JP4560118B2 - 車両用ドアの開扉操作制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車体に開閉可能に支持されたドアの開扉操作を制御するための車両用ドアの開扉操作制御装置に関する。
車両用ドアの開扉操作制御装置においては、車速、パーキングブレーキ、フットブレーキの各検出状態に基づいて、ドアを開けるための電動駆動源(ドアラッチ装置をリリース作動させるためのアクチュエータ)が作動できる作動許可条件が成立しているか否かを判定し、車両が停止状態にあって、作動許可条件が成立している場合には、操作スイッチの操作に基づいて電動駆動源を作動させて、ドアの開扉を行い、また、車両走行中あるいは走行し得る状態にある等して、作動許可条件が成立していない場合には、操作スイッチの操作に基づく電動駆動源の作動を禁止して、ドアの開扉が行われないように制御している。
特開2007−231662号公報
しかし、上記特許文献1に記載された車両用ドアの開扉操作制御装置においては、作動許可条件が成立しているか否かを単一の制御回路部の判定結果に委ねているため、制御回路部、当該制御回路部と各センサとを相互に電気的に繋ぐ配線、または各センサに異常が生じた場合、正確な判定結果を得ることができず、ドアを安全に開けることができない虞がある。
本発明は、上述のような課題に鑑み、ドアを開けるための電動駆動源が作動できる作動許可条件が成立しているか否かを正確に判定し、ドアを安全に開けることができるようにした車両用ドアの開扉操作制御装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、第1の発明においては、車体に開閉可能に支持されたドアを閉鎖状態に保持するためのドアラッチ装置をラッチ解除して前記ドアの開扉を可能にする電動駆動源と、前記ドアを開けるときに操作される操作手段から送信される開扉操作信号を受信したことを契機に、予め設定された前記電動駆動源が作動できる作動許可条件が成立しているか否かを判定すると共に、後記第2制御回路部へ要求信号を送信可能な第1制御回路部と、前記第1制御回路部から送信された要求信号を受信したことを契機に、前記作動許可条件が成立しているか否かを判定し、当該判定の結果に応じた判定信号を前記第1制御回路部へ送信可能な第2制御回路部とを備え、前記第1制御回路部は、前記作動許可条件が成立していると判定し、かつ受信した前記判定信号が前記作動許可条件が成立している旨の信号である場合のみ、前記電動駆動源を作動させる制御を実行するものとする。
上記構成により、第1の発明は、操作手段からドアを開ける開扉操作信号が送信された際、第1制御回路部及び第2制御回路部が共に作動許可条件が成立していると判定した場合のみ電動駆動源の作動を許可するため、第1制御回路部の判定結果が不成立である場合は元より、両制御回路部の判定結果が一致しない場合には、電動駆動源の作動を禁止することができる。したがって、第1、2制御回路部、配線(各制御回路部及び各センサ等を相互に電気的に繋ぐ配線)、各センサに異常が生じても、作動許可条件が成立しているか否かを正確に判定することができ、ドアを安全に開けることができる。
第2の発明においては、車体に開閉可能に支持された第1ドアを閉鎖状態に保持するための第1ドアラッチ装置をラッチ解除して前記第1ドアの開扉を可能とする第1電動駆動源と、前記車体に開閉可能に支持された第2ドアを閉鎖状態に保持するための第2ドアラッチ装置をラッチ解除して前記第2ドアの開扉を可能とする第2電動駆動源と、前記第1ドアを開けるときに操作される操作手段から送信される第1開扉操作信号を受信したことを契機に、予め設定された前記第1電動駆動源が作動できる作動許可条件が成立しているか否かを判定すると共に、後記第2制御回路部へ第1要求信号を送信し、また、後記第2制御回路部から送信される後記第2要求信号を受信したことを契機に、予め設定された前記第2電動駆動源が作動できる作動許可条件が成立しているか否かを判定し、当該判定の結果に応じた第1判定信号を後記第2制御回路部へ送信可能な第1制御回路部と、前記第2ドアを開けるときに操作される前記操作手段から送信される第2開扉操作信号を受信したことを契機に、予め設定された前記第2電動駆動源が作動できる前記作動許可条件が成立しているか否かを判定すると共に、前記第1制御回路部へ第2要求信号を送信し、また、前記第1制御回路部から送信される前記第1要求信号を受信したことを契機に、前記第1電動駆動源が作動できる前記作動許可条件が成立しているか否かを判定し、当該判定の結果に応じた第2判定信号を前記第1制御回路部へ送信可能な第2制御回路部とを備え、前記第1制御回路部は、前記第1電動駆動源が作動できる前記作動許可条件が成立していると判定し、かつ受信した前記第2判定信号が前記作動許可条件が成立している旨の信号である場合のみ、前記第1電動駆動源を作動させる制御を実行し、前記第2制御回路部は、前記第2電動駆動源が作動できる前記作動許可条件が成立していると判定し、かつ受信した前記第1判定信号が前記作動許可条件が成立している旨の信号である場合のみ、前記第2電動駆動源を作動させる制御を実行するものとする。
上記構成により、第2の発明は、操作手段から第1または第2ドアを開ける開扉操作信号が送信された際、第1制御回路部及び第2制御回路部が共に作動許可条件が成立していると判定した場合のみ第1または第2電動駆動源の作動を許可するため、第1または第2制御回路部の判定結果が不成立である場合は元より、両制御回路部の判定結果が一致しない場合には、第1または第2電動駆動源の作動を禁止することができる。したがって、第1、2制御回路部、配線(各制御回路部及び各センサ等を相互に電気的に繋ぐ配線)、各センサに異常が生じても、作動許可条件が成立しているか否かを正確に判断することができ、ドアを安全に開けることができる。
また、操作手段から第1開扉操作信号が送信された際には、第1制御回路部が第1電動駆動源の作動を制御する作動側制御回路部として機能し、第2制御回路部が第1制御回路部とは別に作動許可条件が成立しているか否かを判定し、当該判定の結果に応じた判定信号を第1制御回路部に提供する監視側制御回路部として機能する。また、操作手段から第2開扉操作信号が送信された際には、第2制御回路部が第2電動駆動源の作動を制御する作動側制御回路部として機能し、第1制御回路部が第2制御回路部とは別に作動許可条件が成立しているか否かを判定し、当該判定の結果に応じた判定信号を第2制御回路部に提供する監視側制御回路部として機能する。したがって、第1、2制御回路部は、各操作状況に応じて、作動側制御回路部または監視側制御回路部に切り替わるため、監視用の制御回路部を別に設ける必要がなく、正確な判定を行うことができると共に、コストの上昇を最小限に抑えることができる。
本発明においては、第1制御回路部及び第2制御回路部が共に作動許可条件が成立していると判定した場合のみ電動駆動源の作動を許可するため、作動許可条件が成立しているか否かを正確に判断することができ、ドアを安全に開けることができる。
以下、本発明に係わる一実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は、本発明を適用した車両の概略平面図である。なお、以下の説明では、図1における上方を「前方」とし、下方を「後方」とし、左右方向を「左右方向」とする。
図1において、1Lは、車体2の左側面に前後方向へ開閉可能に支持された左側スライドドア(第1ドア)、1Rは、車体2の右側面に前後方向へ開閉可能に支持された右側スライドドア(第2ドア)である。各スライドドア1L、1Rは、車体2に設けられる開閉駆動装置(図示略)により、車体2の両側面に設けられた乗降口を開閉し得るように前後方向へそれぞれスライド移動可能である。
各スライドドア1L、1Rのそれぞれには、車体2側に設けられたストライカ(図示略)と係合することにより各スライドドア1L、1Rを閉鎖位置に保持するための左右(第1、2)のドアラッチ装置3L、3Rと、各ドアラッチ装置3L、3Rに連結され、モータまたはソレノイドから構成される左右(第1、2)の電動駆動源4L、4Rとが設けられている。
各電動駆動源4L、4Rは、車体2の適所に設けられた操作スイッチ(操作手段)6または携帯用の遠隔操作スイッチ(操作手段)の開操作に基づいて、後述の作動許可条件が成立している場合には、それぞれのモータが駆動することによって、各ドアラッチ装置3L、3Rを解除作動(各ドアラッチ装置3L、3Rと各ストライカとの係合を解除)させて、各スライドドア1L、1Rの開扉を可能にする。なお、各電動駆動源4L、4Rの駆動は、車体2の適所に設置される左右(第1、2)の制御回路部5L、5Rによってそれぞれ制御される。
図2は、制御回路のブロック図を示す。各制御回路部5L、5Rは、互いに同一構成で、各電動駆動源4L、4Rが作動できる後述の作動許可条件が成立しているか否かを判定するプログラムがプログラミングされた左右のマイクコンピュータ51L、51Rと、各電動駆動源4L、4Rのための左右の駆動回路52L、52Rと、左右のAND回路53L、53Rとをそれぞれ含む。また、各制御回路部5L、5Rは、各信号を送信可能な信号線A〜Dを通じて相互に電気的に接続される。
信号線Aは、左側制御回路部5Lにおけるマイクロコンピュータ51Lの出力端子Laから出力される左側判定信号(マイクロコンピュータ51Lが判定した作動許可条件が成立しているか否かの判定結果に応じた信号)を、右側制御回路部5Rへ送信するものである。左側判定信号は、右側制御回路部5Rにおけるマイクロコンピュータ51Rの入力端子Rbに入力される。
信号線Bは、右側制御回路部5Rにおけるマイクロコンピュータ51Rの出力端子Raから出力される右側判定信号(マイクロコンピュータ51Rが判定した作動許可条件が成立しているか否かの判定結果に応じた信号)を、左側制御回路部5Lへ送信するものである。右側判定信号は、左側制御回路部5Rにおけるマイクロコンピュータ51Lの入力端子Lbに入力される。
信号線Cは、左側制御回路部5Lにおけるマイクロコンピュータ51Lの出力端子Lcから出力される要求信号(休止状態にあるマイクロコンピュータ51Rを起動させるための信号)を、右側制御回路部5Rへ送信するものである。要求信号は、右側制御回路部5Rにおけるマイクロコンピュータ51Rの入力端子Rdに入力される。
信号線Dは、右側制御回路部5Rにおけるマイクロコンピュータ51Rの出力端子Rcから出力される要求信号(休止状態にあるマイクロコンピュータ51Lを起動させるための信号)を、左側制御回路部5Lへ送信するものである。要求信号は、左側制御回路部5Lにおけるマイクロコンピュータ51Lの入力端子Ldに入力される。
各制御回路部5L、5Rにおけるマイクロコンピュータ51L、51Rの入力ポートには、車体2の適所に設けられた操作スイッチ6(または携帯用の遠隔操作スイッチの受信部)、車両の速度を検出する速度センサ7、イグニッションスイッチ8、パーキングブレーキの作動を検出するパーキングブレーキ・センサ9及びフットブレーキの作動を検出するフットブレーキ・センサ10の各信号がそれぞれ入力される。
なお、操作スイッチ6は、左側スライドドア1Lを開ける開扉操作が行われた場合には左側開扉操作信号を送信し、右側スライドドア1Rを開ける開扉操作が行われた場合には右側開扉操作信号を送信する。左側開扉操作信号は、左側制御回路部5Lのみが受信し、右側制御回路部5Rは受信しない。また、右側開扉操作信号は、右側制御回路部5Rのみが受信し、左側制御回路部5Lは受信しない。
左側制御回路部5Lは、操作スイッチ6からの左側開扉操作信号を受信した場合には、左側電動駆動源4Lの作動を制御する作動側制御回路部として機能し、左側開扉操作信号を受信したことを契機に、速度センサ7、イグニッションスイッチ8、パーキングブレーキ・センサ9及びフットブレーキ・センサ10の各信号に基づいて、左側電動駆動源4Lが作動できる作動許可条件が成立しているか否かを判定すると共に、出力端子Lcから要求信号を出力する。また、右側制御回路部5Rから送信される要求信号を受信した場合には、右側制御回路部5Rとは別に作動許可条件が成立しているか否かを判定し、当該判定の結果に応じた判定信号を右側制御回路部5Rに提供する監視側制御回路部として機能し、右側制御回路部5Rからの要求信号を入力端子Ldが受信したことを契機に、休止状態から起動して、速度センサ7、イグニッションスイッチ8、パーキングブレーキ・センサ9及びフットブレーキ・センサ10の各信号に基づいて、右側電動駆動源4Rが作動できる作動許可条件が成立しているか否かを判定し、判定結果に応じた判定信号(作動許可条件が成立している場合には、ON信号、不成立の場合には、OFF信号)を出力端子Laから出力する。
なお、各電動駆動源4L、4Rが作動できる作動許可条件は、イグニッションスイッチ8がONの場合には、車速が3Km/h以下で、かつパーキングブレーキまたはフットブレーキが制動状態にあって、パーキングブレーキ・センサ9またはフットブレーキ・センサ10がONのとき成立し、それ以外のときは成立しない。また、イグニッションスイッチ8がOFFの場合には、車両が停止している状態であるため、パーキングブレーキまたはフットブレーキの状態に無関係に、常に作動許可条件は成立する。
右側制御回路部5Rは、操作スイッチ6からの右側開扉操作信号を受信した場合には、右側電動駆動源4Rの作動を制御する作動側制御回路部として機能し、右側開扉操作信号を受信したことを契機に、速度センサ7、イグニッションスイッチ8、パーキングブレーキ・センサ9及びフットブレーキ・センサ10の各信号に基づいて、右側電動駆動源4Rが作動できる作動許可条件が成立しているか否かを判定すると共に、出力端子Rcから要求信号を出力する。また、左側制御回路部5Lから送信される要求信号を受信した場合には、左側制御回路部5Lとは別に作動許可条件が成立しているか否かを判定し、当該判定の結果に応じた判定信号を左側制御回路部5Lに提供する監視側制御回路部として機能し、左側制御回路部5Lからの要求信号を入力端子Rdが受信したことを契機に、休止状態から起動して、速度センサ7、イグニッションスイッチ8、パーキングブレーキ・センサ9及びフットブレーキ・センサ10の各信号に基づいて、左側電動駆動源4Lが作動できる作動許可条件が成立しているか否かを判定し、判定結果に応じた判定信号(作動許可条件が成立している場合には、ON信号、不成立の場合には、OFF信号)を出力端子Raから出力する。
上述のように、各制御回路部5L、5Rは、操作状況に応じて、作動側制御回路部または監視側制御回路部に切り替わって機能する。これにより、監視用の制御回路部を別に設ける必要がなく、正確な判定を行うことができると共に、コストの上昇を最小限に抑えることができる。
各制御回路部5L、5Rは、作動側制御回路部として機能した場合には、作動許可条件が成立しているか否かに応じた判定信号(作動許可条件が成立している場合には、ON信号、不成立の場合には、OFF信号)を、各マイクロコンピュータ51L、51Rの出力端子Le、Lf及びRe、Rfからそれぞれ出力する。出力端子Le、Lf及びRe、Rfから出力される判定信号は、各AND回路53L、53Rの一方の入力端子及び各トランジスタ54L、54Rのゲートにそれぞれ入力される。左側制御回路部5LにおけるAND回路53Lの他方の入力端子には、右側制御回路部5Rから出力される右側判定信号が入力される。また、右側制御回路部5RにおけるAND回路53Rの他方の入力端子には、左側制御回路部5Lから出力される左側判定信号が入力される。
各AND回路53L、53Rは、両入力端子にON信号を入力した場合には、出力端子からON信号を出力する。各AND回路53L、53Rから出力されるON信号は、各トランジスタ55L、55Rのゲートに入力される。左側制御回路部5Lにおいては、トランジスタ54L、55LのゲートにON信号がそれぞれ入力されることで、駆動回路52LがON状態に切り替わって、左側電動駆動源4Lを作動させる。また、右側制御回路部5Rにおいては、トランジスタ54R、55RにON信号が入力されることで、駆動回路52RがON状態に切り替わって、右側電動駆動源4Rを作動させる。
次に、スライドドア1L、1Rの開扉操作を、図3、4に示すフローチャートに基づいて説明する。スライドドア1L、1Rが閉鎖位置に保持されているときは、各ドアラッチ装置3L、3Rがそれぞれのストライカに係合している。この状態において、左側スライドドア1Lを開けるため、操作スイッチ6の開扉操作を実行すると、操作スイッチ6からの左側開扉操作信号は、左側制御回路部5Lに送信される。左側制御回路部5Lは、左側開扉操作信号を受信したことを契機に、図3に示すように作動側制御回路部として機能し、また、右側制御回路部5Rは、図4に示すように、監視側制御回路部として機能する。
なお、右側スライドドア1Rを開けるため、操作スイッチ6から右側開扉操作信号が送信された場合には、右側制御回路部5Rが右側開扉操作信号を受信することにより、右側制御回路部5Rが作動側制御回路部として機能し、左側制御回路部5Lが監視側制御回路部として機能する。この場合の説明は、下記のフローチャートの説明において、左を右、右を左にそれぞれ置き換えることで理解できるため、詳細な説明は省略する。
図3に示すように、左側制御回路部5Lは、左側開扉操作信号を受信したことを契機に、ステップSL1において左側電動駆動源4Lが作動できる作動許可条件を確認すると共に、要求信号を右側制御回路部5Rへ送信し、ステップSL2に移行する。ステップSL2において、左側制御回路部5Lのマイクロコンピュータ51Lは、車速センサ7、イグニッションスイッチ8、パーキングブレーキ・センサ9、フットブレーキ・センサ10からの信号に基づいて、左側電動駆動源4Lが作動できる作動許可条件が成立しているか否かを判定し、成立と判定した場合には、ステップSL3に移行し、不成立と判定した場合には、ステップSL10へ移行する。
図4に示すように、右側制御回路部5Rは、左側制御回路部5Lから送信された要求信号をマイクロコンピュータ51Rの入力端子Rbが受信したことを契機に、ステップSR1において、速度センサ7、イグニッションスイッチ8、パーキングブレーキ・センサ9、フットブレーキ・センサ10からの信号に基づいて、左側電動駆動源4Lが作動できる作動許可条件が成立しているか否かを判定する。作動許可条件が成立していると判定した場合には、ステップSR2に移行し、作動許可条件が成立している旨のON信号を出力端子Raから出力する。右側制御回路部5Rの判定信号は、信号線Bを通って左側制御回路部5Lへ送信される。また、ステップSR1において作動許可条件が不成立の場合には、ステップSR3に移行し、出力端子からON信号は出力されない。
図3に示すステップSL3において、左側制御回路部5Lは、マイクロコンピュータ51Lの入力端子Lbに作動許可条件が成立している旨のON信号が入力されたか否かを判定する。ON信号が入力された場合には、各制御回路部5L、5Rと各センサ(操作スイッチ6、速度センサ7、イグニッションスイッチ8、パーキングブレーキ・センサ9、フットブレーキ・センサ10)とを相互に電気的に繋ぐ配線、及び各センサの検出が正常であると判断して、左側電動駆動源4Lをリリース作動させる制御を実行し得るステップSL4へ移行する。また、ステップSL3において、マイクロコンピュータ51Lの入力端子LbにON信号の入力が無い場合には、各制御回路部5L、5Rと各センサとを相互に電気的に繋ぐ配線、または各センサに異常がある判断して、左側電動駆動源4Lを作動させないステップSL5へ移行する。
ステップSL4においては、左側制御回路部5Lにおける駆動回路52Lのリレーに故障があるか否かを診断して、故障が無ければステップSL6に移行し、出力端子Le、LfからON信号を出力する。そして、ステップSL7において、出力端子Le、LfからON信号が出力されることにより、AND回路53Lは出力端子からON信号を出力して、駆動回路52LをON状態に切り替えて、左側電動駆動源4Lを作動させる。これにより、左側ドアラッチ装置3Lはリリース作動して、左側スライドドア1Lは開扉する。
ステップSL3においてステップSL5に移行した場合には、マイクロコンピュータ51Lの出力端子Lcから要求信号を送信した時点から予め定めた所定時間が経過したか否かを監視し、所定時間が経過した場合には、ステップSL8に移行して、左側電動駆動源4Lの作動を中止する。この場合は、左側制御回路部5Lが要求信号を右側制御回路部5Rへ送信したにも係わらず、所定時間が経過しても、右側制御回路部5Rが判定信号を返信しないことは、各制御回路部5L、5Rと各センサとを相互に電気的に繋ぐ配線等に故障が発生している可能性があると判断(ステップSL9)することができる。
前記ステップSL2において、左側制御回路部5Lが左側電動駆動源4Lが作動できる作動許可条件が成立していないと判定して、ステップSL10に移行した場合には、マイクロコンピュータ51Lの入力端子Lbが受信した右側制御回路部5Rからの判定信号が作動許可条件が成立している旨のON信号か否かを判定する。ON信号である場合には、左側制御回路部5Lの判定結果が不成立で、右側制御回路部5Rの判定結果が成立であるため、両判定結果が一致しないことに基づいて、各制御回路部5L、5Rと各センサとを相互に電気的に繋ぐ配線、各センサに異常があると判断(ステップSL11)して、左側電動駆動源4Lの作動は行われない。
以上のように、左側スライドドア1Lを開ける操作を行った場合には、左側制御回路部5Lは作動側制御回路部として機能し、右側制御回路部5Rは監視側制御回路部として機能して、両制御回路部5L、5Rが行った判定の結果が一致した場合のみ左側電動駆動源4Lの作動を許可し、それ以外の場合は許可しないため、左側電動駆動源4Lが作動できる作動許可条件が成立しているか否かを正確に判断して、左側スライドドア1Lを安全に開けることができる。また、右側スライドドア1Rを開ける操作を行った場合には、右側制御回路部5Rは作動側制御回路部として機能し、左側制御回路部5Lは監視側制御回路部として機能して、両制御回路部5L、5Rが行った判定の結果が一致した場合のみ右側電動駆動源4Rの作動を許可し、それ以外の場合は許可しないため、右側電動駆動源4Rが作動できる作動許可条件が成立しているか否かを正確に判断して、右側スライドドア1Rを安全に開けることができる。
また、各制御回路部5L、5Rは、操作状況に応じて、作動側制御回路部または監視側制御回路部に切り替わるため、監視用の制御回路部を別に設けなくとも、正確な判定結果を得ることができると共に、コストの削減を図ることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、本実施形態に対して、次のような種々の変形や変更を施すことが可能である。
(i)スライドドア1L、1Rを、スィング式のドアに代える。
(ii)車体2の左右両側面にスライドドア1L、1Rを設けたものに代えて、車体の左右片側にのみスライドドア(またはスィング式のドア)を設けたものとする。この場合は、スライドドアを車体の左側面にのみ設けたものにおいては、左側制御回路部5Lが作動側制御回路部として常時機能し、右側制御回路部5Rに代えて、車体側に設けた制御回路部が監視側制御回路部として常時機能する。また、逆にスライドドアを車体の右側面にのみ設けたものにおいては、右側制御回路部5Rが作動側制御回路部として常時機能し、左側制御回路部5Lに代えて、車体側に設けた制御回路部が監視側制御回路部として常時機能する。
(iii)車体の左右両側面にスライドドア1L、1Rを設け、左側制御回路部5Lと右側制御回路部5Rとを単一の制御回路部に纏める。この場合は、両制御回路部を纏めた制御回路部が作動側制御回路部として常時機能し、車体側に設けた制御回路部が監視側制御回路部として常時機能する。
本発明の一実施形態を適用した車両の概略平面図である。 同じく制御回路のブロック図である。 同じく作動側制御回路部として機能する左側制御回路部が実行する制御を説明するためのフローチャート図である。 同じく監視側制御回路部として機能する右側制御回路部が実行する制御を説明するためのフローチャート図である。
符号の説明
1L 左側スライドドア(第1ドア)
1R 右側スライドドア(第2ドア)
2 車体
3L 左側ドアラッチ装置(第1ドアラッチ装置)
3R 右側ドアラッチ装置(第2ドアラッチ装置)
4L 左側電動駆動源(第1電動駆動源)
4R 右側電動駆動源(第2電動駆動源)
5L 左側制御回路部(第1制御回路部)
5R 右側制御回路部(第2制御回路部)
6 操作スイッチ(操作手段)
7 速度センサ
8 イグニッションスイッチ
9 パーキングブレーキ・センサ
10 フットブレーキ・センサ
51L、51R マイクロコンピュータ
52L、52R 駆動回路
53L、53R AND回路
54L、54R トランジスタ
55L、55R トランジスタ
A〜D 信号線

Claims (2)

  1. 車体に開閉可能に支持されたドアを閉鎖状態に保持するためのドアラッチ装置をラッチ解除して前記ドアの開扉を可能にする電動駆動源と、
    前記ドアを開けるときに操作される操作手段から送信される開扉操作信号を受信したことを契機に、予め設定された前記電動駆動源が作動できる作動許可条件が成立しているか否かを判定すると共に、後記第2制御回路部へ要求信号を送信可能な第1制御回路部と、
    前記第1制御回路部から送信された要求信号を受信したことを契機に、前記作動許可条件が成立しているか否かを判定し、当該判定の結果に応じた判定信号を前記第1制御回路部へ送信可能な第2制御回路部とを備え、
    前記第1制御回路部は、前記作動許可条件が成立していると判定し、かつ受信した前記判定信号が前記作動許可条件が成立している旨の信号である場合のみ、前記電動駆動源を作動させる制御を実行することを特徴とする車両用ドアの開扉操作制御装置。
  2. 車体に開閉可能に支持された第1ドアを閉鎖状態に保持するための第1ドアラッチ装置をラッチ解除して前記第1ドアの開扉を可能とする第1電動駆動源と、
    前記車体に開閉可能に支持された第2ドアを閉鎖状態に保持するための第2ドアラッチ装置をラッチ解除して前記第2ドアの開扉を可能とする第2電動駆動源と、
    前記第1ドアを開けるときに操作される操作手段から送信される第1開扉操作信号を受信したことを契機に、予め設定された前記第1電動駆動源が作動できる作動許可条件が成立しているか否かを判定すると共に、後記第2制御回路部へ第1要求信号を送信し、また、後記第2制御回路部から送信される後記第2要求信号を受信したことを契機に、予め設定された前記第2電動駆動源が作動できる作動許可条件が成立しているか否かを判定し、当該判定の結果に応じた第1判定信号を後記第2制御回路部へ送信可能な第1制御回路部と、
    前記第2ドアを開けるときに操作される前記操作手段から送信される第2開扉操作信号を受信したことを契機に、予め設定された前記第2電動駆動源が作動できる前記作動許可条件が成立しているか否かを判定すると共に、前記第1制御回路部へ第2要求信号を送信し、また、前記第1制御回路部から送信される前記第1要求信号を受信したことを契機に、前記第1電動駆動源が作動できる前記作動許可条件が成立しているか否かを判定し、当該判定の結果に応じた第2判定信号を前記第1制御回路部へ送信可能な第2制御回路部とを備え、
    前記第1制御回路部は、前記第1電動駆動源が作動できる前記作動許可条件が成立していると判定し、かつ受信した前記第2判定信号が前記作動許可条件が成立している旨の信号である場合のみ、前記第1電動駆動源を作動させる制御を実行し、
    前記第2制御回路部は、前記第2電動駆動源が作動できる前記作動許可条件が成立していると判定し、かつ受信した前記第1判定信号が前記作動許可条件が成立している旨の信号である場合のみ、前記第2電動駆動源を作動させる制御を実行することを特徴とする車両用ドアの開扉操作制御装置。
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