JP2007104547A - 無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 MLD方式よりも大幅に少ない演算量でより高いパフォーマンスが得られるように空間多重信号を空間分離する。
【解決手段】 チャネル行列Hを下三角形行列Lと上三角形行列Uに分解し、送信機側では、送信重みとしてUの逆行列U-1を用いる。まずクロストーク成分を含まない受信信号系列y1についてMLD方式を適用して受信系列y1に最も近い系列を最尤系列として決定し、以降の受信信号系列ykでは、既に尤度判定されたすべてのクロストーク成分をキャンセルしてからMLD方式を適用する演算を繰り返し実行する。
【選択図】 図1
【解決手段】 チャネル行列Hを下三角形行列Lと上三角形行列Uに分解し、送信機側では、送信重みとしてUの逆行列U-1を用いる。まずクロストーク成分を含まない受信信号系列y1についてMLD方式を適用して受信系列y1に最も近い系列を最尤系列として決定し、以降の受信信号系列ykでは、既に尤度判定されたすべてのクロストーク成分をキャンセルしてからMLD方式を適用する演算を繰り返し実行する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、空間多重を利用して複数の論理的なチャネルを形成したMIMO(Multi Input Multi Output)通信を適用した無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、空間多重された受信信号をチャネル情報に基づいて空間分離する無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
さらに詳しくは、本発明は、受信機側においてより高いパフォーマンスが得られるようにチャネル情報に基づいて空間分離を行なう無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、通常のMLD方式よりも大幅に少ない演算量でより高いパフォーマンスが得られるように空間多重された受信信号を空間分離する無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
旧来の有線通信方式における配線から解放するシステムとして、無線ネットワークが注目されている。無線ネットワークに関する標準的な規格として、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11などを挙げることができる。
例えばIEEE802.11a/gでは、無線LANの標準規格として、マルチキャリア方式の1つであるOFDM(OrthogonalFrequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)変調方式が採用されている。OFDM変調方式では、各サブキャリアがシンボル区間内で相互に直交するように各キャリアの周波数が設定されている。サブキャリアが互いに直交するとは、任意のサブキャリアのスペクトラムのピーク点が常に他のサブキャリアのスペクトラムのゼロ点と一致していることを意味する。OFDM変調方式によれば、送信データを周波数の異なる複数のキャリアに分配して伝送するので、各キャリアの帯域が狭帯域となり、周波数利用効率が非常に高く、周波数選択性フェージング妨害に強い。
また、IEEE802.11aの規格では最大で54Mbpsの通信速度を達成する変調方式をサポートしているが、さらなる高ビットレートを実現できる無線規格が求められている。
無線通信の高速化を実現する技術の1つとして、MIMO(Multi−Input Multi−Output)通信が注目を集めている。これは、送信機側と受信機側の双方において複数のアンテナ素子を備え、空間多重した伝送路(以下、「MIMOチャネル」とも呼ぶ)を実現する通信方式である。すなわち、送信機において複数のアンテナに送信データを分配して送出する。一方、受信機では複数のアンテナにより受信した空間信号に信号処理を行なうことによって、各信号をクロストークなしに取り出すことができる(例えば、特許文献1を参照のこと)。例えば、IEEE802.11a/nでは、1次変調にOFDMを用いたOFDM_MIMO方式が採用されている。
MIMO通信方式によれば、周波数帯域を増大させることになく、アンテナ本数に応じて伝送容量の拡大を図り、通信速度向上を達成することができる。また、MIMOはチャネル特性を利用して空間多重伝送を行なう通信方式であり、周波数利用効率がよく、単なる送受信アダプティブ・アレーとは相違する。
図3には、MIMO通信システムを概念的に示している。図示のシステムは、例えば2ストリームの2×2構成であり、MIMO送信機には、2本のアンテナ、すなわち送信アンテナ0と送信アンテナ1を備え、一方のMIMO受信機も2本の受信アンテナ0と受信アンテナ1を備えている。ここで、送信アンテナ0と受信アンテナ0の伝搬路を伝搬路a、送信アンテナ1と受信アンテナ0の伝搬路を伝搬路b、送信アンテナ0と受信アンテナ1の伝搬路を伝搬路c、送信アンテナ1と受信アンテナ1の伝搬路を伝搬路dとする。ここで、送信機は、送信アンテナ0に対して送信データ系列x0を、送信アンテナ1に対して送信データ系列x1をそれぞれ割り当てるとする。また、受信機は、受信アンテナ1において受信データ系列y0を受信し、受信アンテナ1において受信データ系列y1をそれぞれ受信したものとする。この場合の伝搬路状況は、以下の式(1)のように表現することができる。但し、y、H、x、nはそれぞれ受信信号、チャネル行列、送信信号、雑音成分である。
なお、図3では送受信アンテナがともに2本の場合を示したが、アンテナ本数が2本以上であれば、同様にしてMIMO通信システムを構築することができる。送信側では、複数の送信データに空間/時間符号を施して多重化し、M本の送信アンテナに分配してMIMOチャネルに送信する。これに対し、受信側では、MIMOチャネル経由でN本の受信アンテナにより受信した受信信号を空間/時間復号して受信データを得ることができる。理想的には、送受信アンテナのうち少ない方の数(MIN[M,N])だけのMIMOストリームが形成される。
MIMO受信機は、上述したように、空間多重された受信信号yから各ストリーム信号xを空間分離するためには、何らかの方法によりチャネル行列Hを取得するとともに、さらに所定のアルゴリズムによってチャネル行列Hを用いて空間多重された受信信号から元の複数のストリームに空間分離を行なう必要がある。
上式(1)で示されるチャネル行列Hは、一般的には、送信側並びに受信側で既知の系列を送受信することで得られる、送受アンテナの組み合わせ分の経路の伝搬路(式(1)の例で言えば、a、b、c、d)を行列形式に並べたものである。送信側アンテナ本数がNで受信側アンテナ本数がMのときは、チャネル行列はM×N(行×列)の行列となる。したがって、送信機からM×N個の既知系列すなわちトレーニング信号を送信し、受信機ではこのトレーニング信号を用いてチャネル行列Hを取得することができる。
但し、複数ストリームのトレーニング信号を同時に無対策で送信すると受信側ではどのアンテナから送信されたものかが判別することができなくなるので、送信機側から送信アンテナ毎のトレーニング信号を時分割送信し、受信機側では各受信アンテナで受信したトレーニング信号を基にチャネル行列Hを取得するという時分割法を適用する。送信機側では、トレーニング系列をOFDM変調して送信ブランチ毎に時分割送信し、受信機側では、サブキャリア毎にチャネル行列の取得手続きを行なう。
また、受信信号を空間分離する方法は、受信側から送信側にチャネル情報をフィードバックして送受信間で理想的な空間直交チャネルを作り出すクローズドループ型と、このようなフィードバックを行なわずそれぞれの受信機がチャネル行列に基づいて独立して空間分離を行なうオープンループ型に大別される。オープンループ型の手続により受信信号を空間分離する比較的簡単なアルゴリズムとして、完全にクロストークを取り除く論理に基づいてチャネル行列Hの逆行列H-1を単純に受信重み行列に用いるZero Force(ゼロ化規範)と(例えば、非特許文献1を参照のこと)、信号電力と2乗エラー(クロストーク電力と雑音電力の和)の比を最大化する論理に基づいてチャネル行列Hから受信重み行列Wを算出するMMSE(MinimumMean Square Error)(例えば、非特許文献2を参照のこと)なども挙げられる。これに対し、受信重み行列を求めるのではなく、すべての送信信号系列パターンとのマッチングにより最尤の送信系列を推定するMLD(Maximum Likelihood Detection)方式が最も高いパフォーマンスを示す受信方式であることが知られている。
例えば、OFDM変調に複数アンテナを用いた空間・時間多重通信を組み合わせた多重信号をMLD方式で復号処理する受信機について提案がなされている(例えば、特許文献2を参照のこと)。
しかしながら、MLD方式では演算規模が大きく実装が困難であるという問題がある。この点について、BPSK変調方式を採用した、2ストリームの2×2のMIMO通信システムを例にとって以下に説明する。
MLD方式では、チャネル情報をリファレンス信号として、すべての送信信号系列パターンとのマッチングをとり、その中から最尤の送信系列を推定する。すなわち、トレーニング信号から得られたチャネル情報Hと推定されるすべての送信系列x*の組み合わせを総当りで上式(1)に当てはめて、このうち受信系列yに最も近い系列を最尤系列として決定する。BPSKの場合、2ビットの2値信号をビット値の組み合わせに応じて(±1,±1)の4つの信号点にマッピングされるから、推定される送信系列x*は以下の通りである。
この場合、22=4パターンの組み合わせを比較するための演算が必要となる。以下では、受信系列を獲得するために必要な演算の総数を「比較パターン総数」と呼ぶ。MLD方式の比較パターン総数を一般化すると、硬判定(Hard Decision)、軟判定(Soft Decision)でそれぞれ式(2)、(3)のように表すことができる。但し、ストリーム本数をNとし、kは1からNまでの整数値をとる変数である。
したがって、ストリーム数が4本のMIMO通信システムに256QAMマッピングを適用した場合、8ビットの2値信号をビット値の組み合わせに応じて、信号空間上で位相と振幅の組み合わせを用いて作られた256個の信号点にマッピングするから、硬判定型のMLD方式の比較パターン総数は実に2564パターンに上り、実装の観点から難がある。
MLD方式の演算量を削減するための方法については、さまざまなアプローチで提案がなされている(例えば、非特許文献4、5を参照のこと)。しかしながら、オープンループ方式のMIMO伝送方式を対象とし、受信信号を空間分離するすべての処理を受信機側に負担を課す方法がベースとなっている。また、その多くは、特性を大きく犠牲にして演算量の削減を行なうものである。
本発明の目的は、空間多重を利用して複数の論理的なチャネルを形成するMIMO通信を適用した優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、受信機側において、空間多重された受信信号からチャネル情報を用いてより高いパフォーマンスで空間分離を行なうことができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明のさらなる目的は、受信機側において、通常のMLD方式よりも大幅に少ない演算量でより高いパフォーマンスが得られるように空間多重信号を空間分離することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、送信機と受信機間で空間多重された複数のチャネルを用いてデータ伝送する無線通信システムであって、前記送信機と受信機間における前記の空間多重チャネルのチャネル行列Hを取得し、該チャネル行列HをLU分解して得られる上三角行列U若しくは下三角行列Lに基づいて前記送信機側における送信重み又は前記受信機側における受信重みを算出し、空間多重伝送を行なうことを特徴とする無線通信システムである。
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない(以下、同様)。
本発明は、複数のアンテナを持つ送信機と複数のアンテナを持つ受信機が対となって形成される複数の論理的なチャネルを利用したMIMO通信システムに関する。MIMO通信方式によれば、周波数帯域を増大させることになく、アンテナ本数に応じて伝送容量の拡大を図り、通信速度向上を達成することができる。
MIMO受信機は、空間多重された受信信号yから各ストリーム信号xを空間分離するためには、何らかの方法によりチャネル行列Hを取得するとともに、さらに所定のアルゴリズムによってチャネル行列Hを用いて空間多重された受信信号から元の複数のストリームに空間分離を行なう必要がある。
例えば、送信機の各アンテナからトレーニング信号を時分割送信し、受信機側の各アンテナでそれぞれ受信して得られる送受アンテナの組み合わせ分の経路の伝搬路特性を行列形式に並べることで、チャネル行列を得ることができる。
また、チャネル行列Hから算出される受信重みWを受信信号に乗算して空間分離する方法が比較的簡単なアルゴリズムとして知られているが、チャネル情報をリファレンス信号としてすべての送信信号系列パターンとのマッチングをとり最尤の送信系列を推定するMLD受信方式により最も高いパフォーマンスを実現することができる。しかしながら、トレーニング信号から得られたチャネル情報Hと推定されるすべての送信系列の組み合わせを総当りで尤度判定すると、比較パターン総数は膨大であり、実装の観点から難がある。
そこで、本発明に係るMIMO通信システムでは、チャネル行列HをLU分解して得られる下三角形行列L又は上三角形行列Uを用いて送信重み若しくは受信重みを決定するようにした。この場合、重み行列の上半分又は下半分の要素はすべて0になっているので、送信重み乗算又は受信重み乗算の演算量を半分に削減することができる。
チャネル行列HをLU分解して送信重みを得る具体的な方法として、送信機側において送信重みとしてUの逆行列U-1を用いる。この場合、受信信号yは送信信号xに対角要素より上半分の要素がすべて0となる下三角行列Lを乗算したものとなり、受信系列の中には必ず1つの送信系列のみからなる、すなわちクロストーク成分のないものが含まれ、それ以外はクロストーク成分が1つずつ追加された受信系列となる。
受信信号がこのような受信系列で構成される場合、まずクロストーク成分を含まない受信系列についてMLD受信を適用し、推定されるすべての送信系列の組み合わせと、トレーニング信号から得られた下三角行列Lを総当りで当てはめて、受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定する。以降の受信系列では、既に尤度判定されたクロストーク成分をすべてキャンセルしてから推定されるすべての送信系列の組み合わせと下三角行列Lを総当りで当てはめて、受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定するという演算を繰り返し実行する。このようにして送信系列を1つずつMLD受信することにより、比較パターン総数を通常のMLD受信の場合よりも大幅に削減しながら、高いパフォーマンスで受信信号を空間分離することができる。
また、この場合、送信系列毎のパス・ゲインを基に電力比配分を行なうことにより、受信機側における受信特性の改善を実現することができる。
また、送信重みとして上三角行列Uの逆行列U-1を用いるために、送信系列数が多い、すなわちクロストーク成分を多く含む送信アンテナ出力に送信電力が偏るという問題がある。このため、送信機側では各送信アンテナ出力を平均化することが好ましい。
また、クロストーク成分を含まない最初にMLD受信されるストリームに最も低い(若しくはより低い)変調方式を割り当てることにより、既に尤度判定されたクロストーク成分を順次キャンセルしながら送信系列を1つずつMLD受信していくという受信方法において、全体としての推定誤差をできる限り小さくすることができる。
また、チャネル行列HをLU分解して送信重みを得る他の方法として、受信機側において送信重みとして下三角行列Lの逆行列L-1を用いることができる。この場合、受信重みが乗算された後の受信信号L-1・yは、送信信号xに対角要素より下半分の要素がすべて0となる上三角行列Uを乗算したものとなり、1つの送信系列のみからなる、すなわちクロストーク成分のない受信系列が必ず含まれ、それ以外はクロストーク成分が1つずつ追加された受信系列となる。したがって、まずクロストーク成分を含まない受信系列についてMLD受信を適用して受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定した後、以降の受信系列では、既に尤度判定されたクロストーク成分をすべてキャンセルしてからMLD受信するという演算を送信系列毎に1つずつ繰り返し実行することにより、比較パターン総数を通常のMLD受信の場合よりも大幅に削減しながら、高いパフォーマンスで受信信号を空間分離することができる。
また、この場合は、受信重みとして下三角行列Lの逆行列を用いるために、クロストーク成分を多く含む送信系列の送信アンテナ出力に送信電力が偏るという問題がある。このため、受信機側における各アンテナの受信出力を平均化するように、送信機側で各アンテナ出力の電力比配分を制御することが好ましい。
また、本発明の第2の側面は、複数のアンテナを用いて、空間多重された複数のチャネルを用いて受信機に対してデータ伝送するための通信制御動作をコンピュータ・システム上で処理するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータ・システムに対し、
前記の空間多重チャネルのチャネル行列Hを取得するチャネル行列取得手順と、
該チャネル行列HをLU分解して、得られた上三角行列Uの逆行列U-1を送信重みとして求める送信重み算出手順と、
複数の送信系列からなる送信信号に送信重み行列U-1を乗算して、空間多重伝送する送信手順と、
を実行させることを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
前記の空間多重チャネルのチャネル行列Hを取得するチャネル行列取得手順と、
該チャネル行列HをLU分解して、得られた上三角行列Uの逆行列U-1を送信重みとして求める送信重み算出手順と、
複数の送信系列からなる送信信号に送信重み行列U-1を乗算して、空間多重伝送する送信手順と、
を実行させることを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
本発明の第2の側面に係るコンピュータ・プログラムは、コンピュータ・システム上で所定の処理を実現するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムを定義したものである。換言すれば、本発明の第2の側面に係るコンピュータ・プログラムをコンピュータ・システムにインストールすることによってコンピュータ・システム上では協働的作用が発揮され、本発明の第1の側面に係るMIMO通信システムにおいて送信機として動作することができる。
また、本発明の第3の側面は、複数のアンテナを用いて、空間多重された複数のチャネルを用いて送信機からの伝送データを受信するための通信制御動作をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、前記送信機では、前記の空間多重チャネルのチャネル行列HをLU分解して得られる上三角行列Uの逆行列U-1を送信重みに用いており、前記コンピュータ・システムに対し、
前記の空間多重チャネルのチャネル行列Hを取得するチャネル行列取得手順と、
該チャネル行列HをLU分解して下三角行列Lを求めるLU分解手順と、
前記送信機からの空間多重された送信信号を前記の複数のアンテナを介して、1つの送信系列のみからなりクロストーク成分のない受信系列と、以降の送信系列のクロストーク成分が1つずつ追加された受信系列で構成される受信信号を受信する受信手順と、
まずクロストーク成分を含まない受信系列について推定されるすべての送信系列の組み合わせと下三角行列Lを総当りで当てはめて受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定し、以降は、クロストーク成分数の少ない受信系列から順に、既に尤度判定されたクロストーク成分をすべてキャンセルしてから推定されるすべての送信系列の組み合わせと下三角行列Lを総当りで当てはめて、受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定するという演算を繰り返し実行して、送信系列を1つずつMLD受信する尤度判定手順と、
を実行させることを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
前記の空間多重チャネルのチャネル行列Hを取得するチャネル行列取得手順と、
該チャネル行列HをLU分解して下三角行列Lを求めるLU分解手順と、
前記送信機からの空間多重された送信信号を前記の複数のアンテナを介して、1つの送信系列のみからなりクロストーク成分のない受信系列と、以降の送信系列のクロストーク成分が1つずつ追加された受信系列で構成される受信信号を受信する受信手順と、
まずクロストーク成分を含まない受信系列について推定されるすべての送信系列の組み合わせと下三角行列Lを総当りで当てはめて受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定し、以降は、クロストーク成分数の少ない受信系列から順に、既に尤度判定されたクロストーク成分をすべてキャンセルしてから推定されるすべての送信系列の組み合わせと下三角行列Lを総当りで当てはめて、受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定するという演算を繰り返し実行して、送信系列を1つずつMLD受信する尤度判定手順と、
を実行させることを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
また、本発明の第4の側面は、複数のアンテナを用いて、空間多重された複数のチャネルを用いて送信機からの伝送データを受信するための通信制御動作をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータ・システムに対し、
前記の空間多重チャネルのチャネル行列Hを取得するチャネル行列取得手順と、
該チャネル行列HをLU分解して、得られた下三角行列Lの逆行列L-1を受信重みとして求める受信重み算出手順と、
前記の複数のアンテナを介して受信される前記送信機からの空間多重された送信信号に受信重み行列L-1を乗算して、1つの送信系列のみからなりクロストーク成分のない受信系列と、以降の送信系列のクロストーク成分が1つずつ追加された受信系列で構成される受信信号として受信する受信手順と、
まずクロストーク成分を含まない受信系列について推定されるすべての送信系列の組み合わせと上三角行列Uを総当りで当てはめて受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定し、以降は、クロストーク成分数の少ない受信系列から順に、既に尤度判定されたクロストーク成分をすべてキャンセルしてから推定されるすべての送信系列の組み合わせと上三角行列Uを総当りで当てはめて、受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定するという演算を繰り返し実行して、送信系列を1つずつMLD受信する尤度判定手順と、
を実行させることを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
前記の空間多重チャネルのチャネル行列Hを取得するチャネル行列取得手順と、
該チャネル行列HをLU分解して、得られた下三角行列Lの逆行列L-1を受信重みとして求める受信重み算出手順と、
前記の複数のアンテナを介して受信される前記送信機からの空間多重された送信信号に受信重み行列L-1を乗算して、1つの送信系列のみからなりクロストーク成分のない受信系列と、以降の送信系列のクロストーク成分が1つずつ追加された受信系列で構成される受信信号として受信する受信手順と、
まずクロストーク成分を含まない受信系列について推定されるすべての送信系列の組み合わせと上三角行列Uを総当りで当てはめて受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定し、以降は、クロストーク成分数の少ない受信系列から順に、既に尤度判定されたクロストーク成分をすべてキャンセルしてから推定されるすべての送信系列の組み合わせと上三角行列Uを総当りで当てはめて、受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定するという演算を繰り返し実行して、送信系列を1つずつMLD受信する尤度判定手順と、
を実行させることを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
本発明の第3乃至第4の各側面に係るコンピュータ・プログラムは、コンピュータ・システム上で所定の処理を実現するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムを定義したものである。換言すれば、本発明の第3乃至第4の各側面に係るコンピュータ・プログラムをコンピュータ・システムにインストールすることによってコンピュータ・システム上では協働的作用が発揮され、本発明の第1の側面に係るMIMO通信システムにおいて受信機としてそれぞれ動作することができる。
本発明によれば、受信機側において、空間多重された受信信号からチャネル行列Hを取得するとともに、チャネル行列Hを用いてより高いパフォーマンスが得られるように空間分離を行なうことができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
また、本発明によれば、受信機側において、通常のMLD方式よりも大幅に少ない演算量でより高いパフォーマンスが得られるように空間多重された受信信号を空間分離することができる、優れた無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
本発明によれば、例えばクローズドループ型の手順を用いて送受信機間でチャネル情報を共有するMIMO通信システムにおいて、送信機側でチャネル行列のLU分解の結果を用いた重み係数を送信信号に乗算することで、受信機側ではMLD受信を実行する際の演算量を大幅に削減しながらより高いパフォーマンスを実現することができる。例えば、比較パターン総数は、64×6/644=1/65536に削減することができる。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
本発明は、それぞれ複数のアンテナを持つ送信機と受信機が対となって空間多重信号の伝送を行なうMIMO通信に関する。MIMO通信方式では、送信機において複数のアンテナに送信データを分配して送出し、受信機では複数のアンテナにより受信した空間信号に信号処理を行なうことによって、各信号をクロストークなしに取り出す。MIMO通信方式によれば、周波数帯域を増大させることになく、アンテナ本数に応じて伝送容量の拡大を図り、通信速度向上を達成することができる。また、空間多重を利用するので、周波数利用効率はよい。
また、本発明に係る通信システムは、OFDM変調方式を併用したMIMO_OFDM通信システムである。OFDM変調方式は、各サブキャリアがシンボル区間内で相互に直交するように各サブキャリアの周波数を設定したマルチキャリア伝送方式である。サブキャリアが互いに直交するとは、任意のサブキャリアのスペクトラムのピーク点が常に他のサブキャリアのスペクトラムのゼロ点と一致していることを意味する。OFDM変調方式によれば、周波数利用効率が非常に高く、周波数選択性フェージング妨害に強い。
図1には、本発明の一実施形態に係るOFDM_MIMO通信システムの構成を示している。
送信機は、送信データ生成部11と、送信系列毎に設けられたOFDM変調部12と、複数の送信系列を複数のアンテナ14を用いて無線送信する送信処理部13を備えている。
送信データ生成部11は、上位層アプリケーションから供給される送信データにスクランブルを掛け、訂正符号化を施してから複数の送信ブランチに送信系列を振り分ける。さらに送信系列毎に与えられたデータレートに従ってパンクチャし、次いでインターリーブしてから、IQ信号空間にマッピングして複素ベースバンド信号を生成する。
送信ブランチ毎に設けられたそれぞれのOFDM変調部12では、各送信系列を情報伝送レートより遅いシンボル周期毎にシリアル/パラレル変換して出力される複数のデータを各サブキャリアに割り当ててサブキャリア毎に振幅及び位相の変調を行ない、その複数サブキャリアについて逆FFTを行なうことで周波数領域に並んだ各サブキャリアの直交性を保持したまま時間軸上に並んだ信号に変換して送信する。
送信処理部13では、OFDM変調された複数の送信系列を空間多重し、さらにそれぞれにガード・インターバルの付加、デジタル・フィルタリングによる帯域制限、アナログ信号へのDA変換を行ない、さらにRF処理して適当な周波数帯にアップコンバートしてから、それぞれの送信アンテナ14から伝搬路に空間多重伝送する。
一方、受信機は、複数のアンテナ21と、各アンテナで受信した受信系列毎に設けられたOFDM復調部22と、受信処理部23と、データ再現部24を備えている。
各アンテナ21で受信した無線信号を、RF処理してダウンコンバートし、デジタル信号にAD変換し、さらにデジタル・フィルタリングによる帯域制限した後、パケット発見、同期獲得、周波数オフセット補正し、次いで、データ送信区間の先頭に付加されたガード・インターバルを除去する。その後、受信ブランチ毎に設けられたOFDM復調部22により、FFTを行なって時間軸の信号を周波数軸の信号に変換して各サブキャリアについてそれぞれの変調方式に対応した復調を行ない、パラレル/シリアル変換して元のシリアル信号で送られた各受信系列を再生する。
受信処理部23では、受信系列毎に得られたトレーニング信号から送受信アンテナ毎にチャネル推定し、受信アンテナ数×送信アンテナ数の要素を持つチャネル行列Hを取得する。そして、このチャネル行列Hを用いて受信信号の空間分離処理を行なう。例えば、チャネル行列HからMMSEアルゴリズムに基づいてアンテナ受信重み行列Wを計算し、受信信号とアンテナ受信重み行列Wとの行列乗算を行なうことで空間多重信号の空間復号を行ない、MIMOストリーム毎に独立した信号系列を得る。その後、各受信系列に対し、さらに残留周波数オフセット補正、チャネル・トラッキングなどを施し、IQ信号空間上の受信信号をデマップし、デインターリーブし、所定のデータレートでデパンクチャする。
データ再現部24では、複数の受信系列を1本のストリームに合成する。このデータ合成処理は送信機側で行なうデータ振り分けと全く逆の動作を行なうものである。そして、硬判定若しくは軟判定により誤り訂正復号した後、デスクランブルし、送信された元のデータを再現する。
送信機側における送信処理部13、並びに受信機側における受信処理部23は、チャネル行列Hを取得するとともにチャネル行列Hを利用して空間多重並びに空間分離処理をそれぞれ行なうが、その手順としてオープンループ型又はクローズドループ型のいずれを用いるかによって構成が相違する。
オープンループ型では受信信号を空間分離するすべての処理を受信機側に負担を課すのに対し、クローズドループ型では送受信機間でチャネル情報を共有し協調をとることで受信機側の負担を軽減することができる。オープンループ型においてチャネル行列Hから受信重み行列Wを求める方法として、完全にクロストークを取り除く論理に基づいたZero Forceや、信号電力と2乗エラーの比を最大化する論理に基づいたMMSEなどが挙げられる。また、クローズドループ型のMIMO伝送として、SVD−MIMO方式が知られている。
SVD−MIMO伝送では、それぞれのMIMOチャネルは、各特異値λiの平方根を対角要素に持つ対角行列Dとして表さる。この場合、送信機側の送信処理部では送信信号xに対し送信重み行列Vを乗算して空間多重伝送するとともに、受信機側では受信信号yに対し受信重み行列(UD)Hを乗算することで、空間直交多重された論理的に独立した複数の伝送路を実現し、受信機側では元の複数の信号系列を全くクロストークなしに取り出すことができ、理論上は最高のパフォーマンスを達成する。また、受信機側では、フルランクの逆行列演算を施し干渉キャンセリングを実行するので、その演算量の負荷はオープンループ型と等しい。
ところが、SVD−MIMOではチャネル行列HをSVD分解して特異値を対角要素に持つ対角行列を算出するため、その演算量は少なくない。そこで、本発明者らは、SVD分解に代えてLU分解を適用して、チャネル行列Hを下三角形行列Lと上三角形行列Uに分解して、送信重み若しくは受信重みを決定するという空間多重方式を提案する。LU分解とは、行列を、対角要素より上方のすべての要素が0となる下三角行列(Lower Triangular Matrix)と、対角要素より下方のすべての要素が0となる上三角形行列(Upper Triangular Matrix)に分解する幾何学演算であり、数学若しくは物理学の分野では周知である。
チャネル行列HをLU分解して送信重みを得る具体的な方法として、送信機側では、送信重みとしてUの逆行列U-1を用いる。この場合、重み行列の上半分の要素はすべて0になっているので、SVD分解の送信重み乗算に比べて演算量が半分で済む。チャネル行列HのLU分解を式(4)のように表すと、この場合の受信信号は式(5)のように表現される。
そして、受信機側では、MLD方式により受信信号の判定を行なう。この際、送信信号系列と受信信号系列はそれぞれ式(6)、(7)のように表される。但し、雑音成分nを無視する。
ここで式(7)に示した受信信号について考察してみると、受信系列y1は送信系列x1以外のストリームからのクロストーク成分のない信号系列であるが、受信系列y2は送信系列x1とx2というクロストークを含む信号を含む信号系列であり、y3以降は順次クロストーク成分が1つずつ追加されていく。言い換えれば、受信信号yは送信信号xに対角要素より上半分の要素がすべて0となる下三角行列Lを乗算したものであるから、受信系列の中には必ず1つの送信系列のみからなる、すなわちクロストーク成分のないものが含まれ、それ以外はクロストーク成分が1つずつ追加された受信系列となる。
このような場合、まずクロストーク成分を含まない受信系列y1についてMLD受信を適用し、推定されるすべての送信系列x1 *の組み合わせと、トレーニング信号から得られた下三角行列Lを総当りで当てはめて、受信系列y1に最も近い系列を最尤系列として決定する。続いて、受信信号系列y2では、既に尤度判定されたクロストーク成分x1をキャンセルしてから、推定されるすべての送信系列x2 *の組み合わせと、トレーニング信号から得られた下三角行列Lを総当りで当てはめて、受信系列y2に最も近い系列を最尤系列として決定する。さらに続いて、受信信号系列y3では、既に尤度判定されたクロストーク成分x1並びにx2をキャンセルしてから、推定されるすべての送信系列x3 *の組み合わせと、トレーニング信号から得られた下三角行列Lを総当りで当てはめて、受信系列y3に最も近い系列を最尤系列として決定する。
以降は同様に、受信系列ykでは、既に尤度判定されたすべてのクロストーク成分x1、x2…をキャンセルしてから、MLD方式を適用する。すなわち推定されるすべての送信系列xk *の組み合わせと、トレーニング信号から得られた下三角行列Lを総当りで当てはめて、受信系列ykに最も近い系列を最尤系列として決定するという演算を繰り返し実行する(但し、kは2≦k≦nの整数)。信号系列xについての推定アルゴリズムをdecision(x)のように表記すると、上記の演算処理は以下のように表現することができる。
この場合の送受信機間でのデータ伝送シーケンスを以下にまとめておく。
ステップ1)まず、送信機側でチャネル行列Hを取得する。チャネル行列Hは送受アンテナ組み合わせ分の経路の伝搬路を行列形式に並べたものであり、送信側アンテナ本数がNで受信側アンテナ本数がMのときは、送信機からM×N個のトレーニング信号を時分割送信し、受信機ではこのトレーニング信号を用いてチャネル行列Hを取得する。例えば、RTS/CTS伝送手順が適用されるときには、受信機はCTSパケットのヘッダ部にアンテナ毎のトレーニング信号を時分割で挿入することで、送信機はチャネル行列Hを得ることができる。
ステップ2)送信機は、チャネル行列HにLU分解を適用して、下三角形行列Lと上三角形行列Uに分解する。
ステップ3)送信機は、上三角行列Uの逆行列を送信重みに用いて、データ・パケットを空間多重送信する。但し、当該パケットのヘッダ部にU-1で重み付けされた送信アンテナ毎のトレーニング信号を時分割送信する。
ステップ4)受信機側では、U-1で重み付けされたトレーニング信号を用いて、下三角行列Lを取得する。但し、受信機が下三角行列Lを取得する方法は特に限定されない。
ステップ5)受信機側では、U-1で重み付けされ空間多重されたパケットの本体部分(ペイロード)について、MLD受信を適用し、それぞれの受信系列について、推定されるすべての送信系列の組み合わせとトレーニング信号から得られた下三角行列Lを総当りで当てはめて、受信系列yに最も近い系列を最尤系列として決定する。
ここで、式(5)に示したように、受信信号yは送信信号xに下三角行列Lを乗算する形式である。この場合、式(7)に示したようにクロストーク成分を含まない受信系列が1つだけ存在することから、上記のステップ5では、まずクロストーク成分を含まない受信系列y1についてMLD受信を適用し、以降は既に尤度判定されたクロストーク成分を順次キャンセルしながら送信信号系列を1つずつMLD受信していく。これによって、通常のMLD方式よりも比較パターン総数を大幅に削減しながら、すべての送信系列について高い精度で尤度判定を行なうことができる。具体的には、ストリーム数がN本となるMIMO通信システムに関し、硬判定並びに軟判定それぞれについての比較パターン総数は下式(9)、(10)のように表される。
これは、比較パターン総数を64×6/644=1/65536に削減できることを意味し、言い換えればチャネル行列HをLU分解して送受信機間で協調動作を図り、MLD受信の演算量を大幅に削減することができる訳である。
ここで、送信機側で電力比配分を行なうことにより、受信機側における受信特性の改善を実現することができる。具体的には、下式から算出される送信系列毎のパス・ゲインを基に電力比配分を行なう。
また、送信重みとして上三角行列Uの逆行列U-1を用いるために、送信系列数が多い、すなわちクロストーク成分を多く含む送信アンテナ出力に送信電力が偏るという問題がある。このため、各送信アンテナ出力を平均化することが好ましい。図2には、送信アンテナ出力を平均化する重み付け方法の一例を図解している。
また、複数のストリームに対してそれぞれ異なる変調方式を割り当てることは当業界で知られているが、本実施形態の場合、クロストーク成分を含まない最初にMLD受信されるストリームに最も低い(若しくはより低い)変調方式を割り当てることにより、クロストーク成分を含まない最初の受信系列y1における尤度判定をより高精度に行なうことで、上式(6)に示したような既に尤度判定されたクロストーク成分を順次キャンセルしながら送信系列を1つずつMLD受信していくという受信方法において、全体としての推定誤差をできる限り小さくすることができる。
これまでは、チャネル行列HをLU分解して送信機側における送信重みを得るMIMO通信方式について説明してきたが、LU分解した結果から受信機側における受信重みを得ることもできる。具体的には、チャネル行列HをLU分解して得られる下三角行列Lの逆行列L-1を受信重みに用いるが、この場合も重み行列の上半分の要素はすべて0になっているので、SVD分解の受信重み乗算に比べて演算量が半分で済む。受信重みを乗算した後の受信信号は式(12)のように表現される。
そして、受信機側では、MLD方式により受信信号の判定を行なう。この際、送信信号系列と受信信号系列はそれぞれ式(13)、(14)のように表される。但し、雑音成分nを無視する。
ここで式(14)に示した受信重みを乗算した受信信号について考察してみると、受信系列ynは送信系列xn以外のストリームからのクロストーク成分のない信号系列であるが、受信系列yn-1は送信系列xnとxn-1というクロストークを含む信号を含む信号系列であり、yn-2以降は順次クロストーク成分が1つずつ追加されていく。言い換えれば、受信重みを乗算した後の受信信号L-1・yは送信信号xに対角要素より下半分の要素がすべて0となる上三角行列Uを乗算したものであるから、受信系列の中には必ず1つの送信系列のみからなる、すなわちクロストーク成分のないものが含まれ、それ以外はクロストーク成分が1つずつ追加された受信系列となる。
このような場合、まずクロストーク成分を含まない受信系列ynについてMLD受信を適用し、推定されるすべての送信系列xn *の組み合わせと、トレーニング信号から得られた上三角行列Uを総当りで当てはめて、受信系列ynに最も近い系列を最尤系列として決定する。続いて、受信信号系列yn-1では、既に尤度判定されたクロストーク成分xnをキャンセルしてから、推定されるすべての送信系列xn-1 *の組み合わせと、トレーニング信号から得られた上三角行列Uを総当りで当てはめて、受信系列yn-1に最も近い系列を最尤系列として決定する。さらに続いて、受信信号系列yn-2では、既に尤度判定されたクロストーク成分xn並びにxn-1をキャンセルしてから、推定されるすべての送信系列xn-2 *の組み合わせと、トレーニング信号から得られた下三角行列Lを総当りで当てはめて、受信系列y3に最も近い系列を最尤系列として決定する。
以降は同様に、受信系列ykでは、既に尤度判定されたすべてのクロストーク成分x1、x2…をキャンセルしてから、MLD方式を適用する。すなわち推定されるすべての送信系列xk *の組み合わせと、トレーニング信号から得られた上三角行列Uを総当りで当てはめて、受信系列ykに最も近い系列を最尤系列として決定するという演算を繰り返し実行する(但し、kは2≦k≦nの整数)。信号系列xについての推定アルゴリズムをdecision(x)のように表記すると、上記の演算処理は以下のように表現することができる。
この場合の送受信機間でのデータ伝送シーケンスを以下にまとめておく。
ステップ1)まず、送信機側から、チャネル行列取得用のトレーニング信号を各アンテナから時分割で送信する。
ステップ2)これに対し、受信機は、送受アンテナ組み合わせ分の経路の伝搬路を行列形式に並べて、チャネル行列Hを取得する。
ステップ3)次いで、受信機は、チャネル行列HにLU分解を適用して、下三角形行列Lと上三角形行列Uに分解する。そして、下三角行列Lの逆行列L-1を受信重みとして保持しておく。
ステップ4)送信機は、送信重みを乗算することなく、データ・パケットを空間多重送信する。
ステップ5)受信機は、各アンテナから受信した空間多重信号に受信重みL-1を乗算する。そして、MLD受信を適用し、それぞれの受信系列について、推定されるすべての送信系列の組み合わせとトレーニング信号から得られた上三角行列Uを総当りで当てはめて、受信系列yに最も近い系列を最尤系列として決定する。
ここで、式(12)に示したように、受信信号は送信信号に上三角行列Uを乗算する形式である。この場合、式(14)に示したようにクロストーク成分を含まない受信系列が1つだけ存在することから、上記のステップ5では、まずクロストーク成分を含まない受信系列ynについてMLD受信を適用し、以降は既に尤度判定されたクロストーク成分を順次キャンセルしながら送信信号系列を1つずつMLD受信していく。これによって、通常のMLD方式よりも比較パターン総数を大幅に削減しながら、すべての送信系列について高い精度で尤度判定を行なうことができる。具体的には、ストリーム数がN本となるMIMO通信システムに関し、硬判定並びに軟判定それぞれについての比較パターン総数は上式(9)、(10)で示した通りである。
ここで、受信重みとして下三角行列Lの逆行列L-1を用いるために、送信系列数が多い、すなわちクロストーク成分を多く含む受信系列に受信電力が偏るという問題がある。このため、ストリーム間での受信電力を平均化するように、送信機側で各送信アンテナ出力の電力配分を調整することが好ましい。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
本発明に係る、チャネル行列HをLU分解してアンテナ重み係数行列を求めるというMIMO通信方式は、オープンループ方及びクローズドループ型のいずれの手順を採用する通信システムにも適用することができる。
また、LU分解した結果から送信重み及び受信重みのいずれを算出する場合であっても、重み行列の上半分の要素はすべて0になっているので、通常のMIMO通信機における重み乗算に比べて演算量が半分で済むとともに、クロストーク成分を含まない受信信号系列をまずMLD受信してから、クロストーク成分を含む受信信号系列については既に尤度判定されたクロストーク成分を順次キャンセルしながら1つずつ1つずつMLD受信していくことで、比較パターン総数を大幅に削減しながら、すべての送信系列について高い精度で尤度判定を行なうことができる。
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
11…送信データ生成部
12…OFDM変調部
13…送信処理部
14…送信アンテナ
21…受信アンテナ
22…OFDM復調部
23…受信処理部
24…データ再現部
12…OFDM変調部
13…送信処理部
14…送信アンテナ
21…受信アンテナ
22…OFDM復調部
23…受信処理部
24…データ再現部
Claims (23)
- 送信機と受信機間で空間多重された複数のチャネルを用いてデータ伝送する無線通信システムであって、
前記送信機と受信機間における前記の空間多重チャネルのチャネル行列Hを取得し、該チャネル行列HをLU分解して得られる上三角行列U若しくは下三角行列Lに基づいて前記送信機側における送信重み又は前記受信機側における受信重みを算出し、空間多重伝送を行なう、
ことを特徴とする無線通信システム。 - 前記送信機側において、送信重みとして上三角行列Uの逆行列U-1を用いる、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。 - 前記受信機側における受信信号は、1つの送信系列のみからなりクロストーク成分のない受信系列と、以降の送信系列のクロストーク成分が1つずつ追加された受信系列で構成され、
前記受信機では、まずクロストーク成分を含まない受信系列について推定されるすべての送信系列の組み合わせと下三角行列Lを総当りで当てはめて受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定し、以降は、クロストーク成分数の少ない受信系列から順に、既に尤度判定されたクロストーク成分をすべてキャンセルしてから推定されるすべての送信系列の組み合わせと下三角行列Lを総当りで当てはめて、受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定するという演算を繰り返し実行して、送信系列を1つずつMLD受信する、
ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信システム。 - 前記送信機側では、送信系列毎のパス・ゲインを基に電力比配分を行なう、
ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信システム。 - 前記送信機は、複数の送信アンテナを備え、各送信アンテナ出力に含まれる送信系列の数に拘らず出力電力を平均化するように電力比配分を行なう、
ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信システム。 - 前記送信機は、クロストーク成分を含まないで送信される送信系列に対してより低い変調方式を割り当てる、
ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信システム。 - 前記受信機側において、受信重みとして下三角行列Lの逆行列L-1を用いる、
ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。 - 前記受信機側において受信重みが乗算された後の受信信号は、1つの送信系列のみからなりクロストーク成分のない受信系列と、以降の送信系列のクロストーク成分が1つずつ追加された受信系列で構成され、
前記受信機では、まずクロストーク成分を含まない受信系列について推定されるすべての送信系列の組み合わせと上三角行列Uを総当りで当てはめて受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定し、以降は、クロストーク成分数の少ない受信系列から順に、既に尤度判定されたクロストーク成分をすべてキャンセルしてから推定されるすべての送信系列の組み合わせと上三角行列Uを総当りで当てはめて、受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定するという演算を繰り返し実行して、送信系列を1つずつMLD受信する、
ことを特徴とする請求項7に記載の無線通信システム。 - 前記送信機は複数の送信アンテナを備え、
前記受信機側で受信重みが乗算された後の受信信号においてクロストーク成分の数に拘らず各受信系列の電力が平均化するように、前記送信機側では各送信アンテナ出力の電力比配分を行なう、
ことを特徴とする請求項7に記載の無線通信システム。 - 複数のアンテナを備え、空間多重された複数のチャネルを用いて受信機に対してデータ伝送する無線通信装置であって、
前記の空間多重チャネルのチャネル行列Hを取得するチャネル行列取得手段と、
該チャネル行列HをLU分解して、得られた上三角行列Uの逆行列U-1を送信重みとして求める送信重み算出手段と、
複数の送信系列からなる送信信号に送信重み行列U-1を乗算して、空間多重伝送する送信手段と、
を具備することを特徴とする無線通信装置。 - 前記送信手段は、送信系列毎のパス・ゲインを基に電力比配分を行なう、
ことを特徴とする請求項10に記載の無線通信装置。 - 前記送信手段は、各送信アンテナ出力に含まれる送信系列の数に拘らず出力電力を平均化するように電力比配分を行なう、
ことを特徴とする請求項10に記載の無線通信装置。 - 前記送信手段は、クロストーク成分を含まないで送信される送信系列に対してより低い変調方式を割り当てる、
ことを特徴とする請求項10に記載の無線通信装置。 - 複数のアンテナを備え、空間多重された複数のチャネルを用いて送信機からの伝送データを受信する無線通信装置であって、前記送信機では、前記の空間多重チャネルのチャネル行列HをLU分解して得られる上三角行列Uの逆行列U-1を送信重みに用いており、
前記の空間多重チャネルのチャネル行列Hを取得するチャネル行列取得手段と、
該チャネル行列HをLU分解して下三角行列Lを求めるLU分解手段と、
前記送信機からの空間多重された送信信号を前記の複数のアンテナを介して受信する受信手段と、
MLD受信方式により受信信号に含まれる各受信系列の最尤系列を決定する尤度判定手段と、
を具備することを特徴とする無線通信装置。 - 前記受信手段は、前記送信機からの空間多重された送信信号を、1つの送信系列のみからなりクロストーク成分のない受信系列と、以降の送信系列のクロストーク成分が1つずつ追加された受信系列で構成される受信信号として受信し、
前記尤度判定手段は、まずクロストーク成分を含まない受信系列について推定されるすべての送信系列の組み合わせと下三角行列Lを総当りで当てはめて受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定し、以降は、クロストーク成分数の少ない受信系列から順に、既に尤度判定されたクロストーク成分をすべてキャンセルしてから推定されるすべての送信系列の組み合わせと下三角行列Lを総当りで当てはめて、受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定するという演算を繰り返し実行して、送信系列を1つずつMLD受信する、
ことを特徴とする請求項14に記載の無線通信装置。 - 複数のアンテナを備え、空間多重された複数のチャネルを用いて送信機からの伝送データを受信する無線通信装置であって、
前記の空間多重チャネルのチャネル行列Hを取得するチャネル行列取得手段と、
該チャネル行列HをLU分解して、得られた下三角行列Lの逆行列L-1を受信重みとして求める受信重み算出手段と、
前記の複数のアンテナを介して受信される前記送信機からの空間多重された送信信号に受信重み行列L-1を乗算して重み付け受信する受信手段と、
受信重み行列L-1が乗算された受信信号に含まれる各受信系列の最尤系列を決定する尤度判定手段と、
を具備することを特徴とする無線通信装置。 - 前記受信手段により受信重み行列L-1が乗算された後の受信信号は、1つの送信系列のみからなりクロストーク成分のない受信系列と、以降の送信系列のクロストーク成分が1つずつ追加された受信系列で構成され、
前記尤度判定手段は、まずクロストーク成分を含まない受信系列について推定されるすべての送信系列の組み合わせと上三角行列Uを総当りで当てはめて受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定し、以降は、クロストーク成分数の少ない受信系列から順に、既に尤度判定されたクロストーク成分をすべてキャンセルしてから推定されるすべての送信系列の組み合わせと上三角行列Uを総当りで当てはめて、受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定するという演算を繰り返し実行して、送信系列を1つずつMLD受信する、
ことを特徴とする請求項16に記載の無線通信装置。 - 複数のアンテナを用いて、空間多重された複数のチャネルを用いて受信機に対してデータ伝送する無線通信方法であって、
前記の空間多重チャネルのチャネル行列Hを取得するチャネル行列取得ステップと、
該チャネル行列HをLU分解して、得られた上三角行列Uの逆行列U-1を送信重みとして求める送信重み算出ステップと、
複数の送信系列からなる送信信号に送信重み行列U-1を乗算して、空間多重伝送する送信ステップと、
を具備することを特徴とする無線通信方法。 - 複数のアンテナを用いて、空間多重された複数のチャネルを用いて送信機からの伝送データを受信する無線通信方法であって、前記送信機では、前記の空間多重チャネルのチャネル行列HをLU分解して得られる上三角行列Uの逆行列U-1を送信重みに用いており、
前記の空間多重チャネルのチャネル行列Hを取得するチャネル行列取得ステップと、
該チャネル行列HをLU分解して下三角行列Lを求めるLU分解ステップと、
前記送信機からの空間多重された送信信号を前記の複数のアンテナを介して受信する受信ステップと、
MLD受信方式により受信信号に含まれる各受信系列の最尤系列を決定する尤度判定ステップと、
を具備することを特徴とする無線通信方法。 - 複数のアンテナを用いて、空間多重された複数のチャネルを用いて送信機からの伝送データを受信する無線通信方法であって、
前記の空間多重チャネルのチャネル行列Hを取得するチャネル行列取得ステップと、
該チャネル行列HをLU分解して、得られた下三角行列Lの逆行列L-1を受信重みとして求める受信重み算出ステップと、
前記の複数のアンテナを介して受信される前記送信機からの空間多重された送信信号に受信重み行列L-1を乗算して、重み付け受信する受信ステップと、
受信重み行列L-1が乗算された受信信号に含まれる各受信系列の最尤系列を決定する尤度判定ステップと、
を具備することを特徴とする無線通信方法。 - 複数のアンテナを用いて、空間多重された複数のチャネルを用いて受信機に対してデータ伝送するための通信制御動作をコンピュータ・システム上で処理するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータ・システムに対し、
前記の空間多重チャネルのチャネル行列Hを取得するチャネル行列取得手順と、
該チャネル行列HをLU分解して、得られた上三角行列Uの逆行列U-1を送信重みとして求める送信重み算出手順と、
複数の送信系列からなる送信信号に送信重み行列U-1を乗算して、空間多重伝送する送信手順と、
を実行させることを特徴とするコンピュータ・プログラム。 - 複数のアンテナを用いて、空間多重された複数のチャネルを用いて送信機からの伝送データを受信するための通信制御動作をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、前記送信機では、前記の空間多重チャネルのチャネル行列HをLU分解して得られる上三角行列Uの逆行列U-1を送信重みに用いており、前記コンピュータ・システムに対し、
前記の空間多重チャネルのチャネル行列Hを取得するチャネル行列取得手順と、
該チャネル行列HをLU分解して下三角行列Lを求めるLU分解手順と、
前記送信機からの空間多重された送信信号を前記の複数のアンテナを介して、1つの送信系列のみからなりクロストーク成分のない受信系列と、以降の送信系列のクロストーク成分が1つずつ追加された受信系列で構成される受信信号を受信する受信手順と、
まずクロストーク成分を含まない受信系列について推定されるすべての送信系列の組み合わせと下三角行列Lを総当りで当てはめて受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定し、以降は、クロストーク成分数の少ない受信系列から順に、既に尤度判定されたクロストーク成分をすべてキャンセルしてから推定されるすべての送信系列の組み合わせと下三角行列Lを総当りで当てはめて、受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定するという演算を繰り返し実行して、送信系列を1つずつMLD受信する尤度判定手順と、
を実行させることを特徴とするコンピュータ・プログラム。 - 複数のアンテナを用いて、空間多重された複数のチャネルを用いて送信機からの伝送データを受信するための通信制御動作をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータ・システムに対し、
前記の空間多重チャネルのチャネル行列Hを取得するチャネル行列取得手順と、
該チャネル行列HをLU分解して、得られた下三角行列Lの逆行列L-1を受信重みとして求める受信重み算出手順と、
前記の複数のアンテナを介して受信される前記送信機からの空間多重された送信信号に受信重み行列L-1を乗算して、1つの送信系列のみからなりクロストーク成分のない受信系列と、以降の送信系列のクロストーク成分が1つずつ追加された受信系列で構成される受信信号として重み付け受信する受信手順と、
まずクロストーク成分を含まない受信系列について推定されるすべての送信系列の組み合わせと上三角行列Uを総当りで当てはめて受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定し、以降は、クロストーク成分数の少ない受信系列から順に、既に尤度判定されたクロストーク成分をすべてキャンセルしてから推定されるすべての送信系列の組み合わせと上三角行列Uを総当りで当てはめて、受信系列に最も近い系列を最尤系列として決定するという演算を繰り返し実行して、送信系列を1つずつMLD受信する尤度判定手順と、
を実行させることを特徴とするコンピュータ・プログラム。
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2005
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WO2016035828A1 (ja) * | 2014-09-03 | 2016-03-10 | 株式会社Nttドコモ | 無線送信局 |
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