JP4559789B2 - 非液晶性光学活性ポリエステルを含有する液晶性高分子組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、強度材料や光学材料として有用な、光学活性な非液晶性ポリエステルを含有する液晶性高分子組成物に関し、さらには当該組成物からなる光学フィルム、および当該光学フィルムを搭載した液晶表示素子もしくは物品に関する。
コレステリック液晶性の高分子化合物の配向を固定化して得られるフィルムは工業的に重要な材料である。例えば、特許文献1(特許第2592694号公報)および特許文献2(特許第2853068号公報)には液晶ディスプレイ用の光学補償フィルムとしての応用が提案されている。また特許文献3(特許第3224467号公報)および特許文献4(特開平10−319235号公報)には液晶ディスプレイ用の高輝度偏光板としての応用が提案されている。さらにコレステリック液晶は、らせんピッチを適度に調節すると可視光域で選択反射を示し鮮やかな色に見えることから、装飾用途に関しても数多く提案されている。
かかるフィルムを得るための方法としては、液晶材料の観点から分類すると、以下の3つの方法が挙げられる。
(1)主鎖型の液晶性高分子化合物を用い、配向後、冷却してガラス状態で固定化させる。
(2)側鎖型の液晶性高分子化合物を用い、配向後、架橋処理により固定化させる。
(3)重合性の液晶性低分子化合物を用い、配向後、架橋処理により固定化させる。
これらのうち、(2)と(3)は架橋処理が必要になる点、材料の合成が一般に(1)に比べ複雑になる点があり、工業的な観点からは、用途にもよるが、(1)が最も好ましいと考えられる。
(1)の方法としては、まず材料としてコレステリック液晶性の高分子化合物を用いることが挙げられる。かかる材料の例としては、例えば前述の特許文献1や特許文献2に記載の材料や、特許文献5(特許第3504275号公報)や特許文献6(特表2000−500792号公報)に記載のイソソルビドなどを光学活性単位とするポリエステルを挙げることができる。しかしながら、こういった材料を得るためには、液晶性の発現を維持しつつ光学活性なモノマーの導入を行わなければならないので、合成上の制約が大きく、現状多くの課題が残されている。特許文献5では、煩雑な後処理を必要とする溶液法で重縮合を行っている。特許文献6においては、本来イソソルビドなどの脂肪族アルコールはアシル化による活性化が余り有効でないにもかかわらず溶融重縮合に供されている。また、G.Schwarzと特許文献5の発明者の一人であるR.Kricherdorfは、改良した合成法として、ジカルボン酸の塩化物とシリル化したジオールによる重縮合により、コレステリック液晶性ポリエステルを合成する方法を報告している(非特許文献1)。しかしながら、この方法の場合には、塩素化やシリル化などの手間がかかる、腐食性の材料を用いるため反応装置が特殊になるという課題がまだ残されている。
それに対し、特許文献1および特許文献2などには、光学活性な材料をベースとなる液晶性高分子化合物に対してドーパントとして添加する方法が開示されている。この方法は、液晶性高分子化合物、光学活性材料双方にとって、合成の自由度が高く、分子デザインが容易になり有利であると考えられる。特に、従来得られてきた液晶高分子を利用できることは大きな利点である。しかし、特許文献1や特許文献2に記載されているドーパントとしての光学活性化合物や光学活性高分子化合物はコレステリック配向を形成する上でらせん構造の誘起能が十分とはいえないという課題がある。
上記の状況に鑑みると、らせん構造の誘起能が高いドーパントとなりうる材料を開発できれば、非常に有用であると考えられる。かかる材料を開発する上で、従来のイソソルビドを共重合したコレステリック液晶性高分子化合物には課題があるものの、イソソルビドなどのモノマーに対しては依然として価値があると考えられる。イソソルビドの有用性は、低分子の液晶においても、V.Villらが強いらせん構造の誘起能を有することを報告している(非特許文献2)。さらに特許文献7(特開平10−158268号公報)においてはイソソルビドを用いた側鎖型液晶性材料が開示されている。
イソソルビドを用いた高分子材料としては、古くはJ.Thiemらにより、テレフタル酸とイソソルビドからなるポリマーが報告されている(非特許文献3)。ドーパントとしての材料であれば、それ自身液晶性を持つ必要性は必ずしもない。このポリマー中には高濃度でイソソルビド単位が存在するので液晶への添加剤として興味が持たれたものの、われわれが検討した限りにおいてはこの高分子材料は液晶に対するらせん構造の誘起能は大きくないという課題が残されていた。
特許第2592694号公報 特許第2853068号公報 特許第3224467号公報 特開平10−319235号公報 特許第3504275号公報 特表2000−500792号公報 特開平10−158268号公報 「ジャーナル・オブ・ポリマーサイエンス・パートエイ(Journal of Polymer Science Part A)」, (米国),1996年,第34巻,p.603−611 「ツァイトシュリフト・フィール・ナツールフォルシュング(Zeitschrift furNaturforschung)」,(ドイツ),1989年,第44a巻,p.675−679 「ポリマー・ブレタン(Polymer Bulletin)」,(ドイツ),1984年,第11巻,p.365−369
本発明は、上記課題を解決するものであり、かかる観点に基づき、ネマチック液晶性高分子化合物と相溶性がよく、強いらせん構造の誘起能を有し、かつ合成が容易な非液晶性の光学活性ポリエステルを含む液晶性高分子組成物を提供する。また当該組成物からなる光学フィルム、さらには当該フィルムを備えた液晶表示素子や物品を提供する。
すなわち本発明は、非液晶性ポリエステルであって、下記構造単位から少なくとも構成され、各構造単位の含有割合が、構造単位Aが5〜45モル%、構造単位Bが5〜45モル%、構造単位Cが10〜45モル%および構造単位Dが5〜40モル%である光学活性ポリエステルを、オルソ置換芳香族単位を含む液晶性ポリエステルに含有させて成る光学活性な液晶性高分子組成物に関する。
[構造単位A]
Figure 0004559789
[構造単位B]
Figure 0004559789
[構造単位C]
以下のいずれか1単位。
Figure 0004559789
[構造単位D]
Figure 0004559789
で表される直鎖または分岐の脂肪族ジオール単位(ただし、nは2〜14の整数)。
また本発明は、前記記載の非液晶性の光学活性ポリエステルとオルソ置換芳香族単位を含む液晶性ポリエステルを溶融状態で混練して得られることを特徴とする前記記載の光学活性な液晶性高分子組成物に関する。
また本発明は、前記記載の液晶性高分子組成物からなる光学フィルムに関する。
また本発明は、前記記載の光学フィルムを搭載した液晶表示素子に関する。
さらに本発明は、前記記載の光学フィルムを備えた物品に関する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、少なくとも前記した構造単位A〜Dから構成される非液晶性の光学活性ポリエステルである。
構造単位Aは、ジカルボン酸から誘導される下記で示される構造単位である。

Figure 0004559789
構造単位Aは、後述する液晶性高分子組成物を得る際、ベースとなるネマチック液晶性高分子化合物との相溶性を出すうえで必要な構造単位である。
構造単位Bは、ジカルボン酸から誘導される下記で示される構造単位である。
Figure 0004559789
構造単位Bは、構造単位Aによる溶解性の悪さや結晶性が強すぎることを緩和するための単位である
構造単位Cは、ジオールから誘導される下記で示されるいずれか一つの構造単位である。
Figure 0004559789
構造単位Cは、光学活性単位であり、3つの異性体のうちのいずれかである。この中で、入手性まで含め最も好ましいのは、イソソルビド単位である。
構造単位Dは、直鎖または分岐の脂肪族ジオールから誘導される下記で示される構造単位である。
Figure 0004559789
構造単位Dは、構造単位Cを溶融重縮合で高分子化合物中に導入するうえで有用な単位である。
構造単位Dは本発明の非液晶性の光学活性ポリエステル(以下、本光学活性ポリエステルともいう。)の構成単位であると同時に、構造単位Cのもととなるジオール(以下、構造単位Cの原料ジオールという。)のみでは重合中に構造単位Cの原料ジオールの揮発(反応物中から揮発してリアクター上部などの温度の低い位置に構造単位Cの原料ジオールの固形分が溜まる。)が起きやすいが、構造単位Dの原料である脂肪族ジオールが反応系内にあることにより、構造単位Cの原料ジオールの揮発を抑え、本光学活性ポリエステル中への構造単位Cの導入を達成することが出来る。
構造単位Dのアルキレン基部分の炭素数は2以上14以下であることが必要であり、好ましくは2以上10以下、特に好ましくは2以上7以下である。アルキレン基の炭素数が14より大きい場合は、本光学活性ポリエステルを柔らかくし、ベースとなる液晶性高分子化合物に配合したとき、組成物として熱的安定性を低下させる恐れがある。また、構造単位Dは構造単位Cの導入を主目的としているので、構造単位Dの重量が増えることは構造単位Cを希釈することにもなるので好ましい方向とはいえない。
また、構造単位Cの原料ジオールの揮発防止の観点からは、いかなる脂肪族ジオールも一定の効果が見られるが、1級のヒドロキシキル基からのみなるジオールの場合、反応性がイソソルビドよりも高いため、構造単位Aや構造単位Bの原料と先に反応してしまい、ポリマーが不均一になったりするため、結局、構造単位Cがポリマー中に導入されない恐れがある。そのため、ジオール類は反応性の低い2級のヒドロキシキル基を有するジオール類、もしくは1級のヒドロキシル基のみを持つものとしては例外的にエチレングリコールが好ましく、2級のヒドロキシキル基を有するジオール類が特に好ましい。
かかる2級のヒドロキシキル基を有するジオール類としては、例えば1,2−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオールなどを挙げることが出来る。これらのジオールの中には、不斉炭素を有するものもあるが、光学活性な役割は構造単位Cの単位が行うので、ラセミ体で一向に差し支えない。
これらの4つの構造単位が本発明の非液晶性光学活性ポリエステル中に占める割合としては、構造単位Aは、5〜45モル%、より好ましくは15〜40モル%であり、構造単位Bは、5〜45モル%、より好ましくは10〜35モル%であり、構造単位Cは、10〜45モル%、より好ましくは20〜40モル%であり、構造単位Dは、5〜40モル%、より好ましくは10〜30モル%である。
また、本発明の非液晶性光学活性ポリエステルはポリエステルであるので、構造単位Aと構造単位Bの合計のモル数と、構造単位Cと構造単位Dの合計のモル数は、概略等しくなる。ただし、分子量を制御する上で、意図的にカルボン酸単位とジオール単位のバランスを微妙にずらすことも可能である。すなわち、(構造単位A+構造単位B)/(構造単位C+構造単位D)は、通常0.7〜1.4であり、好ましくは0.8〜1.2、特に好ましいのは概略1である。
また、本発明の非液晶性光学活性ポリエステルは、少なくとも構造単位A〜Dを含む必要があるが、これ以外の構造単位を導入することもできる。その場合は、導入する構造単位を含め、カルボン酸単位とジオール単位のバランスをとってやればよい。
構造単位A〜D以外の構造単位としては、各種ジカルボン酸や、各種脂肪族ジオールを本発明の非液晶性光学活性ポリエステルの性状を大きく損なわない範囲で、部分的に導入することは可能である。ただし、以下に述べる合成法の観点から、フェノール性のヒドロキシル基をもつような化合物の導入はあまり好ましいとはいえない。
本発明の非液晶性光学活性ポリエステルの合成方法としては、溶液中での重合も出来なくはないが、工業的に製造するためには溶融重縮合法をとることが好ましい。構造単位Aと構造単位Bの構造単位に相当する原料としては、相当するジカルボン酸のメチルエステルやエチルエステルなどのエステルを用い、構造単位Cと構造単位Dのジオール単位に相当する原料は、ジオールの形でそのまま反応に供される。重合時の触媒は、エステル交換反応を促進する公知の触媒が使用でき、例えば、各種金属の酢酸塩、アルコキシド、酸化物などを用いることが出来る。金属としては、Zn、Cd、Pb、Ti、Sbなどが代表的である。
触媒の添加量は、特に制限されないが、通常10質量ppm〜1000質量ppmの範囲が好ましい。重合は、反応物と触媒の混合物を加熱下、攪拌しながら行う。初期の反応は、用いるジオール類の沸点以下の温度で行うことが好ましく、通常150℃から200℃の範囲内の温度にて反応を開始させて、重合が進むにつれ順次昇温していくのがよい。最終的な温度としては、通常200℃から300℃の範囲内の温度、より好ましくは210℃から260℃の範囲内の温度である。重合の終盤においては、重合の促進や未反応モノマーの留去を目的に、反応系内を減圧にする操作を行ってもよい。
その後抜き出して得られるポリマーはそのままでもよいし、一旦溶媒に溶解させた後、貧溶媒に投入して析出させる再沈操作を行ってもよい。
得られるポリマーの分子量は、例えば、フェノール/テトラクロロエタン(重量比60/40)混合溶媒中、30℃で測定した対数粘度を指標とした場合、0.03から2.0dl/gが好ましく、0.05から1.0dl/gがより好ましく、0.1から0.5dl/gが特に好ましい。0.03dl/gより小さい場合は、分子量が低いため、後述する液晶性高分子化合物に添加したとき、強度が弱くなる恐れがあり好ましくない。また、2.0dl/gより大きい場合、後述する液晶性高分子化合物に添加したとき、流動性が低いため液晶の均一な配向を妨げる恐れがある。
このようにして得られる本発明の光学活性ポリエステルは液晶性を示さない。これは液晶性発現にとって不利な構造単位Cの単位を多量に含むためである。しかしながら、本発明の非液晶性光学活性ポリエステルは、ベースとなる液晶性高分子化合物に適当量添加することにより、強いねじれ力を発揮することが出来る。液晶性を発現させるために、構造単位Cの量を減らしたり、別の構造単位を多量に導入することは、ベースとなる液晶性高分子化合物との相溶性の観点からは有利ではあるが、らせん構造の誘起能はむしろ低下させてしまう恐れがあるので好ましいとはいえない。本発明の光学活性ポリエステルが有するらせん構造の誘起能をねじれ力(HTP:Helical Twisting Power=1/(P×C))は、通常10以上、好ましくは20以上、さらに好ましくは30以上である。ここで、Pは螺旋ピッチ(μm)、Cは後述する液晶性高分子組成物全体の重量を1としたときの当該光学活性ポリエステルの重量割合を意味する。
なお、ポリエステル製造時の重縮合の様式としては、上記の方法のほか、アルコール類のアシル化物とカルボン酸との反応が挙げられるが、構造単位Cと構造単位Dが脂肪族であるのでアシル化による活性化は有効ではなく、適用は困難である。
また本発明は、前記した本発明の非液晶性光学活性ポリエステルを液晶性高分子化合物に含有させて成る光学活性な液晶性高分子組成物に関する。
かかる液晶性高分子組成物において、ベースとなる液晶性高分子化合物としては組成物とした際に相分離等生じることなく、かつ当該組成物を液晶状態にした際に均一なモノドメイン配向を形成できるものであれば特に制限はなく、主鎖型液晶性高分子化合物および側鎖型液晶性高分子化合物のいずれの化合物も用いることができる。
主鎖型液晶性高分子化合物としては、主鎖中にエステル結合(−COO−)を多量に含むものを挙げることができ、エステル結合のほかに、アミド結合(−CONH−)、イミド結合(−CO−N(−)−CO−)、エーテル結合(−O−)など他の結合を同時に主鎖中に有する化合物も本発明では使用することができる。
側鎖型液晶性高分子化合物は、ポリマー主鎖を構成する骨格とそこからペンダント状にぶら下がる液晶性を発現する側鎖から構成される液晶性高分子化合物である。側鎖型液晶性高分子化合物としては、側鎖にエステル結合を有するものが好ましい。
本発明の非液晶性光学活性ポリエステルは主鎖型のポリエステルであるため、ベースとなる液晶性高分子化合物も主鎖にエステル結合を有する主鎖型液晶性高分子化合物および側鎖にエステル結合を有する側鎖型液晶性高分子化合物が特に好ましく用いることができる。これらの中でも、主鎖にエステル結合を多量に含む主鎖型液晶性高分子化合物、具体的には液晶性ポリエステルを用いることが本発明では最も望ましい。
液晶性ポリエステルを構成する単位としては、ジカルボン酸単位、ジオール単位、オキシカルボン酸単位に大別でき、具体的に以下のような構造単位を例示できる。
ジカルボン酸単位としては、例えば、以下の構造のものが挙げられる。
Figure 0004559789
(nは、4以上12以下の整数を表す。)
ジオール単位としては、例えば、以下の構造のものが挙げられる。
Figure 0004559789
(Rは、水素または炭素数1から4のアルキル基若しくはアルコキシ基を表す。)
オキシカルボン酸単位としては、例えば、以下の構造のものが挙げられる。
Figure 0004559789
本発明において用いる液晶性高分子化合物としては、上記の構造単位から適宜選択して得られる液晶性ポリエステルを好ましく用いることができる。
さらには、構造単位に少なくともオルソ置換芳香族単位を含むものがより好ましい。オルソ置換芳香族単位を導入することにより、液晶性高分子化合物のガラス転移温度を上昇させることができ、さらには結晶性を抑制することができる。かかる、オルソ置換芳香族単位としては以下のようなものが例として挙げられる。
Figure 0004559789
本発明においては、液晶性ポリエステルとして、ジカルボン酸単位、ジオール単位およびオキシカルボン酸単位からなるものが好ましく用いられる。これらの組成比としては、ジカルボン酸単位とジオール単位の比は通常0.8:1.2〜1.2:0.8、より好ましくは概略1:1である。ただし、オキシカルボン酸単位は、無添加の場合から単独ポリマーの場合まで、全構造単位中に占める割合は任意の値をとりうる。オルソ置換芳香族単位は、必ずしも必須ではないが、好ましくは全構成単位に対し、好ましくは5〜50モル%、より好ましくは10〜45モル%、特に好ましくは15〜40モル%の範囲である。
液晶性ポリエステル等のエステル結合を有する液晶性高分子化合物は、公知の溶融重縮合法により合成することができる。液晶性高分子化合物の種類、構造単位の組合せ等によっては、溶液法により合成することも可能であるが、その場合でも工業的な観点からは溶融重縮合法の方が好ましいといえる。
溶融重縮合法としては、カルボン酸とフェノール性のヒドロキシル基のアセチル化物との脱酢酸反応により行うことができる。ここでフェノール性ヒドロキシル基はあらかじめアセチル化しておいても良い。またフリーなヒドロキシル基から出発して、反応器内で無水酢酸によりアセチル化を行う方法を採用してもよい。
このような方法によって得ることができる液晶性ポリエステルとしては、具体的には以下のようなものを例示として挙げることができる。ただし各構造単位の組成比は示していない。
Figure 0004559789
本発明の非液晶性光学活性ポリエステルと液晶性高分子化合物からなる本発明の光学活性な液晶性高分子組成物は、単純に両者を混ぜ合わす事によっても得られるが、両者の相溶性をより向上させる目的で、次に述べる溶融状態での混練工程を行うことが好ましい。混練は、攪拌機を備えたリアクター中で、加熱下、攪拌して両者を混ぜ合わせながら行う。非液晶性光学活性ポリエステルと液晶性高分子化合物の混合割合は、用途にもよるので一概にはいえないが、通常1〜80質量%:99〜20質量%、好ましくは2〜60質量%:98〜40質量%、さらに好ましくは5〜40質量%:95〜60質量%である。非液晶性光学活性ポリエステルが1質量%より少ない場合は、コレステリック液晶のねじれのピッチが十分に短くならない恐れがあり、非液晶性光学活性ポリエステルが80質量%よりも多い場合は、該光学活性ポリエステルは液晶性を示さないので、組成物全体としての液晶性が不十分になる恐れがある。
当該混合割合を適宜調整することにより、らせんピッチが700nm以下、好ましくは250nm以下、さらに好ましくは200nm以下のコレステリック配向を得ることができる。これはコレステリック配向における選択反射波長の中心波長でいうと、1200nm程度以下、450nm程度以下、350nm程度以下にあたる。なお、選択反射波長が例えば吸収を起こすことにより観測できない場合は、ブラッグ反射の原理に基づき、コレステリック配向のらせんピッチ長にらせんに垂直な方向の平均屈折率(波長分散は無視し、可視域の一波長における代表値)を乗じた値を、吸収が無ければ起きたであろう選択反射波長の値として考える。
混練時の温度としては、通常200℃から350℃の温度範囲が好ましく、より好ましくは、230℃以上300℃以下である。200℃未満の場合、両者の相溶性が十分に高まらない恐れがあり、350℃より高い場合、非液晶性光学活性ポリエステルあるいはベースとなる液晶性高分子化合物の分解がおこる恐れがある。混練する時間としては、通常15分以上100時間以下、より好ましくは30分以上20時間以内、特に好ましくは1時間以上10時間以内である。15分未満であると両者の相溶性が十分に高まらない恐れがあり、100時間より長いと混練中に高分子化合物の変性がおこる恐れがあり、また生産性も悪い。なお混練中は、リアクター内の酸素を排除した、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気にしておくことが好ましい。
以上の如くして得られる光学活性な液晶性高分子組成物は、液晶状態においてコレステリック相やベースの液晶性高分子化合物の種類によってはカイラルスメクチック相などの液晶相を呈することができる。また当該液晶相におけるねじれ構造は、光学活性の単位によって、その強度(ねじれ力)に寄与することが可能であり、さらには屈折率異方性、選択反射、干渉の光学的特性を示すものとなる。
本発明の光学活性な液晶性高分子組成物は、射出成型して各種構造物として利用できる他、例えばフィルム化して利用することもできる。フィルム化の方法としては、Tダイなどから溶融状態で押し出しフィルム化する方法、溶液にして適当な基板上に塗布する方法等を採用することができる。
特に光学用途向けのフィルムとして利用する場合、以下の方法によりフィルム化することが望ましい。なお以下でいう「液晶性高分子組成物」とは、本発明で得られる光学活性な液晶性高分子組成物を意味する。
先ず、液晶性高分子組成物を溶融状態で基板上に塗布する方法、または液晶性高分子組成物の溶液を基板上に塗布する方法等により塗膜を形成する。基板上に塗布された塗膜は乾燥後、必要により熱処理(液晶の配向)、配向固定化の工程に供する。
前記溶液の調製に用いる溶媒に関しては、液晶性高分子組成物を溶解することができ、適当な条件で留去できる溶媒であれば特に制限は無く、例えばアセトン、メチルエチルケトン、イソホロンなどのケトン類、ブトキシエチルアルコール、ヘキシルオキシエチルアルコール、メトキシ−2−プロパノールなどのエーテルアルコール類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸メトキシプロピル、乳酸エチルなどのエステル類、フェノール、クロロフェノールなどのフェノール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類、クロロホルム、テトラクロロエタン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類、あるいはこれらの混合系溶媒等を挙げることができる。
また、基板上に均一な塗膜を形成するために、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤等を溶液に添加しても良い。さらに、着色を目的として液晶性の発現を妨げない範囲内で二色性染料や通常の染料や顔料等を添加することもできる。
塗布方法については、塗膜の均一性が確保される方法であれば、特に限定されることはなく公知の方法を採用することができる。例えば、ロールコート法、ダイコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スピンコート法などを挙げることができる。塗布の後に、ヒーターや温風吹きつけなどの方法による溶媒除去(乾燥)工程を入れても良い。塗布された膜の乾燥状態における膜厚は、所望とする膜厚に適宜調整可能であるが、通常、0.1μm〜50μm、好ましくは0.2μm〜20μm、さらに好ましくは0.3μm〜10μmであることが光学用途として適している。
続いて、必要なら熱処理などによりコレステリック相やカイラルスメクチック相における液晶配向を形成した後、配向の固定化を行う。熱処理は液晶相発現温度範囲に加熱することにより、液晶性高分子組成物が本来有する自己配向能により液晶を配向させるものである。熱処理の条件としては、用いる液晶性高分子組成物の液晶相挙動温度(転移温度)により最適条件や限界値が異なるため一概には言えないが、通常50〜300℃、好ましくは100〜250℃の範囲である。あまり低温では、液晶の配向が十分に進行しないおそれがあり、また高温では、当該組成物が分解するおそれがある。また、熱処理時間については、通常3秒〜60分、好ましくは10秒〜30分の範囲である。3秒よりも短い熱処理時間では、液晶配向が十分に完成しないおそれがあり、また60分を超える熱処理時間では、生産性が極端に悪くなるため、どちらの場合も好ましくない。熱処理などにより液晶配向が完成したのち、当該配向を固定化することができる。
前記基板としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、トリアセチルセルロース、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等のフィルム基板を例示することができる。
さらには、これらのフィルム基板を適度な加熱下に延伸する、フィルム面をレーヨン布等で一方向に擦るいわゆるラビング処理を行う、フィルム上にポリイミド、ポリビニルアルコール、シランカップリング剤等の公知の配向剤からなる配向膜を設けてラビング処理を行う、酸化珪素等の斜方蒸着処理、あるいはこれらを適宜組み合わせるなどして配向能を発現させたフィルムを用いることもできる。
さらに基板としては、表面に規則的な微細溝を多数設けたアルミニウム、鉄、銅などの金属板や各種ガラス板等も使用することができる。
本発明の光学活性な液晶性高分子組成物は光学フィルムとして好適に用いられる。本発明の光学活性な液晶性高分子組成物からなる光学用途向けフィルムとしての利用を例示すると、干渉を利用した回折格子フィルム、選択反射を利用した装飾用フィルム、コレステリック構造が負の一軸性屈折率構造を有することを利用した液晶ディスプレイ用の補償フィルムなど各種光学用途を挙げることができる。液晶ディスプレイとしては、特に制限はないが、透過型、反射型、半透過型の各種液晶ディスプレイに用いることができ、液晶セルにおける液晶配向によるモードとして例を挙げると、TN型、STN型、VA(vertical alignment)型、MVA(multi−domain vertical alignment)型、OCB(optically compensated bend)型、ECB(electrically controlled biriefringence)型、HAN(hybrid−aligned nematic)型、IPS(in−plane switching)型などを挙げることができる。当該液晶配向については、セルの面内で単一の方向性を持つものでも良いし、VA型に対して、配向方向が面内で異なるのがMVA型であるように、配向が分割された液晶ディスプレイ等も例示として挙げることができる。さらに液晶セルに電圧を印加する方法で言えば、例えばITO電極などを用いるパッシブ方式、TFT(薄膜トランジスター)電極やTFD(薄膜ダイオード)電極などを用いるアクティブ方式等で駆動する液晶ディスプレイを挙げることができる。
本発明の非液晶性光学活性ポリエステルは、液晶性の光学活性ポリエステルに比べ、製造が容易であるばかりか、強いらせん構造の誘起能を有しているという特長を有する。さらにネマチック液晶性高分子化合物との相溶性が良いため、本発明の非液晶性光学活性ポリエステルを液晶性高分子化合物に含有させることにより、らせん構造を有する液晶性高分子組成物を簡便に得ることができる。
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、ポリマーの組成は、ポリマーを重水素化クロロホルムまたは重水素化トリフルオロ酢酸に溶解し、400MHzのH−NMR(Variant社製INOVA−400)により測定した。
[実施例1]
4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジメチル27.0g(100mmol)、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル24.4g(100mmol)、イソソルビド14.6g(100mmol)、および1,2−プロパンジオール7.6g(100mmol)を少量のオルトチタン酸テトラn−ブチルの存在下、500mlのフラスコ中で攪拌しつつ溶融重縮合を行った。反応温度は、190℃で2時間、200℃で2時間、および220℃で5時間反応させた後、1.33kPa(10mmHg)の減圧下で30分反応させて、式(1)の光学活性なポリマー(ポリマー1)を得た。ポリマー1のH−NMRのチャートを図1に示す。ηinhは0.15であった。ポリマー1は液晶相を有さず、加熱状態では粘ちょうな淡黄色の透明な濁りのない液体で、冷却するとガラス状態に変化した。
Figure 0004559789
ただしカッコ横数字はモル組成比を表す。
[実施例2]
実施例1で得られたポリマー1と式(2)のネマチック液晶性のポリマー(ポリマー2)を、それぞれ20gと80gを秤とり、フラスコ中で250℃に加熱して両ポリマーを溶融させ、この温度で5時間攪拌しつつ混練して、組成物1を得た。該組成物1はコレステリック液晶相を有していた。
組成物1を用い、コレステリック液晶性のフィルムを作製した。組成物1の8%クロロホルム溶液を調製し、表面にラビング処理を施した厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの上に、スピンコート法により塗布し、50℃のホットプレート上で乾燥させた。次いで200℃で10分熱処理し、次いで冷却して、ポリエチレンテレフタレートフィルム上にコレステリック液晶相をガラス固定化した液晶フィルム1を得た。液晶フィルム1の膜厚は2.1μmであった。ポリエチレンテレフタレートフィルムは複屈折を有し好ましくないため、液晶フィルム1を紫外線硬化型の接着剤を介して、厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルムに転写した。転写後のフィルムの断面を電子顕微鏡で観察したところ、明暗の縞模様が70nmの周期で見られ、このことからコレステリックのらせん周期は140nmであることがわかった。またHTPは36であった。
得られたトリアセチルセルロースフィルム上の液晶フィルム1を用い、液晶ディスプレーの視野角補償効果を検討した。VA型のディスプレー(2枚の偏光板とその間の液晶セルから構成される)に対し、液晶性フィルム1を上偏光板と液晶セルの間に挿入したところ、液晶性フィルム1を用いない場合に比べ、著しく視野角特性が良くなることが分かった。
Figure 0004559789
ただしカッコ横数字はモル組成比を表す。
[実施例3]
実施例2と同様な混練操作を経て、ポリマー1:ポリマー2が重量比で10:90と7:93の組成物を得た。(それぞれ組成物2、組成物3と呼ぶ)
組成物2と組成物3は、それぞれ、ポリマー濃度15%のN−メチルピロリドン溶液にし、この溶液を、ラビングポリイミド膜を有するガラス基板上に、スピンコート法により塗布し、70℃のホットプレート上で乾燥させ、220℃で2分熱処理し、次いで冷却して、ラビングポリイミド膜を有するガラス基板上にコレステリック液晶相をガラス固定化した液晶性フィルム2、および液晶性フィルム3を得た。これらの液晶性フィルムの膜厚はいずれも約3μmであった。
液晶フィルム2は鮮やかな青紫色の反射色を有しており、分光光度計で測定したところ、選択反射の中心波長は460nmであった。液晶フィルム3は赤色の反射色を有しており、分光光度計で測定したところ、選択反射の中心波長は660nmであった。またHTPは36であった。
[実施例4]
実施例3に対し、光学活性ポリマーと液晶性ポリマーの組成物の調製にあたり、溶融混練操作を行わなかった以外は、同様にして液晶性フィルムの作製を行った。すなわち、溶液の調製は、ポリマー1とポリマー2をまとめてN−メチルピロリドンに溶解させて行った。
その結果、ポリマー1:ポリマー2=10:90の時、均一な透明なフィルムが得られ、選択反射は中心波長700nmの赤色であった。実施例3に比べると、波長が長いことからねじれは弱くなっている。またHTPは24であった。
ポリマー1:ポリマー2=20:80の時は、フィルムは光を散乱して濁って見えた。偏光顕微鏡でフィルムを観察すると、一部、ポリマーに相分離が起きていることが分かった。それでも、選択反射は観測され、中心波長は640nmであった。またHTPは13であった。
[実施例5]
実施例1と同様にして、4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジメチル27.0g(100mmol)、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル24.4g(100mmol)、イソソルビド14.6g(100mmol)、およびエチレングリコール6.2g(100mmol)を少量のオルトチタン酸テトラn−ブチルの存在下、500mlのフラスコ中で攪拌しつつ溶融重縮合を行った。反応温度は、190℃で2時間、200℃で2時間、および220℃で5時間反応させた後、1.33kPa(10mmHg)の減圧下で30分反応させた。得られたポリマー3(式(3))のH−NMRのチャートを図2に示す。ηinhは0.12であった。ポリマー3は液晶相を有さず、加熱状態では粘ちょうな淡黄色の透明な濁りのない液体で、冷却するとガラス状態に変化した。
次いで、光学活性なポリマー3と液晶性のポリマー2の2:8(重量比)の混合物を、270℃で2時間溶融混練して、コレステリック液晶性の組成物を得た。実施例2と同様にしてフィルムを作製し、らせんピッチが200nmのコレステリック液晶性のフィルム4を得た。HTPは24であった。フィルム4の膜厚は1.9μmで、MVA型のディスプレーに適用したところ、視野角改善効果があることが分かった。
Figure 0004559789
ただしカッコ横数字はモル組成比を表す。
[実施例6]
ポリマー3と式(4)の液晶性ポリエステルを1.4:98.6の重量比ではかり取り、ポリマー濃度20%のN−メチルピロリドン溶液を調製し、ラビングポリイミド膜を有するガラス基板上に、スピンコート法により塗布し、70℃のホットプレート上で乾燥させた。次いで220℃で10分熱処理し、次いで冷却して、ラビングポリイミド膜を有するガラス基板上にコレステリック液晶相をガラス固定化した液晶フィルム5を得た。液晶フィルム5はリターデーションが800nm、ねじれが240度(右まわり)であった。またHTPは12であった。液晶フィルム5をSTN型の液晶セルに適用したところ、色補償効果を有していることが分かった。
Figure 0004559789
ただしカッコ横数字はモル組成比を表す。
[比較例1]
テレフタル酸ジメチル19.4g(100mmol)およびイソソルビド14.6g(100mmol)を少量のオルトチタン酸テトラn−ブチルの存在下、200mlのフラスコ中で攪拌しつつ溶融重縮合を試みた。反応温度は、最初190℃としたが、ほとんど副生成物であるメタノールの留出は見られず、フラスコ上部にイソソルビドが析出し、重合はうまく行えなかった。
[比較例2]
テレフタル酸クロリド10.15g(50mmol)およびイソソルビド7.31g(50mmol)を、攪拌機を備えた300mlのフラスコ中、100mlのトルエンに溶かした。窒素雰囲気下で90℃まで昇温し、ピリジン25mlを1時間かけて滴下し、終了後さらに90℃で24時間反応を行った。その後、反応溶液を1Lのメタノールに投入してポリマーを析出させ、ろ過して乾燥し、11.9gの式(5)のポリエステルを得た。ηinhは0.32であった。
式(5)のポリエステルと液晶性のポリマー2とを1:9(重量比)の割合で混合し、実施例2と同様の混練操作を経て、ポリマー組成物を得た。実施例2と同じ条件で、液晶性フィルムの作製を行ったが、得られたフィルムは光を散乱して白く濁って見え、透明なフィルムは得られなかった。クロスニコルの偏光板に挟んで、液晶性フィルムを回転させながら観察すると、カラフルに色が変化し、ねじれが大きくないことが分かった。
偏光顕微鏡で観察すると、粒状の構造が多数観察され、ポリマー間で分離が起きていることが分かった。HTPは2程度であった。
Figure 0004559789
ただしカッコ横数字はモル組成比を表す。
[比較例3]
テレフタル酸ジメチル38.4g(200mmol)、イソソルビド14.6g(100mmol)、およびエチレングリコール6.2g(100mmol)を少量のオルトチタン酸テトラn−ブチルの存在下、500mlのフラスコ中で攪拌しつつ溶融重縮合を行った。反応温度は、190℃で2時間、および200℃で2時間、220℃で5時間反応させた後、1.33kPa(10mmHg)の減圧下で30分反応させて、式(6)の光学活性なポリマーを得た。
式(6)のポリエステルと液晶性のポリマー2とを1:9(重量比)の割合で混合し、混練操作を経て、ポリマー組成物を得て、液晶性フィルムの作製を試みた。
その結果、得られたフィルムは比較例2と同様、濁っていてねじれが小さいものしか得られなかった。HTPは1程度であった。
Figure 0004559789
ただしカッコ横数字はモル組成比を表す。
実施例1で得られたポリマー1のH−NMRのチャートである。 実施例5で得られたポリマー3のH−NMRのチャートである。

Claims (5)

  1. 非液晶性ポリエステルであって、下記構造単位から少なくとも構成され、各構造単位の含有割合が、構造単位Aが5〜45モル%、構造単位Bが5〜45モル%、構造単位Cが10〜45モル%および構造単位Dが5〜40モル%である光学活性ポリエステルを、オルソ置換芳香族単位を含む液晶性ポリエステルに含有させて成る光学活性な液晶性高分子組成物。
    [構造単位A]
    Figure 0004559789
    [構造単位B]
    Figure 0004559789
    [構造単位C]
    以下のいずれか1単位。
    Figure 0004559789
    [構造単位D]
    Figure 0004559789
    で表される直鎖または分岐の脂肪族ジオール単位(ただし、nは2〜14の整数)。
  2. 非液晶性の光学活性ポリエステルとオルソ置換芳香族単位を含む液晶性ポリエステルを溶融状態で混練して得られることを特徴とする請求項1に記載の光学活性な液晶性高分子組成物。
  3. 請求項1または2に記載の液晶性高分子組成物からなる光学フィルム。
  4. 請求項に記載の光学フィルムを搭載した液晶表示素子。
  5. 請求項に記載の光学フィルムを備えた物品。
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