JP4902333B2 - 受信方法ならびにそれを利用した受信装置および受信システム - Google Patents

受信方法ならびにそれを利用した受信装置および受信システム Download PDF

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Description

本発明は、受信技術に関し、特に複数のアンテナによって信号を受信する受信方法ならびにそれを利用した受信装置および受信システムに関する。
ディジタル無線通信システムでの受信装置において受信される信号は、無線伝送路の影響を受けている。そのため、無線伝送路の状態や、送信装置と受信装置との間の距離に応じて、受信信号の強度は大きく変動する。受信装置は、一般的にAD変換器によって受信信号をデジタル信号に変換した後に、デジタル信号に対して受信処理を実行する。AD変換器のダイナミックレンジは有限であるので、AD変換器に入力される信号の大きさはダイナミックレンジに合わせて調節される方が望ましい。そのため、一般的にAGC(Automatic Gain Control)がAD変換器の前段に配置される。(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−117341号公報
無線通信において、一般的に限りある周波数資源の有効利用が望まれている。周波数資源を有効利用するための技術のひとつが、アダプティブアレイアンテナ技術である。アダプティブアレイアンテナ技術は、複数のアンテナによって送受信される信号の振幅と位相を制御して、アンテナの指向性パターンを形成する。すなわち、アダプティブアレイアンテナを備えた装置は、複数のアンテナにおいて受信した信号の振幅と位相をそれぞれ変化させ、変化させた複数の受信信号をそれぞれ加算する。これは、当該振幅と位相との変化量(以下、「ウエイト」という)に応じた指向性パターンのアンテナで受信される信号と同等の信号を受信することに相当する。また、ウエイトに応じたアンテナの指向性パターンによって信号が送信される。
アダプティブアレイアンテナ技術において、ウエイトを算出するための処理の一例には、最小二乗誤差(MMSE:Minimum Mean Square Error)法にもとづく方法がある。MMSE法において、ウエイトの最適値を与える条件としてウィナー解が知られており、さらにウィナー解を直接解くよりも計算量が少ない漸化式も知られている。漸化式としては、例えば、RLS(Recursive Least Squares)アルゴリズムやLMS(Least Mean Squares)アルゴリズムなどの適応アルゴリズムが使用される。
アダプティブアレイアンテナ技術においてウエイトを導出する際、一般的に、複数のアンテナによって受信された信号強度の情報が必要となる。つまり、AD変換器によってデジタル信号に変換された後でも、複数の受信信号間における強度の比の維持が要求される。そのため、複数の受信信号に対して、AGCは、共通の増幅率によって増幅を実行する。このような増幅率の設定では、複数の受信信号の中に十分に増幅されていない受信信号が存在する場合もある。その結果、アダプティブアレイアンテナ技術による特性の改善も十分でなくなる。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数のアンテナを備えている場合でも、効率的にAD変換を実行する受信技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の受信装置は、複数のアンテナのそれぞれに対応した複数の入力部と、複数の入力部のそれぞれに対応した複数の補正部と、複数の補正部に接続した受信処理部とを備える。複数の入力部のそれぞれにおいて入力される信号には、対応したアンテナにおいて受信した信号に対して、他のアンテナにおいて受信した信号とは独立した増幅率による増幅がなされた後に、アナログ−デジタル変換がなされ、複数の補正部のそれぞれは、対応した入力部において入力した信号に対して、雑音に対応した成分を推定するとともに、雑音に対応した成分による補正を実行し、受信処理部は、複数の補正部のそれぞれにおいて補正した信号に対して、受信処理を実行する。
この態様によると、独立した増幅率によって増幅された後に、アナログ−デジタル変換された信号に対して、雑音に対応した成分による補正を実行するので、複数の信号を処理対象とする場合であっても、効率よくアナログ−デジタル変換を実行できる。
複数の入力部のそれぞれにおいて入力される信号は、マルチキャリア信号であって、かつ所定の期間に既知信号を含んでおり、複数の補正部のそれぞれは、既知信号が含まれた期間において、マルチキャリア信号に含まれたサブキャリア信号から既知信号の成分を除去する除去部と、除去部において既知信号の成分を除去したサブキャリア信号に対して、近傍のサブキャリア信号との差異を計算することによって雑音に対応した成分を推定する推定部と、を備えてもよい。この場合、近傍のサブキャリア信号間における伝送路特性が等しいと近似するので、雑音に対応した成分を簡易に推定できる。
複数の入力部のそれぞれにおいて入力される信号は、複数の系列によって構成されており、複数の補正部のそれぞれは、系列単位の信号に分離し、分離した信号をマルチキャリア信号として除去部に出力する分離部と、を備えてもよい。この場合、複数の系列を分離するので、複数の系列にて形成される信号を処理対象とする場合でも、雑音に対応した成分を推定できる。
本発明の別の態様もまた、受信装置である。この装置は、複数のアンテナのそれぞれに対応した複数の増幅部と、複数の増幅部のそれぞれに対応した複数の変換部と、複数の変換部のそれぞれに対応した複数の補正部と、複数の補正部に接続した受信処理部とを備える。複数の増幅部のそれぞれは、対応したアンテナにおいて受信した信号に対して、他の増幅部にて設定される増幅率とは独立した増幅率による増幅を実行し、複数の変換部のそれぞれは、対応した増幅部において増幅した信号に対して、アナログ−デジタル変換を実行し、複数の補正部のそれぞれは、対応した変換部において変換した信号に対して、雑音に対応した成分を推定するとともに、雑音に対応した成分による補正を実行し、受信処理部は、複数の補正部のそれぞれにおいて補正した信号に対して、受信処理を実行する。
この態様によると、独立した増幅率によって増幅した後に、アナログ−デジタル変換した信号に対して、雑音に対応した成分による補正を実行するので、複数の信号を処理対象とする場合であっても、効率よくアナログ−デジタル変換を実行できる。
本発明のさらに別の態様は、受信システムである。この受信システムは、複数のアンテナのそれぞれに対応した複数のRF処理装置と、複数のRF処理装置のそれぞれとケーブルを介して接続したベースバンド処理装置とを備える。複数のRF処理装置のそれぞれは、対応したアンテナにおいて受信した信号に対して、他のRF処理装置にて設定される増幅率とは独立した増幅率による増幅を実行した後に、アナログ−デジタル変換を実行し、ベースバンド処理装置は、複数のRF処理装置のそれぞれにおいて変換した信号に対して、雑音に対応した成分を推定するとともに、雑音に対応した成分による補正を実行した後に、補正した信号に対して、受信処理を実行する。
この態様によると、独立した増幅率によって増幅した後に、アナログ−デジタル変換した信号に対して、雑音に対応した成分による補正を実行するので、複数の信号を処理対象とする場合であっても、効率よくアナログ−デジタル変換を実行できる。
本発明のさらに別の態様は、受信方法である。この方法は、複数のアンテナのそれぞれに対応した信号であって、かつ対応したアンテナおいて受信した信号に対して、他のアンテナにおいて受信した信号とは独立した増幅率による増幅がなされた後に、アナログ−デジタル変換がなされた信号を入力するステップと、入力した信号のそれぞれに対して、雑音に対応した成分を推定するとともに、雑音に対応した成分による補正を実行するステップと、補正した信号のそれぞれに対して、受信処理を実行するステップと、を備えること特徴とする受信方法。
入力するステップにおいて入力される信号は、マルチキャリア信号であって、かつ所定の期間に既知信号を含んでおり、補正を実行するステップは、既知信号が含まれた期間において、マルチキャリア信号に含まれたサブキャリア信号から既知信号の成分を除去するステップと、既知信号の成分を除去したサブキャリア信号に対して、近傍のサブキャリア信号との差異を計算することによって、雑音に対応した成分を推定するステップと、を備えてもよい。入力するステップおいて入力される信号は、複数の系列によって構成されており、補正を実行するステップは、系列単位の信号に分離し、分離した信号をマルチキャリア信号として除去するステップに出力するステップと、を備えてもよい。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、複数のアンテナを備えている場合でも、効率的にAD変換を実行できる。
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例は、IEEE802.11a/gに準拠した無線LAN(Local Area Network)のように、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式が使用された通信システムにおける受信装置に関する。本発明の実施例における受信装置は、複数のアンテナを備えているが、一体的に構成されておらず、複数の装置によって構成されている。つまり、受信装置は、複数のRF処理装置とひとつのベースバンド処理装置とによって構成されており、複数のRF処理装置のそれぞれは、ケーブルを介してベースバンド処理装置に接続されている。
RF処理装置は、アンテナと接続され、アンテナによって受信した信号に対して、無線周波数からベースバンド周波数への周波数変換を実行するとともに、アナログからデジタルへのAD変換を実行する。ベースバンド処理装置は、複数のRF処理装置のそれぞれから、ベースバンドかつデジタルの受信信号を受けつけ、それらに対してアダプティブアレイ信号処理を実行する。このような構成において、効率的にAD変換を実行するために、本発明の実施例は、次に処理を実行する。
RF処理装置は、AGCによる増幅を実行した後に、AD変換を実行する。ここで、各RF処理装置は、互いに独立して動作を実行するので、AGCにおける増幅率は、RF処理装置ごとに独立して設定される。そのため、複数の受信信号のそれぞれに適した増幅率による増幅が実行されるので、効率的なAD変換が実行される。ベースバンド処理装置は、複数の受信信号を受けつけると、それぞれに含まれた雑音に対応した成分を推定し、推定した雑音に対応した成分によって受信信号を補正する。さらに、ベースバンド処理装置は、補正した受信信号をアダプティブアレイ信号処理を実行する。
図1は、本発明の実施例に係るマルチキャリア信号のスペクトルを示す。特に、図1は、OFDM変調方式での信号のスペクトルを示す。OFDM変調方式における複数のキャリアのひとつをサブキャリアと一般的に呼ぶが、ここではひとつのサブキャリアを「サブキャリア番号」によって指定するものとする。例えば、IEEE802.11n規格に準拠した通信システム(以下、「MIMOシステム」という)には、サブキャリア番号「−28」から「28」までの56サブキャリアが規定されている。なお、サブキャリア番号「0」は、ベースバンド信号における直流成分の影響を低減するため、ヌルに設定されている。一方、MIMOシステムに対応していないシステム(以下、「従来システム」という)には、サブキャリア番号「−26」から「26」までの52サブキャリアが規定されている。従来システムの一例は、IEEE802.11a/g規格に準拠した無線LANである。
また、複数のサブキャリアにて構成されたひとつの信号の単位であって、かつ時間領域のひとつの信号の単位は、「OFDMシンボル」と呼ばれるものとする。それぞれのサブキャリアは、可変に設定された変調方式によって変調されている。変調方式には、BPSK(Binary Phase Shift Keying)、QPSK、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAMのいずれかが使用される。ここで、複数のサブキャリアのうち、サブキャリア番号「−21」、「−7」、「7」、「21」の4つのサブキャリアにパイロット信号が配置されている。また、ひとつのサブキャリアに配置されたパイロット信号は、4OFDMシンボルごとに同一の値となるようなパターンを有する。
図2(a)−(b)は、本発明の実施例に係るパケット信号のフォーマットを示す。本発明は、従来システムを説明の対象とするので、図2(a)は、従来システムのパケット信号のフォーマットに相当する。パケット信号には、プリアンブル信号あるいはトレーニング信号としての「L−STF」、「L−LTF」につづいて、「L−SIG」、「データ」が配置される。「L−STF」、「L−LTF」、「L−SIG」は、従来システムに対応したAGC設定用の既知信号、伝送路推定用の既知信号、制御信号にそれぞれ相当する。図2(b)は、図2(a)の「L−LTF」の構成を示す。「L−LTF」は、「GI2」、「T1」、「T2」によって構成される。「T1」、「T2」は、同一の信号パターンを有しており、それぞれは、1回のIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)によって出力される信号の長さを有する。「GI2」は、ガードインターバルであり、それは、「T2」の後部が複製されることによって形成されている。
図3は、本発明の実施例に係る通信システム100の構成を示す。通信システム100は、送信装置10、RF処理装置12と総称される第1RF処理装置12a、第2RF処理装置12b、第NRF処理装置12n、ベースバンド処理装置34を含む。ここで、RF処理装置12およびベースバンド処理装置34が、受信装置に相当する。送信装置10は、ベースバンド部26、変調部28、無線部30、送信用アンテナ16を含む。第1RF処理装置12aは、第1受信用アンテナ14aを含み、第2RF処理装置12bは、第2受信用アンテナ14bを含み、第NRF処理装置12nは、第N受信用アンテナ14nを含む。
ここで、第1受信用アンテナ14a、第2受信用アンテナ14b、第N受信用アンテナ14nは、受信用アンテナ14と総称される。ベースバンド処理装置34は、補正部50と総称される第1補正部50a、第2補正部50b、第N補正部50n、信号処理部18、復調部20、IF部22、制御部24を含む。また、信号として、増幅受信信号320と総称される第1増幅受信信号320a、第2増幅受信信号320b、第N増幅受信信号320n、デジタル受信信号300と総称される第1デジタル受信信号300a、第2デジタル受信信号300b、第Nデジタル受信信号300n、合成信号304を含む。
送信装置10は、受信装置に接続し、受信装置との間において通信を実行する。ベースバンド部26は、送信装置10に接続したPCや、送信装置10内部のアプリケーションとのインタフェースであり、通信システム100において伝送の対象となる情報信号の送信処理を行う。また、誤り訂正や自動再送処理がなされてもよいが、ここではこれらの説明を省略する。変調部28は、前述のBPSK等へのマッピング、IFFT、直交変調を実行することによって、送信信号を生成する。
ここで、送信処理において変調部28から出力される信号は、OFDM信号のごとく、マルチキャリア信号を形成している。また、マルチキャリア信号は、パケット信号を構成している。無線部30は、周波数変換処理を実行する。また、無線部30は、増幅処理、DA変換処理等を行う。無線部30は、送信用アンテナ16を介して、無線装置に無線周波数の信号を送信する。
RF処理装置12は、一端において受信用アンテナ14を接続し、他端においてベースバンド処理装置34を接続する。ここで、ひとつのRF処理装置12は、ひとつの受信用アンテナ14をそれぞれ接続する。つまり、複数のRF処理装置12は、複数の受信用アンテナ14のそれぞれに対応する。RF処理装置12は、受信用アンテナ14によって受信した無線周波数のマルチキャリア信号を周波数変換し、ベースバンドの信号を導出する。前述のごとく、マルチキャリア信号は、パケット信号を構成しており、パケット信号の先頭部分には、トレーニング信号が連続的に含まれている。また、マルチキャリア信号には、所定のサブキャリアにパイロット信号が含まれており、パイロット信号は、所定のパターンの繰り返しによって形成されている。
複数のRF処理装置12には、局部発振器がそれぞれ含まれており、RF処理装置12は、局部発振器から出力されるローカル信号によって、複数のマルチキャリア信号をそれぞれ周波数変換する。また、複数のRF処理装置12のそれぞれは、対応した受信用アンテナ14において受信した信号に対して、他のRF処理装置12にて設定される増幅率とは独立した増幅率による増幅を実行した後に、アナログ−デジタル変換を実行する。RF処理装置12は、増幅したベースバンドの信号を増幅受信信号320としてベースバンド処理装置34に出力する。一般的に、ベースバンドの信号は、同相成分と直交成分によって形成されるので、ふたつの信号線によって伝送されるべきであるが、ここでは、図を明瞭にするためにひとつの信号線だけを示すものとする。
ベースバンド処理装置34は、複数のRF処理装置12のそれぞれとケーブルを介して接続される。補正部50は、RF処理装置12のそれぞれに対応するように設けられており、RF処理装置12から増幅受信信号320を入力する。つまり、補正部50のそれぞれにおいて入力される信号には、対応した受信用アンテナ14において受信した信号に対して、他の受信用アンテナ14において受信した信号とは独立した増幅率による増幅がなされた後に、アナログ−デジタル変換がなされている。複数の補正部50のそれぞれは、増幅受信信号320に対して、雑音に対応した成分を推定するとともに雑音に対応した成分による補正を実行する。なお、補正部50における雑音に対応した成分の推定方法と雑音に対応した成分による補正方法の詳細は、後述する。また、補正部50は、補正した信号をデジタル受信信号300として出力する。
信号処理部18は、複数の補正部50に接続されており、複数の補正部50のそれぞれからのデジタル受信信号300に対して、受信処理を実行する。ここで、信号処理部18は、複数のデジタル受信信号300をそれぞれ周波数領域に変換し、周波数領域の信号に対してアダプティブアレイ信号処理を実行する。信号処理部18は、アダプティブアレイ信号処理の結果を合成信号304として出力する。ここで、周波数領域の信号である合成信号304は、図1のごとく、複数のサブキャリアの成分を含むものとする。図を明瞭にするために、周波数領域の信号は、サブキャリア番号の順番に並べられて、シリアル信号を形成しているものとする。
図4は、周波数領域の信号の構成を示す。ここで、図1に示したサブキャリア番号「−28」から「28」のひとつの組合せを「OFDMシンボル」というものとする。なお、ここでは、周波数領域のひとつの信号の単位も、「OFDMシンボル」と呼ぶものとする。「i」番目のOFDMシンボルは、サブキャリア番号「1」から「28」、サブキャリア番号「−28」から「−1」の順番にサブキャリア成分を並べているものとする。また、「i」番目のOFDMシンボルの前に、「i−1」番目のOFDMシンボルが配置され、「i」番目のOFDMシンボルの後ろに、「i+1」番目のOFDMシンボルが配置されているものとする。なお、従来システムにおいては、ひとつの「OFDMシンボル」に対して、サブキャリア番号「−26」から「26」の組合せが使用される。図3に戻る。
信号処理部18における受信処理をさらに詳しく説明する。信号処理部18は、パケット信号のトレーニング信号期間にわたって、複数のデジタル受信信号300に対して、受信ウエイトベクトルを導出する。なお、受信ウエイトベクトルは、伝送路特性をもとに導出される。伝送路特性は、送信用アンテナ16と受信用アンテナ14との間の伝送路における信号の減衰量と信号の位相回転量とを示す。そのため、伝送路特性は、送信用アンテナ16と受信用アンテナ14との組合せの数と、サブキャリア数との乗算結果に応じた数の成分を有する。
例えば、図2の場合、ひとつの送信用アンテナ16とN個の受信用アンテナ14とが存在するので、ひとつのサブキャリアに対する伝送路特性は、N個の成分を含む。また、伝送路特性から導出される受信ウエイトベクトルも、伝送路特性と同一数の成分を有する。つまり、ひとつのサブキャリアに対する受信ウエイトベクトルは、受信用アンテナ14のそれぞれに対応した成分を有する。トレーニング信号期間の終了後、信号処理部18は、受信ウエイトベクトルを使用しながら、デジタル受信信号300に対してアレイ合成を実行する。
復調部20は、復調とデインタリーブを実行する。なお、復調は、サブキャリア単位でなされる。復調部20は、復調した信号をIF部22に出力する。IF部22は、図示しないネットワークとのインタフェースである。制御部24は、ベースバンド処理装置34のタイミング等を制御する。
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされた通信機能のあるプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
図5は、第1RF処理装置12aの構成を示す。第1RF処理装置12aは、周波数変換部146、AGC148、直交検波部150、AD変換部152、局部発振部166を含む。また、他のRF処理装置12も同様に構成される。
周波数変換部146は、受信信号に対して無線周波数と中間周波数間の周波数変換を行う。AGC148は、受信した信号の振幅をAD変換部152のダイナミックレンジ内の振幅にするために、利得を自動的に制御する。AGC148の構成として公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。しかしながら、第1RF処理装置12aに含まれたAGC148は、図示しない他のRF処理装置12に含まれたAGC148とは独立に動作する。つまり、AGC148は、他のRF処理装置12に含まれたAGC148にて設定される増幅率とは独立した増幅率による増幅を実行する。
直交検波部150は、中間周波数の信号を直交検波して、ベースバンドのアナログ信号を生成する。局部発振部166は、直交検波部150に対して、所定の周波数を有したローカル信号を供給する。AD変換部152は、ベースバンドのアナログ信号をデジタル信号に変換し、変換した結果を第1増幅受信信号320aとして出力する。
図6は、AD変換部152の構成を示す。AD変換部152は、抵抗R、コンパレータ80と総称される第1コンパレータ80a、第2コンパレータ80b、第3コンパレータ80c、第4コンパレータ80d、第5コンパレータ80e、第6コンパレータ80f、第7コンパレータ80g、第9コンパレータ80h、エンコーダ82を含む。
RおよびR/2は、図示のごとく直列に接続されており、参照電圧「+Vref」、「−Vref」を受けつける。また、RおよびR/2は、参照電圧「+Vref」、「−Vref」の電圧を変化させることによって、複数の参照信号を生成する。コンパレータ80は、一端に、図5の直交検波部150からの信号を「Vin」として受けつけ、他端に、Rからの参照信号を受けつける。コンパレータ80は、「Vin」と参照信号との比較結果をエンコーダ82に出力する。
エンコーダ82は、コンパレータ80での比較結果を符号化し、第1増幅受信信号320aを生成する。全体的に「Vin」が大きければ、多くのビットが使用されるので、デジタル信号の精度が高くなる。一方、全体的に「Vin」が小さければ、少しのビットしか使用されないので、デジタル信号の精度が悪くなる。なお、ここでは、AD変換部152としてフラッシュ型のAD変換器を示したが、これに限定される必要はなく、例えば、逐次変換型のAD変換器やパイプライン型のAD変換器であってもよい。
図7は、第1補正部50aの構成を示す。第1補正部50aは、実行部52、推定部54を含む。また、他の補正部50も同様に構成される。
第1補正部50aには、第1増幅受信信号320aが入力される。第1増幅受信信号320aは、図2(a)−(b)のごとく構成されており、OFDM信号であり、かつパケット信号の先頭部分にトレーニング信号が配置されている。ここでは、実行部52、推定部54の処理を説明する前に、両者による処理の概要を説明する。まず、OFDM信号の場合に、隣接したサブキャリア間の伝送路特性が同一であると仮定する。このような仮定のもと、補正部50は、トレーニング信号を使用することによって、雑音に対応する成分nを次のように推定する。
n=r(f1)s(f1)−r(f2)s(f2)
={h(f1)s(f1)+n(f1)}s(f1)−{h(f2)s(f2)+n(f2)}s(f2)
=h(f1)+n(f1)s(f1)−h(f2)−n(f2)s(f2)
=n(f1)s(f1)−n(f2)s(f2) (∵s=1) (1)
ここで、r(f1)とr(f2)は、周波数f1とf2のそれぞれに対応したサブキャリアでの受信信号であり、s(f1)とs(f2)は、周波数f1とf2のそれぞれに対応したサブキャリアでのトレーニング信号であり、h(f1)とh(f2)は、周波数f1とf2のそれぞれに対応したサブキャリアでの伝送路特性である。また、前述した仮定のもと、h(f1)はh(f2)に等しいとされる。
推定部54は、トレーニング信号の期間において、OFDM信号に含まれたサブキャリア信号からトレーニング信号の成分を除去する。これは、式(1)におけるr(f1)s(f1)およびr(f2)s(f2)に相当する。推定部54は、トレーニング信号の成分を除去したサブキャリア信号に対して、近傍のサブキャリア信号との差異を計算する。これは、式(1)におけるr(f1)s(f1)−r(f2)s(f2)に相当する。なお、推定部54は、複数のサブキャリア信号間において差異を計算し、それらを平均化し、二乗和を計算することによって、最終的な雑音に対応した成分を導出する。実行部52は、推定部54において導出した雑音によって、増幅受信信号320を補正する。補正は、例えば、雑音に対応した成分の平方根によって増幅受信信号320を除算することによってなされる。
図8は、信号処理部18の構成を示す。信号処理部18は、FFT部40と総称される第1FFT部40a、第2FFT部40b、第NFFT部40n、合成部60、受信ウエイトベクトル計算部68、参照信号記憶部70を含む。また、合成部60は、乗算部62と総称される第1乗算部62a、第2乗算部62b、第N乗算部62n、加算部64を含む。また信号として、参照信号306、受信ウエイトベクトル信号312と総称される第1受信ウエイトベクトル信号312a、第2受信ウエイトベクトル信号312b、第N受信ウエイトベクトル信号312nを含む。
FFT部40は、入力したデジタル受信信号300に対して、FFTを実行する。つまり、FFT部40は、時間領域の信号を周波数領域の信号に変換する。ここでは、周波数領域に変換された信号もデジタル受信信号300と示す。また、周波数領域に変換されたデジタル受信信号300は、図4のごとく構成される。ここで、デジタル受信信号300は、複数の受信用アンテナ14のそれぞれに対応した複数のマルチキャリア信号であって、かつ少なくともひとつのサブキャリアにパイロット信号が配置された複数のマルチキャリア信号である。
合成部60は、乗算部62において、デジタル受信信号300を受信ウエイトベクトル信号312で受信用アンテナ14単位およびサブキャリア単位にそれぞれ重みづけし、その結果を加算部64で加算して、合成信号304を出力する。なお、ひとつの乗算部62における乗算は、サブキャリアごとになされ、合成信号304は、図4のごとく構成される。参照信号記憶部70は、トレーニング信号期間中に予め記憶した既知のトレーニング信号を参照信号306として出力する。
受信ウエイトベクトル計算部68は、トレーニング信号期間中にわたって、デジタル受信信号300、参照信号306から、伝送路特性を導出する。伝送路特性の導出には、公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。前述のごとく伝送路特性は、複数の受信用アンテナ14と複数のサブキャリアとのそれぞれに対応した成分を有し、それぞれの成分は同相成分と直交成分とを有する。また、受信ウエイトベクトル計算部68は、伝送路特性から受信ウエイトベクトル信号312を導出する。受信ウエイトベクトル信号312の導出にも、公知の技術が使用されればよいので、ここでは説明を省略する。受信ウエイトベクトル信号312は、伝送路特性と同一数の成分によって形成される。
以上の構成によるRF処理装置12およびベースバンド処理装置34の動作を説明する。各RF処理装置12は、受信信号に対して、AGC148において独自の増幅率による増幅を実行した後、AD変換部152においてアナログ−デジタル変換を実行する。また、各RF処理装置12は、ベースバンド処理装置34に対して、増幅受信信号320を出力する。ベースバンド処理装置34の中の各補正部50は、トレーニング信号期間において増幅受信信号320に含まれた雑音に対応した成分を推定し、推定した雑音に対応した成分によって増幅受信信号320を補正する。信号処理部18は、補正した増幅受信信号320、つまりデジタル受信信号300に対して、アダプティブアレイ信号処理を実行する。
以下、本発明に係る変形例を説明する。本発明の実施例では、通信システム100が従来システムであるとしたが、本発明の変形例では、通信システム100は、従来システムでなく、MIMOシステムであるとする。MIMOシステムでのパケット信号は、複数の系列によって構成されているので、それに対応するために、送信装置10は、複数の送信用アンテナ16、複数の無線部30、複数の変調部28を備える。また、ベースバンド処理装置34は、複数の信号処理部18、複数の復調部20を備える。そのような構成において、送信装置10およびベースバンド処理装置34は、複数の系列を並列に処理する。まず、MIMOシステムが適用される際のパケット信号について説明する。
図9(a)−(c)は、本発明の変形例に係るパケット信号のフォーマットを示す。図9(a)は、系列の数が「4」である場合に対応し、図9(b)は、系列の数が「3」である場合に対応し、図9(c)は、系列の数が「2」である場合に対応する。図9(a)では、4つの系列に含まれたデータが、送信の対象とされるものとし、第1から第4の系列に対応したパケットフォーマットが上段から下段に順に示される。
第1の系列に対応したパケット信号には、プリアンブル信号またはトレーニング信号として「L−STF」、「HT−LTF」等が配置される。「HT−SIG」は、MIMOシステムに対応した制御信号にそれぞれ相当する。MIMOシステムに対応した制御信号には、例えば、系列の数に関する情報やデータ信号の宛先が含まれている。「HT−STF」、「HT−LTF」は、MIMOシステムに対応したAGC設定用の既知信号、伝送路推定用の既知信号に相当する。また、第1の系列において、HT−LTFが、先頭から「HT−LTF」、「−HT−LTF」、「HT−LFT」、「−HT−LTF」の順に配置されている。ここで、これらを順に、すべての系列において「第1成分」、「第2成分」、「第3成分」、「第4成分」と呼ぶ。「データ1」は、データ信号である。なお、L−LTF、HT−LTFは、AGCの設定だけでなく、タイミングの推定にも使用される。
また、第2の系列に対応したパケット信号には、プリアンブル信号として「L−STF(−50ns)」と「HT−LTF(−400ns)」等が配置される。また、第3の系列に対応したパケット信号には、プリアンブル信号として「L−STF(−100ns)」と「HT−LTF(−200ns)」等が配置される。また、第4の系列に対応したパケット信号には、プリアンブル信号として「L−STF(−150ns)」と「HT−LTF(−600ns)」等が配置される。
ここで、「−400ns」等は、CDD(Cyclic Delay Diversity)におけるタイミングシフト量を示す。CDDとは、所定の期間において、時間領域の波形をシフト量だけ後方にシフトさせ、所定の期間の最後部から押し出された波形を所定の期間の先頭部分に循環的に配置させる処理である。すなわち、「L−STF(−50ns)」には、「L−STF」に対して、−50nsの遅延量にて循環的なタイミングシフトがなされている。なお、L−STFとHT−STFは、800nsの期間の繰り返しによって構成され、その他のHT−LTF等は、3.2μsの期間の繰り返しによって構成されているものとする。ここで「データ1」から「データ4」にもCDDがなされており、タイミングシフト量は、前段に配置されたHT−LTFでのタイミングシフト量と同一の値である。
「L−LTF」から「HT−SIG」等までの部分には、従来システムと同様に、「52」サブキャリアが使用される。なお、「52」サブキャリアのうちの「4」サブキャリアがパイロット信号に相当する。一方、「HT−LTF」等以降の部分は、「56」サブキャリアを使用する。
図9(a)において、「HT−LTF」の符号は、以下のように規定されている。第1の系列の先頭から順に、符号は「+」、「−」、「+」、「−」の順に並べられ、第2の系列の先頭から順に、符号は「+」、「+」、「+」、「+」の順に並べられ、第3の系列の先頭から順に、符号は「+」、「−」、「−」、「+」の順に並べられ、第4の系列の先頭から順に、符号は「+」、「+」、「−」、「−」の順に並べられている。しかしながら、符号は、以下のように規定されていてもよい。第1の系列の先頭から順に、符号は「+」、「−」、「+」、「+」の順に並べられ、第2の系列の先頭から順に、符号は「+」、「+」、「−」、「+」の順に並べられ、第3の系列の先頭から順に、符号は「+」、「+」、「+」、「−」の順に並べられ、第4の系列の先頭から順に、符号は「−」、「+」、「+」、「+」の順に並べられる。このような符号であっても、所定の成分の符号の組合せが系列間において直交関係を有していることに相当する。
図9(b)は、図9(a)の第1の系列から第3の系列に相当する。図9(c)は、図9(a)に示したパケットフォーマットのうちの第1系列と第2系列に類似している。ここで、図9(c)の「HT−LTF」の配置が、図9(a)の「HT−LTF」の配置と異なっている。すなわち、HT−LTFには、第1成分と第2成分だけが含まれている。第1の系列において、HT−LTFが、先頭から「HT−LTF」、「HT−LTF」の順に配置され、第2の系列において、HT−LTFが、先頭から「HT−LTF」、「−HT−LTF」の順に配置されている。これらも、前述のごとく、直交関係といえる。
変形例に係るベースバンド処理装置34の構成は、図2と同様のタイプであるので、ここでは、説明を省略する。図10は、本発明の変形例に係る第1補正部50aの構成を示す。第1補正部50aは、実行部52、推定部54、分離部56、平均部58を含む。また、他の補正部50も同様に構成される。
第1補正部50aには、第1増幅受信信号320aが入力されるが、第1増幅受信信号320aは、複数の系列によって構成されている。分離部56は、第1増幅受信信号320aを系列単位の信号に分離する。分離部56における分離処理は、以下のように実行される。補正部50は、図9(a)の受信信号に対して、第1成分−第2成分+第3成分−第4成分の演算を行うことによって、第1の系列の成分を抽出する。また、補正部50は、受信信号に対して、第1成分+第2成分+第3成分+第4成分の演算を行うことによって、第2の系列の成分を抽出する。また、補正部50は、受信信号に対して、第1成分−第2成分−第3成分+第4成分の演算を行うことによって、第3の系列の成分を抽出する。また、補正部50は、受信信号に対して、第1成分+第2成分−第3成分−第4成分の演算を行うことによって、第4の系列の成分を抽出する。これらは、所定の成分の符号の組合せが系列間において直交関係を有していることに相当する。なお、加減処理は、ベクトル演算にて実行される。
また、補正部50は、図9(c)の受信信号に対して、第1成分+第2成分の演算を行うことによって、第1の系列の成分を抽出する。また、補正部50は、受信信号に対して、第1成分−第2成分の演算を行うことによって、第2の系列の成分を抽出する。分離部56は、以上の説明のごとく、抽出した各成分を平均部58に出力する。平均部58は、受けつけた各成分の平均値を計算し、平均値を式(1)における受信信号r(f1)やr(f2)として、推定部54に出力する。
図11は、本発明の変形例に係る信号処理部18の構成を示す。信号処理部18は、FFT部40と総称される第1FFT部40a、第2FFT部40b、第NFFT部40n、合成部220と総称される第1合成部220a、第2合成部220b、第M合成部220m、受信ウエイトベクトル計算部222、参照信号記憶部70を含む。
信号処理部18は、複数の受信用アンテナ14のそれぞれに対応したデジタル受信信号300であって、かつ図9(a)−(c)のごとく、複数の系列によって形成されたデジタル受信信号300を入力する。FFT部40は、図8のFFT部40に対応する。合成部220は、アレイ合成を実行する。また、合成部220は、系列にあわせてM個設けられる。ひとつの合成部220は、受信用アンテナ14単位およびサブキャリア単位に、デジタル受信信号300に対する重みづけを実行し、合成をサブキャリア単位に実行する。ひとつの合成部220における重みづけと合成の処理は、図8の合成部60と同様になされる。
受信ウエイトベクトル計算部222は、合成部220での重みづけにおいて使用される受信ウエイトベクトルを生成する。なお、M個の合成部220は、M個の系列にそれぞれ対応しているので、受信ウエイトベクトル計算部222は、M個の系列にそれぞれ対応した受信ウエイトベクトルを導出する。さらに、ひとつの合成部220に対応した受信ウエイトベクトルは、これまでに説明した受信ウエイトベクトル信号312と同様に、受信用アンテナ14の数とサブキャリア数に応じた成分を有する。
本発明の実施例によれば、独立した増幅率によって増幅された後に、アナログ−デジタル変換された信号に対して、雑音に対応した成分による補正を実行するので、複数の信号を処理対象とする場合であっても、効率よくアナログ−デジタル変換を実行できる。また、独立した増幅率によって増幅された後に、アナログ−デジタル変換された信号に対して、雑音に対応した成分による補正を実行するので、複数の信号を処理対象とする場合であっても、多くのビットを使用できる。
また、近傍のサブキャリア信号間における伝送路特性が等しいと近似するので、雑音に対応した成分を簡易に推定できる。また、複数のサブキャリア間の雑音に対応した成分を平均することによって、増幅された信号に対する雑音に対応した成分を推定するので、推定精度を向上できる。また、独立のAGCが組み込まれてしまったRF処理装置を使用する場合であっても、共通の増幅率を設定するAGCシステムを使用する場合と同等の性能を実現できる。また、複数の系列を分離するので、複数の系列にて形成される信号を処理対象とする場合でも、雑音に対応した成分を推定できる。また、系列間の雑音に対応した成分を平均するので、雑音に対応した成分の推定精度を向上できる。
また、AD変換部の有効ビットを最大限利用できる。また、AGCを共通に制御する場合ではAD変換部のビット幅が有効に使えていなかったが、本実施例によってAD変換部の有効ビットを最大限利用できる。また、AGCを共通に制御した場合にでも、同じ電流をVGAにセットしても、LNAの特性差により増幅率が若干異なったり、各RF処理装置の温度が違うとそもそも載ってくるノイズ量が異なるように、アナログ回路の特性により系統ごとに異なった大きさの雑音が付加される場合があるが、本実施例によって、各系統に含まれる雑音に対応した成分がデジタル領域で補正されるので、最大比合成やアレイ合成の効果を大きくできる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施例において、受信装置は、複数のRF処理装置12とベースバンド処理装置34によって構成されている。しかしながらこれに限らず例えば、受信装置は、一体的に構成されてもよい。その際、複数の受信用アンテナ14のそれぞれに対応した複数のAGC、複数のAGCのそれぞれに対応した複数のAD変換部、複数のAD変換部のそれぞれに対応した複数の補正部50、複数の補正部50に接続した信号処理部18が含まれる。複数のAGCのそれぞれは、対応したアンテナにおいて受信した信号に対して、他のAGCにて設定される増幅率とは独立した増幅率による増幅を実行する。複数のAD変換部のそれぞれは、対応したAGCにおいて増幅した信号に対して、アナログ−デジタル変換を実行する。複数の補正部50のそれぞれは、対応したAD変換部において変換した信号に対して、雑音に対応した成分を推定するとともに雑音に対応した成分による補正を実行する。信号処理部18は、複数の補正部50のそれぞれにおいて補正した信号に対して、受信処理を実行する。本変形例によれば、独立した増幅率によって増幅した後に、アナログ−デジタル変換した信号に対して、雑音に対応した成分による補正を実行するので、複数の信号を処理対象とする場合であっても、効率よくアナログ−デジタル変換を実行できる。
本発明の実施例において、推定部54は、隣接したサブキャリア信号間の伝送路特性が等しいという仮定のもと、雑音に対応した成分の推定を実行している。しかしながらこれに限らず例えば、推定部54は、図2(b)での「T1」、「T2」のごとく、2回繰り返された既知の成分を利用し、「T2」における受信信号から「T1」における受信信号を減算することによって、雑音に対応した成分を推定してもよい。
r(t)−r(t−3.2us)=hs+n2−hs−n1=n2−n1 (2)
ここで、r(t)は、時間tにおける受信信号を示す。また、式(2)の二乗和が雑音に対応した成分に相当する。この時の正規化係数は以下のように示される。
sqrt(Σ{r(t)−r(t−3.2us)}) (3)
である。なお、簡易的に以下のように正規化係数が導出されてもよい。
Σabs(r(t)−r(t−3.2us)) (4)
また、推定部54は、受信信号と、再変調された信号との減算によって、雑音に対応した成分を導出してもよい。
r(t)−hs=hs+n−hs=n (5)
本変形例によれば、さまざまな方法で雑音に対応した成分を推定できる。
本発明の実施例において、OFDM信号を伝送するための通信システム100に本発明を適用している。しかしながらこれに限らず、通信システム100は、シングルキャリア信号を使用してもよい。その際、推定部54は、前述の再変調を使用することによって雑音に対応した成分を推定する。本変形例によれば、さまざまな通信システム100に本発明を適用できる。
本発明の実施例において、平均部58、推定部54は、複数の処理結果に対して平均処理を実行している。しかしながらこれに限らず例えば、平均部58、推定部54は、平均処理の代わりに、いずれかを選択してもよい。本変形例によれば、処理を簡易にできる。
本発明の実施例において、通信システム100をCSMAをベースにした通信システム100に適用している。しかしながらこれに限らず例えば、受信装置はCSMA以外の通信システムに適用されてもよく、例えば、TDMA(Time Division Multiple Access)、CDMA(Code Division Multiple Access)、SDMA(Space Division Multiple Access)などが使用されてもよい。この変形例によれば、さまざまな通信システムに本発明を適用できる。つまり、送信装置10からの信号を受信する受信装置であればよい。
本発明の実施例に係るマルチキャリア信号のスペクトルを示す図である。 図2(a)−(b)は、本発明の実施例に係るパケット信号のフォーマットを示す図である。 本発明の実施例に係る通信システムの構成を示す図である。 図3における周波数領域の信号の構成を示す図である。 図3の第1RF処理装置の構成を示す図である。 図5のAD変換部の構成を示す図である。 図3の第1補正部の構成を示す図である。 図3の信号処理部の構成を示す図である。 図9(a)−(c)は、本発明の変形例に係るパケット信号のフォーマットを示す図である。 本発明の変形例に係る第1補正部の構成を示す図である。 本発明の変形例に係る信号処理部の構成を示す図である。
符号の説明
12 RF処理装置、 14 受信用アンテナ、 18 信号処理部、 20 復調部、 22 IF部、 24 制御部、 34 ベースバンド処理装置、 100 通信システム。

Claims (5)

  1. 複数のアンテナのそれぞれに対応した複数の入力部と、
    前記複数の入力部のそれぞれに対応した複数の補正部と、
    前記複数の補正部に接続した受信処理部とを備え、
    前記複数の入力部のそれぞれにおいて入力される信号は、マルチキャリア信号であって、かつ所定の期間に既知信号を含んでおり、
    前記複数の入力部のそれぞれにおいて入力される信号には、対応したアンテナにおいて受信した信号に対して、他のアンテナにおいて受信した信号とは独立した増幅率による増幅がなされた後に、アナログ−デジタル変換がなされ、
    前記複数の補正部のそれぞれは、
    既知信号が含まれた期間において、マルチキャリア信号に含まれた各サブキャリア信号から既知信号の成分を除去する除去部と、
    前記除去部において既知信号の成分を除去した各サブキャリア信号に対して、近傍のサブキャリア信号との差異を計算し、それらを平均してから二乗和を計算することによって、雑音に対応した成分を推定する推定部と、
    前記推定部において推定した成分の平方根によってマルチキャリア信号を除算する実行部とを備え、
    前記受信処理部は、前記複数の補正部のそれぞれにおいて補正した信号に対して、受信処理を実行することを特徴とする受信装置。
  2. 前記複数の入力部のそれぞれにおいて入力される信号は、複数の系列によって構成されており、
    前記複数の補正部のそれぞれは、
    系列単位の信号に分離し、分離した信号をマルチキャリア信号として前記除去部に出力する分離部と、
    を備えることを特徴とする請求項に記載の受信装置。
  3. 複数のアンテナのそれぞれに対応した複数の増幅部と、
    前記複数の増幅部のそれぞれに対応した複数の変換部と、
    前記複数の変換部のそれぞれに対応した複数の補正部と、
    前記複数の補正部に接続した受信処理部とを備え、
    前記複数の増幅部のそれぞれにおいて入力される信号は、マルチキャリア信号であって、かつ所定の期間に既知信号を含んでおり、
    前記複数の増幅部のそれぞれは、対応したアンテナにおいて受信した信号に対して、他の増幅部にて設定される増幅率とは独立した増幅率による増幅を実行し、
    前記複数の変換部のそれぞれは、対応した増幅部において増幅した信号に対して、アナログ−デジタル変換を実行し、
    前記複数の補正部のそれぞれは、
    既知信号が含まれた期間において、マルチキャリア信号に含まれた各サブキャリア信号から既知信号の成分を除去する除去部と、
    前記除去部において既知信号の成分を除去した各サブキャリア信号に対して、近傍のサブキャリア信号との差異を計算し、それらを平均してから二乗和を計算することによって、雑音に対応した成分を推定する推定部と、
    前記推定部において推定した成分の平方根によってマルチキャリア信号を除算する実行部とを備え、
    前記受信処理部は、前記複数の補正部のそれぞれにおいて補正した信号に対して、受信処理を実行することを特徴とする受信装置。
  4. 複数のアンテナのそれぞれに対応した複数のRF処理装置と、
    前記複数のRF処理装置のそれぞれとケーブルを介して接続したベースバンド処理装置とを備え、
    前記複数のRF処理装置のそれぞれにおいて入力される信号は、マルチキャリア信号であって、かつ所定の期間に既知信号を含んでおり、
    前記複数のRF処理装置のそれぞれは、対応したアンテナにおいて受信した信号に対して、他のRF処理装置にて設定される増幅率とは独立した増幅率による増幅を実行した後に、アナログ−デジタル変換を実行し、
    前記ベースバンド処理装置は、
    前記複数のRF処理装置のそれぞれにおいて変換した信号に対して、既知信号が含まれた期間において、マルチキャリア信号に含まれた各サブキャリア信号から既知信号の成分を除去する除去部と、
    前記除去部において既知信号の成分を除去した各サブキャリア信号に対して、近傍のサブキャリア信号との差異を計算し、それらを平均してから二乗和を計算することによって、雑音に対応した成分を推定する推定部と、
    前記推定部において推定した成分の平方根によってマルチキャリア信号を除算することによって、アンテナ毎に補正した信号をする実行部と、
    前記実行部においてアンテナ毎に補正した信号に対して、受信処理を実行する受信処理部とを備えることを特徴とする受信システム。
  5. 複数のアンテナのそれぞれに対応した信号であって、かつ対応したアンテナおいて受信した信号に対して、他のアンテナにおいて受信した信号とは独立した増幅率による増幅がなされた後に、アナログ−デジタル変換がなされた信号を入力するステップと、
    入力した信号のそれぞれに対して、雑音に対応した成分を推定するとともに、雑音に対応した成分による補正を実行するステップと、
    補正した信号のそれぞれに対して、受信処理を実行するステップとを備え、
    前記入力するステップにおいて入力される信号は、マルチキャリア信号であって、かつ所定の期間に既知信号を含んでおり、
    前記補正するステップは、
    既知信号が含まれた期間において、マルチキャリア信号に含まれた各サブキャリア信号から既知信号の成分を除去するステップと、
    既知信号の成分を除去した各サブキャリア信号に対して、近傍のサブキャリア信号との差異を計算し、それらを平均してから二乗和を計算することによって、雑音に対応した成分を推定するステップと、
    推定した成分の平方根によってマルチキャリア信号を除算するステップとを備えることを特徴とする受信方法。
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