JP4899955B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は内燃機関の制御装置であって、特に、排気系における排気の一部を吸気系に再循環させる内燃機関の排気再循環装置を備えた内燃機関の制御装置に関する。
内燃機関の排気に含まれる窒素酸化物(以下、「NOx」ともいう)の量を低減する技術として、排気の一部を吸気系に再循環させる排気再循環(以下、「EGR」ともいう)装置が知られている。
この排気再循環装置を備えた内燃機関においては、排気の一部が再度内燃機関の燃焼室に導入されるため、内燃機関から排出される排気の酸素濃度が変化した場合に、この酸素濃度が、内燃機関の燃焼室における燃焼状態に影響を及ぼす場合があった。
また、上記の排気再循環装置が、過給機のタービン下流の排気をコンプレッサ上流の吸気通路に再循環させる低圧EGR手段を有する場合がある。このような場合においては、例えば排気浄化装置の浄化能力の再生のために排気に供給された還元剤の一部が排気再循環装置によって内燃機関の燃焼室に導入される場合があった。そうすると、還元剤の排気への供給の後に、内燃機関における燃焼の状態が変化してしまう場合があった。
これに関し、燃焼室への排気の再循環割合(EGR率)に応じて、パイロット噴射の噴射量や、パイロット噴射と主噴射との間の噴射停止間隔をきめ細かく補正する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、内燃機関に再循環する排気の酸素濃度をセンサによって検出する技術として、再循環排気ガス質量流量を予測排気ガス成分濃度に基づいて補正し、補正後の再循環排気ガス質量流量を用いてシリンダ内の全吸入空気量中の酸素濃度や、酸素量と燃料噴射量との比を演算して、EGR制御を行う技術であって、EGR通路内に酸素濃度センサを設け、この酸素濃度センサによって予測排気ガス成分濃度の誤差学習を行う技術が提案されている(特許文献2参照。)。
さらに、EGRと吸蔵還元型NOx触媒とを備えた内燃機関で、主噴射及び副噴射の実
行により吸蔵還元型NOx触媒に燃料を供給する際に、そのタイミングにタイムラグを考
慮した上でEGR弁の閉じ量を制御して、不活性ガスの燃焼室への流入を抑制する技術であって、さらに、再循環排ガス量の低減度合いに応じて、主噴射または副噴射の噴射量または噴射時期を制御する技術が提案されている(特許文献3参照。)。
しかし、上記の技術においては、内燃機関に再循環する排気の量の他に、再循環する排気の成分(例えば、酸素濃度や、不活性ガス濃度)が、内燃機関における機関出力に影響を及ぼすことが充分には考慮されていなかった。
特開2001−342877号公報 特開2006−97597号公報 特開2001−234772号公報
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、排気系を通過する排気の一部を吸気系に再循環するEGRを行う内燃機関において、再循環する排気の酸素濃度
の変化が、内燃機関の機関出力に影響を及ぼすことを抑制できる技術を提供することである。
上記目的を達成するための本発明は、燃焼室における燃料の主噴射の他に副噴射を行なうとともに、排気系における排気をEGR手段により吸気系に再循環する内燃機関の制御装置において、EGR手段により再循環する排気の酸素濃度に応じて副噴射の噴射量および/または噴射時期を変更することを最大の特徴とする。
より詳しくは、内燃機関における機関出力を得るための主噴射の実行前に副噴射を行う副噴射手段と、
前記内燃機関の排気通路を通過する前記内燃機関からの排気の一部を前記内燃機関の吸気通路に再循環させるEGR手段と、
前記EGR手段により再循環する排気の酸素濃度に応じて前記副噴射の噴射量および/または噴射時期を変更する副噴射制御手段と、
を備えることを特徴とする。
すなわち、内燃機関の排気系から吸気系へ再循環する排気の酸素濃度の変化によって、内燃機関の燃焼状態が変化し、機関出力が変化してしまうことを、副噴射の噴射量および/または噴射時期を変更することによって補償することとした。これによれば、再循環する排気の酸素濃度の変化に起因する出力低下や失火の発生を抑制することができ、EGRの作動状態に拘らずドライバビリティを良好に維持することができる。
また、本発明が適用される内燃機関は、吸気通路にコンプレッサが設けられるとともに前記内燃機関の排気通路にタービンが設けられた過給機をさらに備えており、前記EGR手段は、前記タービンより下流の前記排気通路と前記コンプレッサより上流の前記吸気通路とを連通する低圧EGR通路を有するとともに前記低圧EGR通路を通過する排気の量を制御する低圧EGR流量制御装置を有し、前記タービンより下流の前記排気通路を通過する排気を前記コンプレッサより上流の前記吸気通路に再循環する低圧EGR手段であってもよい。
ここで、上記のような低圧EGR手段を有する内燃機関においては、再循環する排気の酸素濃度は、排気浄化装置における酸化還元反応や触媒反応の影響を受けるため、より変動し易いと言える。従って、低圧EGR手段を有する内燃機関に対して本発明を適用することで、本発明の効果をより顕著に奏することができる。
また、本発明においては、前記排気通路における前記低圧EGR通路との接続部の上流側に設けられ、前記排気通路を通過する排気を浄化する排気浄化装置と、前記排気浄化装置の上流側において還元剤を排気に供給する還元剤供給手段と、前記還元剤供給手段に還元剤を排気に供給させることにより前記排気浄化装置に還元剤を供給し、前記排気浄化装置の浄化能力を再生する再生処理を行う再生手段と、前記低圧EGR通路に設けられるとともに、該低圧EGR通路を通過する排気の酸素濃度を検出する酸素濃度センサと、を更に備え、前記再生手段によって前記再生処理が行われた際に、前記酸素濃度センサによって前記低圧EGR手段により再循環する排気の酸素濃度が検出されるとともに、前記副噴射制御手段は、該検出された酸素濃度に応じて前記副噴射の噴射量および/または噴射時期を変更するようにしてもよい。
ここで、本発明が適用される内燃機関において、低圧EGR通路の上流側に排気浄化装置が設けられており、そのさらに上流側において排気に還元剤を供給し、前記排気浄化装置の浄化能力の再生処理を行う場合について考える。
この場合には、排気に供給された還元剤が排気浄化装置において反応してCOなどの不活性ガスが下流側に排出される場合がある。そうすると、COなどの不活性ガスが低圧EGR通路を介して内燃機関に再循環することとなり、内燃機関における燃焼状態が悪化して機関出力の減少や失火を招来する場合があった。
それに対し、本発明においては、低圧EGR通路に酸素濃度センサを備えるようにし、該酸素濃度センサによって低圧EGR通路を通過して再循環する排気の酸素濃度を検出し、この酸素濃度の値に応じて副噴射制御手段が前記副噴射の噴射量および/または噴射時期を変更することとした。
そうすれば、低圧EGR手段によって再循環される排気の酸素濃度をリアルタイムで精度良く検出することができ、前記副噴射の噴射量および/または噴射時期をより迅速且つ正確に変更することができる。その結果、排気浄化装置の浄化能力の再生処理に伴う機関出力の低下や失火をより確実に抑制することができる。
また、本発明においてはこの場合に関して、低圧EGR通路に酸素濃度センサを設けるのではなく、前記排気浄化装置の浄化能力の再生処理が行われた際に、前記還元剤供給手段から排気に供給された還元剤の量によって、前記低圧EGR手段により再循環する排気の酸素濃度を推定するようにしてもよい。
すなわち、排気浄化装置に還元剤を供給することによって浄化能力の再生処理を行う場合には、排気浄化装置の下流では、前述のように、還元剤が排気浄化装置において反応する結果、COなどの不活性ガスが増加して酸素濃度が低下する。そして、酸素濃度の低下度合いは、還元剤供給手段から排気に供給された還元剤の量に応じて定まる。従って、前記還元剤供給手段から排気に供給された還元剤の量によって、低圧EGR手段により再循環する排気の酸素濃度を推定することが可能である。
そうすれば、酸素濃度センサ無しで、排気浄化装置の浄化能力の再生処理に伴う機関出力の低下や失火を抑制することができ、コストダウンを促進することができる。
また、本発明においては、前記副噴射制御手段は、前記再生手段によって前記再生処理が行われた際に前記副噴射の噴射量を変更する場合には、前記低圧EGR手段により再循環する排気の酸素濃度がより低いときにおける前記副噴射の噴射量は、該酸素濃度がより高いときにおける前記副噴射の噴射量以上となるように、前記副噴射の噴射量を変更してもよい。
すなわち、副噴射制御手段は、前記低圧EGR手段により再循環する排気の酸素濃度がより低いときには、副噴射の噴射量がより多くなるように、副噴射における噴射量を変更する。こうすれば、燃料室に再循環される排気中の酸素が少なく(不活性ガスなどの他の
成分が多く)、機関出力がより低下したり失火したりする危険性が高いときには、より噴
射量を増加させ、機関出力の低下や失火を抑制することができる。
なお、この場合、低圧EGR手段により再循環する排気の酸素濃度がより低くなるにつれて、副噴射の噴射量が連続的に多くなるように制御しても良いし、低圧EGR手段により再循環する排気の酸素濃度が所定の閾値より低い場合と、所定の閾値以上の場合とで、副噴射の噴射量を2段階あるいはそれ以上の段階に変化させるように制御しても良い。
同様に、本発明においては、前記副噴射制御手段は、前記再生手段によって前記再生処理が行われた際に前記副噴射の噴射時期を変更する場合には、前記低圧EGR手段により
再循環する排気の酸素濃度がより低いときにおける前記副噴射の噴射時期は、該酸素濃度がより高いときにおける前記副噴射の噴射時期より早期または同時期となるように、前記副噴射の噴射時期を変更してもよい。
すなわち、副噴射制御手段は、前記低圧EGR手段により再循環する排気の酸素濃度がより低いときには、副噴射の噴射時期がより早くなるように、副噴射における噴射時期を変更する。こうすれば、燃料室に再循環される排気中の酸素が少なく(不活性ガスなどの
他の成分が多く)、機関出力がより低下したり失火したりする危険性が高いときには、よ
り噴射時期を進角させ、主噴射における霧化をより促進することで、機関出力の低下や失火を抑制することができる。
なお、この場合、低圧EGR手段により再循環する排気の酸素濃度がより低くなるにつれて、副噴射の噴射時期が連続的に早くなるように制御しても良いし、低圧EGR手段により再循環する排気の酸素濃度が所定の閾値より低い場合と、所定の閾値以上の場合とで、副噴射の噴射時期を2段階あるいはそれ以上の段階に変化させるように制御しても良い。
また、本発明においては、前記副噴射制御手段は、前記再生手段によって再生処理が行われた際に、前記還元剤供給手段から排気に還元剤が供給されたことによる、前記低圧EGR通路を通過する排気の酸素濃度の低下量に応じて前記副噴射の噴射量の増加および/または噴射時期の進角を実施し、その後における前記酸素濃度の上昇に伴い、前記副噴射の噴射量の減少および/または前記噴射時期の遅角を実施するようにしてもよい。
ここで、排気浄化装置の浄化能力の再生処理を行なった場合には、排気浄化装置を通過した還元成分や、還元剤が排気浄化装置で反応したことによって発生したCOなどの不活性ガスにより、低圧EGR通路を再循環する排気の酸素濃度は一旦大幅に低下する。そして、その後、還元成分や不活性ガスの低圧EGR通路の通過が終了に向かうにつれて、酸素濃度は徐々に上昇して元に戻る。
これに対し、本発明においては、初期段階における酸素濃度の大幅な低下が発生した状態では、副噴射の噴射量の増加および/または噴射時期の進角を実施する。これにより、内燃機関における酸素濃度の低下に起因する機関出力の低下を抑制する。
次に、前述のように還元成分や不活性ガスの低圧EGR通路の通過が終了に向かうにつれて、酸素濃度は徐々に上昇するが、その際には、副噴射の噴射量を増加させたままあるいは、噴射時期を進角させたままにすると、逆に機関出力が過剰に増加したり、燃料騒音やNOx発生量が増大したりする原因となる。
従って、本発明においては、還元成分や不活性ガスの低圧EGR通路の通過が終了に向かう段階においては、前記副噴射の噴射量の減少および/または噴射時期の遅角を実施するようにした。そうすれば、排気浄化装置の浄化能力の再生処理において、低圧EGR手段によって再循環する排気の酸素濃度に変動があったとしてもその際の機関出力を円滑に制御することができ、機関出力を安定化することができる。なお、ここでいう前記副噴射の噴射量の減少および/または噴射時期の遅角とは、一旦増加した副噴射の噴射量および/または一旦進角した副噴射の噴射時期を、元に戻す方向で減少あるいは遅角させることを意味しており、再生手段による再生処理が行われる前の副噴射の噴射量および/または噴射時期からさらに噴射量を減少および/または噴射時期を遅角する制御を意味しない。
また、本発明においては、前記副噴射制御手段は、前記再生手段によって再生処理が行われた際の、前記低圧EGR通路を通過する排気の酸素濃度が所定濃度以上である場合に
、前記副噴射制御手段による前記副噴射の噴射量および/または噴射時期の変更を禁止するようにしてもよい。
ここで、排気浄化装置の浄化能力の再生処理において還元剤供給手段に何らかの異常があり、還元剤が予定どおり排気に供給されなかった場合について考える。この場合には、排気浄化装置の浄化能力の再生処理が行なわれた際の低圧EGR通路を通過する排気の酸素濃度が高くなるので、このような状態で、副噴射の噴射量を増加させたり、噴射時期を進角させたりした場合には、燃焼騒音の増大やNOx排出量の増大を招来するおそれがあ
る。
従って、本発明においては、再生手段によって再生処理が行われた際の、低圧EGR通路を通過する排気の酸素濃度が所定濃度以上である場合には、副噴射の噴射量および/または噴射時期の変更を禁止することとした。そうすれば、還元剤供給手段に何らかの異常が発生し、予定に対して大幅に還元剤の供給量が減少したような場合には、副噴射の噴射量を増加させたり、噴射時期を進角させたりすることを禁止でき、燃焼騒音の増大やNOx排出量の増大を抑制することができる。
また、その際には、前記副噴射制御手段は、前記再生手段によって再生処理が行われた際の、前記低圧EGR通路を通過する排気の酸素濃度が所定濃度以上である場合に、前記燃料供給手段における異常の発生を表示する異常表示手段をさらに備えるようにしてもよい。
そうすれば、還元剤供給手段の異常を運転者に報知することができ、排気浄化装置の性能がそれ以上劣化することを抑制できる。
また、本発明における副噴射手段は、主噴射の前に第1パイロット噴射及び、該第1パイロット噴射に続く第2パイロット噴射を実施するものであり、副噴射の噴射量および/または噴射時期を変更する際には、第2パイロット噴射の噴射量および/または噴射時期を変更するようにしてもよい。
これによれば、第1パイロット噴射と第2パイロット噴射の2つのパイロット噴射のうち、よりメイン噴射に近い第2パイロット噴射の噴射量および/または噴射時期を変更することにより、燃料噴射全体としての安定性を維持しつつ、メイン噴射の着火性や燃焼安定性を効率的に向上させることができる。
また、本発明は、前記内燃機関の排気弁の開閉時期を変更可能な可変動弁機構をさらに備え、前記再生手段によって再生処理が行われた際に、前記還元剤供給手段から前記排気に還元剤が供給される期間を含む所定期間において、前記排気弁の開弁時期を進角させる制御を行う内燃機関に対して適用されてもよい。
このような内燃機関においては、再生処理が行なわれた際に、燃焼直後の高温の排気が排出されるために、還元剤供給手段から排気に供給された還元剤の蒸発性も良くなる。従って、このような内燃機関においては低圧EGR通路を通過する排気の酸素濃度の変化もより顕著になり易い。従って、このような内燃機関に本発明を適用することにより、より効率的に発明の効果を得ることが可能となる。
なお、本発明における課題を解決するための手段は、可能な限り組み合わせて使用することができる。
本発明にあっては、排気系を通過する排気の一部を吸気系に再循環するEGRを行う内燃機関において、再循環する排気の酸素濃度の変化が、内燃機関における燃焼状態や機関出力に影響を及ぼすことを抑制できる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。
図1は本発明を適用する内燃機関及び吸排気系、制御系の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、4つの気筒2を有するディーゼル機関である。
内燃機関1には、吸気マニホールド8が接続されており、吸気マニホールド8の各枝管は吸気ポートを介して各気筒2の燃焼室と連通されている。吸気マニホールド8と吸気管9との接続部近傍には、吸気管9の流路断面積を変更可能なスロットル弁12が設けられている。スロットル弁12は電気配線を介して後述するECU22に接続されており、ECU22からの制御信号に基づいてその弁開度が制御される事で、吸気管9を流れる吸気の流量を調節する事ができる。スロットル弁12より上流には、吸気管9を流れるガスを冷却するインタークーラ13が設けられている。
インタークーラ13より上流には、排気のエネルギを駆動源として作動する遠心過給機10のコンプレッサが格納されたコンプレッサハウジング6が設けられている。コンプレッサハウジング6のさらに上流側には吸気管9の流路断面積を変更可能な第2スロットル弁17が設けられている。第2スロットル弁17もECU22に接続されており、ECU22からの制御信号に基づいて吸気管9を流れる吸気の流量を調節する。吸気管9における第2スロットル弁17のさらに上流側には、吸気管9を通過する吸気の量を検出するエアフローメータ24と、新気に浮遊するゴミを除去するエアクリーナ25が備えられている。ここで、吸気管9及び吸気マニホールド8は、本実施例において吸気通路を構成する。
一方、内燃機関1には、排気マニホールド18が接続されており、排気マニホールド18の各枝管は排気ポートを介して各気筒2の燃焼室と連通されている。排気マニホールド18には集合管16を介して遠心過給機10のタービンが格納されたタービンハウジング7が接続されている。タービンハウジング7の排気が流出する開口部には排気管19が接続されている。排気管19には排気中のNOxを浄化する排気浄化装置としての吸蔵還元
型NOx触媒20(以下、NSR20)が設けられている。
排気管19のNSR20より上流側には、排気管19を通過する排気に還元剤としての燃料を添加する還元剤供給手段としての燃料添加弁26が備えられている。この燃料添加弁26は電気配線を介してECU22に接続されており、ECU22からの指令によって燃料を添加するようになっている。NSR20より下流には排気管19の流路断面積を変更可能な排気絞り弁11が設けられている。排気絞り弁11より下流において排気管19は大気に開放されている。排気絞り弁11は電気配線を介してECU22に接続されており、ECU22からの制御信号に基づいてその弁開度が制御される事で、排気管19を流れる排気の流量を調節する事ができる。ここで排気マニホールド18、集合管16及び排気管19は、本実施例における排気通路を構成する。
排気管19のNSR20より下流かつ排気絞り弁11より上流の箇所と、吸気管9のコンプレッサハウジング6より上流の箇所とは、低圧EGR通路としての低圧EGR管23によって連通されている。低圧EGR管23には、低圧EGR管23を流れる排気を冷却
する低圧EGRクーラ14、低圧EGR管23の流路断面積を変更可能な低圧EGR弁5が設けられている。低圧EGR弁5は電気配線を介してECU22に接続されており、ECU22からの制御信号に基づいてその弁開度が制御されることで、低圧EGR管23を流れる排気の量を調節する事ができる(以下、低圧EGR管23を流れる排気を「低圧EGRガス」といい、その量を「低圧EGRガス量」という。)。また、低圧EGR管23における低圧EGRクーラ14の上流側には、低圧EGR管23を通過する低圧EGRガスの酸素濃度を検出する酸素濃度センサとしてのOセンサ27が備えられている。このOセンサ27は電気配線を介してECU22に接続されており、Oセンサ27による検出信号がECU22に入力されるようになっている。
一方、排気マニホールド18と吸気マニホールド8とは高圧EGR管15によって連通されている。高圧EGR管15には、高圧EGR管15の流路断面積を変更可能な高圧EGR弁21が設けられている。高圧EGR弁21は電気配線を介してECU22に接続されており、ECU22からの制御信号に基づいてその弁開度が制御されることで、高圧EGR管15を流れる排気の量を調節する事ができる(以下、高圧EGR通路15を流れる排気を「高圧EGRガス」といい、その量を「高圧EGRガス量」という。)。
また、内燃機関1には、内燃機関1を制御する電子制御コンピュータであるECU22が併設されている。ECU22は図示しないROM、RAM、CPU、入力ポート、出力ポート等を備え、前記各種センサによって検出される内燃機関1の運転状態や運転者による要求に応じて、高圧EGR弁21、低圧EGR弁5、スロットル弁12、第2スロットル弁17、排気絞り弁11に対して開度指令信号を出力する。また、後述する燃料噴射弁3に対して指令信号を出力し、主噴射、副噴射の燃料噴射量及び燃料噴射時期についての制御を行う。
上記の構成において、吸気管9に導入された空気は、エアクリーナ25でゴミが除去された後エアフローメータ24を通過し、コンプレッサハウジング6内のコンプレッサによって過給されるとともに、インタークーラ13、吸気マニホールド8を経由して内燃機関1の各気筒2に導入される。
各気筒2から排出された排気は排気マニホールド18、集合管16を経由し、タービンハウジング7に流入してタービンを駆動する。その後排気管19を通過し、NSR20を通過した後、最終的に大気中に排出される。
ここで、低圧EGR弁5が開弁されると、低圧EGR管23が導通状態となり、排気管19を通過する排気の一部が低圧EGR管23を経由して吸気管9に流入する。吸気管9に流入した低圧EGRガスはコンプレッサハウジング6内のコンプレッサによって過給され、吸気マニホールド8を経由して内燃機関1の気筒2に導入される(低圧EGR管23を経由して行われるEGRを、以下、「低圧EGR」という。)。
また、高圧EGR弁21が開弁されると、高圧EGR管15が導通状態となり、排気マニホールド18を流れる排気の一部が高圧EGR管15を経由して吸気マニホールド8に流入し、内燃機関1の気筒2に再循環する。ここで、スロットル弁12の開度を調節して吸気マニホールド8における高圧EGR管15の分岐箇所の圧力を増減することでも、高圧EGRガス量を調節することができる(高圧EGR管15を経由して行われるEGRを、以下、「高圧EGR」という。)。
このように、低圧EGRおよび/または高圧EGRによって排気の一部を内燃機関1の気筒2に再循環させることによって、燃焼室内における燃焼温度が低下し、燃焼過程で発生するNOxの量を低下させることができる。
なお、本実施例において、低圧EGR弁5は低圧EGR流量制御装置に相当する。また、本実施例においては、低圧EGR弁5と低圧EGR管23を含んで低圧EGR手段が構成される。また、この低圧EGR手段は、本実施例においてEGR手段の一例である。
次に、図2には、上記の内燃機関1の気筒2付近の詳細図を示す。図2に示すように、気筒2には吸気弁31及び排気弁30が備えられている。また、吸気弁31及び排気弁30には、それぞれ吸気弁31及び排気弁30の開閉時期を変更可能な吸気側可変動弁機構(以下、吸気側VVTともいう。)33及び排気側可変動弁機構(以下、排気側VVTともいう。)32が備えられている。この吸気側VVT33及び排気側VVT32は、ECU22からの指令により、図示しない吸気側カム軸及び排気側カム軸の回転位相を変更することにより、吸気弁31及び排気弁30の開閉時期を進角または遅角させる。
また、気筒2には燃料噴射弁3が備えられており、ECU22からの指令によって気筒2中に直接燃料を噴射するようになっている。本実施例の内燃機関1においては、図3に示すように、内燃機関1の機関出力となるべき燃焼の主要因となる主噴射の前に、副噴射として第1パイロット噴射と第2パイロット噴射を実施している。この第1パイロット噴射と第2パイロット噴射により、主噴射が行なわれる前に、気筒2内に燃料が拡散した雰囲気を形成し、主噴射が行なわれた際の着火性及び燃焼の安定性を確保するようになっている。ここで、ECU22及び燃料噴射弁3は、本実施例における副噴射手段を構成する。
ここで、内燃機関1の排気系において、NSR20に対するNOx還元処理を実施する
場合について考える。この場合は、燃料添加弁26から還元剤としての燃料を排気中に添加し、この燃料をNSR20に供給することによって、NSR20中に吸蔵されているNOxを還元放出する。
本実施例においては、NSR20に対するNOx還元処理において燃料添加弁26から
燃料を添加している期間と、その前後の期間を含む所定期間において、排気側VVT32によって、排気弁30の進角制御を行うこととしている。すなわち、圧縮上死点付近における燃焼後の排気行程において、排気弁30の開弁時期を早めることにより、燃焼直後の高温の排気を排出し、燃料添加弁26から添加された燃料の蒸発性を向上させ、排気管19への燃料付着を抑制することで、より効率的にNSR20に対するNOx還元処理がで
きるようにしている。なお、これらの制御もECU22からの指令信号に基づいて実施される。従って、本実施例においてECU22は再生手段に相当する。また、NOx還元処
理は再生処理の一例である。
ところで、NSR20に対するNOx還元処理を実行した場合には、還元剤としての燃
料のNSR20における触媒反応の結果生じたCOなどの不活性ガスの一部が、低圧EGR管23を経由して内燃機関1に再循環される。そうすると、気筒2における燃焼が不安定化し、図4に示すように機関出力が低下する場合や、失火が生じる場合があった。
このような不都合に対し、本実施例では、NSR20に対するNOx還元処理において
、燃料添加弁26からの燃料添加の後にOセンサ27の出力信号をモニターし、Oセンサ27の出力信号から取得される、低圧EGR管23を通過する排気の酸素濃度に応じて、第2パイロット噴射に係る噴射量および噴射時期を変更することとした。
図5には、NSR20に対するNOx還元処理において、燃料添加弁26からの燃料添
加が実施された場合の、Oセンサ27の出力信号の変化及び、Oセンサ27の出力の各領域における第2パイロット噴射の噴射量及び噴射時期について示す。
図に示すように、燃料添加弁26からの燃料添加があった後は、Oセンサ27によって検出される酸素濃度は一旦急激に低下する。そして、その後徐々に回復し、燃料添加前の状態に戻る。本実施例においては、酸素濃度が低下して図中のA領域においてピークを迎えたとすると、その時点で、A領域の酸素濃度に対して予め定められた噴射量ΔFだけ、第2パイロット噴射の噴射量を増量し、A領域の酸素濃度に対して予め定められた噴射時期ΔTだけ、第2パイロット噴射の噴射時期を進角させる。
これにより、図4に示したような、気筒2内の筒内圧の低下及び機関出力の低下を抑制することができる。そして、本実施例においては、Oセンサ27によって検出された酸素濃度が、一旦A領域まで急激に低下した後に、徐々に回復する過程において、徐々に第2パイロット噴射の噴射量の増量と、噴射時期の進角とを解除していく。
具体的には、酸素濃度がB領域まで回復した時点では、第2パイロット噴射の噴射量の増量分をΔF/2まで減量する。そして、さらに酸素濃度がC領域まで回復した時点では、第2パイロット噴射の噴射量の増量分をΔF/2まで減量するとともに、噴射時期の進角量をΔT/2まで減量する。さらに、酸素濃度がD領域まで回復した時点では、第2パイロット噴射の噴射量の増量をなしとし、噴射時期の進角量もなしとする。
このように、本実施例においては、まず、低圧EGR管23に設けられたOセンサ27によって検出された酸素濃度が急激に低下した際に、その際の酸素濃度に応じて第2パイロット噴射の噴射量を増量するとともに噴射時期を進角した。これにより、気筒2において主噴射が行なわれる前の段階で、気筒2において拡散している燃料量を増加させるとともに微粒化を促進することができる。その結果、主噴射が行なわれた際に気筒2において発生する機関出力の減少や失火を抑制することができる。
また、その後の酸素濃度の増加過程においては、酸素濃度に応じて、第2パイロット噴射の噴射量の増量及び、噴射時期の進角量を変更(減少)させた。これにより、第2パイロット噴射の噴射量の増量及び噴射時期の進角量が過剰に大きいことに起因する機関出力の過剰な増加を抑制することができる。これらにより、NSR20に対するNOx還元処
理が行なわれた際の、内燃機関1の機関出力の安定性を向上させることができる。
また、本実施例においては、第2パイロット噴射の噴射量の増量及び噴射時期の進角量について、Oセンサ27によって検出された酸素濃度の属する領域に応じて予め定められた値に適宜変更することとしているので、簡単な制御で、内燃機関1の機関出力の安定性を向上させることができる。
なお、上述した、酸素濃度が一旦減少した後の増加過程において、第2パイロット噴射の噴射量の増量及び噴射時期の進角量を減少させる際の減少割合、すなわち、B領域において、噴射量の増量分をΔFからΔF/2にしたことや、C領域において、噴射時期の進角量をΔTからΔT/2にしたことは、本発明に係る制御の一例に過ぎない。具体的な減少割合についてはもちろん変更が可能である。
次に、本発明の実施例2について説明する。本実施例においては、酸素濃度センサの検出信号に基づいて、第2パイロット噴射における噴射量の増加量及び噴射時期の進角量について、酸素濃度に応じた値をマップから読み出して決定する例について説明する。なお、本実施例における内燃機関1及び、その吸排気系、制御系は図1に示したものと同等である。
図6には、本実施例における第2パイロット噴射の噴射量及び噴射時期制御ルーチンについてのフローチャートを示す。本ルーチンは、ECU22のROMに記憶されたプログラムであり、内燃機関1の稼動中は所定期間毎に実行されるルーチンである。
本ルーチンが実行されるとまず、S101において、酸素濃度が取得される。具体的には、Oセンサ27の出力信号がECU22に読み込まれることによって取得される。S101の処理が終了するとS102に進む。
S102においては、リッチスパイク処理の実行中か否かが判定される。すなわち、NSR20へのNOx還元処理において燃料添加弁26から燃料が添加される制御の実行中
か否かが判定される。具体的には、リッチスパイク処理の実行中にONされるフラグの値をECU22に読み込むことによって判定してもよいし、燃料添加弁26の作動電流値を検出することによって判定してもよい。ここで、リッチスパイク処理の実行中であると判定されえた場合にはS103に進む。一方、リッチスパイク処理の実行中でないと判定された場合には、本ルーチンを一旦終了する。
S103においては、S101で得られた酸素濃度が添加異常濃度OC1以上かどうかが判定される。ここで、添加異常濃度OC1は、燃料添加弁26が正常な状態であって、NSR20に対するNOx還元処理で燃料添加が行なわれた場合には、低圧EGR管23
を通過する排気の酸素濃度はこれより低くなるはずと判断できる酸素濃度の値であり、予め実験的に求められる。すなわち、低圧EGR管23を通過する排気の酸素濃度がこれ以上である場合は、燃料添加弁26に何らかの異常が発生したと判断できる閾値としての酸素濃度である。ここで、S101で得られた酸素濃度がOC1より低いと判定された場合には、S104に進む。一方、OC1以上と判定された場合には、S106に進む。
S104においては、S101において取得された酸素濃度に応じた、第2パイロット噴射の噴射量の増加量と噴射時期の進角量とが、図7に示すような、噴射量増加量、噴射時期進角量マップから読み出されることによって導出される。S104の処理が終了するとS105に進む。
S105においては、S104において導出された第2パイロット噴射の噴射量の増加量と、噴射時期の進角量とに基づいて、第2パイロット噴射の噴射量の増加と、噴射時期の進角が実施される。S105の処理が終了すると本ルーチンを一旦終了する。
また、S106においては、第2パイロット噴射の噴射量の増加と、噴射時期の進角は行われず、噴射量の増加と噴射時期の進角がない状態に維持される。S106の処理が終了すると本ルーチンを一旦終了する。
以上、説明したように、本実施例においては、Oセンサ27によって検出された酸素濃度の値に応じて、最適の第2パイロット噴射の噴射量の増加量と、噴射時期の進角量とがマップから導出され、これに基づいて、第2パイロット噴射の噴射量の増加と、噴射時期の進角が実施される。従って、酸素濃度の値の変化に応じてリアルタイムに第2パイロット噴射の噴射量の増加量と、噴射時期の進角量とを最適に制御することができる。これにより、NSR20に対するNOx還元処理において燃料添加弁26から燃料添加を行な
った際に、気筒2において発生する機関出力の変化をより確実に抑制することができ、内燃機関1の機関出力を安定化することができる。なお、本実施例において第2パイロット噴射の噴射量及び噴射時期制御ルーチンを実行するECU22は副噴射制御手段に相当する。
また、本実施例においては、NSR20に対するNOx還元処理において燃料添加弁2
6から燃料添加を行なった際に、酸素濃度が添加異常濃度OC1以上である場合には、燃料添加弁27に異常が発生したと判断して、第2パイロット噴射の噴射量の増量及び、噴射時期の進角を禁止した。従って、燃料添加弁26の異常に起因する高酸素濃度状態で、第2パイロット噴射の噴射量が増量したり噴射時期が進角したりすることを抑制でき、燃焼騒音の増大やNOx発生量の増大を抑制することができる。
図8には、燃料添加弁26に異常が生じた状態で、NSR20に対するNOx還元処理
で燃料添加が行なわれた場合の酸素濃度の変化及び、添加異常濃度OC1の値の例について示す。なお、この添加異常濃度OC1は本実施例において所定濃度に相当する。
次に、本発明における実施例3について説明する。本実施例においては、燃料添加弁の詰まりなどの不具合により、酸素濃度が充分に低下しないと判断された場合に、第2パイロット噴射の噴射量の増量及び、噴射時期の進角を禁止するとともに、燃料添加弁の異常を表示する例について説明する。本実施例における内燃機関1と、その吸排気系及び制御系についても図1に示したものと同等である。
ここで、実施例2でも説明したが、燃料添加弁26において詰まりなどの異常が生じた場合には、燃料添加弁26から燃料添加を実行したとしても、Oセンサ27で検出される酸素濃度が充分に低下しない場合がある。
本実施例においては、このような場合には、実施例2と同様、第2パイロット噴射の噴射量の増量及び、噴射時期の進角を禁止するとともに、燃料添加弁27に異常が生じたことを表示することとしている。
図9には、本実施例における第2パイロット噴射の噴射量及び噴射時期制御ルーチン2についてのフローチャートを示す。本ルーチンは、ECU22のROMに記憶されたプログラムであり、内燃機関1の稼動中は所定期間毎に実行されるルーチンである。
本ルーチンにおけるS101及び、S103〜S106の処理については、図6において説明した処理と同等であるので、説明を省略する。
本ルーチンにおいては、図6で説明した第2パイロット噴射の噴射量及び噴射時期制御ルーチンにおけるS102の処理の代わりに、S201の処理が実行される。S201では、リッチスパイク処理の実行中かどうかを判定する際に、リッチスパイク処理の実行指令がECU22から発せられた際にONされる、リッチスパイクフラグがONされているか否かを判定する。S201の処理が終了するとS103に進む。
本実施例においては、S103において酸素濃度が添加異常濃度OC1以上であると判定された場合には、S106の処理が実行された後、202に進む。
S202においては、今回のリッチスパイクフラグのON期間中に、S103の処理において酸素濃度が添加異常濃度OC1より低くなったことがあるか否かについて判定される。具体的には、リッチスパイクフラグがONで且つ、酸素濃度が添加異常濃度OC1より低くなった場合にONするフラグを設けておき、そのフラグの値を読み込むことによって判定してもよい。
S202において肯定判定された場合には、今回のS103の処理の実施時に酸素濃度がOC1以上であったのは、燃料添加弁27から正常に燃料添加が行われたのちに、酸素濃度が回復してきたことによると判断されるので、このまま本ルーチンを終了する。一方
、S202において否定判定された場合には、今回のS103の処理の実施時に酸素濃度がOC1以上であったのは、燃料添加弁26の異常か、燃料添加弁26から燃料添加が行なわれた直後であるので、未だ酸素濃度がOC1より小さくなるまで低下していないかのいずれかの理由によると判断されるので、S203に進む。
S203においては、さらにOセンサ27によって検出された酸素濃度が取得される。処理の内容はS101と同等である。この処理が終了すると、S204に進む。
S204においては、この時点で酸素濃度が上昇中かどうかが判定される。具体的には、今回の本ルーチンの実行においてS103において取得された酸素濃度と、S203において取得された酸素濃度とが比較され、その大小関係によって判定される。ここで、酸素濃度が下降中であると判定された場合には、燃料添加弁26から燃料添加が行なわれた直後であるので、未だ酸素濃度がOC1より小さくなるまで低下していないと判断されるので、本ルーチンを一旦終了する。一方、酸素濃度が上昇中であると判定された場合には、燃料添加弁26に詰まりなどの異常が生じ、酸素濃度がOC1より低くならないうちに上昇を始めたと判断されるので、S205に進む。
S205においては、燃料添加弁26に異常が発生した旨を表示する。具体的には異常表示手段としての警告ランプを点灯させることによって表示してもよい。S205の処理が終了すると本ルーチンを一旦終了する。
以上、説明したとおり、本実施例においては、S103において酸素濃度が添加異常濃度OC1以上であると判定された場合には、S202〜S204において燃料添加弁26の異常によるものか、それ以外の原因によるものかを判定し、燃料添加弁26の異常によると判断された場合には、S205において燃料添加弁26に異常が発生した旨を表示することとした。これによれば、燃料添加弁26の異常に起因する高酸素濃度状態で、第2パイロット噴射の噴射量の増量と噴射時期の進角とが実行されることで、燃焼騒音の増大やNOx発生量の増大が生じることを抑制できるとともに、燃料添加弁26の異常を運転
者に報知することができる。
なお、上記の実施例において、低圧EGR管23を通過する排気の酸素濃度はOセンサ27によって検出されたが、これを、NSR20のNOx還元処理において燃料添加弁
26から添加される燃料量によって推定するようにしてもよい。すなわち、例えば図5に示したような、酸素濃度の急激な低下時におけるピークの値は、燃料添加弁26から添加される燃料量と高い相関を有する。また、その後の酸素濃度の回復の仕方は、内燃機関1への吸入空気量などから推定することが可能である。
このように、NSR20のNOx還元処理において燃料添加弁26から添加される燃料
量によって、低圧EGR管23を通過する排気の酸素濃度の値を推定すれば、Oセンサ27による酸素濃度の検出を省略することができる可能性があり、コストダウンを促進可能である。
また、上記の実施例においては、再生処理の例としてNSR20のNOx還元処理を挙
げて説明したが、本発明における再生処理はNOx還元処理に限られない。NSR20に
対するSOx被毒回復処理や、また、NSR20の他に微粒子物質を捕集するフィルタを
備えている場合にはPM再生処理を行う場合に、本発明を実施しても構わないことはもちろんである。
また、上記の実施例では、NSR20に対するNOx還元処理において燃料添加弁26
から燃料を添加している期間と、その前後の期間を含む所定期間において、排気側VVT
32によって、排気弁30の進角制御を行うこととしているが、本発明は、この排気弁30の進角制御を行わない場合にも全く問題なく適用可能である。
本発明の実施例における内燃機関と、その吸排気系及び制御系の概略構成を示す図である。 本発明の実施例における内燃機関の気筒付近及び排気系の詳細を示す図である。 本発明の実施例における燃料噴射の態様について示すタイムチャートである。 本発明の実施例における低圧EGR管中の酸素濃度が低下することによる内燃機関の機関出力の低下について示すタイムチャートである。 本発明の実施例1における酸素濃度の変化と、第2パイロット噴射の噴射量の増量及び噴射時期の進角量の変化について示す図である。 本発明の実施例2における第2パイロット噴射の噴射量及び噴射時期制御ルーチンについてのフローチャートである。 本発明の実施例2における酸素濃度と、第2パイロット噴射の噴射量の増加量及び噴射時期の進角量との関係について示すグラフである。 燃料添加弁に異常があった場合の、酸素濃度の変化を示すグラフである。 本発明の実施例3における第2パイロット噴射の噴射量及び噴射時期制御ルーチン2についてのフローチャートである。
符号の説明
1・・・内燃機関
2・・・気筒
3・・・燃料噴射弁
5・・・低圧EGR弁
6・・・コンプレッサハウジング
7・・・タービンハウジング
8・・・吸気マニホールド
9・・・吸気管
10・・・遠心過給機
11・・・排気絞り弁
12・・・スロットル弁
13・・・インタークーラ
14・・・EGRクーラ
15・・・高圧EGR管
16・・・集合管
17・・・第2スロットル弁
18・・・排気マニホールド
19・・・排気管
20・・・NSR
21・・・高圧EGR弁
22・・・ECU
23・・・低圧EGR管
24・・・エアフローメータ
25・・・エアクリーナ
26・・・燃料添加弁
27・・・Oセンサ
30・・・排気弁
31・・・吸気弁
32・・・排気側VVT
33・・・吸気側VVT

Claims (11)

  1. 内燃機関における機関出力を得るための主噴射の実行前に副噴射を行う副噴射手段と、
    前記内燃機関の排気通路を通過する前記内燃機関からの排気の一部を前記内燃機関の吸気通路に再循環させるEGR手段と、
    前記EGR手段により再循環する排気の酸素濃度に応じて前記副噴射の噴射量および/または噴射時期を変更する副噴射制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記内燃機関の吸気通路にコンプレッサが設けられるとともに前記内燃機関の排気通路にタービンが設けられた過給機をさらに備え、
    前記EGR手段は、前記タービンより下流の前記排気通路と前記コンプレッサより上流の前記吸気通路とを連通する低圧EGR通路を有するとともに前記低圧EGR通路を通過する排気の量を制御する低圧EGR流量制御装置を有し、前記タービンより下流の前記排気通路を通過する排気を前記コンプレッサより上流の前記吸気通路に再循環する低圧EGR手段であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記排気通路における前記低圧EGR通路との接続部の上流側に設けられ、前記排気通路を通過する排気を浄化する排気浄化装置と、
    前記排気浄化装置の上流側において還元剤を排気に供給する還元剤供給手段と、
    前記還元剤供給手段に還元剤を排気に供給させることにより前記排気浄化装置に還元剤を供給し、前記排気浄化装置の浄化能力を再生する再生処理を行う再生手段と、
    前記低圧EGR通路に設けられるとともに、該低圧EGR通路を通過する排気の酸素濃度を検出する酸素濃度センサと、
    を更に備え、
    前記再生手段によって前記再生処理が行われた際に、前記酸素濃度センサによって前記低圧EGR手段により再循環する排気の酸素濃度が検出されるとともに、前記副噴射制御手段は、該検出された酸素濃度に応じて前記副噴射の噴射量および/または噴射時期を変更することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記排気通路における前記低圧EGR通路との接続部の上流側に設けられ、前記排気通路を通過する排気を浄化する排気浄化装置と、
    前記排気浄化装置の上流側において還元剤を排気に供給する還元剤供給手段と、
    前記還元剤供給手段に還元剤を排気に供給させることにより前記排気浄化装置に還元剤を供給し、前記排気浄化装置の浄化能力を再生する再生処理を行う再生手段と、
    を更に備え、
    前記再生手段によって前記再生処理が行われた際に、前記還元剤供給手段から排気に供給された還元剤の量によって、前記低圧EGR手段により再循環する排気の酸素濃度が推定されるとともに、前記副噴射制御手段は、該推定された酸素濃度に応じて前記副噴射の噴射量および/または噴射時期を変更することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記副噴射制御手段は、前記再生手段によって前記再生処理が行われた際に前記副噴射の噴射量を変更する場合には、前記低圧EGR手段により再循環する排気の酸素濃度がより低いときにおける前記副噴射の噴射量は、該酸素濃度がより高いときにおける前記副噴射の噴射量以上となるように、前記副噴射の噴射量を変更することを特徴とする請求項3または4に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記副噴射制御手段は、前記再生手段によって前記再生処理が行われた際に前記副噴射の噴射時期を変更する場合には、前記低圧EGR手段により再循環する排気の酸素濃度が
    より低いときにおける前記副噴射の噴射時期は、該酸素濃度がより高いときにおける前記副噴射の噴射時期より早期または同時期となるように、前記副噴射の噴射時期を変更することを特徴とする請求項3または4に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記副噴射制御手段は、前記再生手段によって再生処理が行われた際に、前記還元剤供給手段から排気に還元剤が供給されたことによる、前記低圧EGR通路を通過する排気の酸素濃度の低下量に応じて前記副噴射の噴射量の増加および/または噴射時期の進角を実施し、
    その後における前記酸素濃度の上昇に伴い、前記副噴射の噴射量の減少および/または前記噴射時期の遅角を実施することを特徴とする請求項3または4に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記副噴射制御手段は、前記再生手段によって再生処理が行われた際の、前記低圧EGR通路を通過する排気の酸素濃度が所定濃度以上である場合に、前記副噴射制御手段による前記副噴射の噴射量および/または噴射時期の変更を禁止することを特徴とする請求項3から7のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記副噴射制御手段は、前記再生手段によって再生処理が行われた際の、前記低圧EGR通路を通過する排気の酸素濃度が所定濃度以上である場合に、前記燃料供給手段における異常の発生を表示する異常表示手段をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の内燃機関の制御装置。
  10. 前記副噴射手段は、前記主噴射の前において、第1パイロット噴射及び、該第1パイロット噴射に続く第2パイロット噴射を実施し、
    前記副噴射制御手段は、前記副噴射の噴射量および/または噴射時期を変更する際には、前記第2パイロット噴射の噴射量および/または噴射時期を変更することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
  11. 前記内燃機関の排気弁の開閉時期を変更可能な可変動弁機構をさらに備え、
    前記再生手段によって再生処理が行われた際に、前記還元剤供給手段から前記排気に還元剤が供給される期間を含む所定期間において、前記排気弁の開弁時期を進角させることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
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