JP4559688B2 - 頭部計測画像撮影の方法 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、Ｘ線源と、デジタル検知器を装備した線状検知器カメラとを備えた装置を利用する頭部計測画像撮影の方法に関する。
【０００２】
【従来技術】
従来型の、Ｘ線源と、デジタル検知器を装備した線状検知器カメラとを備えた装置を利用する頭部計測画像撮影の方法においては、前記線状検知器カメラは、線状検知器カメラのスロットが実質的に垂直である間に頭部計測画像撮影を実行するために、Ｘ線源から離れた位置に配置されており、頭部計測画像撮影の際には、実質的に垂直な面上に配置されているＸ線ビームがＸ線源から画像撮影対象を通して送られ、同時に、画像撮影対象を水平方向に走査するため、Ｘ線源は、Ｘ線源と線状検知器カメラとの間に配置されている回転中心周りに回転され、更に、線状検知器カメラは、走査運動の間、Ｘ線ビームが線状検知器カメラのスロットに当たるように動かされる。米国特許第５，５１１，１０６号は、この形式の頭部計測撮影のための走査方法を開示している。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
頭部計測画像撮影が前文に記述されている方法で実行される場合、垂直方向の拡大率は走査運動していないときと同じままであるが、一方で、水平方向の拡大率は、Ｘ線源の焦点に代わって回転中心が実効焦点となるので、変化する。従って、本発明の目的は、頭部計測画像撮影における拡大率が、頭部計測画像撮影における垂直方向及び水平方向で同じに維持できる方法を提供することであり、これは、Ｘ線源の回転中心周りに起きる回転運動によって実行される。本発明の更なる目的は、必要な運動を実行するのに不可欠な手段を既に備えている現存のパノラマＸ線画像撮影装置を使って実行することのできる方法を提供することである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明の方法は、回転中心を、Ｘ線ビームに対して横方向の直線運動で移動させることにより、実効焦点を、回転中心からＸ線源の焦点へ移す方法であることを特徴としている。
【０００５】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明を詳しく説明する。
図１に示す装置は、支持部２を備えており、その下部には、回転中心１３周りにピボット式に回るパノラマ画像撮影装置４が接続されており、前記画像撮影装置は、Ｃアーム７を備えていて、その一方の垂直分岐７ａにはＸ線源５が配置され、その近傍には第１コリメータ６が配置されており、他方の分岐７ｂには線状検知器カメラ８が配置されている。
【０００６】
図２は、線状検知器カメラ８の１つの具体例を概略的に示しており、カメラの一側面にはスロット１４が形成され、その後ろ、即ちカメラ８の内側には、デジタル検知器１５、例えばＣＣＤセンサーが配置されている。パノラマ画像撮影装置４とその作用は、当業者には既知のものである。パノラマ画像撮影の際は、画像撮影対象は、適切なガイドとサポートの手段によってＣアームの分岐部７ａと７ｂとの間に配置され、その後、Ｘ線源５にスイッチが入れられ、Ｃアームは回転中心１３を中心にして回転し、更に、第１コリメータ６のアパーチャは、実質的に垂直面上にあるＸ線ビーム１１が、Ｃアーム７の分岐部７ｂ上の線状検知器カメラ８の実質的に垂直なスロット１４の後ろに配置されている検知器１５に向けられるように選択され、この検出器から、画像データは、更に、例えばマイクロプロセッサへ伝送される。このパノラマ画像撮影の過程は、この関係においては、これ以上詳細には説明しない。
【０００７】
支持部２には支持アーム３が接続されており、支持アーム３の他端には頭部計測画像撮影装置１０が取り付けられ、頭部計測画像撮影装置１０は、画像撮影対象の後ろに配置される線状検知器カメラ８と、画像撮影対象の前に配置される第２コリメータ９とを備えている。頭部計測画像撮影では、患者の頭部は、Ｘ線ビーム１１によって右から左へ、又はその逆に走査される。
【０００８】
本発明による方法では、頭部計測画像撮影は、垂直に配置されるＸ線ビーム１１によって患者の頭部１２を画像撮影するため、Ｘ線源５を回転中心１３周りに回転させることにより実行される。図３は、回転中心１３が定位置に留まっている状態を示しており、その場合、Ｘ線源５が回転中心周りに回転すると、Ｘ線ビーム１１は回転中心１３を通って各角度位置に進むので、回転中心１３は、画像面（検出器）１８上に結像する層１７にある対象物を通過して入ってくる放射線にとって実効焦点となる。この場合、焦点と画像面との間の距離（ＳＩＤ）の、焦点と対象物との間の距離（ＳＯＤ）に対する割合によって決まる拡大率は、回転中心１３と画像層１７との間の距離の、回転中心１３と画像面１８との間の距離に対する割合となる。
【０００９】
このため、本発明による頭部計測画像撮影では、回転中心１３は、図１に参照マーキングＡで示されているように、Ｘ線ビーム１１に対して横方向の直線運動で移動するように配設されている。図４は、回転中心が直線運動により位置１３ａから位置１３ｂへ移動するので焦点がＸ線源５へと移る状態を示しており、この場合、水平方向の拡大率も同じままとなる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の方法を適用可能な装置の概略平面図である。
【図２】 図１の装置で用いられるカメラの原理示す概略図である。
【図３】 実効焦点上での、Ｘ線源の回転運動の効果を概略的に示している。
【図４】 実効焦点上での、Ｘ線源の回転運動の回転中心の移動の効果を概略的に示している。

Claims (1)

1. Ｘ線源（５）と、デジタル検知器を装備した線状検知器カメラ（８）とを備えた装置（１）を利用する頭部計測画像撮影のための方法であって、前記カメラは、前記線状検知器カメラのスロットが実質的に垂直である間に頭部計測画像撮影を実行するため、前記Ｘ線源（５）から離れた位置に配置されており、頭部計測画像撮影の際には、実質的に垂直な面上に配置されているＸ線ビーム（１１）が、Ｘ線源（５）から画像撮影対象を通して送られ、同時に、画像撮影対象を水平方向に走査するため、前記Ｘ線源は、前記Ｘ線源と前記線状検知器カメラ（８）の間に配置されている回転中心（１３）の周りに回転され、更に、前記線状検知器カメラ（８）は、走査運動の間、前記Ｘ線ビーム（１１）が前記線状検知器カメラのスロット（１４）に当たるように動かされる方法において、実効焦点は、前記回転中心を、前記Ｘ線ビーム（１１）に対して横方向の直線運動（Ａ）で移動させることによって、前記回転中心（１３）から前記Ｘ線源（５）の焦点へ移されることを特徴とする方法。

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