JP4559596B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、路面に対して傾けた状態で使用される空気入りタイヤに係り、偏摩耗、特にショルダー部の片減り摩耗を抑制できる空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、タイヤ赤道面に対して左右非対称で車両に対する装着表裏が指定されたタイヤのパターン(タイヤ赤道面に対して左右非対称パターン)においては、装着外側はドライ路面の旋回時の操縦安定性を考慮してブロック剛性を大きく設定する一方で、装着内側はウエット時の操縦安定性を考慮してネガティブを大きく設定していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような構成のパターンを用いることにより、装着内側のブロック剛性が低下すること等により、ネガティブキャンバー設定の車両に装着されて使用された場合、特に装着内側ショルダー部の摩耗量が、その他の領域より多くなったり、ヒール・アンド・トゥ摩耗と呼ばれる偏摩耗が発生するといった欠点を有することが多かった。
【0004】
このような周方向不均一摩耗が発生すると、外観が悪化するだけでなく、ピッチノイズの悪化を招き快適性が損なわれるので問題である。
【0005】
これを解決しようとして、ブロック剛性分布を装着外側と内側とで変更したり、トレッドデザインを変更することは、他性能への影響が大きく、簡単には採用できない。
【0006】
本発明は上記事実を考慮し、特に操縦安定性を維持したまま、ショルダー部の偏摩耗を抑制することの出来る空気入りタイヤを提供することが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
発明者の種々の実験により、ネガティブキャンバーがついた状態で、タイヤの接地部分の踏面挙動を詳細に観察した結果、キャンバーがついていない状態に比べて車両装着時の内側部分では制動側(車両進行方向とは逆方向)の剪断力が増大し、逆に車両装着時の外側部分では制動側の剪断力が減少することが分かった。
【0008】
これは、キャンバーを付けない状態と比較して、装着内側では転がり半径が減少するため接地面内で制動側に引きずられこと、及び装着外側では転がり半径が増大するために駆動側にシフトするためである。
【0009】
その結果、制動側剪断力が作用する装着内側では、ブロック蹴り出し端側から踏込み端側へ力が作用し、この剪断力の入側に相当する蹴り出し端側で接地圧が増大し摩耗量が増大する一方で、出側に相当する踏み込み端側では接地圧が減少し摩耗量が減少する傾向、即ち、ブロック踏込み端よりも蹴り出し端の摩耗量が多い所謂ヒール・アンド・トゥ摩耗が発生し易くなることが判明した。
【0010】
また、駆動側剪断力が作用する装着外側では、ブロック踏込み端側から蹴り出し端側へ向かう力が作用し、この剪断力の入側に相当する踏み込み端側で接地圧が増大し摩耗量が増大する一方で、出側に相当する蹴り出し端側では接地圧が減少し摩耗量が減少する傾向、即ち、ブロック蹴り出し端よりも踏込み端の摩耗が多い所謂逆ヒール・アンド・トゥ摩耗が発生し易くなることが判明した。
【0011】
そこで、陸部の蹴り出し側の壁面の角度と踏込み側の壁面の角度とを異ならせる事により接地圧分布を変え、ネガティブキャンバーがついた車両に装着し使用することにより発生する装着内側の偏摩耗及び装着外側の偏摩耗の発生を抑制出来ることを見出した。
【0012】
【0013】
【0014】
第1の構成要件として、ネガティブキャンバーの車両装着時に車両幅方向内側となるショルダー部の陸部の踏込側壁面が陸部踏面となす角度をαi、車両幅方向内側となるショルダー部の陸部の蹴出側壁面が陸部踏面となす角度をβiとしたときに、βi<αiに設定することで、陸部の蹴出側の接地圧を低減、踏込側の接地圧を増大することができ、陸部の摩耗量が均一化し、ネガティブキャンバーの車両装着時に車両幅方向内側となるショルダー部の陸部のヒール・アンド・トゥ摩耗を抑制することができる。
【0015】
また、陸部剛性が低下したり、ネガティブ率が下がることもないので、操縦安定性が確保される。
【0016】
なお、ここで言うネガティブキャンバーとは、車両が静止している状態でタイヤが内側に傾斜している場合のみならず、動的(走行使用時)の場合も共に含むものとする。例えば、静止時にキャンバー角が0°またはプラスであっても、走行使用時にキャンバー角がマイナスになるものは、ネガティブキャンバーとする。
【0017】
【0018】
【0019】
また、第2の構成要件として、ネガティブキャンバーの車両装着時に車両幅方向外側となるショルダー部の陸部の踏込側壁面が陸部踏面となす角度をαo、車両幅方向外側となるショルダー部の陸部の蹴出側壁面が陸部踏面となす角度をβoとしたときに、αo<βoに設定することで、陸部の踏込側の接地圧を低減、蹴出側の接地圧を増大することができ、陸部の摩耗量が均一化し、ネガティブキャンバーの車両装着時に車両幅方向外側となるショルダー部の陸部の逆ヒール・アンド・トゥ摩耗(ヒール・アンド・トゥ摩耗とは、摩耗の大小関係が逆となる摩耗)を抑制することができる。
【0020】
請求項1に記載の発明は、実質的にタイヤ周方向に沿って延びる複数本の周方向溝と、実質的にタイヤ軸方向に沿って延びる複数の横方向溝とによって区分される複数の陸部がトレッドに形成され、車両に対する装着裏表が指定された空気入りタイヤであって、ネガティブキャンバーに設定された車両に装着した時に、車両幅方向内側となるショルダー部の陸部の踏込側壁面が陸部踏面となす角度をαi、車両幅方向内側となるショルダー部の陸部の蹴出側壁面が陸部踏面となす角度をβi、車両幅方向外側となるショルダー部の陸部の踏込側壁面が陸部踏面となす角度をαo、車両幅方向外側となるショルダー部の陸部の蹴出側壁面が陸部踏面となす角度をβoとしたときに、βi<αi、αo<βoであることを特徴としている。
【0021】
次に、請求項1に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0022】
請求項1に記載の空気入りタイヤは、前述した第1の構成要件と第2の構成要件とを備えているので、ネガティブキャンバーの車両装着時に車両幅方向内側となるショルダー部の陸部のヒール・アンド・トゥ摩耗と、車両幅方向外側となるショルダー部の陸部の逆ヒール・アンド・トゥ摩耗とを同時にかつ効果的に抑制することができる。
【0023】
請求項2に記載の空気入りタイヤは、請求項1に記載の空気入りタイヤにおいて、βi<βoであることを特徴としている。
【0024】
次に、請求項2に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0025】
請求項2に記載の空気入りタイヤは、請求項1に記載の空気入りタイヤにおいて、更にβi<βoとすることにより、角度αoをより小さく、角度αiをより大きくでき、ヒール・アンド・トゥ摩耗及び逆ヒール・アンド・トゥ摩耗の抑制効果をβo≦βiに設定したときより高くすることができる。
【0026】
【0027】
【0028】
ここで、第3の構成要件として、ポジティブキャンバーの車両装着時に車両幅方向内側となるショルダー部の陸部の踏込側壁面が陸部踏面となす角度をαi、車両幅方向内側となるショルダー部の陸部の蹴出側壁面が陸部踏面となす角度をβiとしたときに、βi>αiに設定することで、陸部の蹴出側の接地圧を低減、踏込側の接地圧を増大することができ、陸部の摩耗量が均一化し、ポジティブキャンバーの車両装着時に車両幅方向外側となるショルダー部の陸部のヒール・アンド・トゥ摩耗を抑制することができる。
【0029】
また、ここで言うポジティブキャンバーとは、車両が静止している状態でタイヤが外側に傾斜している場合のみならず、動的(走行使用時)の場合も共に含むものとする。例えば、静止時にキャンバー角が0°またはマイナスであっても、走行使用時にキャンバー角がプラスになるものは、ポジティブキャンバーとする。
【0030】
【0031】
【0032】
第4の要件として、ポジティブキャンバーの車両装着時に車両幅方向外側となるショルダー部の陸部の踏込側壁面が陸部踏面となす角度をαo、車両幅方向外側となるショルダー部の陸部の蹴出側壁面が陸部踏面となす角度をβoとしたときに、αo>βoに設定することで、陸部の踏込側の接地圧を低減、蹴出側の接地圧を増大することができ、陸部の摩耗量が均一化し、ポジティブキャンバーの車両装着時に車両幅方向内側となるショルダー部の陸部の逆ヒール・アンド・トゥ摩耗(ヒール・アンド・トゥ摩耗とは、摩耗の大小関係が逆となる摩耗)を抑制することができる。
【0033】
請求項3に記載の発明は、実質的にタイヤ周方向に沿って延びる複数本の周方向溝と、実質的にタイヤ軸方向に沿って延びる複数の横方向溝とによって区分される複数の陸部がトレッドに形成され、車両に対する装着裏表が指定された空気入りタイヤであって、ポジティブキャンバーに設定された車両に装着した時に、車両幅方向内側となるショルダー部の陸部の踏込側壁面が陸部踏面となす角度をαi、車両幅方向内側となるショルダー部の陸部の蹴出側壁面が陸部踏面となす角度をβi、車両幅方向外側となるショルダー部の陸部の踏込側壁面が陸部踏面となす角度をαo、車両幅方向外側となるショルダー部の陸部の蹴出側壁面が陸部踏面となす角度をβoとしたときに、βi>αi、αo>βoであることを特徴としている。
【0034】
次に、請求項3に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0035】
請求項3に記載の空気入りタイヤは、前述した第3の構成要件と第4の構成要件とを備えているので、ポジティブキャンバーの車両装着時に車両幅方向外側となるショルダー部の陸部のヒール・アンド・トゥ摩耗と、車両幅方向内側となるショルダー部の陸部の逆ヒール・アンド・トゥ摩耗とを同時にかつ効果的に抑制することができる。
【0036】
請求項4に記載の空気入りタイヤは、請求項3に記載の空気入りタイヤにおいて、βi>βoであることを特徴としている。
【0037】
次に、請求項4に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0038】
請求項4に記載の空気入りタイヤは、請求項3に記載の空気入りタイヤにおいて、更にβi>βoとすることにより、角度αoをより小さく、角度αiをより大きくでき、ヒール・アンド・トゥ摩耗及び逆ヒール・アンド・トゥ摩耗の抑制効果をβo≦βiに設定したときより高くすることができる。
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
請求項5に記載の発明は、請求項3または請求項4に記載の空気入りタイヤにおいて、60°≧αo−βo≧2°としたことを特徴としている。
【0045】
次に、請求項5に記載の空気入りタイヤの作用を説明する。
【0046】
60°≧αo−βo≧2°とすることにより、偏摩耗の抑制効果が確実に得られる。
【0047】
角度差が上記範囲よりも小さいと、十分な抑制効果が得られない。
【0048】
一方、角度差が上記範囲よりも大きいと、陸部が傾斜し過ぎ実質的に荷重を支えるトレッド表面積が小さくなり過ぎて好ましくない。
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の空気入りタイヤの一実施形態を詳細に説明する。
【0054】
本実施形態の空気入りタイヤ10のトレッド12には、タイヤ周方向(矢印A方向及び矢印B方向)に沿って延びる周方向溝14、周方向溝16、周方向溝18、トレッド12をタイヤ幅方向(矢印L方向及び矢印R方向)に横断する複数の横溝20、横溝20と横溝20との間に配置され周方向溝14の矢印L方向側に延びる横溝22、横溝20と横溝20との間に配置され周方向溝14と周方向溝16とを連結する横溝24、横溝20と横溝20との間に配置され周方向18から矢印R方向に延びる横溝26が形成されている。
【0055】
横溝20、横溝22及び周方向溝14で区画されるショルダーブロック28、横溝20、横溝24、周方向溝14及び周方向溝16で区画されるセンター側ブロック30、横溝20、横溝26及び周方向溝18で区画されるショルダーブロック32は、タイヤ幅方向に長い長方形であり、横溝20、周方向溝16及び周方向溝18で区画されるセンター側ブロック34はタイヤ周方向に長い長方形である。
【0056】
この空気入りタイヤ10は、ネガティブキャンバーの付けられた車両に対して、矢印R方向側が車両の装着外側(矢印L方向側が装着内側)を向くように取り付けに方向性を持ったタイヤである。
【0057】
また、この空気入りタイヤ10の回転方向は矢印B方向であり、ネガティブキャンバーの車両装着時に車両幅方向内側(矢印L方向側)となるショルダー部のショルダーブロック28の踏込側壁面が踏面となす角度をαi、同ショルダーブロック28の蹴出側壁面が陸部踏面となす角度をβiとしたときに、βi(本実施形態では83°)<αi(本実施形態では97°)に設定されている。
【0058】
そして、車両幅方向外側(矢印R方向側)となるショルダー部のショルダーブロック32の踏込側壁面が踏面となす角度をαo、同ショルダーブロック32の蹴出側壁面が陸部踏面となす角度をβoとしたときに、αo(本実施形態では83°)<βo(本実施形態では97°)に設定されている。
【0059】
なお、本実施形態において、周方向溝14、周方向溝16、周方向溝18、横溝20、横溝22及び横溝24の各溝深さは全て同じである。
【0060】
また、ブロック剛性を低下させず、ヒール・アンド・トゥ摩耗の抑制効果を確実に得るには、60°≧αi−βi≧2°とすることが好ましい。
【0061】
また、ブロック剛性を低下させず実質的に荷重を支えるトレッド表面積を確保し逆ヒール・アンド・トゥ摩耗の抑制効果を確実に得るには、60°≧αo−βo≧2°とすることが好ましい。
【0062】
さらに、ブロック剛性を低下させずに偏摩耗抑制効果を更に高めるには、60°≧|βi−βo|≧2°とすることが好ましい。
(作用)
本実施形態の空気入りタイヤ10は、ネガティブキャンバーの車両装着時に車両幅方向内側となるショルダー部のショルダーブロック28の踏込側壁面が踏面となす角度αiを、同ショルダーブロック28の蹴出側壁面が踏面となす角度βiよりも大きく設定したので、ショルダーブロック28の蹴出側の接地圧を低減、踏込側の接地圧を増大することができ、ショルダーブロック28の摩耗量が周方向に均一化し、ネガティブキャンバーの車両装着時に車両幅方向内側となるショルダーブロック28のヒール・アンド・トゥ摩耗を抑制することができる。
【0063】
また、ネガティブキャンバーの車両装着時に車両幅方向外側となるショルダーブロック32の踏込側壁面が踏面となす角度αoを、同ショルダーブロック32の蹴出側壁面が踏面となす角度βoよも小さく設定したので、ショルダーブロック32の踏込側の接地圧を低減、蹴出側の接地圧を増大することができ、ショルダーブロック32の摩耗量が周方向で均一化し、ネガティブキャンバーの車両装着時に車両幅方向外側となるショルダーブロック32の逆ヒール・アンド・トゥ摩耗を抑制することができる。
【0064】
また、本実施形態では、ショルダーブロック32の蹴出側壁面が踏面となす角度βoを、ショルダーブロック28の蹴出側壁面が踏面となす角度βiよりも大きく設定したので、角度αoをより小さく、角度αiをより大きくでき、ヒール・アンド・トゥ摩耗及び逆ヒール・アンド・トゥ摩耗の抑制効果をβo≦βiに設定したときより高くすることができる。
【0065】
また、本実施形態の空気入りタイヤ10では、ブロック剛性が低下したり、ネガティブ率が下がることもないので、操縦安定性が確保される。
[その他の実施形態]
上記実施形態では、ネガティブキャンバーに設定された車両に装着する場合の例を示したが、ポジティブキャンバーに設定された車両に装着する空気入りタイヤの場合は、角度βi<角度αiに設定したブロックを車両幅方向外側に、角度αo<角度βoに設定したブロックを車両幅方向内側に配置すれば良い。これにより、ポジティブキャンバーに設定された車両に装着する空気入りタイヤの、装着外側のショルダーブロックに発生するヒール・アンド・トゥ摩耗と、装着内側のショルダーブロックに発生する逆ヒール・アンド・トゥ摩耗を抑制することができる。
【0066】
また、上記実施形態では、ショルダーブロック及び中央ブロックが矩形であったが、これらブロックの形状は他の形状(ひし形、台形、多角形等)であっても良い。
【0067】
周方向溝はタイヤ周方向に対して多少傾斜していても良く、また横方向溝はタイヤ幅方向に対して多少傾斜していても良い。
【0068】
また、ブロックの踏込側壁面及び蹴出側壁面の断面形状は、曲面であっても良い。この場合、踏面に対する角度は平均値とする。
(試験例)
本発明の効果を確かめるために、従来例のパターンを有する空気入りタイヤ2種類と、本発明の適用された実施例の空気入りタイヤ6種類を試作し、摩耗試験を行い偏摩耗の発生状況を調べると共に、コーナリングパワー及びハイドロプレーニング発生速度を調べた。
実施例1:上記実施形態のタイヤ(図1、2参照)。
実施例2:図1のトレッドパターンを有し、角度αi=100°、角度βi=90°、角度αo=90°、角度βo=97°に設定したタイヤ(図3,4参照)。
実施例3:角度αi=100°、角度βi=90°、角度αo=93°、角度βo=93°に設定したタイヤ(図4,5参照)。
比較例:角度αi=83°、角度βi=97°、角度αo=97°、角度βo=83°に設定したタイヤ(図6,7参照)。
従来例:角度αi=角度βi=角度αo=角度βo=93°に設定したタイヤ(図8,9参照)。
【0069】
なお、各タイヤともタイヤサイズは225/50R16であり、ブロックの寸法は、以下の表1内に記載したとおりである。
【0070】
摩耗試験は、試験タイヤを7.5Jのリムに内圧230KPaで組み付け、実車に装着して行った。試験条件は以下の通りである。
・車両:FR乗用車 ・装着位置:4輪
・前輪荷重:5.10KN ・フロントキャンバー角:−2°
・後輪荷重:3.92KN ・2名乗車相当
・速度:0〜200km/h ・走行距離:10000km
評価は、装着内側ショルダーブロックのヒール・アンド・トゥ段量(踏込端側残溝量−蹴出端側残溝量)、及び装着外側ショルダーブロックの逆ヒール・アンド・トゥ段量(蹴出端側残溝量−踏込端側残溝量)をそれぞれ従来例のタイヤを100として指数表示した。
【0071】
数値は、便宜上小さいほど摩耗量差が小さく、偏摩耗が少なく良好なことを示している。結果は、以下の表1に示すとおりである。
【0072】
【表1】
【0073】
【発明の効果】
【0074】
【0075】
請求項1に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、ネガティブキャンバーに設定された車両に装着して使用した際の、装着内側のショルダー部の陸部に生ずる偏摩耗と、装着外側のショルダー部の陸部に生ずる偏摩耗を、操縦性を悪化させずに抑制できる、という優れた効果を有する。
【0076】
請求項2に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、偏摩耗抑制効果を更に高めることができる、という優れた効果を有する。
【0077】
【0078】
【0079】
請求項3に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、ポジティブキャンバーに設定された車両に装着して使用した際の、装着外側のショルダー部の陸部に生ずる偏摩耗と、装着内側のショルダー部の陸部に生ずる偏摩耗を、操縦性を悪化させずに抑制できる、という優れた効果を有する。
【0080】
請求項4に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、偏摩耗抑制効果を更に高めることができる、という優れた効果を有する。
【0081】
【0082】
請求項5に記載の空気入りタイヤは上記の構成としたので、偏摩耗の抑制効果が確実に得られる。
【0083】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤのトレッドの平面図である。
【図2】 (A)は装着内側のショルダーブロックの断面図(図1の2(A)−2(A)線断面図)であり、(B)は装着外側のショルダーブロックの断面図(図1の2(B)−2(B)線断面図)である。
【図3】 (A)は実施例2のタイヤの装着内側のショルダーブロックの断面図であり、(B)は装着外側のショルダーブロックの断面図である。
【図4】 (A)は実施例3のタイヤの装着内側のショルダーブロックの断面図であり、(B)は装着外側のショルダーブロックの断面図である。
【図5】 (A)は比較例のタイヤの装着内側のショルダーブロックの断面図であり、(B)は装着外側のショルダーブロックの断面図である。
【図6】 (A)は従来例のタイヤの装着内側のショルダーブロックの断面図であり、(B)は装着外側のショルダーブロックの断面図である。
【符号の説明】
10 空気入りタイヤ
12 トレッド
14 周方向溝
16 周方向溝
18 周方向溝
20 横溝(横方向溝)
22 横溝(横方向溝)
24 横溝(横方向溝)
26 横溝(横方向溝)
28 ショルダーブロック(陸部)
30 センター側ブロック(陸部)
32 ショルダーブロック(陸部)
34 センター側ブロック(陸部)
Claims (5)
- 実質的にタイヤ周方向に沿って延びる複数本の周方向溝と、実質的にタイヤ軸方向に沿って延びる複数の横方向溝とによって区分される複数の陸部がトレッドに形成され、車両に対する装着裏表が指定された空気入りタイヤであって、
ネガティブキャンバーに設定された車両に装着した時に、車両幅方向内側となるショルダー部の陸部の踏込側壁面が陸部踏面となす角度をαi、車両幅方向内側となるショルダー部の陸部の蹴出側壁面が陸部踏面となす角度をβi、車両幅方向外側となるショルダー部の陸部の踏込側壁面が陸部踏面となす角度をαo、車両幅方向外側となるショルダー部の陸部の蹴出側壁面が陸部踏面となす角度をβoとしたときに、βi<αi、αo<βoであることを特徴とする空気入りタイヤ。 - βi<βoであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 実質的にタイヤ周方向に沿って延びる複数本の周方向溝と、実質的にタイヤ軸方向に沿って延びる複数の横方向溝とによって区分される複数の陸部がトレッドに形成され、車両に対する装着裏表が指定された空気入りタイヤであって、
ポジティブキャンバーに設定された車両に装着した時に、車両幅方向内側となるショルダー部の陸部の踏込側壁面が陸部踏面となす角度をαi、車両幅方向内側となるショルダー部の陸部の蹴出側壁面が陸部踏面となす角度をβi、車両幅方向外側となるショルダー部の陸部の踏込側壁面が陸部踏面となす角度をαo、車両幅方向外側となるショルダー部の陸部の蹴出側壁面が陸部踏面となす角度をβoとしたときに、βi>αi、αo>βoであることを特徴とする空気入りタイヤ。 - βi>βoであることを特徴とする請求項3に記載の空気入りタイヤ。
- 60°≧αo−βo≧2°としたことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の空気入りタイヤ。
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