JP4192617B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排気後処理装置を備える内燃機関の排気浄化装置に関し、特に、後処理装置の温度を推定して、その推定値を基に排気後処理装置を良好な状態に保持することのできる内燃機関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、環境対策として、内燃機関から排出される大気汚染物質を削減する排気後処理装置が種々提案されており、酸化触媒やNOx触媒、三元触媒といった触媒システムの導入が進められている。また、ディーゼルエンジンでは、排出ガス中に含まれるパティキュレート(粒子状物質)が問題となっており、パティキュレートを捕集して定期的に燃焼除去するディーゼルパティキュレートフィルタ(以下DPFと称する)や、これに触媒を担持させた触媒付DPFを搭載することが検討されている。DPFは、捕集したパティキュレートを定期的に燃焼除去することで再生され、触媒を担持させると再生温度が低下してより安定した燃焼が可能になる。DPFの再生は、リタードや、ポスト噴射等による未燃HCの供給により、DPFを例えば600℃以上に昇温することによって行われる。
【0003】
ここで、排気後処理装置を効率よく作動させ、適正な状態に維持するには、装置の温度管理が重要となる。特に、触媒を用いた場合には、十分な触媒活性が得られる温度を維持しつつ、過昇温による損傷等を防止して排気後処理装置の信頼性や寿命を確保するために、所定の温度範囲内 (例えば200〜700℃)で使用する必要がある。また、DPFのようにPMの捕集を目的とするものでは、PMを燃焼除去するDPFの再生時の温度管理は重要である。
【0004】
また、DPFの再生のタイミングは、PMの堆積がエンジンの運転状態で異なることに鑑み、望ましくはPMの堆積量を演算して、演算されたPMの堆積量に基づいて行うのが望ましい。PMの堆積量は、例えば、堆積によりDPFにおける圧力損失が増大することを利用して、前後差圧や、排気体積流量に基づいて演算され、排気体積流量はエアーフローメータ等の吸気量センサにより検出された吸気量、DPF内の温度としてのDPFの温度等から換算される。ここで、DPF温度が用いられるのは、気体の体積が温度によって異なるからである。
【0005】
このように、排気後処理装置の状態を適正な状態に維持しようとする場合、排気後処理装置の温度を簡易に得られることが重要となるが、NOx還元触媒を備えた排気後処理装置の下流で排気温度を検出する温度検出手段を設け、検出温度を排気後処理装置の温度とみなして、これに応じて空気過剰率を増減して、触媒温度を所定温度範囲内に制御することが提案されている(例えば、特許文献1等参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平4−224221号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
排気後処理装置からの出ガス温度は排気後処理装置における触媒反応等による温度変化を反映するので、特許文献1の技術は注目すべき技術であるが、次の問題がある。図11はDPF温度および出ガス温度の経時変化を示すもので、例えばエンジン回転数一定で燃料噴射量をステップ変化(増量)させたときのものである。DPF温度の変化に対して、DPF温度とみなされる出ガス温度の変化が大きく遅れており、この応答の不十分さから、DPF温度を、適正な範囲に維持できないという問題がある。例えば、DPFの再生中に、検出されたDPF温度が所定範囲の上限に達し、再生を中断しても、実際のDPF温度が所定範囲の上限を遙に越えてしまっているという事態が生じる、この場合には、結局、DPFの信頼性や寿命が低下、および酸化触媒の劣化という結果を招く。
【0008】
また、図12はDPFの再生開始時にPM堆積量と、燃費およびPM急速燃焼発生時のDPF温度を示すものである。再生のための処理である前記リタードは燃焼熱のうち、エンジンの出力トルクにならない廃熱を増大するものであり、ポスト噴射は燃焼行程における燃焼に寄与しない燃料噴射であるから、さほどPMが堆積していない段階で再生を行うと、PMの燃焼速度が低下する等の理由から再生時間が増えて燃料消費が増え、燃費が悪化する。一方、再生を行うのが多量のPMが堆積してからでは、多量の燃焼熱でDPF温度が高くなり、DPFの基材の破損や触媒の劣化のおそれが増大する。PM堆積量の演算では温度検出の応答性は必ずしも必要ないが、DPF温度が十分正確に知られないことで、PM堆積量を高精度に得ることができず、燃費の悪化やDPFの基材の破損や触媒の劣化のおそれがある。
【0009】
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、排気後処理装置の状態を適正に維持するための制御において、適切な排気後処理装置の温度の情報を得ることのできる内燃機関の排気浄化装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明では、内燃機関の排気通路に設置される排気後処理装置を有し、排気後処理装置で排気ガスを浄化する排気浄化装置であって、前記排気後処理装置の下流側に設けられて排気温度を検出する出ガス温度検出手段を設けて、該出ガス温度検出手段により検出された前記排気後処理装置の出ガス温度から前記排気後処理装置の温度を含む前記排気後処理装置の状態量を演算し、該状態量に基づいて前記排気後処理装置の状態を適正な状態に維持するようにした内燃機関の排気浄化装置において、
前記排気後処理装置の温度を前記出ガス温度から推定する温度推定手段を具備せしめ、
該温度推定手段として、前記排気後処理装置の温度推定値を、上記排気後処理装置の温度変化に対する出ガス温度変化の逆伝達関数を用いて算出し、算出値を第1の温度推定値とする第1の温度推定手段と、直近の複数の出ガス温度に基づいて現在から所定の時間先の出ガス温度の予測値を算出するとともに、該出ガス温度の予測値に基づいて、前記排気後処理装置の温度変化に対する出ガス温度変化の逆伝達関数を用いて前記排気後処理装置の温度推定値を算出し、該算出値を第2の温度推定値とする第2の温度推定手段とを具備せしめるとともに、前記所定の時間を前記逆伝達関数におけるムダ時間に設定し、
前記第1の温度推定値は、前記排気後処理装置の状態量の演算のうち、精度が主に要求される状態量の演算用に出力し、前記第2の温度推定値は、応答性が主に要求される状態量の演算用に出力する。
【0011】
本発明では、排気後処理装置の出ガス温度を排気後処理装置の温度とみなすのではなく、出ガス温度から排気後処理装置の温度、すなわち、排気後処理装置内の温度を推定する。第1の温度推定手段からは、前記排気後処理装置の温度変化に対する出ガス温度変化の逆伝達関数を用いることで、ムダ時間分の過去の温度情報であるが、比較的容易に、かつ精度よい温度推定が可能になる。したがって、排気後処理装置の状態量のうち、精度が要求される状態量については第1の温度推定値を用いることで、精度が要求される状態量が高精度に得られる。一方、第2の温度推定手段は、現時点から所定の時間先の出ガス温度を予測し、この予測値に対して逆伝達関数が用いられるから、結局、現在の排気後処理装置の温度の推定値となる。したがって、排気後処理装置の状態量のうち、応答性が要求される状態量については第2の温度推定値を用いることで、排気後処理装置の急な温度変化に基因して応答性が要求される状態量が変化しても、これを応答性よく得られる。
【0012】
このように、排気後処理装置の状態を適正に維持するための制御において、適切な排気後処理装置の温度の情報を得ることができる。
【0013】
請求項2記載の発明では、請求項1の発明の構成において、前記逆伝達関数は一次遅れとムダ時間で表現される。排気後処理装置の温度変化に対する出ガス温度変化を実験的に調べたところ、一次遅れとムダ時間という簡単な系で近似できることが判明し、その逆伝達関数を用いて排気後処理装置の中心温度を推定することで、簡易で高精度な検出が可能になる。
【0014】
請求項3記載の発明では、請求項2の発明の構成において、前記温度推定手段はそれぞれ、前記逆伝達関数における一次遅れの時定数とムダ時間とをそれぞれ排気流量に応じて変更する。これにより、排気流量の影響を排除することができる。
【0015】
請求項4記載の発明では、請求項2または3の発明の構成において、前記温度推定手段は、前記逆伝達関数における一次遅れの時定数とムダ時間Lをそれぞれ排気流量が大であるほど小さくなるように変更する。前記時定数およびムダ時間は、排気流量が大であるほど小さくなる傾向を有するので、かかる傾向に逆伝達関数を適合せしめることができる。
【0016】
請求項5記載の発明では、請求項1ないし4の発明の構成において、前記排気後処理装置の状態量はPMの堆積量であり、該PMの堆積量に基づいて前記排気後処理装置の再生処理を制御する再生処理制御手段を具備してなり、
かつ、前記第1の温度推定値を前記PMの堆積量の演算用とする。
【0017】
PMの堆積量は精度が要求されるので、第1の温度推定値を、PMの堆積量の演算に用いられる排気後処理装置の温度とすることで、PMの堆積量がDPFを再生するのに適正な量になったのを正確に知ることができる。
【0018】
請求項6記載の発明では、請求項1ないし5の発明の構成において、前記排気後処理装置の状態量は前記排気後処理装置の温度であり、該排気後処理装置の温度に基づいて前記排気後処理装置の過昇温防止処理を制御する過昇温防止処理制御手段を具備してなり、
かつ、前記第2の温度推定値を前記排気後処理装置の温度とする。
【0019】
排気後処理装置の温度を適正な範囲に維持するには、排気後処理装置の温度の変化をいち早く知る必要があり、第1の温度推定値を排気後処理装置の温度とすることで、排気後処理装置の過昇温を防止するための処理が適切な時期になされるようにすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に本発明の排気浄化装置を付設した内燃機関であるディーゼルエンジンシステムの全体構成を示す。排気浄化装置Cが付設されるエンジン1はEGR方式のもので、吸気通路21と排気通路22とがEGR通路23により接続され、排気ガスの一部が吸気通路21へと還流するようになっている。排気ガスの還流量はEGR通路23に設けられたEGR弁32により調量される。
【0021】
エンジン1の排気通路22には、排気後処理装置としての酸化触媒付きのディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、酸化触媒付DPFと称する)41が設置されている。酸化触媒付DPF41は、例えば、コーディエライト等の耐熱性セラミックスをハニカム構造に成形し、ガス流路となる多数のセルを入口側または出口側が互い違いとなるように目封じして基体となし、セル壁表面には、Pt等の酸化触媒が塗布されている。エンジン1から排出された排気ガスは、酸化触媒付DPF41の多孔性の隔壁を通過しながら下流へ流れ、その間にパティキュレート(以下、適宜、PMと称する)が捕集されて次第に堆積する。
【0022】
酸化触媒付DPF41よりも下流側で排気通路22には、酸化触媒付DPF41の温度を知るために、出ガス温度検出手段として排気温センサ52が設置されている。排気温センサ52は酸化触媒付DPF41の出ガス温度を検出して、ECU61に出力するようになっている。
【0023】
酸化触媒付DPF41にて捕集されて堆積したパティキュレートの量(以下、適宜、PM堆積量と称する)を知るために、酸化触媒付DPF41の前後差圧を検出する差圧センサ53が設けられている。差圧センサ53は、酸化触媒付DPF41よりも上流側で排気通路22と連通する圧力導入管241と、酸化触媒付DPF41よりも下流側で排気通路22と連通する圧力導入管242との間に介設され、酸化触媒付DPF41の前後差圧に応じた信号をECU61に出力する。
【0024】
また、吸気通路21には、エアフローメータ(吸気量センサ)51が設置してあり、吸気量を検出して、ECU61に出力するようになっている。エアフローメータ51は一般的なもので、吸気量が質量流量として与えられる。また吸気通路21には吸気絞り弁31が設置してあり、弁の開度を操作することで吸気量を変化させることができる。
【0025】
ECU61には、さらに、一般的なエンジンと同様に、アクセル開度やエンジン1の回転数(以下、適宜、エンジン回転数と称する)が知られるようになっている。ECU61は、運転状態に応じた最適な燃料噴射量、噴射時期、噴射圧等を算出して、エンジン1のフィードバック制御を行う。
【0026】
ECU61は、排気温センサ52およびエアフローメータ51の出力値に基づき、DPF温度を推定する(温度推定手段)。また、DPF温度と、差圧センサ53、エアフローメータ51の出力値に基づき、PM堆積量を算出して、酸化触媒付DPF41の再生を制御する(再生制御手段)、DPF温度から酸化触媒付DPF41の過昇温防止制御を行う(過昇温防止制御手段)、温度推定手段によるDPF温度の推定方法について説明する。
【0027】
前記のごとく、酸化触媒付DPF41の出ガス温度は、排気ガスが酸化触媒付DPF41を通過時に授受する分が反映されるため、DPF温度の指標として基本的には望ましいが、過渡状態においては、前掲図11から知られるように、出ガス温度はDPF温度とあまり一致しない。そこで、DPF温度との関係を簡単な伝達関数で表すことによって、出ガス温度からDPF温度を精度よく推定することを可能にする。出ガス温度は、DPF温度の上昇開始からしばらく変化せず、DPF温度より温度上昇速度が小さくなっていることから、この関係を簡単な「一次遅れ+ムダ時間」で表現できる。すなわち、Tを一次遅れの時定数、Lをムダ時間として、DPF温度変化に対する出ガス温度変化の伝達関数がexp(−Ls)/(1+Ts)となる。そして、この関係から、図2に示すように、DPF温度変化に対する出ガス温度変化の逆伝達関数を用いて、酸化触媒付DPF温度の推定値を求めることができる。
【0028】
時定数Tとムダ時間Lは、予め実験的に得たDPF温度および出ガス温度の経時プロファイルを基に算出することができるが、経時プロファイルは排気流量によって変化する。これを考慮して、本排気浄化装置が適用されるエンジンでとり得る排気流量の範囲内で、排気流量を違えて時定数Tとムダ時間Lを求めておくのがよい。図3、図4はその結果の一例を示すもので、排気流量が多いほど、時定数Tおよびムダ時間Lは小さくなる。これは、排気流量が多いほど排気と酸化触媒付DPF41との間の単位時間あたりの熱伝達が多くなることによるもので、排気流量が所定値以上の範囲では時定数Tおよびムダ時間Lはほぼ一定となる。このため、ECU61では後述するように、まず、排気流量を算出し、排気流量に応じて一次遅れの時定数Tとムダ時間Lを設定変更するとともに、これら設定値と前記図2の逆伝達関数を用いて、DPF温度を推定する。
【0029】
図5にECU61を構成するマイクロコンピュータで実行される制御ルーチンを示す。本ルーチンは、ECU61においてタイマ割り込みにより所定の周期で実行されるもので、まず、ステップS101でエアフローメータ51の出力から吸気量GAを、排気温センサ52の出力から酸化触媒付DPF41の出ガス温度TOUTを、差圧センサ53の出力から酸化触媒付DPF41の前後差圧PDPFを読み込む。次いで、ステップS102で吸気量GAから排気質量流量MEXを算出する。算出では燃料噴射による増分等が加算される。
【0030】
ステップS103では、ステップS102で算出される排気質量流量MEXにおける一次遅れの時定数Tとムダ時間Lを算出する。ECU61は、前記図3、図4に示した排気流量と時定数T、ムダ時間Lとの関係を、予めマップとして記憶しており、これを基に時定数T、ムダ時間Lを算出する。
【0031】
続くステップS104は第1の温度推定手段としての処理で、ステップS103で算出した時定数T、ムダ時間Lを用い、図2に示した逆伝達関数を用いて、出ガス温度TOUTをもとに酸化触媒付DPF温度を算出し、これを第1温度推定値THDPFとする。図6に、検出された出ガス温度をもとにDPF温度の推定値THDPFを算出した時の、出ガス温度と第1温度推定値THDPFとを時系列的に示している。
【0032】
ステップS105では、排気質量流量MEXを、式(1)により、第1温度推定値THDPFと前後差圧PDPFとから体積換算して、加算値を排気体積流量VEXとする。
VEX(l/min) =K×MEX×KP(PDPF)×KTH(THDPF)
・・・(1)
【0033】
式中、Kは標準状態で排気ガスの質量を体積に換算する係数であり、KP(PDPF)は圧力による体積変化の補正係数であり、KTH(THDPF)は温度による体積変化の補正係数である。
【0034】
なお、逆伝達関数を用いて得られた第1温度推定値THDPFは、前掲図6に示すように、ムダ時間L過去の推定値であり、排気質量流量MEXおよび前後差圧PDPFも実質的にムダ時間L過去に読み込まれた値が用いられる。したがって、ECU61は、通常のエンジンでとり得る排気質量流量MEXの範囲に対応するムダ時間Lの範囲内で、排気質量流量MEXおよび前後差圧PDPFのデータを記憶しておき、算出されたムダ時間L過去になるものが読み込まれることになる。なお、算出される排気体積流量VEXもムダ時間L過去のものであるのは勿論である。
【0035】
ステップS106では、前後差圧PDPFおよび排気体積流量VEXからPM堆積量MPMを求める。PM堆積量MPMは予めECU61のメモリに記憶されているマップに基づいて算出される。図7に示すように、酸化触媒付DPF41に堆積するパティキュレートの量が増加するのに伴い、差圧センサ53で検出される差圧PDPFが増加し、また、PM堆積量MPMが同じでも排気体積流量VEXに応じて差圧PDPFの検出値が変動することから、これらの関係を予め実験等により求めておくことで、前後差圧PDPFおよび排気体積流量VEXに対して1つのPM堆積量MPMが対応する二次元マップをつくることができる。なお、前記のごとく排気体積流量VEXがムダ時間L過去のものであるから、本ステップにおける前後差圧PDPFはステップS105と同様にムダ時間L過去のものであり、算出されるPM堆積量MPMもムダ時間L過去のものである。
【0036】
ステップS107は第2の温度推定手段としての処理で、現在から、ステップS103で設定されたムダ時間Lと同じ時間先の出ガス温度を式(2)にしたがって算出し、算出値を出ガス温度予測値TOUTFCとする。式中、TOUT(i-1) は前回読み込まれた出ガス温度であり、TOUT(i) は今回読み込まれた出ガス温度である。したがって、本処理の実行のために、本処理の実行の後、TOUT(i) が新たに前回読み込まれた出ガス温度TOUT(i-1) として、更新、記憶されることになる。
TOUTFC=TOUT(i) +L×(TOUT(i) −TOUT(i-1) )・・・(2)
【0037】
これは、今回読み込まれた出ガス温度TOUT(i) と、前回読み込まれた出ガス温度TOUT(i-1) とから外挿によりムダ時間L先の出ガス温度を求める演算である。なお、ムダ時間Lは、式中では、出ガス温度TOUTの読み込み周期すなわち図5の制御ルーチンの起動周期で規格化された値である。
【0038】
なお、本実施形態では直近の2つの時点の出ガス温度から温度を予測しているが、3つ以上の時点の出ガス温度から予測をするものでもよい。この場合、直近の複数の出ガス温度から求める回帰線は直線に限られるものではない。
【0039】
ステップS108では、前記時定数T、ムダ時間Lを用い、出ガス温度予測値TOUTFCから、図2に示す逆伝達関数を用いて、DPF温度を算出し、これを第2温度推定値THDPFRTとする。図8に、検出された出ガス温度をもとにDPF温度の推定値THDPFRTを算出した時の、出ガス温度と第2温度推定値THDPFRTとを時系列的に示している。図中、検出された出ガス温度をもとに予測されたムダ時間先の予測値を示す。
【0040】
このように、直近の2つの出ガス温度TOUT(i-1) ,TOUT(i) における出ガス温度の変化に対してムダ時間L先の出ガス温度を予測し、該予測値に基づいて現在のDPF温度が推定されるから、DPF温度に急激な変化があっても、第2温度推定値THDPFRTはこれに応答性よく追随する。
【0041】
ステップS109,S110は再生制御手段としての処理で、ステップS106で算出したPM堆積量MPMが予め設定した所定値1よりも大きいか否かを判定し、肯定判断されるとS110に進み、否定判断されるとステップS113に進む。
【0042】
PM堆積量が所定値1を越えてステップ109が肯定判断されると、ステップS110で、ポスト噴射を実行する。
【0043】
S110に続くS111〜S114は過昇温防止処理制御手段としての処理で、ステップS111で第2温度推定値THDPFRTが所定値2よりも高いか否かを判定する。本処理は、酸化触媒付DPF41の温度が目標値に対して過剰に昇温していないかどうかを監視するもので、例えば、目標値650°Cに対して所定値2を目標値よりもやや高い660°Cとする。否定判断されるとステップS113に進む。
【0044】
第2温度推定値THDPFRTが所定値2を越えてステップS111が肯定判断されると、ステップS112でポスト噴射を中断しステップS113に進む。
【0045】
ステップS113では、第2温度推定値THDPFRTが所定値3よりも高いか否かを判定する。所定値3は例えば800°Cとする。否定判断されるとリターンに抜ける。肯定判断されると、ステップS114で、酸化触媒付DPF41の基体の破損や、基材に担持された触媒の劣化を防止すべく、吸気絞り弁31を全開、EGRカットにより、排気流量を増量し、酸化触媒付DPF41の全体の温度を下げる。
【0046】
さて、前掲図12に示すように、再生開始時のPM堆積量が高精度に知られないと、燃費の悪化や、PM急速燃焼によるDPF41の破損等のおそれがある。本発明によれば、PM堆積量MPMを求める際には、第1温度推定値THDPFが用いられて、正確なPM堆積量MPMが得られる。一方、ポスト噴射の中断(ステップS112)や、排気流量の増大(ステップS114)の実施時期の判断(ステップS111,S114)では、第2温度推定値THDPFRTが用いられて、応答性よく、DPF3の温度変化を知ることができ、ポスト噴射の中断(ステップS112)や、排気流量の増大(ステップS114)が実施すべきタイミングよりも遅れて実施されてしまうのを防止することができる。
【0047】
図9は、本実施の形態の装置を自動車に用いて、ECU61にて酸化触媒付DPF41の出ガス温度から第1温度推定値を算出した時の、第1温度推定値とDPF温度の実測値とを比較して示したものである。図のように車速を変化させた時、これに伴ってDPF温度の実測値が大きく変化するが、第1温度推定値が実測値から大きくずれることはなく、本発明の温度推定手段による温度推定精度が極めて高いことが確認された。
【0048】
このように、本発明によれば、簡単な伝達関数を用いてDPF温度を高い精度で推定できるので、PM体積量も正確に知られることになり、燃費の向上と、PM急速燃焼の回避とを両立することができる。
【0049】
また、図10は、本実施の形態の装置を用いて、ECU61にて酸化触媒付DPF41の出ガス温度から第2温度推定値を算出した時の、第2温度推定値とDPF温度の実測値とを比較して示したものである。また、出ガス温度を併せて示しており、これは前記特許文献1の技術でDPF温度を推定するものに対応する。DPF温度が上昇していくと、出ガス温度はこの変化に追随できないが、第2温度推定値は良好にDPF温度の実測値に追随しており、本発明の温度推定手段による応答性が極めて高いことが確認された。
【0050】
本実施の形態では、排気後処理装置として、酸化触媒付DPFを用いたが、酸化触媒以外の触媒を担持したDPFや触媒を担持していないDPFを用いた場合も、同様の方法で出ガス温度からDPF温度を推定することができる。そして、推定された温度を基に過昇温防止制御や再生制御のそれぞれの目的に合致した温度推定値を選択して過昇温防止制御や再生制御を行うことで、触媒やDPFを保護しつつ、高い排気浄化性能を実現できる。排気後処理装置として、DPF以外にも、例えば、酸化触媒、NOx触媒、三元触媒等の触媒を用いることができる。制御に用いられる排気後処理装置の状態量のうち、精度を主に要求される状態量は、第1の温度推定値に基づいて演算し、応答性を主に要求される状態量は、第2の温度推定値に基づいて演算することで、各状態量を用いた制御を適正に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排気浄化装置を付設した内燃機関の全体概略構成図である。
【図2】前記排気浄化装置を構成する酸化触媒付DPFの温度の算出方法を説明するための図である。
【図3】前記酸化触媒付DPFの温度変化に対する出ガス温度変化の時定数Tと排気流量の関係を示すグラフである。
【図4】前記酸化触媒付DPFの温度変化に対する出ガス温度変化のムダ時間Lと排気流量の関係を示すグラフである。
【図5】前記排気浄化装置を構成するECUの再生制御および過昇温防止の内容を示すフローチャートである。
【図6】前記酸化触媒付DPFの出ガス温度から第1の温度推定値を算出する方法を説明する図である。
【図7】前記酸化触媒付DPFにおけるPM堆積量の算出方法を示すグラフである。
【図8】前記酸化触媒付DPFの出ガス温度から第2の温度推定値を算出する方法を説明する図である。
【図9】前記第1の温度推定値と前記酸化触媒付DPFの実測値とを比較して示す図である。
【図10】前記第2の温度推定値と前記酸化触媒付DPFの実測値とを比較して示す図である。
【図11】酸化触媒付DPFの入ガス温度変化時のDPF温度および出ガス温度変化の様子を示す図である。
【図12】酸化触媒付DPFの再生開始時のPM堆積量を変えたときに、PM急速燃焼発生時のDPF温度および燃料消費量を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関)
21 吸気通路
22 排気通路
31 吸気絞り弁
32 EGR弁
41 酸化触媒付DPF(排気後処理装置)
51 エアフローメータ
52 排気温センサ(出ガス温度検出手段)
53 差圧センサ
61 ECU(第1の温度推定手段、第2の温度推定手段、再生処理制御手段、過昇温防止制御手段)

Claims (6)

  1. 内燃機関の排気通路に設置される排気後処理装置を有し、排気後処理装置で排気ガスを浄化する排気浄化装置であって、前記排気後処理装置の下流側に設けられて排気温度を検出する出ガス温度検出手段を設けて、該出ガス温度検出手段により検出された前記排気後処理装置の出ガス温度から前記排気後処理装置の温度を含む前記排気後処理装置の状態量を演算し、該状態量に基づいて前記排気後処理装置の状態を適正な状態に維持するようにした内燃機関の排気浄化装置において、
    前記排気後処理装置の温度を前記出ガス温度から推定する温度推定手段を具備せしめ、
    該温度推定手段として、前記排気後処理装置の温度推定値を、上記排気後処理装置の温度変化に対する出ガス温度変化の逆伝達関数を用いて算出し、算出値を第1の温度推定値とする第1の温度推定手段と、直近の複数の出ガス温度に基づいて現在から所定の時間先の出ガス温度の予測値を算出するとともに、該出ガス温度の予測値に基づいて、前記排気後処理装置の温度変化に対する出ガス温度変化の逆伝達関数を用いて前記排気後処理装置の温度推定値を算出し、算出値を第2の温度推定値とする第2の温度推定手段とを具備せしめるとともに、前記所定の時間を前記逆伝達関数におけるムダ時間に設定し、
    前記第1の温度推定値は、前記排気後処理装置の状態量の演算のうち、精度が主に要求される状態量の演算用に出力し、前記第2の温度推定値は、応答性が主に要求される状態量の演算用に出力することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記逆伝達関数は一次遅れとムダ時間で表現される内燃機関の排気浄化装置。
  3. 請求項2記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記温度推定手段はそれぞれ、前記逆伝達関数における一次遅れの時定数とムダ時間とをそれぞれ排気流量に応じて変更する内燃機関の排気浄化装置。
  4. 請求項2または3いずれか記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記温度推定手段は、前記逆伝達関数における一次遅れの時定数とムダ時間Lをそれぞれ排気流量が大であるほど小さくなるように変更する内燃機関の排気浄化装置。
  5. 請求項1ないし4いずれか記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記排気後処理装置の状態量はPMの堆積量であり、該PMの堆積量に基づいて前記排気後処理装置の再生処理を制御する再生処理制御手段を具備してなり、
    かつ、前記第1の温度推定値を前記PMの堆積量の演算用とした内燃機関の排気浄化装置。
  6. 請求項1ないし5いずれか記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記排気後処理装置の状態量は前記排気後処理装置の温度であり、該排気後処理装置の温度に基づいて前記排気後処理装置の過昇温防止処理を制御する過昇温防止処理制御手段を具備してなり、
    かつ、前記第2の温度推定値を前記排気後処理装置の温度とした内燃機関の排気浄化装置。
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