JP4560144B2 - 梃子式ダイヤルゲージの心ずれ補正工具 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、梃子式ダイヤルゲージの心ずれ補正工具に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
孔の中心位置を測定する場合、ダイヤルゲージの支持軸を中心として測定子を孔の側壁に接触させた状態で回転させ測定していた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
従来の問題点は以下の通りである。
ダイヤルゲージの支持軸の中心軸と平面視における測定子の動き方向の直線状軌跡がずれている為、孔の回転測定を行う場合、球状測定子の動き方向線上から外れた部分が、孔の側壁部に接触した状態で測定を行う事になり、梃子の動きが不適切な為、測定誤差を生じている。
また、測定子の大きさに近い孔の測定は、その現象が著しくなり測定不能となる。
更に、球状測定子の中心点が、孔の中心点を直交するＹ軸線上に測定位置を設定した場合、ダイヤル面が正面からずれてしまいダイヤルの指針読み取りに視覚誤差を生じる。
本発明は上記問題を解決することを課題とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては、支持軸の中心線と平面視における測定子の動き方向の直線状軌跡が、ずれを生じている梃子式ダイヤルゲージに使用する補正工具であって、当該補正工具の支持軸中心軸と、前記ダイヤルゲージの支持軸を保持する保持部中心軸を偏心させたことを特徴とする梃子式ダイヤルゲージの心ずれ補正工具を提供する。
【０００５】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面と共に本発明の実施形態について説明する。
図１は、本発明に係る補正工具で梃子式ダイヤルゲージを支持した状態を示す一部断面正面図（左図）と、その補正工具のみを示す斜視図（右図）であり、図２は、梃子式ダイヤルゲージを示す正面図であり、図５は、本発明に係る補正工具を使用し、改善された測定子の動き方向とダイヤルゲージの向きを示す平面図であり、図６は、本発明に係る補正工具とダイヤルゲージの測定子のずれを補正する作業を示す平面図であり、図７は、前記図６の作業をフライス盤に装着した状態で示した正面図である。
【０００６】
支持軸１ａの中心線と平面視における測定子１ｃの動き方向の直線状軌跡が、ずれを生じているダイヤルゲージ１において支持軸２ａ中心軸と保持部（孔）２ｂ中心軸を偏心させたダイヤルゲージの心ずれ補正工具２を用いる。
方法は、ダイヤルゲージの支持軸１ａと測定子１ｃの動き方向を一致させる為に、本発明に係る補正工具２において、支持軸２ａに対し偏心した保持部（孔）２ｂに、ダイヤルゲージ１の支持軸１ａを装着し、本発明に係る補正工具２の支持軸２ａとダイヤルゲージ１の測定子１ｃの平面視の動き方向の直線状軌跡を同調させる。
更に詳細説明を以下に記載する。
【０００７】
(1) 図１の本発明に係る補正工具２の保持部（孔）２ｂに、図１のダイヤルゲージの支持軸１ａを軽圧挿入し、図１のように装着状態にする。
(2) 図１の補正工具の支持軸２ａを図７のフライス盤のチャック部６に装着し、図６のように、直角６平面を持つフライス盤のテーブル７に梃子式ダイヤルゲージ１の測定子１ｃを梃子式ダイヤルゲージ１のダイヤルの指針１ｅが動き始めるまで、図７のフライス盤のテーブル部５を移動する。
【０００８】
(3) 図７のフライス盤のチャック部６を手動により９０°ほど左右に回転を繰り返しダイヤルの指針１ｅが最大に触れた位置でダイヤル面１ｄが正面に位置しているか確認をする。
(4) ダイヤル面１ｄが正面に位置していない場合、図７のフライス盤のチャック部６を固定し、図６のようにダイヤル面１ｄが正面に位置するように梃子式ダイヤルゲージ１のみを強制的に回す。
(5) 上文の(3)(4)の作業を数回繰り返し (3)の作業終了後ダイヤルの指針１ｅが最大に振れた位置でダイヤル面１ｄが正面に位置する事を確認出来た事で、図１（装着状態）のように補正工具の支持軸２ａとダイヤルゲージの測定子１ｃの中心線が一致した事になる。
【０００９】
【発明の効果】
本発明品未装着のダイヤルゲージで、孔測定を行った場合、図３又は、図４のように測定子の動き方向１ｆが孔の中心に向いていない為、測定誤差を生じやすく測定子径に近い孔の測定は不可能となる。
また、図３のようにダイヤル目盛部分が正面からずれてしまっていたが、本発明に係る補正工具を装着し、上記 (1)から(5) の作業終了後、孔測定を行うと図５のように測定子の動き方向１ｆも孔中心に向い測定誤差が軽減され、小径孔の測定も可能となり、ダイヤル目盛の読み取りが正確となる。
【００１０】
従来と同じ回転測定の方法を変更する事無く、正確かつ容易に測定でき、不可能であった小径孔の測定も可能となり、視覚による誤認も軽減される効果が得られた。
その他に、ワークの平行出し作業に使用した場合にも、平行移動するワークに対し測定子の動きが直角な状態でダイヤル面が正面を向くため測定誤差を軽減する効果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る補正工具で梃子式ダイヤルゲージを支持した状態を示す一部断面の正面図（左図）と、本発明に係る補正工具のみを示す斜視図（右図）である。
【図２】梃子式ダイヤルゲージを示す正面図である。
【図３】従来の孔測定における測定子の動き方向とダイヤルゲージの向きを示す平面図である。
【図４】図３のダイヤルゲージを正面に向けた場合の測定子の位置を示す平面図である。
【図５】本発明に係る補正工具を使用し改善された測定子の動き方向とダイヤルゲージの向きを示す平面図である。
【図６】本発明品とダイヤルゲージの測定子のずれを補正する作業を示す平面図である。
【図７】図６の作業をフライス盤に装着した状態を示した正面図である。
【符号の説明】
１ 梃子式ダイヤルゲージ
１ａ 梃子式ダイヤルゲージ１の支持軸
１ｂ 梃子式ダイヤルゲージ１の測定腕
１ｃ 梃子式ダイヤルゲージ１の測定子
１ｄ 梃子式ダイヤルゲージ１のダイヤル面
１ｅ 梃子式ダイヤルゲージ１のダイヤルの指針
１ｆ 測定子１ｃの動き方向
２ 心ずれ補正工具
２ａ 心ずれ補正工具２の支持軸
２ｂ ダイヤルゲージの支持軸１ａを保持する孔（軽圧入）
３ 被測定物の孔
４ フライス盤の主軸部
５ フライス盤のテーブル部
６ フライス盤のチャック部
７ 直角６平面を持つフライス盤のテーブル

Claims (1)

1. 支持軸(1a)の中心線と平面視における測定子(1c)の動き方向の直線状軌跡(1f)が、ずれを生じている梃子式ダイヤルゲージ(1) に使用する補正工具(2) であって、
   当該補正工具(2) の支持軸(2a)中心軸と、前記ダイヤルゲージ(1) の支持軸(1a)を保持する保持部(2b)中心軸を偏心させたことを特徴とする梃子式ダイヤルゲージの心ずれ補正工具。

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