JP2004064108A - 無線通信装置及び方法 - Google Patents

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リン イン チャン
Francois Chin
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Abstract

【課題】ダイバーシチ利得とビーム形成利得の両方から同時に利益を得る無線通信システムを提供する。
【解決手段】複数の送信アンテナを備えた基地局及び少なくとも一つの受信アンテナを備えた移動端末とを有する通信システムにおいて、ビーム形成と送信ダイバーシチを組み合わせて行うための方法及び装置であって、送信されるべき信号を時空符号化して少なくとも二つの分離した信号を各出力上に生成するステップと、選択された各々の送信ビーム形成重みづけし、重みづけのされた各信号を信号合成器に供給して信号を加算し、送信信号を生成するステップと、加算された信号を複数の送信アンテナの各々に供給するステップと、それぞれの物理チャネルを介して送信するステップと、送信された信号を少なくとも一つの受信アンテナで受信し、受信信号を時空復号化するステップとを含む方法である。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は一般的に無線通信システムに関する。より詳しくは、無線通信システムのダウンリンク性能の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】
無線移動通信には四つの主な問題がある。即ち、経路損失、マルチパスフェージング、シンボル間干渉(ISI)及び同一チャネル干渉である。これ等の要因による影響を抑え、無線通信システムの性能を改善するために適応アンテナを用いることができる。適応アンテナには二つのタイプがある。即ち、ダイバーシチアンテナとビーム形成アンテナである。ダイバーシチアンテナシステムでは、マルチパスフェージングを補償するために相関が低いか独立してフェージングが生じる複数のチャネルを獲得し、これによりダイバーシチ利得を得る。他方、ビーム形成アンテナは空間指向性を利用してビーム形成利得を提供し、これにより経路損失をある程度補償し、同一チャネル干渉を抑える。
【0003】
ダイバーシチアンテナシステムでは、特に広がり角が小さい環境では、低相関/独立フェージングチャネルを得るために、アンテナ間隔を充分に大きく、例えば、10λにすることが一般に要求される。しかしながら、ビーム形成アンテナは空間指向性を達成する必要があり、そのために全てのアンテナで受信される信号及び/又は全てのアンテナから送信される信号を相関させなければならない。このことは、ビーム形成アンテナの場合、アンテナ間隔は通常小さくしなければならない。例えば、一様リニアアレイ(ULA)の場合、半波長にしなければならないことを意味する。ダイバーシチアンテナシステムに対して要求されるアンテナ間隔とビーム形成システムに対して要求されるアンテナ間隔とは一致しないために、ダイバーシチ利得とビーム形成利得は同時には達成できないという偏見がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ダイバーシチ利得とビーム形成利得の両方から同時に利益を得る無線通信システムを提供するように捜し求めることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
従って、本発明の一つの様相は、複数の送信アンテナを備えた基地局と、単一の受信アンテナを備えた移動端末とを有する通信システムにおいて送信ダイバーシチ利得を達成する方法を提供し、該方法は、送信されるべき信号s(n)を提供するステップと、信号s(n)を時空符号化(space−time encoding)して少なくとも二つの分離した信号s1 (n)、s2 (n)を各出力上に生成するステップと、各出力信号s1 (n)、s2 (n)を各関数g1 (k)、g2 (k)を有する零強制プリイコライザに供給して出力信号x(n)、x2 (n)を生成するステップと、各プリイコライザの出力信号x1 (n)、x2 (n)を送信アンテナに供給するステップと、出力信号x1 (n)、x2 (n)を各物理チャネルh1 (k)、h2 (k)を介して送信するステップと、出力信号x1 (n)、x2 (n)を単一の受信アンテナで受信するステップと、受信された信号を時空復号化(space−time decoding)するステップとを含み、零強制プリイコライザの関数g1 (k)、g2 (k)は各物理チャネルh1 (k)、h2 (k)のチャネル応答g1 (k)* 1 (k)、g2 (k)* 2 (k)が平坦フェージング・チャネルであるように選択される。
【0006】
本通信システムは、時分割二重システムであり、前記方法はアップリンク・チャネル係数からプリイコライザの関数g1 (k)、g2 (k)を選択する際に使用するための実際のチャネル係数を導出する更なるステップを含むことが好ましい。
【0007】
アップリンク・チャネル係数から実際のチャネル係数を導出するステップはアップリンク・チャネルからのトレーニング・シンボルを使うのが便利である。
【0008】
アップリンク・チャネル係数から実際のチャネル係数を導出するステップはブラインド技術(blind techniques)を使うのが有利である。
【0009】
通信システムは周波数分割二重システムで、前記方法は一組のトレーニング・シンボルを移動端末の受信アンテナに送り、移動端末は実際のチャネル係数を見積もり、チャネル係数情報を基地局にフィードバックして実際のチャネル係数を導出する更なるステップを含むのが好ましい。
【0010】
本発明の別の様相は、物理チャネルh1 (k)、h2 (k)を介して単一の受信アンテナを備えた移動端末と通信するための複数の送信アンテナを備える基地局を提供し、該基地局は、送信すべき信号s(n)の入力及び分離した信号s1 (n)、s2 (n)をそれぞれ生成する少なくとも二つの出力を有する時空符号器(space−time encoder)と、各出力信号s1 (n)、s2 (n)が各々供給され、出力信号x1 (n)、x2 (n)を生成するための各関数g1 (k)、g2 (k)を有する少なくとも二つの零強制プリイコライザと、各プリイコライザの出力信号x1 (n)、x2 (n)が供給される少なくとも二つの送信アンテナとを含み、零強制プリイコライザの関数g1 (k)、g2 (k)は各物理チャネルh1 (k)、h2 (k)のチャネル応答g1 (k)* 1 (k)、g2 (k)* 2 (k)が平坦フェージング・チャネルであるように選択される。
【0011】
移動端末は単一の受信アンテナと基地局から受信した信号を復号するための時空複号器(space−time decoder)とを有するのが好ましい。
【0012】
本発明の更なる様相は、複数の送信アンテナを備えた基地局及び単一の受信アンテナを備えた移動端末とを有する通信システムにおいて周波数選択性フェージング・チャネルのためにビーム形成と送信ダイバーシチを組み合わせて行う方法を提供し、該方法は、送信されるべき信号S(n;k)を提供するステップと、信号S(n;k)を時空符号化して少なくとも二つの分離した信号S(n;k)、S2 (n;k)を各出力上に生成するステップと、各出力信号S(n;k)、S2 (n;k)を送信プロセッサに供給して出力信号X1 (n;k)、X2 (n;k)を生成するステップと、選択された各々の送信ビーム形成重みを各出力信号X1 (n;k)、X2 (n;k)に適用するステップと、重みづけのされた各信号を信号合成器に供給して信号を加算し、送信のための信号X(n;k)を生成するステップと、加算された信号X(n;k)を送信のための複数の送信アンテナの各々に供給するステップと、信号X(n;k)を各物理チャネルh(n;k)を介して送信するステップと、受信信号Y(n;k)を単一の受信アンテナで受信するステップと、受信信号Y(n;k)を受信プロセッサに供給して出力信号を生成するステップと、受信信号を時空復号化するステップとを含む方法である。
【0013】
各送信ビーム形成重みは、物理チャネルh(n;k)のダウンリンク・チャネル分散行列(DCCM)の二つの最大固有値に対応する固有ベクトルとして選択されるのが好ましい。
【0014】
物理チャネルh(n;k)は二つの時間遅延電磁波線h1 (n;k)とh2 (n;k)から構成され、送信プロセッサは周期的プリフィックスを加えず、送信プロセッサからの出力信号の一方は、選択された各送信ビーム形成重みが出力信号に適用される前にΔτだけ遅延させられ、前記遅延信号又はその逆高速フーリエ変換(IFFT)値が基地局の複数の送信アンテナと受信アンテナとの間の一つのチャネルh1 (n;k)のみを介して伝搬し、一方、非遅延信号又はそのIFFT値が基地局の複数の送信アンテナと受信アンテナとの間の別のチャネルh2 (n;k)のみを介して伝搬するよう前記ビーム形成重みが選ばれ、それにより送信された信号を復元するために時空復号化可能な二つの異なるチャネルを作り出すのが便利である。
【0015】
物理チャネルh(n;k)は二つの時間遅延したクラスタ化電磁波線h1 (n;k)とh2 (n;k)から構成され、送信プロセッサは長さΔΨの周期的プリフィックスを有し、送信プロセッサからの出力信号の一つは、選択された各送信ビーム形成重みが出力信号に適用される前にΨだけ遅延させられ、前記遅延信号又はその逆高速フーリエ変換(IFFT)値が基地局の複数の送信アンテナと受信アンテナとの間の一つのチャネルh1 (n;k)のみを介して伝搬し、一方、非遅延信号又はそのIFFT値が基地局の複数の送信アンテナと受信アンテナとの間の別のチャネルh2 (n;k)のみを介して伝搬するよう前記ビーム形成重みが選ばれ、それにより送信された信号を復元するために時空復号化可能な二つの異なるチャネルを作り出すのが有利である。
【0016】
前記方法は、チャネルh(n;k)についての電力遅延DOAプロファイル(power−delay−DOA profile)を見積るステップと、プロファイルに基づいて、送信プロセッサによって加えられるべき周期的プリフィックスの長さΔΨを決めるステップと、遅延Ψを決めるステップと、送信ビーム形成重みを決めるステップとを更に含むのが好ましい。
【0017】
前記方法は、送信ビーム形成重みを構成するために、アップリンク・チャネル分散行列(UCCM)からダウンリンク・チャネル分散行列(DCCM)を見積る更なるステップを含むのが有利である。
【0018】
前記方法は、送信ビーム形成重みを構成するために、アップリンク・チャネル分散行列(UCCM)からダウンリンク・チャネル分散行列(DCCM)を見積るステップと、チャネルh(n;k)についての電力遅延DOAプロファイルを見積るステップと、プロファイルに基づいて、送信プロセッサによって加えられるべき周期的プリフィックスの長さΔΨを決めるステップと、遅延Ψを決めるステップと、送信ビーム形成重みを決めるステップとを更に含むのが便利である。
【0019】
本発明の更なる様相は、二つの時間遅延電磁波線h1 (n;k)とh2 (n;k)を有する物理チャネルh(n;k)を介して単一の受信アンテナを備えた移動端末と通信するための複数の送信アンテナを備える基地局を提供し、該基地局は、送信すべき信号の入力及び分離した信号をそれぞれ生成する少なくとも二つの出力を有する時空符号器と、それぞれの時空符号器からの出力の一つを受けとる少なくとも二つの送信プロセッサと、それぞれの送信プロセッサからの出力を受けとり、その出力に送信ビーム形成重みを適用する少なくとも二つの送信ビーム形成器と、ビーム形成器から信号を受けとり、ビーム形成器からの信号を加算して、複数の送信アンテナによって送信するための信号を生成するように動作可能な信号合成器とを含む。
【0020】
送信プロセッサからの信号出力を、選択された各ビーム形成重みがその信号出力に適用される前にΔτだけ遅らせるために、Δτの遅延を送信プロセッサ出力の一つとビーム形成器との間で発生させ、送信プロセッサは周期的プリフィックスを加えないのが好ましい。
【0021】
送信プロセッサからの信号出力を、選択された各ビーム形成重みがその信号出力に適用される前にΨだけ遅らせるために、Ψの遅延を送信プロセッサ出力の一つとビーム形成器との間で発生させ、送信プロセッサは長さΔΨの周期的プリフィックスを有するのが便利である。
【0022】
チャネルh(n;k)についての電力遅延DOAプロファイル見積り値を決定するためのプロセッサが設けられ、プロファイルに基づいて、送信プロセッサによって加えられる周期的プリフィックスの長さΔΨ、遅延Ψ、及び送信ビーム形成重みを決めるのが有利である。
【0023】
送信ビーム形成重みを構成するために、アップリンク・チャネル分散行列(UCCM)からダウンリンク・チャネル分散行列(DCCM)を見積るためのプロセッサが設けられるのが便利である。
【0024】
基地局は、チャネルh(n;k)についての電力遅延DOAプロファイル見積値を決定し、プロファイルに基づいて、送信プロセッサによって加えられる周期的プリフィックスの長さΔΨ、遅延Ψ、及び送信ビーム形成重みを決定するための第一のプロセッサと、送信ビーム形成重みを構成するために、アップリンク・チャネル分散行列(UCCM)からダウンリンク・チャネル分散行列(DCCM)を見積るための第二のプロセッサとを更に含むのが好ましい。
【0025】
送信プロッセサ及び受信プロセッサはOFDM、CDMA及びTDMAプロセッサより成る群から選択されるのが便利である。
【0026】
通信システムは、基地局並びに単一の受信アンテナ、出力信号を生成するための受信プロセッサ及び出力信号を復号するための時空復号器を有する移動端末を含むのが有利である。
【0027】
本発明の更なる様相は、複数の送信アンテナを備えた基地局及び単一の受信アンテナを備えた移動端末とを有する通信システムにおいて周波数選択性フェージング・チャネルのためにビーム形成と送信ダイバーシチを組み合わせて行う方法を提供し、該方法は、送信されるべき信号s(n)を提供するステップと、信号s(n)を時空符号化して少なくとも二つの分離した信号s1 (n)、s2 (n)を各出力上に生成するステップと、時空符号化された出力信号の一つをΔτだけ遅延させるステップと、選択された各送信ビーム形成重みを遅延信号及び非遅延信号に適用するステップと、重みづけのされた各信号を信号合成器に供給して信号を加算し、送信のための信号を生成するステップと、加算された信号を送信のための複数の送信アンテナの各々に供給するステップと、加算された信号を二つの時間遅延電磁波線h1 (k)、h2 (k)を備えた物理チャネルh(k)を介して送信するステップと、送信された信号の主成分を単一の受信アンテナで実質的に同時に受信するステップと、受信信号を時空復号化するステップとを含む方法である。
【0028】
遅延信号が基地局の複数の送信アンテナと受信アンテナとの間の一つの電磁波線h1 (k)のみを介して伝搬し、一方、非遅延信号が基地局の複数の送信アンテナと受信アンテナとの間の別の電磁波線h2 (k)のみを介して伝搬するよう前記ビーム形成重みが選ばれるのが好ましい。
【0029】
遅延Δτはダウンリンク・チャネル情報から導出されるのが便利である。
【0030】
本発明の更なる様相は、二つの時間遅延電磁波線h1 (k)、h2 (k)を有する物理チャネルh(k)を介して単一の受信アンテナを備えた移動端末と通信するための複数の送信アンテナを備える基地局を提供し、該基地局は、送信すべき信号の入力及び分離した信号をそれぞれ生成する少なくとも二つの出力を有する時空符号器と、時空符号器からの出力を各々受けとり、その出力に送信ビーム形成重みを適用する少なくとも二つの送信ビーム形成器と、ビーム形成器から信号を受けとり、ビーム形成器からの信号を加算して、複数の送信アンテナの各々によって送信するための信号を生成するように動作可能な信号合成器とを含み、送信された信号の主成分が単一の受信アンテナで実質的に同時に受信されるようΔτの遅延が時空符号器とビーム形成器の一つとの間に介在させられる。
【0031】
通信システムは、基地局並びに単一の受信アンテナ及び受信した信号を復号するための時空復号器を有する移動端末を含むのが好ましい。
【0032】
本発明の一つの目的は、多重アンテナアレイを備えた基地局を用いることにより、移動端末においてダイバーシチ利得、ビーム形成利得及び遅延スプレッドの低減を同時に達成することである。
【0033】
本発明の実施形態の利点は以下の通りである。
・ビーム形成利得と送信ダイバーシチが同時に達成される。
・電力遅延DOAプロファイルに基づいて、遅延スプレッドを適応的に減少できる。
・二電磁波線環境では、周波数選択性フェージング・チャネルが平坦フェージング・チャネルに変えられるが、経路ダイバーシチ利得は維持される。
・丘陵地(HT)環境では、経路ダイバーシチ利得を維持しながら、遅延スプレッドが長いチャネル(long delay spread channel)を遅延スプレッドが短いチャネル(short delay sopread channel)に変えることができる。
・遅延スプレッドの低減及びビーム形成と送信ダイバーシチの組み合わせにより本発明のシステムは高いスペクトル効率を提供し、送信電力消費を低減できる。・又、本発明のシステムは、ダイバーシチのオーダ及びチャネル状態に基づいてスペクトル効率を更に改善するために適応変調を用いている。
・移動端末は通常物理的寸法及び電池電力によって制限される。発明されたシステムでは、複雑な処理を移動端末ではなく、基地局で行うようにした。従って、移動端末の複雑さを低減できる。
・発明されたシステムは、ダウンリンク送信のために高いデータ転送速度が必要とされるアプリケーションに対して良好に適用できる。これ等のアプリケーションの例としては、第三世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)における高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、無線インターネット、及び無線マルチメディア通信が挙げられる。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明は、基地局における複数のアンテナの使用に焦点を絞って無線通信システムのダウンリンク性能を改善する。ダウンリンク・ビーム形成は、特にマルチメディア通信にきわめて有害な干渉を制限するのに有効である。送信ダイバーシチは、受信ダイバーシチが実際的でないときに、特にサイズ及び/又は電力に制限がある移動端末に有効な技術である。また、受信ダイバーシチが使用可能な場合でも、ダウンリンク性能をさらに改善するために使用することができる。
【0035】
マルチパス伝播環境において、受信機は、時間が遅延され振幅が変更され到来方向(DOA:direction of arrival)に依存するいくつかの種類の送信信号を捕捉する。様々なパスに沿って到来する信号の内、最初に到来した信号と最後に到来した信号の間の最大時間遅延がシンボル・インターバルよりも小さいときは、これらのパスは、時間領域で分解不可能である。しかしながら、これらのパスは、様々なDOAから来るので、空間領域では分解可能である。それぞれのパスは、独立したフェージングを受けるため、ビーム形成アンテナ・アレイを使用することによって、送信ダイバーシチが適用可能ないくつかの独立したチャネルを得ることができる。
【0036】
最大相対遅延が、シンボル・インターバルより大きいときは、周波数選択性フェージング・チャネルが観察される。周波数選択性は、ダイバーシチを達成するには有益であるが、受信機で抑制しなければならないシンボル間干渉(ISI)を生じる。この現象は、データ伝送速度が高くなるにつれてより頻繁に発生するようになる。ISIを抑制する1つの方法は、受信機において等化(イコライゼーション)を使用することである。しかしながら、イコライザの性能は、無線チャネルの周波数応答に依存する。特に、チャネルの周波数応答が、ある周波数帯に深いヌル(null)を有するとき、等化出力ではノイズが増加し、この影響により、周波数選択性によって得られるダイバーシチ利得が下がることがある。その一方で、基準信号として決定指向シンボル(decision−directed symbol)が使用される場合、適応イコライザは、誤り伝播問題の発生を促進することがあり、遅延スプレッドが大きい場合にはイコライザがさらに複雑になる。
【0037】
ISIを減少させるもう1つの方法は、基地局にある適応性アンテナを使用して遅延スプレッドを減少させることである。例えば、基地局が、それぞれの遅延した受信信号の到来方向(DOA)情報を知っている場合、基地局は、一つのパスに対してのビームを形成するとともに、同時に他のパスのDOAにおいてはアンテナ利得をゼロにするか、利得を下げることができる。この方式では、移動端末は、各送信信号の1つのパスだけを受け取る。この方法は、信号検出が単純であるが、1つのパスだけを使用しているので、ダイバーシチ利得が犠牲になる。
【0038】
送信ダイバーシチは、受信ダイバーシチと比べて、過去十年間において大きな注目を集めてきた。A.Wittnebenの「A new handwidth efficient transmit antenna modulation diversity scheme for linear digital modulation」Proc.Of ICC’93,pp.1630−1634,1993に開示されているような遅延ダイバーシチは、複数の送信アンテナを使用する初期送信ダイバーシチ技術の一つである。この方法は、平坦フェージング・チャネルを、周波数ダイバーシチを利用して周波数選択性フェージング・チャネルに変換する。人為的に生成されたISIを補償するために、移動端末にイコライザが設けられる。このイコライザの性能は、チャネルの周波数特性に依存する。さらに、適応イコライザは、基準信号として決定指向シンボルを使用すると、誤り伝播問題が生じることがある。実際に、Y.C.Liang、Y.Li及びK.J.R.Liuによる「Feasibility of transmit diversity for IS−136 TDMA systems」Proc. Of VTC’98,pp.2321−2324,1998には、このダイバーシチ法は、最大ドップラ周波数が40Hzを超えるとき、ダイバーシチを使用しない場合よりも悪化することが示されている。S.M.Alamoutiによる「A simple transmit diversity technique for wireless communications」IEEE Journal of Selected Areas in Communications, Vol.16,No.8,pp1451−1458,1998年10月において、Alamoutiは置換ダイバーシチ法(permutation diversity method)を提案しており、この方法の性能は、最大比合成(MRC:maximal−ratio combining)受信ダイバーシチと同等である。この方法は、単純な受信機構造でよい。より一般的な送信ダイバーシチ法は、V.Tarokh、N.Seshadri及びA.R.Calderbankによる「Space−time codes for high data rate wireless communication:Performance analysis and code construction」IEEE trans.On Information Theory,vol.44,No.3,pp.744−765,1998年3月に開示されているような時空符号化法(space−time coding method)と呼ばれる。時空符号は、時空トレリス符号(STTC:space−time trellis code)と時空ブロック符号(STBC:space−time block code)を含む。実際に、置換ダイバーシチは、STBCの最も単純な種類である。
【0039】
Alamoutiの置換ダイバーシチ法を示す図1は、基地局(BS)に2つの送信アンテナ1、2を備えた置換ダイバーシチ法を示す。送信される信号s(n)は、最初に、時空符号化モジュール3で符号化される。時空符号化モジュール3は、以下のように動作する。すなわち、時空符号化モジュール3は、1つの入力ポートと2つの出力ポートとを有する。入力ポートは、送信シーケンスs(0)、s(1)等を受け入れる。2つの出力ポートは、これに応じて下記の表1のように、時刻t=n及びt=n+1において、それぞれの出力信号s1 (t)及びs2 (t)を提供する。ここで、nは偶数の整数である。
【0040】
【表1】
Figure 2004064108
【0041】
移動端末の単一の受信アンテナ4で時刻t=n及びt=n+1に受信した信号は、次の式で表される。
【0042】
【数1】
Figure 2004064108
【0043】
【数2】
Figure 2004064108
【0044】
ここで、α1 とα2 はそれぞれ、2つの送信アンテナ1、2から受信機アンテナ4へのそれぞれのチャネル応答であり、w(n)は、付加白色ガウス・ノイズ(AWGN:additive white Gaussian noise)である。
【0045】
受信信号は、次に、時空復号モジュールによって以下のように復号化される。具体的には、式(1)及び式(2)は、行列形式で記述することができる。
【0046】
【数3】
Figure 2004064108
【0047】
【数4】
Figure 2004064108
【0048】
したがって、チャネル係数は、トレーニング・シンボル(training symbol)を使用して、式(3)により推定することができる。一方、信号の推定/検出には、式(4)を使用することができる。また、この信号検出方法は、置換復号(permutation decoding)とも呼ばれる。
【0049】
受信機に複雑なイコライザを必要とする遅延ダイバーシチ技術に対して、置換ダイバーシチのチャネル推定及び信号検出は、必要な数値演算がきわめて単純であることに注意されたい。また、1送信器/2受信機の受信ダイバーシチ技術に比べて、置換ダイバーシチ法の性能は3dB低下するが、最大比率合成(MRC)法を使用する受信ダイバーシチ技術と同程度のダイバーシチ利得を得ることができる。
【0050】
置換ダイバーシチを時空ブロック符号(STBC)と時空トレリス符号(STTC)に拡張することができる。これらの符号は全て、平坦フェージング環境用の送信ダイバーシチを実現する。
【0051】
本発明の1つの例は、Alamoutiのダイバーシチ法を周波数選択性フェージング・チャネルに適用するものである。遅延スプレッドが、シンボル・インターバルよりも大きいときに、周波数選択性フェージング・チャネルが見られる。図2は、Alamoutiのダイバーシチ法を周波数選択性フェージング・チャネルに適用するシステム・モデルを示す。送信される信号s(n)は、最初に、2つの分岐出力を有する符号化モジュール3において、Alamoutiの符号を使用して、s1 (n)とs2 (n)として符号化される。次に、s1 (n)とs2 (n)は、関数g1 (k)及びg2 (k)を有する2つのプレイコライザ6及び7に渡され、2つの出力シーケンスy1 (n)及びy2 (n)が生成される。y1 (n)とy2 (n)は、最終的に、変調されRF信号として高い周波数に変換され、物理チャネルh1 (k)及びh2 (k)として送信アンテナ1及び2から出力される。
【0052】
プレイコライザ6及び7の関数g1 (k)及びg2 (k)はそれぞれ、2つの物理チャネルh1 (k)及びh2 (k)を事前に等化するために使用される。プレイコライザをゼロ強制基準(zero−forcing criterion)で設計することによって、全体的なチャネル応答g1 (k)*h1 (k)及びg2 (k)*h2 (k)が、平坦フェージング・チャネルになり、これにより、Alamoutiの符号/復号方法を使用することができる。ここで、「*」は、畳み込み演算を示す。
【0053】
プレイコライザ6、7を設計するために、基地局/送信アンテナ1、2において、実際のチャネル係数h1 (k)及びh2 (k)が分かっていなければならない。これは、2つの方法で行うことができる。時分割二重(TDD)システムの場合、ダウンリンク・チャネル係数は、アップリンク・チャネル係数と同じであり、これは、トレーニング・シンボル又はブラインド法を使用して、アップリンクから導き出すことができる(一定のスケーラー(scaler)まで)。周波数分割二重(FDD)システムの場合は、基地局が、1組のトレーニング・シンボルを移動端末に送り、移動端末が、次に、ダウンリンク・チャネル情報を推定しそれを基地局にフィードバックする。
【0054】
前述の方法は、他の時空符号にも適用可能である。
【0055】
直交周波数分割多重(OFDM)は、遅延スプレッドが大きい問題に対処するための既知の有効な方法である。OFDMと送信ダイバーシチ法の組合せにより、大きな遅延スプレッドが抑制されるだけなく、送信ダイバーシチ利得が得られる。図3は、Y.Li,N.SeshadriとS.Ariyavisitakulによる「Channel estimation for OFDM systems with transmitter diversity in mobile wireless channels」IEEE Journal of Selected Areas in Communications,vol.17,No.3,pp.461−471,1999年3月に示されているような2アンテナ送信ダイバーシチを備えた従来技術OFDMシステムを示す。送信される信号S(n;k)は、最初に、符号化モジュール3において時空符号を使用して符号化され、2つの分岐出力がS(n;k)とS(n;k)として生成される。次に、S1 (n;k)とS2 (n;k)は、それぞれの標準OFDM送信プロセッサ8、9に渡され、その出力は、最終的に、変調されRE信号として高い周波数に変換され、送信アンテナ1、2から出力される。
【0056】
移動局の単一アンテナ受信機4において、受信信号は、標準OFDM受信プロセッサ10に渡され、次に時空復号モジュール5に渡される。具体的には、高速フーリエ変換(FFT)出力は、次のようになる。
【0057】
【数5】
Figure 2004064108
【0058】
【数6】
Figure 2004064108
【0059】
式(5)及び(6)において、H1 (n;k)とH2 (n;k)はそれぞれ、送信アンテナ1と受信アンテナ4の間のチャネル・インパルス応答h1 (n;k)と、送信アンテナ2と受信アンテナ4の間のチャネル・インパルス応答h2 (n;k)のフーリエ変換であり、W(n;k)は、受信アンテナ4で受け取る付加ノイズw(n;k)のFFT出力である。
【0060】
時刻t=k及びt=k+1におけるS1 (n;t)及びS2 (n;t)(但し、kは偶数の整数)が以下の表2のように選択された場合、置換復号法(Pennutation decoding method)を容易に適用することができる。
【0061】
【表2】
Figure 2004064108
【0062】
従来技術:平坦フェージング・チャネル用の組み合わせビーム形成及び送信ダイバーシチ。
【0063】
以上の3つの方法(Alamoutiの置換ダイバーシチ法、周波数選択性フェージング・チャネルに適用されるダイバーシチ法、及び送信ダイバーシチを備えたOFDM)により、周波数選択性フェージング・チャネル又は平坦フェージング・チャネルに対して送信ダイバーシチ利得が得られる。送信アンテナは、ダイバーシチ・アンテナの一種であり、すなわち、アンテナ間隔が大きく、例えば、典型的には波長の10倍である。
【0064】
図4は、R.Negi、A.M.Tehrani及びJ.Cioffiによる「Adaptive antennas for space−time coding over block invariant multipath fading channels」Proc.of IEEE VTC,pp.70−74,1999に開示されているような平坦フェージング・チャネル用の組み合わせビーム形成及び送信ダイバーシチの既知のシステムを示す。送信される信号s(n)は、最初に、時空符号化モジュール3を使って符号化され、2つの分岐出力がs1 (n)とs2 (n)として生成される。次に、s1 (n)とs2 (n)はそれぞれ、2つの送信ビーム形成器11、12、w1 及びw2 に渡され、次に、ベクトル形式で以下のような伝送用の信号x(n)を生成するために2つの入力の単純な加算機能を実行する信号合成器13に渡される。
【0065】
【数7】
Figure 2004064108
【0066】
空間選択性を得るために、アンテナ間隔dは、小さい距離(例えば、半波長)に設定され、送信アンテナ1A、1B、2の数Mは、3つ以上である。これは、ダイバーシチ・アンテナ・アレイではなく、ビーム形成アンテナ・アレイである。物理チャネルが、空間的に分離されたL個のパスからなり、そのフェージング係数とDOAは、k=1,...,Lの場合に、(αk (t),θk )として示される。最初に到来したパスに対する最大時間遅延が、シンボル・インターバルよりも小さい場合は、平坦フェージング・チャネルが観察され、瞬間的チャネル応答hd (t)は、以下のように表わすことができる。
【0067】
【数8】
Figure 2004064108
【0068】
ここで、ad (θk )は、DOA(θk )でのダウンリンク・ステアリング・ベクトルである。移動端末における受信信号(y(n))は、次の式で与えられる。
【0069】
【数9】
Figure 2004064108
【0070】
【数10】
Figure 2004064108
【0071】
【数11】
Figure 2004064108
【0072】
信号対ノイズ比(SNR)の最大平均は、式(10)を最大化することによって得られるが、条件(11)は、β1 (t)とβ2 (t)が統計的に相関しないことを保証し、したがって、最大ダイバーシチ利得を得ることができる。
【0073】
式(9)を式(1)と比較すると、ダウンリンク・ビーム形成の支援により、統計的に相関しない2つのフェージング・チャネルβ1 (t)及びβ2 (t)が人為的に生成され、時空復号を使用して、送信された信号s(n)を復元することができる。Alamoutiのダイバーシチ法の場合は、置換復号が適用される。
【0074】
最適な送信ビーム形成重みベクトルは、次のような、ダウンリンク・チャネル分散行列(DCCM:downlink channel covariance matrix)の最も大きい2つの固有値に対応する固有ベクトルである。
【0075】
【数12】
Figure 2004064108
【0076】
ここで、全てのフェージング係数について期待値が導かれる。全てのパスが同じ平均電力を有する、即ちE|αk (t)|2 =1/Lと想定すると、DCCMは、次の式で与えられる。
【0077】
【数13】
Figure 2004064108
【0078】
TDDの場合、DCCMは、アップリンク・チャネル分散行列(UCCM)と同じである。FDDの場合は、DCCMを推定する方法が2つあり、その方法は両方とも、アップリンク信号とダウンリンク信号が同じDOAを通るという事実に基づく。第1の方法は、最初に、受け取ったアップリンク信号から全てのパスのDOAを推定し、次にダウンリンク・ステアリング・ベクトルad (θk )を構成し、さらに式(13)によってDCCM Rd を構成する。第2の方法は、Y−C.LiangとF.Chinによる「Downlink beamforming methods for capacity enhancement in wireless communication systems」シンガポール特許出願第9904733.4号に開示されているような周波数較正処理によってUCCMから直接DCCMを推定する。この方法は、DOA推定及びそれに関連するものを必要とせず、したがって実施が単純である。
【0079】
このシステムは、平坦フェージング環境に対してダイバーシチ利得とビーム形成を同時に達成するが、本システムを周波数選択性フェージング環境に拡張することが望ましい。
【0080】
ビーム形成を使用しない移動無線通信の場合、一般に使用される3つの電力遅延プロファイルは、2電磁波線(TR:two ray)モデル、標準都市(TU:typical urban)モデル、及び丘陵地(HT:hilly terrain)モデルである。ダウンリンク・ビーム形成を追加するときは、電力遅延DOAプロファイルを検討しなければならない。TUモデルを有するピコセル、ミクロセル、及びマクロセルにおいて、パス遅延とDOAの間の相関性は少ない。しかしながら、TRモデルとHRモデルを有するマクロセルにおいて、パス遅延は、通常、統計的にDOAに依存する。本明細書では、様々な環境について、組み合わせビーム形成及び送信ダイバーシチ利得ならびに最大スペクトル効率を達成する様々な方式があることを示す。
【0081】
本発明のもう1つの例は、OFDMを利用して組み合わせビーム形成及び送信ダイバーシチを得る。
【0082】
組み合わせビーム形成及び送信ダイバーシチは、周波数選択性フェージング・チャネルにOFDMを使用することによって得ることができる。図5は、組み合わせビーム形成及び送信ダイバーシチを備えたOFDMシステムを示す。ビーム形成及び送信ダイバーシチ利得を維持しながら、どの様にして遅延スプレッドを減少させることができるかを示すための一例としてOFDMを選択したが、他の例として、MC−CDMA、MC−DS−CDMA、周期的プリフィックスを使用する単一キャリアシステムなど、他のマルチキャリア変調方式がある。
【0083】
n番目のブロックのk番目のトーンにおける送信信号S(n;k)は、最初に、基地局の符号化モジュール3で時空符号を使用して符号化され、2つの分岐出力S(n;k)及びS2 (n;k)が生成される。S1 (n;k)とS2 (n;k)は、それぞれの標準OFDM送信プロセッサ8、9に渡され、次にそれぞれ2つの送信ビーム形成器10、11(w1 及びw2 )に渡される。ビーム形成出力は、最終的に、合成器13で合成され、基地局アンテナ・アレイの送信アンテナ1A、1B、2によって送出される。
【0084】
基地局アンテナ・アレイ1A、1B、2に関しては、無線チャネル・インパルス応答の複素ベースバンド表現は、次のベクトル形式で示すことができる。
【0085】
【数14】
Figure 2004064108
【0086】
【数15】
Figure 2004064108
【0087】
時刻tにおけるh(t;τ)のフーリエ変換(FT)は次の式で与えられる。
【0088】
【数16】
Figure 2004064108
【0089】
ブロック長Tb とトーン間隔ft を有するOFDMシステムの場合、H(t;f)の離散値は、次の式で与えられる。
【0090】
【数17】
Figure 2004064108
【0091】
したがって、様々な時間と周波数についての周波数応答の相関関数行列は、次の式で与えられる。
【0092】
【数18】
Figure 2004064108
【0093】
【数19】
Figure 2004064108
【0094】
移動端末の単一アンテナ4において、受信信号は、最初に、標準OFDM受信プロセッサ10に渡され、次に置換デコーダ5に渡される。標準OFDM受信プロセッサ内で、FFT出力は次のようになる。
【0095】
【数20】
Figure 2004064108
【0096】
【数21】
Figure 2004064108
【0097】
ここで、W[n;k]は、ゼロ平均AWGNである。
Figure 2004064108
【0098】
【数22】
Figure 2004064108
【0099】
【数23】
Figure 2004064108
【0100】
この場合も、最大平均SNRは、式(22)を最大にすることにより得られるが、条件(23)は、β1 とβ2 が統計的に相関しないことを保証し、それにより、最大ダイバーシチ利得を得ることができる。
【0101】
最適送信ビーム形成重みベクトルは、ダウンリンク・チャネル分散行列(DCCM)Rd の最も大きい2つの固有値に対応する固有ベクトルである。
【0102】
【数24】
Figure 2004064108
【0103】
式(20)及び(21)を式(5)及び(6)と比較すると、ダウンリンク・ビーム形成の支援により、相関しない2つのフェージング・チャネルが生成され、これにより、時空復号を使用して送信信号を復元することができる。S1 (n;k)とS2 (n;k)が以下の表3のように選択された場合に、置換復号法を適用することができる。
【0104】
【表3】
Figure 2004064108
【0105】
OFDMについてのDCCMを推定するための周波数較正法
ダウンリンク・ビーム形成重みを生成するには、まず、DCCMを構成することが必要である。Y−C.LiangとF.Chinによる「Downlinkbeamforming methods for capacity enhancement in wireless communication systems」シンガポール特許出願第9904733.4号に開示された周波数較正法が適用される。
【0106】
類似の方法を使用することにより、様々な時間と周波数についてのアップリンク周波数応答の相関関数行列が次の式で与えられることを示すことができる。
【0107】
【数25】
Figure 2004064108
【0108】
【数26】
Figure 2004064108
【0109】
式(19)と式(26)を比較すると、UCCMからのDCCMを推定するために、Y−C.LiangとF.Chinによる「Downlink beamforming methods for capacity enhancement in wireless communication systems」シンガポール特許出願第9904733.4号に示されたFC法が使用される。
【0110】
このシステムは、OFDMシステムについてのダイバーシチ利得及びビーム形成利得を提供する。このシステムにおいて、周期的プリフィックスの長さは、物理的時間遅延の最大値によって決定され、通常OFDMシステムのものと同じである。したがって、これは、DOAが統計的に時間遅延に依存しない環境に容易に適用することができる。
【0111】
パスのDOAが、統計的にパス遅延と関連している時、例えばTR環境とHR環境では、ビーム形成利得とダイバーシチ利得を同時に実現できるだけでなく、周期的プリフィックスも減少させ、それによりスペクトル効率が改善される。
【0112】
本発明のさらに他の例は、2電磁波線(TR)モデルのために周波数選択性フェージング・チャネル用の組み合わせビーム形成及び送信ダイバーシチを利用する。
【0113】
物理チャネルがTRモデルに従うと仮定する。基地局のアンテナ・アレイに関し、無線チャネル・インパルス応答の複素ベースバンド表現は次のベクトル形式で示すことができる。
【0114】
【数27】
Figure 2004064108
【0115】
ただし、
【0116】
【数28】
Figure 2004064108
【0117】
【数29】
Figure 2004064108
【0118】
△τ=τ2 ―τ1 がシンボル・インターバルより大きいときには、ISIが存在する。組み合わせビーム形成及びダイバーシチ技術を用いることにより、2電磁波線が空間的に分離されている場合に、周波数選択性フェージング・チャネルを平坦フェージング・チャネルに変え、さらに同時に送信ダイバーシチを維持することができる。
【0119】
図6は、2電磁波線周波数選択性フェージング・チャネルのための組み合わせビーム形成及び送信ダイバーシチを備えた通信システムを示す。送信される信号s(n)は、最初に、符号化モジュール3で時空符号を使用して符号化し、2つの分岐出力がs1 (n)とs2 (n)として出力される。次に、s1 (n)が、△τだけs(n)を遅延させる遅延機構14に送られ、x1 (n)が生成され、これは、さらに、送信ビーム形成器11(w1 )に渡される。第2の分岐出力s2 (n)は、他の送信ビーム形成器12(w2 )に直接渡される。次に、ビーム形成出力が、合成器13内で合成され、送信アンテナ1A、1B、2によって送られ、次のような送信信号が生成される。
【0120】
【数30】
Figure 2004064108
【0121】
移動端末の単一アンテナ4の受信信号y(n)は、次の式で与えられる。
【0122】
【数31】
Figure 2004064108
【0123】
z(n)=y(n+△τ)とし、2つの送信信号のプレアライメントを考慮すると、次の式が与えられる。
【0124】
【数32】
Figure 2004064108
【0125】
ビーム形成重みは、第1の分岐出力s1 (n)が基地局アンテナ・アレイと受信アンテナ4の間の第1のパスhd,1 だけを通り、かつ第2の分岐出力s(n)が基地局アンテナ・アレイと受信アンテナ4の間の第2のパスhd,2だけを通るように選択される。数学的には次の通りである。
Figure 2004064108
【0126】
この場合、ISIの項は完全に除去され、z(n)は、次のように記述することができる。
【0127】
【数33】
Figure 2004064108
【0128】
したがって、周波数選択性フェージング・チャネルが、平坦フェージング・チャネルに変えられ、それにより、送信ダイバーシチ法を適用することができる。
【0129】
送信ビーム形成重みは、次のように、平均送信SINR関数を最大にすることによって選択することができ好都合である。
【0130】
【数34】
Figure 2004064108
【0131】
送信ビーム形成重みは、モバイル受信機における平均受信SINRを最大にすることによって選択することができることが好ましい。すなわち、次のようになる。
【0132】
【数35】
Figure 2004064108
【0133】
送信ビーム形成重みWm は、Rd,m の主固有ベクトルとして選択することができると有利である。
【0134】
この場合も、UCCMからDCCMを直接推定するために、Y−C.LiangとF.Chinによる「Downlink beamforming methods for capacity enhancement in wireless communication systems」シンガポール特許出願第9904733.4号に開示された周波数較正法が使用される。
【0135】
組み合わせビーム形成及び送信ダイバーシチ利得を実現する前述の方法は、プレアライメント(PAL)法と呼ばれる。s1 (n)を△τだけ遅延させる目的は、2つのシーケンスs1 (n)とs2 (n)の主成分が同時に受信機に達するようにすることである。これにより、遅延スプレッドがゼロに減少された。その一方で、ISI効果を最少にしかつ2つの相関しないチャネルを作為的に生成するためにビーム形成が使用され、それにより、送信ダイバーシチ利得が実現される。
【0136】
PAL法は、ダウンリンク電力遅延DOA(PDD)プロファイルに埋め込まれる遅延情報(△τ)を必要とする。PDDプロファイルは時間によって変動するが、その変化は時間的にゆっくりである。また、ダウンリンクPDDプロファイルは、アップリンクPDDプロファイルと殆ど同じであり、これは、受信アップリンク信号から推定することができる。
【0137】
また、PAL法は、電磁波線の数が3つ以上のシステムにも適用することができる。この場合、これは、3つ以上の時空符号化出力を必要とし、最初の出力以外の他の出力は、1つの遅延に対応する。
【0138】
時空符号化出力の数が、例えば2に固定された場合は、遅延△τと送信ビーム形成重みを生成するために、2つの主電磁波線を選択することができる。このシステムを直接適用することによりCDMAのフィンガ間干渉(interfinger−interference)を減少させることができる。何故なら、フィンガの総数を減少できるからである。
【0139】
従来、物理チャネルh(k)が△τだけ遅延された2つの主電磁波線h1 (k)、h2 (k)を有する複数の電磁波線からなる時、ビーム形成重みは、遅延された信号が、基地局の複数の送信アンテナと受信アンテナの間の1つの電磁波線h1 (k)だけを通り、遅延されていない信号が、基地局の複数の送信アンテナと受信アンテナの間の別の電磁波線h2 (k)だけを通るように選択される。
【0140】
物理チャネルh(k)が、△τだけ遅延された2つの主電磁波線h1 (k)、h2 (k)を有する複数の電磁波線からなるとき、ビーム形成重みは、基地局における平均送信SINR関数が、各電磁波線に関して最大化されるように選択されると有利である。
【0141】
物理チャネルh(k)が、△τだけ0延された2の主電磁波線h1 (k)、h2 (k)を有する複数の電磁波線からなるとき、ビーム形成重みは、移動端末における平均受信SINR関数が最大になるように選択されることが好ましい。
【0142】
本発明のもう1つの例では、2電磁波線(TR)モデルのために周波数選択性フェージング・チャネル用の組み合わせビーム形成及び送信ダイバーシチを備えたOFDMを利用する。
【0143】
OFDMにおける遅延スプレッド低減が直接使用される。典型的なOFDMシステムにおいては、ISIを除去しかつ各サブチャネル間の直交性を保証するために、周期的プリフィックスが追加される。周期的プリフィックスの長さは、最大時間遅延(移動無線通信環境の場合、約40μs)よりも大きくなければならない。周期的プリフィックスを追加すると、スペクトル効率が低下するだけでなく、送信電力の1部分が占有される。同じ性能を維持しながら周期的プリフィックスを減少させることができれば、OFDMシステムのスペクトル効率と電力効率を大幅に改善することができる。
Figure 2004064108
【0144】
図7は、本発明を具体化した、TRモデルのための組み合わせビーム形成及び送信ダイバーシチを有するOFDMシステムを示す。n番目のブロックのk番目のトーンにおける送信信号S(n;k)は、最初に、符号化モジュール3において時空符号を使用して符号化され、それにより、2つの分岐出力S1 (n;k)及びS2 (n;k)が生成される。分岐出力S1 (n;k)とS2 (n;k)は共に、周期的プリフィックスが追加されることなく、それぞれのOFDM送信プロセッサ8、9に渡される。S1 (n;k)は、次に、遅延機構14で△τだけ遅延され、X1 (n;k)が生成され、さらに、送信ビーム形成器11(w1 )に渡される。第2の分岐出力S2 (n;k)は、他の送信ビーム形成器12(w2 )に直接渡される。次に、ビーム形成出力は合成され、基地局の送信アンテナ・アレイ1A、1B、2に送られ、次のような送信信号が生成される。
【0145】
【数36】
Figure 2004064108
【0146】
移動端末の単一アンテナ4において、最初に、受信信号が、標準OFDM受信プロセッサ10に渡される。ビーム形成重みは、第1の分岐出力S1 (n;k)又はその反転FFT(IFFT)値s1 (n;k)が、基地局アンテナ・アレイと受信アンテナ4の間の第1のパスh1 (n;k)だけを通り、第2の分岐出力S2 (n;k)又はその反転FFT(IFFT)値s2 (n;k)が、基地局アンテナ・アレイと受信アンテナ4の間の第2のパスhm(n;k)だけを通るように選択される。送信ビーム形成重みを適切に選択すれば、移動局の受信信号のFFT出力は、次のようになる。
【0147】
【数37】
Figure 2004064108
【0148】
式(37)を式(5)と比較すると、ダウンリンク・ビーム形成の支援により、2つのチャネルが人工的に作成され、これは、送信信号を復元するためにモジュール5によって時空復号することができる。さらに、S1 (n;k)とS(n;k)を次の表4のように選択した場合は、置換復号法を容易に適用することができる。
【0149】
【表4】
Figure 2004064108
【0150】
TRモデル用のための組み合わせビーム形成及び送信ダイバーシチを備えたOFDMシステムにPALが適用されるときは、周期的プリフィックスを追加する必要はない。これにより、送信ダイバーシチ、ビーム形成、及びスペクトル効率向上による利点が得られる。
【0151】
送信ビーム形成重みは、平均送信SINR関数を最大にすることによって選択することができると好都合である。
【0152】
送信ビーム形成重みは、モバイル受信機における平均受信SINRを最大にすることによって選択することができることが好ましい。
【0153】
送信ビーム形成重みWm は、Rd,m の主固有ベクトルとして選択することができると有利である。
【0154】
この場合も、UCCMからDCCMを直接推定するために、Y−C.LiangとF.Chinによる「Downlink beamforming methods for capacity enhancement in wireless communication systems」シンガポール特許出願第9904733.4号に開示された周波数較正法が使用される。
【0155】
この遅延スプレッド低減法を使用したスペクトル効率と電力節減の比較は、次の通りである。
【0156】
本発明のさらに他の例は、丘陵地(HT)モデルのために周波数選択性フェージング・チャネル用の組み合わせビーム形成及び送信ダイバーシチを備えたOFDMを利用する。
【0157】
最大時間遅延は40μsにもなる可能性があるが、それぞれ小さい遅延スプレッドを有するいくつかの支配的なクラスタ化されたパスによって、HTモデルに適合する無線チャネルを示すことができる。また、そのようなクラスタ化されたパスは、空間的に分離されている。最大時間遅延が20μsで、各クラスタ化パスの最大遅延スプレッドが2μsの典型的なHT電力遅延プロファイルを有するOFDMの場合、ISIを除去するために必要な周期的プリフィックスの最小長は20μsである。しかしながら、PAL法により、周期的プリフィックス期間を2μsに短縮することができる。
【0158】
2つのクラスタ化パスがΨだけ遅延されることを想定し、簡単にするために、各クラスタ化パスの遅延スプレッドが△Ψであると仮定する。時間で変動するチャネルのインパルス応答は、次のように表すことができる。
【0159】
【数38】
Figure 2004064108
【0160】
ここで、h1 (t;τ)とh2 (t;τ)はそれぞれ、第1と第2のクラスタ化パスのチャネル応答に対応し、u(x)は、単位ステップ関数(unit step function)である。
【0161】
図8は、エンコーダ・モジュール3において丘陵地(FIT)モデル用の組み合わせビーム形成及び送信ダイバーシチを有する、本発明を具体化したOFDMを示す。n番目のブロックのk番目のトーンにおいて送信される信号S(n;k)は、最初に、エンコーダ・モジュール3内で時空符号を使用して符号化され、それぞれの標準OFDM送信プロセッサ8、9に渡される2つの分岐出力S1 (n;k)及びS2 (n;k)が生成され、その周期的プリフィックス長は、Ψ+△Ψではなく△Ψである。次に、第1のブランチからの出力が、遅延器15でΨだけ遅延され、第2のブランチからの出力は、そのまま変更されない。その後で、信号は、各送信ビーム形成器11、12(w1 とw2 )にそれぞれ渡される。次に、ビーム形成出力は、合成器13で合成され、基地局の送信アンテナ・アレイ1A、1B、2から送出される。
【0162】
ビーム形成重みは、第1のブランチ入力が第1のクラスタ化パスだけを通り、第2のブランチ入力が第2のクラスタ化パスだけを通るように選択される。すなわち、第1の分岐出力s1 (n)が、基地局アンテナ・アレイと受信アンテナ4の間の第1のパスhd,1 だけを通り、第2の分岐出力s2 (n)が、基地局アンテナ・アレイと受信アンテナ4の間の第2のパスhd,2 だけを通るようにビーム形成重みが選択される。移動端末の単一アンテナ4で受け取った信号は、最初に、標準OFDM受信プロセッサ10に渡され、次に、時空復号モジュール5に渡される。標準OFDM受信プロセッサ10内で、FFT後の受信信号は、次のようになる。
【0163】
【数39】
Figure 2004064108
【0164】
【表5】
Figure 2004064108
【0165】
送信ビーム形成重みは、平均送信SINR関数を最大にすることによって選択することができると好都合である。
【0166】
送信ビーム形成重みは、モバイル受信機における平均受信SFNRを最大にすることによって選択するできることが好ましい。
【0167】
送信ビーム形成重みwm は、Rd,m の主固有ベクトルとして選択することができると有利である。
【0168】
前に述べたように、次に、様々な周期的プリフィックス長を有するOFDMシステムのスペクトル効率を比較する。
【0169】
パラメータは、帯域幅B=800kHz、最大時間遅延=40である。HTモデルの場合、それぞれのクラスタ化パスの最大遅延スプレッドは5である。トーンを互いに直角にするために、シンボル期間はN/Bであり、ここで、Nは、各OFDMシンボル内のトーンの数である。総ブロック長は、シンボル期間と追加のガードインターバルを加えたものであり、これはPALを使用しないOFDM、PALを使用するHT、及びPALを使用するTRでそれぞれ、40、5、及び0である。
【0170】
表6は、QPSK変調を使用するOFDMシステムでトーン数が異なるものについての非符号化送信データ転送速度を示す。所与の変調方式でトーンの数が同じ場合、送信データ転送速度は、TR環境では、PALを使用することによってN値と関係なく1.6Mbpsまで向上できることが分かる。PALを使用するHTの場合のスペクトル効率は、PALを使用しない場合よりも高くなる。
【0171】
【表6】
Figure 2004064108
【0172】
次に、様々な周期的プリフィックス長のOFDMの電力節減の比較を示す。
【0173】
周期的プリフィックスの追加により、有効Eb /N0 は、実際の送信Eb /N0 よりも小さい。遅延スプレッドの減少により、送信電力がより効率的に使用される。表7は、PALを使用して遅延スプレッドを低減するOFDMシステムの電力節減をOFDMブロック内のトーン数が異なる場合について、標準OFDMシステムと比較して示す。
【0174】
【表7】
Figure 2004064108
【0175】
(ビーム形成とダイバーシチ利得)
組み合わせビーム形成及びダイバーシチ利得により、システムが所与のビット誤り率(BER)要件を達成するのに必要なEb /N0 値を低くできる。或いは128QAMや256QAMなどのより高い変調方式を使用して、ビーム形成及びダイバーシチ利得を、より大きいスペクトル効率に変換することができる。
【0176】
本発明のさらに他の実施形態は、組み合わせビーム形成及びダイバーシチ利得による適応遅延スプレッド低減に関する。
【0177】
前に説明した実施形態は、様々な環境用に設計されている。実際の応用例では、電力遅延DOA(PDD)プロファイルが、車両の動きによって時間に対して変化することがあり、したがって、遅延スプレッド低減方式は、最大スペクトル効率を達成するために、この変化に従わなければならない。図9は、本発明を具体化した、ダウンリンクのためにビーム形成、送信ダイバーシチ及び適応遅延スプレッド低減を組み合わせたOFDMシステムを示す。図9のOFDMシステムは、図8のシステムを含むが、UCCM推定と電力遅延DOAプロファイル推定が追加されている。したがって、このシステムは、図8のシステムによって提供される機能の他に、次の機能を有する。
・基地局で受け取ったアップリンク信号から、トレーニング・シーケンス又はブラインド法を使用して、それぞれの受信パスに関して時間遅延及び到来方向(DOA)情報が推定される。推定した時間遅延及びDOA情報に基づいて、アップリンク電力遅延DOA(PDD)プロファイル及び各クラスタ化パスのUCCMが推定される。
・アップリンクPDDプロファイルに基づいて、次のようなパラメータ、すなわちダイバーシチ・オーダ(diversity order)、各クラスタ化パスの時間遅延、及びクラスタ化パスの最大遅延スプレッドが決定される。
・アップリンクPDDプロファイルは、適応遅延削減方式、したがって適応周期的プリフィックス追加方式を設計するために使用される。
・各クラスタ化パスのDCCMは、その対応するUCCMから、Y−C.LiangとF.Chinによる「Downlink beamforming methods for capacity enhancement in wireless communication systems」シンガポール特許出願第9904733.4号に開示されたFC法を使用して推定され、次に、送信ビーム形成重みを構成するために、時間遅延情報と一緒に適用される。
・基地局は、MSに追加周期的プリフィックスの長さを知らせる。
・また、ダイバーシチ・オーダ/チャネル状態に基づいてスペクトル効率をさらに改善するために適応変調が使用される。具体的には、アップリンクPDDプロファイルに基づいて、達成可能な最大ダイバーシチ・オーダが決定される。実現可能なダイバーシチ・オーダが大きい場合は、高い方の変調方式が適用され、そうでない場合は、小さい方の変調方式が適用される。
【0178】
実現すべきダイバーシチ・オーダによっては、モジュール3内の時空符号化の後の分岐出力の数が3つ以上になることもあることに注意されたい。
【0179】
前述の説明は、ビーム形成、送信ダイバーシチ及び遅延スプレッド低減を基地局で組み合わせて実施する場合についてのものである。実際には、受信ダイバーシチを実現するために、移動端末にも複数のダイバーシチ・アンテナを追加することができる。この場合は、より大きいダイバーシチ利得を達成することができる。
【0180】
ビーム形成及び送信ダイバーシチ利得を維持しながら、如何にして遅延スプレッドを削減できるかを示すためにOFDMを使用したが、本出願の開示は、MC−CDMA、MC−DS−CDMA、周期的プリフィックスを有する単一キャリアシステムなどの他のマルチキャリア変調方式にも適用することができる。
【0181】
マルチユーザ環境において、ビーム形成重みは、全てのユーザのチャネル/DOA情報を考慮して生成することができ、したがって、本出願の開示は、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、符号分割多元接続(CDMA)などの様々なマルチアクセス方式に適用することができる。
【0182】
「含む」は「備える又はから成る」を意味する。
【0183】
開示した機能を実行するための具体的な形態又は手段として表現された上記の説明、併記の特許請求の範囲、又は添付図面に開示されている特徴、或いは開示された結果を得るための方法又はプロセスは、本発明をその様々な形態で実現するために、個々に、或いはそのような特徴の任意の組合せで利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
アラムーチィ(Alamouti)の置換送信ダイバーシチ方法を示す概略図である(従来技術)。
【図2】
周波数選択性フェージング・チャネルのためのプリイコライゼーションを備えた送信ダイバーシチを用いて本発明を具体化する方法を示す概略図である。
【図3】
送信ダイバーシチを備えた直交周波数分割多重(ODFM)を示す概略図であり(a)は送信機を示し、(b)は受信機を示す(従来技術)。
【図4】
平坦フェージング・チャネルのためにビーム形成と送信ダイバーシチを組み合わせたOFDMを示す概略図である(従来技術)。
【図5】
ビーム形成と送信ダイバーシチを組み合わせたOFDMを用いて本発明を具体化する方法を示す概略図であり(a)は送信機を示し、(b)は受信機を示す。
【図6】
二電磁波線(TR)周波数選択性フェージング・チャネルのためにビーム形成と送信ダイバーシチの組み合わせて使用して本発明を具体化する方法を示す概略図であり(a)は送信機を示し、(b)は受信機を示す。
【図7】
二電磁波線(TR)モデルのためにビーム形成と送信ダイバーシチを組み合わせたOFDMを用いて本発明を具体化する方法を示す概略図であり(a)は送信機を示し、(b)は受信機を示す。
【図8】
丘陵地(HT)モデルのためにビーム形成と送信ダイバーシチを組み合わせたOFDMを用いて本発明を具体化する方法を示す概略図であり(a)は送信機を示し、(b)は受信機を示す。
【図9】
ビーム形成、送信ダイバーシチ及び適応遅延スプレッド低減を組み合わせたOFDMを用いて本発明を具体化する方法を示す概略図であり(a)は送信機を示し、(b)は受信機を示す。
【符号の説明】
1A、1B、2  基地局アンテナ・アレイ
3  時空符号化モジュール
4  単一アンテナ
5  時空復号化モジュール
8,9  標準OFDM送信プロセッサ
10  標準OFDM受信プロセッサ
11,12  送信ビーム形成器
13  信号合成器

Claims (45)

  1. 複数の送信アンテナを備えた基地局と、少なくとも一つの受信アンテナを備えた移動端末とを有する通信システムにおいて周波数選択性フェージング・チャネルのために送信ダイバーシチ利得を達成する方法であって、
    送信されるべき信号s(n)を提供するステップと、
    信号s(n)を時空符号化して少なくとも二つの分離した信号s1 (n)、s2 (n)を各出力上に生成するステップと、
    各出力信号s1 (n)、s2 (n)を各関数g1 (k)、g2 (k)を有する零強制プリイコライザに供給して出力信号x1 (n)、x2 (n)を生成するステップと、
    各プリイコライザの出力信号x1 (n)、x2 (n)を送信アンテナに供給するステップと、
    出力信号x(n)、x2 (n)を各物理チャネルh1 (k)、h2 (k)を介して送信するステップと、
    出力信号x1 (n)、x2 (n)を少なくとも一つの受信アンテナで受信するステップと、
    受信された信号を時空復号化するステップとを含み、
    零強制プリイコライザの関数g1 (k)、g2 (k)は各物理チャネルh1 (k)、h2 (k)のチャネル応答g1 (k)* 1 (k)、g2 (k)* 2 (k)が平坦フェージング・チャネルであるように選択される方法。
  2. 請求項1記載の方法であって、該通信システムは時分割二重システムであり、前記方法がアップリンク・チャネル係数からプリイコライザの関数g1 (k)、g2 (k)を選択する際に使用するための実際のチャネル係数を導出する更なるステップを含む方法。
  3. 請求項2記載の方法であって、アップリンク・チャネル係数から実際のチャネル係数を導出するステップは、アップリンク・チャネルからのトレーニング・シンボルを使う方法。
  4. 請求項2記載の方法であって、アップリンク・チャネル係数から実際のチャネル係数を導出するステップはブラインド技術を使う方法。
  5. 請求項1記載の方法であって、該通信システムが周波数分割二重システムで、前記方法は一組のトレーニング・シンボルを移動端末の受信アンテナに送り、移動端末は実際のチャネル係数を見積もり、チャネル係数情報を基地局にフイードバックして実際のチャネル係数を導出する更なるステップを含む方法。
  6. 物理チャネルh1 (k)、h2 (k)を介して単一の受信アンテナを備えた移動端末と通信するための複数の送信アンテナを備える基地局であって、
    送信すべき信号s(n)の入力及び分離した信号s1 (n)、s2 (n)をそれぞれ生成する少なくとも二つの出力を有する時空符号器(space−time encoder)と、
    各出力信号s1 (n)、s2 (n)が各々供給され、出力信号x1 (n)、x2 (n)を生成するための各関数g1 (k)、g2 (k)を有する少なくとも二つの零強制プリイコライザと、
    各プリイコライザの出力信号x1 (n)、x2 (n)が供給される少なくとも二つの送信アンテナとを含み、
    零強制プリイコライザの関数g1 (k)、g2 (k)は各物理チャネルh1 (k)、h2 (k)のチャネル応答g1 (k)* 1 (k)、g2 (k)* 2 (k)が平坦フェージング・チャネルであるように選択される基地局。
  7. 請求項6記載の基地局と少なくとも一つの受信アンテナ及び基地局から受信した信号を復号するための時空複号器とを有する移動端末とを含む通信システム。
  8. 複数の送信アンテナを備えた基地局及び少なくとも一つの受信アンテナを備えた移動端末とを有する通信システムにおいて周波数選択性フェージング・チャネルのためにビーム形成と送信ダイバーシチを組み合わせて行う方法であって、
    送信されるべき信号S(n;k)を提供するステップと、
    信号S(n;k)を時空符号化して少なくとも二つの分離した信号S1 (n;k)、S2 (n;k)を各出力上に生成するステップと、
    各出力信号S1 (n;k)、S2 (n;k)を送信プロセッサに供給して出力信号X(n;k)、X2 (n;k)を生成するステップと、
    選択された各々の送信ビーム形成重みを各出力信号X1 (n;k)、X2 (n;k)に適用するステップと、
    重みづけのされた各信号を信号合成器に供給して信号を加算し、送信のための信号X(n;k)を生成するステップと、
    加算された信号X(n;k)を送信のための複数の送信アンテナの各々に供給するステップと、
    信号X(n;k)を物理チャネルh(n;k)を介して送信するステップと、受信信号Y(n;k)を少なくとも一つの受信アンテナで受信するステップと、
    受信信号Y(n;k)を受信プロセッサに供給して出力信号を生成するステップと、
    受信信号を時空復号化するステップとを含む方法。
  9. 請求項8記載の方法であって、各送信ビーム形成重みは、物理チャネルh(n;k)のダウンリンク・チャネル分散行列(DCCM)の二つの最大固有値に対応する固有ベクトルとして選択される方法。
  10. 請求項8記載の方法であって、物理チャネルh(n;k)は遅延がΔτの二つの時間遅延電磁波線(time−delayed rays)h1 (n;k)とh2 (n;k)から構成され、送信プロセッサは周期的プリフィックスを加えず、送信プロセッサからの出力信号の一方は、選択された各送信ビーム形成重みが出力信号に適用される前にΔτだけ遅延させられる方法。
  11. 請求項8記載の方法であって、物理チャネルh(n;k)は遅延がΔτの二つの時間遅延電磁波線h1 (n;k)とh2 (n;k)から構成され、前記遅延信号又はその逆高速フーリエ変換(IFFT)値が基地局の複数の送信アンテナと受信アンテナとの間の一つのチャネルh1 (n;k)のみを介して伝搬し、一方、非遅延信号又はそのIFFT値が基地局の複数の送信アンテナと受信アンテナとの間の別のチャネルh2 (n;k)のみを介して伝搬するよう前記ビーム形成重みが選ばれ、それにより送信された信号を復元するために時空復号化可能な二つの異なるチャネルを作り出す方法。
  12. 請求項8記載の方法であって、物理チャネルh(n;k)は遅延がΔτの二つの時間遅延電磁波線h1 (n;k)とh2 (n;k)から構成され、基地局での平均送信SINR関数が各電磁波線に対して最大になるように前記ビーム形成重みが選ばれる方法。
  13. 請求項8記載の方法であって、物理チャネルh(n;k)は遅延がΔτの二つの時間遅延電磁波線h1 (n;k)とh2 (n;k)から構成され、移動端末での平均受信SINR関数が最大になるように前記ビーム形成重みが選ばれる方法。
  14. 請求項8記載の方法であって、物理チャネルh(n;k)は遅延がΔτの二つの時間遅延電磁波線h1 (n;k)とh2 (n;k)から構成され、各電磁波線のための前記ビーム形成重みが、その電磁波線に対応するダウンリンク・チャネル分散行列(DCCM)の主固有ベクトルとして選ばれる方法。
  15. 請求項8記載の方法であって、物理チャネルh(n;k)は遅延がΨでクラスタの最大過剰遅延がΔΨの二つの時間遅延クラスタ化電磁波線h1 (n;k)とh2 (n;k)から構成され、送信プロセッサはΔΨの周期的プリフィックス長を有し、送信プロセッサからの出力信号の一つは選択された各送信ビーム形成重みが出力信号に適用される前にΨだけ遅延させられる方法。
  16. 請求項15記載の方法であって、前記遅延信号又はその逆高速フーリエ変換(IFFT)値が基地局の複数の送信アンテナと受信アンテナとの間の一つのチャネルh1 (n;k)のみを介して伝搬し、一方、非遅延信号又はそのIFFT値が基地局の複数の送信アンテナと受信アンテナとの間の別のチャネルh(n;k)のみを介して伝搬するよう前記ビーム形成重みが選ばれ、それにより送信された信号を復元するために時空復号化可能な二つの異なるチャネルを作り出す方法。
  17. 請求項15記載の方法であって、基地局での平均送信SINR関数が各クラスタ化電磁波線に対して最大になるように前記ビーム形成重みが選ばれる方法。
  18. 請求項15記載の方法であって、移動端末での平均受信SINR関数が最大になるように前記ビーム形成重みが選ばれる方法。
  19. 請求項15記載の方法であって、各クラスタ化電磁波線のための前記ビーム形成重みは、そのクラスタ化電磁波線に対応するダウンリンク・チャネル分散行列(DCCM)の主固有ベクトルとして選ばれる方法。
  20. 請求項15記載の方法であって、チャネルh(n;k)についての電力遅延DOAプロファイルを見積るステップと、プロファイルに基づいて、送信プロセッサによって加えられるべき周期的プリフィックスの長さΔΨを決めるステップと、遅延Ψ、ダイバーシチのオーダ及び変調方式を決めるステップと、送信ビーム形成重みを決めるステップとを更に含む方法。
  21. 請求項20記載の方法であって、送信ビーム形成重みを構成するために、アップリンク・チャネル分散行列(UCCM)からダウンリンク・チャネル分散行列(DCCM)を見積るステップを更に含む方法。
  22. 請求項21記載の方法であって、前記プロファイルに基づいてダイバーシチのオーダ及び変調方式を決定するステップを更に含む方法。
  23. 請求項8記載の方法であって、送信プロセッサ及び受信プロセッサがOFDM、MC−CDMA、MC−DS−CDMA及び周期的プリフィックスを有する単一キャリアシステムより成る群から選択される方法。
  24. 物理チャネルh(n;k)を介して少なくとも一つの受信アンテナを備えた移動端末と通信するための複数の送信アンテナを備える基地局であって、
    送信すべき信号の入力及び分離した信号をそれぞれ生成する少なくとも二つの出力を有する時空符号器と、
    それぞれの時空符号器からの出力の一つを受けとる少なくとも二つの送信プロセッサと、
    それぞれの送信プロセッサからの出力を受けとり、その出力に送信ビーム形成重みを適用する少なくとも二つの送信ビーム形成器と、
    ビーム形成器から信号を受けとり、ビーム形成器からの信号を加算して、複数の送信アンテナによって送信するための信号を生成するように動作可能な信号合成器とを含む基地局。
  25. 請求項24記載の基地局であって、物理チャネルh(n;k)は遅延がΔτの二つの時間遅延電磁波線h1 (n;k)とh2 (n;k)から構成され、送信プロセッサからの信号出力を、選択された各ビーム形成重みがその信号出力に適用される前にΔτだけ遅らせるために、マルチアクセス送信プロセッサ出力の一つとビーム形成器との間に設けた遅れがΔτの遅延器を更に含み、送信プロセッサは周期的プリフィックスを加えない基地局。
  26. 請求項24記載の基地局であって、物理チャネルh(n;k)は遅延がΨでクラスタの最大過剰遅延がΔΨの二つの時間遅延したクラスタ化電磁波線h1 (n;k)とh2 (n;k)から構成され、送信プロセッサからの信号出力を、選択された各ビーム形成重みがその信号出力に適用される前にΨだけ遅らせるために、マルチアクセス送信プロセッサ出力の一つとビーム形成器との間に設けた遅れがΨの遅延器を更に含み、送信プロセッサはΔΨの周期的プリフィックス長を有する基地局。
  27. 請求項24記載の基地局であって、チャネルh(n;k)についての電力遅延DOAプロファイル見積値を決定し、プロファイルに基づいて、送信プロセッサによって加えられる周期的プリフィックスの長さΔΨ、遅延Ψ、ダイバーシチのオーダ及び変調方式、並びに送信ビーム形成重みを決定するための第一のプロセッサを更に含む基地局。
  28. 請求項27記載の基地局であって、送信ビーム形成重みを構成するために、アップリンク・チャネル分散行列(UCCM)からダウンリンク・チャネル分散行列(DCCM)を見積るための第二のプロセッサを更に含む基地局。
  29. 請求項15記載の基地局であって、送信プロセッサ及び受信プロセッサがOFDM、MC−CDMA、MC−DS−CDMA及び周期的プリフィックスを有する単一キャリアシステムより成る群から選択される基地局。
  30. 請求項24記載の基地局と、少なくとも一つの受信アンテナ、出力信号を生成するための受信プロセッサ及び出力信号を復号するための時空復号器を有する移動端末とを含む通信システム。
  31. 複数の送信アンテナを備えた基地局及び少なくとも一つの受信アンテナを備えた移動端末とを有する通信システムにおいて周波数選択性フェージング・チャネルのためにビーム形成と送信ダイバーシチを組み合わせて行う方法であって、
    送信されるべき信号s(n)を提供するステップと、
    信号s(n)を時空符号化して少なくとも二つの分離した信号s1 (n)、s2 (n)を各出力上に生成するステップと、
    時空符号化された出力信号の一つをΔτだけ遅延させるステップと、
    選択された各送信ビーム形成重みを遅延信号及び非遅延信号に適用するステップと、
    重みづけのされた各信号を信号合成器に供給して信号を加算し、送信のための信号を生成するステップと、
    加算された信号を送信のための複数の送信アンテナの各々に供給するステップと、
    加算された信号を物理チャネルh(k)を介して送信するステップと、
    送信された信号の主成分を少なくとも一つの受信アンテナで実質的に同時に受信するステップと、
    受信信号を時空復号化するステップとを含む方法。
  32. 請求項31記載の方法であって、物理チャネルh(k)は遅延がΔτの二つの時間遅延電磁波線h1 (k)、h2 (k)から構成され、遅延信号が基地局の複数の送信アンテナと受信アンテナとの間の一つの電磁波線h1 (k)のみを介して伝搬し、一方、非遅延信号が基地局の複数の送信アンテナと受信アンテナとの間の別の電磁波線h2 (k)のみを介して伝搬するよう前記ビーム形成重みが選ばれる方法。
  33. 請求項31記載の方法であって、物理チャネルh(k)は遅延がΔτの二つの時間遅延電磁波線h1 (k)、h2 (k)から構成され、基地局での平均送信SINR関数が各電磁波線に対して最大になるように前記ビーム形成重みが選ばれる方法。
  34. 請求項31記載の方法であって、物理チャネルh(k)は遅延がΔτの二つの時間遅延電磁波線h1 (k)、h2 (k)から構成され、移動端末での平均受信SINR関数が最大になるように前記ビーム形成重みが選ばれる方法。
  35. 請求項31記載の方法であって、物理チャネルh(k)は遅延がΔτの二つの時間遅延電磁波線h1 (k)、h2 (k)から構成され、各電磁波線のための前記ビーム形成重みが、その電磁波線に対応するダウンリンク・チャネル分散行列(DCCM)の主固有ベクトルとして選ばれる方法。
  36. 請求項31記載の方法であって、物理チャネルh(k)は遅延がΔτの二つの時間遅延電磁波線h1 (k)、h2 (k)から構成され、遅延Δτはダウンリンク・チャネル情報から導出される方法。
  37. 請求項31記載の方法であって、物理チャネルh(k)は遅延がΔτの二つの時間遅延電磁波線h1 (k)、h2 (k)から構成され、遅延Δτはアップリンク・チャネル情報から導出される方法。
  38. 請求項31記載の方法であって、物理チャネルh(k)はΔτだけ遅延した二つの主な電磁波線h1 (k)、h2 (k)を有する複数の電磁波線から構成され、遅延信号が基地局の複数の送信アンテナと受信アンテナとの間の一つの電磁波線h1 (k)のみを介して伝搬し、一方、非遅延信号が基地局の複数の送信アンテナと受信アンテナとの間の別の電磁波線h2 (k)のみを介して伝搬するよう前記ビーム形成重みが選ばれる方法。
  39. 請求項31記載の方法であって、物理チャネルh(k)はΔτだけ遅延した二つの主な電磁波線h1 (k)、h2 (k)を有する複数の電磁波線から構成され、基地局での平均送信SINR関数が各電磁波線に対して最大になるように前記ビーム形成重みが選ばれる方法。
  40. 請求項31記載の方法であって、物理チャネルh(k)はΔτだけ遅延した二つの主な電磁波線h1 (k)、h2 (k)を有する複数の電磁波線から構成され、移動端末での平均受信SINR関数が最大になるように前記ビーム形成重みが選ばれる方法。
  41. 請求項31記載の方法であって、物理チャネルh(k)はΔτだけ遅延した二つの主な電磁波線h1 (k)、h2 (k)を有する複数の電磁波線から構成され、各電磁波線のための前記ビーム形成重みが、その電磁波線に対応するダウンリンク・チャネル分散行列(DCCM)の主固有ベクトルとして選ばれる方法。
  42. 請求項31記載の方法であって、物理チャネルh(k)はΔτだけ遅延した二つの主な電磁波線h1 (k)、h2 (k)を有する複数の電磁波線から構成され、遅延Δτはダウンリンク・チャネル情報から導出される方法。
  43. 請求項31記載の方法であって、物理チャネルh(k)はΔτだけ遅延した二つの主な電磁波線h1 (k)、h2 (k)を有する複数の電磁波線から構成され、遅延Δτはアップリンク・チャネル情報から導出される方法。
  44. 二つの時間遅延電磁波線h1 (k)及びh2 (k)を有する物理チャネルh(k)を介して単一の受信アンテナを備えた移動端末と通信するための複数の送信アンテナを備える基地局であって、
    送信すべき信号の入力及び分離した信号をそれぞれ生成する少なくとも二つの出力を有する時空符号器と、
    時空符号器からの出力を各々受けとり、その出力に送信ビーム形成重みを適用する少なくとも二つの送信ビーム形成器と、
    ビーム形成器から信号を受けとり、ビーム形成器からの信号を加算して、複数の送信アンテナの各々によって送信するための信号を生成するように動作可能な信号合成器とを含み、
    送信された信号の主成分が単一の受信アンテナで実質的に同時に受信されるように、遅れがΔτの遅延器が時空符号器とビーム形成器の一つとの間に設けられている基地局。
  45. 請求項24記載の基地局と、少なくとも一つの受信アンテナ及び受信信号を復号するための時空復号器を有する移動端末とを含む通信システム。
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