JP4561656B2 - 内燃機関の触媒温度推定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気通路に配置された排気浄化用の触媒の温度を推定する触媒温度推定装置に関する。
内燃機関の排気浄化触媒の状態、例えば浄化率、劣化度合い、硫黄被毒の回復状態などは、触媒床温と深く関係する。このため、触媒の浄化性能を十分に引き出すには、様々な運転状態の下で、触媒床温を正確に知ることが重要となる。ところが、触媒床温を直接に計測することは困難である。そこで、触媒床温を運転状態等に基づいて推定することが必要とされている。
特許文献1に開示された内燃機関の排出ガス浄化装置では、次のようにして触媒床温を推定している。まず、内燃機関の運転状態に基づいて触媒床温推定値を算出し、その触媒床温推定値に基づいて触媒出口の排気ガス温度(以下、「出口ガス温度」と称する)の推定値を算出する。また、触媒出口に配置した排気温センサにより出口ガス温度の実測値を求める。そして、出口ガス温度の実測値と推定値との偏差が、触媒床温推定値のずれに相当するものとみなして、上記触媒床温推定値を補正することにより、触媒床温の最終的な推定値を得る。
特開2003−336538号公報 特開平10−196433号公報 特開平10−159543号公報
ところで、内燃機関の運転中、触媒床温を上昇させるための触媒昇温制御が内燃機関に対して行われることがある。例えば、吸蔵還元型のNOx触媒の硫黄被毒回復制御などが触媒昇温制御に該当する。NOx触媒に吸着した硫黄分を離脱させて硫黄被毒を回復させるには、NOx触媒を例えば650〜700℃程度の高温にする必要がある。このため、硫黄被毒回復制御時には、未燃成分と酸素とがNOx触媒に供給されるように制御し、未燃成分をNOx触媒で酸化反応させることでNOx触媒の温度を上昇させることが行われる。
このような触媒昇温制御の実行時と、触媒昇温制御をしていない通常運転時とでは、触媒の状態が大きく異なる。上記従来の触媒床温推定装置は、通常運転時と、触媒昇温制御実行時との区別をしていない点で、未だ改良の余地を残すものであった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、排気浄化触媒の温度を上昇させるための触媒昇温制御の実行時および非実行時の何れにおいても、触媒温度を正確に推定することのできる内燃機関の触媒温度推定装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の触媒温度推定装置であって、
内燃機関の排気通路に配置された触媒と、
前記内燃機関の運転状態に基づいて前記触媒の床温を推定する床温推定手段と、
前記触媒の出口における排気ガス温度である出口ガス温度を推定する出口ガス温度推定手段と、
前記出口ガス温度を実測する出口ガス温度実測手段と、
前記出口ガス温度の実測値と推定値との偏差に所定の補正係数を乗じた値を、前記床温推定手段により推定された推定床温に加えることにより、前記触媒の最終推定床温を算出する最終推定床温算出手段と、
前記内燃機関に対し、前記触媒の床温を上昇させるための触媒昇温制御を行う触媒昇温手段と、
前記触媒昇温制御の実行時と、前記触媒昇温制御を実行しない通常運転時とで、前記補正係数の値を異ならせる補正係数変更手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記補正係数変更手段は、前記触媒昇温制御の実行時の補正係数を通常運転時の補正係数より大きくすることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記内燃機関の吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段を更に備え、
前記補正係数変更手段は、吸入空気量が所定値より小さい場合にのみ、前記触媒昇温制御の実行時と通常運転時とで前記補正係数の値を異ならせることを特徴とする。
また、第4の発明は、第1乃至第3の発明の何れかにおいて、
前記床温推定手段は、前記触媒を入口側から出口側に向かって複数の部位に分け、その部位毎の床温を推定し、
前記最終推定床温算出手段は、前記部位毎の推定床温と、前記部位毎の前記補正係数とに基づいて、前記部位毎に前記最終推定床温を算出することを特徴とする。
また、第5の発明は、第4の発明において、
前記補正係数変更手段は、前記触媒昇温制御の実行時は、前記触媒の入口に近い部位の補正係数を通常運転時よりも大きくすることを特徴とする。
また、第6の発明は、第4または第5の発明において、
前記内燃機関の吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段を更に備え、
前記補正係数変更手段は、吸入空気量が所定値以上である場合には、吸入空気量が前記所定値より小さい場合に比して、前記触媒の入口に近い部位の通常運転時の補正係数を大きくすることを特徴とする。
また、第7の発明は、第4乃至第6の発明の何れかにおいて、
前記内燃機関の吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段を更に備え、
前記補正係数変更手段は、前記触媒昇温制御の実行時の補正係数と通常運転時の補正係数との少なくとも一方を吸入空気量に応じて変化させることを特徴とする。
また、第8の発明は、第4乃至第7の発明の何れかにおいて、
通常運転時の補正係数は、前記触媒の出口に近い部位ではほぼ1であり、前記触媒の入口に近い部位になるほど小さくなっていることを特徴とする。
また、第9の発明は、第4乃至第8の発明の何れかにおいて、
前記補正係数変更手段は、前記触媒昇温制御の実行時は、前記触媒の各部位の補正係数を何れもほぼ1とすることを特徴とする。
第1の発明によれば、内燃機関の排気通路に配置された触媒の出口ガス温度の実測値と推定値との偏差に所定の補正係数を乗じた値を、内燃機関の運転状態に基づいて求められた推定床温に加えることにより、触媒の最終推定床温を算出することができる。そして、その最終推定床温の算出に際して、通常運転時と触媒昇温制御の実行時とで、補正係数の値を異ならせることができる。通常運転時と触媒昇温制御実行時とでは、触媒内で生ずる現象が大きく異なるが、第1の発明によれば、通常運転時と触媒昇温制御実行時とで補正係数を使い分けることで、触媒で生ずる現象の違いを適切に反映させることができ、触媒床温をそれぞれの場合に応じて精度良く補正することができる。このため、通常運転時および触媒昇温制御実行時の何れにおいても、最終推定床温を精度良く求めることができる。
第2の発明によれば、触媒昇温制御実行時の補正係数を通常運転時の補正係数より大きくすることができる。触媒昇温制御実行時は、触媒内で生ずる未燃成分の酸化反応等の影響で、通常運転時に比して推定床温の誤差が生じ易くなる。第2の発明によれば、触媒昇温制御実行時の補正係数を大きくすることで、そのような誤差を適切に補正することができ、最終推定床温を精度良く求めることができる。
第3の発明によれば、吸入空気量が所定値より小さい場合にのみ、通常運転時と触媒昇温制御実行時とで補正係数の値を異ならせることができる。吸入空気量が多い場合には、触媒内の伝熱遅れが生じにくくなるので、伝熱遅れに起因する誤差が小さくなる。このため、吸入空気量が多い場合には、通常運転時と触媒昇温制御実行時とで補正係数を使い分けない方が適切である場合もある。第3の発明によれば、そのような場合において、最終推定床温を精度良く求めることができる。
第4の発明によれば、触媒を入口側から出口側に向かって複数の部位に分け、その部位毎の推定床温を求め、その部位毎の推定床温と、部位毎の補正係数とに基づいて、部位毎に最終推定床温を算出することができる。これにより、触媒内の温度分布を把握することができる。このため、例えば触媒暖機時には、触媒の各部位の活性化状況を正確に把握することができる。その結果、触媒全体を有効に使って排気ガスを浄化することができ、浄化率を高めることができる。また、例えばS被毒回復等の触媒再生時には、触媒全体が再生温度以上に昇温されているかどうかを正確に把握することができるので、硫黄分等の触媒性能阻害成分を触媒内から余すところなく離脱させることが可能となる。
第5の発明によれば、触媒昇温制御実行時は、触媒の入口に近い部位の補正係数を通常運転時よりも大きくすることができる。触媒昇温制御実行時は、入口に近い部位で未燃成分の酸化反応等により多量の発熱が生ずるので、入口に近い部位の誤差が通常運転時に比して大きくなり易い。第5の発明によれば、そのような誤差を適切に補正することができるので、触媒昇温制御実行時における触媒各部位の最終推定床温を高い精度で求めることができる。
第6の発明によれば、吸入空気量が所定値以上である場合には、吸入空気量が所定値より小さい場合に比して、触媒の入口に近い部位の通常運転時の補正係数を大きくすることができる。触媒内の伝熱遅れに起因して出口側の部位の推定床温に蓄積する誤差は、吸入空気量が多いほど小さく、吸入空気量が少ないほど大きくなり易い。このため、通常運転時においては、吸入空気量が少ない場合には、入口側の部位の誤差が出口側の部位の誤差より小さくなり易いので、入口側の部位の補正係数をより小さくすべきである。逆に、吸入空気量が多い場合には、入口側の部位の誤差が出口側の部位の誤差に近くなるので、入口側の部位の補正係数を大きくすることが適切である。第6の発明によれば、このような吸入空気量の影響を適切に反映させて触媒各部位の推定床温を精度良く補正することができるので、各部位の最終推定床温をより高い精度で求めることができる。
第7の発明によれば、触媒昇温制御の実行時の補正係数と通常運転時の補正係数との少なくとも一方を吸入空気量に応じて変化させることができる。触媒内の伝熱遅れに起因して出口側の部位の推定床温に蓄積する誤差は、吸入空気量が多いほど小さく、吸入空気量が少ないほど大きくなり易い。第7の発明によれば、このような吸入空気量の影響を適切に反映させて触媒各部位の推定床温を精度良く補正することができるので、各部位の最終推定床温をより高い精度で求めることができる。
第8の発明によれば、通常運転時の補正係数を、触媒の出口に近い部位ではほぼ1とし、触媒の入口に近い部位になるほど小さくすることができる。通常運転時に算出される推定床温は、出口に近い部位ほど伝熱遅れ等に起因する誤差が蓄積するので誤差が大きくなり易く、逆に、入口に近い部位ほど誤差が小さくなり易い。第8の発明によれば、このような現象を適切に反映させて触媒各部位の推定床温を精度良く補正することができるので、各部位の最終推定床温をより高い精度で求めることができる。
第9の発明によれば、触媒昇温制御の実行時は、触媒各部位の補正係数を何れもほぼ1とすることができる。触媒昇温制御実行時は、入口に近い部位で未燃成分の酸化反応等により多量の発熱が生ずるので、入口に近い部位の誤差が通常運転時に比して大きくなり易い。第9の発明によれば、そのような誤差を適切に補正することができるので、触媒昇温制御実行時における触媒各部位の最終推定床温を高い精度で求めることができる。
実施の形態1.
[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。図1に示すように、本実施形態のシステムは、車両の動力源として搭載される内燃機関10を備えている。内燃機関10は、複数の気筒を有する多気筒機関であり、図1は、そのうちの一気筒の断面を示している。本実施形態では、内燃機関10は、直列4気筒であるものとする。
内燃機関10の各気筒には、吸気通路12および排気通路14が連通している。吸気通路12には、吸入空気量GAを検出するエアフロメータ16が配置されている。エアフロメータ16の下流には、スロットル弁18が配置されている。スロットル弁18は、アクセル開度等に基づいてスロットルモータ20により駆動される電子制御式のバルブである。スロットル弁18の近傍には、スロットル開度を検出するためのスロットルポジションセンサ22が配置されている。アクセル開度は、アクセルペダルの近傍に設けられたアクセルポジションセンサ24によって検出される。
内燃機関10の各気筒には、吸気ポートの内に燃料を噴射するための燃料噴射弁26が配置されている。なお、内燃機関10は、図示のようなポート噴射式のものに限らず、燃料を筒内に直接噴射する燃料噴射弁を備えたものであってもよい。
内燃機関10の各気筒には、更に、吸気弁28、点火プラグ30、および排気弁32が設けられている。
内燃機関10のクランク軸36の近傍には、クランク軸36の回転角を検出するためのクランク角センサ38が取り付けられている。クランク角センサ38の出力によれば、クランク軸36の回転位置や機関回転数NE(機関回転速度)などを検知することができる。
内燃機関10の排気通路14の途中には、スタート触媒40と、スタート触媒40の下流側に配置されたNOx触媒42とが設けられている。スタート触媒40は、比較的小容量の三元触媒である。スタート触媒40は、排気ポートに近い位置に配置されているので、始動から短時間のうちに暖機され、良好な排気浄化性能を発揮する。NOx触媒42は、比較的大容量の触媒であり、NOx吸蔵還元型の三元触媒である。
NOx触媒42の後端付近には、排気温センサ44が設置されている。排気温センサ44によれば、NOx触媒42の出口における排気ガス温度(以下、「出口ガス温度」と称する)を検出することができる。そして、その検出信号に基づいて、出口ガス温度の実測値を取得することができる。
本実施形態のシステムは、ECU(Electronic Control Unit)50を更に備えている。ECU50には、上述した各種のセンサおよびアクチュエータが接続されている。ECU50は、それらのセンサ出力に基づいて、内燃機関10の運転状態を制御することができる。
図2は、内燃機関10の排気系の構成を説明するための模式的な平面図である。図2に示すように、内燃機関10の排気系には、スタート触媒40が二つと、NOx触媒42が一つ設けられている。そして、1番気筒(#1)および4番気筒(#4)からの排気ガスが合流して一方のスタート触媒40に流入し、2番気筒(#2)および3番気筒(#3)からの排気ガスが合流して他方のスタート触媒40に流入し、両スタート触媒40を出た排気ガスが合流して一つのNOx触媒42に流入するように構成されている。
本実施形態の内燃機関10は、理論空燃比(ストイキ)より希薄なリーン空燃比での運転が可能となっている。本実施形態のシステムでは、三元触媒がNOxを浄化できないリーン空燃比運転時には、排気ガス中のNOxをNOx触媒42に吸蔵しておくことにより、大気中へのNOxの排出を防止することができる。そして、NOx触媒42の吸蔵能力が限界に近くなった場合には、内燃機関10を一時的にリッチ空燃比または理論空燃比で運転するリッチスパイク制御を行うことにより、蓄積されたNOxを還元浄化して放出することができる。
NOx触媒42には、NOxだけでなく、排気中の硫黄分(SOx)も蓄積する。硫黄分の蓄積が多くなると、硫黄被毒が生じ、NOx触媒42の浄化能力(吸蔵能力)が低下する。そこで、本システムでは、NOx触媒42の硫黄被毒を回復させるための硫黄被毒回復制御(以下、「S被毒回復制御」と称する)を時折行うこととしている。S被毒回復制御では、NOx触媒42の温度を例えば650〜700℃程度までの上昇させるとともに、排気空燃比をリッチとする。これにより、排気中の未燃成分が還元剤となり、NOx触媒42から硫黄分を離脱させることができる。
本実施形態では、S被毒回復制御において、#1および#4気筒の空燃比がリーンとされ、#2および#3気筒の空燃比がリッチとされる。このようにすると、#1および#4気筒から排出されたリーンな排気ガスが流入する一方のスタート触媒40を出た排気ガスには酸素が含まれているので、NOx触媒42に酸素を供給することができる。他方、#2および#3気筒から排出されたリッチな排気ガスが流入するスタート触媒40では、HC、CO等の未燃成分が浄化されずに残るので、そのHC、CO等をNOx触媒42に供給することができる。このようにして、NOx触媒42にHC、CO等と酸素とが供給されるので、NOx触媒42においてそのHC、CO等が酸化反応し、その反応熱によってNOx触媒42の温度を上昇させることができる。
なお、S被毒回復制御は、上記のような手法に限定されるものではなく、例えばNOx触媒42の上流において排気ガス中に燃料を添加したり2次空気を導入したりする方法で行ってもよい。
[実施の形態1の特徴]
S被毒回復制御の実行時は、前述したように、NOx触媒42を所定の温度まで上昇させることが重要である。また、S被毒回復制御を実行していない通常運転時は、良好な浄化率が得られるような活性温度以上にNOx触媒42の温度を保つことが重要である。このようなことから、NOx触媒42の性能を十分に発揮させるためには、通常運転時およびS被毒回復制御時の何れにおいても、NOx触媒42の温度を精度良く制御する必要があり、そのためには、NOx触媒42の温度(床温)を精度良く推定する必要がある。
そこで、本実施形態では、以下に説明するような手法でNOx触媒42の床温を推定することとした。図3は、本実施形態の触媒温度推定手法を説明するための図である。より詳しくは、図3(A)はNOx触媒42の平面図であり、図3(B)はNOx触媒42の各部位における後述の補正係数を示す図である。
図3に示すように、本実施形態では、NOx触媒42を入口側(エンジン側)から出口側(マフラー側)まで複数の部位(領域)に分け、各部位毎の床温を推定することとした。具体的には、図3に示すように、入口に近い順にA,B,C,Dの4つの部位に分け、各部位の中央の点(図中丸印で示す)の床温を、その部位の代表温度として推定することとした。なお、このようにしてNOx触媒42を複数の部位に分けて部位毎の床温を推定する場合、その分ける数は4つに限らず、いくつでもよい。
本実施形態のように、NOx触媒42を複数の部位に分けて部位毎の床温を推定することは、NOx触媒42の能力を十分に引き出す上で極めて有効である。例えば、部位毎に床温を推定して、各部位の床温が何れも活性温度以上となるように制御すれば、NOx触媒42全体を有効に使って排気ガスを高効率で浄化することができ、浄化能力を最大限に発揮させることができる。また、S被毒回復制御時には、推定された各部位の床温が何れも必要温度(650〜700℃)以上となるように制御すれば、NOx触媒42全体から硫黄分を余すところなく離脱させることができる。つまり、一旦離脱した硫黄分が、床温の上がりにくいNOx触媒42の出口付近の部位に再吸着されるような事態を確実に防止することができる。
本実施形態では、A〜Dの各部位について、床温を下記式に基づいて推定する。
最終推定床温=推定床温+出口ガス温度偏差*補正係数 ・・・(1)
上記(1)式中の「推定床温」は、内燃機関10の運転状態(機関回転数NE、負荷、空燃比A/F、点火時期SA、吸入空気量GA等)に基づいて、所定の手法により算出することができる。本実施形態において、この推定床温は、床温の暫定的な推定値としての意味合いを有する。
NOx触媒42においては、触媒の構成部材中(担体中)を熱が移動する熱伝導の作用や、排気ガスの流れによって熱が伝わる熱伝達の作用により、入口側の部位から出口側の部位に向かって伝熱が生ずる。そこで、上記推定床温の算出に当たっては、そのような伝熱現象をモデル化した手法を用いて、入口側の部位から出口側の部位に向かって、順次各部位の推定床温を算出することとされる。すなわち、本実施形態では、部位Aの推定床温が運転状態に基づいてまず算出され、部位Aからの伝熱量と運転状態とに基づいて部位Bの推定床温が算出され、部位Bからの伝熱量と運転状態とに基づいて部位Cの推定床温が算出され、部位Cからの伝熱量と運転状態とに基づいて部位Dの推定床温が算出される。
更に、最も出口側の部位Dの推定床温と運転状態とに基づいて、NOx触媒42の出口(図3中のE点)における排気ガス温度、すなわち出口ガス温度の推定値を算出することができる。
出口ガス温度は、前述したように、排気温センサ44の信号に基づいて、その実測値を取得することができる。上記(1)式中の「出口ガス温度偏差」とは、出口ガス温度の実測値と推定値との差(実測値から推定値を減じた値)として算出される値である。
上記(1)式中の「最終推定床温」は、本実施形態において、上記推定床温を補正して得られる最終的な床温の推定値としての意味合いを有する。この最終推定床温は、上記出口ガス温度偏差に図3(B)に示す補正係数を乗じたものを上記推定床温に加算した値として算出される。本実施形態では、図3(B)に示すように、この補正係数の値を、S被毒回復制御の実行時と、通常運転時(S被毒回復制御の非実行時)とで使い分けることとした。
(通常運転時の補正係数)
本発明者らの知見によれば、通常運転時、NOx触媒42の出口近傍の床温、つまり部位Dの床温は、出口ガス温度とほぼ等しくなる。このため、出口ガス温度の実測値と推定値との間にずれ(出口ガス温度偏差)がある場合には、部位Dの実際の床温と推定床温との間にもほぼ同じ分だけのずれがあると見込むことができる。そこで、この場合には、部位Dについて、補正係数を1に近い値として上記(1)式の演算を行うことにより、部位Dの推定床温を出口ガス温度偏差の分だけ補正した値を最終推定床温として得ることができる。すなわち、通常運転時は、部位Dの補正係数(図3(B)中のd)をほぼ1とすることにより、部位Dの最終推定床温を精度良く求めることができる。
NOx触媒42の各部位の推定床温は、前述したように、伝熱をモデル化した手法により、入口側の部位から出口側の部位に向かって順次算出される。このため、通常運転時は、出口側の部位になるほど、モデルの誤差が蓄積することにより、誤差が大きくなると考えられる。つまり、図3の場合では、部位Aの推定床温の誤差が最も小さく、部位Dの推定床温の誤差が最も大きいといえる。
そこで、本実施形態では、図3に示すように、NOx触媒42の入口に近い部位ほど、通常運転時の補正係数が小さくなるようにした。図3(B)中、a,b,cは、それぞれ、部位A、部位B、部位Cの補正係数である。本実施形態では、通常運転時、NOx触媒42の各部位の補正係数をこのように設定することにより、各部位の最終推定床温を高精度に求めることができる。
(S被毒回復制御時の補正係数)
ところで、通常運転時には、内燃機関10の排気ガス中に含まれるHC、CO等の未燃成分はスタート触媒40で浄化されるので、NOx触媒42に流入する排気ガス中にはHC、CO等の未燃成分はほとんど含まれない。つまり、通常運転時には、HC、CO等の酸化反応による発熱がNOx触媒42で生ずることはない。
これに対し、S被毒回復制御時には、前述したように、HC、CO等の未燃成分と酸素とを含む排気ガスがNOx触媒42に流入する。そして、その未燃成分の多くは、NOx触媒42に流入後、直ちに酸化反応する。このため、NOx触媒42に流入した未燃成分のうち、例えば80〜90%程度は部位Aで反応し、その残りが部位Bで反応することとなる。
このように、S被毒回復制御時は、NOx触媒42の入口に近い部位で多くの反応熱が生ずるので、入口に近い部位ほど、温度が上昇し易くなる。このため、入口に近い部位の推定床温は、入口に近い部位でどれだけの割合の未燃成分が反応するかの予測を加味して算出されるが、その予測精度次第で、入口に近い部位の推定床温は大きく左右されることとなる。このようなことから、S被毒回復制御時、入口に近い部位では、通常運転時と比べ、推定床温の誤差が拡大し易くなる。このため、S被毒回復制御時は、入口に近い部位でも、補正係数を大きくした方が、最終推定床温の精度を良くすることができると言える。
一方、本発明者らの知見によれば、NOx触媒42の出口近傍の部位Dの床温は、S被毒回復制御時においても、出口ガス温度とほぼ等しくなる。そこで、本実施形態では、図3(B)に示すように、S被毒回復制御時は、入口に近い部位の補正係数を大きくし、A〜Dの各部位とも、補正係数を1にすることとした。このようにすることにより、S被毒回復制御時、誤差の大きくなり易い入口に近い部位の推定床温を精度良く補正することができる。このため、本実施形態によれば、通常運転時のみならず、S被毒回復制御時においても、NOx触媒42の各部位の最終推定床温を正確に求めることができる。
[実施の形態1における具体的処理]
図4は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。なお、本ルーチンは、所定時間毎に繰り返し実行されるものとする。図4に示すルーチンによれば、まず、内燃機関10の現在の運転状態に関するパラメータ(機関回転数NE、負荷、空燃比A/F、点火時期SA、吸入空気量GA等)が取得される(ステップ100)。次いで、その取得された運転状態のパラメータに基づいて、前述したような手法により、部位A〜Dの推定床温が順次算出される(ステップ102)。
続いて、部位Dの推定床温と、運転状態のパラメータとに基づいて、出口ガス温度の推定値が算出される(ステップ104)。なお、各部位の推定床温、および出口ガス温度推定値の算出手法は、公知であり、かつ、本発明の主要部ではないため、ここでは、前述した以上の説明は省略する。
続いて、排気温センサ44によって出口ガス温度が計測され、出口ガス温度の実測値が取得される(ステップ106)。次いで、S被毒回復制御を現在実行中であるか否かが判別される(ステップ108)。その判別の結果、S被毒回復制御を実行していない通常運転状態であることが認められた場合には、通常運転時用の補正係数の値が取得される(ステップ110)。具体的には、図3(B)に示すa〜dの値がそれぞれ部位A〜Dの補正係数の値として取得される。一方、上記ステップ108においてS被毒回復制御の実行中であることが認められた場合には、S被毒回復制御時用の補正係数が取得される(ステップ112)。具体的は、部位A〜Dの補正係数の値として何れも1が取得される。
上記ステップ110または112において補正係数が取得されたら、その補正係数と、上記ステップ102で算出された推定床温と、上記ステップ104で算出された出口ガス温度推定値と、上記ステップ106で取得された出口ガス温度実測値とに基づき、上記(1)式に従って、各部位毎に最終推定床温が算出される(ステップ114)。
以上説明した図4に示すルーチンの処理によれば、通常運転時とS被毒回復制御時とで補正係数を使い分けることとしたことにより、通常運転時およびS被毒回復制御時の何れにおいても、NOx触媒42の各部位の床温を正確に推定することができる。
なお、上述した実施の形態1では、NOx触媒42を複数の部位に分けて各部位の床温を推定することとしているが、本発明は、このようなものに限定されない。すなわち、本発明は、NOx触媒42を複数の部位に分けずに、NOx触媒42全体を代表するある一つの箇所の床温を推定する場合にも適用することが可能である。
また、上述した実施の形態1では、通常運転時とS被毒回復制御時とで補正係数を使い分ける場合について説明したが、本発明は、このような場合に限らず、S被毒回復制御以外の触媒昇温制御(例えば、触媒温度を活性温度まで上げるための触媒暖機制御)の実行時と非実行時とで補正係数を使い分ける場合にも適用することが可能である。
また、上述した実施の形態1においては、NOx触媒42が前記第1の発明における「触媒」に、S被毒回復制御が前記第1の発明における「触媒昇温制御」に、それぞれ相当している。また、ECU50が、上記ステップ102の処理を実行することにより前記第1および第4の発明における「床温推定手段」が、上記ステップ104の処理を実行することにより前記第1の発明における「出口ガス温度推定手段」が、上記ステップ106の処理を実行することにより前記第1の発明における「出口ガス温度実測手段」が、上記ステップ114の処理を実行することにより前記第1および第4の発明における「最終推定床温算出手段」が、S被毒回復制御を必要時に実行することにより前記第1の発明における「触媒昇温手段」が、上記ステップ108〜112の処理を実行することにより前記第1、第2、第5、第8および第9の発明における「補正係数変更手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態2.
次に、図5を参照して、本発明の実施の形態2について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略または簡略する。本実施形態は、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU50に、前述した図4に示すルーチンに代えて後述する図5に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
前述した実施の形態1では、図3(B)に示すように、通常運転時の補正係数を、NOx触媒42の入口に近い部位ほど、小さくなるようにしている。この理由は、前述したように、通常運転時の推定床温は、入口に近い部位Aで最も誤差が小さく、出口に近い部位になるほど、推定に用いるモデルの誤差が蓄積して、誤差が大きくなるからである。
本発明者らの知見によれば、上記のモデル誤差のうちでは、NOx触媒42内の入口側の部位から出口側の部位への伝熱遅れに起因する成分が多くを占めている。そして、NOx触媒42内での伝熱遅れは、吸入空気量GAが多いほど、少なくなる。これは、吸入空気量GAが多いと、NOx触媒42内を流れる排気ガス量が多く、排気ガスの流れによる熱伝達によって伝熱が促進されるからである。このため、吸入空気量GAが多い場合には、伝熱遅れに起因する誤差成分が小さくなるので、出口側の部位の推定床温に生ずる誤差が縮小する。このため、通常運転時であっても、吸入空気量GAが多い場合には、入口側の部位の推定床温に生ずる誤差と、出口側の部位の推定床温に生ずる誤差とが同じくらいになるので、入口に近い部位の補正係数を小さくする必要性が少なくなる。つまり、部位A〜Dの補正係数を何れも1にしてもよいと言える。
そこで、本実施形態では、吸入空気量GAが少ないときには、前記実施の形態1と同様に通常運転時とS被毒回復制御時とで補正係数と使い分けることとする一方、吸入空気量GAが多いときには、通常運転時かS被毒回復制御時かにかかわらず、部位A〜Dの補正係数を何れも1にすることとした。
[実施の形態2における具体的処理]
図5は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。なお、図5において、図4に示すステップと同一のステップには、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図5に示すルーチンは、ステップ106とステップ108との間にステップ116が挿入されていること以外は、図4に示すルーチンと同様である。この挿入されたステップ116においては、エアフロメータ16で検出された吸入空気量GAが所定値以上であるか否かが判別される。このステップ116において、吸入空気量GAが所定値以上であった場合には、吸入空気量GAが十分に多いためNOx触媒42内の伝熱遅れが少なく、入口に近い部位の補正係数を小さくする必要がないと判断できる。そこで、この場合には、通常運転時かS被毒回復制御時かにかかわらず、図3(B)中のS被毒回復制御時の補正係数が取得される(ステップ112)。つまり、部位A〜Dの補正係数が何れも1とされる。
一方、上記ステップ116において、吸入空気量GAが所定値より小さかった場合には、次のステップ108でS被毒回復制御の実行中であるか否かが判別され、実施の形態1と同様にして、通常運転時とS被毒回復制御時とで補正係数を使い分けることとされる。
以上説明した実施の形態2によれば、吸入空気量GAの影響を適切に反映させて各部位の推定床温を精度良く補正することができる。このため、通常運転時およびS被毒回復制御時の何れにおいても、各部位の最終推定床温をより高い精度で求めることができる。
なお、上述した実施の形態2においては、エアフロメータ16が前記第3の発明における「吸入空気量検出手段」に相当している。また、ECU50が、上記ステップ116および108乃至112の処理を実行することにより前記第3の発明における「補正係数変更手段」が実現されている。
実施の形態3.
次に、図6および図7を参照して、本発明の実施の形態3について説明するが、上述した各実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略または簡略する。本実施形態は、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU50に、前述した図4に示すルーチンに代えて後述する図7に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
図6は、本実施形態の触媒温度推定手法を説明するための図であり、より詳しくは、図6(A)はNOx触媒42の平面図であり、図6(B)はNOx触媒42の各部位における補正係数を示す図である。
前記実施の形態2で説明したように、NOx触媒42内の伝熱遅れに起因して出口側の部位の推定床温に蓄積する誤差は、吸入空気量GAが多いほど小さく、吸入空気量GAが少ないほど大きい。このため、通常運転時においては、吸入空気量GAが少ないほど、出口側の部位の誤差は、入口側の部位の誤差より大きくなり易いので、入口側の部位ほど補正係数を小さくすべきであり、逆に、吸入空気量GAが多いほど、入口側の部位の誤差が出口側の部位の誤差に近くなるので、入口側の部位の補正係数を大きくすることが適切である。
本実施形態では、上記の事情に鑑みて、通常運転時の補正係数を吸入空気量GAの多い場合と少ない場合とで分け、吸入空気量GAが多い場合には、吸入空気量GAが少ない場合に比して、特に入口に近い部位において、補正係数を大きくすることとした。つまり、通常運転時、吸入空気量GAが少ない場合には図6(B)中の「通常運転時(1)」の補正係数を使用し、吸入空気量GAが多い場合には図6(B)中の「通常運転時(2)」の補正係数を使用することとした。
[実施の形態3における具体的処理]
図7は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。なお、図7において、図4に示すステップと同一のステップには、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図7に示すルーチンによれば、ステップ100からステップ108までは、実施の形態1と同様の処理が行われる。そして、ステップ108において、S被毒回復制御の実行中であることが認められた場合には、実施の形態1と同様に、図6(B)中のS被毒回復制御時用の補正係数が取得される(ステップ112)。
一方、ステップ108において、S被毒回復制御を実行していない通常運転状態であることが認められた場合には、次に、エアフロメータ16で検出された吸入空気量GAが所定値以上であるか否かが判別される(ステップ118)。このステップ118において、吸入空気量GAが所定値より小さかった場合には、低吸入空気量用の補正係数、つまり図6(B)中で通常運転時(1)と示された補正係数が取得される(ステップ120)。これに対し、吸入空気量GAが所定値以上であった場合には、高吸入空気量用の補正係数、つまり図6(B)中で通常運転時(2)と示された補正係数が取得される(ステップ122)。この通常運転時(2)の補正係数は、通常運転時(1)の補正係数に比して、特に入口に近い部位において大きくされている。
上記ステップ112,120または122において補正係数が取得されたら、前記実施の形態1と同様に、上記(1)式に従って、各部位毎に最終推定床温が算出される(ステップ114)。
以上説明した実施の形態3によれば、吸入空気量GAの影響をより適切に反映させて各部位の推定床温を精度良く補正することができる。このため、通常運転時およびS被毒回復制御時の何れにおいても、吸入空気量GAの大小にかかわらず、各部位の最終推定床温をより高い精度で求めることができる。
なお、上述した実施の形態3においては、エアフロメータ16が前記第6の発明における「吸入空気量検出手段」に相当している。また、ECU50が、上記ステップ118,120,122の処理を実行することにより前記第6の発明における「補正係数変更手段」が実現されている。
実施の形態4.
次に、図6および図8を参照して、本発明の実施の形態4について説明するが、上述した各実施の形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略または簡略する。本実施形態は、図1に示すハードウェア構成を用いて、ECU50に、前述した図4に示すルーチンに代えて後述する図8に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
本実施形態では、前記実施の形態3と同様の思想に基づいて、通常運転時の補正係数を吸入空気量GAに応じて変更することとした。前記実施の形態3では、通常運転時の補正係数を吸入空気量GAに応じて2段階に変化させることとしたが、本実施形態では、通常運転時の補正係数を吸入空気量GAに応じて連続的に変化させることとした。
[実施の形態4における具体的処理]
図8は、上記の機能を実現するために本実施形態においてECU50が実行するルーチンのフローチャートである。なお、図8において、図4に示すステップと同一のステップには、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図8に示すルーチンは、ステップ110がステップ124に置換されていること以外は、図4に示すルーチンと同様である。ステップ108で通常運転状態であることが認められた場合には、このステップ124が実行される。ステップ124では、エアフロメータ16で検出された吸入空気量GAの値に応じた補正係数が取得される。具体的には、図6(B)中で通常運転時(1)と示された曲線と、通常運転時(2)と示された曲線との間に位置するような曲線で表される補正係数が取得される。この場合、吸入空気量GAが、内燃機関10において生じ得る最小の値に近いほど、取得される補正係数は通常運転時(1)に近い値とされる。逆に、吸入空気量GAが、内燃機関10において生じ得る最大の値に近いほど、取得される補正係数は通常運転時(2)に近い値とされる。
以上説明した実施の形態4によれば、吸入空気量GAの影響をきめ細かく、より適切に反映させて各部位の推定床温を精度良く補正することができる。このため、通常運転時およびS被毒回復制御時の何れにおいても、吸入空気量GAの大小にかかわらず、NOx触媒42の各部位の最終推定床温を更に高い精度で求めることができる。
なお、上述した実施の形態4においては、通常運転時の補正係数を吸入空気量GAに応じて変化させることとしているが、本発明では、触媒昇温制御時(S被毒回復制御時)の補正係数を吸入空気量GAに応じて変化させることとしてもよく、また、通常運転時と触媒昇温制御時との双方の補正係数を吸入空気量GAに応じてそれぞれ変化させることとしてもよい。
また、上述した実施の形態4においては、エアフロメータ16が前記第7の発明における「吸入空気量検出手段」に相当している。また、ECU50が、上記ステップ124の処理を実行することにより前記第7の発明における「補正係数変更手段」が実現されている。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。 実施の形態1の内燃機関の排気系の構成を説明するための模式的な平面図である。 実施の形態1の触媒温度推定手法を説明するための図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。 実施の形態3および4の触媒温度推定手法を説明するための図である。 本発明の実施の形態3において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態4において実行されるルーチンのフローチャートである。
符号の説明
10 内燃機関
12 吸気通路
14 排気通路
18 スロットル弁
26 燃料噴射弁
30 点火プラグ
40 スタート触媒
42 NOx触媒
44 排気温センサ
50 ECU

Claims (8)

  1. 内燃機関の排気通路に配置された触媒と、
    前記内燃機関の運転状態に基づいて前記触媒の床温を推定する床温推定手段と、
    前記触媒の出口における排気ガス温度である出口ガス温度を推定する出口ガス温度推定手段と、
    前記出口ガス温度を実測する出口ガス温度実測手段と、
    前記出口ガス温度の実測値と推定値との偏差に所定の補正係数を乗じた値を、前記床温推定手段により推定された推定床温に加えることにより、前記触媒の最終推定床温を算出する最終推定床温算出手段と、
    前記内燃機関に対し、前記触媒の床温を上昇させるための触媒昇温制御を行う触媒昇温手段と、
    前記触媒昇温制御の実行時と、前記触媒昇温制御を実行しない通常運転時とで、前記補正係数の値を異ならせる補正係数変更手段と、
    前記内燃機関の吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、
    を備え、
    前記補正係数変更手段は、吸入空気量が所定値より小さい場合にのみ、前記触媒昇温制御の実行時と通常運転時とで前記補正係数の値を異ならせることを特徴とする内燃機関の触媒温度推定装置。
  2. 前記補正係数変更手段は、前記触媒昇温制御の実行時の補正係数を通常運転時の補正係数より大きくすることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の触媒温度推定装置。
  3. 前記床温推定手段は、前記触媒を入口側から出口側に向かって複数の部位に分け、その部位毎の床温を推定し、
    前記最終推定床温算出手段は、前記部位毎の推定床温と、前記部位毎の前記補正係数とに基づいて、前記部位毎に前記最終推定床温を算出することを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の触媒温度推定装置。
  4. 前記補正係数変更手段は、前記触媒昇温制御の実行時は、前記触媒の入口に近い部位の補正係数を通常運転時よりも大きくすることを特徴とする請求項記載の内燃機関の触媒温度推定装置。
  5. 前記補正係数変更手段は、吸入空気量が所定値以上である場合には、吸入空気量が前記所定値より小さい場合に比して、前記触媒の入口に近い部位の通常運転時の補正係数を大きくすることを特徴とする請求項3または4記載の内燃機関の触媒温度推定装置。
  6. 前記補正係数変更手段は、前記触媒昇温制御の実行時の補正係数と通常運転時の補正係数との少なくとも一方を吸入空気量に応じて変化させることを特徴とする請求項3乃至5の何れか1項記載の内燃機関の触媒温度推定装置。
  7. 通常運転時の補正係数は、前記触媒の出口に近い部位ではほぼ1であり、前記触媒の入口に近い部位になるほど小さくなっていることを特徴とする請求項3乃至6の何れか1項記載の内燃機関の触媒温度推定装置。
  8. 前記補正係数変更手段は、前記触媒昇温制御の実行時は、前記触媒の各部位の補正係数を何れもほぼ1とすることを特徴とする請求項3乃至7の何れか1項記載の内燃機関の触媒温度推定装置。
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