JP4640318B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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本発明は、内燃機関の排気通路に排気後処理装置と複数の空燃比センサを設けた制御装置において、複数の空燃比センサの誤取り付け検出に関するものである。
ディーゼルエンジンは、CO2 削減に有効である一方で、リーン空燃比で運転されるためNOxの浄化や、固体状の粒子状物質(パティキュレート:PM)の排出といった問題があり、これら有害物質の低減が大きな課題となっている。その対策としては、燃焼制御技術の改善に加えて、NOxやPMを浄化するための排気後処理技術の開発が進められている。
内燃機関の排気通路に設置される排気後処理装置としては、NOx吸蔵還元触媒(リーンNOxトラップ:LNT)と、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)を組み合わせて使用することが検討されている(例えば特許文献1、2参照)。LNTは、リーン運転時にNOxを吸蔵し、リッチ運転時にNOxを還元浄化する装置であり、ディーゼルエンジンに適用するには、一時的にリッチ雰囲気を作る技術が必要となる。このため、リーン運転中に所定周期でポスト噴射を行って、あるいは排気に燃料を添加して瞬間的にリッチ空燃比運転を行い、NOxを還元浄化するリッチスパイク制御が知られている。
特開2006−144659号公報 特開2004−36552号公報
排気通路には、通常、排気後処理装置の上流側および下流側に2つの空燃比センサが取り付けられる。上流側の空燃比センサは、燃料噴射量の補正用であり、検出された実空燃比がエンジンの運転状態に応じて算出された理論空燃比となるように、空燃比を制御して、スモーク等の低減を図っている(例えば特許文献1、3参照)。下流側の空燃比センサは、LNTの再生制御用であり、検出された空燃比に基づいてリッチスパイク制御による燃費悪化や白煙防止を図っている(例えば特許文献2参照)。さらに、例えばLNTの脱硫とDPFの再生とを調和させるため、DPFの下流にLNTを配置するとともに、LNTおよびDPFの上下流にそれぞれ空燃比センサを配置して、各空燃比センサの検出値が所定範囲となるように制御するシステムも知られている(例えば特許文献4参照)。
特開2002−130009号公報 特開2005−133721号公報
ところで、排気後処理装置の前後に取り付けられる複数の空燃比センサは、コネクタ形状を含むセンサ構造やセンサ特性が同一仕様となっており、かつ取り付け位置が近接している。そのために、空燃比センサの位置を前後逆に取り付けてしまう懸念がある。
複数の空燃比センサを逆に取り付けると、ECUにて認識される空燃比が取り違えられることになり、それに基づく上記制御が適切に行われなくなる。その結果、排気エミッションが悪化するのみならず、空燃比センサの温度制御用ヒータへの通電開始時期が早すぎることによるセンサ素子の被水割れといった不具合が生じるおそれがある。
そこで、本願発明は、排気後処理装置の排気通路に設置される複数の空燃比センサの誤取り付けを速やかに検出して運転者に認知させることができ、センサ出力に基づく内燃機関の各種制御の信頼性を向上させて、排ガス悪化やセンサ素子の被水割れといった不具合を防止することを目的とするものである。
本発明請求項1の内燃機関の制御装置は、車両内燃機関の排気通路に設置した排気後処理装置と、該排気後処理装置の上流側および下流側にそれぞれ設置した複数の空燃比センサを備え、上記複数の空燃比センサの出力値に基づく制御を行うものであり、上記複数の空燃比センサの誤取り付けを検出する誤取り付け検出手段を設けている。この誤取り付け検出手段は、排気流量が急増する運転状態において、上記複数の空燃比センサに設けた温度制御用ヒータの電流値をそれぞれ検出し、上流側の空燃比センサのヒータ電流値から下流側のヒータ電流値を減じたセンサ電流値偏差が、予め設定した正常範囲から外れた時に、上記複数の空燃比センサの誤取り付けと判定する。
排気流量が急増すると、まず上流側の空燃比センサが冷却されて温度低下し、次いで下流側の空燃比センサが温度低下する。制御装置は、センサ素子が目標温度となるようにヒータ通電量を増加させるので、これらセンサのヒータ電流値は遅れて変化することになる。従って、この時のヒータ電流値変化を予め知り、検出されるヒータ電流値の偏差を正常値と比較することで、誤取り付けを検出することができる。よって、空燃比に基づく各種制御への影響を小さくし、誤検出による制御性や排気エミッションの悪化、センサの被水割れ等を防止して、信頼性を高めることができる。
本発明の請求項2の制御装置において、上記誤取り付け検出手段における上記排気流量が急増する運転状態は、上記内燃機関の加速運転状態とする。
加速運転時には、排気流量が急増するので空燃比センサの素子温度に差が生じやすい。従って、温度制御用のヒータ電流値の偏差を算出することにより、容易に誤取り付けを検出することができる。
本発明の請求項の制御装置は、上記排気後処理装置として、NOx吸蔵還元触媒またはパティキュレートフィルタを備える。
例えばNOx吸蔵還元触媒を備える装置では、その上流側に配した空燃比センサにより燃料噴射を制御するととも、再生時には、後流側に搭載した空燃比センサ値に基づいてリッチスパイク制御を実施するので、本発明を適用する効果が高い。また、パティキュレートフィルタを併設してその後流に空燃比センサを設置したり、パティキュレートフィルタ前後に設置した空燃比センサの検出値を基に制御を行う装置においても、本発明により誤取り付けを検出することができる。
本発明の請求項の制御装置は、上記上流側の空燃比センサの検出値に基づいて燃料噴射量の補正を行う。
例えば排気後処理装置の上流側に配した空燃比センサの検出値から、内燃機関燃焼時の酸素濃度を推定し、最適な酸素濃度となるように燃料噴射量を補正することで、スモーク低減効果が得られる。
本発明の請求項の制御装置は、上記下流側の空燃比センサの検出値に基づいて上記排気後処理装置の再生制御を行う。
例えばNOx吸蔵還元触媒を備える装置は、再生時に理論空燃比またはリッチ雰囲気とする必要があり、下流側の空燃比センサ値に基づいて燃料添加量を制御することで、燃費の悪化や白煙を防止する効果が得られる。
本発明の請求項の装置では、上記誤取り付け検出手段にて誤取り付けと判定された時に、上記上流側空燃比および下流側空燃比の認識値を入れ替える認識値切替手段とを備える。
誤取り付け検出後は、取り付け位置を直ちに正常に戻すことが望ましいが、それまでの間の処置として、制御装置内部で認識値を入れ替え、自己正常化して疑似的に制御可能とする。これにより、誤取り付けの影響を小さくして制御性の悪化を防止できる。
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明を適用した内燃機関の制御装置の全体構成を示すもので、本実施形態では4気筒ディーゼルエンジン1への適用例として説明する。エンジン1の各気筒にはインジェクタ11が設けられ、排気マニホールドに続く排気通路12には、排気後処理装置2が設置されている。図2(a)に示すように、排気後処理装置2としては、NOx吸蔵還元触媒(以下、LNTと称する)21とディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、DPFと称する)22が、この順で直列に設置されている。
吸気は吸気通路13から吸気マニホールドを経て各気筒燃焼室に導入される。インジェクタ11へ燃料を供給するコモンレール3には、燃料タンク4から調量弁41およびポンプ31を経て燃料が圧送され、圧力センサ5にて検出されるコモンレール3の圧力が所定の圧力となるように、ECU6にて制御している。
エンジン1の吸気通路13には、エアフローメータ14が設置され、吸入空気量を検出してECU6に出力するようになっている。
LNTは、通常公知の構造で、例えばハニカム構造の触媒担体に触媒とNOx吸蔵材を担持してなる。NOxはリーン雰囲気の通常運転時において、硝酸塩の形でNOx吸蔵材に一旦吸蔵され、その後理論空燃比またはリッチ雰囲気下となった時に放出されて触媒により無害なN2 等に還元浄化される。ディーゼルエンジンはリーン雰囲気で運転されるため、排気燃料を添加して一時的にリッチ雰囲気を作るリッチスパイク制御を行って、NOxを浄化し、LNTを再生させる。
DPF22は、通常公知の構造で、多孔質セラミックスハニカム構造体の多数のセル内をガス流路とし、その上流側または下流側を互い違いとなるように目封じしてなる。燃焼後の排気には、煤(炭素)とSOF(可溶性有機成分)を主成分とする粒子状のPM(パティキュレート)が含まれており、排気通路12へ排出されるPMは、排出ガスがDPF22を流通する間に、各セルを区画する多孔質隔壁に捕集されて、次第に堆積する。捕集されたPMは、周期的にDPF22を昇温再生させることにより、燃焼除去される。
DPF22は、例えば、酸化触媒を担持させた触媒付DPFとすることもできる。酸化触媒は、DPF2の内表面(多孔質隔壁表面)に塗布されて、捕集したPMの酸化を促進する。このように触媒反応を利用するとDPF2の再生温度を低くし安定した燃焼を実現できる。
排気通路12には、排気後処理装置2の直上流に空燃比センサ71が、直下流に空燃比センサ72がそれぞれ設置される。これら空燃比センサ71、72は、通常公知の構造で、空燃比をリニアに検出可能なセンサ素子と発熱体を有する温度制御用ヒータを備えている。空燃比センサ71、72はECU6に接続されており、排気後処理装置2の直上流および直下流の空燃比を検出して、ECU6に出力する。上流側の空燃比センサ71の検出値は、上流側センサ値、下流側の空燃比センサ72の検出値は、下流側センサ値として認識される。また、排気通路12の最上流位置にはリッチスパイク制御用の燃料添加弁73が設置されている。あるいは、インジェクタ11からのポスト噴射によって、リッチスパイク制御を行う構成としてもよい。
また、排気通路12には、DPF2の前後差圧を知るための差圧センサ8が設置される。差圧センサ8の一端側は圧力導入通路81にてDPF2の直上流の排気通路12に、他端側は圧力導入通路82にてDPF2の直下流の排気通路12にそれぞれ接続しており、差圧センサ8はDPF2の前後差圧に応じた信号をECU6に出力する。
ECU6には、さらに、図示しないアクセル開度センサや回転数センサ、排気温センサといった各種センサが接続されている。ECU6は、これらセンサからの検出信号を基に運転状態に応じた最適な燃料噴射量、噴射時期、噴射圧等を算出し、圧力センサ5にて検出されるコモンレール3が所定の噴射圧となるように調量弁41を制御して、コモンレール3へ高圧燃料を圧送するとともに、インジェクタ11を所定タイミングで駆動して、エンジン1への燃料噴射を実施する。
この時、ECU6は、上流側の空燃比センサ71の検出値に基づいて、燃料噴射量を補正するフィードバック制御を行う。まず、ECU6は、上記各種センサの検出結果を読み込み、予め記憶されているマップ値と比較して、現在のエンジン運転状態に応じた基本燃料噴射量を算出する。また、上流側の空燃比センサ71による検出値からエンジン燃焼室内のO2 濃度を推定し、この推定値と目標とするO2 濃度との偏差に基づいて基本燃料噴射量の補正量を算出し、燃料噴射量を設定する。このように実際の空燃比に応じた燃料噴射量へ補正することで、スモークを低減することができる。
ECU6は、また、LNT21およびDPF22の再生を制御する。
LNTに吸蔵されたNOxは、リーン運転中に所定周期で一時的にリッチ運転するリッチスパイク制御を実施することによって還元浄化される。ECU6は、例えばリーン運転時間とリッチ運転時間を所定比率に設定し、それぞれの運転時における目標空燃比を算出して、所定の空燃比でリーン運転を開始する。所定のリーン運転期間に達したらリッチスパイク制御を行うための実行フラグをセットして、リッチ時の目標空燃比に設定し、燃料添加弁73を駆動して排気通路12に燃料を添加する。あるいは、燃料添加弁73を備えない構成において、インジェクタ11からの燃料噴射をメイン噴射とポスト噴射の2段噴射として、排気に燃料を添加することもできる。
この時、リッチスパイク制御を適正に行うために、下流側の空燃比センサ72の検出値に基づいて、燃料添加量(リッチスパイク量)をフィードバック制御する。リッチスパイク制御は、燃料消費を伴うため排気に過剰な燃料が添加されることによる燃費の悪化が懸念されるが、空燃比センサ72にて検出される下流側空燃比からNOxの還元浄化に必要な還元剤量(燃料量)を算出し、最適量のリッチスパイク量を使用することで、燃費の悪化を防止することができる。また、未燃燃料による白煙の防止効果も得られる。
また、ECU6は、差圧センサ8によって検出されるDPF前後差圧に基づいてDPF22へのPM堆積状態を監視する。これは、PM堆積量の増加に伴いDPF22における圧力損失が増大することを利用するもので、DPF前後差圧とPM堆積量の関係を排気流量に関して予めモデル化しておくことで、PM堆積量を算出することができる。そして、ECU6は、PM堆積量の算出値をDPF22の再生を開始する基準値と比較して、再生が必要かどうかを判断する。
PM堆積量の算出値が基準値を超えると、ECU6は昇温手段を操作して、DPF22を所定の目標再生温度(例えば600℃±50℃)まで上昇させ、PMを燃焼除去する。昇温手段としては、例えば、ポスト噴射、吸気絞り、燃料噴射時期遅角等が用いられ、未燃燃料を酸化反応させてその反応熱により排気温度を上昇させる。ECU6は、DPF22が目標再生温度に維持されるように、DPF温度をフィードバック制御する。
この時、DPF22基材の溶損等を防止するために、再生を判定する基準値は、PMの燃焼によりDPF22の温度が過度に上昇するおそれがない堆積量に設定される。また、高負荷時のように排気が高温となって自然燃焼する運転状態において、PMが一気に燃焼して過昇温とならないよう、排気の空燃比を所定値以下に制御することもできる。例えば、空燃比センサ72にて検出される下流側空燃比を基に吸入空気量をフィードバック制御する。
排気後処理装置2としては、図2(a)のように、LNT21とDPF22を一体化した構成の他、図2(b)〜(d)に示す種々の構成とすることができる。図2(b)は、LNT21とDPF22を独立に設けて、空燃比センサ71、72をLNT21の前後に配置した例であり、さらに、図2(c)のように、LNT21の上流に酸化触媒(DOC)23を設けることもできる。あるいは、図2(d)のように、DOC23とDPF22を一体化した排気後処理装置2’を設け、その上流にLNT21を配置した構成としてもよい。また、これらの例では、2つの空燃比センサ71、72をLNT21の前後に配置しているが、必要な制御に応じて、例えばDPF22の下流に、さらに空燃比センサを配置してもよい。
次に、本発明の特徴である空燃比センサ71、72の誤取り付け検出手段について説明する。上述したように、空燃比センサ71、72により検出される上流側空燃比および下流側空燃比は、燃料噴射量の補正や排気後処理装置2の再生といった各種制御に用いられており、空燃比センサ71、72の検出値が、ECU6に正しく認識される必要がある。特に、DPF22を有する場合には、DPF22において、PMが酸化したり、酸素がパージされている場合があり、このような状態においては、図3(b)に示すように、上流側空燃比センサ71の検出値(上流側センサ値)に対して下流側空燃比センサ71の検出値(下流側センサ値)がリッチ側にずれることになる。また、上述のように、スモーク低減目的で、上流側空燃比センサ71を用いる場合、エンジン燃焼室内と上流側空燃比センサ71の搭載位置での空燃比の遅れ分(時定数)を考慮しており、燃焼室内の空燃比を正確に推定するために、正しい位置に搭載される必要がある。
ところが、空燃比センサ71、72はセンサ構造やセンサ特性が同一仕様であることから、取り付け時に前後逆になるおそれがあり、その場合には、リッチスパイク制御や空燃比推定の基準となる空燃比センサ値、さらには空燃比推定のための時定数にずれが生じてしまうことになる。このため、リッチスパイク制御時の燃費悪化や白煙の問題、あるいは燃料噴射量の補正量ずれにより排ガスが悪化するおそれがある。
そこで、本発明では、ECU6に誤取り付け検出手段を設け、誤取り付けの発生を速やかに運転者へ警告できるようにする。具体的には、誤取り付け検出手段は、排気流量が急増する運転状態において、空燃比センサ71、72に設けた温度制御用ヒータの電流値をそれぞれ検出する。誤取り付け検出手段は、上流側の空燃比センサのヒータ電流値から下流側のヒータ電流値を減じたセンサ電流値偏差が、予め設定した正常範囲にあるかどうかで、誤取り付けを判定する。排気流量が急増する運転状態は、例えば、内燃機関の加速運転状態である。
次に、ECU6にて実行される誤取り付け検出制御の詳細を説明する。図3(a)は誤取り付け検出制御のフローチャートであり、ステップS1、2は、空燃比センサ71、72のヒータ電流値に基づく誤取り付け判定手順を、ステップS3、4は、空燃比センサ71、72の検出値に基づく誤取り付け判定手順を示すものである。まず、ステップS1で、加速中であるかどうかを判定する。加速中の判定は、例えばエアフローメータ14で検出される吸入空気量の増加分(Δ空気量)を、所定値A(g/s)と比較することによって行い、Δ空気量>A(g/s)であれば、加速中と判定してステップS2へ進む。
ステップS2では、空燃比センサ71、72のヒータ電流値をそれぞれ検出してその偏差(前後センサ電流偏差)を算出し、逆取り付け判定値αと比較する。
前後センサ電流偏差=上流側のヒータ電流値−下流側のヒータ電流値
図4にタイムチャートを示すように、加速時には、エンジン回転数の上昇とともに排気流量が増大し、空燃比センサ71、72は流入する空気によってセンサ素子が冷やされることにより表面温度が低下する。ここで、空燃比センサ71、72は、温度制御用ヒータを用いてセンサ素子の表面温度が活性温度(例えば約700℃)となるようにフィードバック制御を行っている。センサ素子の表面温度は検出部のインピーダンスと相関関係があることが知られており、表面温度(インピーダンス)が目標温度(インピーダンス)となるように温度制御用ヒータへの通電を制御することにより、表面温度は再び上昇する。また、これに伴いヒータ電流値も上昇する。
この際、取り付け位置の違いにより、LNT21上流側の空燃比センサ71と下流側の空燃比センサ72とで、図示するようにヒータ電流値の変化にずれが生ずる。すなわち、上流側の空燃比センサ71のヒータ電流値が先に変化し、下流側の空燃比センサ72のヒータ電流値が遅れて変化する。したがって、図に実線で示すように、正規取り付けされている場合、加速初期の前後センサ電流偏差は、+(プラス)の値が一定期間継続する。
ところが、空燃比センサ71、72が逆に取り付けされると、上流側のヒータ電流値と下流側のヒータ電流値が入れ替わる。このために、図に点線で示すように、加速初期の前後センサ電流偏差が、−(マイナス)の値となる。本発明は、このヒータ電流値の立ち上がりの差を利用するもので、前後センサ電流偏差を、誤取り付けを検出するための指標として、予め設定した逆取り付け判定値α(<0)を下回ったかどうかを判定する。そして、下記式が肯定判定されたら、
前後センサ電流偏差<逆取り付け判定値α(mA/s)
逆取り付けと判定してステップ5へ進む。この時、逆取り付け判定値αを下回った状態が、逆取り付け継続時間T(s)以上継続したかどうかによって、誤取り付けを判定するようにしてもよい。
ステップS1、2が否定判定されたら、ステップS3へ進む。ステップS3では、LNT21のリッチスパイク制御のための燃料添加実行フラグがOFFからONに切り替えられ、かつ時間B(s)以内であるかどうかを判定する。ステップS3が肯定判定されたら、ステップS4へ進んで、空燃比センサ71の検出値と空燃比センサ72の検出値との偏差(前後センサ値偏差)を算出し、逆取り付け判定値βと比較する。
前後センサ値偏差=上流側のセンサ値−下流側のセンサ値
図5に示すように、ECU6は、周期的にリッチスパイク制御を実施して、燃料添加弁73から排気への燃料添加を行っているので、これに伴い、排気中の空燃比が周期的に変化する。すなわち、燃料添加によって、まず上流側の空燃比センサ71により検出される空燃比(センサ値)が一旦急減し、その後急増する。下流側の空燃比センサ72により検出される空燃比(センサ値)は、これに遅れて同様に急減した後、急増し、これを繰り返す。
したがって、図に実線で示すように、正規取り付けされている場合、添加初期の前後センサ値偏差は、−(マイナス)となり、ある値まで減少した後、上昇に転じ、さらに+(プラス)の値となった後、減少してゼロ点に収束する。逆取り付けされた場合には、図に点線で示すように、正常時と正負が反転した偏差値曲線を辿ることになる。したがって、燃料添加からある一定時間B(s)以内の前後センサ値偏差を算出し、予め設定した逆取り付け判定値β(>0)を上回っているかどうかを判定することによっても、誤取り付けを検出できる。そして、下記式が肯定判定されたら、
前後センサ値偏差>逆取り付け判定値β
逆取り付けと判定してステップ5へ進む。
ステップ5では、誤取り付け判定フラグをオンし、故障警告灯(MIL)を点灯させて運転者に認知させる。誤取り付け検出後は、速やかに車両をディーラー等へ移動させて、空燃比センサ71、72の取り付けを正規位置とすることが望ましいが、それまでの処置として、空燃比センサ71、72の検出値を使用する各学習値をクリアし、誤った学習値による制御性の悪化を防止する。あるいは、ECU6内部における認識値を入れ替えて、疑似的に正規値となるように変更し、自己正常化して使用することも可能であり、誤取り付けの影響を最小限とすることができる。この際、例えば、検出値を入れ替えることにより、制御値が大きく変化してしまう場合には、正規値となるまで、徐々に検出値を変化させるようにしてもよい。これにより、直ちに切り替えることで生じる不具合を解消することができる。
以上のように、本発明によれば、空燃比センサ71、72の誤取り付けを容易に検出し、運転者へ認知させることができるので、空燃比に基づくリッチスパイク制御や燃料噴射量補正の制御性が低下することによる燃費悪化や排気エミッションの悪化、センサ素子の被水割れ等の不具合を防止することができる。
本発明を適用した内燃機関の制御装置の全体概略構成図である。 (a)〜(d)は排気後処理装置の構成と空燃比センサの取り付け位置の例を示す図である。 (a)はECUにおいて実行される誤取付け検出制御のフローチャート図、(b)は上流側の下流側の空燃比センサ値のずれを示す図である。 センサ電流偏差による誤取付け検出を説明するためのタイムチャート図である。 空燃比センサ値偏差による誤取付け検出を説明するためのタイムチャート図である。
符号の説明
1 エンジン(内燃機関)
11 インジェクタ
12 排気管
13 吸気管
14 エアフローメータ
2 排気後処理装置
21 DPF(パティキュレートフィルタ)
22 LNT(NOx吸蔵還元触媒)
3 コモンレール
4 燃料タンク
5 圧力センサ
6 ECU
71 空燃比センサ
72 空燃比センサ
73 燃料添加弁
8 差圧センサ

Claims (6)

  1. 車両内燃機関の排気通路に設置した排気後処理装置と、
    該排気後処理装置の上流側および下流側にそれぞれ設置した複数の空燃比センサを備え、
    上記複数の空燃比センサの出力値に基づく制御を行う内燃機関の制御装置において、
    上記複数の空燃比センサの誤取り付けを検出する誤取り付け検出手段を設け、
    該誤取り付け検出手段は、排気流量が急増する運転状態において、上記複数の空燃比センサに設けた温度制御用ヒータの電流値をそれぞれ検出し、上流側の空燃比センサのヒータ電流値から下流側のヒータ電流値を減じたセンサ電流値偏差が、予め設定した正常範囲から外れた時に、上記複数の空燃比センサの誤取り付けと判定することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 上記誤取り付け検出手段における上記排気流量が急増する運転状態は、上記内燃機関の加速運転状態である請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 上記排気後処理装置としてNOx吸蔵還元触媒またはパティキュレートフィルタを備える請求項1または2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 上記上流側の空燃比センサの検出値に基づいて燃料噴射量の補正を行う請求項3記載の内燃機関の制御装置。
  5. 上記下流側の空燃比センサの検出値に基づいて上記排気後処理装置の再生制御を行う請求項記載の内燃機関の制御装置。
  6. 上記誤取り付け検出手段にて誤取り付けと判定された時に、上記上流側空燃比および下流側空燃比の認識値を入れ替える認識値切替手段とを備える請求項1ないし5のいずれか項に記載の内燃機関の制御装置。
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