JP2009049632A - 無線通信装置及び無線通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】より正確な信号電力推定と雑音電力推定を行ない、品質の良いMMSE型一般逆行列を得るとともに、精度の高いリンク・アダプテーションを実現する。
【解決手段】コンスタレーショション上では、受信信号点の理想点からずれの大きさの2乗が雑音の電力に相当する。HT−DATA部では、コンスタレーション上の理想点からのずれ量を基に推定された雑音電力を利用して、MMSE型チャネル逆行列を定期的に更新処理する。また、HT−DATA部の受信信号の2乗から、コンスタレーション上の理想点からのずれ量を基に推定された雑音電力を差し引いて、よりも高い精度で雑音電力を推定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、送受信アンテナの組み合わせ毎のチャネル伝達関数を要素としたチャネル行列を基に空間多重して送られてきた受信信号から元の各ストリーム信号を空間分離する無線通信装置及び無線通信方法に係り、特に、推定チャネル行列HからMMSE(MinimumMean Square Error)アルゴリズムに従って得られた受信重み行列を用いて空間多重された信号を空間復号する無線通信装置及び無線通信方法に関する。
旧来の有線通信方式における配線から解放するシステムとして、無線ネットワークが注目されている。無線ネットワークに関する標準的な規格として、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11やIEEE802.15を挙げることができる。
例えばIEEE802.11a/gでは、無線LANの標準規格として、マルチキャリア方式の1つであるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)変調方式が採用されている。OFDM変調方式では、OFDM変調方式によれば、送信データを相互に直交する周波数が設定された複数のキャリアに分配して伝送するので、各キャリアの帯域が狭帯域となり、周波数利用効率が非常に高く、周波数選択性フェージング妨害に強い。
また、IEEE802.11a/gの規格では最大で54Mbpsの通信速度を達成する変調方式をサポートしているが、さらなる高ビットレートを実現できる次世代の無線LAN規格が求められている。
無線通信の高速化を実現する技術の1つとして、MIMO(Multi−Input Multi−Output)通信が注目を集めている。これは、送信機側と受信機側の双方において複数のアンテナ素子を備え、空間多重したストリームを実現する通信方式である。送信側では、複数の送信データに空間/時間符号を施して多重化し、複数本の送信アンテナに分配してチャネルに送信する。これに対し、受信側では、チャネル経由で複数本の受信アンテナにより受信した受信信号を空間/時間復号して、ストリーム間のクロストークなしに受信データを得ることができる。
MIMO通信方式によれば、周波数帯域を増大させることになく、アンテナ本数に応じて伝送容量の拡大を図り、通信速度向上を達成することができる。また、空間多重を利用するので、周波数利用効率はよい。MIMOはチャネル特性を利用した通信方式であり、単なる送受信アダプティブ・アレーとは相違する。
MIMO通信では、空間多重された受信信号から元の各ストリーム信号を空間分離するためには、何らかの方法によりチャネル行列Hを取得するとともに、さらに所定のアルゴリズムによってチャネル行列Hから受信重み行列を求めて空間多重された受信信号から元の複数のストリームに空間分離を行なう必要がある。
図5には、MIMO通信システムを概念的に示している。MIMO送信機には、2本のアンテナ、すなわち送信アンテナ1と送信アンテナ2を備え、一方のMIMO受信機も2本の受信アンテナ1と受信アンテナ2を備えている。ここで、送信アンテナ1と受信アンテナ1間のチャネルの伝達関数をh11、送信アンテナ2と受信アンテナ1間のチャネルの伝達関数をh12、送信アンテナ1と受信アンテナ2間のチャネルの伝達関数をh21、送信アンテナ2と受信アンテナ2の伝搬路間のチャネルの伝達関数をh22とする。そして、送信機は、送信アンテナ1に対して送信データ系列X1を送信アンテナ2に対して送信データ系列X2を割り当て、受信機は、受信アンテナ1において受信データ系列Y1を受信し、受信アンテナ2において受信データ系列Y2を受信したものとする。この場合のチャネル状況は、以下の式(1)のように表現することができる。
Figure 2009049632
図5では送受信アンテナがともに2本の場合を示したが、アンテナ本数が2本以上であっても、同様にしてMIMO通信システムを構築することができる。すなわち、M本の送信アンテナを備えた送信側では、複数の送信データに空間/時間符号を施して多重化して各送信アンテナに分配して送信する(但し、Mは2以上の整数)。これに対し、N本の受信アンテナを備えた受信側では、各受信アンテナにより受信した受信信号を空間/時間復号して受信データを得ることができる(但し、Nは2以上の整数)。理想的には、送受信アンテナのうち少ない方の数(MIN[M,N])だけの空間/時間ストリームが形成される。
また、チャネル行列Hから受信重み行列を求める比較的簡単なアルゴリズムとして、Zero Force(ゼロ化規範)と、MMSE(Minimum MeanSquare Error)が知られている。Zero Forceは、完全にクロストークを取り除く論理に基づいた方法である。一方のMMSEは、信号電力と2乗エラー(クロストーク電力と雑音電力の和)の比を最大化する論理に基づいた方法であり、受信機の雑音電力の概念を導入し、クロストークを意図的に発生させて受信重み行列を求める。両者を比較すると、雑音が大きい環境下では、MMSEの方が優れていることが知られている。
例えば、IEEE802.11a/gの拡張規格であるIEEE802.11nでは、1次変調にOFDMを用いたMIMO方式が採用されている。現在、IEEE802.11nは、タスクグループn(TGn)において標準化作業が行なわれており、そこでまとめられつつある仕様案は2005年10月に設立された業界団体EWC(Enhanced Wireless Consortium)で作成された提案仕様に基づいている。
IEEE802.11nのPHY層は、従来のIEEE802.11a/gとは変調方式や符号化方式などの伝送方式(Modulation and Coding Scheme:MCS)が全く相違する高スループット(High Throughput:HT)伝送モード(以下では、「HTモード」とも呼ぶ)を持つ。このHTモードの1つとして、従来のIEEE802.11a/gと同じパケット・フォーマット及び同じ周波数領域でデータ伝送を行なう動作モード(以下では、「レガシー・モード」とも呼ぶ)との互換性を持つ“Mixed Mode(MM)”と呼ばれる動作モードを備えている。
図6には、IEEE802.11nで規定するMMモードにおけるパケット・フォーマットを示している。但し、同図において1OFDMシンボルは4マイクロ秒であるとする。
パケットのヘッダ部は、レガシー・プリアンブルとして、パケット発見用の既知OFDMシンボルからなるL−STF(Legacy Short Training Field)と、同期獲得並びに等化用の既知トレーニング・シンボルからなるL−LTF(Legacy Long Training Field)と、伝送レートやデータ長などを記載したL−SIG(Legacy SIGNAL Field)を含んでいる。このレガシー・プリアンブル以降に、IEEE802.11nに特有のフォーマット(以下では、「HTフォーマット」とも呼ぶ)からなるプリアンブル(以下では、「HTプリアンブル」とも呼ぶ)、及びデータ部が続く。
HTプリアンブルは、HT−SIG、HT−STF、HT−LTFで構成される。HT−SIGには、PHYペイロード(PSDU)で適用するMCSやペイロードのデータ長などのHTフォーマットを解釈するために必要となる情報が記載される。また、HT−STFは、受信信号に含まれる雑音電力を測定して、AGC(自動利得制御)を向上するためのトレーニング・シンボルからなる。また、HT−LTFは、受信機側で空間変調(マッピング)された入力信号毎にチャネル推定を行なうためのトレーニング・シンボルからなる。2本以上の伝送ブランチを使用するMIMO通信の場合、受信機側では、受信信号の空間分離する、送受信アンテナ毎にチャネル推定してチャネル行列を獲得する必要がある。このため、送信機側では、各送信アンテナからHT−LTFを時分割で送信するようになっている。したがって、空間ストリーム数に応じた個数のHT−LTFフィールドが付加される(例えば、2×2のMIMO通信システムでは、2個のHT−LTFが付加される)。受信機は、獲得したチャネル行列の逆行列を計算してアンテナ受信重み行列を求めることができ、この重み行列を各受信アンテナで受信した空間多重信号を要素とする受信ベクトルに乗算することで、空間分離することができる。
なお、HT−DATA部には、受信機側で準同期検波した後の複素ベースバンドにおいて振幅並びに位相変動補償を行なうための基準となるパイロット信号が例えばデータ部の位相点に挿入されている。
ところで、MIMOなどの通信システムにおいて、データの送受信を行なうためには、信号電力の推定と雑音電力の推定が必要になる。必要とされる理由は2つある。
1つ目の理由は、MMSE型の逆行列を使用する際に雑音電力に関する情報が必要となるからである。また、もう1つの理由は、リンク・アダプテーションを行なうためである。以下では、MMSE型の逆行列演算と、リンク・アダプテーションのそれぞれについて考察してみる。
MMSE型の逆行列演算:
MMSE型の逆行列では、雑音電力と干渉分の両方を考慮してSINRが最大になるように逆行列を演算するので、逆行列を解く前までに雑音電力が必要となる。2つの端末間の空間の伝達関数を要素とするチャネル行列をHとおくと、MMSE型逆行列は下式(2)の通りとなる。
Figure 2009049632
但し、上式において、σ2は雑音電力にチャネル変動を加えた成分であり、INは単位行列である。また、上付き文字Hは行列の共役転置を表す。
例えば図6に示したHTパケットを受信する場合、パケットの先頭のプリアンブルに含まれるHT−LTFを用いてチャネル行列を推定し、且つ、データ部分の受信が開始するまでにその逆行列の計算を終了させておく必要がある。
空間多重信号の受信処理において、パケット内ではチャネルがほぼ変動しないと仮定することができれば、逆行列の演算結果をHTパケットのデータ部分の最後まで使用することができる。ところが、MAC(MAchine Access Control)レイヤにおける伝送効率の向上のためにパケット長を拡張し、長いパケットを送るような場合には、この仮定が崩れることになる。入力されるパケットのデータ長が長くなると、一旦、パケットの先頭のプリアンブルにより抽出した伝達関数行列Hが経時変化してしまい、パケットの後方に位置するシンボルの精度の高い再生が行なえなくなることが懸念される。このため、受信機側ではデータ部分の受信時にもチャネルの変動を追従して推定し、一定の時間間隔で逆行列を求め直すことが好ましいと思料される。
例えば、データ・シンボル内に挿入された受信パイロット信号を、対応する送信パイロット信号で各々除算を行なうことで、当該シンボルのサブキャリアに対するチャネル推定値を得ることができる。そして、それらのチャネル推定値を、周波数軸方向又は時間軸方向に内挿補間又は外挿補間を行なうことで、パイロット信号以外のデータ信号に対するチャネル推定値を求めることができる。
また、チャネル伝達関数の情報は、既知の送信信号とその信号の実際の受信状態を比較することにより取得される。プリアンブル以外のデータ部分については、真の送信信号は受信側では知る由もないが、受信における信号検出処理の過程で推定することは可能である。復調したデータ・シンボルの硬判定をレプリカとして当該シンボルでのチャネル推定値を求め、次のデータ・シンボルの復調に用いることにより、チャネル推定値を実際の伝搬特性に逐次追従させることができる。例えば、3×3の送受信アンテナで構成されるMIMO通信システムにおいて、ある時刻(シンボル)で各送信アンテナから送信された信号を各成分とする3行1列の列ベクトルをT1とし、これら送信信号に対する各受信アンテナでの受信信号を各成分とする列ベクトルをR1とする。同様に、別の時刻の送信信号及び受信信号の組み合わせとしてT2とR2、T3とR3が得られたとする。そして、送信信号のベクトルT1、T2、T3を各列に配置した送信信号のレプリカ行列をTrepと表記し、受信信号のベクトルR1、R2、R3を各列に配置した受信信号の行列をRrepと表記すると、チャネル行列Hを用いて下式(3)が与えられる。
Figure 2009049632
上式(3)の右辺の最後の項は熱雑音に関する行列であるが、この項を無視すれば、下式(4)によりチャネル行列を推定することが可能である。
Figure 2009049632
したがって、受信信号を基に構成した受信信号行列と、送信信号のレプリカ行列の逆行列の乗算から、その瞬間の伝達関数行列を推定することが可能である(例えば、特許文献1を参照のこと)。
図6に示したフレームを受信した受信機側では、HT−STFから得られた雑音電力と、空間ストリーム数に応じた個数のHT−LTFから得られたチャネル伝達関数を用いて最初のチャネル逆行列演算を行なって、アンテナ受信重み行列を得る。その後、HT−DATA部の受信が開始されると、チャネル逆行列を演算した時間の経過とともにチャネルが変動し、これに伴ってアンテナ受信重み行列も正確でなくなってくる。そこで、HT−DATA部では、チャネルの変動に追従して新しいチャネル情報から逆行列演算を行なって、定期的に新しい逆行列を得るようにすればよい(図7を参照のこと)。
このような逆行列の更新処理を定期的に行なうことによって、現在のチャネル状況をより反映した逆行列を用いて空間多重ストリームをより正確に空間分離することが期待される。しかしながら、MMSE型の逆行列を使用する際に雑音電力に関する情報が必要となることから(前述)、HT−LTF以降もチャネル・トラッキングにより新しいチャネル情報を取得することに併せて、雑音電力に関してはHT−STFから取得したものを継続して用いなければならない。すなわち、チャネル情報は更新されるが、雑音電力は更新されないという問題がある。例えば上式(4)によれば受信における信号検出処理の過程で推定することは可能であるが、雑音電力の項が無視されており、MMSE型の逆行列演算に適用することはできない。
リンク・アダプテーション:
リンク・アダプテーションは、2つの端末で通信中に、相手にどの変調方式で送信してもらったら自分の端末がそのデータを受信できるかを決める手順である。
例えば、キャリア検出に基づいてランダム・アクセスを行なう通信環境において通信品質を保つための方法論としてRTS/CTS手順が知られている。データ送信元の端末1が送信要求パケットRTS(Request To Send)を送信し、データ送信先の端末2から確認通知パケットCTS(Clear To Send)を受信したことに応答してデータ送信を開始する(図8を参照のこと)。また、他局宛てのRTS又はCTSのうち少なくとも一方を受信した周辺局は、RTS/CTS手続に基づくデータ伝送が行なわれると予想される期間だけ自局の送信停止期間(NAV:Network Allocation Vector)を設定して衝突を回避する。
図6に示したHTパケット・フォーマットを使用する場合には、RTSを受信した端末2は、そのRTSパケットのHT−LTFの部分から取得した逆行列と、HT−STFの部分から取得した信号電力と雑音電力推定値から、空間分離される複数のチャネルの品質を推定して、その品質で送ることが可能であると思われる変調方式をCTSパケットで端末1へ知らせる。CTSパケットを受信した端末1は、そのCTSパケットで指定されている変調方式を用いてDATAパケットを送信する。端末2は、データパケットの受信に成功したときは、ACKパケットを送信する。
例えば、コンテンション方式媒体アクセス機構を使用する通信ネットワークにおける無線リンク・アダプテーション方法について提案がなされており、ACKフレームを用いて無線リンクの品質を試験することができる(例えば、特許文献2を参照のこと)。
続いて、信号電力の推定と雑音電力の推定を行なう方法について説明する。図6に示したHTパケット・フォーマットにおいて、HT−STFは、0.8マイクロ秒からなる同じパターンの5回分の繰り返しで構成される、全長4マイクロ秒のフィールドである(図9を参照のこと)。最初の3つの繰返しの部分は主にAGCのゲイン再調整のために用い、以降の2つの繰返しの部分で雑音と信号電力の推定を行なうことができる。
図10には、HT−STFの4回目及び5回目のパターンを用いたSNRの推定方法を図解している。同図中で、4回目及び5回目のパターンをIQ信号空間にマッピングして得られるベクトルをそれぞれL1及びL2とする。ベクトルL1とL2の差をDとすると、信号電力PS及び雑音電力PNはそれぞれ下式(5)、(6)のように表される。
Figure 2009049632
Figure 2009049632
しかしながら、0.8マイクロ秒という短い2個の既知パターンだけを用いて上記の計算を行なう、すなわちサンプル数に限りがあるため、正確な推定値が得られないという危惧がある。
特開2006−325013号公報、段落0015 特開2003−264563号公報
本発明の主な目的は、より正確な信号電力推定と雑音電力推定を行ない、より正確なMMSE型の逆行列演算結果を基に受信特性の劣化を回避することができる、優れた無線通信装置及び無線通信方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、より正確な信号電力推定と雑音電力推定を行なうことで、より正確なリンク・アダプテーションを実施して、スループットを向上させることができる、優れた無線通信装置及び無線通信方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、複数の受信アンテナを備え、複数の送信アンテナを備えた送信機からの空間多重されたパケットを受信処理する無線通信装置であって、前記送信機からのパケットのヘッダ部は雑音電力の推定に用いられる第1のトレーニング系列及びチャネル情報の取得に用いられる第2のトレーニング系列を含み、
前記受信アンテナで受信した受信信号の雑音電力及び信号電力を推定する雑音電力・信号電力推定部と、
前記の送受信アンテナの組み合わせ毎のチャネル情報を抽出するチャネル情報抽出部と、
前記雑音電力・信号電力推定部において推定された雑音電力を用いて、前記チャネル情報抽出部で抽出されたチャネル情報から、前記の送受信アンテナの組み合わせ毎のチャネル伝達関数を要素とするチャネル行列の逆行列を生成する逆行列生成部と、
前記受信アンテナで受信した各受信信号を要素とする受信ベクトルに前記逆行列生成部によって生成された逆行列を乗算して、空間多重された受信信号を空間分離する逆行列乗算部と、
前記の空間分離した後の各受信信号をコンスタレーション上にマッピングして受信データに復調する復調部と、
前記復調部による復調後の受信データを復号してデータ列を再生する復号部と、
前記復号部により復号された各データ列の処理を含む通信動作を制御する上位プロセッサと、
を備え、
前記雑音電力・信号電力推定部は、受信パケットのヘッダ部に含まれる第1のトレーニング系列を用いて初回の雑音電力を推定するとともに、該受信パケットのデータ部では前記復調部による復調処理後の受信信号に基づいて雑音電力を推定し、
前記チャネル情報抽出部は、受信パケットのヘッダ部に含まれる第2のトレーニング系列を用いて初回のチャネル情報を抽出するとともに、該受信パケットのデータ部においてもチャネル情報をトラッキングし、
前記逆行列生成部は、前記雑音電力・信号電力推定部が受信パケットのヘッダ部に含まれる第1のトレーニング系列から推定した初回の雑音電力と、前記チャネル情報抽出部が受信パケットのヘッダ部に含まれる第2のトレーニング系列から抽出したチャネル情報とを用いて、初回の逆行列を生成するとともに、該受信パケットのデータ部では、前記雑音電力・信号電力推定部が該受信パケットのデータ部から推定した雑音電力と、前記チャネル情報抽出部が該受信パケットのデータ部でトラッキングするチャネル情報を用いて逆行列を再生成する、
ことを特徴とする無線通信装置である。逆行列生成部は、基本的には、MMSE型の一般化逆行列演算を用いてチャネル行列の逆行列を生成する。
高速・大容量伝送を実現する無線通信技術として、複数のアンテナを持つ送信機と複数のアンテナを持つ受信機間で空間多重を利用したMIMO通信が知られており、送受信アンテナの組み合わせ毎の伝達関数を要素としたチャネル行列を基に、送信側からは複数のストリームを空間多重送信するとともに、受信側では各アンテナの受信信号から元の各ストリーム信号を空間分離することができる。
IEEE802.11nに代表されるMIMO通信システムでは、一般的に、パケット先頭のプリアンブルに含まれるHT−STFを用いて受信信号に含まれる雑音電力を測定してAGCの調整を行なうとともに、HT−LTFを用いてチャネル伝達関数を獲得して空間分離に必要となる逆行列演算を行なう。
MMSE型の逆行列を使用したり、あるいはリンク・アダプテーションを適用したりする際、信号電力や雑音電力の推定を行なう必要がある。ところが、HT−STFの部分から信号電力や雑音電力の推定を行なうのみであり、その後はチャネル・トラッキングを行なっても古い雑音電力の推定値を用いて逆行列の再演算を行なうのでは、正確な演算結果を得難くなり、受信特性の悪化を招来する。また、HT−STFの少ないサンプル数でのみ推定された信号電力並びに雑音電力の推定値から得られたSN値に基づいてリンク・アダプテーションを行なっても、適切な変調方式を選択することが期待し難く、スループットの低下を招来する危惧がある。
これに対し、本発明に係る無線通信装置は、MIMO通信システムにおいて受信機として動作する際に、プリアンブルに含まれるHT−STFだけではなく、ペイロードに相当するHT−DATAの部分を用いて雑音電力の推定及び信号電力の推定を行なうことによって、推定精度を向上させ、MMSE型のMIMO受信機における受信特性の向上と、正確なリンク・アダプテーションを行なってスループットの向上を実現することができる。
具体的には、前記雑音電力・信号電力推定部は、受信パケットのヘッダ部に含まれる第1のトレーニング系列を用いて初回の雑音電力を推定するとともに、該受信パケットのデータ部では前記復調部によって受信信号がコンスタレーション上にマッピングされたコンスタレーション情報に基づいて雑音電力を推定する。そして、前記逆行列生成部は、前記雑音電力・信号電力推定部が受信パケットのヘッダ部に含まれる第1のトレーニング系列から推定した初回の雑音電力と、前記チャネル情報抽出部が受信パケットのヘッダ部に含まれる第2のトレーニング系列から抽出したチャネル情報とを用いて、初回の(データ部の先頭において空間分離に使用する)逆行列を生成するが、該受信パケットのデータ部では、前記雑音電力・信号電力推定部が該受信パケットのデータ部におけるコンスタレーション情報から推定した雑音電力と、前記チャネル情報抽出部が該受信パケットのデータ部でトラッキングするチャネル情報を用いて逆行列を再生成する。
すなわち、本発明によれば、MIMO受信機は、最初の逆行列演算は、HT−STFの部分から求めた雑音電力値を使用して、HT−LTFで得られるチャネル伝達関数からMMSE型一般化逆行列を求める。続くHT−DATA部では、このチャネル逆行列を乗算して空間分離された受信信号をデマッピングして得られるコンスタレーショション情報を観測し続ける。受信信号に雑音電力が含まれるときには、コンスタレーショション上では、受信信号をマッピングした観測点と理想点とのずれとして観測され、このコンスタレーションの理想点からずれの大きさの2乗が雑音の電力σ2に相当する(図3を参照のこと)。
したがって、HT−DATA部では、コンスタレーション上にマッピングされた受信信号点の理想点からのずれ量を基に推定された雑音電力を利用して、MMSE型チャネル逆行列を定期的に更新処理することができる。このようにして、より正確なチャネル逆行列を用いて空間分離処理を行なうことで、ビットエラーレートが低減し、優れた受信性能が得られる。
また、信号の電力は、受信信号の2乗から雑音の電力を引いたものに相当する。したがって、HT−DATA部では、その受信信号の2乗から、コンスタレーション上にマッピングされた受信信号点の理想点からのずれ量を基に推定された雑音電力を差し引くことで、HT−STF部で少ないサンプル数から推定したものよりも高い精度で雑音電力を推定することができる。そして、最終的に取得した精度の高いSNRをリンク・アダプテーションに使用することによって、スループットの向上を得ることができる。
IEEE802.11nなどのMIMO通信システムでは、OFDM変調方式が適用されている。このような場合、HT−STFを用いた初回の雑音電力の推定はFFTを掛ける前の時間領域で行なわれるのに対し、コンスタレーション情報の観測による雑音電力の推定方法によれば、FFTを通過した後、すなわち周波数領域で雑音電力の推定を行なうことができる。
ここで、コンスタレーション情報から推定される雑音電力は見かけ上のものであり、実際の雑音電力は、見かけ上の雑音電力にMIMOチャネル利得で割り算した値である。そこで、前記雑音電力・信号電力推定部は、該受信したパケットのデータ部において、前記復調部によってコンスタレーション上にマッピングされた受信信号点の理想点からのずれの大きさの2乗を見かけ上の雑音電力として推定し、該見かけ上の雑音電力をMMSE型一般化逆行列の各行の要素の電力を合計してなるチャネル利得で割り算して実際の雑音電力を推定するようにすればよい。
図3に示したコンスタレーションにおいて、受信信号点に対して空間距離が最も近い信号点を理想点としており、簡単な理想点の同定方法である。これに代替する方法として、尤度情報を使って受信信号を復号し、さらに再符号化して理想信号点を求めて雑音電力を推定する方法も考えられる。すなわち、前記復号部は、ビタビ復号などの尤度情報を用いた復号処理を行ない、また、前記復号部によって復号された受信データを再符号化する再符号化部をさらに備える。そして、前記雑音電力・信号電力推定部は、前記再符号化部によって再符号化して得られた信号点を理想点として、コンスタレーション上にマッピングされた受信信号点の理想点からのずれの大きさの2乗に基づいて雑音電力を推定するようにすればよい。
また、一般的なOFDM通信システムでは、パケットのデータ部にはデータ信号中にパイロット信号が挿入されている。そこで、前記雑音電力・信号電力推定部は、パイロット信号を用いて、データ部における雑音電力並びに信号電力の推定を行なうことができる。あるいは、前記雑音電力・信号電力推定部は、パイロット信号及びデータ信号の双方を用いて、データ部における雑音電力並びに信号電力の推定を行なうようにしてもよい。
また、上述したようなコンスタレーション情報の観測ではなく、ビットエラーレートの観測を通じて見かけ上の雑音電力の推定を行なうこともできる。このような場合、前記雑音電力・信号電力推定部は、ビットエラーレートと変調方式毎の理論曲線に基づいて見かけ上の雑音電力として推定し、該見かけ上の雑音電力をMMSE型一般化逆行列の各行の要素の電力を合計してなるチャネル利得で割り算して実際の雑音電力を推定するようにすればよい。このとき、前記雑音電力・信号電力推定部は、例えば、復号した受信データら皿に再符号化して得られたデータを前記復号部による復号前のデータと比較して擬似的にビットエラーレートを求め、該ビットエラーレートと変調方式毎の理論曲線に基づいて見かけ上の雑音電力として推定するようにしてもよい。
また、前記雑音電力・信号電力推定部は、受信パケットのヘッダ部に含まれる第1のトレーニング系列から推定した初回の雑音電力と、該受信パケットのデータ部分から推定した雑音電力の平均などにより情報を補間して使用するようにしてもよい。
本発明によれば、より正確な信号電力推定と雑音電力推定を行ない、より正確なMMSE型の逆行列演算結果を基に受信特性の劣化を回避することができる、優れた無線通信装置及び無線通信方法を提供することができる。すなわち、MMSE型一般化逆行列で必要な雑音電力の推定精度が向上するため、品質の良いMMSE型一般化逆行列が得られるために受信特性が向上して、パケットエラーレートが低下する。
また、本発明によれば、より正確な信号電力推定と雑音電力推定を行なうことで、より正確なリンク・アダプテーションを実施して、スループットを向上させることができる、優れた無線通信装置及び無線通信方法を提供することができる。すなわち、リンク・アダプテーションで必要な信号対雑音電力の推定精度が向上するために、精度の高いリンク・アダプテーションが行えるようになり、スループットが向上する。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
図1には、無線LAN規格であるIEEE802.11nを想定した場合のMIMO送受信機の構成例を示している。図示の送受信機は2本の送受信ブランチで構成され、ブランチ毎にアンテナを備え、アンテナ・スイッチを介してアンテナを共用している。なお、図面の錯綜を回避するため、送信及び受信のブランチ数を2としたが、勿論3本以上のブランチ数で送受信機を構成することも可能である。
各送信ブランチでは、上位プロセッサ50からの送信データを各ブランチに振り分けて、符号化器17でそれぞれに畳み込み符号化による符号化処理を施してから、変調器(Mapper)16において送信データを信号空間(コンスタレーション)の信号点にマッピングする。変調器16における変調方式には、BPSK(BiPhase Shift Keying)、QPSK(Quadrature Pahse Shift Keying)、QAM(Quadrature Amplitude Modulation)などが挙げられる。本実施形態では、受信信号の雑音電力などの通信品質に応じたリンク・アダプテーションにより変調方式が適応的に決定されるが、その詳細については後述に譲る。
続いて、送信ブランチ毎に、IFFT部15では周波数領域に並んだ各サブキャリアに高速逆フーリエ変換を掛けて時間軸信号に変換し、ガード・インターバル挿入部14ではガード・インターバル(GI)を付加し、さらにプリアンブル付与部13では同期獲得や周波数誤差補正、チャネル推定などに用いるプリアンブルを付与する。その後、DA変換器(DAC)12にてデジタル送信信号をDA変換し、送信RF処理部11ではベースバンドのアナログ送信信号をRF信号へのアップロードなどのRF処理が施される。
一方、各受信ブランチでは、アンテナでのRF受信信号を受信RF処理部21でベースバンド信号にダウンコンバートしてから、AD変換器(ADC)22でAD変換する。
パケット同期部23では、パケットのヘッダに含まれるL−STFを用いてパケットを発見し、続くL−LTFを用いてタイミング検出、周波数誤差補正などの処理を施す。その後、GI除去部25ではデータ送信区間の先頭に付加されたガード・インターバルを除去してから、FFT部26にて高速フーリエ変換を掛けて時間軸信号を周波数軸信号に変換して、アンテナ毎のデジタル受信信号からなる受信ベクトルを得る。
逆行列乗算部28では、通信相手との送受信アンテナ間のチャネル伝達関数からなるチャネル行列の逆行列を受信ベクトルに乗算することで、空間分離処理を施し元のデータ・ストリームを再現する。本実施形態では、雑音が大きい通信環境を想定し、逆行列生成部41では、MMSE型の逆行列演算を適用する。この逆行列演算では受信機の雑音電力の概念を導入し、クロストークを意図的に発生させて受信重み行列を求める。雑音分力の測定方法の詳細については後述に譲る。
その後、復調部(Demapper)27では信号空間上の受信信号点から受信データを復調し、復号器30ではビタビ復号などによりデータ列を再生して上位プロセッサ50へ渡す。なお、ビタビ(Viterbi)復号ではノイズが混ざったデータの中から、最尤、すなわち確率的に最も確からしいデータ列を再生することができる。
図2には、送信RF処理部11並びに受信RF処理部21の内部構成を示している。
送信RF処理部11内では、DA変換したベースバンドのアナログ送信信号、ローパス・フィルタ(LPF)113で所望帯域のみ透過させた後、周波数変換部112ではローカル周波数と乗算してアップコンバートし、さらに電力増幅アンプ(PA)111で送信信号を電力増幅させた後、アンテナ・スイッチ10経由でアンテナから送出する。
また、受信RF処理部21では、アンテナでのRF受信信号を低雑音アンプ(LNA)211で増幅させてから、周波数変換部212でローカル周波数と乗算してダウンコンバートする。そして、バンドパス・フィルタ213にて所望帯域のみを通過させてから可変利得アンプ(VGA)214で増幅させた後、AD変換器22にかけ、以降は上述のデジタル信号処理が施される。自動利得制御部(AGC)215は、雑音電力に基づいて可変利得アンプ214における利得を決定し、DA変換器216によりアナログの制御信号に変換して、可変利得アンプ214に供給する。
IEEE802.11nのMIMO通信システムでは、一般的に、パケット先頭のプリアンブルに含まれるHT−STFを用いて受信信号に含まれる雑音電力を測定してAGCの調整を行なうとともに、HT−LTFを用いてチャネル伝達関数を獲得して空間分離に必要となる逆行列演算を行なう。
MMSE型の逆行列を使用したり、あるいはリンク・アダプテーションを適用したりする際、信号電力や雑音電力の推定を行なう必要がある。ところが、HT−STFの部分から信号電力や雑音電力の推定を行なうのみであり、その後はチャネル・トラッキングを行なっても古い雑音電力の推定値を用いて逆行列の再演算を行なうのでは、正確な演算結果を得難くなり、受信特性の悪化を招来する。また、少ないサンプル数でのみ推定された信号電力並びに雑音電力の推定値から得られたSN値に基づいてリンク・アダプテーションを行なっても、適切な変調方式を選択することが期待し難く、スループットの低下を招来する危惧がある。
そこで、本実施形態では、プリアンブルに含まれるHT−STFだけではなく、ペイロードに相当するHT−DATAの部分を用いて雑音電力の推定及び信号電力の推定を行なうことによって、推定精度を向上させ、MMSE型のMIMO受信機における受信特性の向上と、正確なリンク・アダプテーションを行なってスループットの向上を実現するようにしている。
雑音電力・信号電力推定部40は、最初の逆行列演算においては、信号抽出部24によって抽出したHT−STFの部分から雑音電力値を求める。そして、逆行列生成部41は、チャネル情報抽出部27においてHT−LTFから得られるチャネル伝達関数から、HT−STFの部分から求めた雑音電力値を使用して、前述の式(2)からMMSE型一般化逆行列を求める。ここで、最初の逆行列演算に使用する雑音電力は、時間領域(FFT部26を通過する前)で行なわれる。
その後、HT−DATA部の受信が開始されると、チャネル逆行列を演算した時間の経過とともにチャネルが変動し、これに伴ってアンテナ受信重み行列も正確でなくなってくる。そこで、チャネル情報抽出部27は、チャネルの変動に追従して新しいチャネル情報を取得し、逆行列生成部41はこれに基づいて逆行列演算を行ない、HT−DATA部においても引き続き定期的に新しい逆行列を得るようにする。チャネル・トラッキングの方法として例えばHT−DATA部の位相点ごとに挿入されているパイロット信号、若しくはパイロット信号とデータ信号の双方を用いる方法、あるいは特許文献1を挙げることができるが、本発明の要旨は特定のチャネル・トラッキング方法に限定されるものではない。
また、逆行列生成部41においてMMSE型一般化逆行列を求める際に、上式(2)からも分かるように雑音電力も併せて更新しなければ、正確な演算結果を得ることができない。そこで、雑音電力・信号電力推定部40は、HT−DATA部以降において、各受信ストリームの復調部27では空間分離後の受信信号を信号空間にデマッピングして得られたコンスタレーショション情報を観測し続ける。受信信号に雑音電力が含まれるときには、コンスタレーショション上では、受信信号をマッピングした観測点と理想点とのずれとして観測され、このコンスタレーションの理想点からずれの大きさの2乗が雑音の電力σ2に相当する(図3を参照のこと)。
このようにして、逆行列生成部41は、HT−DATA部以降においても、コンスタレーション上にマッピングされた受信信号点の理想点からのずれ量を基に推定された雑音電力を利用して、MMSE型チャネル逆行列を定期的に更新処理する。そして、逆行列乗算部28では、より正確なチャネル逆行列を用いて空間分離処理を行なうようになるので、ビットエラーレート(BER)が低減し、優れた受信性能が得られることが期待される。
また、雑音電力・信号電力推定部40は、まずは信号抽出部24によって抽出したHT−STFの部分から、初回のMMSE型一般化逆行列の計算を行なう際に必要となる雑音電力値を求めるが、さらにHT−DATA部以降において、各受信ストリームの復調部27において空間分離後の受信信号を信号空間にデマッピングして得られたコンスタレーショション情報を観測し続け、コンスタレーショション上における受信信号の観測点の理想点からのずれ量に基づいて、雑音電力を推定する(前述)。すなわち、HT−DATA部の豊富なデータから高い精度の雑音電力推定値と信号電力推定値を得ることができ、これらの推定値をリンク・アダプテーション用の信号対雑音電力比(SNR)として、上位プロセッサ50に供給する。そして、上位プロセッサ50は、高い精度の信号対雑音電力比を用いて、どの変調方式が受信可能であるかを的確に決定することができ、スループットの向上が期待される。
雑音電力・信号電力推定部40は、HT−DATA部の豊富なデータを利用することによって、HT−STFにおける少ないサンプル数から得られるよりも、より精度の高い雑音電力推定値と信号電力推定値を得ることができる。また、HT−STFを用いた雑音電力の推定は時間領域で行なわれるのに対し(前述)、コンスタレーション情報の観測による雑音電力の推定方法によれば、FFT部26を通過した後、すなわち周波数領域で雑音電力の推定を行なうことができる。
なお、雑音電力・信号電力推定部40は、HT−DATA部の位相点に挿入されているパイロット信号(前述)を用いて、HT−DATA部における雑音電力並びに信号電力の推定を行なうようにしてもよい。あるいは、パイロット信号とデータ信号の双方を用いて雑音電力並びに信号電力の推定を行なうようにしてもよい。
ここで、コンスタレーション情報から雑音電力を推定する方法について説明しておく。コンスタレーション上で観測できる雑音電力は見かけの雑音電力であるので、真の雑音電力に変換する必要がある。
ここでは、2本の送信アンテナを持つMIMO送信機と、2本の受信アンテナを持つMIMO受信機からなるMIMO通信システムを例にとる。このような場合、空間多重されるストリーム本数は2本であり、チャネル行列は2×2行列である。チャネル情報すなわちチャネル行列をHとし、その逆行列をInversedHとし、それぞれを以下のように表す。
Figure 2009049632
Figure 2009049632
このとき、送受信機間は2本のチャネルすなわちチャネル1及び2で結ばれ、各々のMIMOチャネル利得は以下のように表される。MIMOチャネル利得は、MMSE型一般化逆行列の各行の要素の電力を足し算したものである。
Figure 2009049632
Figure 2009049632
MIMO受信機側では、逆行列であるInversedHを2つのアンテナで受信した2つのストリームに乗算することにより、空間的に多重された2つのストリームを分離して取り出すことができる。
ここで、元々の真の雑音電力をσ2とすると、各ストリームの見かけの雑音電力は、逆行列の各行のノルムを掛けたものになる。チャネル1の場合、真の雑音電力がσ2だとすると、チャネル1の見かけの雑音電力は、(i11×i11+i12×i12)σ2となる。
したがって、チャネル1のコンスタレーションから得られた見かけの雑音電力から真の雑音電力を得るためには、見かけの雑音電力に1/(i11×i11+i12×i12)を乗算すればいい。同様に、チャネル2の見かけの雑音電力から、真の雑音電力を求めるには、見かけの雑音電力に1/(i21×i21+i22×i22)を乗算すればいい。そして、このようにして取得した真の雑音電力をリンク・アダプテーションや、逆行列の生成に使用する。
なお、上述した実施形態では、図3に示したコンスタレーションにおいて、受信信号点に対して空間距離が最も近い信号点を理想点としており、簡単な理想点の同定方法である。これに代替する方法として、尤度情報を使って受信信号を復号し、さらに再符号化して理想信号点を求めて雑音電力を推定する方法も考えられる。図4には、この場合のMIMO送受信機の構成例を示している。復号部30では、ビタビ復号などにより尤度情報を用いて受信データを復号し、さらに再符号化部42により再符号化してコンスタレーション上の理想的な信号点を求め、これを雑音電力・信号電力推定部40に供給する。そして、雑音電力・信号電力推定部40では、与えられた理想点を用いて、上述と同様に受信信号点の理想点からのずれの大きさの2乗に基づいて雑音電力を推定する。
また、雑音電力・信号電力推定部40では、コンスタレーション情報の観測ではなく、ビットエラーレートの観測を通じて見かけ上の雑音電力の推定を行なうこともできる。すなわち、ビットエラーレートと変調方式毎の理論曲線に基づいて見かけ上の雑音電力として推定し、該見かけ上の雑音電力をMMSE型一般化逆行列の各行の要素の電力を合計してなるチャネル利得で割り算して実際の雑音電力を推定することができる。図11には、この場合のMIMO送受信機の構成例を示している。再符号化部42は、復号部30によってビタビ復号したデータを再畳み込みし、雑音電力・信号電力推定部40は、この再符号化データを復号前のデータと比較することによって擬似的なビットエラーレートが得られるので、これを使用して見かけ上の雑音電力を推定することができる。
また、図6に示したパケット・フォーマットでは、L−LTFなどのレガシー部分でも雑音電力の推定を行なうが、HT部分で行なわれる雑音電力とは相違し、言い換えればレガシー部分からは本当に必要となるHT部分の雑音電力を直接的に推定することはできない。これは、HT−STFで再度AGCを掛けることに依拠する。雑音電力・信号電力推定部40は、このAGCの利得対雑音電力の対応表を事前に求めておくことで、パケットのレガシー部分の雑音電力からHT部分の雑音電力を求めることができる。
本実施形態では、雑音電力・信号電力推定部40は、HT−DATA部における豊富なデータを用いて、復調後のコンスタレーション情報などに基づいて(若しくは周波数領域において)雑音電力を推定することを主な特徴とする。勿論、HT−STFから推定した初回の雑音電力と、HT−DATA部から推定した雑音電力の平均などにより情報を補間して使用するようにしてもよい。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
本発明は、例えば、IEEE802.11の拡張規格であるIEEE802.11n、あるいはIEEE802.16eをベースとしたMobile WiMax(Worldwide Interoperability for Microwave)、移動体向けの高速無線通信規格であるIEEE802.20、60GHz(ミリ波)帯を使用する高速無線PAN(Personal Area Network)規格であるIEEE802.15.3c、60GHz(ミリ波)帯の無線伝送を利用して非圧縮のHD(High Definition)映像を伝送可能とするWireless HD、第4世代(4G)携帯電話など、MIMO通信方式を採用するさまざまな無線通信システムに対して、同様に本発明を適用することができる。
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
図1は、無線LAN規格であるIEEE802.11nを想定した場合のMIMO送受信機の構成例を示した図である。 図2は、送信RF処理部11並びに受信RF処理部21の内部構成を示した図である。 図3は、コンスタレーション上で観測される受信信号点と理想店とのずれ量に基づいて雑音電力を推定する方法を説明するための図である。 図4は、MIMO送受信機の他の構成例を示した図である。 図5は、MIMO通信システムを概念的に示した図である。 図6は、IEEE802.11nで規定するMMモードにおけるパケット・フォーマットを示した図である。 図7は、HT−DATA部において、チャネルの変動に追従して新しいチャネル情報から逆行列演算を行なって、定期的に新しい逆行列を得る様子を示した図である。 図8は、RTS/CTS手順を通じて端末間でリンク・アダプテーションを行なう様子を示した図である。 図9は、HT−STFの構成を示した図である。 図10は、HT−STFの4回目及び5回目のパターンを用いたSNRの推定方法を説明するための図である。 図11は、MIMO送受信機のさらに他の構成例を示した図である。
符号の説明
10…アンテナ共用スイッチ
11…送信RF処理部
12…DA変換器
13…プリアンブル(Pre)付与部
14…ガード・インターバル挿入部
15…IFFT部
16…変調器
17…符号化器
21…受信RF処理部
22…AD変換器
23…パケット同期部
24…信号抽出部
25…ガード・インターバル除去部
26…FFT部
27…チャネル情報抽出部
28…逆行列乗算部
29…復調器
30…復号器
40…雑音電力・信号電力推定部
41…逆行列生成部
42…再符号化部
50…上位プロセッサ
111…電力増幅アンプ(PA)
112…周波数変換部
113…ローパス・フィルタ(LPF)
211…低雑音アンプ
212…周波数変換部
213…バンドパス・フィルタ(BPF)
214…可変利得アンプ(VGA)
215…自動利得制御部(AGC)
216…DA変換器(DAC)

Claims (21)

  1. 複数の受信アンテナを備え、複数の送信アンテナを備えた送信機からの空間多重されたパケットを受信処理する無線通信装置であって、前記送信機からのパケットのヘッダ部は雑音電力の推定に用いられる第1のトレーニング系列及びチャネル情報の取得に用いられる第2のトレーニング系列を含み、
    前記受信アンテナで受信した受信信号の雑音電力及び信号電力を推定する雑音電力・信号電力推定部と、
    前記の送受信アンテナの組み合わせ毎のチャネル情報を抽出するチャネル情報抽出部と、
    前記雑音電力・信号電力推定部において推定された雑音電力を用いて、前記チャネル情報抽出部で抽出されたチャネル情報から、前記の送受信アンテナの組み合わせ毎のチャネル伝達関数を要素とするチャネル行列の逆行列を生成する逆行列生成部と、
    前記受信アンテナで受信した各受信信号を要素とする受信ベクトルに前記逆行列生成部によって生成された逆行列を乗算して、空間多重された受信信号を空間分離する逆行列乗算部と、
    前記の空間分離した後の各受信信号をコンスタレーション上にマッピングして受信データに復調する復調部と、
    前記復調部による復調後の受信データを復号してデータ列を再生する復号部と、
    前記復号部により復号された各データ列の処理を含む通信動作を制御する上位プロセッサと、
    を備え、
    前記雑音電力・信号電力推定部は、受信パケットのヘッダ部に含まれる第1のトレーニング系列を用いて初回の雑音電力を推定するとともに、該受信パケットのデータ部では前記復調部による復調処理後の受信信号に基づいて雑音電力を推定し、
    前記チャネル情報抽出部は、受信パケットのヘッダ部に含まれる第2のトレーニング系列を用いて初回のチャネル情報を抽出するとともに、該受信パケットのデータ部においてもチャネル情報をトラッキングし、
    前記逆行列生成部は、前記雑音電力・信号電力推定部が受信パケットのヘッダ部に含まれる第1のトレーニング系列から推定した初回の雑音電力と、前記チャネル情報抽出部が受信パケットのヘッダ部に含まれる第2のトレーニング系列から抽出したチャネル情報とを用いて、初回の逆行列を生成するとともに、該受信パケットのデータ部では、前記雑音電力・信号電力推定部が該受信パケットのデータ部から推定した雑音電力と、前記チャネル情報抽出部が該受信パケットのデータ部でトラッキングするチャネル情報を用いて逆行列を再生成する、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  2. 前記逆行列生成部は、MMSE(Minimum Mean Square Error)型の一般化逆行列演算を用いてチャネル行列の逆行列を生成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 前記雑音電力・信号電力推定部は、該受信したパケットのデータ部では、前記復調部によってコンスタレーション上にマッピングされた受信信号点の理想点からのずれの大きさの2乗に基づいて雑音電力を推定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  4. 前記雑音電力・信号電力推定部は、該受信したパケットのデータ部において、前記復調部によってコンスタレーション上にマッピングされた受信信号点の理想点からのずれの大きさの2乗を見かけ上の雑音電力として推定し、該見かけ上の雑音電力をMMSE型一般化逆行列の各行の要素の電力を合計してなるチャネル利得で割り算して実際の雑音電力を推定する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信装置。
  5. 前記復号部は、尤度情報を用いた復号処理を行ない、
    前記復号部によって復号された受信データを再符号化する再符号化部をさらに備え、
    前記雑音電力・信号電力推定部は、前記再符号化部によって再符号化して得られた信号点を理想点として、コンスタレーション上にマッピングされた受信信号点の理想点からのずれの大きさの2乗に基づいて雑音電力を推定する、
    ことを特徴とする請求項3又は4のいずれかに記載の無線通信装置。
  6. パケットのデータ部にはデータ信号中にパイロット信号が挿入されており、
    前記雑音電力・信号電力推定部は、パイロット信号を用いて、データ部における雑音電力並びに信号電力の推定を行なう、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  7. パケットのデータ部にはデータ信号中にパイロット信号が挿入されており、
    前記雑音電力・信号電力推定部は、パイロット信号及びデータ信号の双方を用いて、データ部における雑音電力並びに信号電力の推定を行なう、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  8. 前記雑音電力・信号電力推定部は、ビットエラーレートと変調方式毎の理論曲線に基づいて見かけ上の雑音電力として推定し、該見かけ上の雑音電力をMMSE型一般化逆行列の各行の要素の電力を合計してなるチャネル利得で割り算して実際の雑音電力を推定する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の無線通信装置。
  9. 前記復号部は、尤度情報を用いた復号処理を行ない、
    前記復号部によって復号された受信データを再符号化する再符号化部をさらに備え、
    前記雑音電力・信号電力推定部は、前記再符号化部によって再符号化して得られたデータを前記復号部による復号前のデータと比較して擬似的にビットエラーレートを求め、該ビットエラーレートと変調方式毎の理論曲線に基づいて見かけ上の雑音電力として推定する、
    ことを特徴とする請求項8に記載の無線通信装置。
  10. 前記雑音電力・信号電力推定部は、受信パケットのヘッダ部に含まれる第1のトレーニング系列から推定した初回の雑音電力と、該受信パケットのデータ部分から推定した雑音電力の平均などにより情報を補間して使用する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  11. 前記送信機との間ではリンク・アダプテーションが適用されており、
    前記雑音電力・信号電力推定部は、受信パケットのデータ部で推定した雑音電力を前記上位プロセッサに供給し、
    前記上位プロセッサは、該供給された雑音電力に基づいてリンク・アダプテーションにおける変調方式に関する決定を行なう、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  12. 送信機からのパケットを受信処理する無線通信装置であって、前記送信機からのパケットのヘッダ部は雑音電力の推定に用いられるトレーニング系列を含み、
    前記受信アンテナで受信した受信信号の雑音電力及び信号電力を推定する雑音電力・信号電力推定部と、
    受信信号をコンスタレーション上にマッピングして受信データに復調する復調部と、
    前記復調部による復調後の受信データを復号してデータ列を再生する復号部と、
    前記復号部により復号された各データ列の処理を含む通信動作を制御する上位プロセッサと、
    を備え、
    前記雑音電力・信号電力推定部は、受信パケットのヘッダ部に含まれる前記トレーニング系列を用いて初回の雑音電力を推定するとともに、該受信パケットのデータ部では前記復調部による復調処理後の受信信号に基づいて雑音電力を推定する、
    ことを特徴とする無線通信装置。
  13. 前記送信機との間ではリンク・アダプテーションが適用されており、
    前記雑音電力・信号電力推定部は、受信パケットのデータ部で推定した雑音電力を前記上位プロセッサに供給し、
    前記上位プロセッサは、該供給された雑音電力に基づいてリンク・アダプテーションにおける変調方式に関する決定を行なう、
    ことを特徴とする請求項12に記載の無線通信装置。
  14. 前記雑音電力・信号電力推定部は、該受信したパケットのデータ部では、前記復調部によってコンスタレーション上にマッピングされた受信信号点の理想点からのずれの大きさの2乗に基づいて雑音電力を推定する、
    ことを特徴とする請求項12に記載の無線通信装置。
  15. 前記復号部は、尤度情報を用いた復号処理を行ない、
    前記復号部によって復号された受信データを再符号化する再符号化部をさらに備え、
    前記雑音電力・信号電力推定部は、前記再符号化部によって再符号化して得られた信号点を理想点として、コンスタレーション上にマッピングされた受信信号点の理想点からのずれの大きさの2乗に基づいて雑音電力を推定する、
    ことを特徴とする請求項14に記載の無線通信装置。
  16. パケットのデータ部にはデータ信号中にパイロット信号が挿入されており、
    前記雑音電力・信号電力推定部は、パイロット信号、又はパイロット信号及びデータ信号の双方を用いて、データ部における雑音電力並びに信号電力の推定を行なう、
    ことを特徴とする請求項12に記載の無線通信装置。
  17. 前記雑音電力・信号電力推定部は、ビットエラーレートと変調方式毎の理論曲線に基づいて見かけ上の雑音電力として推定する、
    ことを特徴とする請求項12に記載の無線通信装置。
  18. 前記復号部は、尤度情報を用いた復号処理を行ない、
    前記復号部によって復号された受信データを再符号化する再符号化部をさらに備え、
    前記雑音電力・信号電力推定部は、前記再符号化部によって再符号化して得られたデータを前記復号部による復号前のデータと比較して擬似的にビットエラーレートを求め、該ビットエラーレートと変調方式毎の理論曲線に基づいて見かけ上の雑音電力として推定する、
    ことを特徴とする請求項17に記載の無線通信装置。
  19. 前記雑音電力・信号電力推定部は、受信パケットのヘッダ部に含まれる第1のトレーニング系列から推定した初回の雑音電力と、該受信パケットのデータ部分から推定した雑音電力の平均などにより情報を補間して使用する、
    ことを特徴とする請求項12に記載の無線通信装置。
  20. 複数の受信アンテナを備えた無線通信装置が、複数の送信アンテナを備えた送信機からの空間多重されたパケットを受信処理する無線通信方法であって、前記送信機からのパケットのヘッダ部は雑音電力の推定に用いられる第1のトレーニング系列及びチャネル情報の取得に用いられる第2のトレーニング系列を含み、
    受信パケットのヘッダ部に含まれる第1のトレーニング系列を用いて初回の雑音電力を推定する第1の雑音電力推定ステップと、
    受信パケットのヘッダ部に含まれる第2のトレーニング系列を用いて初回のチャネル情報を抽出する第1のチャネル情報抽出ステップと、
    前記第1の雑音電力推定ステップにおいて推定された初回の雑音電力と、前記において抽出されたチャネル情報とを用いて、初回の逆行列を生成する第1の逆行列生成ステップと、
    該受信パケットのデータ部において復調処理した後の受信信号に基づいて雑音電力を推定する第2の雑音電力推定ステップと、
    該受信パケットのデータ部においてチャネル情報をトラッキングするチャネル・トラッキング・ステップと、
    第2の雑音電力推定ステップにより推定した雑音電力と、第2の雑音電力推定ステップにより該受信パケットのデータ部でトラッキングするチャネル情報を用い、該受信パケットのデータ部において逆行列を再生成する第2の逆行列生成ステップと、
    前記第1又は第2の逆行列生成ステップにより生成された最新の逆行列を、前記受信アンテナで受信した各受信信号を要素とする受信ベクトルに乗算して、空間多重された受信信号を空間分離する逆行列乗算ステップと、
    を具備することを特徴とする無線通信方法。
  21. リンク・アダプテーションが適用され、送信機からのパケットを受信処理する無線通信方法であって、
    該受信パケットのデータ部において復調処理した後の受信信号に基づいて雑音電力を推定する雑音電力推定ステップと、
    該推定された雑音電力に基づいてリンク・アダプテーションにおける変調方式に関する決定を行なう決定ステップと、
    を具備することを特徴とする無線通信方法。
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