出して、
圧送羽根等6の回転で表層水11撹拌混合して気液混相
流となって圧送管3の深水部へ圧送して放流口4から必
要とする場所へ放流するものである。
【0010】請求項2は、図2Cに示す通り請求項1
の、吸気管7を回転軸5へ一体に付設しないで、回転軸
5以外の場所に別に固定設置して水面上の上端を吸気口
8とし、水面下の他端を吸出口9とし、吸出口9を圧送
羽根等6の間近にして、吸気管7を回転させないで圧送
羽根等6の回転で吸出口9に負圧が起こるように設置す
るものである。
【0011】請求項3は、請求項1、請求項2に関し
て、図7に示す通り、気液混合室2の上部を空気溜13
とし、空気溜13の内部から排気管14を設けて内部の
一端を気体流入口15とし、空気溜13の外部に伸ばし
て他端を放気口16とする、気液混合室2で混合した気
液は気液混合室2内で上下に分離し、液体は下部似接続
した圧送管3に圧送され、気体は上部の空気溜13に溜
まり気体流入口15から排気管14を経て放気口16か
ら外部へ放出するものである。
【0012】請求項4は、請求項3に関して、図3、図
8に示す通り、排気管14の気体流入口15に水位調整
器17を付設して、空気溜13内の水位を自動調整させ
るものである。
【0013】請求項5は、請求項1、請求項2に関し
て、図4〜5に示す通り、圧送管3の下端に気液分離室
12を設けて、気液分離室12の近くに気泡管18を設
けて深水部から水面近くに延伸して設置し、気液分離室
12の上部から気体サイフォン19を付設して下方へ伸
ばして気泡管18に接続する、圧送管3から圧送した気
液混相流は気液分離室12に入って気液は上下に分離し
て、液体は圧送管3の放流口4から深水中の必要な場所
へ放流し、気体は気体サイフォン19を経て気泡管18
に流入して気泡管18を気泡ポンプとして稼働させ、気
泡管18の下部の吸引口20から貧酸素水等を吸引して
水面近くへ引き上げるものである。
【0014】本発明は、富酸素水を深水中に圧送し放流
するもので、端的に表現すると、請求項1は、回転軸
5、圧送羽根等6、吸気管7が一体に回転して自動吸気
して混合した気液混相流を圧送管1から深水部へ圧送す
るものである。この場合、気泡の水中上昇は起きる。請
求項2は、回転軸5、圧送羽根等6は一体に回転する
が、吸気管7は回転しないで固定設置して自動吸気して
混合した気液混相流を圧送管1から深水部へ圧送するも
のである。この場合、気泡の水中上昇は起きる。請求項
3は、気液混合室2の上部を空気溜13として気液混合
済みの気体は空気溜13から水面上へ戻し、圧送羽根等
6に掛かる圧送圧力を軽減させて、圧送管からは富酸素
水のみを圧送して放流管から外部へ放流するものであ
る。この場合、気泡の水中上昇は起きない。請求項4
は、請求項3に関して空気溜13内に水位調整器17を
設置して、空気溜13内の水位を自動調整して空気のみ
を外部へ放気させる装置である。この場合、請求項3の
場合と同様に気泡の水中上昇は起きない。請求項5は、
圧送管3の下端に気液分離室12を設け、分離した液体
は外部へ放流し、気体は気液分離室12に設けた気体サ
イフォン19から別途に設けた気泡管18に入り、気泡
ポンプとして深水部の貧酸素水等を吸引して水面近くへ
汲み上げるものである、この場合、請求項3〜4の場合
と同様に気泡の水中上昇は起きない。
【0015】主要用語の解説は以下の通りである。『圧
送管3』とは、気液を圧送する通路である。必要に応じ
て途中で管の口径を変化させても曲げてもよく、放流口
から別途放流管を付設する場合は直管が効果的であるが
必要に応じて曲管等に変化させてよい。また、圧送管3
は多少傾斜して設置してもよい。『放流口4』は、気液
混相流または液体のみの富酸素水を放流する場所で、放
流口の設置は単数、複数のいずれでもよく、放流状態を
適切するための装置をも含むものである。『水面近く』
とは、普通は水面の上下1〜2mの範囲であるが、それ
以上の場合もあり厳密な限定はしない。『表層水11』
とは、水面下1〜2mの水深の範囲の表層の水を言う。
通常、富酸素水が多い。『流入口1』とは、表層水と水
面上の空気を共に自動流入させる構成部分を言い、流入
部の口径は下部の気液混合室2の口径より狭くして気液
混合室2内の圧力(圧送力)を保つのが効果的である。
『吸気管7』とは、回転軸5の回転で水面上の空気を自
動吸引する構成部分を指し、回転軸5と一体に固定して
付設する回転式と、回転軸4とは別に設置して回転しな
い固定式がある。(後述)『圧送羽根等6』とは、回転
軸5に付設して、動力源10により稼働し、流入した表
層水11と自動吸引した空気を撹拌混合して気液混相流
で圧送するものである。
【0016】『気液混合室2』とは、吸気管7や圧送羽
根等6の稼働する室で、流入口1の口径よりも広い部屋
にするのが効果的で、圧送羽根等6で撹拌、混合、圧送
された気液混相流を受けて、気液の圧送力を保ちながら
自動的に気液分離する役目を果たすものである。『空気
溜13』とは、空気が自動的に溜まる気液混合室2内の
上部の一部を言い、図3B、図7Bに示すように、『空
気溜13』と気液混合室2の上部で気体を外部へ放出さ
せる前の溜り場所である。気液混合室2は、流入口1や
圧送管3と同じ内径でもよいが、図示例のように流入口
1や圧送管3よりも口径を大きくすることで吸出口9に
大きい負圧を起こさせて気液の発生を多くさせ気液混合
をし易くするのが効果的である。
【0017】本発明の『深水部』とは、表層水11より
深部で富酸素水を必要とする深さの範囲を指し、養魚場
で養魚の生育する中で5m〜30m程度の水深を述べて
いるが限定したものではない、養魚の種類によっても異
なるもので相対的に判断するものである。また、水質浄
化等では1〜5mの水深でも深水部扱いする場合もあ
る、養魚以外の目的にも使用するものである。
【0018】『吸気管7』は、前述の通り回転式と固定
式がある。回転式は請求項1に記載の通り、水面上の吸
気口8と水面下で吸出口9を円周方向へ伸ばし、回転軸
5に付設して回転軸と一体に回転し、吸出口9は回転に
より負圧の起こる方向に向けて付設する。回転軸5の回
転で吸出口9は負圧(強制吸引力)を起こして吸気口8
から空気を吸い込んで吸出口9から水中に吸い出されて
圧送羽根等6の回転で気液撹拌混合されるものである。
圧送羽根等6の上下どちらに設置してもよく、圧送羽根
等6の一部として組み込んでもよい。
【0019】固定式は請求項2に記載の通り、回転軸
5、圧送羽根等6は一体に回転するが吸気管7は回転軸
以外の別の場所へ固定設置するもので回転しない、この
固定式の吸出口9は圧送羽根等6に間近に設置する必要
がある、吸出口9は圧送羽根等6の回転で負圧の起こる
方向に付設し、この場合、吸出口9は圧送羽根等6の上
下又は外周側いずれでもよく圧送管側から設置してもよ
い、吸出口9の形状も限定はない、吸出口9の負圧(強
制吸引力)で水面上から空気を吸出す方法であればよ
い。固定式、回転式のいずれも回転により吸出口9に負
圧を起こさせて水面上から空気を水中に自動吸気する方
法は共通している。
【0020】更に固定式、回転式共に『吸気管7』は、
単数又は複数設けてもよい、また途中から分岐させて多
くしてもよい、さらに、固定式の場合、図示では回転軸
5の外側に付設しているが、回転軸5の内部を空洞にし
て回転軸5内に設置してもよい、また、回転軸5内を吸
気管7として兼務させてもよい、さらに、固定式、回転
式共に説明上、吸気管7や分岐した管も管(パイプ)の
例で説明するが、管(パイプ)の必要はなく空気が通過
する気道であれば何でもよい、吸出口9も管(パイプ)
の必要はなく気体の負圧の起きる出口であればよく、形
状も丸型、角形、矩形等いずれでもよい。また、圧送羽
根等6を加工して強い負圧(空気の強制吸引力)を起こ
す形にしてもよい。
【0021】『圧送羽根等6』を更に説明すると、プロ
ペラ、羽根、スクリュー等の回転によって気液を圧送で
きる装置を言い、羽根のみに限定したものではない、ま
た圧送羽根等6は何枚に構成してもよく、更に何段に構
成でもよい、圧送羽根等6の回転速度は気液の圧送管3
内の圧送速度が1〜3m程度に保つのが効果的であるが
限定はしない、羽根の傾斜角度は圧送量や気液の体積比
を調整するためにも使用できる。
【0022】請求項1の『吸出口9を回転により負圧の
起こる方向』とは、本発明の気泡発生の根源となる自動
吸気の構成で、容易に理解できるために表現したもの
で、言い換えれば『吸出口9を液体の流れの後ろ向に受
ける』でもよく、液体の流れを背に受けて負圧を大きく
する方向を言う。また実験によると、吸出口9は、面積
を大きくし回転速度を速めると微細気泡が大量に発生す
るのが見受けられた、吸気管7の口径は比較的小さくて
もよいが、吸出口9のみを拡大する方法で気泡量は増大
する。
【0023】模型実験の観察では、他の通常の水中送気
による気泡発生状況と比較して、微細な気泡が、急激、
大量に発生するのが観察できる。吸出口9の口径を小さ
く、数を増やし、回転数を高めると微細な気泡が多く発
生する。富酸素水化も同様に高まるものである。吸出口
9の設置深さが浅い場合は気泡は容易に起きる、深い場
合は気泡発生は少なくなる。吸出口9は水深2m以浅が
効果的である。実験結果から構成に関して(図示してい
ない)、気液混合室2内は、圧送羽根等6、吸気管7等
の回転で気液が供回りを起こし、吸出口9の負圧を小さ
くする力が働く。この供回りを防止するため、気液混合
室2の内部に単数、又は複数の仕切り設ける方法があ
る、また、遠心ポンプの羽根車と案内羽根のように羽根
を設ける方法もある。さらに、流入口1にも、圧送羽根
等6、吸気管7の回転とは逆方向に渦流を起こさせる流
入案内羽根22を設置して供回りを小さくし、吸出口9
に起きる負圧を大きする効果もある。
【0024】さらに、図6に示すように、表層水11の
流入時に水面に渦流が起きる場合がある、これは気液混
相流を起こす中に更に気体の混入が加わり富酸素水化に
役立つもので、積極的に促進してもよい、この場合、流
入口付近に案内羽根22等を回転の同方向に設置するこ
とで容易に渦流を起こさせて気液混合を強化促進させる
ものである、この渦流によって中心部が朝顔状または円
筒状の空間が発生する、回転軸の回転で圧送羽根等5で
この空間部と周囲の気体を一緒に回転させて気液混合し
て気液混相流を更に強化させて気液混合の効果を高める
ものである。
【0025】吸気管7を回転軸5に付設しないで、回転
軸5と圧送羽根等6のみで稼働させると共に、図6A・
Bのように、圧送管3の流入口付近に流入案内羽根22
を設置して容易に渦流を起こさせて気液混合させながら
気液混相流を深水部へ圧送する方法がある。さらに、渦
流がなく、気液混相流もなく、富酸素水の表層水11の
みを深水部へ圧送することがある、この場合も深水部を
富酸素水へ改善する効果が発揮できる。これらの深水部
を富酸素水へ改善する技術も請求項に記載していないが
本発明の技術内容に含むものである。
【0026】請求項3(図7に示す)の、気液混合室2
を設ける理由は、気液混合で溶解を終えた使用済みの空
気は早急に大気中へ戻し、深水中への圧送は富酸素水の
みとして圧送上の抵抗(気体の浮上力)を軽減させるた
めである。すなわち、気液混合室2での圧送羽根等6及
び吸気管7の吸出口9で気液の撹拌、混合を終えた後、
気液混合室2で気液を上下に分離させて、気体は空気溜
13に入り気体流入口15から排気管14を経て放気口
16から外部へ放出する、この場合、排気管14内に液
体も入り、気体は排気管14内を気泡の状態で上昇して
排気されるため排気管14の内径は図示のように大きく
する必要がある。また、排気管14内の水位は外部の水
面の水位よりも高く水位形成する場合があり、この水位
は気液混合室2内の圧送圧力の大きさを示している。空
気溜13は圧送圧力を保った状態で空気を溜めること
で、気体単独で放出し易くするためのもので、気液混合
室2の形は限定しない。液体は気液混合室2から圧送管
3に入り、圧送管3を経て放流口4から必要な場所へ放
流される。
【0027】請求項4(図3に示す)は、排気管14内
に液体を入れず気体のみの排気を目的とするもので、水
位調整器17は、空気溜13の空気の増加で自動的に空
気のみを放出させる装置で、図3Bの水位調整器は原理
説明のためのもので、方法は何ら限定したものではな
い、液体を混入させずに排気管としての構成であれば、
どのような機器でもよい。
【0028】富酸素水に関して、ブリの養殖例では溶存
酸素が5.7mg/l以上の場合遊泳活発であるが、そ
れ以下になると食欲不振が始まるとされている、本発明
の請求項1〜5は、これら養魚場の深水部の富酸素水化
に使用可能である。富酸素水と貧酸素水との境界は相対
的に比較使用するもので養魚の種類によって異なるため
本発明では数値を限定しないものとする。
【0029】請求項1〜5に関して、回転軸5及び圧送
羽根等6の構成する部分の圧送管3は垂直に構成するの
が効果的であるが、多少傾斜しても機能は発揮できる、
また、回転軸5を傾斜させて稼働して気液混相流を一方
向に流しながら富酸素水化させてもよい、この方法で、
池、堀、水槽等で富酸素水を循環させたり対流を促進に
使用してもよい。
【0030】請求項5について、気液分離室12を設け
る理由は、表層水11等を、気液混相流で深水部に放流
した後、せっかく深水部へ圧送した富酸素水が気泡の上
昇流に伴って上昇移動するのを防ぐためであり、もう一
つは圧送途上で更に富酸素水化して深水部に放流すると
共に、深水中の気泡の上昇エネルギーを利用して、気泡
管18(気泡ポンプ)を経て上昇させて貧酸素水を汲み
上げ、水中の気泡上昇流は起こさせないで放流した富酸
素水を上昇移動させないものである。
【0031】請求項5の気液分離室12は縦長がよく、
気液が上下に分離できる大きさが必要である、また、圧
送管3や気泡管18での流れの影響で水位は常に上下変
動するため上下に余裕高さが必要である、特に、吸引口
20が目詰まりを起こした場合、圧送を急に停止した場
合等の時は水位の上下変動は大きい。流入した水は気液
分離室12から外部に放流してもよいし、パイプ等で離
れた場所へ放流してもよい。気体は気体の増加につれて
気体サイフォン19から気泡管18へ自動的に流入す
る、この場合、気体サイフォン19は気液分離室12の
上部から流入させて気液分離室12の中間の高さ程度で
気泡管18と接続することが効果的である、これは上下
に余裕幅を保つためである。
【0032】請求項5に関して、気泡管18の設置に
は、図4Aのように気液分離室12の外側とする方法
と、図4Cのように気液分離室12内を通過させる方法
とがあるが、どちらを採用してもよい、この場合も前述
同様、図示の通り気体サイフォン19は気液分離室12
の上部から流入させて気液分離室12の中間の高さで気
泡管18と接続するのが効果的である。
【0033】更に請求項5について、気液接触撹拌装置
21を水面付近に設けて気泡管18(気泡ポンプ)から
汲み上げた貧酸素水を受けて自動的に撹拌混合し気液接
触させて、富酸素水に改善するしてもよい。また、請求
項には記載しなかったが、この気液接触撹拌装置21で
改善した富酸素水を、水位差を利用してパイプで受けて
更に深水部へ誘導して放流してもよく、パイプを敷設す
るだけで簡単に深水部へ放流が可能である(この件、図
示していない)。すなわち、この改善数量を加算すると
深水部の富酸素水への改善量は更に5割以上の増強も可
能となる。
【0034】請求項5に関し、気液混相流で深水中へ圧
送するため、圧送途上で富酸素水化すると共に水圧増加
で更に酸素の溶解度が進むことにある、例えば水深10
mでは2atmとなり水面での場合の約倍の溶解が可能
である。放流口4からの放流水は酸素の溶解度を高くで
きる利点がある。
【0035】また、請求項5の場合、気液混相流には気
泡効果が起きる。流入時の気液体積比を調節して気体単
独で圧送する場合の倍以上の水深へ到達も可能となる、
すなわち、水面上で0.5atmで気液半々で圧送した
場合、気泡効果で水深10mへの到達ができる、同一圧
力でも従来の倍以上の深度へ圧送が可能となる。
【0036】さらに、請求項5の場合、『貧酸素水等』
とは、貧酸素水のみでなく、水と共に吸引する他の物質
も含み、水底のごみ類、掘削する土石類、魚貝類等をも
含めるものである。すなわち、気泡管14の吸引口16
を目的場所へ移動し、吸引管16を加工または機器を付
設することで容易に多種の物質を吸引して引き上げが可
能となる。また、吸引口16は常に吸引による作業のた
め、周辺の水を汚染することがなく、ほぼ無汚濁掘削も
可能となる。さらに、気泡管には一切の内部機器がない
ため、土石類、魚貝類等を破砕することなく採取が可能
である。
【0037】以上、請求項1〜5に関する装置は、水底
から固定設置してもよい、また、水面に浮揚体を設けて
浮揚体等を利用して、直接、間接的に圧送管3等を含む
本装置を設置してもよい、海や湖のような大水深の場合
に浮揚体の利用が適切な方法である。
【0038】図示はないが、いずれの装置、設備、機器
も支持、枠、カバー、取り付け金具、ストレナー、塵埃
防止、安全装置等の一般の装置に付設されているものは
本発明の装置にも同様に具備されていることは言うまで
もない。
【0039】請求項3〜5に関して、圧送管の口径30
cm、水深10m付近を改善する場合、気液半々で管内
流速を1m/secとすると深水部の改善数量は約3,
000m/日となる、更に深水部から汲み上げによる
水質改善約2,000m/日を含めると概ね5,00
0m/日の溶存酸素を高めることになる、これは20
0〜1,000m程度の生け簀への可能性がある。こ
の作業を1駆動源で達成可能のこの装置は、コンプレッ
サー等による水中送気方式による同じ3,000m
深水部の水質改善装置と試算比較すると設備費は勿論、
動力費の場合は1/5以下で済む可能性がある。
【0040】図1〜8は、本発明からできる一部分を示
し、同一の原理や趣旨で多くの構成例が可能であるが図
示していない、これら図示以外のものも含むものであ
る。
【0041】
【発明の効果】本発明は、ブロワもコンプレッサーも使
わず、自動吸気で気液混相流を起こし、深水部へ圧送が
可能となった。
【0042】本発明は、回転による自動吸気で、大量
で、微細な気泡を、瞬時に、溶存酸素水を生産できる利
点がある。
【0043】更に本発明の請求項3〜4で、気液の撹拌
混合を終えた気体は気液混合室から自動的に水面上へ戻
すため、富酸素水のみの水中圧送となり圧送力の抵抗
(気泡の浮揚力)が軽減され、圧送力が小さくて済み、
動力費の節約となった。
【0044】更に本発明の請求項3〜5で、水中気泡の
上昇を起こさないで、富酸素水を深水中へ圧送が可能と
なり、請求項5では、気泡上昇力を利用して気泡ポンプ
で深水中の貧酸素水を汲み上げて富酸素水化することも
可能となった、更に、必要に応じて魚貝類等の固形物の
引上げ手段としても利用可能となった。
【0045】更に本発明は、請求項1〜5でブロワもコ
ンプレッサーも使わないため、設備が簡単で、扱いが容
易で、騒音、振動が小さい、動力費が低い装置の開発可
能となった。
【0046】更に本発明の請求項3〜5では、水中で気
泡上昇流がないため、気泡の上昇流に伴う富酸素水の上
昇がない装置が出現し、富酸素水が深水部から移動しな
いで存在し易い状態となった。
【0047】更に本発明は、請求項1〜5で、水中へ自
動吸気して撹拌混合するため、大量の微細気泡の出現と
なり、早急に大量の富酸素水の生産ができることとなっ
た。
【0048】更に本発明は、請求項1〜5について、一
つの動力源で目的機能が発揮でき、設備費、動力費の軽
減となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1場合の、水中で自動吸気して
撹拌混合の後、気液混相流で圧送管内を圧送して放流口
から外部へ放流する一例を示す。Aは全体図で、Bは部
分詳細図。
【図2】本発明の自動吸気の3例を示し、A、Bは請求
項1、Cは請求項2を示す。Aは回転軸4に吸気管を付
設した1例図、Bは回転軸の内部を吸気管として兼務さ
せた1例図、Cは吸気管を固定して圧送羽根等を回転さ
せて負圧を起こして吸気する1例図を示す。
【図3】本発明の請求項4の場合で、空気混合室2の上
部の空気溜13の排気管14の気体流入口15に水位調
整器17を付設して気体のみを放出させる構成図、Aは
全体一例図、B〜Dは部分詳細図。
【図4】本発明の請求項5の圧送管3の下部に気液分離
室12と気体サイフォン19を設け、気泡管18で深水
部の貧酸素水を汲み上げる説明図である。
【図5】本発明の請求項5のもう一つの一例図を示す。
【図6】本発明の請求項にない付属した効果を示し、A
は、気液混相流を起こさずに表層水10のみを深水中へ
圧送する1例図、Bは、渦流等で自動吸気して気液混相
流を起こして富酸素水を深水中へ圧送する1例図。
【図7】本発明の請求項3の場合で、排気管14の気体
流入口15に水位調整器17を付設しない場合の一例図
を示す。
【図8】本発明の請求項4の一例を養魚場に使用した場
合の一例図を示す。
【符号の説明】
1 流入口 2 気液混合室 3 圧送管 4 放流口 5 回転軸 6 圧送羽根等 7 吸気管 8 吸気口 9 吸出口 10 動力源 11 表層水 12 気液分離室 13 空気溜 14 排気管 15 気体流入口 16 放気口 17 水位調整器 18 気泡管(気泡ポンプ) 19 気体サイフォン 20 吸引口 21 気液接触撹拌装置 22 流入案内羽根
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01F 3/04 B01F 3/04 C 7/16 7/16 K 7/22 7/22 C02F 3/24 C02F 3/24 A

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水面下に流入口1を設け、流入口1の下に
    気液混合室2を設け、気液混合室2の下部に圧送管3を
    接続して圧送管3の下端を放流口4とする、水面上から
    回転軸5を延伸して気液混合室2内で圧送羽根等6を付
    設し、回転軸5の水面上から吸気管7の上端の吸気口8
    を付設して水面下へ延伸して円周方向へ伸ばして他端を
    吸出口9として、吸出口9を回転により負圧を起こす方
    向に向けて、回転軸、圧送羽根等、吸気管7を一体に回
    転可能に設置する、動力源10により回転軸5を回転し
    て圧送羽根等6の稼働で表層水11は流入口1から気液
    混合室2に流入させると共に、吸気管7の吸出口9は回
    転による負圧を起こして水面上の空気を自動的に吸い出
    して、圧送羽根等6の回転で表層水11撹拌混合して気
    液混相流となって圧送管3の深水部へ圧送して放流口4
    から必要とする場所へ放流する深水の溶存酸素増強装
    置。
  2. 【請求項2】吸気管7を回転軸5へ一体に付設しない
    で、回転軸5以外の場所に別に固定設置して水面上の上
    端を吸気口8とし、水面下の他端を吸出口9とし、吸出
    口9を圧送羽根等6の間近にして、吸気管7を回転させ
    ないで圧送羽根等6の回転で吸出口9に負圧が起こるよ
    うに設置する請求項1記載の深水の溶存酸素増強装置。
  3. 【請求項3】気液混合室2の上部を空気溜13とし、空
    気溜13の内部から排気管14を設けて内部の一端を気
    体流入口15とし、空気溜13の外部に伸ばして他端を
    放気口16とする、気液混合室2で混合した気液は気液
    混合室2内で上下に分離し、液体は下部似接続した圧送
    管3に圧送され、気体は上部の空気溜13に溜まり気体
    流入口15から排気管14を経て放気口16から外部へ
    放出する請求項1または請求項2記載の深水の溶存酸素
    増強装置。
  4. 【請求項4】排気管14の気体流入口15に水位調整器
    17を付設して、空気溜13内の水位を自動調整させる
    請求項3記載の深水の溶存酸素増強装置。
  5. 【請求項5】圧送管3の下端に気液分離室12を設け
    て、気液分離室12の近くに気泡管18を設けて深水部
    から水面近くに延伸して設置し、気液分離室12の上部
    から気体サイフォン19を付設して下方へ伸ばして気泡
    管18に接続する、圧送管3から圧送した気液混相流は
    気液分離室12に入って気液は上下に分離して、液体は
    圧送管3の放流口4から深水中の必要な場所へ放流し、
    気体は気体サイフォン19を経て気泡管18に流入して
    気泡管18を気泡ポンプとして稼働させ、気泡管18の
    下部の吸引口20から貧酸素水等を吸引して水面近くへ
    引き上げる請求項1または請求項2記載の深水の溶存酸
    素増強装置。
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