JP4560195B2 - ホルダー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話、パーソナル・ハンディホン・システム(PHS)、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)等に用いられる小型マイクロホン、スピーカー等の取り付け電子部品を保持し、かつ電気的接続をする為のホルダーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の携帯電話機、携帯通信機等に使用されている小型マイクロホンやスピーカーなどの取り付け電子部品は、ゴム状弾性体からなるホルダーの内部に収納され、電子部品の電極と基板電極とを細いリード線を用いて手作業による半田付けで接続していた。
【0003】
しかしながら、リード線による電極間の接続では、手間がかかるうえに、取り付けスペースを広く必要とし、低コスト化、薄型化が図れなかった。この問題を解決するものとして、特開平10-233828号公報にマイクロホンを保持する保持部と、マイクロホンと基板の両電極を電気的に接続する弾性導電コネクタ部とを一体化したマイクロホンホルダーの記載がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近年の機器の薄型化に伴い取り付け電子部品の取り付けスペースの小スペース化、薄型化が要求され、ホルダーの薄型化、特に弾性導電コネクタ部を薄型にする必要がでてきた。ところが弾性導電コネクタ部の肉厚が薄くなると、形状を保つことが困難となるため、弾性導電コネクタ部の導通部が傾倒して、個々の導通部の端面の平面度が失われ安定して電極と密着することが出来なくなり、また強度の低下も問題となっていた。さらに圧縮荷重低減のために弾性導電コネクタ部を低硬度にすることで、上記の問題がより顕著となっていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題を解決するものであって、弾性コネクタ部に補強シートを一体に形成することで弾性コネクタ部を補強し、取り付けスペースの小スペース化、薄型化を図ることを目的としたホルダーを提供するものである。
【0006】
すなわち、取り付け電子部品を嵌入する保持部と、取り付け電子部品の電極と基板電極を接続する弾性コネクタ部とから構成されるホルダーにおいて、複数の孔を有するメッシュシートからなる補強シートが弾性コネクタ部と一体に形成され、弾性コネクタ部に補強シートの孔を貫通すると共に基板電極に向け突出する導通部が形成されているホルダーである。さらに、補強シートの孔の直径が導通部の直径より小さいホルダーである。さらに、シートが、弾性コネクタ部に埋設されているホルダーである。さらに、補強シートが、弾性コネクタ部の上面およびあるいは下面に形成されているホルダーである。さらに、導通部の導電媒体が、磁性導電体からなる導電媒体であるホルダーである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のホルダーの代表的な形態を図1および図2を用いて説明する。
本発明のホルダーは、取り付け電子部品を嵌入する保持部2と、取り付け電子部品の電極と基板電極を接続する弾性コネクタ部3とから構成されるホルダーであって、所望の位置に孔を有する補強シート4が弾性コネクタ部に埋設され、弾性コネクタ部の導通部5が補強シートの孔6を貫通するように形成されているホルダーである。そして、導通部の導電媒体が、磁性導電体からなる導電媒体である。
【0008】
本発明の補強シートは、弾性コネクタ部に補強性を与える電気絶縁性の薄いシートであれば種類を特定しない。好ましくは、同厚さのゴム状弾性体より強度(引張強度、引裂強度)を有し、また、補強シートと一体に形成される弾性コネクタ部の材料の成形時の硬化温度や溶融温度に耐えることが可能な耐熱性を有すると良い。例えば、紙、樹脂フィルム、織布、不織布、メッシュシート等が挙げられる。これらシートは弾性コネクタ部の導通部が通りうる所望の位置に、抜き型等で孔を開けて用いる。補強シートに設ける孔の数や大きさは、弾性コネクタ部の導通部の設計上、適宜に選定する。
【0009】
補強シートに織布、不織布、およびメッシュシートを用いる場合は、十分な開口部の径を有していれば、後加工で孔を開ける必要はない。
後加工で孔を開けずに用いることのできるメッシュシートの条件としては、直径で0.3mm以上の開口部を有することが必要である。開口部の直径とは、真円形では直径を意味し、楕円形では短径を意味し、正方形では辺の長さを意味し、長方形では短辺の長さを意味する。開口部の直径は0.3〜10mmであることが好ましく、より好ましくは1〜5mmである。また、開口率(シート面積に対する孔面積の和の割合)は、20〜98%のものが導通部を形成する点で好ましく、メッシュシートの厚さは、0.05〜1mmが好ましい。例えば、テフロン製メッシュシート、ポリエステル製メッシュシート、ポリイミド製メッシュシート、ナイロン製メッシュシート、アクリル製メッシュシート等が挙げられる。
【0010】
本発明の導電媒体は、低電気抵抗のものを用いる。例えば、カーボン、金属等で、具体的には抵抗値の低い金、銀、白金、銅、鉄、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、コバルト、クロム等の金属類やステンレス等の合金類等、あるいは樹脂やセラミック等の表面に金属を被覆した金属複合体等が挙げられ、形状は、粒子状、繊維状等を用いることができる。
【0011】
本発明の弾性導電コネクタ部の導電部を構成する磁性導電体は、磁性を示す導電体であれば全て含まれ、磁性金属粒子でも磁性金属複合体でも構わない。好ましくはニッケル、コバルト、鉄またはそれらを多く含む合金などが良く、他にも良導電性の金属を磁性導電体でメッキしたもの、あるいは逆に磁性導電体に良導電体の金属をメッキしたものを用いることができる。
【0012】
本発明のホルダーの保持部と弾性コネクタ部の材料としては、ゴム状弾性体であるシリコーンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2-ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、スチレン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、フッ化系熱可塑性エラストマー、イオン架橋系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。なかでも電気絶縁性、耐候性からシリコーンゴムが好ましい。
【0013】
本発明の弾性コネクタ部の導電媒体として磁性導電体を用いた場合、以下の製造方法が可能となる。所望の位置に孔を有するシートをホルダー成形用金型にセットした後、磁性導電体を配合した未硬化のゴム状弾性体を金型に注入し、次に、所望の箇所に磁力を与えて磁性導電体を磁場配向させて導通部を特定させた後、ゴム状弾性体を硬化することにより弾性コネクタ部と保持部を一体に成形して、容易にホルダーを製造することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。
【0014】
【実施例1】
図1および図2に本発明ホルダーの実施例を示す。図1は、底面、図2は断面を示す。取り付け電子部品を嵌入する保持部2と、取り付け電子部品の電極と基板電極を接続する弾性コネクタ部3とから構成されるホルダーであって、所望の位置に孔を有する補強シート4が弾性コネクタ部に埋設され、弾性コネクタ部の導通部5がシートの孔6を貫通するように、一体成形によりホルダーを得た。
【0015】
ホルダーの保持部2と弾性コネクタ部3の材料には、液状シリコーンゴム(LSR)を用い、弾性コネクタ部3の導電媒体には磁性導電体であるニッケル粒子を用いた。補強シート4には、弾性コネクタ部を形成する箇所に予め直径2mmの孔を抜き型にて設けたポリアミドフィルムを用いた。
【0016】
【実施例2】
図3に本発明ホルダーの別の実施例を示す。取り付け電子部品を嵌入する保持部2と、取り付け電子部品の電極と基板電極を接続する弾性コネクタ部3とから構成されるホルダーであって、所望の位置に孔を有する補強シート14が弾性コネクタ部に埋設され、弾性コネクタ部の導通部5がシートの孔6を貫通するように、一体成形によりホルダーを得た。
【0017】
ホルダーの保持部2と弾性コネクタ部3の材料には、液状シリコーンゴム(LSR)を用い、弾性コネクタ部3の導電媒体には磁性導電体であるニッケル粒子を用いた。補強シート14には、開口部の直径1mm、開口率80%、厚さ0.05mmのポリエステル製メッシュシートを用いた。
【0018】
【実施例3】
図4に、本発明ホルダーのさらに別の実施例を示す。
図4(1)は、補強シート24を弾性コネクタ部3の上面に、図4(2)は、下面に一体に形成した。他の構成は実施例1と同一である。
【0019】
図5に本発明ホルダーの実装例を示す。小型マイクロホンあるいはスピーカ等の取付け電子部品1は、ホルダーの保持部2内に嵌入され、電子部品1の電極7と基板8の基板電極9との電気的接続は、弾性コネクタ部3の導通部5にて接続されている。導電部は、取付け電子部品と基板がそれぞれ対応する電極に接続できるように導電部パターンを形成しておく。電子部品を組み付けたホルダーを筐体10に実装している。
【0020】
【発明の効果】
本発明のホルダーは、携帯電話等に使用されているマイクロホンやスピーカーなどの電子部品を基板に容易に取り付けることができ、補強シートにより強度が保たれるので、弾性コネクタ部を薄型化することが可能である。
また、リード線等を半田付けにより接続すると言う工程が無く、部品点数、組み付け点数を削減することができるため、低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の底面図
【図2】補強シートを弾性コネクタ部に埋設した実施例1の断面図
【図3】補強シートをメッシュシートとした実施例2の断面図
【図4】補強シートを弾性コネクタ部の上面(1)および下面(2)に形成した実施例3の断面図
【図5】本発明ホルダーを実装した断面図
【符号の説明】
1 電子部品
2 保持部
3 弾性コネクタ部
4 補強シート
5 導通部
6 孔
7 電極
8 基板
9 基板電極
10 筐体
Claims (5)
- 取り付け電子部品を嵌入する保持部と、取り付け電子部品の電極と基板電極を接続する弾性コネクタ部とから構成されるホルダーにおいて、複数の孔を有するメッシュシートからなる補強シートが弾性コネクタ部と一体に形成され、弾性コネクタ部に、補強シートの孔を貫通すると共に基板電極に向け突出する導通部が形成されていることを特徴とするホルダー。
- 補強シートの孔の直径が、導通部の直径より小さいことを特徴とする請求項1に記載のホルダー。
- 補強シートが、弾性コネクタ部に埋設されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のホルダー。
- 補強シートが、弾性コネクタ部の上面およびあるいは下面に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のホルダー。
- 導通部の導電媒体が、磁性導電体からなる導電媒体であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のホルダー。
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