JP2007110203A - 無線通信システム、無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラム - Google Patents

無線通信システム、無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 SVD−MIMO通信方式にMLD受信方式を組み合わせて、SVDとMLDそれぞれの演算量を低減しつつ、SVD本来の受信特性を改善する。
【解決手段】 送信機は、UDをLU分解して得た下三角行列Loを乗算して、本来の送信重みVを修正する。受信信号yは送信信号xに対角要素より上半分の要素がすべて0となる下三角行列Loを乗算したものとなり、受信系列の中には必ず1つの送信系列のみからなるものが含まれるから、まずクロストーク成分を含まない受信信号系列y1をMLD受信し、以降の受信信号系列ykでは、既に尤度判定されたすべてのクロストーク成分をキャンセルしてからMLD受信する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、空間多重を利用して複数の論理的なチャネルを形成したMIMO(Multi Input Multi Output)通信を適用した無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、送受信機間でチャネル情報を共有してクローズドループ型の空間多重伝送を行なう無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
さらに詳しくは、本発明は、受信機側においてチャネル行列HをUDVに特異値分解(SVD:Singular Value Decomposition)して受信重み行列(UD)H並びに送信重み行列Vを得るSVD−MIMO通信方式の無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、SVD−MIMO通信にMLD受信方式を適用してより高いパフォーマンスを実現する無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
旧来の有線通信方式における配線から解放するシステムとして、無線ネットワークが注目されている。無線ネットワークに関する標準的な規格として、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11などを挙げることができる。
例えばIEEE802.11a/gでは、無線LANの標準規格として、マルチキャリア方式の1つであるOFDM(Orthogonal FrequencyDivision Multiplexing:直交周波数分割多重)変調方式が採用されている。OFDM変調方式では、各サブキャリアがシンボル区間内で相互に直交するように各キャリアの周波数が設定されている。サブキャリアが互いに直交するとは、任意のサブキャリアのスペクトラムのピーク点が常に他のサブキャリアのスペクトラムのゼロ点と一致していることを意味する。OFDM変調方式によれば、送信データを周波数の異なる複数のキャリアに分配して伝送するので、各キャリアの帯域が狭帯域となり、周波数利用効率が非常に高く、周波数選択性フェージング妨害に強い。
また、IEEE802.11aの規格では最大で54Mbpsの通信速度を達成する変調方式をサポートしているが、さらなる高ビットレートを実現できる無線規格が求められている。
無線通信の高速化を実現する技術の1つとして、MIMO(Multi−Input Multi−Output)通信が注目を集めている。これは、送信機側と受信機側の双方において複数のアンテナ素子を備え、空間多重した伝送路(以下、「MIMOチャネル」とも呼ぶ)を実現する通信方式である。すなわち、送信機において複数のアンテナに送信データを分配して送出する。一方、受信機では複数のアンテナにより受信した空間信号に信号処理を行なうことによって、各信号をクロストークなしに取り出すことができる(例えば、特許文献1を参照のこと)。例えば、IEEE802.11a/nでは、1次変調にOFDMを用いたOFDM_MIMO方式が採用されている。
MIMO通信方式によれば、周波数帯域を増大させることになく、アンテナ本数に応じて伝送容量の拡大を図り、通信速度向上を達成することができる。また、空間多重を利用するので、周波数利用効率はよい。MIMOはチャネル特性を利用した通信方式であり、単なる送受信アダプティブ・アレーとは相違する。
図2には、MIMO通信システムを概念的に示している。図示のシステムは、例えば2ストリームの2×2構成であり、MIMO送信機には、2本のアンテナ、すなわち送信アンテナ0と送信アンテナ1を備え、一方のMIMO受信機も2本の受信アンテナ0と受信アンテナ1を備えている。ここで、送信アンテナ0と受信アンテナ0の伝搬路を伝搬路a、送信アンテナ1と受信アンテナ0の伝搬路を伝搬路b、送信アンテナ0と受信アンテナ1の伝搬路を伝搬路c、送信アンテナ1と受信アンテナ1の伝搬路を伝搬路dとする。そして、送信機は、送信アンテナ0に対して送信データ系列x0を送信アンテナ1に対して送信データ系列x1をそれぞれ割り当て、受信機は、受信アンテナ1において受信データ系列y0を受信し、受信アンテナ1において受信データ系列y1をそれぞれ受信したものとする。この場合の伝搬路状況は、以下の式(1)のように表現することができる。但し、y、H、x、nはそれぞれ受信信号、チャネル行列、送信信号、雑音成分である。
Figure 2007110203
なお、図2では送受信アンテナがともに2本の場合を示したが、アンテナ本数が2本以上であれば、同様にしてMIMO通信システムを構築することができる。送信側では、複数の送信データに空間/時間符号を施して多重化し、M本の送信アンテナに分配してMIMOチャネルに送信する。これに対し、受信側では、MIMOチャネル経由でN本の受信アンテナにより受信した受信信号を空間/時間復号して受信データを得ることができる。理想的には、送受信アンテナのうち少ない方の数(MIN[M,N])だけのMIMOストリームが形成される。
MIMO受信機は、上述したように、空間多重された受信信号yから各ストリーム信号xを空間分離するためには、何らかの方法によりチャネル行列Hを取得するとともに、さらに所定のアルゴリズムによってチャネル行列Hを用いて空間多重された受信信号から元の複数のストリームに空間分離を行なう必要がある。
上式(1)で示されるチャネル行列Hは、一般的には、送信側並びに受信側で既知の系列を送受信することで、送受アンテナ組み合わせ分の経路の伝搬路(式(1)の例で言えば、a、b、c、d)を行列形式に並べたものである。送信側アンテナ本数がNで受信側アンテナ本数がMのときは、チャネル行列はM×N(行×列)の行列となる。したがって、送信機からM×N個の既知系列すなわちトレーニング信号を送信し、受信機ではこのトレーニング信号を用いてチャネル行列Hを取得することができる。
但し、複数ストリームのトレーニング信号を同時に無対策で送信すると受信側ではどのアンテナから送信されたものかが判別することができなくなるので、送信機側から送信アンテナ毎のトレーニング信号を時分割送信し、受信機側では各受信アンテナで受信したトレーニング信号を基にチャネル行列Hを取得するという時分割法を適用する。送信機側では、トレーニング系列をOFDM変調して送信ブランチ毎に時分割送信し、受信機側では、サブキャリア毎にチャネル行列の取得手続きを行なう。
また、受信信号を空間分離する方法は、それぞれの受信機がチャネル行列に基づいて独立して空間分離を行なうオープンループ型と、受信側から送信側にチャネル情報をフィードバックして送受信間で理想的な空間直交チャネルを作り出すクローズドループ型とに大別される。
オープンループ型のMIMO伝送方式では、送受信機間でチャネル情報を共有するフィードバック手続きが一切省略され、送信機と受信機が互いに独立して空間多重伝送を行なう。例えば、受信信号を空間分離するための受信重み行列Wをチャネル行列Hから求める比較的簡単なアルゴリズムとして、完全にクロストークを取り除く論理に基づいてチャネル行列Hの逆行列H-1を単純に受信重み行列に用いるZero Force(ゼロ化規範)と(例えば、非特許文献1を参照のこと)、信号電力と2乗エラー(クロストーク電力と雑音電力の和)の比を最大化する論理に基づいてチャネル行列Hから受信重み行列Wを算出するMMSE(MinimumMean Square Error)(例えば、非特許文献2を参照のこと)などが挙げられる。MMSEは、受信機の雑音電力の概念を導入し、クロストークを意図的に発生させて受信重み行列Wを求めるアルゴリズムであり、雑音が大きい環境下では、Zero ForceよりもMMSEの方が優れていることが知られている。
オープンループ型は、アルゴリズムが比較的簡単であるが、受信信号を空間分離するすべての処理を受信機側に負担を課すことになる。これに対し、クローズドループ型では、送受信機間でチャネル情報を共有し協調をとることで受信機側の負担を軽減することができる。
クローズドループ型のMIMO伝送の理想的な形態の1つとして、伝播路関数の特異値分解(SVD:Singular Value Decomposition)を利用したSVD−MIMO方式が知られている(例えば、非特許文献1を参照のこと)。SVD−MIMO伝送では、各アンテナ対に対応するチャネル情報を要素とした数値行列すなわちチャネル情報行列Hを特異値分解してUDVHを求め、送信側のアンテナ重み係数行列としてVを与えるとともに、受信側のアンテナ重み係数行列として(UD)Hを与える。これによって、それぞれのMIMOチャネルは、各特異値λiの平方根を対角要素に持つ対角行列Dとして表される(但し、特異値λiの大きさはi番目のストリームの通信品質に相当する)。すなわち、空間直交多重された論理的に独立した複数の伝送路を実現し、受信機側では元の複数の信号系列を全くクロストークなしに取り出すことができ、理論上は最高のパフォーマンスを達成する。
しかしながら、SVD−MIMO通信においてこのような理想的な空間多重チャネルを実現するためには、対角行列Dの対角要素に特異値の大きい順に特異値λiを並べるとともに、各ストリームに対し特異値の大きさで表される通信品質に応じた電力比配分や変調方式の割り当てを施すことが前提となる。言い換えれば、各ストリームの伝送方式を最適化するこれらの操作を行なわないSVD−MIMO通信システムでは、単純にチャネル行列Hの逆行列H-1を受信重みに用いるZero Forceと性能は変わらない。
他方、考え得るすべての送信信号系列パターンとのマッチングにより最尤の送信系列を推定するMLD(Maximum Likelihood Detection)受信方式が最も高いパフォーマンスを示す受信方式であることが知られている。例えば、OFDM変調に複数アンテナを用いた空間・時間多重通信を組み合わせた多重信号をMLD方式で復号処理する受信機について提案がなされている(例えば、特許文献2を参照のこと)。
本発明者らは、クローズドループ型のSVD−MIMO通信方式にMLD受信方式を組み合わせることで、SVD本来の特性をさらに改善することができると考えている。また、SVD−MIMO通信方式では、スループットの向上を目的として、送信ストリーム本数よりも受信アンテナ本数が少ない場合には受信信号を復元することができないが、MLD受信方式を適用すれば、このような場合にも対応することが可能となる。
しかしながら、チャネル行列のSVD自体の演算量に加えて、MLD方式では演算規模が大きく実装が困難であるという問題がある。この点について、BPSK変調方式を採用した、2ストリームの2×2のMIMO通信システムを例にとって以下に説明する。
MLD方式では、チャネル情報をリファレンス信号として、すべての送信信号系列パターンとのマッチングを採り、その中から最尤の送信系列を推定する。すなわち、推定されるすべての送信系列の組み合わせと、トレーニング信号から得られたチャネル情報Hを総当りで上式(1)に当てはめて、受信系列yに最も近い系列を最尤系列として決定する。BPSKの場合、2ビットの2値信号をビット値の組み合わせに応じて(±1,±1)の4つの信号点にマッピングされるから、推定される送信系列は以下の通りである。
Figure 2007110203
この場合、22=4パターンの組み合わせを比較するための演算が必要となる。以下では、受信系列を獲得するために必要な演算の総数を「比較パターン総数」と呼ぶ。MLD方式の比較パターン総数を一般化すると、硬判定(Hard Decision)、軟判定(Soft Decision)でそれぞれ式(2)、(3)のように表すことができる。但し、ストリーム本数をNとし、kは1からNまでの整数値をとる変数である。
Figure 2007110203
したがって、ストリーム数が4本のMIMO通信システムに256QAMマッピングを適用した場合、8ビットの2値信号をビット値の組み合わせに応じて、信号空間上で位相と振幅の組み合わせを用いて作られた256個の信号点にマッピングするから、硬判定型のMLD方式の比較パターン総数は実に2564パターンに上り、実装の観点から難がある。
MLD方式の演算量を削減するための方法については、さまざまなアプローチで提案がなされている(例えば、非特許文献4、5を参照のこと)。しかしながら、オープンループ方式のMIMO伝送方式を対象とし、受信信号を空間分離するすべての処理を受信機側に負担を課す方法がベースとなっている。また、その多くは、特性を大きく犠牲にして演算量の削減を行なうものである。
特開2002−44051号公報 米国特許第6,618,454号明細書 http://radio3.ee.uec.ac.jp/MIMO(IEICE_TS).pdf(平成15年10月24日現在) A.Benjebbour,H.Murata and S.Yoshida,"Performance of iterative successive detection algorithm for space−time transmission",Proc.IEEE VTC Spring,vol.2,pp.1287−1291,Rhodes,Greece,May 2001. A.Benjebbour,H.Murata and S.Yoshida,"Performance comparison of ordered successive receivers for space−time transmission",Proc.IEEE VTC Fall,vol.4,pp.2053−2057,Atlantic City,USA,sept.2001. J Li et.al.,"Reduced Complexity DetectionAlgorithms for Systems using Multi−Element Arrays"(in Proc.IEEE Globecom,27 Nov−1Dec.2000,pp.1072−1076) A.M.Chan et.al.,"A New Reduced ComplexitySphere Decoder for Multiple Antenna Systems"(in Proc.IEEE Int.Conf.Commun.,New York,USA,April2002)
本発明の目的は、空間多重を利用して複数の論理的なチャネルを形成するMIMO通信を適用した優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、クローズドループ型の手順を用いて送受信機間でチャネル情報を共有し、SVD−MIMO通信方式によりクロストークのない理想的な複数の空間多重伝送路を実現することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、SVD−MIMO通信方式にMLD受信方式を組み合わせて、SVD−MIMO本来の特性をさらに改善させることができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、MLD受信方式における膨大な演算量の問題を克服し、SVD−MIMO本来の特性をさらに改善させることができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、送信機及び前記受信機はそれぞれ複数のアンテナを備えた送信機と受信機間で、送受信の各アンテナ対に対応するチャネルを要素としたチャネル行列Hを特異値分解して得られる行列UDVHに基づいて決定される重み行列により空間多重伝送を行なう無線通信システムであって、前記送信機側では、UDをLU分解して得られる結果に基づいて行列Vを修正した送信重み行列を用いて送信信号に重み付け送信し、前記受信機側では、受信信号と考え得るすべての送信信号系列パターンとのマッチングにより最尤の送信系列を推定するMLD受信を行なうことを特徴とする無線通信システムである。
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない(以下、同様)。
MIMO受信機は、空間多重された受信信号yから各ストリーム信号xを空間分離するためには、何らかの方法によりチャネル行列Hを取得するとともに、さらに所定のアルゴリズムによってチャネル行列Hを用いて空間多重された受信信号から元の複数のストリームに空間分離を行なう必要がある。
例えば、送信機の各アンテナからトレーニング信号を時分割送信し、受信機側の各アンテナでそれぞれ受信して得られる送受アンテナの組み合わせ分の経路の伝搬路特性を行列形式に並べることで、チャネル行列を得ることができる。
また、クローズドループ型の手順により送受信機間でチャネル情報を共有して空間多重伝送並びに受信信号の空間分離を行なうアルゴリズムとしてSVD−MIMO通信方式が知られている。さらに、すべての送信信号系列パターンとのマッチングにより最尤の送信系列を推定するMLDが最も高いパフォーマンスを示す受信方式として知られている。SVD−MIMO通信方式にMLD受信方式を適用することで、SVD−MIMO本来の受信特性をさらに改善することができる。しかしながら、トレーニング信号から得られたチャネル情報Hと推定されるすべての送信系列の組み合わせを総当りで尤度判定すると、比較パターン総数は膨大であり、実装の観点から難がある。
そこで、本発明に係るMIMO通信システムでは、送信機側でチャネル行列のSVD分解とLU分解の結果を用いた重み係数を乗算することにした。チャネル行列HをLU分解して得られる下三角形行列L又は上三角形行列Uは上半分又は下半分の要素はすべて0になっているので、SVD分解の送信重み乗算に比べて演算量が半分で済む。また、SVD−MIMO通信方式にMLD受信方式を組み合わせ、SVD本来の受信特性を改善することができる。
通常のSVD−MIMOシステムでは、チャネル行列HをSVD分解してUDVHを求め、送信重み行列としてVを与えるとともに、受信重み行列として(UD)Hを与える。これに対し、本発明に係るSVD−MIMO通信システムでは、送信機側で、UDのLU分解を用いて送信重みVに修正を加えるようにした。具体的には、UDをLU分解すると、上三角行列Upと下三角行列Loを得ることができるが、送信機は本来の送信重みVに上三角行列Upの逆行列Up -1を掛けて送信重みの修正を行なう。
修正後の送信重み行列をVnew(=V・Up -1)とおくと、送信重みが乗算された送信信号Vnew・xがチャネル行列Hを持つ伝搬路を経ると、受信機側での受信信号yはH・Vnew・x=UDVH・V・Up -1・x=Lo・Up・Up -1・x=Lo・xとなる。すなわち、受信信号yは送信信号xに対角要素より上半分の要素がすべて0となる下三角行列Loを乗算したものとなり、受信系列の中には必ず1つの送信系列のみからなる、すなわちクロストーク成分のないものが含まれ、それ以外はクロストーク成分が1つずつ追加された受信系列となる。
受信信号がこのような受信系列で構成される場合、まずクロストーク成分を含まない1つの受信系列についてMLD受信を適用し、推定されるすべての送信系列の組み合わせと、トレーニング信号から得られた下三角行列Lを総当りで当てはめて、受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定する。以降の受信系列では、既に尤度判定されたクロストーク成分をすべてキャンセルしてから推定されるすべての送信系列の組み合わせと下三角行列Lを総当りで当てはめて、受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定するという演算を繰り返し実行する。このようにして送信系列を1つずつMLD受信することにより、比較パターン総数を通常のMLD受信の場合よりも大幅に削減しながら、高いパフォーマンスで受信信号を空間分離することができる。
また、本発明の第2の側面は、複数のアンテナを用いて、送受信の各アンテナ対に対応するチャネルを要素としたチャネル行列Hを特異値分解して得られる行列UDVHに基づいて決定される重み行列により空間多重伝送を行なう無線通信動作をコンピュータ・システム上で処理するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータ・システムに対し、
チャネル行列Hを特異値分解した行列UDVHを取得するチャネル情報取得手順と、
UDをLU分解して求まる上三角行列Upの逆行列Up -1をVに乗算して送信重み行列を算出する送信重み行列算出手順と、
送信信号に送信重み行列を乗算して重み付け送信する送信手順と、
を実行させることを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
また、本発明の第3の側面は、複数のアンテナを用いて、送受信の各アンテナ対に対応するチャネルを要素としたチャネル行列Hを特異値分解して得られる行列UDVHに基づいて決定される重み行列により空間多重された送信信号を受信する無線通信動作をコンピュータ・システム上で処理するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、送信信号はUDをLU分解して求まる上三角行列Upの逆行列Up -1をVに乗算して得た送信重み行列を乗算して重み付けされており、前記コンピュータ・システムに対し、
UDをLU分解して求まる下三角行列Loを取得するチャネル情報取得手順と、
チャネル行列Hを持つ伝搬路を経由して、送信信号に下三角行列Loを乗算して構成される受信信号を受信する受信手順と、
受信信号のうち、クロストーク成分を含まない受信系列について推定されるすべての送信系列の組み合わせと下三角行列Loを総当りで当てはめて受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定する第1のMLD受信手順と、
受信信号の他の受信系列をクロストーク成分数の少ない方から順に、既に尤度判定されたクロストーク成分をすべてキャンセルしてから、推定されるすべての送信系列の組み合わせと下三角行列Loを総当りで当てはめて、受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定する第2のMLD受信手順と、
を実行させることを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
本発明の第2乃至第3の各側面に係るコンピュータ・プログラムは、コンピュータ・システム上で所定の処理を実現するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムを定義したものである。換言すれば、本発明の第2乃至第3の各側面に係るコンピュータ・プログラムをコンピュータ・システムにインストールすることによってコンピュータ・システム上では協働的作用が発揮され、本発明の第1の側面に係るSVD−MIMO通信システムにおける送信機及び受信機としてそれぞれ動作する。このような無線通信装置を複数起動して無線ネットワークを構築することによって、本発明の第1の側面に係る無線通信システムと同様の作用効果を得ることができる。
本発明によれば、クローズドループ型の手順を用いて送受信機間でチャネル情報を共有し、SVD−MIMO通信方式によりクロストークのない理想的な複数の空間多重伝送路を実現することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
また、本発明によれば、SVD−MIMO通信方式にMLD受信方式を組み合わせて、SVD−MIMO本来の特性をさらに改善させることができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
本発明によれば、送受信機がそれぞれ複数のアンテナを備え、空間多重を利用したMIMO通信を行なうシステムにおいて、クローズドループ型の手順を用いて送受信機間でチャネル情報を共有し、送信機側でチャネル行列のSVD分解とLU分解の結果を用いた重み係数を乗算することで、受信機側ではMLD受信方式を組み合わせ、SVDとMLDそれぞれの演算量を低減しつつ、SVD本来の受信特性を改善することができる。とりわけ、MLD受信における演算量を大幅に削減することができる。
また、本発明によれば、クローズドループ型のSVD−MIMO通信方式にMLD受信方式を組み合わせることで、送信ストリーム本数よりも受信アンテナ本数が少ない場合であっても受信信号を復元することができる。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
本発明は、それぞれ複数のアンテナを持つ送信機と受信機が対となって空間多重信号の伝送を行なうMIMO通信に関する。MIMO通信方式では、送信機において複数のアンテナに送信データを分配して送出し、受信機では複数のアンテナにより受信した空間信号に信号処理を行なうことによって、各信号をクロストークなしに取り出す。MIMO通信方式によれば、周波数帯域を増大させることになく、アンテナ本数に応じて伝送容量の拡大を図り、通信速度向上を達成することができる。また、空間多重を利用するので、周波数利用効率はよい。
また、本発明に係る通信システムは、OFDM変調方式を併用したMIMO_OFDM通信システムである。OFDM変調方式は、各サブキャリアがシンボル区間内で相互に直交するように各サブキャリアの周波数を設定したマルチキャリア伝送方式である。サブキャリアが互いに直交するとは、任意のサブキャリアのスペクトラムのピーク点が常に他のサブキャリアのスペクトラムのゼロ点と一致していることを意味する。OFDM変調方式によれば、周波数利用効率が非常に高く、周波数選択性フェージング妨害に強い。
図1には、本発明の一実施形態に係るOFDM_MIMO通信システムの構成を示している。
送信機は、送信データ生成部11と、送信系列毎に設けられたOFDM変調部12と、複数の送信系列を複数のアンテナ14を用いて無線送信する送信処理部13を備えている。
送信データ生成部11は、上位層アプリケーションから供給される送信データにスクランブルを掛け、訂正符号化を施してから複数の送信系列に振り分ける。さらに送信系列毎に与えられたデータレートに従ってパンクチャし、次いでインターリーブしてから、IQ信号空間にマッピングして複素ベースバンド信号を生成する。
送信ブランチ毎に設けられたそれぞれのOFDM変調部12では、各送信系列を情報伝送レートより遅いシンボル周期毎にシリアル/パラレル変換して出力される複数のデータを各サブキャリアに割り当ててサブキャリア毎に振幅及び位相の変調を行ない、その複数サブキャリアについて逆FFTを行なうことで周波数領域に並んだ各サブキャリアの直交性を保持したまま時間軸上に並んだ信号に変換して送信する。
送信処理部13では、OFDM変調された複数の送信系列を空間多重し、さらにそれぞれにガード・インターバルの付加、デジタル・フィルタリングによる帯域制限、アナログ信号へのDA変換し、さらにRF処理して適当な周波数帯にアップコンバートしてから、それぞれの送信アンテナ14から伝搬路に空間多重伝送する。
一方、受信機は、複数のアンテナ21と、各アンテナで受信した受信系列毎に設けられたOFDM復調部22と、受信処理部23と、データ再現部24を備えている。
各アンテナ21で受信した無線信号は、RF処理してダウンコンバートし、デジタル信号にAD変換し、さらにデジタル・フィルタリングによる帯域制限した後、パケット発見、同期獲得、周波数オフセット補正し、次いで、データ送信区間の先頭に付加されたガード・インターバルを除去する。その後、FFTを行なって時間軸の信号を周波数軸の信号に変換して各サブキャリアについてそれぞれの変調方式に対応した復調を行ない、パラレル/シリアル変換して元のシリアル信号で送られた各受信系列を再生する。
受信処理部23では、送信系列毎に得られたトレーニング信号から送受信アンテナ毎にチャネル推定し、受信アンテナ数×送信アンテナ数の要素を持つチャネル行列Hを取得する。そして、このチャネル行列Hを用いて複数の空間分離処理を行なう。例えば、チャネル行列Hからアンテナ受信重み行列を計算し、受信信号とアンテナ受信重み行列との行列乗算を行なうことで空間多重信号の空間復号を行ない、MIMOストリーム毎に独立した信号系列を得る。その後、各受信系列に対し、さらに残留周波数オフセット補正、チャネル・トラッキングなどを施し、IQ信号空間上の受信信号をデマップし、デインターリーブし、所定のデータレートでデパンクチャする。
データ再現部24では、複数の受信系列を1本のストリームに合成する。このデータ合成処理は送信機側で行なうデータ振り分けと全く逆の動作を行なうものである。そして、硬判定若しくは軟判定により誤り訂正復号した後、デスクランブルし、送信された元のデータを再現する。
送信機側における送信処理部13、並びに受信機側における受信処理部23は、チャネル行列Hを取得するとともにチャネル行列Hを利用して空間多重並びに空間分離処理をそれぞれ行なうが、その手順としてオープンループ型又はクローズドループ型のいずれを用いるかによって構成が相違する。
オープンループ型では受信信号を空間分離するすべての処理を受信機側に負担を課すのに対し、クローズドループ型では送受信機間でチャネル情報を共有し協調をとることで受信機側の負担を軽減することができる。オープンループ型においてチャネル行列Hから受信重み行列Wを求める方法としてZero ForceやMMSEなどが挙げられるが、本実施形態では、クローズドループ型の手続きを行なうSVD−MIMO方式を適用する。
SVD−MIMO伝送では、下式(4)に示すように、受信機側においてチャネル行列Hを特異値分解してUDVHを求め、送信側のアンテナ重み係数行列としてVを与えるとともに、受信側のアンテナ重み係数行列としてUHを与える。
Figure 2007110203
それぞれのMIMOチャネルは、各特異値λiの平方根を対角要素に持つ対角行列Dとして表される。この場合、送信機側の送信処理部では送信信号xに対し送信重み行列Vを乗算して空間多重伝送するとともに、受信機側では受信信号yに対し受信重み行列(UD)Hを乗算することで、空間直交多重された論理的に独立した複数の伝送路を実現し、受信機側では元の複数の信号系列を全くクロストークなしに取り出すことができる。受信機側では、フルランクの逆行列演算を施し干渉キャンセリングを実行するので、その演算量の負荷はオープンループ型と等しい。
但し、特異値λiの大きさはi番目のストリームの通信品質に相当し、対角行列Dの対角要素に値の大きい順に特異値を並べるとともに、各送信系列に対して通信品質に応じた電力配分やデータレート、マッピング方式を適用することで最良のパフォーマンスを得ることができるが、このような特異値のソーティングを行なわない場合はSVD−MIMO伝送の性能はオープンループにおけるZERO Forcingと大差ないと言われている。
SVD−MIMOではチャネル行列HをSVD分解して特異値を対角要素に持つ対角行列を算出するが、その演算量は少なくない。そこで、本発明者らは、SVD−MIMO方式の手順に加えて、受信重み行列(UD)HのLU分解を適用して、送信重み行列Vを修正するという空間多重方式を提案する。
LU分解とは、行列を、対角要素より上方のすべての要素が0となる下三角行列(Lower Triangular Matrix)と、対角要素より下方のすべての要素が0となる上三角形行列(Upper Triangular Matrix)に分解する幾何学演算であり、数学若しくは物理学の分野では周知である。UDをLU分解すると、下式(5)に示すように、上三角行列Upと下三角行列Loを得ることができる。但し、decomp()はLU分解する演算を意味する。
Figure 2007110203
通常のSVD−MIMOシステムでは、チャネル行列HをSVD分解してUDVHを求め、送信重み行列としてVを与えるとともに、受信重み行列として(UD)Hを与える。これに対し、本実施形態に係るSVD−MIMOシステムでは、送信機は本来の送信重みVに上三角行列Upの逆行列Up -1を掛けて送信重みの修正を行なう。修正後の送信重み行列をVnew(=V・Up -1)とおくと、送信重みが乗算された送信信号Vnew・xがチャネル行列Hを持つ伝搬路を経ることになるので、受信機側での受信信号は、下式(6)に示す通りとなる。
Figure 2007110203
そして、受信機側では、MLD方式により受信信号の判定を行なう。この際、送信信号系列と受信信号系列はそれぞれ式(7)、(8)のように表される。但し、雑音成分nを無視する。
Figure 2007110203
式(6)からも分るように、受信信号yは送信信号xに対角要素より上半分の要素がすべて0となる下三角行列Loを乗算したものとなり、受信系列の中には必ず1つの送信系列のみからなる、すなわちクロストーク成分のないものが含まれ、それ以外はクロストーク成分が1つずつ追加された受信系列となる。
ここで式(8)に示した受信信号について考察してみると、受信系列y1は送信系列x1以外のストリームからのクロストーク成分のない信号系列であるが、受信系列y2は送信系列x1とx2というクロストークを含む信号を含む信号系列であり、y3以降は順次クロストーク成分が1つずつ追加されていく。言い換えれば、受信信号yは送信信号xに対角要素より上半分の要素がすべて0となる下三角行列Lを乗算したものであるから、受信系列の中には必ず1つの送信系列のみからなる、すなわちクロストーク成分のないものが含まれ、それ以外はクロストーク成分が1つずつ追加された受信系列となる。
このような場合、まずクロストーク成分を含まない受信系列y1についてMLD受信を適用し、推定されるすべての送信系列x1 *の組み合わせと、トレーニング信号から得られた下三角行列Loを総当りで当てはめて、受信系列y1に最も近い系列を最尤系列として決定する。続いて、受信信号系列y2では、既に尤度判定されたクロストーク成分x1をキャンセルしてから、推定されるすべての送信系列x2 *の組み合わせと、トレーニング信号から得られた下三角行列Loを総当りで当てはめて、受信系列y2に最も近い系列を最尤系列として決定する。さらに続いて、受信信号系列y3では、既に尤度判定されたクロストーク成分x1並びにx2をキャンセルしてから、推定されるすべての送信系列x3 *の組み合わせと、トレーニング信号から得られた下三角行列Loを総当りで当てはめて、受信系列y3に最も近い系列を最尤系列として決定する。
以降は同様に、受信系列ykでは、既に尤度判定されたすべてのクロストーク成分x1、x2…をキャンセルしてから、MLD方式を適用する。すなわち推定されるすべての送信系列xk *の組み合わせと、トレーニング信号から得られた下三角行列Lを総当りで当てはめて、受信系列ykに最も近い系列を最尤系列として決定するという演算を繰り返し実行する(但し、kは2≦k≦nの整数)。信号系列xについての推定アルゴリズムをdecision(x)のように表記すると、上記の演算処理は以下のように表現することができる。
Figure 2007110203
この場合の送受信機間でのデータ伝送シーケンスを以下にまとめておく。
ステップ1)まず、送信機側では、チャネル行列Hと、SVD−MIMOシステムにおける本来の送信重みVを取得する。通常のSVD−MIMOシステムでは、送信機は受信機からのフィードバックにより送信重みVを得ることができる。但し、本発明では、チャネル行列H並びに送信重みVの取得方法自体は本質でないので、ここではこれ以上説明しない。
ステップ2)次いで、送信機は、チャネル行列HをSVD分解してUDVHを算出するとともに、さらにUDをLU分解を適用して、下三角形行列Loと上三角形行列Upに分解する。
ステップ3)次いで、送信機は、本来の送信重みVに上三角行列Upの逆行列Up -1を掛けて送信重みの修正を行なう。そして、修正後の送信重み行列Vnew(=V・Up -1)を用いて送信信号を重み付けして、データ・パケットを空間多重送信する。但し、当該パケットのヘッダ部にVnewで重み付けされた送信アンテナ毎のトレーニング信号を時分割送信する。
ステップ4)一方、受信機側では、Vnewで重み付けされたトレーニング信号を用いて、下三角行列Loを取得する。但し、受信機が下三角行列Loを取得する方法は特に限定されない。
ステップ5)受信機側では、Vnewで重み付けされ空間多重されたパケットの本体部分(ペイロード)について、MLD受信を適用し、それぞれの受信系列について、推定されるすべての送信系列の組み合わせとトレーニング信号から得られた下三角行列Loを総当りで当てはめて、受信系列yに最も近い系列を最尤系列として決定する。通常のSVD−MIMOシステムでは、受信機は(UD)Hを受信重みに用いるが、本実施形態では受信機は受信信号yに特に重み行列を乗算しない。
ここで、式(6)に示したように、受信信号yは送信信号xに下三角行列Loを乗算する形式である。この場合、式(8)に示したようにクロストーク成分を含まない受信系列が1つだけ存在することから、上記のステップ5では、まずクロストーク成分を含まない受信系列y1についてMLD受信を適用し、以降は既に尤度判定されたクロストーク成分を順次キャンセルしながら送信信号系列を1つずつMLD受信していく。これによって、通常のMLD方式よりも比較パターン総数を大幅に削減しながら、すべての送信系列について高い精度で尤度判定を行なうことができる。具体的には、ストリーム数がN本となるMIMO通信システムに関し、硬判定並びに軟判定それぞれについての比較パターン総数は下式(10)、(11)のように表される。
Figure 2007110203
これは、比較パターン総数を64×6/644=1/65536に削減できることを意味し、言い換えればチャネル行列HをLU分解して送受信機間で協調動作を図り、MLD受信の演算量を大幅に削減することができる訳である。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
図1は、本発明の一実施形態に係るOFDM_MIMO通信システムの構成を示した図である。 図2は、MIMO通信システムを概念的に示した図である。
符号の説明
11…送信データ生成部
12…OFDM変調部
13…送信処理部
14…送信アンテナ
21…受信アンテナ
22…OFDM復調部
23…受信処理部
24…データ再現部

Claims (12)

  1. 送信機及び前記受信機はそれぞれ複数のアンテナを備えた送信機と受信機間で、送受信の各アンテナ対に対応するチャネルを要素としたチャネル行列Hを特異値分解して得られる行列UDVHに基づいて決定される重み行列により空間多重伝送を行なう無線通信システムであって、
    前記送信機側では、UDをLU分解して得られる結果に基づいて行列Vを修正した送信重み行列を用いて送信信号に重み付け送信し、
    前記受信機側では、受信信号と考え得るすべての送信信号系列パターンとのマッチングにより最尤の送信系列を推定するMLD受信を行なう、
    ことを特徴とする無線通信システム。
  2. 前記送信機側では、UDをLU分解して求まる上三角行列Upの逆行列Up -1をVに乗算して得た送信重み行列を用いて送信信号に重み付け送信し、
    前記受信機では、チャネル行列Hを持つ伝搬路を経て、UDをLU分解して求まる下三角行列Loを送信信号に乗算した受信信号を受信して、推定されるすべての送信系列の組み合わせと下三角行列Loを総当りで当てはめて、受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 受信信号は、1つの送信系列のみからなりクロストーク成分のない受信系列と、以降の送信系列のクロストーク成分が1つずつ追加された受信系列で構成され、
    前記受信機では、まずクロストーク成分を含まない受信系列について推定されるすべての送信系列の組み合わせと下三角行列Loを総当りで当てはめて受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定し、以降は、クロストーク成分数の少ない受信系列から順に、既に尤度判定されたクロストーク成分をすべてキャンセルしてから推定されるすべての送信系列の組み合わせと下三角行列Loを総当りで当てはめて、受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定するという演算を繰り返し実行して、送信系列を1つずつMLD受信する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信システム。
  4. 複数のアンテナを備え、送受信の各アンテナ対に対応するチャネルを要素としたチャネル行列Hを特異値分解して得られる行列UDVHに基づいて決定される重み行列により空間多重伝送を行なう無線通信装置であって、
    チャネル行列Hを特異値分解した行列UDVHを取得するチャネル情報取得手段と、
    UDをLU分解して得られる結果に基づいて行列Vを修正した送信重み行列を算出する送信重み行列算出手段と、
    送信信号に送信重み行列を乗算して重み付け送信する送信手段と、
    を具備することを特徴とする無線通信装置。
  5. 前記送信重み行列算出手段は、UDをLU分解して求まる上三角行列Upの逆行列Up -1をVに乗算して送信重み行列を求める、
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信装置。
  6. 複数のアンテナを備え、送受信の各アンテナ対に対応するチャネルを要素としたチャネル行列Hを特異値分解して得られる行列UDVHに基づいて決定される重み行列により空間多重された送信信号を受信する無線通信装置であって、
    送信信号は、UDをLU分解して得られる結果に基づいて行列Vを修正した送信重み行列を乗算して重み付け送信されており、
    チャネル行列Hを持つ伝搬路を経由して送信信号を受信する受信手段と、
    受信信号と考え得るすべての送信信号系列パターンとのマッチングにより最尤の送信系列を推定するMLD受信を行なうMLD受信手段と、
    を具備することを特徴とする無線通信装置。
  7. 送信信号は、UDをLU分解して求まる上三角行列Upの逆行列Up -1をVに乗算して得た送信重み行列を乗算して重み付けされており、
    前記受信手段は、チャネル行列Hを持つ伝搬路を経て、UDをLU分解して求まる下三角行列Loを送信信号に乗算した受信信号を受信し、
    前記MLD受信手段は、受信信号の各受信系列について、推定されるすべての送信系列の組み合わせと下三角行列Loを総当りで当てはめて、受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の無線通信装置。
  8. 受信信号は、1つの送信系列のみからなりクロストーク成分のない受信系列と、以降の送信系列のクロストーク成分が1つずつ追加された受信系列で構成され、
    前記MLD受信手段は、まずクロストーク成分を含まない受信系列について推定されるすべての送信系列の組み合わせと下三角行列Loを総当りで当てはめて受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定し、以降は、クロストーク成分数の少ない受信系列から順に、既に尤度判定されたクロストーク成分をすべてキャンセルしてから、推定されるすべての送信系列の組み合わせと下三角行列Loを総当りで当てはめて、受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定するという演算を繰り返し実行して、送信系列を1つずつMLD受信する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の無線通信装置。
  9. 複数のアンテナを用いて、送受信の各アンテナ対に対応するチャネルを要素としたチャネル行列Hを特異値分解して得られる行列UDVHに基づいて決定される重み行列により空間多重伝送を行なう無線通信方法であって、
    チャネル行列Hを特異値分解した行列UDVHを取得するチャネル情報取得ステップと、
    UDをLU分解して求まる上三角行列Upの逆行列Up -1をVに乗算して送信重み行列を算出する送信重み行列算出ステップと、
    送信信号に送信重み行列を乗算して重み付け送信する送信ステップと、
    を具備することを特徴とする無線通信方法。
  10. 複数のアンテナを用いて、送受信の各アンテナ対に対応するチャネルを要素としたチャネル行列Hを特異値分解して得られる行列UDVHに基づいて決定される重み行列により空間多重された送信信号を受信する無線通信方法であって、
    送信信号は、UDをLU分解して求まる上三角行列Upの逆行列Up -1をVに乗算して得た送信重み行列を乗算して重み付けされており、
    UDをLU分解して求まる下三角行列Loを取得するチャネル情報取得ステップと、
    チャネル行列Hを持つ伝搬路を経由して、送信信号に下三角行列Loを乗算して構成される受信信号を受信する受信ステップと、
    受信信号のうち、クロストーク成分を含まない受信系列について推定されるすべての送信系列の組み合わせと下三角行列Loを総当りで当てはめて受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定する第1のMLD受信ステップと、
    受信信号の他の受信系列をクロストーク成分数の少ない方から順に、既に尤度判定されたクロストーク成分をすべてキャンセルしてから、推定されるすべての送信系列の組み合わせと下三角行列Loを総当りで当てはめて、受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定する第2のMLD受信ステップと、
    を具備することを特徴とする無線通信方法。
  11. 複数のアンテナを用いて、送受信の各アンテナ対に対応するチャネルを要素としたチャネル行列Hを特異値分解して得られる行列UDVHに基づいて決定される重み行列により空間多重伝送を行なう無線通信動作をコンピュータ・システム上で処理するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータ・システムに対し、
    チャネル行列Hを特異値分解した行列UDVHを取得するチャネル情報取得手順と、
    UDをLU分解して求まる上三角行列Upの逆行列Up -1をVに乗算して送信重み行列を算出する送信重み行列算出手順と、
    送信信号に送信重み行列を乗算して重み付け送信する送信手順と、
    を実行させることを特徴とするコンピュータ・プログラム。
  12. 複数のアンテナを用いて、送受信の各アンテナ対に対応するチャネルを要素としたチャネル行列Hを特異値分解して得られる行列UDVHに基づいて決定される重み行列により空間多重された送信信号を受信する無線通信動作をコンピュータ・システム上で処理するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、送信信号はUDをLU分解して求まる上三角行列Upの逆行列Up -1をVに乗算して得た送信重み行列を乗算して重み付けされており、前記コンピュータ・システムに対し、
    UDをLU分解して求まる下三角行列Loを取得するチャネル情報取得手順と、
    チャネル行列Hを持つ伝搬路を経由して、送信信号に下三角行列Loを乗算して構成される受信信号を受信する受信手順と、
    受信信号のうち、クロストーク成分を含まない受信系列について推定されるすべての送信系列の組み合わせと下三角行列Loを総当りで当てはめて受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定する第1のMLD受信手順と、
    受信信号の他の受信系列をクロストーク成分数の少ない方から順に、既に尤度判定されたクロストーク成分をすべてキャンセルしてから、推定されるすべての送信系列の組み合わせと下三角行列Loを総当りで当てはめて、受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定する第2のMLD受信手順と、
    を実行させることを特徴とするコンピュータ・プログラム。
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