JP2003254038A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP2003254038A
JP2003254038A JP2002057790A JP2002057790A JP2003254038A JP 2003254038 A JP2003254038 A JP 2003254038A JP 2002057790 A JP2002057790 A JP 2002057790A JP 2002057790 A JP2002057790 A JP 2002057790A JP 2003254038 A JP2003254038 A JP 2003254038A
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catalyst bed
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gas
heat
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JP2002057790A
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English (en)
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Tomoyuki Ono
智幸 小野
Koichiro Fukuda
光一朗 福田
Soichi Matsushita
宗一 松下
Takao Fukuma
隆雄 福間
Tomihisa Oda
富久 小田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒を担持したパティキュレートフィルタの
触媒床温を精度良く推定する内燃機関の排気浄化装置を
提供すること。 【解決手段】 内燃機関の排気浄化装置は、排気通路に
触媒を担持したパティキュレートフィルタ(DPNR)
と同DPNRに燃料を供給する添加燃料供給手段とを備
え、同DPNRに着目した熱収支を求めるためのモデル
を使用して同DPNRの触媒床温を推定する。このモデ
ルは、DPNRに流入したパティキュレートの酸化熱量
Qpm、入ガスの熱量Qin、供給された添加燃料の反応熱
量Qract、排気ガス中の未燃燃料の反応熱量Qhc、DP
NR表面から放射される放出熱量Qtrns、及び出ガスの
熱量Qexとを演算式により記述していて、排気浄化装置
はこのモデルによりDPNRの熱収支を算出し、同算出
された熱収支とDPNRの熱容量とに基いてDPNRの
触媒床温を推定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排気通路に配設さ
れるとともに触媒を担持したパティキュレートフィルタ
の触媒床温を推定することが可能な内燃機関の排気浄化
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ディーゼルエンジンの排気通
路に、パティキュレートフィルタを配設した排気浄化装
置が知られている。パティキュレートフィルタは、排気
ガス中のススや未燃HCを主成分とする微粒子状物質
(この微粒子状物質は「パティキュレート・マター」と
称呼されるが、以下、単に「パティキュレート」と称呼
する。)を捕集するフィルタである。
【0003】かかるパティキュレートフィルタが捕集し
たパティキュレートにより目詰まりをおこすと、機関の
排気抵抗が増大してしまう。このため、特公平7−10
6290号公報に開示されたパティキュレートフィルタ
は、パティキュレートを酸化するための触媒を担持する
ことでパティキュレートを連続的に酸化・焼失せしめ、
これにより内部にパティキュレートが堆積することを防
止している。
【0004】ところが、このようなパティキュレートフ
ィルタにおいても、流入するガス温度が低いために触媒
床温が低く触媒が十分に活性しておらず、従って、パテ
ィキュレートの連続的な酸化・焼失が行われ難い場合、
或いは、機関の運転状態により短期間内に多量のパティ
キュレートが流入した場合等、パティキュレートが堆積
する場合がある。このため、例えば、パティキュレート
フィルタに添加燃料を供給し、その添加燃料の酸化に伴
う熱で触媒床温を上昇せしめることにより堆積したパテ
ィキュレートの酸化・焼失を促進し、パティキュレート
の堆積を防止する技術も知られている。
【0005】一方、近年、内燃機関から排出されるNO
xの量を低減するために、前記パティキュレートフィル
タに吸蔵還元型NOx触媒と呼ばれる触媒を担持する技
術が開発されてきている。吸蔵還元型NOx触媒は、流
入する排気ガスの空燃比がリーンであるときに同排気ガ
ス中のNOxを吸収し、同排気ガスの空燃比がリッチと
なったときに吸収したNOxを放出・還元し、これによ
りNOxをN2に変換してから大気中に放出する機能を
備えている。かかる吸蔵還元型NOx触媒にあっては、
触媒床温が活性温度以上になると、その浄化率が急に大
きくなる。また、触媒床温が過度に高くなると、触媒が
損傷を受けてその性能が損なわれる場合がある。以上の
ことから、触媒床温を精度良く推定し、推定した触媒床
温に基づいて触媒床温を制御することが望まれている。
【0006】上述した吸蔵還元型NOx触媒を担持した
パティキュレートフィルタをディーゼルエンジンの排気
通路に配設した排気浄化装置は、特開2001−227
325に開示されている。この排気浄化装置は、ディー
ゼルエンジンにより使用される混合気の空燃比が常にリ
ーンであるため、触媒が吸収したNOxを還元すること
ができないことから、パティキュレートフィルタの上流
に還元剤(添加燃料)供給手段を設け、同パティキュレ
ートフィルタに還元剤を供給して触媒に流入するガスの
空燃比を一時的にリッチとし、もってNOxを放出・還
元させるようになっている。そして、この排気浄化装置
は、還元剤供給手段によりパティキュレートフィルタに
供給される還元剤、及びディーゼルエンジンの排気ガス
中に含まれる未燃HC,COからなる可燃燃料が同パテ
ィキュレートフィルタ内で反応したときの発熱量を考慮
することにより、同パティキュレートフィルタ内の触媒
床温を推定するようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記開
示された従来の排気浄化装置は、パティキュレートフィ
ルタにパティキュレートを酸化するための触媒を担持さ
せた場合、同パティキュレートフィルタ内に捕集された
パティキュレートが同フィルタ内で酸化することにより
発生する熱を考慮していないので、触媒床温の推定精度
が良好でないという問題がある。従って、本発明の目的
の一つはパティキュレートフィルタ内でのパティキュレ
ートの酸化熱を考慮することで、一層精度良く触媒床温
を推定することが可能な排気浄化装置を提供することに
ある。
【0008】
【本発明の概要】上記目的を達成するための本発明の特
徴は、内燃機関の排気通路に備えられるとともに触媒を
担持してなるパティキュレートフィルタと、前記パティ
キュレートフィルタに流入する熱量と同パティキュレー
トフィルタから放出される熱量とを演算式で記述すると
ともに同パティキュレートフィルタの熱量の変化量を表
す熱収支を同演算式により算出される熱量を用いた演算
式で記述したモデルに基いて同熱収支を算出する熱収支
算出手段と、前記算出された熱収支に基づいて前記パテ
ィキュレートフィルタの触媒床温を推定する触媒床温推
定手段とを具備した内燃機関の排気浄化装置において、
前記熱収支算出手段のモデルは、少なくとも前記パティ
キュレートフィルタに流入したパティキュレートが同パ
ティキュレート内で酸化される際に発生する熱量である
パティキュレート酸化熱量を前記パティキュレートフィ
ルタに流入する熱量の一つとして扱うように構成された
ことにある。
【0009】これによれば、パティキュレートフィルタ
に流入したパティキュレートが同パティキュレートフィ
ルタ内で酸化される際に発生する熱量、即ちパティキュ
レート酸化熱量が、前記パティキュレートフィルタに流
入する熱量の一つとして同パティキュレートフィルタの
熱収支の算出に考慮されるから、前記算出される熱収支
の精度が向上し、従って、前記算出された熱収支に基づ
いて推定される触媒床温の推定精度が向上する。
【0010】この場合において、前記熱収支算出手段の
モデルは、前記パティキュレート酸化熱量と前記パティ
キュレートフィルタに流入するガスの熱量である入ガス
熱量と同パティキュレートフィルタに流入する可燃燃料
の同パティキュレートフィルタ内での反応熱量とを同パ
ティキュレートフィルタに流入する熱量として扱うとと
もに、同パティキュレートフィルタの外表面から放射さ
れる放出熱量と同パティキュレートフィルタから流出す
るガスの熱量である出ガスの熱量とを同パティキュレー
トフィルタから放出される熱量として扱うように構成さ
れ、前記触媒床温推定手段は、前記算出された熱収支と
前記パティキュレートフィルタの熱容量とに基づいて同
パティキュレートフィルタの触媒床温を推定するように
構成されることが好適である。
【0011】なお、前記パティキュレートフィルタに流
入する可燃燃料には、内燃機関から排出される未燃燃
料、及び、内燃機関の排気浄化装置が、前記パティキュ
レートフィルタに添加燃料を供給する添加燃料供給手段
を備える場合には、同添加燃料供給手段から同パティキ
ュレートフィルタに供給される添加燃料が含まれる。
【0012】これによれば、パティキュレートフィルタ
に流入する上記各熱量と、同パティキュレートフィルタ
から放出される上記各熱量とが考慮されながら、同パテ
ィキュレートフィルタの熱収支が算出される。従って、
前記算出される熱収支の精度が向上するから、前記パテ
ィキュレートフィルタの触媒床温の推定精度が向上す
る。
【0013】上記何れかの排気浄化装置は、前記パティ
キュレートフィルタから流出するガスの温度である出ガ
ス温を検出する出ガス温検出手段と、前記推定された触
媒床温に基づいて前記出ガス温を推定する出ガス温推定
手段とを備えるとともに、前記熱収支算出手段は、前記
出ガス温検出手段により検出された出ガス温と前記出ガ
ス温推定手段により推定された出ガス温とに基いて前記
モデルを修正するように構成されることが好適である。
【0014】パティキュレートフィルタ内を通過するガ
スはパティキュレートフィルタから熱を受け、その結果
が出ガス温の変化として現われる。つまり、パティキュ
レートフィルタの触媒床温と出ガス温との間には、例え
ば、触媒床温に対して一次遅れ処理等の時間遅れ処理を
施せば出ガス温と略一致する温度が得られるといった一
定の関係がある。このことは、実験によっても確認され
た。従って、かかる一定の関係を用いることにより、推
定した触媒床温から出ガス温を推定することができる。
このとき、推定した触媒床温が正しければ(真の触媒床
温と略一致していれば)、前記推定した出ガス温と実際
に検出される出ガス温は一致するはずである。以上のこ
とから、上記構成のように、推定した触媒床温と実際に
検出される出ガス温とに基き、例えば、両温度が一致す
るようにパティキュレートフィルタの熱収支を算出する
ためのモデルを修正すれば、触媒床温の推定精度を向上
することができる。
【0015】また、推定した触媒床温と検出される出ガ
ス温とに基き前記モデルを修正する内燃機関の排気浄化
装置において、前記熱収支算出手段は、前記検出された
出ガス温と前記推定された出ガス温の温度差の時間微分
値に基づいて前記モデルを修正するように構成されるこ
とが好適である。
【0016】これによれば、検出された出ガス温と推定
された出ガス温の温度差の時間微分値に基づいて前記モ
デルが修正されるから、同モデルの誤差を速やかに修正
することができるので、触媒床温の推定精度を一層向上
することができる。
【0017】また、上記内燃機関の排気浄化装置は、前
記パティキュレートフィルタから流出するガスの温度で
ある出ガス温を検出する出ガス温検出手段と、前記検出
された出ガス温の所定期間における平均値である平均検
出出ガス温を算出する平均検出出ガス温算出手段と、前
記推定された触媒床温(推定触媒床温)の前記所定期間
における平均値である平均触媒床温を算出する平均触媒
床温算出手段とを備えるとともに、前記熱収支算出手段
は、前記算出された平均検出出ガス温と前記算出された
平均触媒床温とに基づいて前記モデルを修正するように
構成されることが好適である。
【0018】例えば、内燃機関の排気浄化装置が上述し
た添加燃料供給手段を備えている場合、熱収支算出手段
は添加燃料供給手段からパティキュレートフィルタに供
給される燃料量を同添加燃料供給手段への指示(指令)
信号に基いて算出し、その算出された燃料量に基いて添
加燃料(可燃燃料)の反応熱を演算により算出すること
ができる。しかし、添加燃料供給手段の製造誤差や経時
変化等により、添加燃料供給手段が指示信号に対して予
定される燃料量よりも僅かだけ多い量、又は僅かだけ少
ない量の燃料をパティキュレートフィルタに供給するこ
とがある。このような場合、演算により算出される添加
燃料の反応熱量は実際の添加燃料の反応熱量よりも僅か
だけ大きいか、又は僅かだけ小さくなるから、短時間内
におけるパティキュレートフィルタの算出される熱収支
と真の熱収支との差は小さい。しかし、推定触媒床温は
これらの差の累積に応じた値となるから、時間経過とと
もに同推定触媒床温と真の触媒床温との差は次第に大き
くなる。
【0019】これに対し、実際に検出された出ガス温の
所定期間における平均値である平均検出出ガス温は、真
の触媒床温と推定触媒床温とが一致しているとき、同推
定触媒床温の前記所定期間における平均値である平均触
媒床温に追従して変化する。換言すると、平均検出出ガ
ス温と平均触媒床温の温度差が拡大するということは、
推定触媒床温が真の触媒床温と一致していないことを意
味し、そして、平均検出出ガス温と平均触媒床温の温度
差は、パティキュレートフィルタの触媒床温の推定に用
いられる熱収支と同パティキュレートフィルタの真の熱
収支との差に応じた値となる。
【0020】従って、上記構成のように、平均検出出ガ
ス温と平均触媒床温の温度差に基いて前記パティキュレ
ートフィルタの熱収支を算出するためのモデルを修正す
れば、触媒床温の推定精度を一層向上することができ
る。
【0021】このように前記モデルを修正するために推
定される出ガス温(推定出ガス温)は、前記推定された
触媒床温に対して遅れ処理を施した値に基いて推定され
得るし、検出した又は機関の運転状態から推定した(つ
まり、取得した)入ガス温、及び同入ガス温と前記推定
された触媒床温の温度差に対して遅れ処理を施した値に
基づいても推定され得る。
【0022】また、前記熱収支算出手段は、前記推定さ
れた触媒床温が所定温度以上のとき、前記モデルのパテ
ィキュレート酸化熱量を記述した演算式を修正すること
で同モデルを修正するように構成されることが好適であ
る。
【0023】触媒を担持したパティキュレートフィルタ
において、パティキュレート酸化熱量は、パティキュレ
ートの酸化速度に依存して大きく変化する。また、パテ
ィキュレートの酸化速度は、触媒床温が所定床温より高
い場合に急激に大きくなる。このため、パティキュレー
ト酸化速度が大きい温度領域においては、パティキュレ
ート酸化熱量の推定誤差が、他の熱量の推定誤差よりも
極めて大きくなる。従って、このような温度領域におい
てモデルの修正が必要な場合、パティキュレート酸化熱
量の推定誤差が大きいと考えられるから、同モデルのパ
ティキュレート酸化熱量を記述した演算式を修正するこ
とで同モデルを修正するように構成すれば、同モデルを
的確に修正することが可能となる。その結果、パティキ
ュレートフィルタの熱収支の推定精度が向上するから、
触媒床温の推定精度が向上する。
【0024】また、本発明による内燃機関の排気浄化装
置は、前記内燃機関に燃料を供給する燃料供給手段と、
前記内燃機関が吸入した新気量を計測する新気量計測手
段と、前記パティキュレートフィルタの上流の前記排気
通路に備えられ同パティキュレートフィルタに添加燃料
を供給する添加燃料供給手段と、前記パティキュレート
フィルタから排出される出ガスの空燃比を検出する空燃
比検出手段と、前記燃料供給手段により前記内燃機関に
供給された燃料の量である燃料供給量を算出する燃料供
給量算出手段と、前記検出された空燃比と前記計測され
た新気量と前記算出された燃料供給量とに基いて前記添
加燃料供給手段から前記パティキュレートフィルタに供
給された添加燃料の量を可燃燃料の量として算出する可
燃燃料供給量算出手段とを備えるとともに、前記熱収支
算出手段は、前記可燃燃料の反応熱量を前記算出された
可燃燃料の量と前記モデルの演算式とに基づいて算出
し、同算出された反応熱量に基づいて前記パティキュレ
ートフィルタの熱収支を算出するように構成されること
が好適である。
【0025】上述したように、添加燃料供給手段の製造
誤差や経時変化等により、添加燃料供給手段は指示信号
に対して予定される燃料量よりも僅かだけ多い量、又は
僅かだけ少ない量の燃料を添加することがある。つま
り、添加燃料供給手段の計量精度は相対的に良好でな
い。これに対し、内燃機関に燃料を供給する燃料供給手
段は、同燃料供給手段から機関に供給される燃料の量が
同機関の燃焼・発生トルクを大きく左右するから、その
計量精度が相対的に良好であるように設計される。従っ
て、燃料供給手段により機関に供給された燃料の量であ
る燃料供給量は同燃料供給手段への指令信号に基いて比
較的精度良く算出できる。一方、パティキュレートフィ
ルタの上流において供給された燃料量の総量は、同パテ
ィキュレートフィルタの出ガスの空燃比と新気量とに基
いて比較的精度良く求められる。
【0026】従って、例えば、前記検出された空燃比と
前記計測された新気量とによりパティキュレートフィル
タの上流において供給された燃料量の総量を求め、この
総量から前記算出された燃料供給量を減算することによ
り、前記添加燃料供給手段から前記パティキュレートフ
ィルタに供給された添加燃料の量を精度良く求めること
ができる。即ち、上記構成のように、前記検出された空
燃比と前記計測された新気量と前記算出された燃料供給
量とに基いて前記添加燃料供給手段から前記パティキュ
レートフィルタに供給された添加燃料の量を可燃燃料の
量として求め、この可燃燃料の量に基いて可燃燃料の反
応熱量を求めれば、パティキュレートフィルタの熱収支
の推定精度が向上するため、触媒床温が精度良く推定さ
れ得る。
【0027】また、本発明による内燃機関の排気浄化装
置は、前記機関の運転状態に基づいて前記機関から排出
される未燃燃料の量を可燃燃料量として推定する可燃燃
料量推定手段を備えるとともに、前記熱収支算出手段
は、前記パティキュレートに流入する可燃燃料の同パテ
ィキュレートフィルタ内での反応熱量を前記可燃燃料量
推定手段により推定された可燃燃料量と前記モデルの演
算式とに基づいて算出し、同算出された反応熱量に基づ
いて前記パティキュレートフィルタの熱収支を算出する
ように構成されることが好適である。
【0028】これによれば、内燃機関から排出される未
燃燃料分の前記パティキュレートフィルタ内での反応熱
量が同パティキュレートフィルタの熱収支に反映される
から、同熱収支に基いて推定される触媒床温の推定精度
が向上する。
【0029】また、本発明による内燃機関の排気浄化装
置は、前記パティキュレートフィルタに堆積したパティ
キュレート堆積量を推定するパティキュレート堆積量推
定手段を備えるとともに、前記熱収支算出手段は、前記
パティキュレート酸化熱量を前記推定されたパティキュ
レート堆積量と前記モデルの演算式とに基づいて算出
し、同算出されたパティキュレート酸化熱量に基づいて
前記パティキュレートフィルタの熱収支を算出するよう
に構成されることが好適である。
【0030】パティキュレートフィルタ内でパティキュ
レートの酸化により発生されるパティキュレート酸化熱
量は、同パティキュレートフィルタ内に堆積されたパテ
ィキュレートの量(パティキュレート堆積量)に依存し
て変化する。即ち、パティキュレート堆積量が多いほ
ど、単位時間内により多くのパティキュレートが酸化さ
れるから、パティキュレート酸化熱量は増大する。従っ
て、上記構成のように、パティキュレート堆積量を推定
し、同推定したパティキュレート堆積量に基いてパティ
キュレート酸化熱量を推定すれば、より精度良くパティ
キュレート酸化熱量を推定することができるので、パテ
ィキュレートフィルタの熱収支の推定精度が向上し、そ
の結果、触媒床温が精度良く推定される。
【0031】また、本発明による内燃機関の排気浄化装
置は、指令信号に応じて前記パティキュレートフィルタ
の触媒床温を変更させる触媒床温変更手段と、前記触媒
床温推定手段により推定された触媒床温が上昇している
とき、同推定された触媒床温に所定の正の値を加えた温
度を予測推定触媒床温として求め、同予測推定触媒床温
に基づいて前記指令信号を発生する触媒床温制御手段と
を備えることが好適である。
【0032】これによれば、触媒床温推定手段により推
定された触媒床温が上昇しているとき、同推定された触
媒床温に所定の正の値を加えた温度、即ち、推定触媒床
温より所定の正の温度だけ高い温度が予測推定触媒床温
として求められ、この予測推定触媒床温に基いて触媒床
温が制御されることになる。従って、例えば、予測推定
触媒床温が所定の上限側閾値温度以上となったときに触
媒床温を下降させる制御を開始するように構成すること
で、パティキュレートフィルタ内におけるパティキュレ
ートの酸化速度が急激に上昇し同触媒床温が急増する場
合であっても、より早い段階にて触媒床温の上昇を抑制
する制御を開始できるので、同触媒床温が過大となるこ
とを未然に防止することができる。
【0033】また、本発明による内燃機関の排気浄化装
置は、指令信号に応じて前記パティキュレートフィルタ
の触媒床温を変更させる触媒床温変更手段と、前記パテ
ィキュレートフィルタに流入するガスの温度である入ガ
ス温を取得する入ガス温取得手段と、前記パティキュレ
ートフィルタから流出するガスの温度である出ガス温を
検出する出ガス温検出手段と、前記入ガス温と前記推定
された触媒床温とから前記出ガス温を時間的に遅らせた
温度である遅延出ガス温を推定する遅延出ガス温推定手
段と、前記検出された出ガス温と前記推定された遅延出
ガス温の温度差を減少させるように前記熱収支算出手段
により算出される熱収支を変更するとともに、同変更し
た熱収支に基づいて前記パティキュレートフィルタの触
媒床温を予測推定触媒床温として求め、同予測推定触媒
床温に基づいて前記指令信号を発生する触媒床温制御手
段とを備えることが好適である。
【0034】これによれば、前記(検出又は推定される
ことにより取得された)入ガス温と推定された触媒床温
とから出ガス温を時間的に遅らせた温度である遅延出ガ
ス温が求められる。換言すると、遅延出ガス温は、出ガ
ス温が上昇を続けている場合、同出ガス温よりも低い温
度となる。従って、モデルが正確であってパティキュレ
ートフィルタの熱収支が真値とずれていない場合であっ
ても、遅延出ガス温は検出された出ガス温より低い温度
となる。
【0035】一方、触媒床温制御手段は、前記検出され
た出ガス温と前記推定された遅延出ガス温との温度差が
減少するように前記熱収支算出手段により算出される熱
収支を変更するから、そのように変更された熱収支は出
ガス温が上昇を続ける場合には真の熱収支よりも高めの
値となる。従って、この変更した熱収支に基づいて求め
られる前記パティキュレートフィルタの触媒床温(予測
推定触媒床温)は、真の触媒床温より高めの温度として
求められる。そして、触媒床温制御手段は、この予測推
定触媒床温に基づいて触媒床温を制御するための指令信
号を発生するから、パティキュレートフィルタ内におけ
るパティキュレートの酸化速度が急激に上昇し同触媒床
温が急増する場合であっても、より早い段階にて触媒床
温の上昇を抑制する制御を開始できるので、同触媒床温
が過大となることを未然に防止することができる。
【0036】また、本発明は、触媒を担持してなるパテ
ィキュレートフィルタを排気通路に備えた内燃機関の排
気浄化装置であって、前記パティキュレートフィルタに
流入するガスの温度である入ガス温を検出する入ガス温
検出手段と、前記パティキュレートフィルタから流出す
るガスの温度である出ガス温を検出する出ガス温検出手
段と、前記パティキュレートフィルタ内部で化学反応に
よる熱が発生しないと仮定した場合の前記出ガス温であ
る仮定出ガス温を前記検出した入ガス温に対し遅れ処理
を施した値に基いて推定する仮定出ガス温推定手段と、
前記検出された出ガス温と前記推定された仮定出ガス温
の温度差に基づいて前記パティキュレートフィルタの触
媒床温を推定する触媒床温推定手段とを具備した内燃機
関の排気浄化装置を提供する。
【0037】上記構成により求められる仮定出ガス温
は、検出した入ガス温に対し遅れ処理を施したものであ
って、パティキュレートフィルタ内部で化学反応による
熱が発生しないと仮定した場合の出ガス温である。従っ
て、検出された出ガス温と仮定出ガス温との温度差は、
パティキュレートフィルタ内での化学反応により発生し
た熱量に対応した値となるので、上記構成のように、こ
の温度差に基いて触媒床温を推定すれば、パティキュレ
ートフィルタ内での発生熱量を適切に反映した推定触媒
床温を求めることができる。
【0038】本発明は、また、触媒を担持してなるパテ
ィキュレートフィルタを排気通路に備えた内燃機関の排
気浄化装置であって、前記パティキュレートフィルタに
流入するガスの温度である入ガス温を検出する入ガス温
検出手段と、前記パティキュレートフィルタから流出す
るガスの温度である出ガス温を検出する出ガス温検出手
段と、前記パティキュレートフィルタ内部で化学反応に
よる熱が発生しないと仮定した場合の前記出ガス温であ
る仮定出ガス温を前記検出した入ガス温に対し遅れ処理
を施した値に基いて推定する仮定出ガス温推定手段と、
前記検出された出ガス温と前記推定された仮定出ガス温
の温度差の時間微分値に基づいて前記パティキュレート
フィルタの触媒床温を推定する触媒床温推定手段とを具
備した内燃機関の排気浄化装置を提供する。
【0039】検出された出ガス温とパティキュレートフ
ィルタ内部で化学反応による熱が発生しないと仮定した
場合の出ガス温である仮定出ガス温の温度差は、パティ
キュレートフィルタ内での化学反応により発生した熱量
に対応した値である。換言すると、前記温度差は、パテ
ィキュレートフィルタ内部の化学反応による発熱の結果
としての触媒床温が、同パティキュレートフィルタを通
過するガスの温度に及ぼした影響分に対応していると考
えることができる。
【0040】一方、触媒床温がピーク値(最大値)とな
った後においても入ガス温が触媒床温より低ければ、出
ガス温は上昇を続ける。但し、触媒床温がピーク値とな
った後は、触媒床温は低下し、パティキュレートフィル
タ内部のガス温は上昇するから、触媒床温とパティキュ
レートフィルタ内部のガス温との差が小さくなる。この
ため、触媒床温が同パティキュレートフィルタを通過す
るガスの温度に及ぼした影響分である前記温度差の上昇
速度は低下する。以上のことから、前記温度差の上昇速
度が最大となる時刻近傍で触媒床温は最大になっている
と考えることができる。従って、上記構成のように、こ
の温度差の時間微分値に基いて触媒床温を推定すれば、
同触媒床温の変化傾向を適切に反映しながら、同触媒床
温を精度良く推定することができる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明による内燃機関の排
気浄化装置の各実施形態について図面を参照しつつ説明
する。
【0042】(1.第1実施形態)図1は、本発明の第
1実施形態に係る内燃機関の排気浄化装置を4気筒内燃
機関(ディーゼルエンジン)10に適用したシステムの
概略構成を示している。このシステムは、燃料供給系統
を含むエンジン本体20、エンジン本体20の各気筒に
大気(新気)を導入するための吸気系統30、エンジン
本体20からの排気ガスを放出するための排気系統4
0、EGR装置50、及び電気制御装置60を含んでい
る。
【0043】エンジン本体20の各気筒の上部には燃料
噴射弁21が配設されている。各燃料噴射弁21は、図
示しない燃料タンクと接続された燃料噴射用ポンプ22
に燃料配管23を介して接続されている。これにより、
燃料噴射弁21には、燃料噴射用ポンプ22から噴射圧
力まで昇圧された燃料が供給される。また、燃料噴射弁
21は、電気制御装置60と電気的に接続されていて、
同電気制御装置60からの駆動信号に応じて所定時間だ
け開弁し、これにより各気筒内に前記昇圧された燃料を
噴射するようになっている。
【0044】吸気系統30は、エンジン本体20の各気
筒にそれぞれ接続された吸気マニホールド31、吸気マ
ニホールド31の上流側集合部に接続された吸気管3
2、吸気管32内に回動可能に保持されたスロットル弁
33、電気制御装置60からの駆動信号に応答してスロ
ットル弁を回転駆動するスロットル弁アクチュエータ3
3a、吸気管32の先端部に配設されたエアクリーナ3
4とを含んでいる。吸気マニホールド31、及び吸気管
32は吸気通路を構成している。
【0045】排気系統40は、エンジン本体20の各気
筒にそれぞれ接続された排気マニホールド41、排気マ
ニホールド41の下流側集合部に接続された排気管4
2、排気管42に介装されるとともにNOx触媒及び捕
集したパティキュレートを酸化する触媒を担持したディ
ーゼルパティキュレートフィルタ(以下、「DPNR」
と称呼する。)43、及びDPNR43の上流の排気通
路に配設され添加燃料(軽油)をDPNR43に供給す
る添加燃料供給手段44を含んでいる。排気マニホール
ド41及び排気管42は排気通路を構成している。
【0046】DPNR43は、図示しないケースと同ケ
ース内に収納されたフィルタ部とからなっている。フィ
ルタ部は、その正面図である図2、及び図2の1−1線
に沿った平面にてフィルタ部を切断した断面図である図
3に示したように、長円正面形状を有し、その内部が軸
線方向に延在する隔壁(基材)43aにより多数の軸線
方向空間に細分されている。各軸線方向空間は、同軸線
に垂直な平面で切断すると、略正方形状を有している。
また、隔壁43aは、例えば、コージライト(セラミッ
クの一種)のような多数の細孔を有する材料(即ち、多
孔質材料)から形成されている。
【0047】このDPNR43においては、排気ガス流
入側端部にて隣接する軸線方向空間が交互に栓43bに
より閉塞されている。また、排気ガス流入側端部にて栓
43bにより閉塞されていない軸線方向空間は、排気ガ
ス流出側端部にて栓43cにより閉塞されている。
【0048】かかる構造により、隣接する二つの軸線方
向空間の一方(排気ガス流入側端部にて栓43bにより
閉塞されていない空間)は排気ガスが流入する流入通路
43dとなり、他方(排気ガス流出側端部にて栓43c
により閉塞されていない空間)は排気ガスが流出する流
出通路43eとなる。この結果、図3に矢印にて示した
ように、流入通路43dに流入した排気ガスは隔壁43
aを通過して流出通路43eに導かれ、同流出通路43
eを介して外部に放出される。この排気ガスの流れによ
り、排気ガス中のパティキュレートは隔壁43aの細孔
表面に衝突して捕集される。このような構造のDPNR
43は、ハニカム構造を有する所謂ウオールフロー型フ
ィルタと呼ばれる。
【0049】一方、DPNR43の隔壁43aの表面に
は、触媒の担体としてのアルミナ(Al23)がコート
されていて、同アルミナに捕集したパティキュレートを
酸化させる(及び/又は、酸化作用を有する)触媒が担
持されている。この酸化作用を有する触媒はPt等の貴
金属である。これにより、前記DPNR43の細孔表面
に捕集されたパティキュレートは、輝炎を発することな
く数分程度で酸化せしめられてDPNR43の外部に放
出される。
【0050】このパティキュレートの酸化速度Voxdz
は、触媒床温(この実施形態では、DPNR43の基材
の温度、即ち、実質的に隔壁(基材)43aとアルミナ
のコート層の温度である。)の影響を最も強く受け、酸
化速度Voxdzと触媒床温Tbctruとの関係を示したグラ
フである図4に示したように、触媒床温Tbctruが上昇
するとともに大きくなる。なお、ここでの酸化速度Vox
dzはパティキュレート一粒子当たりが酸化される速度で
あって、単位は(g/sec)/g(=1/sec)である。従
って、この酸化速度VoxdzにDPNR43に捕集されて
いるパティキュレートの質量Gpmを乗ずることにより、
単位時間あたりにDPNR43内部で酸化されるパティ
キュレートの質量が求められる。
【0051】一方、DPNR43内で酸化されることに
より同DPNR43の外部に放出されるパティキュレー
トの量よりも、同DPNR43に捕集されるパティキュ
レートの量が多くなると、同DPNR43内にパティキ
ュレートが堆積し、その捕集能力が低下するとともに、
エンジン10の排気抵抗が増大する。
【0052】このため、本排気浄化装置は、前述した添
加燃料供給手段44からDPNR43に添加燃料を供給
し、同添加燃料がDPNR43の内部で燃焼することに
伴って発生する熱により触媒床温を上昇せしめ、パティ
キュレートの酸化速度Voxdzを上昇させることで堆積し
たDPNR43を酸化して除去する。即ち、本排気浄化
装置は、添加燃料の供給によりフィルタの再生を定期的
に行うことで、DPNR43のパティキュレート捕集能
力を維持する。なお、パティキュレートが酸化されるた
めには酸素が必要であるから、添加燃料供給手段44か
らの添加燃料の供給量は、DPNR43の全体の空燃比
がリッチとならない程度(即ち、DPNR43内にパテ
ィキュレートを酸化させるための酸素が十分に存在する
リーン空燃比が得られる程度)の量に設定される。
【0053】他方、DPNR43は、前記担体としての
アルミナに、カリウムK,ナトリウムNa,リチウムL
i,セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムB
a,カルシウムCaのようなアルカリ土類金属、及びラ
ンタンLa、イットリウムYのような希土類金属から選
ばれた少なくとも一つを、前記担持した白金とともに担
持している。
【0054】これにより、DPNR43は、その触媒床
温Tbctruが所定温度(例えば400℃)以上であれ
ば、DPNR43に流入するガスの空燃比が理論空燃比
よりもリーンのときにNOxを吸収し、同流入するガス
の空燃比が理論空燃比、又は理論空燃比よりもリッチの
ときに吸収したNOxをNO2又はNOとして放出する
ようになっている。また、この放出されたNO2又はN
OはDPNR43に流入するリッチ空燃比のガス中の未
燃HCや未燃COと反応してN2に還元せしめられて外
部に放出される。このように、DPNR43は、NOx
を吸収した後に同吸収したNOxを放出して還元する吸
蔵還元型NOx触媒としても機能するようになってい
る。
【0055】ところで、本排気浄化装置はディーゼルエ
ンジン10に適用されている。ディーゼルエンジン10
においては、燃焼室に供給する混合気の空燃比が理論空
燃比又はリッチな空燃比であると燃焼の際に煤が発生す
るなどの問題が生じるので、燃焼室に供給する混合気の
空燃比は理論空燃比よりもリーンな空燃比とせざるを得
ない。そうすると、DPNR43には常に空燃比がリー
ンなガスが流入することになるから、DPNR43は吸
収したNOxを放出・還元することができず、吸収した
NOxの量が最大量に到達するとNOxをそれ以上に浄
化することができない。
【0056】このため、本排気浄化装置は、理論空燃比
よりもリッチな空燃比を有するガスがDPNR43の内
部を周期的に通過するように、前述した添加燃料供給手
段44からDPNR43に添加燃料を供給し、これによ
り、NOxの放出・還元を達成し、NOxを良好に浄化
するようになっている。
【0057】再び、図1を参照すると、添加燃料供給手
段44は、何れも図示しない噴射ノズルと電磁式開閉弁
とを内蔵している。噴射ノズルは、燃料噴射用ポンプ2
2に燃料配管24を介して接続されていて、前記燃料噴
射圧よりも低い略一定圧力に昇圧された燃料が供給され
るようになっている。電磁式開閉弁は、電気制御装置6
0と電気的に接続されていて、同電気制御装置60から
のパルス状の駆動信号に応答し、前記駆動信号がハイレ
ベルとなっている時間だけ開弁することにより、同時間
に応じた(比例した)燃料量の燃料(可燃燃料である添
加燃料)をDPNR43に添加・供給するようになって
いる。
【0058】EGR装置50は、排気ガス再循環通路を
構成するEGR管51とEGR管51に介装されたEG
R弁52とを備えている。EGR管51は添加燃料供給
手段44の上流側排気通路とスロットル弁33の下流側
吸気通路を連通している。EGR弁52は電気制御装置
60からの駆動信号に応答し、再循環される排気ガス量
(EGR量)が、エンジン回転速度NE(単位は、rp
m)と一吸気行程あたりの筒内燃料噴射量qfin(又は、
アクセル開度Accpに基づく要求トルクTQ)とに応じて一
義的に決定される目標EGR量と等しくなるように、E
GR管51内部のEGR通路の開口断面積を変更するよ
うになっている。なお、EGR弁により、EGR率を制
御するように構成してもよい。
【0059】電気制御装置60は、互いにバスで接続さ
れたCPU61、CPU61が実行するプログラム、テ
ーブル(ルックアップテーブル、マップ)、定数等を予
め記憶したROM62、CPU61が必要に応じてデー
タを一時的に格納するRAM63、電源が投入された状
態でデータを格納するとともに同格納したデータを電源
が遮断されている間も保持するバックアップRAM6
4、及びADコンバータを含むインターフェース65等
からなるマイクロコンピュータである。インターフェー
ス65は、新気量計測手段である熱線式エアフローメー
タ71、入ガス温センサ72、出ガス温センサ73、差
圧センサ74、エンジン回転速度センサ75、及びアク
セル開度センサ76と接続されていて、これらのセンサ
からの信号をCPUに供給するようになっている。ま
た、インターフェース65は、燃料噴射弁21、スロッ
トル弁アクチュエータ33a、添加燃料供給手段44、
及びEGR弁52と接続されていて、CPU61の指示
に応じてこれらに前述した駆動信号を送出するようにな
っている。
【0060】熱線式エアフローメータ71は、吸気通路
内を通過する吸入空気の質量流量(単位時間当りの吸入
空気量、単位時間あたりの新気量)を計測し、同質量流
量を表す信号Gaを発生するようになっている。入ガス
温センサ72は、DPNR43の上流側の排気通路内に
配置され、DPNR43に流入するガス(入ガス)の温
度を表す信号Tinを発生するようになっている。出ガス
温センサ73は、DPNR43の下流側の排気通路内に
配置され、DPNR43から流出するガス(出ガス)の
温度を表す信号Texを発生するようになっている。
【0061】差圧センサ74は、DPNR43の上流側
の排気管42内の圧力と下流側の排気管42内の圧力と
の差、即ち、DPNR43の前後差圧を計測し、同前後
差圧を表す信号dpactを発生するようになっている。エ
ンジン回転速度センサ75は、内燃機関10の回転速度
を検出し、エンジン回転速度NEを表す信号を発生するよ
うになっている。アクセル開度センサ76は、アクセル
ペダルの操作量を検出し、アクセル操作量を表す信号Ac
cpを発生するようになっている。
【0062】(第1実施形態の触媒床温推定原理)次
に、上記のように構成された排気浄化装置による触媒床
温の推定原理について説明すると、同排気浄化装置は、
DPNR43に着目し、同DPNR43についての熱収
支(即ち、DPNR43に流入する熱量とDPNR43
から放出される熱量の差)と、DPNR43の熱容量と
に基づいて、DPNR43の触媒床温Tbcを推定する。
以下、必要に応じ、推定される触媒床温を推定触媒床温
Tbcと称呼することもある。
【0063】具体的に述べると、モデル(触媒床温推定
モデル)の考え方を表した図5に示したように、DPN
R43の熱収支Qdpnrを考えるにあたり考慮すべき熱量
には、DPNR43に流入する熱量としての入ガス熱量
Qin、パティキュレート酸化熱量Qpm、添加燃料の反応
熱(反応熱量)Qract、及び排気ガスに含まれる未燃燃
料の反応熱(反応熱量)Qhcと、DPNR43から放出
される熱量としての出ガス熱量Qex、及びDPNR43
の外表面から放射される熱量である放出熱量Qtrnsとが
存在する。従って、DPNR43の熱収支Qdpnrは、下
記の数1により表される。これらの各熱量は単位時間当
たりの熱量である。前記モデルは、後に詳述するよう
に、これらの各熱量を演算式により記述している。
【0064】
【数1】 Qdpnr=(Qin−Qex)+Qpm+Qract+Qhc−Qtrn
【0065】そして、DPNR43の比熱をC、質量を
Mとすると、単位時間あたりにおけるDPNR43の温
度変化ΔTbcは下記数2で表され、DPNR43の触媒
床温Tbcは温度変化ΔTbcの積算値であるから、下記数
3により推定される。Tbc(i−1)は、単位時間前の
推定された触媒床温である。
【0066】
【数2】ΔTbc=Qdpnr/(M・C)
【0067】
【数3】Tbc(i)=ΔTbc+Tbc(i−1)
【0068】<入ガス熱量Qin,出ガス熱量Qex>以
下、上記数1、及び同数1の右辺に示した各熱量につい
て詳述する。先ず、DPNR43内で化学的な反応が発
生しないと仮定した場合に、DPNR43を通過するガ
スによりDPNR43に与えられる熱量は(入ガス熱量
Qin−出ガス熱量Qex)である。入ガス熱量Qinは、D
PNR43に流入するガス(入ガス)が有する熱量であ
って、入ガスの流量をm、入ガスの比熱をCvi、入ガス
の温度をTinとすれば、下記数4により求められる。
【0069】
【数4】Qin=m・Cvi・Tin
【0070】ここで、入ガスの流量mの求め方について
述べると、先ず、エンジン回転速度NEと一吸気行程あた
りの筒内燃料噴射量qfin(又は、アクセル開度Accpに基
づく要求トルクTQ)とで区分される運転状態毎に同入ガ
スの流量mを実験により計測するとともに、この計測さ
れたエンジン回転速度NE及び筒内燃料噴射量qfinと入ガ
スの流量mとの関係をマップ化してROM52内にマッ
プMmとして記憶させておく。そして、実際の運転におい
ては、実際のエンジン回転速度NE、及び実際の筒内燃料
噴射量qfinを取得し、これらと前記マップMmに記憶され
ている関係とを用いることにより、実際の入ガスの流量
mを求める。
【0071】同様に、出ガス熱量Qexは、DPNR43
から流出するガス(出ガス)が有する熱量であって、出
ガスの比熱をCve、出ガスの温度をTexとすれば、下記
数5により求められる。なお、出ガスの流量は入ガスの
流量と等しい流量mである。
【0072】
【数5】Qex=m・Cve・Tex
【0073】上記数4及び上記数5における入ガス温T
in及び出ガス温Texには、それぞれ入ガス温センサ72
及び出ガス温センサ73の計測値を適用することができ
る。これに対し、入ガス温Tinをエンジン回転速度NEと
一吸気行程あたりの筒内燃料噴射量qfin(又は、アクセ
ル開度Accpに基づく要求トルクTQ)とで区分される運転
状態毎に予め実験により計測するとともに、エンジン回
転速度NE及び筒内燃料噴射量qfinと入ガス温Tinとの関
係をマップとしてROM52内に記憶させておき、実際
のエンジン回転速度と実際の筒内燃料噴射量qfinと記憶
したマップとに基づいて入ガス温Tinを求めるようにす
ることもできる。また、この場合、出ガス温Texは、入
ガス温Tinの最新値を推定した時点からの経過時間を
t、入ガス温Tinの変化が出ガス温Texの変化として現
われるまでの時定数をTseとするとき、下記数6により
推定することもできる。数6は、出ガス温Texは、入ガ
ス温Tinに一次遅れ処理を施した値に近似した値となる
との知見に基づく。
【0074】
【数6】Tex=((1−exp(−t/Tse))・Tin
【0075】このように、入ガス温Tin及び出ガス温T
exを推定するように構成すれば、入ガス温センサ72及
び出ガス温センサ73による入ガス温Tin及び出ガス温
Texの計測遅れがないので、精度良く入ガス温Tin及び
出ガス温Texを推定することができる。その結果、触媒
床温Tbcも精度良く推定することが可能となる。なお、
このように推定された入ガス温Tin及び出ガス温Tex
は、特に矛盾が生じない限り、本発明による他の実施形
態で使用する入ガス温、及び出ガス温としても使用でき
る。
【0076】<パティキュレート酸化熱量Qpm>パティ
キュレート酸化熱量Qpmは、DPNR43内に捕集され
たパティキュレートが酸化される際に発生する熱量であ
って、パティキュレートの低位発熱量をLup、パティキ
ュレートの上述した酸化速度をVoxdz、DPNR43内
に捕集されて堆積しているパティキュレートの堆積量を
Gpmとするとき、下記数7により表される。
【0077】
【数7】Qpm=Lup・Voxdz・Gpm
【0078】数7の右辺における酸化速度Voxdzは、上
記数3によって繰り返し推定される触媒床温の前回値T
bc(i−1)と、図4に実線にて示したグラフをマップ
化してROM52に記憶させておいたマップMVとから求
めることができる。なお、酸化速度Voxdzは、下記数8
に示したような関数により近似的に求めることもでき
る。数8において、A,Bは一定の定数である。
【0079】
【数8】Voxdz=A・exp(−B/Tbc(i−1))
【0080】上記数7の右辺におけるパティキュレート
の堆積量Gpmは、例えば、新たに吸入される吸入空気量
(新気量)Gaを用いる方法、DPNR43の前後差圧d
pactを用いる方法、DPNR43に流入するパティキュ
レート量(パティキュレート流入見込み量)GpminとD
PNR43にて酸化されるパティキュレート量(フィル
タ再生見込み量)Grgnとから求める方法がある。以
下、これらについて簡単に説明する。
【0081】<<新たに吸入される吸入空気量(新気
量)Gaを用いる方法>>DPNR43は、パティキュ
レートが堆積していないクリーンな場合(例えば、DP
NR43が新品である場合)、内部を通過するガスに対
して小さい抵抗を呈する。これに対し、パティキュレー
トの堆積量が増大すると、内部を通過するガスに対する
抵抗は大きくなる。即ち、DPNR43にパティキュレ
ートが堆積するにつれて機関10の排気抵抗は大きくな
るので、特に、EGR弁52の開度を全開にするとEG
R量が増大し、その結果、機関10が新たに吸入する空
気量(新気量)は大きく減少する。
【0082】そこで、先ず、新品のDPNR43を排気
管42に装着し、減速フューエルカット時等の特定の運
転条件を成立させ、スロットル弁33の開度を全開とす
るとともにEGR弁52の開度を全開とし、その際にエ
アフローメータ71により計測された新気量Gaを基準
新気量GntrgとしてROM52内に記憶させておく。ま
た、パティキュレート堆積量Gpmが既知である種々のD
PNR43を排気管42に装着し、前記特定の運転条件
下でスロットル弁33の開度を全開とするとともにEG
R弁52の開度を全開とし、その際の新気量Gaをエア
フローメータ71により計測し、このようして得られる
基準新気量Gntrgと新気量Gaの差(Gntrg−Ga)とパ
ティキュレート堆積量Gpmとの関係をマップ化し、これ
をROM52内にマップMGPMとして記憶させておく。
【0083】そして、実際の運転時において、前記特定
の運転条件が成立したとき、スロットル弁33の開度を
全開とするとともにEGR弁52の開度を全開としてエ
アフローメータ71により計測された新気量を実際の新
気量Gaとして読み込み、前記記憶してある基準新気量
Gntrgと前記実際の新気量Gaとの差と、前記記憶して
あるマップMGPMとに基づいて実際のパティキュレート堆
積量Gpmを推定する。このようにすれば、新気量Gaに
基づいてパティキュレート堆積量Gpmを求めることがで
きる。
【0084】<<DPNR43の前後差圧dpactを用い
る方法>>前述したように、DPNR43は、パティキ
ュレートの堆積量が増大すると、内部を通過するガスに
対し大きな流路抵抗を呈する。従って、パティキュレー
ト堆積量Gpmが大きくなるほどDPNR43の前後差圧
(即ち、DPNR43の上流側排気管42内の圧力Pin
とDPNR43の下流側排気管42内の圧力Pexとの差
圧)dpactは増大する。
【0085】そこで、DPNR43の前後差圧dpactと
パティキュレート堆積量Gpmとの関係を予め実験により
求め、これをマップ化してROM52内にマップMdpmと
して記憶させておく。そして、実際の運転時において
は、差圧センサ74により検出される実際の前後差圧dp
actと前記記憶してあるマップMdpmとに基づいて実際の
パティキュレート堆積量Gpmを推定する。このようにす
れば、前後差圧dpactに基づいてパティキュレート堆積
量Gpmを求めることができる。
【0086】<<流入するパティキュレート量Gpmin等
を用いる方法>>これは、DPNR43に流入するパテ
ィキュレート量GpminとDPNR43にて酸化されるパ
ティキュレート量Grgnとの差を積分することで、パテ
ィキュレート堆積量Gpmを求める方法である。
【0087】具体的に述べると、機関10により生成さ
れるパティキュレート量、即ちDPNR43に流入する
パティキュレート量Gpminを、エンジン回転速度NEと一
吸気行程あたりの筒内燃料噴射量qfin(又は、アクセル
開度Accpに基づく要求トルクTQ)とで区分される運転状
態毎に予め実験により計測するとともに、エンジン回転
速度NE及び筒内燃料噴射量qfinと流入するパティキュレ
ート量Gpminとの関係をROM52内にマップ化しマッ
プMPMINとして記憶させておく。そして、実際の運転時
においては、実際のエンジン回転速度と実際の筒内燃料
噴射量qfinと前記記憶したマップMPMINとに基づいてD
PNR43に流入するパティキュレート量Gpminを推定
する。
【0088】一方、DPNR43にて酸化されるパティ
キュレート量Grgnは、パティキュレートの酸化速度Vo
xdzに、繰り返し演算されるパティキュレート量の前回
値Gpm(i−1)を乗じること(Grgn=Voxdz・Gpm
(i−1))により求めることができる。この場合、酸
化速度Voxdzは、上記数3によって繰り返し推定される
触媒床温の前回値Tbc(i−1)と図4に示したグラフ
をマップ化したマップとから求めることができる。そし
て、流入するパティキュレート量Gpminと酸化されるパ
ティキュレート量Grgnとの差ΔGpmを積分する。この
積分結果がパティキュレート堆積量Gpmとなる。このよ
うに、流入するパティキュレート量Gpminと酸化される
パティキュレート量Grgnを個別に求めるとともに、そ
れらの差ΔGpmを積分することにより、パティキュレー
ト堆積量Gpmを求めることができる。
【0089】<添加燃料の反応熱量Qract>添加燃料の
反応熱量Qractは、添加燃料供給手段44からDPNR
43内に供給された添加燃料がDPNR43内で燃焼し
た際に発生する熱量であって、添加燃料の低位発熱量を
Luf、添加燃料の平均流量をmuf、DPNR43の触媒
の浄化率をηとすると、下記数9により求められる。
【0090】
【数9】Qract=Luf・muf・η
【0091】ここで、添加燃料の平均流量mufは、CP
U61から添加燃料供給手段44に対して発生される駆
動信号(又は、その添加すべき燃料量を示す指示信号)
から求めることができる。触媒の浄化率ηは、図6に示
したように、所定の温度(図6の例では200℃)以上
において触媒床温Tbctruの上昇とともに増大する値で
あり、上記数3によって繰り返し推定される触媒床温T
bc(i−1)と、同図6に示したグラフをマップ化して
ROM52に記憶したマップMηとから求めることがで
きる。
【0092】<排気ガスの反応熱量Qhc>排気ガスの反
応熱量Qhcは、気筒内で燃焼されることなく未燃燃料の
状態で同気筒から排出されてDPNR43内に流入する
主としてHCからなる未燃燃料(可燃燃料)がDPNR
43内で燃焼する際に発生する熱量であって、同未燃燃
料の低位発熱量をLhc、同未燃燃料の平均流量をmhcと
すると、下記数10により求められる。なお、排気ガス
の反応熱量Qhcは、上記添加燃料の反応熱量Qractとあ
わせて、DPNR43内に流入する可燃燃料の反応熱量
として扱うこともできる。また、排気ガスの反応熱量Q
hcは、場合により、無視することもできる。
【0093】
【数10】Qhc=Lhc・mhc・η
【0094】未燃燃料の平均流量mhcは次のようにして
求めることができる。即ち、エンジン回転速度NEと一吸
気行程あたりの筒内燃料噴射量qfinとで区分される運転
状態毎に未燃燃料の平均流量mhcを予め実験により計測
するとともに、エンジン回転速度NE及び筒内燃料噴射量
qfinと計測された未燃燃料の平均流量mhcとの関係をマ
ップ化し、これをROM52内にマップMmhcとして記憶
させておく。そして、実際の運転においては、実際のエ
ンジン回転速度と実際の筒内燃料噴射量qfinとマップMm
hcとに基づいて、未燃燃料の平均流量mhcを求める。な
お、HC濃度センサと、排気流量センサを排気管42に
配設しておき、これらによりそれぞれ計測されるHC濃
度と排気流量Ghcの積を所定時間だけ積分し、この積分
値を前記所定時間で除することで未燃燃料の平均流量m
hcを求めてもよい。
【0095】<放出熱量Qtrn>放出熱量Qtrnは、DP
NR43のケース表面から外部に放射される熱量であっ
て、DPNR43のケースの表面積をS、ケース表面と
DPNR43周囲との熱伝達率を一定の値h、DPNR
43のケースの表面温度をTsuf、エンジンルーム内雰
囲気温度(DPNR43の周囲温度)をTecpとすると
き、下記数11により表すことができる。更に、放出熱
量Qtrnは、Tssufを所定の時定数、tを触媒床温Tbc
の推定後の時間とすると、下記数12により表すことが
できる。数12は、DPNR43のケース表面温度Tsu
fは触媒床温Tbcに一次遅れ処理を施した値となるとの
知見に基づく。
【0096】
【数11】Qtrn=S・h・(Tsuf−Tenc)
【0097】
【数12】Qtrn=S・h・{((1−exp(−t/Tssu
f))・Tbc−Tenc)}
【0098】なお、エンジンルーム内雰囲気温度Tecp
は、図示しないラジエターにより一定温度に維持されて
いると考えてよく、本実施形態では100℃とする。も
ちろん、エンジンルーム内のDPNR43近傍に、DP
NR43の周囲の雰囲気温度を計測する温度センサを配
置し、同温度センサによりエンジンルーム内雰囲気温度
Tecpを測定してもよい。以上により、各熱量が計算さ
れるから、これらと上記数1〜数3により触媒床温Tbc
が推定される(推定触媒床温Tbcが求められる。)。
【0099】(第1実施形態の作動)次に、本排気浄化
装置の作動について説明すると、電気制御装置60のC
PU61は図7にフローチャートにより示した触媒床温
推定ルーチンを単位時間である所定時間tsamp経過毎に
実行するようになっている。従って、所定のタイミング
になると、CPU61はステップ700から処理を開始
してステップ705に進み、その時点のエンジン回転速
度NE及び筒内燃料噴射量qfinと上記マップMmとに基づい
て入ガスの流量mを求める。
【0100】次いで、CPU61はステップ710に進
んで上記数4に基づいて入ガス熱量Qinを求め、続くス
テップ715にて上記数5に基づいて出ガス熱量Qexを
求めるとともに、ステップ720に進んで上記マップMV
(図4を参照。)と前回の本ルーチン実行時において推
定された触媒床温Tbc(i−1)(後述するステップ7
80を参照。)とに基づいて酸化速度Voxdz(=MV(T
bc(i−1)))を求め、これに補正係数khを乗じて最
終的な酸化速度Voxdzを求める。なお、ここでは、補正
係数khの値は「1」であって、実質的な補正はなされな
い。
【0101】次に、CPU61はステップ725に進ん
で差圧センサ74により検出される実際の前後差圧dpac
tと上記マップMdpmとに基づいて実際のパティキュレー
ト堆積量Gpmを推定し、続くステップ730にて上記酸
化速度Voxdzと上記パティキュレート堆積量Gpmと上記
数7とに基づいてパティキュレート酸化熱量Qpmを求め
る。
【0102】次いで、CPU61はステップ735に進
んで上記マップMη(図6を参照。)と前回の本ルーチ
ン実行時において推定された触媒床温Tbc(i−1)と
に基づいて触媒の浄化率ηを求め、続くステップ740
にて後述するNOx放出・還元実行ルーチン及びフィル
タ再生ルーチンにより別途求められている添加燃料の積
算値Smufを本ルーチンの計算時間間隔tsampで除する
ことにより添加燃料の平均流量をmufを求め、続くステ
ップ745にて上記数9に基づいて添加燃料の反応熱量
Qractを求める。
【0103】次に、CPU61はステップ750に進ん
でその時点のエンジン回転速度NE及び筒内燃料噴射量qf
inと上述したマップMmhcとに基づいて未燃燃料の平均流
量mhcを求める。このステップは、可燃燃料量推定手段
として機能する。そして、CPU61は、ステップ75
5に進んで上記ステップ735で求めた触媒の浄化率η
と、上記ステップ750で求めた未燃燃料の平均流量m
hcと、上記数10とに基づいて排気ガスの反応熱量Qhc
を求める。
【0104】次いで、CPU61はステップ760に進
んで上記数11に基づいて放出熱量Qtrnを求める。な
お、ステップ760で使用されるDPNR43のケース
の表面温度Tsufは、前回の本ルーチンの実行時におい
て後述するステップ790にて求められている。続い
て、CPU61はステップ765に進み、同ステップ7
65にて、以上により求めた各熱量と上記数1とに基づ
いてDPNR43の熱収支Qdpnrを求め、ステップ77
0にて同DPNR43の熱収支QdpnrをDPNR43の
比熱Cと質量Mとの積で除することにより、本ルーチン
の計算時間間隔tsamp内におけるDPNR43の温度変
化ΔTbcを求める(上記数2を参照。)。
【0105】次いで、CPU61はステップ775にて
前回の本ルーチン実行時において推定された触媒床温T
bc(i−1)、即ち、計算時間間隔(単位時間)tsamp
前における触媒床温Tbc(i−1)に上記温度変化ΔT
bcを加えることにより、現時点(今回の)触媒床温Tbc
(i)を求める(上記数3を参照。)。そして、CPU
61はステップ780にて次回の本ルーチンの実行のた
めに前回の触媒床温Tbc(i−1)を今回の触媒床温T
bc(i)と等しい値に設定し、続くステップ785にて
添加燃料の積算値Smufを「0」にクリアする。
【0106】次いで、CPU61はステップ790に進
み、DPNR43のケースの表面温度Tsufを下記数1
3に基づいて求める。数13は、上記数12に示した考
えに基づく式であって、触媒床温Tbcに対し一次遅れ処
理を施すことによりケースの表面温度Tsufを求めるも
のである。なお、値α1は1より小さい正の数であり、
上記数12の時定数Tssufに応じて決定される値であ
る。その後、CPU61はステップ795に進んで本ル
ーチンを終了する。CPU61は、以降においても本ル
ーチンを繰り返し実行し、これにより触媒床温Tbc
(i)が推定・更新されて行く。
【0107】
【数13】 Tsuf=α1・Tsuf+(1−α1)・Tbc(i)
【0108】次に、本排気浄化装置が、DPNR43に
よるNOxの放出・還元を実行するために添加燃料を添
加燃料供給手段44から供給する際の作動について説明
すると、CPU61は図8にフローチャートにより示し
たNOx放出・還元実行ルーチンを第1所定時間の経過
毎に実行するようになっている。
【0109】従って、所定のタイミングになるとCPU
61はステップ800から処理を開始してステップ80
5に進み、上記推定された触媒床温Tbc(i)が触媒の
過熱温度Tot以上となったか否かを判定する。いま、推
定された触媒床温Tbc(i)が過熱温度Tot以上となっ
ているとして説明を続けると、この場合、CPU61は
ステップ805にて「Yes」と判定してステップ81
0に進み、同ステップ810にてNOx放出用の添加燃
料量INJnoxを「0」に設定する。
【0110】次いで、CPU61はステップ815に進
み、添加燃料量INJnoxの添加燃料を添加燃料供給手段4
4からDPNR43に供給するため、同添加燃料供給手
段44に同添加燃料量INJnoxに応じた時間だけハイレベ
ル信号を駆動信号として供給する。但し、この場合、添
加燃料量INJnoxは「0」であるから、実際には駆動信号
はローレベルを維持する。次に、CPU61はステップ
820に進み、現時点の添加燃料の積算値Smufに上記
ステップ815の実行によってDPNR43に供給され
た添加燃料量INJnoxを加えて添加燃料の積算値Smufを
更新し、ステップ895に進んで本ルーチンを一旦終了
する。
【0111】一方、ステップ805の判定時において、
推定された触媒床温Tbc(i)が触媒の過熱温度Totよ
り低ければ、CPU61はステップ805にて「No」
と判定してステップ825に進み、同ステップ825に
てエンジン回転速度NE及び筒内燃料噴射量qfin(又は、
アクセル開度Accpに基づく要求トルクTQ)と添加燃料量
INJnoxとの関係を規定したマップと、その時点のエンジ
ン回転速度NE及び筒内燃料噴射量qfin(又は、アクセル
開度Accpに基づく要求トルクTQ)とから、DPNR43
内を理論空燃比よりもリッチな空燃比のガスを通過させ
るために必要な添加燃料量INJnoxを決定し、その後、上
記ステップ815、及びステップ820を実行して、本
ルーチンをステップ895にて一旦終了する。
【0112】以上により、推定された触媒床温Tbc
(i)が触媒の過熱温度Totより低ければ、第1所定時
間の経過毎に添加燃料量INJnoxの添加燃料が添加燃料供
給手段44からDPNR43に供給されるので、DPN
R43内を理論空燃比よりもリッチな空燃比のガスが通
過する。この結果、DPNR43に吸収されたNOxの
放出・還元が行われる。また、添加される添加燃料量IN
Jnoxは、触媒床温Tbc(i)が触媒の過熱温度Tot以上
になると「0」に設定されて、添加燃料供給が停止され
るから、同DPNR43が過熱状態となることが回避さ
れる。更に、かかる添加燃料の供給毎に添加燃料の積算
値Smufが更新されて行く。
【0113】次に、本排気浄化装置が、DPNR43の
パティキュレート捕集能力を維持するため、DPNR4
3の触媒床温を上昇させて同DPNR43によって捕集
されたパティキュレートの酸化を促進するように、添加
燃料を添加燃料供給手段44から同DPNR43に供給
する際の作動について説明する。この作動は、CPU6
1が図9にフローチャートにより示したフィルタ再生実
行ルーチンを第2所定時間の経過毎に実行することで達
成される。
【0114】即ち、所定のタイミングになるとCPU6
1はステップ900から処理を開始してステップ905
に進み、上記推定された触媒床温Tbc(i)が触媒の過
熱温度Tot以上となったか否かを判定する。いま、推定
された触媒床温Tbc(i)が触媒の温度Tot以上となっ
ているとして説明を続けると、この場合、CPU61は
ステップ905にて「Yes」と判定してステップ91
0に進み、同ステップ910にてフィルタ再生用(触媒
床温上昇用)の添加燃料量INJfltを「0」に設定する。
【0115】次いで、CPU61はステップ915に進
み、上記により求められた添加燃料量INJfltの添加燃料
を添加燃料供給手段44からDPNR43に供給するた
め、同添加燃料供給手段44に同添加燃料量INJfltに応
じた時間だけハイレベル信号を駆動信号として供給す
る。但し、この場合、添加燃料量INJnoxは「0」である
から、実際には駆動信号はローレベルを維持する。次
に、CPU61はステップ920に進み、現時点の添加
燃料の積算値Smufに上記ステップ915の実行により
DPNR43に供給された添加燃料量INJfltを加えて添
加燃料の積算値Smufを更新し、ステップ995に進ん
で本ルーチンを一旦終了する。
【0116】一方、ステップ905の判定時において、
推定された触媒床温Tbc(i)が触媒の過熱温度Totよ
り低ければ、CPU61はステップ905にて「No」
と判定してステップ925に進み、同ステップ925に
てエンジン回転速度NE及び筒内燃料噴射量qfin(又は、
アクセル開度Accpに基づく要求トルクTQ)と添加燃料量
INJfltとの関係を規定したマップと、その時点のエンジ
ン回転速度NE及び筒内燃料噴射量qfin(又は、アクセル
開度Accpに基づく要求トルクTQ)とから、触媒床温を上
昇させることでパティキュレートの酸化速度Voxdzを上
昇させ、フィルタの再生を促進するために必要な添加燃
料量INJfltを決定し、その後、上記ステップ915、及
びステップ920を実行して、本ルーチンをステップ9
95にて一旦終了する。
【0117】以上により、推定された触媒床温Tbc
(i)が触媒の過熱温度Totより低ければ、第2所定時
間の経過毎に添加燃料量INJfltの添加燃料が添加燃料供
給手段44からDPNR43に供給され、供給された添
加燃料がDPNR43内で酸化されて発熱するので触媒
床温が上昇する。この結果、図4に示したように、パテ
ィキュレート酸化速度Voxdzが上昇するため、新たに捕
集されるパティキュレートの量よりも既に捕集されて堆
積したパティキュレート量の酸化(焼失される)量が大
きくなり、同捕集・堆積しているパティキュレートがD
PNR43内から除去される。また、添加される添加燃
料量INJfltは、触媒床温Tbc(i)が触媒の過熱温度T
ot以上となると「0」に設定されて、添加燃料供給が停
止されるから、同DPNR43が過熱状態となることが
回避される。更に、かかる添加燃料の供給毎に添加燃料
の積算値Smufが更新されて行く。
【0118】以上、説明したように、第1実施形態によ
れば、DPNR43に着目した熱の出入り(熱収支)を
考慮する(換言すると、DPNR43の熱収支モデルを
用いる)ことでDPNR43の触媒床温を推定する。特
に、本実施形態においては、DPNR43に捕集された
パティキュレートが酸化されることにより発生するパテ
ィキュレート酸化熱量Qpmを考慮しているから、DPN
R43の触媒床温を精度良く推定することができる。ま
た、このように推定された触媒床温Tbcに基いて添加燃
料の供給量を変更するから、実際の触媒床温が過熱温度
Tot以上となってしまうことを防止することができる。
なお、上記図8、及び図9に示したルーチンは、以下に
述べる他の実施形態においても、特に断りがない限り実
行される。
【0119】(2.第2実施形態)次に、本発明による
排気浄化装置の第2実施形態について説明する。第2実
施形態は、第1実施形態の触媒床温を推定する際の熱収
支Qdpnrを、DPNR43の出ガス温に基づいて修正
(補正)することにより(即ち、DPNR43の熱収支
モデルを出ガス温に基づいて修正することにより)、触
媒床温Tbc(i)の推定精度を向上しようとする点のみ
において同第1実施形態と相違している。
【0120】<第2実施形態の熱収支モデル修正原理>
まず、第2実施形態における熱収支モデルの修正原理に
ついて、図10を参照しながら説明する。図10は、D
PNR43に関する各種温度の時間的変化を示したタイ
ムチャートであって、太い実線は真の触媒床温Tbctr
u、細い実線は上記第1実施形態により推定された触媒
床温Tbc、破線は入ガス温Tin(入ガス温センサ72の
検出温度)、一点鎖線は出ガス温Tex(出ガス温センサ
73の検出温度)、二点鎖線は出ガス温の推定温度(推
定出ガス温)Texcalを示している。
【0121】図10から理解されるように、DPNR4
3の触媒床温Tbctruが変化すると、その変化は出ガス
温Texに現われる。実験によれば、出ガス温Texは、真
の触媒床温Tbctruに一次遅れ処理を施した値と略一致
する。そこで、推定した触媒床温Tbcに下記数14によ
り記述されるような一次遅れ処理を施すことにより推定
出ガス温Texcalを求める。Tstexは所定の時定数であ
る。なお、ここでは、推定した触媒床温Tbcに対して一
次遅れ処理を施すが、二次遅れ又は三次遅れ等、推定し
た触媒床温Tbcにn次の遅れ処理を施すことにより、推
定出ガス温を算出してもよい。
【0122】
【数14】 Texcal=(1−exp(−t/Tstex))・Tbc
【0123】この求められた推定出ガス温Texcalは、
推定した触媒床温Tbcが真の触媒床温Tbctruと一致し
ていれば、実際の出ガス温Texと一致するはずである。
換言すると、推定出ガス温Texcalと実際の出ガス温Te
xの温度差ΔTexは、推定した触媒床温Tbcと真の触媒
床温Tbctruとの差に応じた値となる。
【0124】そこで、本第2実施形態の排気浄化装置
は、推定出ガス温Texcalと実際の出ガス温Texの温度
差ΔTexを求め、この温度差ΔTexに応じて(温度差Δ
Texが小さくなるように)DPNR43の熱収支を補正
する(熱収支モデルを修正する)ことで、触媒床温の推
定精度を向上する。
【0125】<第2実施形態の触媒床温の推定と熱収支
の修正に関する実際の作動>次に、かかる修正を行いな
がら触媒床温を推定する際の第2実施形態に係る排気浄
化装置の作動について具体的に説明すると、この装置の
CPU61は、第1実施形態の図7に示したルーチンに
代えて図11にフローチャートにより示したルーチンを
所定時間tsampの経過毎に実行するようになっている。
従って、CPU61は所定のタイミングになるとステッ
プ1100から処理を開始し、ステップ1105に進ん
で図7のステップ705〜765に示したステップと同
一のステップを実行することにより、DPNR43の熱
収支Qdpnrを算出する。
【0126】次いで、CPU61はステップ1110に
進み、同ステップ1110にて下記数15に基づいて単
位時間あたりにおけるDPNR43の温度変化ΔTbcを
求める。この数15の右辺において使用されるQcは熱
収支補正量(熱収支モデル修正量)であって、後述する
ステップ1120〜ステップ1130の実行により求め
られる。
【0127】
【数15】ΔTbc=(Qdpnr+Qc)/(M・C)
【0128】次に、CPU61はステップ1115に進
み、前述した図7のステップ775と同様に、計算時間
間隔tsamp前における触媒床温Tbc(i−1)に上記温
度変化ΔTbcを加えることにより現時点の触媒床温Tbc
(i)を求める。そして、ステップ1120にて、推定
出ガス温Texcalを下記数16に基づいて求める。数1
6は、上記数14の考えに基づく式であって、触媒床温
Tbcに対し一次遅れ処理を施すことにより推定出ガス温
Texcalを求めるものである。なお、数16において、
値α2は1より小さい正の数であり、上記数14の時定
数Tstexに応じて決定される値である。
【0129】
【数16】Texcal(i)=α2・Texcal(i−1)+
(1−α2)・Tbc(i)
【0130】次いで、CPU61はステップ1125に
て、推定出ガス温Texcal(i)から出ガス温センサ7
3が検出している実際の出ガス温Texを減じて温度差Δ
Texを求め、ステップ1130にてこの温度差ΔTexに
フィードバックゲインK1(この場合、定数K1は負の値)
を乗じることで上記熱収支補正量Qcを求める。
【0131】次に、CPU61はステップ1135にて
次回の本ルーチンの実行のために前回の触媒床温Tbc
(i−1)及び前回の推定出ガス温Texcal(i−1)
に、今回の触媒床温Tbc(i)及び今回の推定出ガス温
Texcal(i)をそれぞれ設定し、続くステップ114
0にて添加燃料の積算値Smufを「0」にクリアし、そ
の後ステップ1195に進んで本ルーチンを終了する。
以上により、最新の触媒床温Tbc(i)が推定されると
ともに、次回の本ルーチン実行時にステップ1110に
て使用される熱収支補正量Qcが更新される。
【0132】以上説明した図11のルーチンは所定時間
の経過毎に繰り返し実行されるから、温度差ΔTexは次
第に小さくなる。その結果、修正された熱収支(Qdpnr
+Qc)が真の熱収支に近づくので、触媒床温の推定精
度が向上する。
【0133】なお、上記ステップ1115に代えて、下
記数17により触媒床温Tbc(i)を求めるとともに、
数17における定数Ka,Kbを、それぞれ下記数18,数
19により求めるように構成してもよい。数18におけ
るd(Texcal)/dt及びd(Tex)/dtは、それぞれ推定出
ガス温Texcal及び検出された出ガス温Texの時間微分
値(単位時間あたりの変化量)であり、値Ka1,Kb1は一
定の定数である。このようにすれば、推定する触媒床温
Tbcと真の触媒床温Tbctruとの間の定常的な偏差(オ
フセットずれ)が定数Kbで補償され得る。
【0134】
【数17】 Tbc(i)=Tbc(i−1)+Ka・ΔTbc+Kb
【0135】
【数18】 Ka=Ka1・(d(Tex)/dt)/(d(Texcal)/dt)
【0136】
【数19】Kb=Kb1・(Tex−Texcal)
【0137】<第2実施形態の変形例>次に、推定出ガ
ス温Texcalの推定精度を向上することにより、触媒床
温Tbcの推定精度を更に向上させ得る変形例について説
明する。なお、上記、又は下記において述べる出ガス温
の推定方法は、各実施形態の排気浄化装置に必要に応じ
て選択的に採用され得る。
【0138】入ガス温Tinのガスは、DPNR43を通
過するときに下記数20により表される熱量Qを受熱す
る。数20中において、SAはDPNR43を通過する
ガスと熱交換可能なDPNR43の基材の表面積であ
り、h0はDPNR43を通過するガスとDPNR43
の基材との間の熱伝達率である。
【0139】
【数20】Q=h0・(Tbc−Tin)・SA
【0140】また、熱伝達率h0は、図12に示したよ
うに、入ガスの流量Ginの影響を強く受け、入ガスの流
量Gin(=m)が大きいほど高くなる。この入ガスの流
量Ginと熱伝達率h0の関係を関数fで表すと、熱伝達
率h0は関数fを用いてh0=f(Gin)と記述できる
から、上記数20は下記数21に書き換えられる。
【0141】
【数21】Q=f(Gin)・(Tbc−Tin)・SA
【0142】一方、出ガス温Texの入りガス温Tinから
の上昇分は、入ガスが受熱した熱量Qを、同入ガスの比
熱Cinと同入ガスの流量Ginの積で除することにより求
められるから、上記数21から下記数22が得られる。
この数22は関数g(g(Gin)=f(Gin)/Gin)
を用いて数23のように書き換えられる。
【0143】
【数22】Tex=f(Gin)・(Tbc−Tin)・SA/
(Gin・Cin)+Tin
【0144】
【数23】 Tex=g(Gin)・(Tbc−Tin)・SA/Cin+Tin
【0145】上記数23から理解されるように、排気温
度Texは、触媒床温Tbcに対してDPNR43に流入す
るガス流量Ginで決る値(g(Gin)・SA/Cin)を
乗じた値に応じて変化する。そこで、本変形例において
は、図11の上記ステップ1120の計算に使用される
係数α2をDPNR43に流入するガス流量Ginに応じ
て決定するように構成する。この結果、出ガス温Texca
lの推定精度が改善されて熱収支補正量(修正量)Qcが
適切に求められるので、触媒床温Tbcの推定精度が向上
する。
【0146】なお、上記熱伝達率h0は、入ガスの動粘
性係数の影響も受ける。動粘性係数は入ガスの空燃比に
より大きく変化する。従って、上記係数α2を更に入ガ
スの空燃比によって決定するように構成すれば、出ガス
温Texcalの推定精度が更に改善され、その結果、触媒
床温Tbcの推定精度を一層向上することができる。
【0147】<出ガス温Texの他の推定原理>次に、上
記推定出ガス温Texcalの推定方法に代わる他の推定方
法について説明する。この方法は、DPNR43を通過
するガスについての熱収支を考慮して出ガス温Texcal
を算出・推定する方法である。
【0148】具体的に説明すると、図13に模式的に示
したように、あるガス要素(概念上での一塊のガス)が
DPNR43を通過するものとし、このガス要素がDP
NR43に流入するときの熱量をQin、DPNR43か
ら同ガス要素に与えられる熱量(同ガス要素が受熱する
熱量)をQadd、同ガス要素がDPNR43から流出す
るときの熱量をQoutとする。このとき、このガス要素
に着目して同ガス要素の熱収支を記述すると、下記数2
4が得られる。
【0149】
【数24】Qout=Qin+Qadd
【0150】一方、上記数24は、前記ガス要素の入ガ
ス温をTin、DPNR43の基材の温度をTbd(この温
度は、触媒床温Tbcとみなすことができる。)、同ガス
要素の出ガス温をTex、同ガス要素の質量をmg、同ガ
ス要素の比熱をCg、DPNR43と同ガス要素間の熱
伝達率をh0、及び同ガス要素と熱交換可能なDPNR
43の基材の表面積をSAとすると、下記数25に書き
換えられ、数25を変形することで下記数26が得られ
る。
【0151】
【数25】mg・Cg・Tex=mg・Cg・Tin+(Tbd−
Tin)・h0・SA
【0152】
【数26】Tex=Tin+(Tbd−Tin)・h0・SA/
(mg・Cg)
【0153】上記数26はあるガス要素に着目して得ら
れた式であり、実際にはガス要素はDPNR43に流入
してから流出するまでに時間を要するので、同数26の
各温度Tin,Tbd,Texは異なる時間における値である。
【0154】実験によれば、入ガス温Tinの影響、及び
DPNR43の基材温度Tbdと入ガス温Tinの温度差
(Tbd−Tin)の影響は、時間的に遅れて出ガス温Tex
に現われることが判明した。更に、ガス流速が一定であ
ると仮定した場合であっても、ガス要素がDPNR43
に流入してから同DPNR43から流出するまでの時間
と、同ガス要素がDPNR43に流入してからDPNR
43の基材との間で上記数25における熱量(Tbd−T
in)・h・SAを授受した後にDPNR43から流出す
るまでの時間は、それぞれの時間を決定する因子となる
距離(平均距離)が異なるため、相違する。即ち、入ガ
ス温Tinの影響と温度差(Tbd−Tin)の影響とが出ガ
ス温Texに現われるまでの遅れ時間は互いに異なる。
【0155】そこで、本推定原理においては、上記数2
6の第1項の入ガス温Tinと、第2項の温度差(Tbd−
Tin)を、それぞれ異なる時定数を用いて時間的に遅ら
せ、その結果に基づいて出ガス温Texを推定するように
した。即ち、本推定原理によれば、出ガス温Texを、入
ガス温Tinを第1の時定数で遅延させた値(例えば、第
1の時定数の一次遅れ処理を施した値)と、温度差(T
bd−Tin)を第2の時定数で遅延させた値(例えば、第
2の時定数の一次遅れ処理を施した値)との和として推
定し、これを推定出ガス温Texcalとする。
【0156】これにより、入ガスの有する熱量Qinの出
ガス温Texに対する影響と、DPNR43が内部を通過
するガスに伝達する熱量Qaddの出ガス温Texに対する
影響とが、適切な時定数を選択することにより、精度良
く推定出ガス温Texcalに反映されるので、同推定出ガ
ス温Texcalを精度良く求めることが可能となる。ま
た、上記熱量Qaddは、DPNR43を通過するガス流
量Ginの影響を強く受ける熱伝達率h0に応じて大きく
変化するところ、上記原理によれば、数26の右辺第2
項の時定数を同右辺の第1項に対する時定数とは独立し
て定めることができ、且つ、同数26の右辺第2項の時
定数をガス流量Ginに応じて可変とすることができるか
ら、かかる時定数を容易かつより適切に選択することが
可能となるので、この点においても出ガス温Texの推定
精度が向上され得る。
【0157】(3.第3実施形態)次に、本発明による
排気浄化装置の第3実施形態について説明する。第3実
施形態は、第2実施形態がDPNR43の推定出ガス温
Texcalと実際の検出出ガス温Texの温度差ΔTexに応
じて触媒床温を推定する際の熱収支Qdpnrを修正してい
たのに対し、前記温度差ΔTex、その時間微分値dΔT
ex、及びその時間積分値SumΔTに基づいて同熱収支Q
dpnrを修正する点のみにおいて第2実施形態と相違して
いる。即ち、第2実施形態の排気浄化装置は、所謂、比
例制御(P制御)によりDPNR43の熱収支モデルを
修正していたが、第3実施形態の排気浄化装置は、所
謂、PID(比例・積分・微分)制御により熱収支モデ
ルを修正するものである。
【0158】<第3施形態の熱収支修正に関するの実際
の作動>以下、第3実施形態の排気浄化装置の作動につ
いて説明すると、この装置のCPU61は、第2実施形
態のCPU61が実行する図11に示したルーチンに代
えて図14にフローチャートにより示したルーチンを所
定時間tsampの経過毎に実行するようになっている。
【0159】従って、CPU61は所定のタイミングと
なるとステップ1400から処理を開始し、ステップ1
405に進んで図7のステップ705〜765に示した
ステップと同一のステップを実行することにより、DP
NR43の熱収支Qdpnrを算出する。次いで、CPU6
1はステップ1410に進み、図11のステップ111
0と同様に、上記数15に基づいて単位時間あたりにお
けるDPNR43の温度変化ΔTbcを求める。
【0160】次に、CPU61はステップ1415にて
前述した図7のステップ775(及び図11のステップ
1115)と同様に、計算時間間隔tsamp前における触
媒床温Tbc(i−1)に上記温度変化ΔTbcを加えるこ
とにより現時点の触媒床温Tbc(i)を求める。そし
て、ステップ1420にて図11のステップ1120と
同様に出ガス温Texcalを推定し、ステップ1425に
て推定出ガス温Texcalから出ガス温センサ73が検出
している実際の出ガス温Texを減じて温度差ΔTexを求
める。次いで、CPU61はステップ1430に進み、
前記ステップ1425にて求めた温度差ΔTexから前回
本ルーチンを実行した際に求められた前回の推定出ガス
温Texcalと実際の出ガス温Texの温度差ΔTexoldを減
じることにより、温度差ΔTexの時間微分値(所定時間
あたりの変化量)dΔTexを求める。
【0161】次に、CPU61はステップ1435に進
んで熱収支補正基本量Qco(i)を、下記数27にしたが
って求める。数27においてkp,ki,及びkdは、それぞれ
比例,積分,微分定数であり、値SumΔTは温度差ΔTex
の時間積分値である。
【0162】
【数27】 Qco(i)=kp・ΔTex+ki・SumΔT+kd・dΔTex
【0163】次いで、CPU61はステップ1440に
て熱収支補正基本量Qco(i)と下記数28とにしたがっ
て熱収支補正量Qci(i)を求める。即ち、熱収支補正基
本量Qco(i)に対してローパスフィルタ処理(一次遅れ
処理)を施して熱収支補正量Qci(i)を算出する。な
お、数28におけるα3は1より小さい正の数である。
【0164】
【数28】 Qc(i)=α3・Qc(i-1)+(1−α3)・Qco(i)
【0165】次に、CPU61はステップ1445にて
次回の本ルーチンの計算のために前回の温度差ΔTexol
dに上記ステップ1425にて求めた今回の温度差ΔTe
xを格納し、ステップ1450にてその時点の温度偏差
の時間積分値SumΔTに今回の温度差ΔTexを加えるこ
とで温度偏差の時間積分値SumΔTを更新する。そし
て、ステップ1455にて、今回の推定触媒床温Tbc
(i)、今回の推定出ガス温Texcal(i)、及び今回
の熱収支補正量Qc(i)を、前回の推定触媒床温Tbc
(i−1)、前回の推定出ガス温Texcal(i−1)、
及び前回の熱収支補正量Qc(i−1)にそれぞれ格納
し、ステップ1460にて添加燃料の積算値Smufを
「0」にクリアした後、ステップ1495にて本ルーチ
ンを一旦終了する。CPU61は、以降においても本ル
ーチンを繰り返し実行し、これにより触媒床温Tbc
(i)が推定・更新されて行く。
【0166】以上、説明したように、第3実施形態に係
る排気浄化装置は、上記数27(ステップ1435,1
440)に示したように、推定出ガス温Texcalと実際
の出ガス温Texの温度差ΔTex、その時間微分値dΔT
ex、及びその時間積分値SumΔTに基づいて熱収支補正
量Qcを求め、この補正量Qcにより熱収支Qdpnrを修
正する。この結果、触媒床温Tbcの推定に用いる熱収支
(Qdpn+Qc)が、真の熱収支に良く一致した値とな
るから、触媒床温Tbcの推定精度が良好になる。
【0167】更に、上記第3実施形態においては、ステ
ップ1435のPID制御により熱収支補正基本量Qco
を求め、ステップ1440にて、この熱収支基本補正量
Qcoにローパスフィルタ処理を施した値を熱収支補正量
Qcとして採用するようにしたので、熱収支補正量Qc
の振動が抑制され、その結果、推定触媒床温Tbcのハン
チングを回避できる。
【0168】なお、上記第3実施形態は、比例・積分・
制御により熱収支モデルを修正していたが、比例・積分
制御(PI制御)により熱収支モデルを修正してもよ
い。また、上記のように熱収支基本補正量Qcoに対しロ
ーパスフィルタ処理を施すことに代えて、同熱収支基本
補正量Qcoに対し同熱収支基本補正量Qco中に含まれる
特定帯域の振動成分を除去するバンドパスフィルタ処理
を施して熱収支補正量Qcを求めるように構成してもよ
い。また、熱収支基本補正量Qcoに対しフィルタ処理を
加えることに代え、又は追加で、ステップ1405にて
求められる熱収支Qdpnrに熱収支基本補正量Qcを加え
た値(Qdpnr+Qc)に対し、上記ローパスフィルタ処
理、またはバンドパスフィルタ処理を施してもよい。
【0169】(4.第4実施形態)次に、本発明による
排気浄化装置の第4実施形態について説明する。第4実
施形態は、第2実施形態がDPNR43の推定出ガス温
Texcalと実際の検出出ガス温Texとの温度差ΔTexに
応じて触媒床温を推定する際の熱収支Qdpnrを修正して
いたのに対し、温度差ΔTexに応じてパティキュレート
酸化熱量Qpmを算出するための算出方法(上記モデルに
おいて、パティキュレート酸化熱量Qpmを記述した演算
式、具体的には、酸化速度Voxdz)を修正することで熱
収支Qdpnrを修正する点のみにおいて同第2実施形態と
相違している。以下、この点を中心に説明する。
【0170】上述の第2実施形態は、DPNR43内に
おけるパティキュレートの酸化速度Voxdzを、図4の実
線の関係を規定したマップMVと、推定された触媒床温T
bcとから求めていた。しかしながら、かかる酸化速度V
oxdzは触媒床温のみでなくDPNR43に流入する酸素
濃度等の影響を受けるため、実際には図4の一点鎖線及
び二点鎖線に示したように比較的大きく変化する。ま
た、このような変化は、触媒床温が所定温度以上のとき
に顕著となる。
【0171】そこで、この第4実施形態の排気浄化装置
は、推定出ガス温Texcalと実際の検出出ガス温Texと
の温度差ΔTexが、かかるパティキュレート酸化速度V
oxdzの推定誤差により生じたものとして、同温度差ΔT
exに応じて酸化速度Voxdzを修正することでパティキュ
レート酸化熱量Qpmの推定精度を向上し、以て、熱収支
Qdpnrの推定精度を向上することにより、推定触媒床温
Tbcをより精度良く求めようとするものである。
【0172】<第4実施形態の触媒床温の推定と熱収支
の修正に関する実際の作動>次に、かかる修正を行いな
がら触媒床温を推定する際の第4実施形態に係る排気浄
化装置の作動について具体的に説明すると、この装置の
CPU61は、第1実施形態における図7に示したルー
チンに代えて図15にフローチャートにより示したルー
チンを所定時間tsampの経過毎に実行するようになって
いる。従って、CPU61は所定のタイミングになると
ステップ1500から処理を開始し、ステップ1505
に進んで図7のステップ705〜765に示したステッ
プと同一のステップを実行することにより、DPNR4
3の熱収支Qdpnrを算出する。
【0173】次いで、CPU61はステップ1510に
進み、同ステップ1510にて上記数2に基づいて単位
時間あたりにおけるDPNR43の温度変化ΔTbcを求
め、ステップ1515にて図7のステップ775と同様
に計算時間間隔tsamp前における触媒床温Tbc(i−
1)に上記温度変化ΔTbcを加えることにより現時点の
触媒床温Tbc(i)を求める。そして、ステップ152
0にて、推定出ガス温Texcalを上記数16に基づいて
求める。
【0174】次に、CPU61はステップ1525に
て、推定出ガス温Texcal(i)から出ガス温センサ7
3が検出している実際の出ガス温Texを減じて温度差Δ
Texを求め、ステップ1530にて推定触媒床温Tbc
(i)が所定の温度(酸化速度Voxdzの変動が大きくな
り始める触媒床温)Tbchi以上であるか否かを判定す
る。このとき、推定触媒床温Tbc(i)が所定の温度T
bchiより低ければ、CPU61はステップ1595に進
んで本ルーチンを一旦終了する。
【0175】一方、ステップ1530の判定時におい
て、推定触媒床温Tbc(i)が所定の温度Tbchi以上で
あると、CPU61は同ステップ1530にて「Ye
s」と判定してステップ1535に進み、前記温度差Δ
Texが「0」以上であるか否かを判定する。そして、前
記温度差ΔTexが「0」以上であれば、酸化速度Voxdz
が過大であったためにパティキュレート酸化熱量Qpmが
過大となり、それにより熱収支Qdpnrが過大となって触
媒床温Tbcが真値よりも大きい値として推定されたこと
を意味すると考えられるので、CPU61はステップ1
540に進んで酸化速度Voxdzの補正係数khの値(図7
のステップ720を参照)をΔkhだけ減少する。
【0176】他方、前記温度差ΔTexが「0」より小さ
ければ、酸化速度Voxdzが過小であったためにパティキ
ュレート酸化熱量Qpmが過小となり、それにより熱収支
Qdpnrが過小となって触媒床温Tbcが真値よりも小さい
値として推定されたことを意味すると判定し、CPU6
1はステップ1545に進んで補正係数khの値をΔkhだ
け増大する。
【0177】次いで、CPU61はステップ1550に
進んで補正係数khが過大な値、及び負の値の何れにもな
らないようにガード処理を施し、ステップ1595に進
んで本ルーチンを一旦終了する。このようにして、温度
差ΔTexに基き補正係数khが修正されるから、CPU6
1は、次の本ルーチンの実行時においてステップ150
5内のステップ720に相当するステップを実行すると
き、酸化速度Voxdzを修正する。これにより、パティキ
ュレート酸化熱量Qpm(の演算式)が修正される。
【0178】以上、説明したように、第4実施形態にお
いては、推定出ガス温Texと実際の検出出ガス温Texと
の温度差ΔTexに基づいてパティキュレートのDPNR
43内における酸化速度Voxdzを修正するので、パティ
キュレート酸化熱量Qpmの推定精度が向上され、以て、
熱収支Qdpnrの推定精度を向上することにより、触媒床
温Tbcをより精度良く推定することができる。
【0179】なお、上記第4実施形態においては、酸化
速度の補正係数khを温度差ΔTexの符号に応じて増減し
ていたが、温度差ΔTexと補正係数khとの関係を規定す
るマップを予めROM62内に記憶しておき、このマッ
プと実際の温度差ΔTexとから補正係数khを求めるよう
に構成してもよい。
【0180】(5.第5実施形態)次に、本発明による
排気浄化装置の第5実施形態について説明する。第5実
施形態は、第2実施形態がDPNR43の推定出ガス温
Texcalと実際の検出出ガス温Texの温度差ΔTexに応
じて触媒床温を推定する際の熱収支Qdpnrを修正してい
たのに対し、推定触媒床温Tbcの所定時間(例えば、1
0分程度の期間)内における平均値(平均触媒床温)T
bcaveと、出ガス温センサ73により検出される出ガス
温Texの前記所定時間内における平均値(平均検出出ガ
ス温)Texaveの温度差ΔTaveに基づいて同熱収支Qdp
nrを修正する点のみにおいて第2実施形態と相違してい
る。従って、以下、かかる相違点を中心に説明する。
【0181】<第5実施形態の熱収支モデル修正原理>
第5実施形態の排気浄化装置は、第1実施形態と同様に
して熱収支Qdpnrを求め、求められた熱収支Qdpnrに基
づいて推定触媒床温Tbcを求める。従って、熱収支Qdp
nrの中には、上記数9にて計算される添加燃料による反
応熱量Qractが含まれている。この添加燃料は添加燃料
供給手段44により供給され、数9における添加燃料の
平均流量mufは電気制御装置60から添加燃料供給手段
44に供給される駆動信号(指令値、指令信号)に基づ
いて計算される。
【0182】一方、添加燃料供給手段44は、その噴射
ノズルが目詰まりを起こす等の理由により、前記駆動信
号に対して期待される添加燃料量をDPNR43に対し
て供給できない場合が発生し得る。その場合、実際にD
PNR43に供給される添加燃料の平均流量は、駆動信
号をもとに計算される添加燃料の平均流量mufより少な
くなる。この結果、反応熱量Qractは実際の添加燃料の
反応熱よりも大きめに計算されることになるので、図1
6(A)に示したように、推定される触媒床温Tbcは真
の触媒床温Tbctruに対して高い温度となる。
【0183】他方、添加燃料供給手段44は、製造誤差
等の理由により、駆動信号に対して期待される添加燃料
量よりも多い燃料量の添加燃料をDPNR43に供給す
る場合が発生し得る。その場合、実際にDPNR43に
供給される添加燃料の平均流量は、駆動信号をもとに計
算される添加燃料の平均流量mufより多くなる。この結
果、反応熱量Qractは実際の添加燃料の反応熱よりも小
さめに計算されることになるので、図16(B)に示し
たように、推定される触媒床温Tbcは真の触媒床温Tbc
truに対して低い温度となる。
【0184】更に、添加燃料供給手段44から供給され
る添加燃料量は、駆動信号が同一であっても、例えば、
燃料噴射用ポンプ22から供給される燃料の圧力変動
(及び/又は同圧力信号の所定期間における平均値の変
動)が比較的大きいことにより、大きく変動する。この
ように、駆動信号をもとに計算される添加燃料の平均流
量mufと真の添加燃料の平均流量とは異なることがあ
り、その結果、モデルにより(数9により)算出される
添加燃料の反応熱量Qractは実際の添加燃料の反応熱か
ら偏移し、このため、推定される触媒床温Tbcが真の触
媒床温Tbctruから偏移することがある。
【0185】このような原因による熱収支Qdpnrの真値
からの偏移(ずれ)は僅かである場合が多く、同僅かな
偏移は「比較的長い時間」の経過後に触媒床温Tbcの推
定誤差となって現われる。従って、かかる熱収支Qdpnr
の真値からの僅かな偏移を、上記第2,第3実施形態の
ように熱収支計算毎に修正しようとすると、所謂フィー
ドバックゲイン(図11のステップ1130における定
数K1、図14のステップ1435における定数kp,ki,及
びkd)を大きくしなければならない。ところが、フィー
ドバックゲインを大きくすれば、熱収支Qdpnrがノイズ
によっても大きく修正されてハンチングすることに繋が
るから、同フィードバックゲインを大きくすることにも
限界がある。
【0186】一方、実験によれば、図17に示したよう
に、触媒床温の推定に用いられる熱収支(熱収支補正量
Qcにより補正された熱収支)が真の熱収支と一致して
いる場合には、検出される出ガス温Texは真の触媒床温
Tbctru(従って、推定触媒床温Tbc)に追従し、その
結果、「比較的長い期間」における推定触媒床温Tbcの
平均値Tbcaveと同期間における検出出ガス温Texの平
均値Texaveの温度差ΔTは所定値以内となることが判
明した。
【0187】他方、触媒床温の推定に用いられる熱収支
が、上記した添加燃料供給手段の製造誤差や経時変化な
どの理由により、真の熱収支から偏移している場合、
「比較的長い期間」における触媒床温Tbcの平均値Tbc
aveと同期間における出ガス温Texの平均値Texaveの温
度差ΔTは、触媒床温の推定に用いられる熱収支と真の
熱収支との差に応じた値となるとの知見を得た。
【0188】そこで、本実施形態の排気浄化装置は、上
記温度差ΔTを求め、同温度差ΔTに応じて熱収支補正
量Qcを求めて、同熱収支補正量Qcにより触媒床温の推
定に用いる熱収支を修正することにより、触媒床温の推
定精度を向上する。以上が、本実施形態による熱収支
(熱収支モデル)の修正原理である。
【0189】<第5実施形態の触媒床温の推定と熱収支
の修正に関する実際の作動>次に、第5実施形態の排気
浄化装置の作動について説明すると、この装置のCPU
61は、第2実施形態のCPU61が実行する図11に
示したルーチンに代えて図18にフローチャートにより
示したルーチンを所定時間tsampの経過毎に実行するよ
うになっている。
【0190】従って、CPU61は所定のタイミングと
なるとステップ1800から処理を開始し、ステップ1
805に進んで図7のステップ705〜765に示した
ステップと同一のステップを実行することにより、DP
NR43の熱収支Qdpnrを算出する。次いで、CPU6
1はステップ1810に進み、図11のステップ111
0と同様に、上記数15に基づいて単位時間あたりにお
けるDPNR43の温度変化ΔTbcを求める。なお、熱
収支補正量Qcは、前回の本ルーチンの実行時における
後述するステップ1860にて求められている。
【0191】次に、CPU61はステップ1815にて
前述した図7のステップ775(及び図11のステップ
1115)と同様に、計算時間間隔tsamp前における触
媒床温Tbcに上記温度変化ΔTbcを加えることにより現
時点の(今回の)触媒床温Tbcを推定し、続くステップ
1820にてカウンタCNTの値を「1」だけ増大す
る。次いで、CPU61はステップ1825にてエアフ
ローメータ71が計測している吸入空気流量Gaをその
時点の積算吸入空気量Sumgaに加えて新たな積算吸入空
気量Sumgaを求め、次のステップ1830にて上記求め
た今回の触媒床温Tbcをその時点の積算触媒床温SumTb
cに加えて新たな積算触媒床温SumTbcを求め、続くステ
ップ1835にて出ガス温センサ73が検出している出
ガス温Texを積算出ガス温SumTexに加えて新たな積算
出ガス温SumTexを求める。
【0192】次に、CPU61はステップ1840に進
み、同ステップ1840にてカウンタCNTの値が所定
値Cthに一致したか否かを判定し、一致していなければ
同ステップ1840にて「No」と判定して直ちにステ
ップ1895に進み、本ルーチンを一旦終了する。
【0193】CPU61は、このような処理(ステップ
1800〜ステップ1840)を所定時間tsampの経過
毎に繰り返し実行するため、カウンタCNTは次第に増
大する。この結果、カウンタCNTの値が所定値Cthと
等しくなると、即ち、上記原理の説明箇所において述べ
た「比較的長い期間」が経過すると、CPU61はステ
ップ1840に進んだとき同ステップ1840にて「Y
es」と判定してステップ1845に進み、積算吸入空
気量Sumgaを所定値Cthで除して平均吸入空気量Gaave
を求め、積算触媒床温SumTbcを所定値Cthで除して平
均触媒床温Tbcaveを求めるとともに、積算出ガス温Su
mTexを所定値Cthで除して平均検出出ガス温Texaveを
求める。
【0194】次いで、CPU61はステップ1850に
進んで平均触媒床温Tbcaveと平均検出出ガス温Texave
に基づく温度差ΔTを下記数29にしたがって求める。
この数29における値Tofは、DPNR43から受熱し
たガスが出ガスとなって現われるまでに放出した熱量に
対応する温度と考えることができ、実験によれば略一定
値として扱うことができる値である。換言すると、値T
ofは、熱収支Qdpnrが正確に修正されているとき(熱収
支補正量Qcが正しい値となっているとき)、温度差Δ
Tを「0」とするような値に選ばれている。
【0195】
【数29】ΔT=Tbcave−Texave+Tof
【0196】次いで、CPU61はステップ1855に
進み、同ステップ1855にて平均吸入空気量Gaaveと
DPNR43を通過するガスの比熱Cgと上記温度差Δ
Tとの積をとることにより熱収支基本補正量Qctbaseを
求める。そして、ステップ1860にて熱収支基本補正
量Qctbaseに0〜1の値である係数knを乗じて熱収支補
正量Qcを求める。係数knを熱収支基本補正量Qctbase
に乗じて熱収支補正量Qcを求めるのは、熱収支基本補
正量Qctbaseが正しくない場合に、推定触媒床温Tbcが
その影響を受け、誤った値に急激に変化してしまうこと
を防止するためである。そして、CPU61はステップ
1865にてカウンタCNTを「0」にクリア(設定)
し、ステップ1895にて本ルーチンを一旦終了する。
【0197】これ以降、CPU61は所定時間毎に本ル
ーチンを繰り返し実行する。その結果、カウンタCNT
の値が再び所定値Cthとなるまで、本ルーチンのステッ
プ1800〜ステップ1840が繰り返し実行されて推
定触媒床温Tbcが求められ、カウンタCNTが所定値C
thと等しくなると再びステップ1845〜ステップ18
65が実行されて、平均触媒床温Tbcaveと平均検出出
ガス温Texaveに基づく温度差ΔTに応じて熱収支補正
量Qcが求められる。
【0198】この結果、触媒床温の推定に用いる熱収支
の真値に対する僅かな偏移が確実に修正されるので、触
媒床温の推定精度が向上する。
【0199】(6.第6実施形態)次に、本発明による
排気浄化装置の第6実施形態について説明する。第6実
施形態の排気浄化装置は、第1実施形態に係る排気浄化
装置に対し、図1に破線にて示したように、DPNR4
3の下流の排気通路のDPNR43の出ガスの空燃比を
検出し、同検出した空燃比Abyfを表す信号を出力する
空燃比センサ(空燃比検出手段)77を備える点、及び
この空燃比センサ77により検出された空燃比Abyfに
基づいて添加燃料供給手段44からDPNR43に供給
された未燃燃料の量を精度良く推定することで、第1実
施形態における添加燃料の反応熱量Qractの推定精度を
向上し、以て触媒床温Tbcの推定精度を一層向上するよ
うに構成されている点のみにおいて同第1実施形態の排
気浄化装置と異なっている。従って、以下、第1実施形
態とのかかる相違点を中心に説明する。
【0200】(第6実施形態による反応熱量Qract推定
精度向上原理)いま、各気筒内及びDPNR43内で単
位時間あたりに燃焼する燃料量の合計をmfuelとする
と、下記数30が成立する。下記数30において、Ga
は前述したエアフローメータ71が計測した吸入空気流
量であり、Abyfは空燃比センサ77が検出したDPN
R43の下流側排気通路内の空燃比である。
【0201】
【数30】mfuel=Ga/Abyf
【0202】また、上記数30の燃料量の合計mfuel
は、下記数31に示したように、噴射弁21から各気筒
に供給された燃料の単位時間当りの量(平均流量)mq
と、添加燃料供給手段44からDPNR43に供給され
る添加燃料の単位時間当りの量(平均流量)mufとの和
である。
【0203】
【数31】mfuel=mq+muf
【0204】上記数30と上記数31とから、下記数3
2が得られる。
【0205】
【数32】muf=Ga/Abyf−mq
【0206】ところで、添加燃料供給手段44から供給
される添加燃料量は、駆動信号が同一であっても、例え
ば、燃料噴射用ポンプ22から供給される燃料の圧力変
動が比較的大きいことにより、大きく変動することがあ
る。また、供給燃料の圧力変動が小さい場合であって
も、添加燃料供給手段44は、製造コスト上の理由によ
り燃料噴射弁21よりも性能の経時劣化が大きい場合が
あり、この点においても、駆動信号に対する添加燃料量
が変動し易い。このため、第1実施形態のように、添加
燃料供給手段44への駆動信号に基づいて同添加燃料供
給手段44からDPNR43に供給される添加燃料の平
均流量mufを求めると、その推定誤差が比較的大きくな
る場合がある。
【0207】これに対し、気筒内に供給される燃料の平
均流量mqは、下記数33により比較的精度良く求める
ことができる。数33において、ρは燃料密度(既知の
一定値)、NEは検出されたエンジン回転速度、qfinは
CPU61にから噴射弁21に与えられる駆動信号(指
令信号)に応じた1ストローク(一回の吸気行程)あた
りの指令燃料噴射量である。また、数33の値「2」
は、対象としているエンジンが4気筒であって1回転あ
たり2回だけ燃料噴射が実行されることによる。この計
算を行う手段が、燃料供給量算出手段である。
【0208】
【数33】mq=ρ・(NE/60)・2・qfin
【0209】従って、本排気浄化装置は、上記数32と
下記数33とに基く計算を行う可燃燃料供給量算出手段
により、添加燃料供給手段44への駆動信号を用いるこ
となく、同添加燃料供給手段44からの添加燃料の平均
流量mufを求め、この平均流量mufと上記数9とに基い
て添加燃料の反応熱量Qractを求めることにより、熱収
支Qdpnr、従って、触媒床温Tbcの推定精度を向上す
る。以上が、本実施形態による反応熱量Qractの推定精
度向上原理である。
【0210】<第6実施形態の実際の作動>以下、第6
実施形態に係る排気浄化装置の触媒床温推定に係る実際
の作動について説明すると、この装置のCPU61は、
第1実施形態のCPU61が実行する図7に示したルー
チンに代えて、図19にフローチャートにより示したル
ーチンを所定時間tsampの経過毎に繰り返し実行するよ
うになっている。なお、図19において図7と同一ステ
ップには同図7と同一の符号を付し、詳細な説明を省略
する。
【0211】具体的に述べると、CPU61は、所定の
タイミングとなったときステップ1900から処理を開
始し、ステップ705〜ステップ735を実行すること
で、入ガス熱量Qin、出ガス熱量Qex、パティキュレー
ト酸化熱量Qpm、及び浄化率ηを算出する。次いで、C
PU61は、ステップ1905に進んで上記数33に基
づいて各気筒に供給された燃料の平均流量mqを求め、
ステップ1910に進んで上記数32と、その時点の空
燃比センサ77が計測している空燃比Abyfと、エアフ
ローメータ71が計測した吸入空気流量Gaと、ステッ
プ1905にて求めた燃料の平均流量mqとに基づいて
添加燃料供給手段44からDPNR43に供給される添
加燃料の単位時間当りの量(平均流量)mufを求める。
【0212】そして、CPU61はステップ745に進
み、上記数9に基づいて添加燃料の反応熱量Qractを求
め、ステップ750〜ステップ765を実行することに
より、排気ガスの反応熱(反応熱量)Qhc、及びDPN
R43からの放出熱量Qtrnを求めるとともに、ステッ
プ765にてDPNR43の熱収支Qdpnrを算出し、ス
テップ770とステップ775にて触媒床温Tbc(i)
を推定する。そして、ステップ780とステップ790
に示した処理を行って、ステップ1995にて本ルーチ
ンを一旦終了する。CPU61は、以降においても本ル
ーチンを繰り返し実行し、これにより触媒床温Tbc
(i)が推定・更新されて行く。
【0213】なお、前述したように、第6実施形態にお
いても、第1〜第5実施形態と同様に、CPU61は図
8、及び図9に示したルーチンを実行することにより、
添加燃料供給手段44から添加燃料を供給し、NOxの
放出・還元と、フィルタの再生を行う。但し、第6実施
形態においては、図8のステップ820及び図9のステ
ップ920は、添加燃料の単位時間当りの量(平均流
量)mufを求めるために不要であるので省略され得る。
【0214】以上、説明したように、第6実施形態によ
れば、空燃比センサ77の出力と、エアフローメータ7
1の出力と、比較的精度の高い指令燃料噴射量とに基づ
いて、添加燃料供給手段44からDPNR43に供給さ
れた添加燃料量の平均流量が求められ、これらから添加
燃料の反応熱量Qractが推定されるから、同反応熱量Q
ractの推定精度が高く、結果として、熱収支Qdpnr、従
って、触媒床温Tbcが精度良く推定され得る。
【0215】(7.第7実施形態)次に、本発明による
排気浄化装置の第7実施形態について説明する。第7実
施形態の排気浄化装置は、第1実施形態に係る排気浄化
装置に対し、触媒床温の将来の値Tbf(以下、「予測推
定触媒床温(予測触媒床温)Tbf」と云う。)を求め、
この予測推定触媒床温Tbfに基づいて同DPNR43の
温度を適正温度に維持するための制御(例えば、添加燃
料供給手段44から供給される添加燃料量制御等のDP
NR43の制御)を行うように構成されている点のみに
おいて同第1実施形態の排気浄化装置と異なっている。
従って、以下、第1実施形態とのかかる相違点を中心に
説明する。
【0216】第7実施形態に係る排気浄化装置のCPU
61は、第1実施形態においてCPU61が実行する図
7に示したルーチンに代えて、図20にフローチャート
により示したルーチンを所定時間tsampの経過毎に繰り
返し実行するようになっている。なお、図20におい
て、図7と同一ステップには同図7と同一の符号を付
し、詳細な説明を省略する。
【0217】具体的に述べると、CPU61は、所定タ
イミングとなったとき図20のステップ2000から処
理を開始し、ステップ705〜ステップ770を実行す
ることで、DPNR43の熱収支Qdpnrを求めるととも
に、本ルーチンの計算時間間隔(単位時間)tsamp内に
おけるDPNR43の温度変化ΔTbcを求める。
【0218】次いで、CPU61は、ステップ2005
に進んで、温度変化ΔTbcが所定の負の温度(−TCa)
から所定の正の温度TCbまでの間であるか否かを判定
し、温度変化ΔTbcが所定の負の温度(−TCa)から所
定の正の温度TCbまでの間であるときはステップ201
0に進んで値kdの値を「0」に設定する。一方、CPU
61は、温度変化ΔTbcが所定の負の温度(−TCa)か
ら所定の正の温度TCbまでの間でないと、ステップ20
05にて「No」と判定してステップ2015に進み、
同ステップ2015にて温度変化ΔTbcが所定の正の温
度TCb以上か否かを判定する。
【0219】そして、温度変化ΔTbcが所定の正の温度
TCb以上であるとき、CPU61はステップ2015に
て「Yes」と判定してステップ2020に進み、値kd
を正の所定値A1に設定する。他方、温度変化ΔTbcが
所定の負の温度(−TCa)以下であるとき、CPU61
はステップ2015にて「No」と判定してステップ2
025に進み、値kdを負の所定値(−A2)に設定す
る。
【0220】次いで、CPU61はステップ2030に
進み、下記数34に基づいて今回の予測推定床温Tbf
(i)を求める。数34において、値kcは「1」以上の
所定の値である。
【0221】
【数34】 Tbf(i)=Tbf(i−1)+kc・ΔTbc+kd
【0222】その後、CPU61はステップ2035に
て次回の本ルーチンの実行のために前回の予測推定触媒
床温Tbf(i−1)を今回の予測推定触媒床温Tbf
(i)と等しい値に設定し、続くステップ785にて添
加燃料の積算値Smufを「0」にクリアする。次いで、
CPU61はステップ790にてDPNR43のケース
の表面温度Tsufを求め、ステップ2095に進んで本
ルーチンを終了する。CPU61は、以降においても本
ルーチンを繰り返し実行し、これにより予測推定触媒床
温Tbf(i)が推定・更新されて行く。
【0223】図21は、上記のようにして求められる予
測推定触媒床温Tbfを破線にて示し、第1実施形態の排
気浄化装置により求められる推定触媒床温Tbcを実線に
て示したタイムチャートである。この図21から理解さ
れるように、予測推定触媒床温Tbfは、推定触媒床温T
bcが所定の速度以上の速度(ΔTbc≧TCb)で上昇する
間は同推定触媒床温Tbcよりも少なくとも値kdだけ高い
温度として推定され、推定触媒床温Tbcが所定の速度以
上の速度(|ΔTbc|≧|−TCa|)で下降する間は同推定
触媒床温Tbcよりも少なくとも値|kd|だけ低い温度とし
て推定される。
【0224】従って、かかる予測推定触媒床温Tbfが所
定の上限側閾値温度以上となったときにDPNR43の
触媒床温を下降させる制御を開始し、或いは、予測推定
触媒床温Tbfが所定の下限側閾値温度以下となったとき
にDPNR43の触媒床温を上昇させる制御を開始すれ
ば、実際の触媒床温を所望の温度範囲内(上限側閾値温
度と下限側閾値温度の間の温度)に容易に維持すること
ができる。特に、DPNR43においては、図4に示し
たように、触媒床温が所定温度以上になると、パティキ
ュレートの酸化速度が急激に上昇し同触媒床温(の上昇
速度)が急増するから、このような予測推定触媒床温T
bfによる触媒床温制御を行うことにより、触媒床温が過
大となることを未然に防止することができる。
【0225】次に、本実施形態による、上記した予測推
定触媒床温Tbfに基づくDPNR43の触媒床温制御の
一例について図22及び図23を参照して説明する。な
お、図22及び図23は、それぞれNOx放出・還元実
行ルーチン及びフィルタ再生実行ルーチンをそれぞれ示
したフローチャートであり、CPU61は、このNOx
放出・還元実行ルーチン及びフィルタ再生実行ルーチン
を、第1実施形態の図8及び図9に示したルーチンに代
えて、それぞれ第1所定時間及び第2所定時間の経過毎
に実行する。
【0226】図22に示したルーチンは、図8に示した
ルーチンのステップ805をステップ2205に置換し
た点のみにおいて異なっている。即ち、CPU61は、
ステップ2205にて上記予測推定触媒床温Tbfが所定
の上限側閾値温度Totp以上となったか否かを判定し、
予測推定触媒床温Tbfが所定の上限側閾値温度Totp以
上であればNOx放出用の添加燃料量INJnoxを「0」に
設定する。他方、予測推定触媒床温Tbfが所定の上限側
閾値温度Totpより小さければ添加燃料量INJnoxをステ
ップ825にてマップから決定される値に設定する。
【0227】同様に、図23に示したルーチンは、図9
に示したルーチンのステップ905をステップ2305
に置換した点のみにおいて異なっている。即ち、CPU
61は、ステップ2305にて上記予測推定触媒床温T
bfが所定の上限側閾値温度Totp以上となったか否かを
判定し、予測推定触媒床温Tbfが所定の上限側閾値温度
Totp以上であればフィルタ再生用(触媒床温上昇用)
の添加燃料量INJfltを「0」に設定する。他方、予測推
定触媒床温Tbfが所定の上限側閾値温度Totpより小さ
ければ添加燃料量INJfltをステップ925にてマップか
ら決定される値に設定する。
【0228】この結果、実際の触媒床温が上昇傾向にあ
るときには、同実際の触媒床温が上限側閾値温度Totp
に到達する時点より前の時点で添加燃料量INJNOx及び添
加燃料量INJfltが「0」となって、添加燃料供給手段4
4から未燃燃料が供給されなくなるので、触媒床温の上
昇を早期に抑制することができ、触媒床温が過熱温度と
なることを回避することができる。なお、このように添
加燃料量INJNOx及び添加燃料量INJfltを「0」とするこ
とは、これら添加燃料量INJNOx及び添加燃料量INJfltが
通常は「0」でないことから鑑みると、触媒床温を下降
する制御を行っていると言うこともできる。即ち、上記
ステップ2205、810、815の処理、及び上記ス
テップ2305、910、915の処理は、DPNR4
3の触媒床温を上昇及び下降させる触媒床温変更手段
と、そのように添加燃料供給手段44に指令信号(駆動
信号)を発生する触媒床温制御手段の機能を達成してい
る。もちろん、この制御のほかに、例えば、アイドル運
転における回転数を僅かだけ上昇して冷たいガスをDP
NR43内に導入することで触媒床温を低下させる等
(他の例は後述する)の制御を行ってもよい。
【0229】(8.第8実施形態)次に、本発明による
排気浄化装置の第8実施形態について説明する。第8実
施形態の排気浄化装置は、第2,第3実施形態の排気浄
化装置のように、DPNR43の推定出ガス温Texcal1
と実際の検出出ガス温Texとの第1温度差ΔTex1等に
基づいて触媒床温を推定する際の熱収支Qdpnrを修正す
る(触媒床温推定モデルを修正する)ことに加えて、推
定出ガス温Texcal1を時間的に更に遅らせた遅延推定出
ガス温(単に、「遅延出ガス温」ともいう。)Texcal2
と検出出ガス温Texの第2温度差ΔTex2に基づいて予
測推定触媒床温Tbfを求め、同予測推定触媒床温Tbfに
基づいて同DPNR43の温度を適正温度に維持するた
めの制御(例えば、添加燃料供給手段44から供給され
る添加燃料量制御等のDPNR43の温度制御)を行う
ものである。
【0230】まず、予測推定触媒床温Tbfを求めるため
の本排気浄化装置の具体的構成について、CPU61が
実行するプログラムを機能ブロック図にて示した図24
を参照して説明すると、本排気浄化装置は、推定触媒床
温Tbcを求める推定触媒床温演算ブロックB1と、予測
推定触媒床温Tbfを求める予測推定触媒床温演算ブロッ
クB2とを備えている。
【0231】推定触媒床温演算ブロックB1は、推定触
媒床温Tbcを求める触媒床温推定モデルM1と、第1推
定出ガス温Texcal1を演算する第1出ガス温推定モデル
M2と、触媒床温推定モデルM1の第1修正量を発生す
る第1修正量発生手段M3とを含んで構成されている。
【0232】触媒床温推定モデルM1は、上記数1に基
づいて熱収支Qdpnrを計算するとともに、上記数15に
基づいてDPNR43の温度変化ΔTbcを計算し、上記
数3に基づいて推定触媒床温Tbcを求めるようになって
いる。第1出ガス温推定モデル(出ガス温推定手段)M
2は、入ガス温センサ72が検出する検出入ガス温Tin
及び触媒床温推定モデルM1により求められた推定触媒
床温Tbcと、上記数26により説明した考え方に基づく
下記数35によって、真の出ガス温を推定した結果であ
る第1推定出ガス温Texcal1を演算するようになってい
る。数35のTsi,Ts1は時定数である。
【0233】
【数35】Texcal1=Tin・(1-exp(-t/Tsi))+(Tb
c−Tin)・(1-exp(-t/Ts1))
【0234】第1修正量発生手段M3は、第1出ガス温
推定モデルM2により求められた第1推定出ガス温Tex
cal1と出ガス温センサ73が検出する検出出ガス温Tex
との第1温度差ΔTex1が「0」となるように触媒床温
推定モデルM1の熱収支補正量Qcを(一例を挙げる
と、所定の定数k1と第1温度差ΔTex1の積として)求
め、これを同触媒床温推定モデルM1に出力するように
なっている。
【0235】以上の構成により、推定触媒床温演算ブロ
ックB1においては、触媒床温推定モデルM1の修正が
なされるので、推定触媒床温Tbcの真の触媒床温Tbctr
uに対する誤差が小さくなる。以上は、第2実施形態
(の変形例)の構成と同様である。
【0236】これに対し、予測推定触媒床温演算ブロッ
クB2は、第2推定出ガス温Texcal2を演算する第2出
ガス温推定モデル(遅延出ガス温推定手段)M4と、予
測推定触媒床温Tbfを求めるための修正量Qfを発生す
る第2修正量発生手段M5と、予測推定触媒床温Tbfを
推定する触媒床温予測推定モデルM6とを含んで構成さ
れている。
【0237】第2出ガス温推定モデルM4は、検出入ガ
ス温Tin、触媒床温推定モデルM1により求められた推
定触媒床温Tbc、及び上記数26により説明した考え方
に基づく下記数36によって第2推定出ガス温Texcal2
を演算するようになっている。この場合、数36中の時
定数Ts2は、上記数35の時定数Ts1よりも大きい値に設
定されていて、これにより、第2推定出ガス温Texcal2
は、第1推定出ガス温Texcal1よりも時間的に遅延され
た値となる。
【0238】
【数36】Texcal2=Tin・(1-exp(-t/Tsi))+(Tbc
−Tin)・(1-exp(-t/Ts2))
【0239】第2修正量発生手段M5は、第2出ガス温
推定モデルM4により求められた第2推定出ガス温Tex
cal2から検出出ガス温Texを減算した結果である第2温
度差ΔTex2が正の値であれば修正量Qfを所定量だけ減
少し、同第2温度差ΔTex2が負の値であれば同修正量
Qfを所定量だけ増大し、その修正量Qfを触媒床温予測
推定モデルM6に供給するようになっている。一例を挙
げると、第2修正量発生手段M5は、修正量Qfを負の
定数k11と第2温度差ΔTex2の積として求める。なお、
定数k11の絶対値は、上記定数k1の絶対値と等しいか、
又はそれ以上である。
【0240】触媒床温予測推定モデルM6は、入力した
修正量Qfと触媒床温推定モデルM1から入力される熱
収支Qpnrと下記数37及び下記数38とに基づいて予
測推定触媒床温Tbfを演算するようになっている。
【0241】
【数37】ΔTbf=(Qdpnr+Qf)/(M・C)
【0242】
【数38】Tbf(i)=ΔTbf+Tbf(i−1)
【0243】即ち、触媒床温予測推定モデルM6は、熱
収支Qdpnrの修正量がQcからQfに変更されている点を
除き、触媒床温推定モデルM1と同一の演算を実質的に
行うようになっている。
【0244】このように構成された予測推定触媒床温演
算ブロックB2においては、真の出ガス温が上昇してい
る場合、第2推定出ガス温Texcal2は、同真の出ガス温
を推定する第1推定出ガス温Texcal2よりも時間的に遅
れた挙動を示すから、同真の出ガス温よりも低い温度と
して求められ、その結果、ΔTex2は負の値となり、修
正量Qfは修正量Qcよりも大きい値となる。従って、
触媒床温予測推定モデルM6により求められる予測推定
触媒床温Tbfは、触媒床温推定モデルM1により求めら
れる推定触媒床温Tbcよりも高い温度となる。本排気浄
化装置は、かかる予測推定触媒床温Tbfに基づいてDP
NR43の触媒床温を適正温度に維持する制御を行うの
で、触媒床温が上昇している場合に同触媒床温が過熱温
度に至ることを未然に防止することができる。
【0245】次に、上記に説明した排気浄化装置の具体
的作動について、CPU61が実行するルーチンをフロ
ーチャートにより示した図25〜図27を参照しながら
説明する。なお、CPU61は、図25に示したルーチ
ンを所定の単位時間tsampの経過毎に実行するととも
に、図22及び図23に示したルーチンも所定時間の経
過毎に実行するようになっている。また、図25におい
て図14に示したステップと同一のステップには同一の
符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0246】先ず、所定のタイミングとなると、CPU
61は図25のステップ2500から同図25に示した
ルーチンの処理を開始し、ステップ1405〜1415
を実行することでDPNR43の熱収支Qdpnr、単位時
間あたりにおけるDPNR43の温度変化ΔTbc、及び
現時点の触媒床温Tbc(i)を求める。そして、CPU
61はステップ2505に進み、図26に示したルーチ
ンをステップ2600から実行することで第1推定出ガ
ス温Texcal1を演算する。
【0247】具体的に述べると、CPU61はステップ
2605にて入ガス温センサ72により検出された入ガ
ス温Tinに対して同ステップ2605に示した処理(実
質的な一次遅れ処理)を行うことにより、一次遅れ入ガ
ス温Tindを求める。なお、係数β1は1より小さい正
の数である
【0248】次いで、CPU61はステップ2610に
進み、今回の(先のステップ1415にて求めた)推定
触媒床温Tbc(i)から入ガス温センサ72により検出
された入ガス温Tinを減じることで入ガス温と触媒床温
の温度差ΔTbcinを求め、続くステップ2615にて温
度差ΔTbcinに対して同ステップ2615に示した処理
(実質的な一次遅れ処理)を行うことにより、第1一次
遅れ温度偏差Tbcin1を求める。なお、係数β2は1よ
り小さい正の数である。そして、CPU61はステップ
2620に進み、上記一次遅れ入ガス温Tindに上記第
1一次遅れ温度偏差Tbcin1を加えることにより、真の
出ガス温を推定した第1推定出ガス温Texcal1を求め
る。
【0249】次に、CPU61はステップ2695を介
して図25のステップ2510に戻り、同ステップ25
10にて第1推定出ガス温Texcal1から出ガス温センサ
73が検出している実際の出ガス温Texを減じて第1温
度差ΔTex1を求める。次いで、CPU61はステップ
2515に進み、前記ステップ2510で求めた第1温
度差ΔTex1から前回の第1温度差ΔTex1oldを減じる
ことにより、第1温度差ΔTex1の第1時間微分値(所
定時間あたりの変化量)dΔTex1を求める。
【0250】次に、CPU61はステップ2520に進
んで熱収支補正基本量Qco(i)を、同ステップ2520
に示した式(上記数27を参照。)にしたがって求め
る。ここで、値SumΔT1は第1温度差ΔTex1の時間積
分値である。次いで、CPU61はステップ2525に
進んで、同ステップ2525に示した式(上記数28を
参照。)にしたがって熱収支補正基本量Qco(i)に対し
て一次遅れ処理を施し、熱収支補正量Qc(i)を求める。
【0251】次に、CPU61はステップ2530にて
次回の本ルーチンの計算のために前回の第1温度差ΔT
exold1に今回の第1温度差ΔTex1を格納し、ステップ
2535にてその時点の第1温度差ΔTex1の時間積分
値SumΔT1に今回の第1温度差ΔTex1を加えることで
同第1温度偏差の時間積分値SumΔT1を更新する。そ
して、ステップ2540にて、今回の推定触媒床温Tbc
(i)、今回の第1推定出ガス温Texcal1(i)、及び
今回の熱収支補正量Qc(i)を、前回の推定触媒床温
Tbc(i−1)、前回の第1推定出ガス温Texcal1(i
−1)、及び前回の熱収支補正量Qc(i−1)にそれ
ぞれ格納し、ステップ2545にて添加燃料の積算値S
mufを「0」にクリアする。
【0252】次に、CPU61はステップ2550に進
んで上記数37にしたがって単位時間当りの触媒床温の
温度変化ΔTbfを求め、ステップ2555に進んで上記
数38にしたがって今回の予測推定触媒床温Tbf(i)
を求める。そして、CPU61はステップ2560に進
み、図27に示したルーチンをステップ2700から実
行することで第2推定出ガス温Texcal2を演算する。
【0253】具体的に述べると、CPU61はステップ
2705にて先のステップ2610で求めた温度差ΔT
bcin(推定触媒床温Tbc(i)から入ガス温センサ72
により検出された入ガス温Tinを減じた値)に対して同
ステップ2705に示した処理(実質的な一次遅れ処
理)を行うことにより、第2一次遅れ温度偏差Tbcin2
を求める。なお、係数β3は1より小さい正の数であっ
て、前記ステップ2615にて使用した係数β2よりも
大きい。即ち、推定触媒床温と入ガス温の温度差ΔTbc
inは、ステップ2705の処理により、ステップ261
5の処理による値よりも大きく遅延される。そして、C
PU61はステップ2710に進み、上記一次遅れ入ガ
ス温Tindに上記第2一次遅れ温度偏差Tbcin2を加える
ことにより、真の出ガス温を推定した第1推定出ガス温
Texcal1よりも時間的に遅れた第2推定出ガス温Texca
l2を求める。
【0254】次に、CPU61はステップ2795を介
して図25のステップ2565に戻り、同ステップ25
65にて第2推定出ガス温Texcal2から出ガス温センサ
73が検出している実際の出ガス温Texを減じて第2温
度差ΔTex2を求める。次いで、CPU61はステップ
2570に進み、前記ステップ2565で求めた第2温
度差ΔTex2から前回の第2温度差ΔTex2oldを減じる
ことにより、第2温度差ΔTex2の第2時間微分値(所
定時間あたりの変化量)dΔTex2を求める。
【0255】次いで、CPU61はステップ2575に
進んで基本修正量Qfo(i)を、同ステップ2575に示
した式(上記数27を参照。)にしたがって求める。こ
こで、値SumΔT2は第2温度差ΔTex2の時間積分値で
ある。次いで、CPU61はステップ2580に進ん
で、同ステップ2580に示した式(上記数28を参
照。)にしたがって基本修正量Qfo(i)に対して一次遅
れ処理を施し、修正量Qf(i)を求める。なお、ステップ
2580で用いる係数α4は1より小さい正の数であ
り、係数α3と同一であることが好適である。
【0256】次に、CPU61はステップ2585に進
んで次回の本ルーチンの計算のために前回の第2温度差
ΔTexold2に今回の第2温度差ΔTex2を格納し、ステ
ップ2590にてその時点の第2温度差ΔTex2の時間
積分値SumΔT2に今回の第2温度差ΔTex2を加えるこ
とで同第2温度偏差の時間積分値SumΔT2を更新す
る。そして、ステップ2595にて、今回の予測推定触
媒床温Tbf(i)、今回の第2推定出ガス温Texcal2
(i)、及び今回の修正量Qf(i)を、前回の予測推
定触媒床温Tbf(i−1)、前回の第2推定出ガス温T
excal2(i−1)、及び前回の修正量Qf(i−1)に
それぞれ格納し、ステップ2598にて本ルーチンを一
旦終了する。
【0257】CPU61は、以降においても本ルーチン
を繰り返し実行し、これにより推定触媒床温Tbc
(i)、及び予測推定触媒床温Tbf(i)が更新されて
行く。また、第2推定出ガス温Texcal2は、真の出ガス
温を推定した第1推定出ガス温Texcal1よりも時間的に
遅れた挙動を示すから、真の出ガス温(第1推定出ガス
温Texcal1)が上昇しているときには同第1推定出ガス
温Texcal1よりも低い温度示すので、修正量Qfは熱収
支修正量Qcよりも大きな値となり、その結果、予測予
測推定触媒床温Tbfは推定触媒床温Tbcよりも高い温度
として求められる。
【0258】また、前述したように、CPU61は図2
2及び図23に示したルーチンも所定時間の経過毎に実
行する。従って、予測推定触媒床温Tbfが実際の触媒床
温が上限側閾値温度Totpに到達した時点(真の触媒床
温Tbctruにより近い推定触媒床温Tbcが上限側閾値温
度Totpに到達するより前の時点)で添加燃料量INJNOx
及び添加燃料量INJfltが「0」となって、添加燃料供給
手段44から未燃燃料が供給されなくなるので、触媒床
温の上昇を早期に抑制することができ、触媒床温が過熱
温度となることを回避することができる。
【0259】(9.第9実施形態)次に、本発明による
排気浄化装置の第9実施形態について説明する。第9実
施形態は、第1〜第8実施形態のようにDPNR43の
熱収支Qdpnrそのものから触媒床温を推定するものでは
なく、DPNR43に流入するガスの入ガス温と、同D
PNR43から流出するガスの出ガス温とに基づいてD
PNR43内での発熱量(即ち、パティキュレートの酸
化熱量、及び添加燃料等の流入した可燃燃料の酸化熱
量)に応じた値を推定し、この推定値に基づいて触媒床
温Tbcを推定しようとするものである。以下、その推定
原理の概要から説明する。
【0260】<第9実施形態の触媒床温推定原理の概要
>DPNR43内に流入するガスは、同DPNR43内
で発生した熱を受取ってから排出される。この結果、入
ガス温Tinの入ガスは、出ガス温Texの出ガスとなる。
いま、DPNR43内に入ガス温Tinの入ガスが流入
し、このガスがDPNR43内で発生した熱を受取るこ
とがない(即ち、DPNR43内部で化学反応による熱
が発生しない)と仮定した場合の出ガス温をTexthr
(以下、この出ガス温を「仮定出ガス温Texthr」と称
呼する。)とすると、出ガス温Texと仮定出ガス温Tex
thrの温度差ΔTexthrはDPNR43内での発熱量に応
じた値となる。従って、時刻tにおける触媒床温Tbc
(t)は下記数39に基づいて推定することができる。こ
こで、Tin(t)は時刻tの入ガス温、ΔTexthr(t)は時
刻tの出ガス温Tex(t)と仮定出ガス温Texthr(t)の
差、Keは所定の定数(ゲイン)である。
【0261】
【数39】Tbc(t)=Tin(t)+Ke・ΔTexthr(t)=Tin
(t)+Ke・(Tex(t)−Texthr(t))
【0262】次に、出ガス温Texと仮定出ガス温Texth
rの温度差ΔTexthrの推定方法について、DPNR43
に関連する温度の変化を示したタイムチャートである図
28を参照しながら説明する。図28において、太い実
線は真の触媒床温Tbctru、破線は入ガス温Tin、一点
鎖線は出ガス温Tex、二点鎖線は仮定出ガス温Texth
r、及び細い実線は本実施形態の排気浄化装置により推
定された推定触媒床温Tbcを示している。
【0263】ところで、DPNR43に流入したガス
は、同DPNR43内で発生した熱を受取らないとする
と、同DPNR43を通過している間に熱を奪われる。
従って、仮定出ガス温Texthrは、入ガス温Tinに対し
て例えば一次遅れ処理等の遅れ処理を施した温度に応じ
た値となる。また、入ガスは同DPNR43を所定の時
間で通過して出ガスとなる。従って、入ガス温Tinの変
化が仮定出ガス温Texthrに現われるまでには、所定の
時間(システム上のむだ時間τ)が経過する。以上のこ
とから、時刻tの仮定出ガス温Texthr(t)は下記の数4
0により推定することができる。数40のTssは時定
数、Kfはオフセット量である。
【0264】
【数40】Texthr(t)=(1−exp(−(t−τ)/Tss)
・Tin(t)−Kf
【0265】上記数40における時定数Tssは、DPN
R43の床温変化が同DPNR43内を通過するガスの
温度を変化させる際の熱伝達率に関する値であり、DP
NR43を通過するガス流量Ginの影響を強く受ける。
また、熱伝達率はDPNR43を通過するガスの空燃比
Abyfや出ガス温Texにより変化する同ガスの粘性(従
って、DPNR43内での対流の発生の仕方)の影響を
受ける。
【0266】このことから、適切な時定数Tssをガス流
量Gin、空燃比Abyf、及び出ガス温Texに基く値とし
て予め求めておき、これらの関係をマップMTSとしてR
OM62内に記憶しておく。そして、本排気浄化装置
は、実際のガス流量Gin、空燃比Abyf、及び出ガス温
Texと、マップMTSとから時定数Tssを求める。
【0267】また、上記数40におけるむだ時間τは、
DPNR43に流入したガスが同DPNR43から排出
されるまでの時間である。実際には入ガス温Tinは入ガ
ス温センサ72により、出ガス温Texは出ガス温センサ
73によりそれぞれ検出されるから、図13に示したよ
うに入ガス温センサ72と出ガス温センサ73の検出素
子間の距離をLとし、入ガス温センサ72の配設部位に
おけるガスの流速をUinとするとき、むだ時間τは下記
数41により求められる。
【0268】
【数41】τ=L/Uin
【0269】そして、数41の入ガス温センサ72の配
設部位における時刻tでのガスの流速Uin(t)は、入ガ
ス温センサ72の配設部位における時刻tのガスの体積
流量をAQin(t)、入ガス温センサ72の配設部位にお
けるガス通路断面積をAinとするとき、下記数42によ
り求められる。
【0270】
【数42】Uin(t)=AQin(t)/Ain
【0271】更に、入ガス温センサ72の配設部位にお
けるガスの体積流量AQin(t)は、同入ガス温センサ7
2の配設部位におけるガスの検出圧力をPin(t)とする
とき、下記数43により求められる。数43は、気体の
状態方程式に基づくとともに、入ガス温センサ72の配
設部位におけるガスの質量流量はエアフローメータ71
が計測する時刻tの質量流量Ga(t)に対して遅れ処理
(例えば、一次遅れ処理)を施した値と等しいとの知見
に基づく式である。ここで、Tsaは時定数、Rは気体定
数である。
【0272】
【数43】AQin(t)=Ga(t)・(1−exp(−t/Ts
a))・R・Tin(t)/Pin(t)
【0273】以上により、時定数Tssと、むだ時間τと
が求まるから、上記数40にしたがって時刻tの仮定出
ガス温Texthr(t)を求めることができ、上記数39によ
り触媒床温Tbcを推定することができる。
【0274】<第9実施形態の具体的構成及び作動>次
に、以上に説明した方法に基づいて触媒温度を推定する
ための、本排気浄化装置の具体的構成とその作動につい
て、CPU61が実行するプログラムを機能ブロック図
にて示した図29を参照して説明すると、本排気浄化装
置は、時定数演算部N1、入ガス体積流量演算部N2、
入ガス温センサ部流速演算部N3、むだ時間演算部N
4、入ガス温一次遅れ処理部N5、DPNR内部発熱量
推定部N6、増幅部N7、及び加算部N8を含んでい
る。
【0275】時定数演算部N1は、実際のガス流量G
a、空燃比Abyf、及び出ガス温Texと、上記マップMTS
とから時定数Tssを求めるようになっている。入ガス体
積流量演算部N2は、上記数43に基づいて入ガス温セ
ンサ72の配設部位におけるガスの体積流量AQin(t)
を求めるようになっている。なお、入ガス温センサ72
の配設部位におけるガスの検出圧力Pin(t)は、同入ガ
ス温センサ72近傍に配設された圧力センサ(図1にお
いて図示省略)により検出されるようになっている。入
ガス温センサ部流速演算部N3は、入ガス体積流量演算
部N2が演算したガスの体積流量AQin(t)と、上記数
42とに基づいて入ガス温センサ72の配設部位におけ
るガスの流速Uin(t)を求めるようになっている。
【0276】むだ時間演算部N4は、上記数41に基い
てむだ時間τを計算し、入ガス温一次遅れ処理部N5
は、時定数演算部N1により演算された時定数Tss、及
びむだ時間演算部N4により演算されたむだ時間τに基
づき、上記数40を用いて仮定出ガス温Texthr(t)を演
算するようになっている。DPNR内部発熱量推定部N
6は、出ガス温Tex(t)から仮定出ガス温Texthr(t)を
減算し、同出ガス温Tex(t)と同仮定出ガス温Texthr
(t)の温度差ΔTexthr(t)を求めるようになっている。
増幅部N7はこの温度差ΔTexthr(t)をKe倍して出力す
るようになっている。加算部N8は、入ガス温Tin(t)
と前記Ke倍された温度差ΔTexthr(t)とを加えることで
上記数39にしたがって推定触媒床温Tbc(t)を求める
ようになっている。
【0277】このようにして求められた推定触媒床温T
bcは図28の細い実線に示したように変化する。そし
て、この排気浄化装置は、この推定触媒床温Tbc(t)に
基づいて、例えば、上記した他の実施形態と同様なDP
NR43の触媒床温を制御する添加燃料量の制御を行
う。
【0278】以上、説明したように、本実施形態におい
ては、入ガス温センサ72が検出する入ガス温Tin、及
び同入ガス温Tinに例えば一次遅れ等の遅れ処理を施し
た値と出ガス温センサ73が検出する出ガス温Texの偏
差ΔTexthrに基づきDNPR43の触媒床温を推定し
ているので、同DPNR43内の発熱(パティキュレー
トの酸化熱量、及び流入する添加燃料等の可燃燃料の酸
化熱量)が触媒床温の推定に反映される。従って、本実
施形態の排気浄化装置は、触媒床温を精度良く推定する
ことができる。
【0279】(10.第10実施形態)次に、本発明に
よる排気浄化装置の第10実施形態について説明する。
第10実施形態は、第9実施形態と類似していて、より
精度良く触媒床温を推定しようとするものである。即
ち、第9実施形態の排気浄化装置により推定された触媒
床温Tbcは、図28に示したように、そのピーク値を真
の触媒床温Tbctruのピーク値よりも遅い時刻に有する
ので、触媒床温の制御に用いるには十分でない場合があ
る。そこで、本第10実施形態においては、推定触媒床
温Tbcがそのピーク値を示す時刻が、真の触媒床温Tbc
truがピーク値を示す時刻と略一致するように以下の方
法により同推定触媒床温Tbcを求める。
【0280】<第10実施形態の触媒床温推定原理の概
要>前記第9実施形態における出ガス温Tex(t)と仮定
出ガス温Texthr(t)の温度差ΔTexthrは、DPNR4
3内部の化学反応による発熱の結果としての触媒床温
が、同DPNR43を通過するガスの温度に及ぼした影
響分に対応していると考えることができる。
【0281】一方、DPNR43(の基材)から同DP
NR43を通過するガスへ熱伝達がなされ、その結果、
出ガス温が上昇を終えるまでの時間は、同ガスのDPN
R43の通過時間に対して遅い。即ち。触媒床温がピー
ク値となった後においても入ガス温が触媒床温より低け
れば、出ガス温は上昇を続ける。但し、触媒床温がピー
ク値となった後は、触媒床温とDPNR43内部のガス
温との差が小さくなるから、触媒床温が同パティキュレ
ートフィルタを通過するガスの温度に及ぼした影響分で
ある前記温度差ΔTexthrの上昇速度は低下する。以上
のことから、温度差ΔTexthrの上昇速度が最大となる
時刻近傍で触媒床温は最大になっていると考えることが
できる。
【0282】そこで、本実施形態においては、温度差Δ
Texthrの上昇程度を表す二階微分値(d2ΔTexthr/dt
2)が正の値である間(図30における時刻t1まで)
は触媒床温は上昇するとともに、その上昇速度は温度差
ΔTexthrの一回微分値(dΔTexthr/dt)で表されて
いると考え、その後(二階微分値(d2ΔTexthr/dt2
が負の値となった時点以降は、触媒床温は減少するとし
て触媒床温を推定する。以上が、第10実施形態の排気
浄化装置による触媒床温の推定原理である。
【0283】<第10実施形態の具体的構成及び作動>
次に、以上に説明した方法に基づいて触媒温度を推定す
るための、本排気浄化装置の具体的構成とその作動につ
いて、CPU61が実行するプログラムを機能ブロック
図にて示した図31を参照して説明すると、本排気浄化
装置は、時定数演算部N1、入ガス体積流量演算部N
2、入ガス温センサ部流速演算部N3、むだ時間演算部
N4、入ガス温一次遅れ処理部N5、DPNR内部発熱
量推定部N6、時間微分演算部N9,N10、ゲイン決
定部N11、及び推定触媒床温演算部N12を含んでい
る。
【0284】これらのうち、時定数演算部N1、入ガス
体積流量演算部N2、入ガス温センサ部流速演算部N
3、むだ時間演算部N4、及び入ガス温一次遅れ処理部
N5、DPNR内部発熱量推定部N6は、第9実施形態
の対応する部分と同一であるから説明を省略する。
【0285】時間微分演算部N9は、DPNR内部発熱
量推定部N6により求められた温度差ΔTexthrを時間
微分して1階微分値(dΔTexthr/dt)を求める。時間
微分演算部N10は、その1階微分値(dΔTexthr/d
t)を時間微分して二階微分値(d2ΔTexthr/dt2)を
求める。ゲイン決定部N11は、温度差の1階微分値
(dΔTexthr/dt)が「0」以上であり、且つ、温度差
の二階微分値(d2ΔTexthr/dt2)が「0」以上である
ときのみゲインKgの値を所定の正の値Kiに設定し、その
他の場合は同ゲインKgの値を所定の負の値(−Kj)に設
定する。
【0286】推定触媒床温演算部N12は、下記数4
4、又は、下記数45にしたがって推定触媒床温Tbcを
演算する。
【0287】
【数44】Tbc=Tin+Kg・ΔTexthr
【0288】
【数45】 Tbc(i)=Tbc(i−1)+Kg・ΔTexthr
【0289】上記数44により求められた推定触媒床温
Tbcは、図30の(A)において太い破線により示され
ている。これによれば、推定触媒床温Tbcがピーク値を
取る時刻と同図に太い実線により示された真の触媒床温
Tbctruがピーク値を取る時刻が略一致するから、この
推定触媒床温TbcによりDPNR43の温度を制御する
ことで、同DPNR43が過熱状態となることを回避す
ることができる。
【0290】<第10実施形態の変形例>次に、上記第
10実施形態の排気浄化装置の変形例について説明す
る。上記第10実施形態は、温度差ΔTexthrの1階微
分値(dΔTexthr/dt)が「0」以上であり、且つ、温
度差の二階微分値(d2ΔTexthr/dt2)が「0」以上で
あるときのみゲインKgの値を所定の正の値Kiに設定し、
その他の場合は同ゲインKgの値を所定の負の値(−Kj)
に設定していたが、下記、表1のようにゲインKgを設定
してもよい。但し、Kg1,Kg2,Kg3,Kg4はすべて正の値
である。
【0291】
【表1】
【0292】この場合、推定触媒床温Tbcは、温度差の
一階微分値(dΔTexthr/dt)が正であり、温度差の二
階微分値(d2ΔTexthr/dt2)が「0」となる時刻t2
にピーク値を有することになる。この時刻t2は、真の
触媒床温がピーク値をとる時刻tpよりも遅れている
が、温度差の二階微分値(d2ΔTexthr/dt2)が「0」
となる時刻t1から推定触媒床温Tbcが緩やかに減少さ
れるから、推定触媒床温Tbcの真の触媒床温Tbctruに
対する誤差は小さい。
【0293】(11.第11実施形態)次に、本発明に
よる排気浄化装置の第11実施形態について説明する。
第11実施形態の排気浄化装置は、上記第1〜第10実
施形態により求められた推定触媒床温Tbc、又は予測推
定触媒床温Tbfが目標床温Tbtとなるように種々の制御
を行うことにより、触媒が過熱することを回避しながら
フィルタ(DPNR43)の再生を行うものであり、特
に、フィルタ再生制御時の目標床温Tbtを適切に設定す
る装置に関する。
【0294】<第11実施形態の目標床温Tbtの設定方
法の概要>まず、本実施形態における目標床温Tbtの設
定原理の概要について述べる。前述したように、DPN
R43はパティキュレートを捕集しながら酸化するが、
DPNR43の触媒床温が低い場合にはパティキュレー
トの酸化速度が低いため、同DPNR43内にパティキ
ュレートが堆積して行く。或いは、機関の運転状態によ
っては、パティキュレートが大量に発生するから、その
ような場合にもDPNR43内にパティキュレートが堆
積する。
【0295】このようなパティキュレートの堆積量が大
量となると、機関の排気抵抗が増大するとともにDPN
R43のパティキュレート捕集能力が低下するから、パ
ティキュレート堆積量Gpmが所定量よりも多くなった場
合には、例えば、添加燃料供給手段44からDPNR4
3に多量の燃料を供給したり、燃料噴射弁21の通常の
噴射(メイン噴射)の後に再度噴射を行うことにより
(所謂、ポスト噴射を行うことにより)未燃ガスを機関
10から発生させてDPNR43に供給することにより
触媒床温を上昇させ、以て堆積したパティキュレートを
燃焼・除去するという特別な制御を行ってパティキュレ
ートを燃焼させる必要が生じる。以下、係る特別な制御
を、フィルタ再生制御と呼ぶ。
【0296】しかし、かかるフィルタ再生制御を開始し
たとき、パティキュレート堆積量Gpmが基準量(設計段
階で想定する量)よりも大きいと、このパティキュレー
トが一気に燃焼することにより予想以上に大きな熱が発
生して触媒床温が急激に上昇し、その結果、触媒が過熱
する恐れがある。
【0297】そこで、本実施形態にかかる排気浄化装置
は、フィルタ再生制御の開始後の所定期間は、予想外に
多くのパティキュレートが堆積していたとしても、触媒
床温が過熱温度に至らない程度であってパティキュレー
トの酸化が可能な比較的低い温度に目標床温(目標温
度)Tbtを設定する。これにより、堆積していたパティ
キュレートが徐々に除去される。そして、排気浄化装置
は、前記所定期間の経過後、目標温度Tbtを上昇し残り
のパティキュレートを完全に除去する。以上が、目標床
温Tbtの設定方法の概要である。
【0298】<第11実施形態の作動>次に、第11実
施形態に係る排気浄化装置のフィルタ再生制御を行う際
の実際の作動について、図32〜図35を参照して説明
する。この装置のCPU61は、図32にフローチャー
トにより示したフィルタ再生開始・終了判定ルーチンを
所定時間の経過毎に繰り返し実行している。
【0299】従って、所定のタイミングになるとCPU
61はステップ3200から処理を開始してステップ3
205に進み、フィルタ再生制御実行フラグFFSの値
が「1」であるか否かを判定する。このフィルタ再生制
御実行フラグFFSは、その値「1」によりフィルタ再
生制御が実行中であることを示し、その値「0」により
フィルタ再生制御が非実行中であることを示す。また、
フィルタ再生制御実行フラグFFSの値は、図示しない
イグニッションスイッチが「オフ」から「オン」に変更
された際に起動されるイニシャルルーチンにて「0」に
設定されている。
【0300】現段階は、フィルタ再生制御実行中ではな
いとして説明を続けると、フラグFFSの値は「0」で
あるから、CPU61はステップ3205にて「No」
と判定してステップ3210に進み、パティキュレート
堆積量Gpmが所定堆積量Gpmth以上となったか否かを判
定する。そして、パティキュレート堆積量Gpmが所定堆
積量Gpmthより小さければ、フィルタ再生制御を実行す
る必要がないから、CPU61はステップ3210にて
「No」と判定してステップ3295に進み、本ルーチ
ンを一旦終了する。なお、パティキュレート堆積量Gpm
は上述した手法、即ち、新たに吸入される吸入空気量
(新気量)Gaを用いる方法、DPNR43の前後差圧d
pactを用いる方法、DPNR43に流入するパティキュ
レート量(パティキュレート流入見込み量)GpminとD
PNR43にて酸化されるパティキュレート量(フィル
タ再生見込み量)Grgnとから求める方法により求めら
れる。
【0301】また、CPU61は図33にフローチャー
トにより示した目標床温設定ルーチンを所定時間の経過
毎に繰り返し実行するようになっている。従って、所定
のタイミングになると、CPU61はステップ3300
からステップ3305に進んでフィルタ再生制御実行フ
ラグFFSの値が「1」であるか否かを判定する。この
場合、フィルタ再生制御実行フラグFFSの値は「0」
のままであるから、CPU61はステップ3305にて
「No」と判定し、ステップ3395に進んで本ルーチ
ンを一旦終了する。
【0302】同様に、CPU61は図34にフローチャ
ートにより示したフィルタ再生ルーチンを所定時間の経
過毎に繰り返し実行するようになっている。従って、所
定のタイミングになると、CPU61はステップ340
0からステップ3405に進んでフィルタ再生制御実行
フラグFFSの値が「1」であるか否かを判定する。こ
の場合、フィルタ再生制御実行フラグFFSの値は
「0」のままであるから、CPU61はステップ340
5にて「No」と判定し、ステップ3495に進んで本
ルーチンを一旦終了する。
【0303】一方、パティキュレート堆積量Gpmが所定
堆積量Gpmth以上となると、CPU61は図32のステ
ップ3210にて「Yes」と判定してステップ321
5に進み、同ステップ3215にてフィルタ再生制御実
行フラグFFSの値を「1」に設定し、続くステップ3
220にて目標床温Tbtをパティキュレートの酸化(燃
焼)が可能な最低温度より僅かだけ高い第1温度Tbtmi
nに設定する。この温度Tbtminは、仮にパティキュレー
ト堆積量Gpmが予想を超える量であり、同パティキュレ
ートが一気に酸化して発熱した場合であっても、触媒床
温が過熱温度に至らない温度に設定されている。そし
て、CPU61はステップ3225にてカウンタCTの
値を「0」に設定した後、ステップ3295に進んで本
ルーチンを一旦終了する。
【0304】この状態で、CPU61が図34のフィル
タ再生ルーチンをステップ3400から開始すると、フ
ラグFFSの値は「1」に変更されているから、ステッ
プ3405にて「Yes」と判定してステップ3410
に進み、推定触媒床温Tbcが目標床温Tbt(この場合
は、上記第1温度Tbmin)より小さいか否かを判定す
る。そして、推定触媒床温Tbcが目標床温Tbtより小さ
ければ、CPU61はステップ3410にて「Yes」
と判定してステップ3415に進み、一定量の添加燃料
をDPNR43に供給するように、添加燃料供給手段4
4に駆動信号(ハイレベル信号)を出力し、その後、ス
テップ3495にて本ルーチンを一旦終了する。これに
より、DPNR43に供給された添加燃料がDPNR4
3内で酸化され、その酸化に伴う熱により触媒床温が上
昇する。従って、パティキュレートの酸化が促進され
る。また、ステップ3410の判定時に、推定触媒床温
Tbcが目標床温Tbt以上であれば、CPU61はステッ
プ3410にて「No」と判定してステップ3495に
進み、本ルーチンを一旦終了する。
【0305】この状態で、CPU61が図33の目標床
温設定ルーチンをステップ3300から開始すると、ス
テップ3305にて「Yes」と判定してステップ33
10に進み、触媒床温Tbcが第1温度Tbmin以上になっ
たか否かを判定する。そして、触媒床温Tbcが第1温度
Tbmin以上であれば、CPU61はステップ3310に
て「Yes」と判定してステップ3315に進み、カウ
ンタCTの値を「1」だけ増大し、続くステップ332
0にてカウンタCTと同ステップ3320内に示したマ
ップMTBTとに基づいて目標床温Tbtを決定し、ステップ
3395に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0306】なお、マップMTBTは、カウンタCTの値が
第1所定値以下のとき目標床温Tbtを前記第1温度Tbt
minに、カウンタCTの値が第1所定値より大きく第2
所定値以下のとき目標床温TbtをカウンタCTの値の増
大に伴って増大させるように、更に、カウンタCTの値
が第2所定値より大きいとき目標床温Tbtを過熱温度T
otよりも低いがパティキュレートの酸化速度が大きい第
2温度Tbtmaxに設定するマップである。
【0307】また、ステップ3310の判定時におい
て、触媒床温Tbcが第1温度Tbminより小さければ、C
PU61はステップ3310にて「No」と判定してス
テップ3395に進み、本ルーチンを一旦終了する。従
って、この場合、目標床温Tbtは第1温度Tbtminに維
持される。以降、このような処理が繰り返されるので、
目標床温TbtはカウンタCTが増大すれにつれて次第に
増大し、実際の触媒床温も同目標床温Tbtに応じて増大
して行く。
【0308】このようなフィルタ再生制御実行中、CP
U61は図32のステップ3200、及びステップ32
05を経由してステップ3230に進み、同ステップ3
230にてパティキュレート堆積量Gpmがフィルタ再生
制御を停止しても構わない程度の量Gpmminより小さく
なったか否かをモニタしている。従って、フィルタ再生
制御により、フィルタ再生が進行すると、CPU61は
ステップ3230にて「Yes」と判定し、ステップ3
235にてフィルタ再生制御実行フラグFFSの値を
「0」に設定する。これにより、CPU61は図34の
ステップ3405からステップ3495に直接進むよう
になるから、添加燃料を供給するフィルタ再生制御は停
止する。
【0309】以上、説明したように、第11実施形態に
よれば、目標床温Tbtがフィルタ再生制御の初期におい
ては低く、後期においては高く設定される。即ち、図3
3に示した目標床温設定ルーチンによれば、目標床温T
btは、フィルタ再生制御開始時に第1温度Tbminに設定
され、その後、推定触媒床温Tbcが第1温度Tbminを累
計で所定時間以上超えるまで第1温度Tbminに維持され
るので、この間に、パティキュレートの大半が酸化され
る。そして、推定触媒床温Tbcが第1温度Tbminを超え
ている時間の累計が所定時間以上となると、目標床温が
時間経過とともに第2目標床温Tbtmaxにまで増大さ
れ、残りのパティキュレートが完全に酸化される。この
結果、フィルタ再生制御開始時のパティキュレート堆積
量Gpmが予想を越える大きい量であっても、触媒床温が
過熱温度とならず、パティキュレートを適切に焼失さ
せ、フィルタを再生することができる。
【0310】以上、説明したように、本発明の各実施形
態によれば、パティキュレートフィルタ内での発熱量、
特に、パティキュレートの酸化熱量が考慮されながら推
定触媒床温Tbcが求められるので、触媒床温が適切な温
度に維持される。
【0311】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ことはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採
用することができる。例えば、触媒床温を上昇又は下降
させて同触媒床温を制御するためには、添加燃料供給手
段44による添加燃料の供給のみでなく、以下に述べる
(A)〜(H)の手法を採用してもよい。
【0312】(A)スロットル弁アクチュエータ33a
によりスロットル弁開度を変更する。この場合、スロッ
トル弁開度を減少させれば、機関の空燃比がリッチ側へ
移行するから未燃HCが増大し、この未燃HCがDPN
R43内で酸化されて発熱するため、同DPNR43の
触媒床温が上昇する。また、スロットル弁開度を減少さ
せれば、EGRガス量が増大して機関が吸入するガス温
が上昇するために排気温も上昇し、これによりDPNR
43の触媒床温も上昇する。
【0313】(B)EGR弁52によりEGR量(EG
R率)を変更する。この場合、EGRガス量を増大する
と、機関が吸入するガス温が上昇するために排気温も上
昇し、これによりDPNR43の触媒床温も上昇する。
【0314】(C)エンジン回転速度が低回転速度域
(例えば、アイドル運転状態)にあるときに噴射量を僅
かに増大させて、エンジン回転速度を若干だけ増大す
る。この場合、エンジンの排気温度は低いから、エンジ
ン回転速度の増大に伴って冷たいガスがDPNR43内
に流入し、これにより、DPNR43内の触媒床温が低
下する。
【0315】(D)排気により回転される排気タービン
の角度を変更したり、或いは排気タービンを駆動するた
めの排気圧を上昇するために排気通路の絞り量を変更し
て、ターボチャージャの効率を変更する。この場合、タ
ーボチャージャの効率を上昇して新気量を増大すると、
新気量は低温であるために機関が吸入するガス温が低下
して排気温も低下し、これによりDPNR43の触媒床
温も低下する。
【0316】(E)噴射弁21から各気筒に噴射される
噴射タイミングを変更する。この場合、噴射タイミング
を遅角すると、未燃HCが増大し、この未燃HCがDP
NR43内で酸化されて発熱するため、同DPNR43
の触媒床温が上昇する。
【0317】(F)噴射弁21から各気筒に噴射される
燃料の噴射圧力を変更する。この場合、噴射圧力を低下
すると、燃焼が不安定となって未燃HCが増大し、この
未燃HCがDPNR43内で酸化されて発熱するため、
同DPNR43の触媒床温が上昇する。
【0318】(G)噴射弁21から各気筒に噴射される
燃料の噴射量(気筒内での燃焼に主として寄与するメイ
ン噴射の噴射量)を変更する。この場合、メイン噴射の
噴射量を増大すると未燃HCが増大し、この未燃HCが
DPNR43内で酸化されて発熱するため、同DPNR
43の触媒床温が上昇する。
【0319】(H)噴射弁21からメイン噴射の後に再
度噴射を行うポスト噴射の噴射量を変更する。この場
合、ポスト噴射された燃料は気筒内において殆ど燃焼し
ないから、DPNR43内に流入する未燃HCが増大
し、この未燃HCがDPNR43内で酸化されて発熱す
るため、同DPNR43の触媒床温が上昇する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る排気浄化装置を
4気筒内燃機関(ディーゼルエンジン)10に適用した
システムの概略構成図である。
【図2】 図1に示したDPNRのフィルタ部の正面図
である。
【図3】 図2の1−1線に沿った平面にてDPNRの
フィルタ部を切断した断面図である。
【図4】 図1に示したDPNRの触媒床温とパティキ
ュレート一粒子当たりが酸化される速度(酸化速度)と
の関係を示したグラフである。
【図5】 図1に示した排気浄化装置による、DPNR
の触媒床温の推定原理(触媒床温モデル)を説明するた
めにDPNRの熱の出入りを概念的に示した図である。
【図6】 図1に示したDPNRの触媒床温と触媒の浄
化率の関係を示したグラフである。
【図7】 図1に示したCPUが実行する触媒床温推定
ルーチンを示したフローチャートである。
【図8】 図1に示したCPUが実行するNOx放出・
還元実行ルーチンを示したフローチャートである。
【図9】 図1に示したCPUが実行するフィルタ再生
実行ルーチンを示したフローチャートである。
【図10】 図1に示したDPNRに関する各種温度の
時間的変化を示したタイムチャートである。
【図11】 本発明の第2実施形態に係る排気浄化装置
のCPUが実行する触媒床温推定ルーチンを示したフロ
ーチャートである。
【図12】 DPNRを通過するガス量(入ガス量)と
同DPNRを通過するガスと同DPNR43の基材との
間の熱伝達率を示したグラフである。
【図13】 本発明の第2実施形態の変形例に係る排気
浄化装置の排気温度推定方法を説明するために、DPN
Rを通過するガスの各部位における熱量と温度とを示し
た概念図である。
【図14】 本発明の第3実施形態に係る排気浄化装置
のCPUが実行する触媒床温推定ルーチンを示したフロ
ーチャートである。
【図15】 本発明の第4実施形態に係る排気浄化装置
のCPUが実行する触媒床温推定ルーチンを示したフロ
ーチャートである。
【図16】 (A)、及び(B)は、添加燃料の平均流
量を電気制御装置から添加燃料供給手段に供給される駆
動信号に基づいて求め、これに応じて触媒床温を推定し
た場合の推定触媒床温と実際の触媒床温との変化を示し
たタイムチャートである。
【図17】 検出される出ガス温,真の触媒床温,比較
的長い期間における推定触媒床温の平均値,同比較的長
い期間における検出出ガス温の平均値の変化を示したタ
イムチャートである。
【図18】 本発明の第5実施形態に係る排気浄化装置
のCPUが実行する触媒床温推定ルーチンを示したフロ
ーチャートである。
【図19】 本発明の第6実施形態に係る排気浄化装置
のCPUが実行する触媒床温推定ルーチンを示したフロ
ーチャートである。
【図20】 本発明の第7実施形態に係る排気浄化装置
のCPUが実行する触媒床温推定ルーチンを示したフロ
ーチャートである。
【図21】 本発明の第1,第7実施形態に係る排気浄
化装置により算出された予測触媒床温を示した図であ
る。
【図22】 本発明の第7実施形態に係る排気浄化装置
のCPUが実行するNOx放出・還元実行ルーチンを示
したフローチャートである。
【図23】 本発明の第7実施形態に係る排気浄化装置
のCPUが実行するフィルタ再生実行ルーチンを示した
フローチャートである。
【図24】 本発明の第8実施形態に係る排気浄化装置
のCPUが実行する推定触媒床温を求めるプログラムを
機能的に示したブロック図である。
【図25】 本発明の第8実施形態に係る排気浄化装置
のCPUが実行する触媒床温推定ルーチンを示したフロ
ーチャートである。
【図26】 本発明の第8実施形態に係る排気浄化装置
のCPUが実行する第1推定出ガス温を演算するための
ルーチンを示したフローチャートである。
【図27】 本発明の第8実施形態に係る排気浄化装置
のCPUが実行する第2推定出ガス温を演算するための
ルーチンを示したフローチャートである。
【図28】 本発明の第9実施形態に係る排気浄化装置
の触媒床温推定原理を説明するために、DPNRに関す
る各種温度の変化を示したタイムチャートである。
【図29】 本発明の第9実施形態に係る排気浄化装置
のCPUが実行する推定触媒床温を求めるプログラムを
機能的に示したブロック図である。
【図30】 本発明の第10実施形態に係る排気浄化装
置の触媒床温推定原理を説明するために、DPNRに関
する各種温度の変化を示したタイムチャートである。
【図31】 本発明の第10実施形態に係る排気浄化装
置のCPUが実行する推定触媒床温を求めるプログラム
を機能的に示したブロック図である。
【図32】 本発明の第11実施形態に係る排気浄化装
置のCPUが実行するフィルタ再生開始・終了判定ルー
チンを示したフローチャートである。
【図33】 本発明の第11実施形態に係る排気浄化装
置のCPUが実行する目標床温設定ルーチンを示したフ
ローチャートである。
【図34】 本発明の第11実施形態に係る排気浄化装
置のCPUが実行するフィルタ再生ルーチンを示したフ
ローチャートである。
【符号の説明】
10…ディーゼルエンジン(内燃機関)、20…エンジ
ン本体、21…燃料噴射弁、22…燃料噴射用ポンプ、
42…排気管(排気通路)、43…DPNR(触媒を担
持したパティキュレートフィルタ)、44…添加燃料供
給手段、60…電気制御装置、71…熱線式エアフロー
メータ、72…入ガス温センサ、73…出ガス温セン
サ、74…差圧センサ、77…空燃比センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松下 宗一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 福間 隆雄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 小田 富久 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G090 AA03 BA01 DA12 DA13 3G091 AA11 AA18 AB02 AB13 BA04 BA07 BA14 CA01 CA18 DB06 DB07 DC01 EA01 EA05 EA07 EA17 EA18 EA32 EA34 FC07 FC08 GA06 GB02W GB03W GB04W GB06W

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の排気通路に備えられるとともに
    触媒を担持してなるパティキュレートフィルタと、 前記パティキュレートフィルタに流入する熱量と同パテ
    ィキュレートフィルタから放出される熱量とを演算式で
    記述するとともに同パティキュレートフィルタの熱量の
    変化量を表す熱収支を同演算式により算出される熱量を
    用いた演算式で記述したモデルに基いて同熱収支を算出
    する熱収支算出手段と、 前記算出された熱収支に基づいて前記パティキュレート
    フィルタの触媒床温を推定する触媒床温推定手段とを具
    備した内燃機関の排気浄化装置において、 前記熱収支算出手段のモデルは、少なくとも前記パティ
    キュレートフィルタに流入したパティキュレートが同パ
    ティキュレート内で酸化される際に発生する熱量である
    パティキュレート酸化熱量を前記パティキュレートフィ
    ルタに流入する熱量の一つとして扱うように構成されて
    なる内燃機関の排気浄化装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置
    であって、 前記熱収支算出手段のモデルは、前記パティキュレート
    酸化熱量と前記パティキュレートフィルタに流入する入
    ガスの熱量と同パティキュレートフィルタに流入する可
    燃燃料の同パティキュレートフィルタ内での反応熱量と
    を同パティキュレートフィルタに流入する熱量として扱
    うとともに、同パティキュレートフィルタの外表面から
    放射される放出熱量と同パティキュレートフィルタから
    流出する出ガスの熱量とを同パティキュレートフィルタ
    から放出される熱量として扱うように構成され、 前記触媒床温推定手段は、前記算出された熱収支と前記
    パティキュレートフィルタの熱容量とに基づいて同パテ
    ィキュレートフィルタの触媒床温を推定するように構成
    されてなる内燃機関の排気浄化装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の
    排気浄化装置であって、 前記パティキュレートフィルタから流出するガスの温度
    である出ガス温を検出する出ガス温検出手段と、 前記推定された触媒床温に基づいて前記出ガス温を推定
    する出ガス温推定手段とを備えるとともに、 前記熱収支算出手段は、前記出ガス温検出手段により検
    出された出ガス温と前記出ガス温推定手段により推定さ
    れた出ガス温とに基いて前記モデルを修正するように構
    成されてなる内燃機関の排気浄化装置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置
    において、 前記熱収支算出手段は、前記出ガス温検出手段により検
    出された出ガス温と前記出ガス温推定手段により推定さ
    れた出ガス温の温度差の時間微分値に基づいて前記モデ
    ルを修正するように構成されてなる内燃機関の排気浄化
    装置。
  5. 【請求項5】請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の
    排気浄化装置であって、 前記パティキュレートフィルタから流出するガスの温度
    である出ガス温を検出する出ガス温検出手段と、 前記検出された出ガス温の所定期間における平均値であ
    る平均検出出ガス温を算出する平均検出出ガス温算出手
    段と、 前記推定された触媒床温の前記所定期間における平均値
    である平均触媒床温を算出する平均触媒床温算出手段と
    を備えるとともに、 前記熱収支算出手段は、前記算出された平均検出出ガス
    温と前記算出された平均触媒床温とに基づいて前記モデ
    ルを修正するように構成されてなる内燃機関の排気浄化
    装置。
  6. 【請求項6】請求項3又は請求項4に記載の内燃機関の
    排気浄化装置において、 前記出ガス温推定手段は、前記推定された触媒床温に対
    して遅れ処理を施した値に基いて前記出ガス温を推定す
    るように構成されてなる内燃機関の排気浄化装置。
  7. 【請求項7】請求項3又は請求項4に記載の内燃機関の
    排気浄化装置であって、 前記パティキュレートフィルタに流入するガスの温度で
    ある入ガス温を取得する入ガス温取得手段を備えるとと
    もに、 前記出ガス温推定手段は、前記取得された入ガス温、及
    び同入ガス温と前記推定された触媒床温の温度差に対し
    て遅れ処理を施した値に基づいて前記出ガス温を推定す
    るように構成されてなる内燃機関の排気浄化装置。
  8. 【請求項8】請求項3乃至請求項5の何れか一項に記載
    の内燃機関の排気浄化装置において、 前記熱収支算出手段は、前記推定された触媒床温が所定
    温度以上のとき、前記モデルのパティキュレート酸化熱
    量を記述した演算式を修正することで同モデルを修正す
    るように構成されてなる内燃機関の排気浄化装置。
  9. 【請求項9】請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置
    であって、 前記内燃機関に燃料を供給する燃料供給手段と、 前記内燃機関が吸入した新気量を計測する新気量計測手
    段と、 前記パティキュレートフィルタの上流の前記排気通路に
    備えられ同パティキュレートフィルタに添加燃料を供給
    する添加燃料供給手段と、 前記パティキュレートフィルタから排出される出ガスの
    空燃比を検出する空燃比検出手段と、 前記燃料供給手段により前記内燃機関に供給された燃料
    の量である燃料供給量を算出する燃料供給量算出手段
    と、 前記検出された空燃比と前記計測された新気量と前記算
    出された燃料供給量とに基いて前記添加燃料供給手段か
    ら前記パティキュレートフィルタに供給された添加燃料
    の量を可燃燃料の量として算出する可燃燃料供給量算出
    手段とを備えるとともに、 前記熱収支算出手段は、前記パティキュレートフィルタ
    に流入する可燃燃料の同パティキュレートフィルタ内で
    の反応熱量を前記可燃燃料供給量算出手段により算出さ
    れた可燃燃料の量と前記モデルの演算式とに基づいて算
    出し、同算出された反応熱量に基づいて前記パティキュ
    レートフィルタの熱収支を算出するように構成されてな
    る内燃機関の排気浄化装置。
  10. 【請求項10】請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装
    置であって、 前記機関の運転状態に基づいて前記機関から排出される
    未燃燃料の量を可燃燃料量として推定する可燃燃料量推
    定手段を備えるとともに、 前記熱収支算出手段は、前記パティキュレートフィルタ
    に流入する可燃燃料の同パティキュレートフィルタ内で
    の反応熱量を前記可燃燃料量推定手段により推定された
    可燃燃料量と前記モデルの演算式とに基づいて算出し、
    同算出された反応熱量に基づいて前記パティキュレート
    フィルタの熱収支を算出するように構成されてなる内燃
    機関の排気浄化装置。
  11. 【請求項11】請求項1又は請求項2に記載の内燃機関
    の排気浄化装置であって、 前記パティキュレートフィルタに堆積したパティキュレ
    ート堆積量を推定するパティキュレート堆積量推定手段
    を備えるとともに、 前記熱収支算出手段は、前記パティキュレート酸化熱量
    を前記推定されたパティキュレート堆積量と前記モデル
    の演算式とに基づいて算出し、同算出されたパティキュ
    レート酸化熱量に基づいて前記パティキュレートフィル
    タの熱収支を算出するように構成されてなる内燃機関の
    排気浄化装置。
  12. 【請求項12】請求項1又は請求項2に記載の内燃機関
    の排気浄化装置であって、 指令信号に応じて前記パティキュレートフィルタの触媒
    床温を変更させる触媒床温変更手段と、 前記触媒床温推定手段により推定された触媒床温が上昇
    しているとき、同推定された触媒床温に所定の正の値を
    加えた温度を予測推定触媒床温として求め、同予測推定
    触媒床温に基づいて前記指令信号を発生する触媒床温制
    御手段とを備えた内燃機関の排気浄化装置。
  13. 【請求項13】請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装
    置であって、 指令信号に応じて前記パティキュレートフィルタの触媒
    床温を変更させる触媒床温変更手段と、 前記パティキュレートフィルタに流入するガスの温度で
    ある入ガス温を取得する入ガス温取得手段と、 前記パティキュレートフィルタから流出するガスの温度
    である出ガス温を検出する出ガス温検出手段と、 前記入ガス温と前記推定された触媒床温とから前記出ガ
    ス温を時間的に遅らせた温度である遅延出ガス温を推定
    する遅延出ガス温推定手段と、 前記検出された出ガス温と前記推定された遅延出ガス温
    の温度差を減少させるように前記熱収支算出手段により
    算出された熱収支を変更するとともに、同変更した熱収
    支に基づいて前記パティキュレートフィルタの触媒床温
    を予測推定触媒床温として求め、同予測推定触媒床温に
    基づいて前記指令信号を発生する触媒床温制御手段とを
    備えた内燃機関の排気浄化装置。
  14. 【請求項14】触媒を担持してなるパティキュレートフ
    ィルタを排気通路に備えた内燃機関の排気浄化装置であ
    って、 前記パティキュレートフィルタに流入するガスの温度で
    ある入ガス温を検出する入ガス温検出手段と、 前記パティキュレートフィルタから流出するガスの温度
    である出ガス温を検出する出ガス温検出手段と、 前記パティキュレートフィルタ内部で化学反応による熱
    が発生しないと仮定した場合の前記出ガス温である仮定
    出ガス温を前記検出した入ガス温に対し遅れ処理を施し
    た値に基いて推定する仮定出ガス温推定手段と、 前記検出された出ガス温と前記推定された仮定出ガス温
    の温度差に基づいて前記パティキュレートフィルタの触
    媒床温を推定する触媒床温推定手段とを具備した内燃機
    関の排気浄化装置。
  15. 【請求項15】触媒を担持してなるパティキュレートフ
    ィルタを排気通路に備えた内燃機関の排気浄化装置であ
    って、 前記パティキュレートフィルタに流入するガスの温度で
    ある入ガス温を検出する入ガス温検出手段と、 前記パティキュレートフィルタから流出するガスの温度
    である出ガス温を検出する出ガス温検出手段と、 前記パティキュレートフィルタ内部で化学反応による熱
    が発生しないと仮定した場合の前記出ガス温である仮定
    出ガス温を前記検出した入ガス温に対し遅れ処理を施し
    た値に基いて推定する仮定出ガス温推定手段と、 前記検出された出ガス温と前記推定された仮定出ガス温
    の温度差の時間微分値に基づいて前記パティキュレート
    フィルタの触媒床温を推定する触媒床温推定手段とを具
    備した内燃機関の排気浄化装置。
JP2002057790A 2002-03-04 2002-03-04 内燃機関の排気浄化装置 Pending JP2003254038A (ja)

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