JP5802942B2 - 無線通信システム、無線送信装置および無線通信方法 - Google Patents

無線通信システム、無線送信装置および無線通信方法 Download PDF

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この発明は、複数のアンテナを有する基地局と、端末装置の存在する無線通信システムに関し、より特定的には、マルチユーザMIMO(Multiple Input Multiple Output)通信の無線通信システムにおける送信ビームフォーミング技術に関連する、無線通信システム、無線送信装置および無線通信方法に関する。
従来から、マルチユーザMIMO技術が提案されている(特許文献1,特許文献2、特許文献3)。マルチユーザMIMOは、基地局(またはアクセスポイント)側に多数のアンテナ素子をもたせるとともに、端末側は比較的少数のアンテナ素子をもたせ、基地局と複数の端末とで同時に仮想的なMIMOチャネルを形成するものである。
つまり、マルチユーザMIMO送信技術とは、送信局側において複数の送信アンテナから同一周波数同一タイミングで異なる独立な信号を複数の通信相手装置に送信し、複数の通信相手装置の受信アンテナ全体を巨大な受信アレーとみなして下りスループットの向上を図る技術である。
図13は、このようなマルチユーザMIMO通信システムの構成を示す概念図である。
図13に示されるように、基地局BSは、アンテナ1〜Mから、それぞれ送信信号x1〜xMを送信する。端末UE1〜UEkは、たとえば、それぞれ2本のアンテナを備えているものとする。端末UE1は、基地局からの送信信号x1〜xMを、その2本のアンテナにより受けて、それぞれ信号y1およびy2を受信する。同様にして、他の端末UE2〜UEkも、それぞれ2本のアンテナにより、基地局からの送信信号x1〜xMを受けて、信号y3およびy4,…,yM-1およびyMを受信する。
すなわち、図13の例では、(基地局の送信アンテナの本数)=(1つの端末側の受信アンテナの本数)×(端末数)が成り立っている場合を例示している。
このとき、受信側の端末UE1〜UEkでの各アンテナでの受信信号y1〜yMをまとめた受信信号ベクトルYは、以下の式により表される。
ここで、行列Hの各要素は、送信側の各アンテナから受信側の各アンテナへの伝送路のインパルス応答に相当し、行列Hは「チャネル応答マトリックス」(または「伝送路行列」)と呼ばれる。ベクトルXは、送信機側での各アンテナへの送信信号を並べたベクトルである。また、ベクトルNは、受信側の各アンテナで受信される信号に含まれるノイズ成分を並べたものである。
従来のマルチユーザMIMOダウンリンクにおける送信ビーム形成(BF:Beam Forming)法としては、自端末以外の全ての端末の全受信アンテナに対してヌルを形成するZF(Zero Forcing:ゼロフォーシング)法や、MMSE(Minimum Mean Square Error:最小二乗法)法に基づいた種々のビーム形成法が考案されている。MMSE法に基づくビーム形成法では、自端末以外の全ての端末の全受信アンテナに対してヌルを形成するのではなく、一定量の漏洩を許容する。
(MMSE法によるビーム形成の構成)
ここで、シングルキャリアの場合について、MMSE法により、各アンテナに与える送信信号を合成するための「重み付け係数」(ビームフォーミングウェイト行列)を推定する方法については、特許文献2(特開2007−110664号公報)に開示されている。
以下、簡単にMMSE法によるビーム形成について、数式を用いて説明する。
図14は、MMSE法によるビーム形成の手続きを示す概念図である。
ここでは、送信機BSにおいて、送信に使用されるアンテナ数はNt本であり、受信側では、Nt本のアンテナで信号を受信する構成について説明している。
送信される原信号を以下のようにベクトルXで表すものとする。
このとき、たとえば、チャネル応答マトリックスHは、受信側(受信機UEs)からの情報により推定されるものとする。
このような状況では、送信ビームウェイト乗算後の信号ベクトルXハット(Xの上に“^”の付加されたものを、以下、本文中では、このように表現する)は、以下の式であらわされる。
ここで、上付きのHは、行列共役転置操作後のエルミート行列であることを示し、αは正規化係数を表し、INtは、(Nt×Nt)の単位行列を表す。
送信アンテナから送出される信号Zは、以下の式で表される。
ここで、γは総送信電力を規格化するための係数である。ただし、||は、ユークリッドノルムを表す。
チャネルを送信信号が伝達した後(すなわち、信号Zにチャネル応答マトリックスが乗算されたことに等価)、受信側では、加算性白色ガウス雑音(AWGN)が付加された信号に対して、√γがそれぞれ乗算されて、信号xiハットが分離される。
以上のようにして、MMSE法を用いたビーム形成方法により、MIMO通信が実現される。
しかしながら、マルチユーザMIMOは、屋外で使用されるだけでなく、たとえば、オフィスや家庭内などのような屋内で使用される場合が増加している。このような場合、各受信機が空間的に近接しており、結果として、MIMOチャネル間の相関が高くなる。
このような場合において、上述したMMSE法では、互いに相関の高いチャネルに対しては、規格化係数γの値が、大きくなりすぎ、規格化後の信号電力が必要以上に抑制されるチャネルが生じて、ストリームデータの一部が失われる恐れがあるという第1の問題がある。
(非線形プリコーディング法:VP法)
このような問題に対しては、たとえば、非線形プリコーディング法のVP(Vector Perturbation)法が知られている。このような「非線形プリコーディング法」については、たとえば、特許文献4にも開示がある。
VP法のような非線形プリコーディング法においては、受信装置間干渉を受ける受信装置宛の送信信号に対し、プリコーディング処理が行われ、事前に干渉成分が間引かれる。しかし、このプリコーディング処理後の信号は伝搬路に起因する成分を持つため、送信電力が規定値を超える可能性がある。
そのため、プリコーディング処理前の信号に対し、モジュロ演算処理が実行される。「モジュロ演算処理」とは、入力された信号の実数部および虚数部に対し、既定の値の剰余演算を行うことである。これは、入力された信号に対し、実数部および虚数部に規定の値の整数倍の値を持つ摂動信号を加えることと等価である。 モジュロ演算により送信電力が規定値内に抑えられた信号はビームフォーミングにより伝送される。
一方、受信処理では、所望の信号(データを含む情報信号)に上述した摂動信号が加わっている受信信号に対し、再びモジュロ演算処理が行われ、上記摂動信号成分が除去されて、情報信号が取り出される。
図15は、非線形プリコーディング法であるVP法の処理を説明するための概念図である。
図15を参照して、まず、送信機BSにおいては、送信される原信号ベクトルXに対して、ダーティペイパーコーディング(DPC)に基づく、モジュロ演算(以下、「DPC MOD演算」と略記する)が行われ、ベクトルXmodが以下のように算出される。なお、このようなVP法については、非特許文献1に開示がある。
このようなベクトルXmodに対して、MMSE法によりビーム形成演算を行うこととすると、上述した単純なMMSE法と同様にして、送信信号Zは、以下のように算出される。
受信側のUEsでは、加算性白色ガウス雑音(AWGN)が付加された信号に対して、√γがそれぞれ乗算されて、さらに、DPC逆モジュロ演算(以下、「DPC DeMOD演算」と略記する)が、以下の式により実行されて、信号xiハットが分離される。
なお、下の式で表される演算は、負方向の整数に丸め込む処理を表す。
このような非線形プリコーディング法、たとえば、VP法を用いれば、上述したような相関の高いチャネルの存在により、係数γが大きくなることで、ストリームデータの一部が失われるという問題を回避することは可能である。しかしながら、チャネル数が多くなると、このような非線形プリコーディング法の演算量は、指数関数的に増加してしまうという第2の問題がある。
(ブロック対角化VP法:BD−VP法)
さらに、特許文献3にも記載のとおり、MIMOダウンリンクにおける送信ビーム形成法の他の例としては、BD(Block Diagonalization:ブロック対角化)法がある。
また、非特許文献2には、このBD法をさらに改良したBD−VP(Vector Perturbation with Block Diagonalization)法について開示がある。
以下、この非特許文献2の開示にしたがって、まず、マルチユーザMIMO(以下、MU−MIMOと称す)に適用されるBD法について簡単に説明する。
すなわち、BD法では、以下に説明するように、チャネル応答マトリックスから、プリコーディング行列(重み付け係数を表現する送信ビームフォーミングのための行列、以下、上述した「ビームフォーミングウェイト行列」とを合わせた総称として「プリコーディング行列」と呼ぶ)を算出する。
MU−MIMOシステムにおいて、下りリンクを想定することとする。送信アンテナは、nT本であり、nUユーザについて、各ユーザ(各端末)ごとにnR本の受信アンテナが設けられているものとする。そして、nT=nR×nUが成り立っているものとする。
このとき、チャネル応答マトリックスHが以下のように表されるものとする。
ここで、チャネル応答マトリックスの部分行列Hiは、i番目のユーザについて、送信側のnT本の送信アンテナと受信側のnR本の受信アンテナとの間の伝送路の応答を示す。また、記号右肩の添え字Tは、転置行列を示す。
以下に説明するようなブロック対角化アルゴリズム(BDアルゴリズム)によれば、ユーザ間の干渉についてはキャンセルすることが可能である。
すなわち、BDアルゴリズムは、MU―MIMOをシングルユーザMIMO(以下、SU−MIMOと称す)のチャネルに変換するものである。ユーザ側の受信機での処理の複雑さを低減するために、プリコーディング処理により、送信側でチャネルについての等価処理が実行される。
BDアルゴリズムとは、以下の式(2)で表されるような行列Bを見出すことを目的とするものである。
ここで、0nRとは、nR×nRのゼロマトリックスであり、Heff,i=Hiiとは、ユーザiについての有効チャネル応答マトリックスである。
さて、さらに、式(1)のシステム全体のチャネル応答マトリックスから、ユーザiの部分チャネル応答マトリックスを除くことで、以下の式(3)で表されるマトリックスを定義する。
式(3)のマトリックスの特異値分解は、以下の式(4)のように表現される。
そこで、ユーザiに対するチャネル応答マトリックスHiに対して、上記式(4)中のヌル空間ウェイト行列を乗算して得られる行列について、以下の式(5)で示されるように特異値分解を実行すると、プリコーディング行列Biも以下の式(6)のように表現される。
特許文献3には、さらに、このようなBDアルゴリズムを用いて、マルチユーザMIMO送信技術を、マルチキャリアの伝送技術である直交周波数分割多重 (OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式に適用した例について開示がある。
さらに、非特許文献2においては、送信ビームフォーミングのための非線形な重み付け処理として、上述したBD−VP法について開示がある。
非特許文献2に開示されるBD−VP法は、簡単に説明すると、BD法により、MU−MIMOチャネルを、ユーザ間の干渉のない並行的なSU−MIMOチャネルに変換するとともに、非線形プリコーディング法であるVPアルゴリズムにより、送信電力を減少させる技術である。さらに、VP法のアルゴリズムを適切に設計することで、演算負荷を抑制することも可能となる。
図16は、BD−VP法の処理を説明するための概念図である。
以下では、マルチユーザMIMOにおいて、ユーザ数がN1であり、N1ストリームの送信がシングルキャリアで行われる場合を例にとって、BD−VP法について簡単に説明する。
まず、送信される原信号ベクトルXは、以下のように、N1個の部分ベクトルに分解されるものとする。
また、チャネル応答マトリックスHは、ブロック対角化処理部BDにより、部分チャネル応答マトリックスH1〜HN1に分解されるものとする。
部分ベクトルXiは、それぞれに対応するDPC MOD処理部により、以下の式にしたがって、モジュロ演算処理される。
部分チャネル応答マトリックスHiと部分ベクトルXi modとにより、以下の式に従って、それぞれ対応するMMSE処理部MMSEiにより、MMSE法によるビーム形成演算が実行され、送信信号Ziが算出される。
これらの送信信号Z1〜ZN1について、プリコーディング行列Biを演算することで、送信信号Zを得る。
受信側の受信機UEsでは、それぞれのストリームについて加算性白色ガウス雑音(AWGN)が付加された信号に対して、√γBDVPがそれぞれ乗算され、DPC DeMOD演算が実行されて、信号xiハットが分離される。
したがって、VP法とBD法とを組み合わせることで、マルチユーザMIMOは、基本的には、複数のシングルユーザMIMOと等価となり、演算量の増加は抑制される。この点で、BD−VP法は、マルチユーザMIMOのビーム形成方法として、優れているといえる。
ただし、BD−VP法を用いても、ストリーム数、すなわち、チャネル数が多くなった場合に、相関の高いチャネルが存在するときに、各ストリームについての通信を良好に維持するためにどのように対処すればよいかは、従来、十分には検討されていない。
(アンテナ選択法)
一方で、相関の高いチャネルが存在する場合に、規格化の係数γ値が極端に大きくなる問題を回避するための方法として、アンテナ選択法が知られている。
図17は、このようなアンテナ選択法の処理を説明するための概念図である。
図17においては、図14において説明したMMSE法において、アンテナ選択部ASを付加した構成としたものである。
すなわち、送信側においてチャネル応答マトリックスを推定できるように、受信側から、チャネル状態情報(CSI:Channel State Information)が送信機BSフィードバックされた場合に、フィードバックされたチャネル応答行列Hfbにおいて、第i行のノルムが、他の行に比べて、もっとも小さいとする。このとき、アンテナ選択部ASは、フィードバックされたチャネル応答行列Hfbから、第i行を除いた補正チャネル応答マトリックスHASを生成して、MMSE処理部に与える。
すなわち、送信機BS側では、受信側の第i番目のアンテナが存在しないものとして、すなわち、受信側のアンテナがNsel(=Nt−1)本であるものとして、ビーム形成を実行し、信号を送信する。
このようにすれば、規格化の係数γ値が大きくなる可能性がある部分については除いて、ビーム形成がされることになる。たとえば、1つの基地局に対して、複数のユーザが接続を希望しているような場合に、事前に、通信データが失われる可能性があるユーザについては、接続を一時待機させる、というような状況では、この「アンテナ選択法」は、有効な手段である。
ただし、複数のユーザをすべて同時に基地局と通信させることが要求されるような状況で、この「アンテナ選択法」を使用すると、選択されなかった受信アンテナについてのストリームは、伝送されないことになり、不都合である。たとえば、上述したような、屋内において、複数ユーザに対するマルチユーザMIMO通信を実行したいような場合には、この「アンテナ選択法」は、不適切である。
特開2005−328312号公報 特開2007−110664号公報 特開2009−177616号公報 特開2010−154320号公報
Hochwald, B.M. et al., "A vector-perturbation technique for near-capacity multiantenna multiuser communication-part II: perturbation", IEEE Transactions on Communications, vol.53, no.3, pp. 537-544, March 2005;Kusume et al. (2007) Manar Mohaisen, Bing Hui, KyungHi Chang, Seunghwan Ji, and Jinsoup Joung, "Fixed-complexity vector perturbation with block diagonalization for MU-MIMO systems,"Proc. 2009 IEEE MICC, pp.238-243,15-17, Dec.2009
もっとも、BD−VP法と上記アンテナ選択法を比べると、ストリームあたりの信号対雑音比(SNR)が、小さい領域では、むしろ、アンテナ選択法の方が、ビットエラーレート(BER)の観点では有利である。以下では、この点についての発明者によるシミュレーション結果について説明する。
図18は、BD−VP法を適用する概念を説明する図である。
チャネル応答マトリックスは、8×8の行列であり、これを4×4の2つのブロックとなるように、部分チャネル応答マトリックスH1〜H2に分解した後に、VP法を用いて、プリコーディングするものとする。
この時、変調方式としては、QPSK変調であり、受信側からは送信側に完全なチャネル状態情報がフィードバックされるものとする。さらに、i.i.d.チャネル(independent identically distributed channel:送受アンテナ素子間の伝送路特性が統計的に同一でかつ無相関)を仮定する。
図19は、BD−VP法とアンテナ選択法を比較したシミュレーション結果を示す図である。
図19においては、以下の4条件でのシミュレーション結果を示す。
i)単純なMMSE(アンテナ数Nt=8、選択アンテナ数Nsel=8)
ii)アンテナ選択法1(アンテナ数Nt=8、選択アンテナ数Nsel=7)
iii)アンテナ選択法2(アンテナ数Nt=8、選択アンテナ数Nsel=6)
iv)BD−VP法(アンテナ数Nt=8、(4×4)VP×2BD)
すなわち、上述したように、アンテナ選択法は、ストリームについての伝送が完全に失われるという欠点がある。一方で、SNRが低い領域では、BD−VP法は、BERがアンテナ選択法に劣っている。
したがって、チャネルの通信品質を広い範囲で良好に維持しつつ、複数ストリームをマルチユーザMIMOで伝送するという観点からは、アンテナ選択法は、不適切であるものの、BD−VP法も、必ずしも、十分であるとはいえない。
本発明の目的は、マルチユーザMIMO通信において、複数のストリームについての伝送を安定に維持することが可能な無線通信システム、無線送信装置および無線通信方法を提供することである。
この発明のある局面に従うと、基地局と複数の端末との間で、直交周波数分割多重方式で変調された信号をMIMO(Multiple Input Multiple Output)により無線通信する無線通信システムであって、基地局は、複数の第1のアンテナと、複数の端末について推定された伝送路のチャネル状態情報に基づいて、アンテナ指向性を制御するための重み付け係数を算出するための制御部と、送信信号に対して誤り訂正符号を付加する誤り訂正符号化処理部と、複数の第1のアンテナから複数の端末へMIMOにより無線伝送するために、変調された送信信号に、重み付け係数を乗算し合成して、複数の送信信号を生成するための重み付け処理部と、重み付け処理部の出力を複数の第1のアンテナから送信するための第1の送信処理部とを備える。各複数の端末は、第2のアンテナと、複数の送信信号のうち、対応する送信信号を受信するための受信処理部と、受信処理部で受信した受信信号に基づいて、対応する伝送路のチャネル応答行列を推定し、チャネル状態情報として、第2のアンテナから基地局に送信するための第2の送信処理部と、受信した信号に対して誤り訂正処理を行う誤り訂正部とを備える。基地局の制御部は、直交周波数分割多重方式におけるサブキャリアごとの伝送路の応答に対応するサブキャリアチャネル応答行列の要素において、複数の端末の第2のアンテナにそれぞれ対応する行方向のノルムを算出し、直交周波数分割多重方式で送信される信号の所定の期間ごとに、行方向のノルムの大きなものから第1所定数を選択し、選択された行に対応する第2のアンテナに相当するように、サブキャリアチャネル応答行列から抽出された部分行列についてのアンテナ指向性に対する第1の総電力規格化係数と、サブキャリアチャネル応答行列自身についてのアンテナ指向性に対する第2の総電力規格化係数とを比較し、規格化後の信号電力が大きい方のチャネル応答行列に基づいて重み付け係数を算出する。
好ましくは、制御部は、ブロック対角化法を用いて重み付け係数を算出し、第1の総電力規格化係数および第2の総電力規格化係数の算出を、ブロック対角化された各ブロックごとのサブキャリアチャネル応答行列について実行する。
好ましくは、制御部は、送信フレーム内の各送信シンボルについて、各サブキャリアに対応するサブキャリアチャネル応答マトリックスを算出し、送信フレームの期間ごとに、行方向のノルムをサブキャリアおよびフレーム内のシンボルについての総和をとり、総和の大きなものから第1所定数を選択し、選択された総和に相当する行について、サブキャリアチャネル応答行列から部分行列を抽出して、第1の総電力規格化係数を算出し、第1の総電力規格化係数と第2の総電力規格化係数との比較結果に応じて、送信フレーム期間内で、選択された行に対応する第2のアンテナを固定として、重み付け係数を算出する。
好ましくは、制御部は、送信フレーム内の各送信シンボルについて、各サブキャリアに対応するサブキャリアチャネル応答マトリックスを算出し、送信シンボルの期間ごとに、各サブキャリアについて、行方向のノルムの大きなものから第1所定数を選択し、選択されたノルムに相当する行について、サブキャリアチャネル応答行列から部分行列を抽出して、第1の総電力規格化係数を算出し、第1の総電力規格化係数と第2の総電力規格化係数との比較結果に応じて、送信シンボルごとに、行に対応する第2のアンテナを選択して、重み付け係数を算出する。
好ましくは、制御部は、第2の総電力規格化係数の大きなものから第2所定数のサブキャリアを対象として、行方向のノルムの大きなものから第1所定数を選択する。
この発明の他の局面に従うと、各々が第2のアンテナを有する複数の端末とMIMOにより無線通信する無線送信装置であって、複数の第1のアンテナと、複数の端末について推定された伝送路のチャネル状態情報に基づいて、アンテナ指向性を制御するための重み付け係数を算出するための制御部と、送信信号に対して誤り訂正符号を付加する誤り訂正符号化処理部と、複数の第1のアンテナから複数の端末へMIMOにより無線伝送するために、変調された送信信号に、重み付け係数を乗算し合成して、複数の送信信号を生成するための重み付け処理部と、重み付け処理部の出力を複数の第1のアンテナから送信するための第1の送信処理部とを備え、制御部は、直交周波数分割多重方式におけるサブキャリアごとの伝送路の応答に対応するサブキャリアチャネル応答行列の要素において、第2のアンテナにそれぞれ対応する行方向のノルムを算出し、直交周波数分割多重方式で送信される信号の所定の期間ごとに、行方向のノルムの大きなものから第1所定数を選択し、選択された行に対応する第2のアンテナに相当するように、サブキャリアチャネル応答行列から抽出された部分行列についてのアンテナ指向性に対する第1の総電力規格化係数と、サブキャリアチャネル応答行列自身についてのアンテナ指向性に対する第2の総電力規格化係数とを比較し、規格化後の信号電力が大きい方のチャネル応答行列に基づいて重み付け係数を算出する。
好ましくは、制御部は、ブロック対角化法を用いて重み付け係数を算出し、第1の総電力規格化係数および第2の総電力規格化係数の算出を、ブロック対角化された各ブロックごとのサブキャリアチャネル応答行列について実行する。
好ましくは、制御部は、送信フレーム内の各送信シンボルについて、各サブキャリアに対応するサブキャリアチャネル応答マトリックスを算出し、送信フレームの期間ごとに、行方向のノルムをサブキャリアおよびフレーム内のシンボルについての総和をとり、総和の大きなものから第1所定数を選択し、選択された総和に相当する行について、サブキャリアチャネル応答行列から部分行列を抽出して、第1の総電力規格化係数を算出し、第1の総電力規格化係数と第2の総電力規格化係数との比較結果に応じて、送信フレーム期間内で、選択された行に対応する第2のアンテナを固定として、重み付け係数を算出する。
好ましくは、制御部は、送信フレーム内の各送信シンボルについて、各サブキャリアに対応するサブキャリアチャネル応答マトリックスを算出し、送信シンボルの期間ごとに、各サブキャリアについて、行方向のノルムの大きなものから第1所定数を選択し、選択されたノルムに相当する行について、サブキャリアチャネル応答行列から部分行列を抽出して、第1の総電力規格化係数を算出し、第1の総電力規格化係数と第2の総電力規格化係数との比較結果に応じて、送信シンボルごとに、行に対応する第2のアンテナを選択して、重み付け係数を算出する。
好ましくは、制御部は、第2の総電力規格化係数の大きなものから第2所定数のサブキャリアを対象として、行方向のノルムの大きなものから第1所定数を選択する。
この発明のさらに他の局面に従うと、複数の第1のアンテナを有する基地局と第2のアンテナを有する複数の端末との間で直交周波数分割多重方式で変調された信号をMIMOにより無線通信する無線通信方法であって、基地局が、送信信号に対して誤り訂正符号を付加するステップと、基地局が、複数の端末について推定された伝送路のチャネル状態情報に基づいて、アンテナ指向性を制御するための重み付け係数を算出するステップとを備え、重み付け係数を算出するステップは、直交周波数分割多重方式におけるサブキャリアごとの伝送路の応答に対応するサブキャリアチャネル応答行列の要素において、受信機側の第2のアンテナにそれぞれ対応する行方向のノルムを算出するステップと、直交周波数分割多重方式で送信される信号の所定の期間ごとに、行方向のノルムの大きなものから第1所定数を選択し、選択された行に対応する第2のアンテナに相当するように、サブキャリアチャネル応答行列から抽出された部分行列についてのアンテナ指向性に対する第1の総電力規格化係数と、サブキャリアチャネル応答行列自身についてのアンテナ指向性に対する第2の総電力規格化係数とを比較し、規格化後の信号電力が大きい方のチャネル応答行列に基づいて重み付け係数を算出するステップとを含み、基地局が、複数の第1のアンテナから複数の端末へMIMOにより無線伝送するために、変調された送信信号に、重み付け係数を乗算し合成して、複数の送信信号を生成するステップと、基地局が、重み付け処理部の出力を複数の第1のアンテナから送信するステップとをさらに備える。
本発明の無線通信システム、無線送信装置および無線通信方法によれば、複数のストリームについての伝送を安定に維持することが可能である。
実施の形態の無線通信システムにおける無線送信装置1000の構成を示すブロック図である。 実施の形態の無線通信システムにおける端末装置1100の構成を示すブロック図である。 実施の形態の無線通信システムにおける端末装置1100の構成を示すブロック図である。 無線通信システムの送信機側と受信機側とで実行される処理を示す概念図である。 図4で説明したような処理を説明するためのフローチャートである。 OFDM信号のフレーム構成について説明するための概念図である。 OFDMシンボルの逆フーリエ変換の手順を示す概念図である。 フレームベースの選択規則について説明する概念図である。 フレームベースの選択規則により選択されるアンテナを説明する概念図である。 サブキャリアベースの選択規則について説明する概念図である。 サブキャリアベースの選択規則により選択されるアンテナを説明する概念図である。 従来のBD−VP法とASPS法とのスペクトラム効率を比較したシミュレーション結果を示す図である。 マルチユーザMIMO通信システムの構成を示す概念図である。 MMSE法によるビーム形成の手続きを示す概念図である。 非線形プリコーディング法であるVP法の処理を説明するための概念図である。 BD−VP法の処理を説明するための概念図である。 アンテナ選択法の処理を説明するための概念図である。 BD−VP法を適用する概念を説明する図である。 BD−VP法とアンテナ選択法を比較したシミュレーション結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態の無線通信システムについて、図に従って説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素および処理工程は、同一または相当するものであり、必要でない場合は、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態のマルチユーザMIMOでの通信の状態を説明するための概念図である。
図1(a)は、比較的広い領域で、基地局BSと複数の端末装置UEiとが通信している状態を示す。
広い領域に端末装置UEiが分散している場合は、それぞれの通信チャネルを分離したビームを形成することが可能である。
一方、図1(b)は、屋内などの比較的狭い領域で、基地局BSと複数の端末装置UEiとが通信している状態を示す。
狭い領域に端末装置UEiが存在している場合は、それぞれの通信チャネルを分離したビームを形成することが難しくなる。これは、チャネル間の相関が高くなることに相当する。
また、このような状況では、チャネル応答マトリックスにおいて、ある端末が他の端末よりもわずかに基地局からの距離が遠いというような場合が起こり、他の行の要素のノルム(大きさ)に比べて、極端に、ノルムの小さな行(受信機側のアンテナに相当)が生じる場合がある。
図2は、実施の形態の無線通信システムにおける無線送信装置1000の構成を示すブロック図である。
なお、図2では、MIMO伝送される信号がOFDM変調されているものとしている。
そして、NS個のストリーム(NS/2ユーザ)に対して、OFDM信号伝送用のサブキャリアがNsub個であり、送信アンテナはNT本であるものとする。なお、後に説明するように、各受信機側のアンテナは、一般には、Nr本であるが、ここでは、例示として、2本であるものとする。
図2を参照して、無線送信装置1000は、入力ノード10から与えられるデジタル信号に対して、前方誤り訂正(FEC: Forward Error Correction)などの誤り訂正符号化を実行する符号化部20と、符号化部20からの信号をシリアルパラレル変換して、それぞれNsub個ごとの並列な信号のグループにするためのシリアルパラレル変換部22と、パラレル変換された各信号に対して、Nsub個のグループごとに所定の変調方式で変調するための変調部30−1〜30−NSとを含む。
このような誤り訂正は、後述するように、送信されるOFDMフレーム内での所定ビット数までの誤りを訂正できるように構成される。なお、このような誤り訂正には、インターリーブ処理等を併せて実行される。
なお、送信シンボルは、同相成分と直行成分とを含みうるが、図2では、両者は、1つの信号線で表現されている。
無線送信装置1000は、チャネル状態情報に基づいて、プリコーディング行列を算出するための制御部50と、制御部50からのプリコーディング行列中の係数を、変調部30−1〜30−NSからの信号に乗算するための重み付け処理部40−1〜40−Nsubとを含む。すなわち、OFDM変調では、サブキャリアがNsub個あることに対応して、重み付け処理部40−1〜40−Nsubは、それぞれ、対応する1つのサブキャリアの信号成分について、重み付け処理を実行する。
制御部50は、受信側から送られ、フィードバック情報受信部80で受信されたチャネル状態(CSI)情報に基づいて、後に説明するように、OFDMのサブキャリアごとにチャネル応答マトリックスを算出して、重みづけ処理のための係数を算出する。
重み付け処理部40−1は、変調部30−1からの信号に対して、プリコーディング行列中の係数を乗算して、アンテナ100−1〜100−NTからそれぞれ送信するための信号を生成する乗算器42−11−42−NT1を含む。重み付け処理部40−1は、変調部30−1に対応するのと同様の構成を、変調部30−2〜30−NSに対応しても含んでいる。たとえば、重み付け処理部40−1は、変調部30−NSからの信号に対しては、プリコーディング行列中の係数を乗算して、アンテナ100−1〜100−NTからそれぞれ送信するための信号を生成する乗算器42−1NS−42−NTNSを含む。さらに、重み付け処理部40−1は、アンテナ100−1に対応する乗算器42−11〜42−1NSからの信号を統合して、アンテナ100−1向けの信号を生成する加算器44−1を含む。他のアンテナ100−2〜100−NTに対応しても、同様な加算器44−2(図示せず)〜44−NTを含んでいる。ここで、変調部30−1〜30−NSからの信号について重み付け処理を実行する他の重み付け処理部40−2〜40−Nsubについても、重み付け処理部40−1と同様な構成を有する。
なお、プリコーディング処理として上述したような非線形プリコーディングを実施する場合には、変調部30−1〜30−NSの出力に対しては、モジュロ演算処理が実行される。このようなモジュロ演算処理についても、制御部50の制御の下に実行されることになる。
また、このようなモジュロ演算とともに、干渉キャンセルのための符号化技術としてDPC(Dirty Paper Coding)を用いることも可能である。
無線送信装置1000は、さらに、重み付け処理部40−1〜40−Nsubの出力をそれぞれ受けて、無線送信する信号に変換するアップコンバータ60−1〜60−NTを含む。
アップコンバータ60−1は、重み付け処理部40−1〜40−Nsubの出力を受けて、逆フーリエ変換するための逆フーリエ変換部62と、デジタルアナログ変換するためのDA変換部64と、DA変換部64の信号を局部発信部70からの信号に基づいて周波数変換するための周波数変換部66と、周波数変換部66の出力を増幅して、アンテナ100−1に供給するための電力増幅部68とを含む。他のアップコンバータ60−2〜60−NTも同様の構成を有する。
図3は、実施の形態の無線通信システムにおける端末装置1100の構成を示すブロック図である。
図3を参照して、端末装置1100は、アンテナ200−1と200−2とを含む。そして、無線通信システムとしては、図2の無線送信装置1000の例示的構成に対応して、4つの端末を含んで、(送信アンテナの総本数)=(端末1台当たりのアンテナ数)×(端末数)の関係が成り立っているものとして、以下、説明をする。ただし、受信側の端末装置のアンテナ数は、このような構成に限定されるものではなく、たとえば、1本でもよい。
端末装置1100は、アンテナ200−1および200−2からの受信信号をダウンコンバートするためのダウンコンバータ220−1および220−2を含む。ダウンコンバータ220−1は、アンテナ200−1からの受信信号を増幅するための低雑音増幅部232と、低雑音増幅部222の出力に対して、局部発信部230からの局部発信信号により周波数変換を行うための周波数変換部224と、周波数変換部224の出力に対して、アナログデジタル変換を実行するためのAD変換部226と、OFDM復調するためのフーリエ変換部228とを含む。ダウンコンバータ220−2についても、同様の構成を有する。
端末装置1100は、さらに、ダウンコンバータ220−1と220−2とからの信号を受けて、制御部250からの制御の下に、重み付け処理を実行するための重み付け処理部240を含む。重み付け処理部240は、制御部250からの重み付け係数をそれぞれ乗算するための乗算器242−1および242−2と、乗算器242−1および242−2からの信号を加算して合成し、端末装置1100に対応するチャネルからの受信信号を選択的に分離するための加算器244とを含む。
なお、端末装置1100側でも、送信側でプリコーディング処理として上述したような非線形プリコーディングを実施する場合には、ダウンコンバータ220−1および220−2の出力に対して、モジュロ演算処理が実行される。このようなモジュロ演算処理についても、制御部250の制御の下に実行されることになる。また、このようなモジュロ演算とともに、干渉キャンセルのための符号化技術としてDPC(Dirty Paper Coding)が用いられている場合は、これに対する復号処理も実行される。
重み付け処理部240の出力は、復調部270により、復調処理が実行された後に、パラレルシリアル変換部272において、パラレルシリアル変換されて、復号器280において、誤り訂正がされ、ノード290から受信信号として出力される。
制御部250における重み付け係数の演算処理には、チャネル応答推定部260における端末装置1100についてのチャネル応答行列(伝送路行列)の推定結果が使用される。なお、このようなチャネル応答行列の推定処理は、上述した先行技術において開示されているのと同様の処理を使用することが可能である。
また、チャネル応答推定部260において推定された端末装置1100についてのチャネル応答行列は、チャネル状態情報送信処理部262により、アンテナ200−1、200−2から、無線送信装置1000に対して、フィードバック情報として送信される。
なお、サブキャリアごとのチャネル推定のためには、たとえば、送信側と受信側とで既知のサブキャリアで、既知のパイロット信号が送信される。受信機側では、このパイロット信号の送信されるサブキャリアについて、チャネル推定を行う。このようにして推定されたチャネルの情報が、CSI情報として送信機側にフィードバックされる。送信機側では、フィードバックされた情報に基づいて、パイロット信号が送信されるサブキャリア以外のサブキャリアについて、たとえば、補間処理を行うことで、各サブキャリアについてのチャネル推定を実行することが可能である。ただし、チャネル推定の方法は、このような方法に限定されるわけではない。
図4は、無線通信システムの送信機側と受信機側とで実行される処理を示す概念図である。
図3で説明したように、受信機側では、フーリエ変換部(FFT部)220−1および220−2からの出力に対して、チャネル応答推定部260がチャネル応答マトリックスを推定し、CSI情報として送信側にフィードバックする。
送信側では、制御部50が、OFDMのサブキャリア毎にチャネル応答マトリックスを算出して、Nsub個のサブキャリアのうち所定の個数(たとえば、1個)の受信側のアンテナに対応するものについて非選択状態として、サブキャリア毎の送信信号Z1 k〜ZNt k(k=1〜Nsub)を算出し、逆フーリエ変換部60−1〜60−Ntでそれぞれ逆フーリエ変換して、対応するNt本の送信アンテナから送信する。ここで、「Nsub個のサブキャリアのうち所定の個数の受信側のアンテナに対応するものについて非選択状態」とは、この非選択のサブキャリアについては送信電力が0となるように重み係数を算出することを意味する。
ここで、上記のように一部のサブキャリアを選択してこれらの選択されたサブキャリアにより、データの伝送を行うことを「部分サブキャリアアンテナ選択(ASPS:antenna selection for partial subcarriers)」と呼ぶことにする。したがって、図4においては、このような処理を行うための重みづけ処理を行う部分を、「部分サブキャリアアンテナ選択部(ASPS部)」と表示している。
なお、このようなASPS部の処理は、後に詳しく説明するが、大略は以下のとおりである。
1)制御部50は、BD−VPアルゴリズムによりチャネル応答マトリックスをブロック対角化し、サブキャリアごとのチャネル応答マトリックスHk(1≦k≦Nsub)を算出するとともに、各サブキャリアについて、通信の所定期間において、「総送信電力を規格化するための係数」であるγk BDVP(1≦k≦Nsub)を算出する。
ここで、送信側のアンテナの本数をNt本として、受信側の各端末のアンテナ本数をNr本とするとき、Nt=K×Nr(K:自然数)の関係がなりたっているものとし、各Hkは、Nt×Ntのマトリックスであるものとする。
2)制御部50は、上述した通信の所定期間において、Nsub個のサブキャリアのうちから、γj BDVPが大きい方からNAS個(1≦NAS≦Nsub)のサブキャリアの集合{S}を選び出す。なお、NAS=Nsubであってもよい。
ここで、「所定の通信期間」とは、後に説明するように、送信するOFDMフレームの期間(フレームベースの選択規則)、または、サブキャリアごとにOFDMの各シンボルの期間(サブキャリアベースの選択規則)のいずれかを意味する。
3)続いて、制御部50は、集合{S}に属するサブキャリアj(j∈{S})について、所定の規則に従って、受信側のアンテナをNsel本選択し、選択されたアンテナに対応するチャネル応答マトリックスHj ASについて、各サブキャリアごとに「総送信電力を規格化するための係数」であるγj AS(1≦j≦NAS)を算出する。
ここで、「所定の規則」とは、Nselについては、予め定められた本数(たとえば、Nsel=Nt−1)であるものとし、後に説明するように、フレームベースの選択規則またはサブキャリアベースの選択規則にしたがって、サブキャリアごとのチャネル応答マトリックスHkの行方向のノルムの大きい方からNsel個を選択することを意味する。
3)制御部50は、γj AS<γj BDVPが成立すれば、j番目のサブキャリアについては、アンテナ選択したチャネル応答マトリックスHj ASに従って、データを送信する。一方で、制御部50は、γj AS≧γj BDVPが成立すれば、j番目のサブキャリアについては、アンテナ選択をしていないチャネル応答マトリックスHkに従って、データを送信する。
ここで、アンテナ選択をすることは、上述したように、非選択の受信アンテナについては、送信電力が0となるように重み係数を算出することを意味する。
以上のようにして、所定の通信期間においては、非選択のアンテナに対応するサブキャリアについては、データが送信側から受信側に伝送されないことなる。このため、受信側の非選択のアンテナには、その非選択の期間は、雑音電力しか発生しない。しかし、上述のとおり、送信される信号は、誤り訂正符号が付されているので、このような非選択のサブキャリアが存在しても、最終的に受信される信号は、誤りが訂正された後のデータが受信される。
図5は、図4で説明したような処理を説明するためのフローチャートである。
なお、ビーム形成のための演算としては、以下の説明では、MMSE法で説明するが、MMSE法に限られず、別の方法、たとえば、ZF法などであってもよい。
図5にしたがって、まず、制御部50は、図16で説明したBD−VPアルゴリズムにおけるのと同様に、ブロック対角化行列Hkkとなるようなサブキャリアkごとのチャネル応答マトリックスHkを算出するとともに、非線形プリコーディングの処理を行って、送信するための信号Xk modを算出し、MMSE法により、サブキャリアk毎に、係数γk BDVPを算出する(ステップS100)。
つづいて、制御部50は、通信の所定期間において、Nsub個のサブキャリアのうちから、γj BDVPが大きい方からNAS個(1≦NAS≦Nsub)のサブキャリアの集合{S}を選び出す(S102)。
ここで、制御部50は、キャリアの番号が、集合{S}に属するか否かで処理を分ける。なお、以下の処理は、集合{S}に属さない個々のサブキャリアkについて処理がされ、また、集合{S}に属する個々のサブキャリアjについて処理がされるものであるが、図5においては、このような個々の処理は、一括して記載されているので、各サブキャリアにについて行われる処理を、一括して説明する。
まず、制御部50は、集合{S}に属さない個々のサブキャリアkについては、送信信号レベルを(√γk BDVP-1で規格化した後(S110)、プリコーディング理処理(重みづけ処理)を実行する(S150)。
一方、制御部50は、サブキャリアj∈{S}については、後述するフレームベースの選択規則あるいはサブキャリアベースの選択規則のいずれかの選択ルールにしたがって、得られた(Nsel×Nt)のチャネル応答マトリックスHj ASについての規格化係数γAS jをMMSE法により算出する(S120)。
続いて、制御部50は、γj AS≧γj BDVPが成立すれば(S122でYes)、サブキャリアjについて、送信信号レベルを(√γj BDVP-1で規格化した後、プリコーディング理処理(重みづけ処理)を実行する(S150)。
一方で、制御部50は、ステップS122でNoの場合、すなわち、γj AS<γj BDVPが成立すれば、j番目のサブキャリアについては、送信信号レベルを(√γj AS-1で規格化した後、プリコーディング理処理(重みづけ処理)を実行する(S150)。
以下では、上述した「フレームベースの選択規則」と「フレームベースの選択規則またはサブキャリアベースの選択規則」とについて、さらに詳しく説明する。
まず、その前提として、OFDM送信信号の構成について説明する。
図6は、OFDM信号のフレーム構成について説明するための概念図である。
ここでは、簡単のために、Nt本の送信アンテナから、Nt個のストリームが送信される場合について説明する。
各ストリームについては、OFDMフレームから構成され、1つのOFDMフレームには、K個のOFDMシンボルが含まれる。
各OFDMシンボルは、シリアルパラレル変換された後に、対応するアンテナの逆フーリエ変換部で逆フーリエ変換されて、アンテナ10−1〜10−Ntから送信される。
図7は、OFDMシンボルの逆フーリエ変換の手順を示す概念図である。
図7に示すように、各フレーム内のOFDMシンボルは、サブキャリアの個数だけのサンプルを含む。図7の各サンプルは、たとえば、BPSK変調、QPSK変調、QAM変調等をされた信号である。
図7の例においては、複数のストリームにそれぞれ対応する複数フレームについてのサンプル[X1 1,X2 1,X3 1,X4 1]が、1番目のサブキャリアに対応する。他のサブキャリアについても同様である。
上述したサブキャリアごとのチャネル応答マトリックスHk(1≦k≦Nsub)とは、1つのサブキャリアごとに送信側のアンテナから受信側のアンテナへの伝送路を想定した場合のチャネル応答マトリックスに相当する。
図8は、フレームベースの選択規則について説明する概念図である。
以下の説明では、1つのOFDMフレームは、K個のOFDMシンボルを含み、1つのOFDMシンボルはNsub個のサブキャリアで伝送されるものとし、Nt=4, Nsel=3, NAS=Nsub, 選択されるアンテナ={1,3,4}であるものとする。したがって、図5におけるステップS102,S110〜S116の処理を省略したことに相当する。
「フレームベースの選択規則」では、まず、制御部50は、1つのOFDMフレーム内のOFDMシンボルの1つ1つについて、各サブキャリアに対応するチャネル応答マトリックスHk (L)を算出する。ここで、kはサブキャリアの番号を表し、Lは、シンボルの番号を表す。
制御部50は、各チャネル応答マトリックスHk (L)において、以下のように行方向のノルムを算出する。
次に、制御部50は、ノルムの総和としてN(all)を以下の式により計算する。
すなわち、N(all)は、上述したノルムについて、すべてのサブキャリアおよびフレーム内のすべてのシンボルについての総和を意味する。
制御部50は、N(all)のうちから、より大きな方からNsel個のPi1 (all)(1≦i1≦Nsel)を選ぶ。このようにして算出されたアンテナのインデックスは、1フレームの伝送中は、固定して変更しない。ここでは、選択されたのは、アンテナ{10−1,10−3,10−4}であるものとする。以下では、簡単に、選択されたアンテナの集合を{1,3,4}と表現する。
図9は、フレームベースの選択規則により選択されるアンテナを説明する概念図である。
図8で説明したようにして、受信側のアンテナ4本のうち、3本({1,3,4})が選択されたとする。また、図9では、図7で説明したのと同様に、各アンテナから送信される信号がX1,X2,X3,X4であるものとする。
このとき、図5のステップS120で説明したように、制御部50は、対角化されたブロックごとに、選択されたアンテナに対応するチャネル応答マトリックスHj AS(j番目のサブキャリア)による係数γj ASと、アンテナ選択を行っていない状態での係数γj BDVPとを比較する。
図9の例では、サブキャリア2,3、iにおいて、γj AS<γj BDVPが成立しているので、j番目(j=2,3、i)のサブキャリアについては、アンテナ選択したチャネル応答マトリックスHj ASにより、MMSE法によりビーム形成演算を実行される。このため、送信側では、この送信フレームでは、X2のこれらのサブキャリアについての信号レベルは、0となるように、制御部50は、重みづけ処理のための係数を算出する。
受信側では、これらの非選択のアンテナの非選択のサブキャリアについての受信信号レベルは、ノイズレベル(n2(j))となる。したがって、このノイズレベルの信号については、正しいビットと判断される確率は、たとえば、50%となる。
しかし、受信側では、1フレーム内の他の正常に受信された信号に基づいて、誤り訂正がされるので、受信信号としては、最終的には、正しいデータが受信される。
すなわち、CSI情報に基づいて、CSI情報で推定される1フレーム分のサブキャリアごとのチャネル応答マトリックスにより、制御部50は、送信側で、これから送信する1フレーム分の重みづけ処理のための係数を算出する。
これが、「フレームベースの選択規則」である。
図10は、サブキャリアベースの選択規則について説明する概念図である。
以下の説明でも、1つのOFDMフレームは、K個のOFDMシンボルを含み、1つのOFDMシンボルはNsub個のサブキャリアで伝送されるものとし、Nt=4, Nsel=3, NAS=Nsubであるものとする。ただし、選択されるアンテナは、サブキャリアごとに変更される。したがって、ここでも、図5におけるステップS102,S110〜S116の処理を省略したことに相当する。
「サブキャリアベースの選択規則」でも、まず、制御部50は、1つのOFDMフレーム内のOFDMシンボルの1つ1つについて、各サブキャリアに対応するチャネル応答マトリックスHk (L)を算出する。ここで、kはサブキャリアの番号を表し、Lは、シンボルの番号を表す。
制御部50は、フレームベースの選択規則と同様に、各チャネル応答マトリックスHk (L)において、以下のように行方向のノルムを算出する。
次に、制御部50は、各シンボルの各サブキャリアにおいて、Nk (L)のうちから、より大きな方からNsel個のPi1 (L)(1≦i1≦Nsel)を選ぶ。すなわち、サブキャリアベース選択規則では、選択されるアンテナのインデックスは、サブキャリア毎に変化することになる。
図11は、サブキャリアベースの選択規則により選択されるアンテナを説明する概念図である。
図11でも、図7で説明したのと同様に、各アンテナから送信される信号がX1,X2,X3,X4であるものとする。また、説明の簡単のために、図11では、シンボル数が1であるものとしている。複数シンボルがある場合は、シンボル毎に同様の処理が行われる。
このとき、図5のステップS120で説明したように、制御部50は、選択されたアンテナに対応するチャネル応答マトリックスHj AS(j番目のサブキャリア)による係数γj ASと、アンテナ選択を行っていない状態での係数γj BDVPとを比較する。
図11の例では、サブキャリア2,3、iにおいて、γj AS<γj BDVPが成立しているので、j番目(j=2,3、i)のサブキャリアについては、アンテナ選択したチャネル応答マトリックスHj ASにより、MMSE法によりビーム形成演算を実行される。ただし、サブキャリア2で選択される受信側アンテナは{1,2,3}であり、サブキャリア3で選択される受信側アンテナは{2,3,4}であり、サブキャリアiで選択される受信側アンテナは{1,3,4}である。このため、送信側では、この送信フレームでは、非選択のサブキャリアについての信号レベルは、0となるように、制御部50は、重みづけ処理のための係数を算出する。
受信側では、これらの非選択のアンテナの非選択のサブキャリアについての受信信号レベルは、ノイズレベル(n4(2),n1(3),n2(i))となる。したがって、このノイズレベルの信号については、正しいビットと判断される確率は、たとえば、50%となる。
しかし、この場合も、受信側では、1フレーム内の他の正常に受信された信号に基づいて、誤り訂正がされるので、受信信号としては、最終的には、正しいデータが受信される。
すなわち、CSI情報に基づいて、CSI情報で推定される1フレーム分のサブキャリアごとのチャネル応答マトリックスにより、制御部50は、送信側で、これから送信する1フレーム分の重みづけ処理のための係数を、サブキャリア毎に算出することになる。
これが、「サブキャリアベースの選択規則」である。
図12は、従来のBD−VP法とASPS法とのスペクトラム効率を比較したシミュレーション結果を示す図である。
図12においては、以下の5条件でのシミュレーション結果を示す。
送信機側のアンテナ数は8本であり、各受信端末のアンテナは4本であり、4ユーザであるものとする。変調方式は、16QAMである。
なお、フレームベースの選択規則をFBS、サブキャリアベースの選択規則をSBSと略記する。サブキャリア数Nsub=1200である。
i)ASPS法(NAS=1200,Nsel=7,FBS)
ii)ASPS法(NAS=600,Nsel=7,FBS)
iii)ASPS法(NAS=1200,Nsel=7,SBS)
iv)ASPS法(NAS=600,Nsel=7,SBS)
v)BD−VP法(アンテナ数Nt=8、(4×4)VP×2BD)
「フレームベースの選択規則」または「サブキャリアベースの選択規則」を採用することにより、特に、SNRが低い領域で、従来のBD−VP法に比べて、スペクトラム効率が向上していることがわかる。
したがって、「フレームベースの選択規則」であっても、「サブキャリアベースの選択規則」であっても、複数のストリームで伝送を行うときに、屋内のようにチャネル間の相関が高くなるなどの伝送路の状況によって、総送信電力を規格化するための係数が大きすぎる値となり、特定のストリームの送信データが失われることを回避することが可能である。特に、この特性は、低SNR領域で、有効である。
以上説明したように、本実施の形態の無線通信システム、無線送信装置および無線通信方法によれば、複数のストリームについての伝送を安定に維持することが可能である。
今回開示された実施の形態は、本発明を具体的に実施するための構成の例示であって、本発明の技術的範囲を制限するものではない。本発明の技術的範囲は、実施の形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲の文言上の範囲および均等の意味の範囲内での変更が含まれることが意図される。
10 入力ノード、20 シリアルパラレル変換部、30−1〜30−8 変調部、40−1〜40−8 重み付け処理部、50 制御部、60−1〜60−8 アップコンバータ、80 フィードバック情報受信部、100−1〜100−Nt アンテナ、CSI チャネル状態情報、1000 無線送信装置、1100 端末装置。

Claims (11)

  1. 基地局と複数の端末との間で、直交周波数分割多重方式で変調された信号をMIMO(Multiple Input Multiple Output)により無線通信する無線通信システムであって、
    前記基地局は、
    複数の第1のアンテナと、
    前記複数の端末について推定された伝送路のチャネル状態情報に基づいて、アンテナ指向性を制御するための重み付け係数を算出するための制御部と、
    送信信号に対して誤り訂正符号を付加する誤り訂正符号化処理部と、
    前記複数の第1のアンテナから前記複数の端末へMIMOにより無線伝送するために、変調された送信信号に、前記重み付け係数を乗算し合成して、複数の送信信号を生成するための重み付け処理部と、
    前記重み付け処理部の出力を前記複数の第1のアンテナから送信するための第1の送信処理部とを備え、
    各前記複数の端末は、
    第2のアンテナと、
    前記複数の送信信号のうち、対応する送信信号を受信するための受信処理部と、
    前記受信処理部で受信した受信信号に基づいて、対応する伝送路のチャネル応答行列を推定し、前記チャネル状態情報として、前記第2のアンテナから前記基地局に送信するための第2の送信処理部と、
    受信した信号に対して誤り訂正処理を行う誤り訂正部とを備え、
    前記基地局の制御部は、
    前記直交周波数分割多重方式におけるサブキャリアごとの伝送路の応答に対応するサブキャリアチャネル応答行列の要素において、前記複数の端末の前記第2のアンテナにそれぞれ対応する行方向のノルムを算出し、
    前記直交周波数分割多重方式で送信される信号の所定の期間ごとに、前記行方向のノルムの大きなものから第1所定数を選択し、選択された前記行に対応する前記第2のアンテナに相当するように、前記サブキャリアチャネル応答行列から抽出された部分行列についての前記アンテナ指向性に対する第1の総電力規格化係数と、前記サブキャリアチャネル応答行列自身についての前記アンテナ指向性に対する第2の総電力規格化係数とを比較し、規格化後の信号電力が大きい方のチャネル応答行列に基づいて前記重み付け係数を算出する、無線通信システム。
  2. 前記制御部は、
    ブロック対角化法を用いて前記重み付け係数を算出し、
    前記第1の総電力規格化係数および前記第2の総電力規格化係数の算出を、ブロック対角化された各ブロックごとのサブキャリアチャネル応答行列について実行する、請求項1記載の無線通信システム。
  3. 前記制御部は、
    送信フレーム内の各送信シンボルについて、各サブキャリアに対応する前記サブキャリアチャネル応答マトリックスを算出し、
    前記送信フレームの期間ごとに、行方向のノルムを前記サブキャリアおよび前記フレーム内のシンボルについての総和をとり、前記総和の大きなものから前記第1所定数を選択し、
    前記選択された総和に相当する行について、前記サブキャリアチャネル応答行列から前記部分行列を抽出して、第1の総電力規格化係数を算出し、
    前記第1の総電力規格化係数と前記第2の総電力規格化係数との比較結果に応じて、前記送信フレーム期間内で、選択された前記行に対応する前記第2のアンテナを固定として、前記重み付け係数を算出する、請求項2記載の無線通信システム。
  4. 前記制御部は、
    送信フレーム内の各送信シンボルについて、各サブキャリアに対応する前記サブキャリアチャネル応答マトリックスを算出し、
    前記送信シンボルの期間ごとに、各サブキャリアについて、行方向のノルムの大きなものから前記第1所定数を選択し、
    前記選択されたノルムに相当する行について、前記サブキャリアチャネル応答行列から前記部分行列を抽出して、第1の総電力規格化係数を算出し、
    前記第1の総電力規格化係数と前記第2の総電力規格化係数との比較結果に応じて、前記送信シンボルごとに、前記行に対応する前記第2のアンテナを選択して、前記重み付け係数を算出する、請求項2記載の無線通信システム。
  5. 前記制御部は、
    前記第2の総電力規格化係数の大きなものから第2所定数のサブキャリアを対象として、前記行方向のノルムの大きなものから第1所定数を選択する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  6. 各々が第2のアンテナを有する複数の端末とMIMOにより無線通信する無線送信装置であって、
    複数の第1のアンテナと、
    前記複数の端末について推定された伝送路のチャネル状態情報に基づいて、アンテナ指向性を制御するための重み付け係数を算出するための制御部と、
    送信信号に対して誤り訂正符号を付加する誤り訂正符号化処理部と、
    前記複数の第1のアンテナから前記複数の端末へMIMOにより無線伝送するために、変調された送信信号に、前記重み付け係数を乗算し合成して、複数の送信信号を生成するための重み付け処理部と、
    前記重み付け処理部の出力を前記複数の第1のアンテナから送信するための第1の送信処理部とを備え、
    前記制御部は、
    前記直交周波数分割多重方式におけるサブキャリアごとの伝送路の応答に対応するサブキャリアチャネル応答行列の要素において、前記第2のアンテナにそれぞれ対応する行方向のノルムを算出し、
    前記直交周波数分割多重方式で送信される信号の所定の期間ごとに、前記行方向のノルムの大きなものから第1所定数を選択し、選択された前記行に対応する前記第2のアンテナに相当するように、前記サブキャリアチャネル応答行列から抽出された部分行列についての前記アンテナ指向性に対する第1の総電力規格化係数と、前記サブキャリアチャネル応答行列自身についての前記アンテナ指向性に対する第2の総電力規格化係数とを比較し、規格化後の信号電力が大きい方のチャネル応答行列に基づいて前記重み付け係数を算出する、無線送信装置。
  7. 前記制御部は、
    ブロック対角化法を用いて前記重み付け係数を算出し、
    前記第1の総電力規格化係数および前記第2の総電力規格化係数の算出を、ブロック対角化された各ブロックごとのサブキャリアチャネル応答行列について実行する、請求項6記載の無線通信装置。
  8. 前記制御部は、
    送信フレーム内の各送信シンボルについて、各サブキャリアに対応する前記サブキャリアチャネル応答マトリックスを算出し、
    前記送信フレームの期間ごとに、行方向のノルムを前記サブキャリアおよび前記フレーム内のシンボルについての総和をとり、前記総和の大きなものから前記第1所定数を選択し、
    前記選択された総和に相当する行について、前記サブキャリアチャネル応答行列から前記部分行列を抽出して、第1の総電力規格化係数を算出し、
    前記第1の総電力規格化係数と前記第2の総電力規格化係数との比較結果に応じて、前記送信フレーム期間内で、選択された前記行に対応する前記第2のアンテナを固定として、前記重み付け係数を算出する、請求項7記載の無線通信装置。
  9. 前記制御部は、
    送信フレーム内の各送信シンボルについて、各サブキャリアに対応する前記サブキャリアチャネル応答マトリックスを算出し、
    前記送信シンボルの期間ごとに、各サブキャリアについて、行方向のノルムの大きなものから前記第1所定数を選択し、
    前記選択されたノルムに相当する行について、前記サブキャリアチャネル応答行列から前記部分行列を抽出して、第1の総電力規格化係数を算出し、
    前記第1の総電力規格化係数と前記第2の総電力規格化係数との比較結果に応じて、前記送信シンボルごとに、前記行に対応する前記第2のアンテナを選択して、前記重み付け係数を算出する、請求項7記載の無線通信装置。
  10. 前記制御部は、
    前記第2の総電力規格化係数の大きなものから第2所定数のサブキャリアを対象として、前記行方向のノルムの大きなものから第1所定数を選択する、請求項6〜9のいずれか1項に記載の無線通信装置。
  11. 複数の第1のアンテナを有する基地局と第2のアンテナを有する複数の端末との間で直交周波数分割多重方式で変調された信号をMIMOにより無線通信する無線通信方法であって、
    前記基地局が、送信信号に対して誤り訂正符号を付加するステップと、
    前記基地局が、前記複数の端末について推定された伝送路のチャネル状態情報に基づいて、アンテナ指向性を制御するための重み付け係数を算出するステップとを備え、
    前記重み付け係数を算出するステップは、
    前記直交周波数分割多重方式におけるサブキャリアごとの伝送路の応答に対応するサブキャリアチャネル応答行列の要素において、受信機側の第2のアンテナにそれぞれ対応する行方向のノルムを算出するステップと、
    前記直交周波数分割多重方式で送信される信号の所定の期間ごとに、前記行方向のノルムの大きなものから第1所定数を選択し、選択された前記行に対応する前記第2のアンテナに相当するように、前記サブキャリアチャネル応答行列から抽出された部分行列についての前記アンテナ指向性に対する第1の総電力規格化係数と、前記サブキャリアチャネル応答行列自身についての前記アンテナ指向性に対する第2の総電力規格化係数とを比較し、規格化後の信号電力が大きい方のチャネル応答行列に基づいて前記重み付け係数を算出するステップとを含み、
    前記基地局が、前記複数の第1のアンテナから前記複数の端末へMIMOにより無線伝送するために、変調された送信信号に、前記重み付け係数を乗算し合成して、複数の送信信号を生成するステップと、
    前記基地局が、前記重み付け処理部の出力を前記複数の第1のアンテナから送信するステップとをさらに備える、無線通信方法。
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