JP4561916B2 - 無線通信装置及び無線通信方法、信号処理装置及び信号処理方法、並びにコンピューター・プログラム - Google Patents

無線通信装置及び無線通信方法、信号処理装置及び信号処理方法、並びにコンピューター・プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP4561916B2
JP4561916B2 JP2008281386A JP2008281386A JP4561916B2 JP 4561916 B2 JP4561916 B2 JP 4561916B2 JP 2008281386 A JP2008281386 A JP 2008281386A JP 2008281386 A JP2008281386 A JP 2008281386A JP 4561916 B2 JP4561916 B2 JP 4561916B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
channel
channel matrix
phase error
wireless communication
estimation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008281386A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010109835A (ja
Inventor
亮 澤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2008281386A priority Critical patent/JP4561916B2/ja
Priority to US12/565,336 priority patent/US8379763B2/en
Priority to CN200910208192A priority patent/CN101729483A/zh
Publication of JP2010109835A publication Critical patent/JP2010109835A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4561916B2 publication Critical patent/JP4561916B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L27/00Modulated-carrier systems
    • H04L27/26Systems using multi-frequency codes
    • H04L27/2601Multicarrier modulation systems
    • H04L27/2647Arrangements specific to the receiver only
    • H04L27/2655Synchronisation arrangements
    • H04L27/2668Details of algorithms
    • H04L27/2673Details of algorithms characterised by synchronisation parameters
    • H04L27/2675Pilot or known symbols
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L25/00Baseband systems
    • H04L25/02Details ; arrangements for supplying electrical power along data transmission lines
    • H04L25/0202Channel estimation
    • H04L25/0204Channel estimation of multiple channels
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L25/00Baseband systems
    • H04L25/02Details ; arrangements for supplying electrical power along data transmission lines
    • H04L25/0202Channel estimation
    • H04L25/0224Channel estimation using sounding signals
    • H04L25/0226Channel estimation using sounding signals sounding signals per se
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L25/00Baseband systems
    • H04L25/02Details ; arrangements for supplying electrical power along data transmission lines
    • H04L25/0202Channel estimation
    • H04L25/0224Channel estimation using sounding signals
    • H04L25/0228Channel estimation using sounding signals with direct estimation from sounding signals
    • H04L25/023Channel estimation using sounding signals with direct estimation from sounding signals with extension to other symbols
    • H04L25/0236Channel estimation using sounding signals with direct estimation from sounding signals with extension to other symbols using estimation of the other symbols
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L27/00Modulated-carrier systems
    • H04L27/26Systems using multi-frequency codes
    • H04L27/2601Multicarrier modulation systems
    • H04L27/2647Arrangements specific to the receiver only
    • H04L27/2655Synchronisation arrangements
    • H04L27/2657Carrier synchronisation

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Radio Transmission System (AREA)
  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Description

本発明は、1以上の送受信アンテナで構成される無線通信システムにおいて受信動作を行なう無線通信装置及び無線通信方法、信号処理装置及び信号処理方法、並びにコンピューター・プログラムに係り、特に、パケットの先頭に付加された既知情報シンボルを用いてチャネル推定を実施する無線通信装置及び無線通信方法、信号処理装置及び信号処理方法、並びにコンピューター・プログラムに関する。
旧来の有線通信方式における配線から解放するシステムとして、無線ネットワークが注目されている。無線ネットワークに関する標準的な規格として、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11やIEEE802.15を挙げることができる。例えばIEEE802.11a/gでは、無線LANの標準規格として、マルチキャリア方式の1つであるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)変調方式が採用されている。
また、IEEE802.11a/gの規格では最大で54Mbpsの通信速度を達成する変調方式をサポートしているが、さらなる高ビットレートを実現できる次世代の無線LAN規格が求められている。無線通信の高速化を実現する技術の1つとして、MIMO(Multiple Input Multiple Output)通信が注目を集めており、IEEE802.11の拡張規格であるIEEE802.11nではOFDM_MIMO通信方式を採用している。
MIMOとは、送信機側と受信機側の双方において複数のアンテナ素子を備え、空間多重したストリームを実現する通信方式である。送信側では、複数の送信データに空間/時間符号を施して多重化し、複数本の送信アンテナに分配してチャネルに送信する。これに対し、受信側では、チャネル経由で複数本の受信アンテナにより受信した受信信号を空間/時間復号を施して複数の送信データに分離して、ストリーム間のクロストークなしに元のデータを得ることができる。MIMO通信方式によれば、周波数帯域を増大させることになく、アンテナ本数に応じて伝送容量の拡大を図り、通信速度向上を達成することができる。また、空間多重を利用するので、周波数利用効率はよい。MIMOはチャネル特性を利用した通信方式であり、単なる送受信アダプティブ・アレーとは相違する。
MIMO通信では、空間多重された受信信号から元の各ストリーム信号を空間分離するためには、何らかの方法によりチャネル行列Hを取得するとともに、さらに所定のアルゴリズムによってチャネル行列Hから複数のストリームの空間多重・空間分離処理を行なうための受信重み行列Wを算出する必要がある。
チャネル行列Hは、一般的には、送信側並びに受信側で既知のトレーニング系列を送受信することで、実際に受信された信号と既知系列との差分によってチャネルの推定を行ない、送受アンテナ組み合わせ分の経路のチャネル応答要素を行列形式に並べたものである。送信側アンテナ本数がNで受信側アンテナ本数がMのときは、チャネル行列はM×N(行×列)の行列となる。したがって、送信機からN個のトレーニング系列を送信し、受信機では受信したトレーニング系列を用いてチャネル行列Hを取得することができる。
また、受信重み行列Wをチャネル行列Hから求める比較的簡単なアルゴリズムとして、完全にクロストークを取り除く論理に基づいてチャネル行列Hの逆行列H-1を単純に受信重み行列に用いるZero Force(ゼロ化規範)や、信号電力と2乗エラー(クロストーク電力と雑音電力の和)の比すなわちSNRを最大化する論理に基づいてチャネル行列Hから受信重み行列Wを算出するMMSE(MinimumMean Square Error)受信方式が挙げられる。MMSEは、受信機の雑音電力の概念を導入し、クロストークを意図的に発生させて受信重み行列Wを求めるアルゴリズムであり、雑音が大きい環境下では、Zero ForceよりもMMSEの方が優れていることが知られている。この他、考え得るすべての送信信号系列パターンとのマッチングにより最尤の送信系列を推定するMLD(Maximum Likelihood Detection)受信方式が最も高いパフォーマンスを示す受信方式であることが知られている。例えば、OFDM変調に複数アンテナを用いた空間・時間多重通信を組み合わせた多重信号をMLD方式で復号処理する受信機について提案がなされている(例えば、特許文献1を参照のこと)。MMSEは線形領域における波形等化アルゴリズムに分類され、MLDは非線形領域における波形等化アルゴリズムに分類される。
ところで、無線通信では種々のRF(Radio Frequency)回路の不完全性のために、受信シンボルにさまざまなエラー成分が印加されることが懸念される。例えば、送信機と受信機でそれぞれ使用する発振器間の基準周波数ずれに起因して、受信シンボルには周波数オフセットが含まれる。
OFDM変調方式を適用する通信システムの場合、周波数オフセットのためにOFDMシンボル毎に一定の位相エラー成分(e)が生じ、これがチャネル推定値に影響を与えるという問題が懸念される。
通常、パケットの先頭に既知情報シンボルの繰り返しからなるプリアンブルが付加されており、受信機側では、プリアンブルを検出すると、これに続いて、精密な受信タイミングの確認や受信信号電力の正規化(AGCゲインの設定)を行ない、さらには周波数オフセット推定及び補正、SNR(Signal to Noise Ratio)推定、チャネル推定してから、データ・シンボルを復調する。しかしながら、ノイズの影響などによって、完全な周波数オフセット値を推定することは困難であり、また、周波数オフセットを補正した後も数百Hzのレベルで周波数オフセット成分が残留する。
残留周波数オフセットの影響は、OFDMシンボル毎にすべてのサブキャリアが位相エラー成分(e)に応じて一様に回転するという現象として現れる。パケットが長くなればなるほど、残留周波数オフセットは位相エラー成分(e)が1シンボル毎に蓄積加算される。多値変調モードの場合には、位相点(constallation point)が一定間隔毎に回転するため、復号エラーの主因となり、通信品質を劣化させてしまう。
例えば、データ・シンボルに含まれるパイロット・トーンを用いて、周波数オフセットの残留値を推定し、シンボル単位あるいはシンボル間で蓄積加算して補正を行なうことができる(周知)。
MMSEなどの一般的なMIMO受信アルゴリズムを用いる場合には、パイロット・トーンを用いた対策で十分な復号性能を得ることができる思料される。これに対し、MLD受信アルゴリズムのように、大幅な特性改善が見込まれるMIMO受信アルゴリズムを採用する場合には、残留周波数オフセットによる位相エラー成分がチャネル推定値に与える影響無視できないレベルの特性劣化として現れることが、本発明者らの考察により判ってきた。
米国特許第6,618,454号公報
本発明の目的は、1以上の送受信アンテナで構成される無線通信システムにおいて、パケットの先頭に付加された既知情報シンボルを用いてチャネル推定を実施し好適に受信動作を行なうことができる、優れた無線通信装置及び無線通信方法、信号処理装置及び信号処理方法、並びにコンピューター・プログラムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、初期の周波数オフセット補正を行なった後の残留周波数オフセットの影響を抑制して、チャネル推定精度の低下に起因する復号特性の劣化を防ぐことができる、優れた無線通信装置及び無線通信方法、信号処理装置及び信号処理方法、並びにコンピューター・プログラムを提供することにある。
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、本願の請求項1に記載の発明は、1以上の送受信アンテナで構成される無線通信システムにおいて受信動作を行なう無線通信装置であって、
前記送受信アンテナ間のチャネル応答要素からなるチャネル行列を推定するチャネル行列推定部と、
受信パケットのプリアンブル中の符号化送信された情報シンボルの復号結果に基づいて、受信信号に含まれる位相ノイズ、クロックずれ、周波数オフセットに起因する位相エラーを推定する位相エラー推定部と、
前記チャネル行列を用いて受信パケットのデータ・シンボルを波形等化する波形等化部と、
を具備し、
前記チャネル行列推定部より供給されるチャネル行列の各チャネル応答要素から、前記位相エラー推定部で推定された位相エラーによるチャネル推定値のエラーを除去して本来のチャネル応答要素を導出し、前記波形等化部では該本来のチャネル応答要素からなるチャネル行列を用いて前記データ・シンボルを波形等化する、
ことを特徴とする無線通信装置である。
また、本願の請求項2に記載の発明によれば、上記の無線通信装置は、受信パケットのプリアンブルに含まれる既知情報シンボルを用いて第1のチャネル行列を取得するチャネル行列取得部と、前記受信パケットのプリアンブル中の符号化送信された情報シンボルの復号結果を変調して送信シンボルのレプリカを生成する変調部と、前記送信シンボルのレプリカと、受信シンボルと、前記チャネル行列取得部で取得した前記第1のチャネル行列を用い、前記第1のチャネル行列のフェージング変動成分に対するエラー成分を処理して第2のチャネル行列に更新するチャネル更新部をさらに備え、前記チャネル行列推定部は、前記第1及び第2のチャネル行列を基に、前記波形等化部に供給するチャネル行列を決定するように構成されている。
また、本願の請求項3に記載の発明によれば、上記の無線通信装置は、前記受信パケットのプリアンブル中の符号化送信された情報シンボルの復号結果を変調して送信シンボルのレプリカを生成する変調部をさらに備え、前記位相エラー推定部は、前記送信シンボルのレプリカと、受信シンボルと、前記チャネル行列を用いて、位相エラーを推定するように構成されている。
また、本願の請求項4に記載の発明によれば、上記の無線通信装置は、前記受信パケットのプリアンブル中の符号化送信された情報シンボルの復号結果を取得する前に、前記チャネル推定部がチャネル推定結果を準備し、使用する場合において、前記受信パケットのプリアンブル中の符号化送信された情報シンボルの復号結果を取得した後に、前記波形等化部は、前記チャネル行列推定部が推定したチャネル行列から前記位相エラー推定部で推定された位相エラー成分を除去するように構成されている。
また、本願の請求項5に記載の発明によれば、前記送信アンテナからは前記既知情報シンボルを直交化して複数個まとめて送信される場合において、上記の無線通信装置は、チャネル行列をチャネル応答要素に分離して使用する場合において、前記波形等化部は、前記位相エラー推定部が前記受信パケットのプリアンブル中の符号化送信された情報シンボルの復号結果を基に推定した位相エラーを用いて、同じ受信アンテナで受信した信号間で隣り合う既知情報シンボルからの干渉成分を除去するように構成されている。
また、本願の請求項6に記載の発明によれば、前記送信アンテナ毎に前記既知情報シンボルが時分割して送信される場合において、上記の無線通信装置は、前記波形等化部は、前記位相エラー推定部が前記受信パケットのプリアンブル中の符号化送信された情報シンボルの復号結果を基に推定した位相エラーを用いて、同じ受信アンテナで受信した信号間で、後続の既知情報シンボルの位相エラー成分を除去するように構成されている。
また、本願の請求項7に記載の発明によれば、前記送信アンテナ毎に前記既知情報シンボルが周波数軸上の複数のサブキャリアに周波数分割して送信される場合において、上記の無線通信装置は、前記位相エラー推定部が前記受信パケットのプリアンブル中の符号化送信された情報シンボルの復号結果を基に推定した位相エラーを用いて、同じ受信アンテナで受信した信号間で、後続の既知情報シンボルに含まれるサブキャリアに対する位相エラー成分を除去するように構成されている。
また、本願の請求項8に記載の発明によれば、パケットのプリアンブルにおいて、符号化送信される情報シンボルの前に、前記チャネル行列推定部がチャネル行列の推定に用いる既知情報シンボルが配置される送信フォーマットが適用されている場合において、上記の無線通信装置は、前記チャネル行列推定部がエラー成分を含んだままチャネル推定を行なった後、前記位相エラー推定部が前記符号化送信された情報シンボルの復号結果に基づいて位相エラー成分を推定し、前記チャネル行列の各チャネル応答要素から前記位相エラー成分を除去してから、前記波形等化部でその後のシンボルを波形等化するように構成されている。
また、本願の請求項9に記載の発明によれば、上記の無線通信装置は、前記位相エラー推定部が、数シンボルにわたって推定した位相エラーを平均化するように構成されている。
また、本願の請求項10に記載の発明は、1以上の送受信アンテナで構成される無線通信システムにおいて受信動作を行なう無線通信方法であって、
前記送受信アンテナ間のチャネル応答要素からなるチャネル行列を推定するチャネル行列推定ステップと、
前記受信パケットのプリアンブル中の符号化送信された情報シンボルの復号結果に基づいて、受信信号に含まれる位相ノイズ、クロックずれ、周波数オフセットに起因する位相エラーを推定する位相エラー推定ステップと、
前記チャネル行列推定ステップにおいて推定したチャネル行列の各チャネル応答要素から、前記位相エラー推定ステップにおいて推定された位相エラーによるチャネル推定値のエラーを除去して本来のチャネル応答要素を導出するチャネル行列補正ステップと、
該本来のチャネル応答要素からなるチャネル行列を用いて前記データ・シンボルを波形等化する波形等化ステップと、
を有することを特徴とする無線通信方法である。
また、本願の請求項11に記載の発明は、1以上の送受信アンテナで構成される無線通信システムにおける受信信号を処理する信号処理装置であって、
前記送受信アンテナ間のチャネル応答要素からなるチャネル行列を推定するチャネル行列推定部と、
受信パケットのプリアンブル中の符号化送信された情報シンボルの復号結果に基づいて、受信信号に含まれる位相ノイズ、クロックずれ、周波数オフセットに起因する位相エラーを推定する位相エラー推定部と、
前記チャネル行列推定部より供給されるチャネル行列の各チャネル応答要素から、前記位相エラー推定部で推定された位相エラーによるチャネル推定値のエラーを除去して本来のチャネル応答要素を導出するチャネル推定精度向上部と、
を具備することを特徴とする信号処理装置である。
また、本願の請求項12に記載の発明は、1以上の送受信アンテナで構成される無線通信システムにおける受信信号を処理する信号処理方法であって、
前記送受信アンテナ間のチャネル応答要素からなるチャネル行列を推定するチャネル行列推定ステップと、
受信パケットのプリアンブル中の符号化送信された情報シンボルの復号結果に基づいて、受信信号に含まれる位相ノイズ、クロックずれ、周波数オフセットに起因する位相エラーを推定する位相エラー推定ステップと、
前記チャネル行列推定ステップにおいて推定されたチャネル行列の各チャネル応答要素から、前記位相エラー推定ステップにおいて推定された位相エラーによるチャネル推定値のエラーを除去して本来のチャネル応答要素を導出するチャネル推定精度向上ステップと、
を有することを特徴とする信号処理方法である。
また、本願の請求項13に記載の発明は、1以上の送受信アンテナで構成される無線通信システムにおいて無線通信装置が受信動作するための処理をコンピューター上で実行するようにコンピューター可読形式で記述されたコンピューター・プログラムであって、前記コンピューターを、
前記送受信アンテナ間のチャネル応答要素からなるチャネル行列を推定するチャネル行列推定部、
受信パケットのプリアンブル中の符号化送信された情報シンボルの復号結果に基づいて、受信信号に含まれる位相ノイズ、クロックずれ、周波数オフセットに起因する位相エラーを推定する位相エラー推定部、 前記チャネル行列を用いて受信パケットのデータ・シンボルを波形等化する波形等化部、
として機能させ、
前記チャネル行列推定部より供給されるチャネル行列の各チャネル応答要素から、前記位相エラー推定部で推定された位相エラーによるチャネル推定値のエラーを除去して本来のチャネル応答要素を導出し、前記波形等化部では該本来のチャネル応答要素からなるチャネル行列を用いて前記データ・シンボルを波形等化する、
ことを特徴とするコンピューター・プログラムである。
本願の請求項13に係るコンピューター・プログラムは、コンピューター上で所定の処理を実現するようにコンピューター可読形式で記述されたコンピューター・プログラムを定義したものである。換言すれば、本願の請求項13に係るコンピューター・プログラムをコンピューターにインストールすることによって、コンピューター上では協働的作用が発揮され、本願の請求項1に係る無線通信装置と同様の作用効果を得ることができる。
本発明によれば、1以上の送受信アンテナで構成される無線通信システムにおいて、パケットの先頭に付加された既知情報シンボルを用いてチャネル推定を実施し好適に受信動作を行なうことができる、優れた無線通信装置及び無線通信方法、信号処理装置及び信号処理方法、並びにコンピューター・プログラムを提供することができる。
また、本発明によれば、初期の周波数オフセット補正を行なった後の残留周波数オフセットの影響を抑制して、チャネル推定精度の低下に起因する復号特性の劣化を防ぐことができる、優れた無線通信装置及び無線通信方法、信号処理装置及び信号処理方法、並びにコンピューター・プログラムを提供することができる。
本願の請求項1、10乃至13に記載の発明によれば、1つ以上の送受信アンテナを備える無線通信システムにおいて、受信機側となる無線通信装置は、2つ以上の既知情報シンボルを用いてチャネル推定を実施する際に、符号化送信された情報シンボル部の復号結果を用いて、位相ノイズ、クロックずれや周波数オフセット量を推定して補正精度を向上させることで、これらの推定エラーにより生じるチャネル推定精度の低下による復号特性の劣化を防ぐことができる。
また、本願の請求項2に記載の発明によれば、例えばLMSアルゴリズムをベースにして、送信シンボルのレプリカと、受信シンボルと、推定されたチャネル行列を用いて、チャネル行列のフェージング変動成分を推定し、この変動成分に対するエラー成分を更新して、チャネル行列の推定精度を向上させることができる。
また、本願の請求項3に記載の発明によれば、送信シンボルのレプリカと、受信シンボルと、推定されたチャネル行列を用いて、対象シンボル間の位相エラー成分を推定することができ、推定されたチャネル行列の各チャネル応答要素からこの位相エラー成分を除去して追い込みをかけることによって、チャネル行列の推定精度を向上させることができる。
また、本願の請求項4に記載の発明によれば、符号化送信された情報シンボル部の復号結果取得の前に、チャネル推定結果を準備し、使用する必要がある場合には、符号化送信された情報シンボル部の復号結果を取得した後に、チャネル推定値に含まれる周波数オフセット成分を除去することで、チャネル推定精度の劣化の蓄積を防ぐことができる。
また、本願の請求項5に記載の発明によれば、複数の送信アンテナからのチャネル応答を伝達するための方法として、複数のアンテナからの既知情報シンボルが互いに直交化されるように複数個まとめて送信し、受信側で各送信アンテナからのチャネル応答要素に分離して使用する場合には、受信機側では、符号化送信された情報シンボル部の復号結果により得られる周波数オフセット成分を用いて、同じアンテナで受信した信号間で、互いに隣り合う既知情報シンボルからの干渉成分を除去することで、チャネル推定精度の劣化の蓄積を防ぐことができる。
また、本願の請求項6に記載の発明によれば、複数の送信アンテナからのチャネル応答を伝達するための方法として、アンテナ毎に既知情報シンボルを時分割して送信する場合において、受信機側では、符号化送信された情報シンボル部の復号結果により得られる周波数オフセット成分を用いて、同じアンテナで受信した信号間で、後続の既知情報シンボルの位相エラー成分を除去することで、チャネル推定精度の劣化の蓄積を防ぐことができる。
また、本願の請求項7に記載の発明によれば、複数の送信アンテナからのチャネル応答を伝達するための方法として、アンテナ毎に既知情報シンボルを周波数分割して送信する場合には、受信機側では、符号化送信された情報シンボル部の復号結果により得られる周波数オフセット成分を用いて、同じアンテナで受信した信号間で、後続の既知情報シンボルに含まれるサブキャリアに対する位相エラー成分を除去することで、チャネル推定精度の劣化の蓄積を防ぐことができる。
また、本願の請求項8に記載の発明によれば、符号化送信された情報シンボル部の前に、チャネル推定を行なうための既知情報シンボルが配備されている送信フォーマットの場合には、受信機側では、一度、エラー成分を含んだままチャネル推定を行ない、その後に続く、符号化送信された情報シンボルを復号し、エラー成分を推定してから、チャネル推定値に含まれる周波数オフセット成分を除去して、その後のシンボルに用いることで、チャネル推定精度の劣化の蓄積を防ぐことができる。
また、本願の請求項9に記載の発明によれば、受信機は、符号化送信された情報シンボル部の復号結果を用いる際に、数シンボル分の推定値に対する平均化を行なった上で、エラー成分の精度を向上させてから、チャネル推定値に含まれる周波数オフセット成分を除去して、その後のシンボルに用いることで、チャネル推定精度の劣化の蓄積を防ぐことができる。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
本発明は、主に1以上の送受信アンテナで構成されるMIMO通信システムにおいて受信動作を行なう無線通信装置に関する。MIMO伝送される受信信号を等化処理するために必要な受信重み行列Wは、例えば、MMSEやMLDなどのアルゴリズムを用いて推定チャネル行列Hから算出することができる。
また、RF回路の不完全性のために、受信信号には周波数オフセットが含まれる。一般に、受信機側では、パケット先頭に付加された既知情報シンボルを用いて周波数オフセットの推定及び補正を行ない、さらにデータ・シンボル中のパイロット・トーンを用いて残留周波数オフセットの除去を行なう。MMSEなどの一般的なMIMO受信アルゴリズムを用いる場合にはこの対策で十分であると思料される。これに対し、MLD受信アルゴリズムのように、大幅な特性改善が見込まれるMIMO受信方式を採用する場合には、このエラー成分が無視できないレベルの特性劣化として現れることが、本発明者らの考察により判ってきた。
以下では、周波数オフセットが存在した場合のチャネル推定値に与える影響についてまず説明する。
図1には、2×2の送受信アンテナで構成される無線通信システムにおいて、送信機が複数のアンテナから既知情報シンボルからなるトレーニング・シーケンスを空間多重して送信し、受信機側で分離してチャネル行列を生成する様子を示している。送信機は、例えば、ウォルシュ行列などの直交行列を用いて複数の送信信号を空間多重することができる。
例えばIEEE802.11nで規定される無線通信システムでは、送信機側からは、送信アンテナ1と送信アンテナ2からのトレーニング・シーケンスLTF(Long Training Sequence)を、シンボル間で直交化させた上で多重化し伝送することで、受信機側での受信ブランチ間の受信電力のばらつきを防ぎ、受信ダイナミック・レンジの低減を図る。図1に示した2×2の送受信アンテナ構成の場合、2個のOFDMシンボルにわたって、多重化されたトレーニング・シーケンスを伝送する。
各送信アンテナからの2つのデータ・ストリーム(x0,x1)を送信する場合、受信機側の受信アンテナ1及び受信アンテナ2での受信信号をそれぞれY1stltf、Y2ndltfとおくと、下式(1)のように表すことができる。
Figure 0004561916
したがって、受信機側ではY1stltfとY2ndltfを得て互いに加減算することで、下式(2)に示すようなチャネル行列Hを取得することができる。
Figure 0004561916
しかしながら、実際には、周波数オフセットなどに起因するエラー成分を完全に除去することができないため、OFDMシンボル間に一定の位相エラー成分(e)が生じて直交くずれが生じる。この場合、下式(3)に示すようにエラー成分を含んだチャネル行列H´を取得することになる。図2には、下式(3)に示すチャネル行列H´の各要素に含まれるエラー成分を、点線の枠で囲って示しておく。
Figure 0004561916
上式(3)に含まれるエラー成分がチャネル推定結果のエラーとなり、復号特性を劣化させる。ちなみに、上式(3)中の複素ベクトルを、a、b、c、d、そしてKとして簡略化すると、下式(4)のように表すことができる。
Figure 0004561916
位相エラー成分(e)が十分小さい場合には、ノイズ成分を無視すると、上式(3)でエラーのないチャネル行列Hを取得できることが分かる。なお、上式(3)中のx1/x0、x0/x1は、通常、2値で変調された隣り合う既知情報シンボル間の符号の違いを示しており、同相か逆相かに応じて1か−1の値に決定される。
図3には、上式(3)あるいは上式(4)で表した特性劣化の一例をシミュレーション結果で示している。同シミュレーションでは、位相エラー成分(e)が十分小さいと判断できる周波数オフセット量を示し、上式(3)で示したチャネル推定結果のエラーが与える影響を明確化するものである。シミュレーション・モデルを以下に示しておく。
Figure 0004561916
図3に示したシミュレーション結果は、64QAM(Quadrature Amplitude Modulation)の複数ストリーム伝送を行なうケースに対しては、データ・シンボル部の位相エラーを完全に推定できたとしても、上式(3)に示したチャネル推定結果のエラーが与える影響は非常に大きいことを示している。チャネル推定を行なうOFDMシンボル間に高々1度の位相エラーが存在すると、MLD受信特性のMMSE受信特性に対するマージンを維持できなくなってしまう(すなわち、MLD特性の優位性を保てない)ことが分かる。
図3に示したシミュレーションにおいてモデルとして用いた周波数オフセット量は、先頭プリアンブル部分で初期周波数オフセット補正を施した後のエラー成分(すなわち、残留周波数オフセット成分)の代表例である。したがって、受信特性の劣化を抑えるには、チャネル行列を用いた処理の事前に残留エラー成分(すなわち、上式(3)中のej(Δ))をできる限り低く抑えこむ必要がある。
以下では、複数の受信アンテナを備えたMIMO受信機においてチャネル情報更新ループを応用してチャネル推定精度を向上させる方法について説明する。
図4には、本発明の一実施形態に係るMIMO受信機の構成を示している。図示の受信機100のアンテナ本数(若しくは、受信ブランチ数)はMであり、このMは例えばIEEE仕様準拠であれば最大4本である。以下で説明する受信機100は、送信ブランチ毎のストリームがビーム・フォーミング送信されたパケットを受信するものとする。
チャネルを通して受信機100の各受信ブランチに届いたデータは、それぞれの受信アンテナ・ブランチにおいて、まずRF部101でアナログ処理が施される。RF(Radio Frequency)部101内では、低雑音アンプ(Low Noise Amplifier:LNA)による増幅処理、RF周波数帯の受信信号のダウンコンバート、受信信号の電力がADコンバータ102のダイナミック・レンジに収まるように正規化するAGC(Automatic Gain Control:自動利得制御)、アナログ低域フィルタ(Low Pass Filter:LPF)による所望帯域以外の信号成分の除去などが行なわれる。
各受信ブランチでの受信信号は、ADコンバータ(Analog to Digital Converter:ADC)102によりアナログ受信信号をディジタル信号に変換した後、ディジタル・フィルタ103に入力され、低域成分が除去される。
同期処理部104では、プリアンブルの前段で比較的短いトレーニング・シーケンス(L−STS)がバースト伝送される区間(後述)の自己相関処理によって粗い同期タイミングを検出するとともに、プリアンブルの後段で比較的長いトレーニング・シーケンス(L−LTS)がバースト伝送される区間(L−LTF)の相互相関処理によって詳細な同期タイミングを確定させる。
なお、同期処理部104内では、同期タイミングの検出に付随して、初期の周波数オフセット推定、ノイズ・レベル(若しくはSNR)推定、RF部101内のAGCのゲイン・コントロールなどの処理が行なわれるものとする。例えば、L−LTF区間でLTSの繰り返し周期での自己相関を求めて、LTSの繰り返し周期毎の位相回転量を計測することによって、周波数オフセットを推定することができる。また、L−STF区間でパケット発見した後に、L−LTF区間でLTSの繰り返し周期で信号電力とノイズ電力を算出し、SNRを推定することができる。
受信ブランチ毎のFFT部105は、データ送信区間の先頭に付加されたガード・インターバルを除去した後、時間軸上の受信信号に高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:FFT)を施して、周波数軸信号に変換する。
波形等化部106は、ビーム・フォーミングされたMIMO受信信号(パケットのデータ・シンボル部分)を波形等化する。具体的には、受信パケットのプリアンブル部分を用いて推定されるチャネル行列Hを基にアンテナ受信重み行列Wを計算し、各受信ストリームを要素とする受信ベクトルとアンテナ受信重み行列Wと行列乗算することで空間多重信号の空間復号を行ない、ストリーム毎に独立した信号系列を得る。
チャネル行列取得部110は、受信パケットのプリアンブルに含まれる既知情報シンボルを用いてチャネル行列Hを推定する。また、チャネル更新部109は、チャネル行列のフェージング変動成分に対するエラー成分を更新する。そして、チャネル行列補正部111は、チャネル行列取得部110並びにチャネル更新部109からそれぞれ供給されるチャネル行列Hold、Hnewを基に波形等化部106に供給すべきチャネル行列Hを決定する。本実施形態では、さらに、位相エラー推定部112が上記プリアンブル中の符号化送信された情報プリアンブルの復号結果を基に残留周波数オフセットなどに起因する位相エラー成分を推定し、波形等化部106ではこの位相エラー成分を基に、チャネル行列Hの各チャネル応答要素に対し残留周波数オフセット成分の追い込みをかけるようになっている。但し、チャネル行列推定処理の詳細については後述に譲る。
ここで、チャネル行列Hからアンテナ受信重みWを計算する方法として、信号電力と2乗エラー(クロストーク電力と雑音電力の和)の比すなわちSNRを最大化する論理に基づいてチャネル行列Hから受信重み行列Wを算出するMMSE(MinimumMean Square Error)アルゴリズム、あるいは、考え得るすべての送信信号系列パターンとのマッチングにより最尤の送信系列を推定するMLD(Maximum Likelihood Detection)アルゴリズムを用いることができる。但し、残留周波数オフセットに起因してチャネル行列Hに含まれる位相エラー成分を追い込まなければ、MLDの特性を発揮できないことを十分に理解されたい。
復号部107は、IQ信号空間上の受信信号をデマップし、さらにデインタリーブして、所定のデータレートでデパンクチャすると、複数の受信ストリームを1本のストリームに合成して出力する。送信前の状態に再現されたデータ・ストリームは、図示しない上位層プロトコル処理部に渡されるが、データ処理自体は本発明の要旨に直接関連しないので、ここでは説明を省略する。
一方、変調部108は、符号化されたシンボル部の復号結果を改めて変調処理して、受信シンボルYから送信シンボルXのレプリカを生成して、チャネル更新部109に供給する。チャネル更新部109は、送信シンボルXのレプリカを用いてチャネル行列を更新し、これをチャネル行列補正部111に供給する。
なお、ディジタル信号処理を行なう各ブロックは、図示しないタイムベース・コントローラ(TBC)により制御されており、処理を開始すべき時刻や終了する時刻、又は、処理に伴い必要となるパラメータなどがTBCから各ブロックに適時入力されるものとする。
図5には、図4に示した受信機が受信するパケット構造の一例として、IEEE802.11nで規定されている、Mixed Formatを示している。
ヘッダ部は、短い既知情報シンボルSTS(Short Training Sequence)がバースト的に伝送されるL−STF(Legacy Short Training Field)と、長い既知情報シンボル(Long Training Sequence)がバースト的に伝送されるL−LTF(Legacy Long Training Field)と、伝送レートやデータ長などを記載したL−SIG(Legacy SIGNAL Field)を含み、さらに、IEEE802.11nに特有のフォーマット(以下では、「HTフォーマット」とも呼ぶ)からなるプリアンブル(以下では、「HTプリアンブル」とも呼ぶ)及びデータ部が続く。
プリアンブルの用途に関して特に規定していない。但し、一般的な受信機では、0.8マイクロ秒の4個のSTSシンボルを用いて、受信機のゲイン設定やDCオフセットの補正を行ない、さらに残りの6個のSTSシンボルを用いて周波数オフセットの推定と補正、パケットの検出、並びに粗タイミング検出を行なう
HTプリアンブルは、HT−SIG、HT−STF、HT−LTFで構成される。HT−SIGには、PHYペイロード(PSDU:PLCP(Physical Layer Convergence Procedure) Service Data Unit)で適用されている伝送モード(MCS)やペイロードのデータ長などのHTフォーマットを解釈するために必要となる制御情報が記載される。また、HT−STFは、MIMOシステムにおけるAGC(自動利得制御)を向上するためのトレーニング・シンボルからなる。また、HT−LTFは、受信機側で空間変調(マッピング)された入力信号毎にチャネル推定を行なってチャネル行列を算出するためのトレーニング・シンボルからなる。
なお、2本以上の伝送ブランチを使用するMIMO通信の場合、受信機側では、受信信号の空間分離する、送受信アンテナ毎にチャネル推定してチャネル行列を獲得する必要がある。このため、送信機側では、各送信アンテナからHT−LTFを時分割で送信するようになっている。したがって、空間ストリーム数に応じて1以上のHT−LTFフィールドが付加されることになる。
図3に示したシミュレーション・モデルとして用いた周波数オフセット量は、先頭プリアンブルL−LTFでの初期の周波数オフセット補正を行なった後の残留周波数に起因するエラー成分の影響を表したものである。受信特性の劣化を抑えるには、チャネル行列Hを用いた処理を行なう前に、残留エラー成分eをで切る限り押さえ込む必要がある。
図4に示した受信機100では、チャネル更新部109は、LMS(Least Mean)アルゴリズムをベースにして、符号化されたシンボル部の復号結果を改めて変調処理して生成した送信シンボルXのレプリカと、受信シンボルYと、チャネル行列取得部110が取得したチャネル行列Hを用いて、下式(5)に従ってチャネル行列を更新する。但し、同式中のμは忘却係数である。また、行列に対する上付き文字Hは複素共役転置行列を示す。
Figure 0004561916
チャネル更新部109は、送信シンボルXのレプリカを用いて更新したチャネル行列Hnewをチャネル行列補正部111に渡す。そして、チャネル行列補正部111は、上式(5)に示す近似計算の下、変動成分を推定することで、チャネル行列のフェージング変動成分に対するエラー成分を更新することができる。
MMSEなどの一般的なMIMO受信アルゴリズムを用いる場合には、上記のようなチャネル行列のフェージング変動成分に対するエラー成分を更新するチャネル情報更新ループを用いた対策で十分な復号性能を得ることができる思料される。これに対し、MLD受信アルゴリズムのように、大幅な特性改善が見込まれるMIMO受信アルゴリズムを採用する場合には、残留周波数オフセットによる位相エラー成分がチャネル推定値に与える影響無視できないレベルの特性劣化として現れることが懸念される。
そこで、本実施形態に係る受信機100では、以上のチャネル情報更新ループを用いるとともに、さらに残留オフセット成分の追い込みを行なうようにしている。具体的には、符号化されたシンボル部の復号部107による復号結果を、改めて変調部108で変調処理して送信シンボルXのレプリカを生成すると、続いて位相エラー推定部112は、下式(6)に従って、隣り合うシンボル間の位相エラー成分Δθ[rad]を推定する(但し、フェージングによるチャネル変動はシンボル長に比べて充分に小さいと仮定する)。そして、波形等化部106では、この位相エラー成分Δθを用いて、チャネル行列補正部111から供給されるチャネル行列の各チャネル行列要素に対して追い込みを行なう。
Figure 0004561916
上式(7)において、Nは推定に用いるシンボル数、Mは受信機100の受信ブランチ数、Yは受信信号、Δは周波数オフセット・エラーにより生じるシンボル間の位相エラー推定結果の重み付け平均値である。エラー・ベクトルの大きさに応じた重みづけ平均を行なう方法や、ベクトル平均ではなく、回転角度平均をとる方法なども適用できる。
図6には、IEEE802.11nのMFパケット(前述並びに図5を参照のこと)の場合において、SIG部を用いて残留周波数オフセットを行なう仕組みを図解している。
送信機側からは、2本のアンテナから、L−LTFフィールドの2個の既知情報シンボルL1、L2が互いに直交するようにバースト的に送信され、続いて、L−SIGフィールドの1個の情報シンボルS0、並びに、H−SIGフィールドの2個のS1、S2が符号化送信され、さらにその後に、AGC向上などに用いられる既知情報シンボルHT−STF、チャネル行列算出用の既知情報シンボルHT−LTFが送信される。
時間領域での初期の周波数オフセット推定はL−LTFで終了し、その後、L−SIGと2つのHT−SIGの計3つの情報シンボルが符号化送信され、さらにその後にチャネル推定用の既知シーケンスHT−LTFが到来する。隣り合うシンボル間で生じる位相エラーをΔとすると、初期の周波数オフセット補正を行なった後、チャネル推定を開始するまでの間に、受信シンボルには3Δの残留周波数オフセットが蓄積されてしまう。L−LTFを受信処理してからHT−LTFが到来するのでの間、残留周波数オフセットを補正しないと、残留周波数オフセット3Δに相当する位相エラー成分を含んだチャネル行列H’’’を用いてMIMO波形等化処理を行なうことになるので、復号特性を劣化させてしまう。
これに対し、2個の直交化された既知情報シンボルからなるL−LTFを用いてチャネルの推定結果を準備し、チャネル行列Hを使用する前に、符号化送信された情報シンボル部L−SIG、HT−SIGの復号結果の取得が間に合う場合は、HT−LTFの前に、パケット同期部104で(言い換えれば時間領域で)周波数オフセット補正を行なって、上式(3)中のKを十分に小さく抑えることによって、チャネル推定精度を向上させることができる。(図示の例では、MIMO信号復号用すなわちチャネル推定用のシンボルであるHT−LTFの処理が始まる前シンボルとして、L−SIGと2つのHT−SIGの計3つの符号化送信された情報シンボル部が存在するので、上式(6)の推定に用いるシンボル数Nは3となる。)
そこで、本実施形態に係る受信機100では、復号部107で符号化送信された情報シンボル部L−SIG及びHT−SIGの復号結果を取得する前に、チャネル行列取得部110が既知情報シンボルL−LTFを用いてチャネルの推定結果Holdを準備して使用する必要がある場合には、符号化送信された情報シンボル部L−SIG及びHT−SIGの復号結果を復号部107で取得した後に、位相エラー推定部112が対象シンボル間で生じる位相エラーeを推定し、波形等化部106では(フェージング変動成分に対するエラー成分を更新した後の)チャネル行列Hからこの位相エラーによる推定エラー成分を除去することで、チャネル推定精度の劣化の蓄積を防ぐようにしている。
位相エラー推定部112により、上式(6)に示した手順で(Δ→K)が得られたら、これが波形等化部106に供給される。そして、波形等化部106では、下式(7)に従って、チャネル行列補正部111から渡されたチャネル行列H内の各チャネル応答要素h0、h1、h2、h3から位相エラーによるチャネル推定値のエラーを除去して、本来のチャネル応答要素a、b、c、dをそれぞれ導出する。但し、下式(7)中のLは、第1、第2シンボル目のトレーニング情報(上式(3)中におけるx0とx1)の符号の相違である。
Figure 0004561916
このようにして、位相エラーによる推定値のエラーを除去した、本来のチャネル行列のチャネル応答要素cを抽出することができる。ここで、Hは、本来のチャネル行列であり、Hαは位相エラー成分を含んだ状態で取得されたチャネル行列である。その他のチャネル応答要素a、b、dについても同様にして、抽出することができる。
以上の手順に従って、符号化送信された情報シンボル部の復号結果を取得する前に、チャネル推定結果を準備し、使用する必要がある場合にも、符号化送信された情報シンボル部の復号結果の取得後に、チャネル推定値に含まれる周波数オフセットや推定エラー成分を除去することで、チャネル推定精度の劣化の蓄積を防ぐことができる。
以上は、送信機側で各送信アンテナからの既知情報シンボルHT−LTFを直交化して複数個まとめて送信する場合における位相エラー成分の影響を除去する方法であり、本願の請求項5に相当する。すなわち、チャネル行列をチャネル応答要素に分離して使用する場合において、波形等化部106は、位相エラー推定部112が前記受信パケットのプリアンブル中の符号化送信された情報シンボルの復号結果を基に推定した位相エラーを用いて、同じ受信アンテナで受信した信号間で隣り合う既知情報シンボルからの干渉成分を除去するものである。
なお、上式(7)は、送信アンテナ及び受信アンテナがともに2本の通信システムにおいて適用される式であるが、送信アンテナN本と受信アンテナM本に拡張された場合にも同様にして(但し、N、M派生の整数であり、N又はMの少なくとも一方は3以上)、上式(7)を拡張し、送信シンボル間の位相エラーを順に補正していけばよい。図6に示したように、補正角eが蓄積される点に留意されたい。
続いて、送信機側から送信アンテナ毎に前記既知情報シンボルが時分割して送信する場合における位相エラー成分の影響を除去する方法について説明する。この場合、例えば波形等化部106内では、位相エラー推定部112が符号化送信された情報シンボルL−SIG、HT−SIGの復号結果を基に推定した位相エラーを用いて、同じ受信アンテナで受信した信号間で、後続の既知情報シンボルの位相エラー成分を除去することができる。この方法は、本願の請求項6に相当するが、下式(8)のように表すことができ、チャネル行列の補正も容易である。
Figure 0004561916
なお、上式(8)は、送信アンテナ及び受信アンテナがともに2本の通信システムにおいて適用される式であるが、送信アンテナN本と受信アンテナM本に拡張された場合にも同様にして、上式(8)を拡張し、送信シンボル間の位相ずれをチャネル行列の2行目以降から順に補正していけばよい。図6に示したように、補正角eが蓄積される点に留意されたい。
続いて、送信機側から送信アンテナ毎に前記既知情報シンボルが周波数軸上の複数のサブキャリアに周波数分割して送信における位相エラー成分の影響を除去する方法について説明する。OFDMなどの周波数多重伝送方式を用いた場合に限り、サブキャリア毎に対応した既知情報シンボルがそれぞれ何個目のシンボルで送られたかに依存する。この場合、位相エラー推定部112が符号化送信された情報シンボルL−SIG、HT−SIGの復号結果を基に推定した位相エラーを用いて、例えば波形等化部106内で同じ受信アンテナで受信した信号間で、後続の既知情報シンボルに含まれるサブキャリアに対する位相エラー成分を除去することができる。この方法は、本願の請求項7に相当するが、下式(9)のように表すことができる。
Figure 0004561916
上式(9)において、iは情報シンボル中のサブキャリアの通し番号に相当する値であり、Xiは、i番目のサブキャリアが、(何個目のシンボルで送られたか−1)の値を示す。(ここでのシンボルの定義は、受信FFT処理を行なう区間を示すものとする。)
なお、上式(9)は、送信アンテナ及び受信アンテナがともに2本からなり2本のストリームを伝送する通信システムに適用される式であるが、送信アンテナN本と受信アンテナM本に拡張された場合にも同様にして、上式(9)を拡張し、送信シンボル間の位相ずれを補正すればよい。図6に示したように、補正角eが蓄積される点に留意されたい。
最後に、上式(3)に含まれるエラー成分を除去したシミュレーション結果を図7に示している。図示の結果より、周波数オフセットが与えるチャネル推定エラーを除去することで、受信パケットのデータ・シンボル部の復調に対する周波数エラーへの耐性が向上することを理解できよう。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
本明細書では、主にIEEE802.11の拡張規格であるIEEE802.11nに適用した実施形態を中心に説明してきたが、本発明の要旨はこれに限定されるものではない。例えば、IEEE802.16eをベースとしたMobile WiMax(Worldwide Interoperability for Microwave)、移動体向けの高速無線通信規格であるIEEE802.20、60GHz(ミリ波)帯を使用する高速無線PAN(Personal Area Network)規格であるIEEE802.15.3c、60GHz(ミリ波)帯の無線伝送を利用して非圧縮のHD(High Definition)映像を伝送可能とするWireless HD、第4世代(4G)携帯電話など、MIMO通信方式を採用するさまざまな無線通信システムに対して、同様に本発明を適用することができる。
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
図1は、2×2の送受信アンテナで構成される無線通信システムにおいて、送信機が複数のアンテナから既知情報シンボルからなるトレーニング・シーケンスを空間多重して送信し、受信機側で分離してチャネル行列を生成する様子を示した図である。 図2は、チャネル行列H´の各要素に含まれるエラー成分を示した図である。 図3は、位相エラー成分に起因する特性劣化をシミュレーションした結果を示した図である。 図4は、本発明の一実施形態に係るMIMO受信機の構成を示した図である。 図5は、IEEE802.11nで規定されている、Mixed Formatのパケット構造を示した図である。 図6は、IEEE802.11nのMFパケットの場合において、SIG部を用いて残留周波数オフセットを行なう仕組みを説明するための図である。 図7は、上式(3)に含まれるエラー成分を除去したシミュレーション結果を示した図である。
符号の説明
100…受信機
101…RF部
102…ADC
103…ディジタル・フィルタ
104…パケット同期部
105…FFT部
106…波形等化部
107…復号部
108…変調部
109…チャネル更新部
110…チャネル行列取得部
111…チャネル行列補正部
112…位相エラー推定部

Claims (13)

  1. 1以上の送受信アンテナで構成される無線通信システムにおいて受信動作を行なう無線通信装置であって、
    前記送受信アンテナ間のチャネル応答要素からなるチャネル行列を推定するチャネル行列推定部と、
    受信パケットのプリアンブル中の符号化送信された情報シンボルの復号結果に基づいて、受信信号に含まれる位相ノイズ、クロックずれ、周波数オフセットに起因する位相エラーを推定する位相エラー推定部と、
    前記チャネル行列を用いて受信パケットのデータ・シンボルを波形等化する波形等化部と、
    を具備し、
    前記チャネル行列推定部より供給されるチャネル行列の各チャネル応答要素から、前記位相エラー推定部で推定された位相エラーによるチャネル推定値のエラーを除去して本来のチャネル応答要素を導出し、前記波形等化部では該本来のチャネル応答要素からなるチャネル行列を用いて前記データ・シンボルを波形等化する、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  2. 受信パケットのプリアンブルに含まれる既知情報シンボルを用いて第1のチャネル行列を取得するチャネル行列取得部と、
    前記受信パケットのプリアンブル中の符号化送信された情報シンボルの復号結果を変調して送信シンボルのレプリカを生成する変調部と、
    前記送信シンボルのレプリカと、受信シンボルと、前記チャネル行列取得部で取得した前記第1のチャネル行列を用い、前記第1のチャネル行列のフェージング変動成分に対するエラー成分を処理して第2のチャネル行列に更新するチャネル更新部をさらに備え、
    前記チャネル行列推定部は、前記第1及び第2のチャネル行列を基に、前記波形等化部に供給するチャネル行列を決定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 前記受信パケットのプリアンブル中の符号化送信された情報シンボルの復号結果を変調して送信シンボルのレプリカを生成する変調部をさらに備え、
    前記位相エラー推定部は、前記送信シンボルのレプリカと、受信シンボルと、前記チャネル行列を用いて、位相エラーを推定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  4. 前記受信パケットのプリアンブル中の符号化送信された情報シンボルの復号結果を取得する前に、前記チャネル推定部がチャネル推定結果を準備し、使用する場合において、前記受信パケットのプリアンブル中の符号化送信された情報シンボルの復号結果を取得した後に、前記波形等化部は、前記チャネル行列推定部が推定したチャネル行列から前記位相エラー推定部で推定された位相エラー成分を除去する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  5. 前記送信アンテナからは前記既知情報シンボルを直交化して複数個まとめて送信されており、
    チャネル行列をチャネル応答要素に分離して使用する場合において、前記波形等化部は、前記位相エラー推定部が前記受信パケットのプリアンブル中の符号化送信された情報シンボルの復号結果を基に推定した位相エラーを用いて、同じ受信アンテナで受信した信号間で隣り合う既知情報シンボルからの干渉成分を除去する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
  6. 前記送信アンテナ毎に前記既知情報シンボルが時分割して送信されており、
    前記波形等化部は、前記位相エラー推定部が前記受信パケットのプリアンブル中の符号化送信された情報シンボルの復号結果を基に推定した位相エラーを用いて、同じ受信アンテナで受信した信号間で、後続の既知情報シンボルの位相エラー成分を除去する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
  7. 前記送信アンテナ毎に前記既知情報シンボルが周波数軸上の複数のサブキャリアに周波数分割して送信されており、前記位相エラー推定部が前記受信パケットのプリアンブル中の符号化送信された情報シンボルの復号結果を基に推定した位相エラーを用いて、同じ受信アンテナで受信した信号間で、後続の既知情報シンボルに含まれるサブキャリアに対する位相エラー成分を除去する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
  8. パケットのプリアンブルにおいて、符号化送信される情報シンボルの前に、前記チャネル行列推定部がチャネル行列の推定に用いる既知情報シンボルが配置される送信フォーマットが適用されており、
    前記チャネル行列推定部がエラー成分を含んだままチャネル推定を行なった後、前記位相エラー推定部が前記符号化送信された情報シンボルの復号結果に基づいて位相エラー成分を推定し、前記チャネル行列の各チャネル応答要素から前記位相エラー成分を除去してから、前記波形等化部でその後のシンボルを波形等化する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  9. 前記位相エラー推定部は、数シンボルにわたって推定した位相エラーを平均化する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  10. 1以上の送受信アンテナで構成される無線通信システムにおいて受信動作を行なう無線通信方法であって、
    前記送受信アンテナ間のチャネル応答要素からなるチャネル行列を推定するチャネル行列推定ステップと、
    前記受信パケットのプリアンブル中の符号化送信された情報シンボルの復号結果に基づいて、受信信号に含まれる位相ノイズ、クロックずれ、周波数オフセットに起因する位相エラーを推定する位相エラー推定ステップと、
    前記チャネル行列推定ステップにおいて推定したチャネル行列の各チャネル応答要素から、前記位相エラー推定ステップにおいて推定された位相エラーによるチャネル推定値のエラーを除去して本来のチャネル応答要素を導出するチャネル行列補正ステップと、
    該本来のチャネル応答要素からなるチャネル行列を用いて前記データ・シンボルを波形等化する波形等化ステップと、
    を有することを特徴とする無線通信方法。
  11. 1以上の送受信アンテナで構成される無線通信システムにおける受信信号を処理する信号処理装置であって、
    前記送受信アンテナ間のチャネル応答要素からなるチャネル行列を推定するチャネル行列推定部と、
    受信パケットのプリアンブル中の符号化送信された情報シンボルの復号結果に基づいて、受信信号に含まれる位相ノイズ、クロックずれ、周波数オフセットに起因する位相エラーを推定する位相エラー推定部と、
    前記チャネル行列推定部より供給されるチャネル行列の各チャネル応答要素から、前記位相エラー推定部で推定された位相エラーによるチャネル推定値のエラーを除去して本来のチャネル応答要素を導出するチャネル推定精度向上部と、
    を具備することを特徴とする信号処理装置。
  12. 1以上の送受信アンテナで構成される無線通信システムにおける受信信号を処理する信号処理方法であって、
    前記送受信アンテナ間のチャネル応答要素からなるチャネル行列を推定するチャネル行列推定ステップと、
    受信パケットのプリアンブル中の符号化送信された情報シンボルの復号結果に基づいて、受信信号に含まれる位相ノイズ、クロックずれ、周波数オフセットに起因する位相エラーを推定する位相エラー推定ステップと、
    前記チャネル行列推定ステップにおいて推定されたチャネル行列の各チャネル応答要素から、前記位相エラー推定ステップにおいて推定された位相エラーによるチャネル推定値のエラーを除去して本来のチャネル応答要素を導出するチャネル推定精度向上ステップと、
    を有することを特徴とする信号処理方法。
  13. 1以上の送受信アンテナで構成される無線通信システムにおいて無線通信装置が受信動作するための処理をコンピューター上で実行するようにコンピューター可読形式で記述されたコンピューター・プログラムであって、前記コンピューターを、
    前記送受信アンテナ間のチャネル応答要素からなるチャネル行列を推定するチャネル行列推定部、
    受信パケットのプリアンブル中の符号化送信された情報シンボルの復号結果に基づいて、受信信号に含まれる位相ノイズ、クロックずれ、周波数オフセットに起因する位相エラーを推定する位相エラー推定部、
    前記チャネル行列を用いて受信パケットのデータ・シンボルを波形等化する波形等化部、
    として機能させ、
    前記チャネル行列推定部より供給されるチャネル行列の各チャネル応答要素から、前記位相エラー推定部で推定された位相エラーによるチャネル推定値のエラーを除去して本来のチャネル応答要素を導出し、前記波形等化部では該本来のチャネル応答要素からなるチャネル行列を用いて前記データ・シンボルを波形等化する、
    ことを特徴とするコンピューター・プログラム。
JP2008281386A 2008-10-31 2008-10-31 無線通信装置及び無線通信方法、信号処理装置及び信号処理方法、並びにコンピューター・プログラム Expired - Fee Related JP4561916B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008281386A JP4561916B2 (ja) 2008-10-31 2008-10-31 無線通信装置及び無線通信方法、信号処理装置及び信号処理方法、並びにコンピューター・プログラム
US12/565,336 US8379763B2 (en) 2008-10-31 2009-09-23 Wireless communication device, wireless communication method, signal processing device, signal processing method, and computer program
CN200910208192A CN101729483A (zh) 2008-10-31 2009-11-02 无线通信设备及方法、信号处理设备及方法和计算机程序

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008281386A JP4561916B2 (ja) 2008-10-31 2008-10-31 無線通信装置及び無線通信方法、信号処理装置及び信号処理方法、並びにコンピューター・プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010109835A JP2010109835A (ja) 2010-05-13
JP4561916B2 true JP4561916B2 (ja) 2010-10-13

Family

ID=42131362

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008281386A Expired - Fee Related JP4561916B2 (ja) 2008-10-31 2008-10-31 無線通信装置及び無線通信方法、信号処理装置及び信号処理方法、並びにコンピューター・プログラム

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8379763B2 (ja)
JP (1) JP4561916B2 (ja)
CN (1) CN101729483A (ja)

Families Citing this family (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010515287A (ja) * 2006-12-28 2010-05-06 日本電気株式会社 送信および受信ダイバーシチを含む通信受信機におけるデータ等化方法
JP4725628B2 (ja) * 2008-10-10 2011-07-13 ソニー株式会社 受信装置、受信方法、プログラム、及び無線通信システム
US20110194655A1 (en) * 2010-02-10 2011-08-11 Qualcomm Incorporated Methods and apparatus to perform residual frequency offset estimation and correction in ieee 802.11 waveforms
US10027518B2 (en) * 2010-02-12 2018-07-17 Lg Electronics Inc. Broadcasting signal transmitter/receiver and broadcasting signal transmission/reception method
US9887850B2 (en) 2010-02-12 2018-02-06 Lg Electronics Inc. Broadcasting signal transmitter/receiver and broadcasting signal transmission/reception method
JP5641787B2 (ja) * 2010-05-31 2014-12-17 シャープ株式会社 端末装置及びそれを用いた無線通信システム
KR101558613B1 (ko) 2010-07-22 2015-10-08 현대자동차주식회사 저주파 안테나용 구동 회로 및 이의 구동 파형 제어 방법
US8416759B1 (en) * 2010-07-30 2013-04-09 Applied Micro Circuits Corporations Carrier frequency offset and doppler frequency estimation and correction for OFDMA and SC-FDMA
US8494075B2 (en) * 2010-08-26 2013-07-23 Qualcomm Incorporated Single stream phase tracking during channel estimation in a very high throughput wireless MIMO communication system
JP5754139B2 (ja) * 2011-01-07 2015-07-29 富士通株式会社 合成型増幅器、送信機及び合成型増幅器制御方法
WO2012114413A1 (ja) * 2011-02-24 2012-08-30 三洋電機株式会社 受信装置
CN103166881B (zh) * 2011-12-16 2015-09-30 鼎桥通信技术有限公司 智能天线校准方法及系统
JP2013187817A (ja) * 2012-03-09 2013-09-19 Advantest Corp 測定装置、測定方法およびプログラム
EP2712138A3 (en) * 2012-09-24 2014-06-18 ST-Ericsson SA Interference cancellation technique for channel estimation in ofdm receivers
WO2014132599A1 (ja) * 2013-02-27 2014-09-04 パナソニック株式会社 受信装置、位相誤差推定方法、及び位相誤差補正方法
CN109245806B (zh) 2013-06-25 2020-01-17 华为技术有限公司 上行多用户数据传输方法及上行多用户输入输出系统
US9654308B2 (en) * 2014-11-19 2017-05-16 Intel Corporation Systems and methods for carrier frequency offset estimation for long training fields
US9660736B2 (en) * 2014-11-19 2017-05-23 Intel Corporation Systems, methods, and devices for interference mitigation in wireless networks
TWI530186B (zh) * 2014-12-26 2016-04-11 絡達科技股份有限公司 可消除交互干擾的調諧裝置及方法
WO2017201467A1 (en) * 2016-05-20 2017-11-23 Cohere Technologies Iterative channel estimation and equalization with superimposed reference signals
CN108496310B (zh) * 2016-07-20 2021-01-29 华为技术有限公司 一种信号解码方法、装置及设备
CN109257080B (zh) * 2018-09-07 2021-03-16 电子科技大学 大规模mimo系统下行链路中的多用户相位噪声补偿抑制方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006186732A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Sony Corp 無線通信装置及び無線通信方法
JP2006287690A (ja) * 2005-04-01 2006-10-19 Sony Corp 無線通信装置及び無線通信方法
JP2006295629A (ja) * 2005-04-12 2006-10-26 Sony Corp 無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法
JP2007089144A (ja) * 2005-08-24 2007-04-05 Matsushita Electric Ind Co Ltd Mimo−ofdm送信装置及びmimo−ofdm送信方法
JP2007110203A (ja) * 2005-10-11 2007-04-26 Sony Corp 無線通信システム、無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラム

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6618454B1 (en) * 1998-02-06 2003-09-09 At&T Corp. Diversity coded OFDM for high data-rate communication
US6862440B2 (en) * 2002-05-29 2005-03-01 Intel Corporation Method and system for multiple channel wireless transmitter and receiver phase and amplitude calibration
JP4367422B2 (ja) * 2006-02-14 2009-11-18 ソニー株式会社 無線通信装置及び無線通信方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006186732A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Sony Corp 無線通信装置及び無線通信方法
JP2006287690A (ja) * 2005-04-01 2006-10-19 Sony Corp 無線通信装置及び無線通信方法
JP2006295629A (ja) * 2005-04-12 2006-10-26 Sony Corp 無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法
JP2007089144A (ja) * 2005-08-24 2007-04-05 Matsushita Electric Ind Co Ltd Mimo−ofdm送信装置及びmimo−ofdm送信方法
JP2007110203A (ja) * 2005-10-11 2007-04-26 Sony Corp 無線通信システム、無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
US20100111157A1 (en) 2010-05-06
CN101729483A (zh) 2010-06-09
JP2010109835A (ja) 2010-05-13
US8379763B2 (en) 2013-02-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4561916B2 (ja) 無線通信装置及び無線通信方法、信号処理装置及び信号処理方法、並びにコンピューター・プログラム
JP4572968B2 (ja) パケット検出装置及びパケット検出方法、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピューター・プログラム
US8737189B2 (en) Method and system for compromise greenfield preambles for 802.11n
US7856068B1 (en) Nested preamble for multi input multi output orthogonal frequency division multiplexing
JP4367422B2 (ja) 無線通信装置及び無線通信方法
US20060227891A1 (en) Method of channel estimation for MIMO-OFDM using phase rotated low overhead preamble
JP2008530909A (ja) マルチアンテナ通信システムにおける短縮されたロングトレーニングフィールドによるプリアンブルトレーニングの方法及び装置
JP2010021941A (ja) 無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラム
JP4290210B2 (ja) 無線装置
JP2006295629A (ja) 無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法
JP3910956B2 (ja) Ofdm無線通信システムのための伝搬路推定器及びこれを用いた受信装置
JP4854315B2 (ja) 受信方法および装置
JP4753737B2 (ja) 無線装置
JP2009049632A (ja) 無線通信装置及び無線通信方法
JP4255908B2 (ja) マルチキャリア信号復調回路およびマルチキャリア信号復調方法
JP4794412B2 (ja) 受信方法ならびにそれを利用した受信装置および無線装置
JP4260722B2 (ja) マルチキャリア信号復調回路およびマルチキャリア信号復調方法
JP4591969B2 (ja) 通信方法ならびにそれを利用した無線装置および通信システム
JP2008022339A (ja) 無線通信装置及び無線通信方法
JP2008193223A (ja) 推定方法ならびにそれを利用した推定装置、受信装置および無線受信システム
JP4698536B2 (ja) 受信方法ならびにそれを利用した受信装置および無線装置
JP4902333B2 (ja) 受信方法ならびにそれを利用した受信装置および受信システム
JP2008193222A (ja) 推定方法ならびにそれを利用した推定装置、受信装置および受信システム
JP2008072246A (ja) 受信方法ならびにそれを利用した受信装置および無線装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100630

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100706

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100719

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130806

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130806

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees