JP4558732B2 - 3−アミノ−2−ヒドロキシプロピルホスフィン酸誘導体の製造方法 - Google Patents

3−アミノ−2−ヒドロキシプロピルホスフィン酸誘導体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、有用な薬学的活性成分であって、例えば抗うつ剤として使用することができる3−アミノ−2−ヒドロキシプロピルホスフィン酸誘導体の製造方法に関する。
米国特許第5,300,679号、およびFroestl外、J.Med.Chem.38、3297−3312(1995)ならびにFroestl外、J.Med.Chem.38、3313−3331(1995)の記事(これらはすべて、参照によって本明細書中に組み込まれるものとする)は、3−アミノ−2−ヒドロキシプロピルホスフィン酸誘導体がGABA(γ−アミノ酪酸)受容体、特にGABAB受容体サブタイプ、への結合親和性のような有用な薬理学的特性を有し、そして興奮性アミノ酸の放出および脳における神経伝達過程に影響を与えることができることを開示している。従って、GABAB受容体のアンタゴニストであるこれらの化合物のうちのいくつかは、不安、うつ病または認識機能障害のような中枢神経系の疾患状態の治療のための薬学的活性成分として有用であり、すなわちこれらは、向知性剤(nootropic agent)、抗うつ剤または抗不安剤として有用である。その特性プロフィールのために特に重要であるものは、Rがベンジル基またはシクロヘキシルメチル基である式I
Figure 0004558732
のGABAB受容体アンタゴニストである。
薬剤中の薬学的活性成分として使用され、そして工業的規模で必要とされる化合物の製造方法は、種々の要求を満たさなくてはならない。この方法および得られる生成物は、規制要件と調和していなくてはならず、そして再現可能であって有効性が確認されなくてはならない。特に、規制当局は、得られる医薬物質の厳密な純度を規定する。他方では、市販される製品の製造のために工業的規模で実施される方法は、もちろんできるだけ簡単で、原価および労力効率的でなくてはならない。もし可能ならば、その結果該方法は、例えば高価な出発物質、生理学的に受容できない毒性物質、困難な技術的操作、長い反応時間、または多数の手順工程の使用を避けるべきである。この点で、式Iの化合物の公知の製造方法は、それらを大規模な生産にほとんど適さないものとするかなりの欠点を有する。
Froestl外、J.Med.Chem.38、3313−3331(1995)の記事には、Rがベンジルまたはシクロヘキシルメチルである式Iのラセミ化合物の塩酸塩の製法が開示されている。そこに開示された方法は、クロロトリメチルシランのような腐食性出発物質を使用しており、このクロロトリメチルシランは、特に商業的操作には適当でない。さらに、この方法は、その結果それを商業的操作のために不適当にする多数の工程を包含する。さらに重要なことには、そこで形成される中間体のいくつかは、それに続く工程において使用する前にカラムクロマトグラフィーによって精製する必要がある。
Froestl外、J.Med.Chem.38、3313−3331(1995)はまた、適当なキラルエピクロロヒドリンを使用する鏡像異性体的に純粋な3−アミノ−2−ヒドロキシプロピルホスフィン酸誘導体の製造方法をも開示している。この方法もまた、上で論議したものと同一の問題のすべてを欠点としてもっている。それは、クロロトリメチルシランのような望ましくない出発物質およびカラムクロマトグラフィーにより中間体を精製する必要性である。
最も重要なことには、これらの方法のいくつかは、医薬グレードの最終生成物を製造するためには不適当である種々の他の物質を使用する。例えば、Froestl外は、最終生成物の塩酸塩を遊離のアミンに変換するために酸化プロピレンを使用する。酸化プロピレンが公知の発ガン性物質であり、そのため薬学的活性成分の製造においてこのような物質を回避することが有益であることは、周知である。同様に、これらの方法のいくつかは、薬学的活性化合物の製法において有利でない溶媒を使用し、例えばテトラヒドロフランのような溶媒の使用は、望ましくない。
これらの公知方法の種々のその他の欠点もまた明らかである。例えば、これらの方法におけるいくつかの工程は、長い反応時間を必要として、このことにより非常に低い時間−空間(time−space)収率を生じる。水分に感受性のシリル中間体を含有する懸濁液を濾過する必要性から、特殊な技術装置とその結果としての増大した操作コストが必要となる。
この結果、式Iの化合物のより簡単で改良された製造方法に対する要求がある。本発明は、このような方法を提供することによってこの要求を満足する。
本発明の目的は、Rがベンジルまたはシクロヘキシルメチルである式II
Figure 0004558732
の化合物からの、Rがベンジルまたはシクロヘキシルメチルである式I
Figure 0004558732
の化合物またはその塩の改良された製造方法を提供することである。
本方法は、式IIのホスフィン酸O−エチルから出発して、これを最初にヘキサメチルジシラザンでシリル化し、このシリル化生成物を次にエピクロロヒドリンと反応させ、アンモニアと反応させ、ホスフィン酸エチル部分を加水分解し、そして得られる式Iの化合物の塩を場合により式Iの化合物に変換する。有利なことには、これらの操作はすべて、単一バッチ操作で実施することができる。
本明細書中で使用する用語は、下記の意味を有する:
本明細書中で使用する用語“薬学的に受容できる塩”は、本発明の化合物の塩が医薬製剤中に使用することができることを意味する。しかしながら、その他の塩は、本発明に従う化合物またはその薬学的に受容できる塩の製造において有用であることができる。本発明の化合物の適当な薬学的に受容できる塩としては、例えば本発明に従う化合物の溶液を、塩酸、臭化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、フマル酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、酢酸、サリチル酸、桂皮酸、2−フェノキシ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、安息香酸、蓚酸、クエン酸、酒石酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、炭酸またはリン酸のような薬学的に受容できる酸の溶液と混合することによって形成することができる酸付加塩がある。オルトリン酸一水素ナトリウムおよび硫酸水素カリウムのような酸金属塩もまた形成させることができる。また、このようにして形成させた塩は、一酸塩または二酸塩のいずれかとして存在することができ、そして水和されたものとして存在することができるかまたは実質的に無水であることができる。さらに、本発明の化合物が酸性部分を有する場合には、その適当な薬学的に受容できる塩は、アルカリ金属塩、例えばナトリウムまたはカリウム塩;アルカリ土類金属塩、例えばカルシウムまたはマグネシウム塩;および適当な有機リガンドを用いて形成される塩、例えば第四級アンモニウム塩;を包含することができる。
表現“立体異性体”は、空間におけるその原子の配向においてのみ異なる個々の分子のすべての異性体に対して使用する一般名である。典型的にはこれには、通常少なくとも1個の不斉中心のために形成される鏡像異性体が包含される(エナンチオマー)。本発明に従う化合物が2またはそれ以上の不斉中心を有する場合には、これらは、付加的にジアステレオ異性体として存在することができ;また特定の個々の分子は、幾何異性体(シス/トランス)として存在することができる。同様に、本発明の特定の化合物は、一般には互変異性体として公知の急速平衡にある2またはそれ以上の構造的に別個の形の混合物で存在することができる。互変異性体の典型的な例としては、ケト−エノール互変異性体、フェノール−ケト互変異性体、ニトロソ−オキシム互変異性体、イミン−エナミン互変異性体などがある。そのような異性体およびいずれかの比率のその混合物はすべて、本発明の範囲内に包含されることは、理解されるべきである。
より詳細には、本発明の方法は、例えばスキーム1に描いたとおりの順序に従って実施することができる。最初に、式IIの化合物を場合により触媒の存在下でヘキサメチルジシラザンと反応させて、式IIIのシリル化生成物を得て、次にこれを場合により触媒の存在下で同一ポット内で(S)−エピハロヒドリンまたは(R)−エピハロヒドリンのいずれかと反応させる。中間体として式IVの化合物を得ることができ、これを脱シリル化して式Vの中間体を得る。次にこの後者をアンモニアと反応させて、式VIの中間体を得る。式VIの化合物中のホスフィン酸エチル部分を加水分解して、式Iのホスフィン酸または例えば式VIIの酸付加塩(式中、HXは、ハロゲン化水素酸を表し、そしてこの酸付加塩は、場合により式Iの化合物に変換することができる)のようなその塩を得る。ハロゲン化水素酸の例としては、フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸およびヨウ化水素酸がある。一般に、塩酸が好ましい。しかしながら、種々のその他の有機および/または無機酸もまたハロゲン化水素酸の代わりに使用することができる。このような有機酸の例としては、酢酸、マレイン酸、蓚酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などがあるが、これらに限定されない。適当な無機酸としては、硫酸、硝酸、リン酸などがあるが、これらに限定されない。
有利なことに、本発明において、すべての中間体、すなわち式IIIないしVIの化合物は
、それ以上どんな精製をも行うことなくその後の工程でそれとして使用することができることがわかった。この結果、本方法は、本明細書中で列挙した先行技術文献で使用したような高価なカラムクロマトグラフィー精製を必要としない高収率および高純度での式Iの化合物の製法において、効率を改良する。精製は、高純度の結晶質生成物を得るために最終工程で実施してよい。そのため、本発明のこの方法は、商業的スケールアップ操作のために最適である。
Figure 0004558732
式IIの出発化合物は、市販されているかまたは公知手順に従って、例えば米国特許第5,300,679号、およびFroestl外、J.Med.Chem.38、3297−3312(1995)およびFroestl外、J.Med.Chem.38、3313−3331(1995)の記事に記載されているかまたは言及されている手順に従って、製造することができる。こうして、式IIの化合物は、オルトギ酸トリエチルまたはオルト酢酸トリエチルおよびホスフィン酸から得ることができる(ジエトキシメチル)ホスフィン酸エチルまたは(1,1−ジエトキシエチル)ホスフィン酸エチルを、塩基、例えば水素化ナトリウムの存在下で臭化ベンジルのようなハロゲン化ベンジルまたはハロゲン化シクロヘキシルメチルでアルキル化し、場合によりベンジルホスフィン酸誘導体を接触水素化によって(シクロヘキシルメチル)ホスフィン酸誘導体に変換し、ジエトキシメチル基または1,1−ジエトキシエチル基を例えば塩酸とともに還流させることによって開裂させ、そしてもし必要ならばホスフィン酸を例えばクロロギ酸エチルで再エステル化することによって得ることができる。
式IIIの中間体を得るための式IIの化合物のヘキサメチルジシラザンによるシリル化は、式IIの化合物を不活性雰囲気下で乾燥反応器中で所望の量のヘキサメチルジシラザンと混合し、そして混合物を所望の変換率が達成されるまで反応させることによって実施することができる。一般にヘキサメチルジシラザンは、式IIの化合物のモル量に関して約等モル量ないし約10倍モル過剰量を使用する。好ましくはヘキサメチルジシラザンを過剰に、例えば約2倍ないし約12倍モル過剰量または約3倍ないし約10倍モル過剰量で使用する。より好ましくは、ヘキサメチルジシラザンは、式Iの化合物のモル量に関して約5倍モル過剰量で使用する。
意図した結果をもたらすことができる反応温度のいずれかを、本発明のこの工程において使用することができる。好ましくはヘキサメチルジシラザンとの反応は、室温より上で加熱しながら実施する。より好ましくはそれを、約80℃ないし約160℃または約100℃ないし約140℃または約120℃ないし約140℃の温度で実施する。反応は、大気圧下で、またはより低いかもしくはより高い圧力下で実施することができる。有利にはこの反応は、反応混合物を温度約125℃、約大気圧下で加熱して還流させることによって実施する。反応は、付加的な不活性溶媒または希釈剤の不在または存在下で実施することができる。好ましくはそれを、付加的な溶媒または希釈剤無しに実施する。反応時間は、使用する反応条件、反応の規模および所望の変換率に依る。適当な時間は、例えば約2時間ないし約30時間、例えば約16時間ないし約30時間であることができる。反応の進行は、例えば分光学的にもしくはクロマトグラフィーにより、または副生成物のアンモニアの発生を観察することにより監視することができる。
式IIの化合物とヘキサメチルジシラザンとの反応は、触媒の不在または存在下で実施することができる。好ましくはこの反応は、触媒の存在下で実施する。適当な触媒としては、アンモニウム塩、特に鉱酸のような強酸のアンモニウム塩、例えば硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、またはトルエンスルホン酸もしくはメタンスルホン酸のようなスルホン酸のアンモニウム塩、ならびにその反応混合物への添加によってアンモニウム塩の形成が起こる化合物、例えば硫酸およびトルエンスルホン酸もしくはメタンスルホン酸のようなスルホン酸を包含する酸、またはクロロトリメチルシランのようなハロゲン化シリル、がある。式IIの化合物とヘキサメチルジシラザンとの反応のための好ましい触媒は、硫酸アンモニウム((NH42SO4)である。
触媒の適当量は、個々の製法の環境に依存する。一般に、使用する式IIの化合物のモル量に関して約0.01倍ないし約0.3倍モル量または約0.02倍ないし約0.25倍モル量または約0.02倍ないし約0.15倍モル量または約0.03倍ないし約0.10倍モル量の触媒が適当であることができる。触媒は、反応の最初におよび/または反応の過程中に、一度にまたは2回もしくはそれ以上に分けて加えることができる。
式IIの化合物の式IIIのシリル化中間体への所望の変換度が達成されたとき、所望ならば続いていずれかの後処理手順または精製工程を実施することができる。例えば、いずれの揮発分も、加熱および/または減圧適用によって除去することができるか、またはいずれの固体も、濾過によって除去することができる。特に、未反応のヘキサメチルジシラザンは、所望ならば例えば真空で蒸留して除くことができる。しかしながら驚くべきことに、上記したように、次に続くエピハロヒドリンとの反応を実施するために、式Iの化合物の製造のこの段階で、過剰のヘキサメチルジシラザンまたは触媒を式IIIのシリル化中間体から除去するかまたはいずれかの他の後処理手順を実施することは必須ではないことがわかった。従って、約室温まで冷却した後、受容できない副反応または所望の生成物の収率の損失を起こすことなく、そのままの反応混合物を直接次の反応に使用することができる。先行技術の式Iの化合物の製造方法における濾過による塩化トリエチルアンモニウムの除去のような式IIIの水分に感受性の中間体のいずれかの付加的処理(これは、特殊な装置を必要とし、そして式IIIの化合物の部分分解を起こすであろう)は、その結果回避することができる。従って、本発明の好ましい態様においては、式IIIのシリル化中間体を単離せず、そして式IIの化合物のヘキサメチルジシラザンによるシリル化の反応混合物に付加的な後処理手順または精製手順を行わないが、反応混合物をそのまま次のエピハロヒドリンとの反応に直接使用する。
式IIIの化合物とエピハロヒドリンとの反応は、最初に式IIIの化合物、好ましくは先のシリル化工程で得た反応混合物、を所望の量のエピハロヒドリンと混合することによって実施することができる。種々の公知のエピハロヒドリンを本発明のこの工程において使用することができる。適当なエピハロヒドリンの例としては、(S)−もしくは(R)−エピフルオロヒドリン、(S)−もしくは(R)−エピクロロヒドリン、(S)−もしくは(R)−エピブロモヒドリンまたは(S)−もしくは(R)−エピヨードヒドリンがあるが、これらに限定されない。
好ましくは、式(III)の化合物は、不活性雰囲気下で水分の排除を行いながらそして所望の反応条件下で所望の光学純度の(S)−エピクロロヒドリンまたは(R)−エピクロロヒドリンのいずれかと反応させる。所望ならば、エピクロロヒドリンの一部またはすべてを反応の過程中に、1回またはそれ以上に分けて加えるかまたは特定の期間にわたって継続的に加えることができる。一般にエピクロロヒドリンは、式IIIの化合物のモル量または式IIIの化合物の製造に使用した式IIの化合物の同様のモル量に関して、等モル量ないし約1.5倍モル過剰量使用する。好ましくはエピクロロヒドリンは、過剰に、例えば約1.05倍ないし約1.5倍モル量、使用する。
好ましくは式IIIの化合物とエピクロロヒドリンとの反応は、触媒の存在下で実施する。適当な触媒としては、ルイス酸、例えば塩化亜鉛ZnCl2のような金属ハロゲン化物がある。通常どおりに、触媒の適当量は、個々の製造の環境に依存する。一般に、使用するエピクロロヒドリンのモル量に関して約0.02倍ないし0.2倍モル量または約0.05倍ないし約0.2倍モル量または約0.05倍ないし約0.15倍モル量の触媒が適当であろう。触媒は、式IIIの化合物または先の工程で得た反応混合物またはすでにエピクロロヒドリンを含有している反応混合物に一度に加えることができるか、またはそれは、反応の最初および/または式IIIの化合物とエピクロロヒドリンとの反応の過程中に2回またはそれ以上に分けて加えることができる。それはまた、特定の期間にわたって継続的に加えることもできる。
式IIIの化合物とエピクロロヒドリンとの反応は、付加的な不活性溶媒または希釈剤の不在下または存在下で実施することができる。好ましくはそれは、付加的な溶媒または希釈剤無しに実施する。もし所望ならば、使用することができる溶媒または希釈剤の例としては、脂肪族および芳香族炭化水素ならびに塩素化炭化水素ならびにテトラヒドロフランのような非環式および環式エーテルがある。反応は、例えばエピクロロヒドリンおよび/または溶液もしくは懸濁液の形で反応容器内に導入することができる触媒のより容易な添加を可能にするために、または反応のより容易な制御を可能にするために、最初に溶媒または希釈剤が反応混合物中に存在し、そして反応の過程中に加熱および/または減圧の適用によって溶媒または希釈剤を除去するという方法で実施することができる。
個々の製造の環境および規模に依って、式IIIの化合物とエピクロロヒドリンとの反応
は、発熱を伴って進行することがあり、そして反応混合物の温度を注意深く監視しそして加熱または冷却および反応物および/または触媒の添加を適当に調整することによって反応の経過を制御し、そして余りに激しい経過を回避するように注意しなくてはならない。好ましくは式IIIの化合物とエピクロロヒドリンとの反応は、約0℃ないし約100℃、
より好ましくは約室温ないし約80℃、の温度で実施する。
本発明の好ましい態様においては、触媒または触媒の一部およびエピクロロヒドリンまたはエピクロロヒドリンの一部を約室温で式IIIの化合物または先の工程で得た反応混合物に加える。得られる混合物をゆっくり約50℃まで加熱し、そしてもし激しい反応が起こらないならば、その後それをさらに約80℃まで加熱して、所望の変換度まで約80℃に保持する。場合により加熱中にまたは加熱中特定の時間保持したいずれかの温度範囲で、触媒および/またはエピクロロヒドリンの残部を加えることができる。一般に、反応混合物を約1ないし4時間、例えば2時間、約80℃に加熱した後、反応は完了する。反応の進行は、例えば分光学的にまたはクロマトグラフィーにより、監視することができる。
式IIIの化合物の所望の変換度が達成されたとき、反応混合物を後処理することができる。別法として、得られる式IVのシリル中間体を直接式Vの中間体に脱シリル化することができる。例えば、この段階で未反応のヘキサメチルジシラザンを、例えば約40℃ないし約50℃での、真空蒸留によって除去することができ、そして次に副生成物、未反応の出発物質および/または触媒を除去するために、この濃縮した反応混合物を、水性相と適当な有機溶媒、例えば炭化水素または塩素化炭化水素またはエステルまたはエーテルとの間に分配させることによる水性後処理に付すことができる。好都合には、濃縮した反応混合物を、アンモニア水、例えば約15%アンモニア水、とジクロロメタンとの間に分配させ、そして得られるジクロロメタン中の生成物の溶液を真空で濃縮する。式IVのシリル化中間体の式Vの化合物への変換のためには、この残留物を次に希酸で処理することができる。有利には、有機溶媒、例えばメタノールまたはエタノールのような低級アルカノール中の強酸、例えば塩酸のような鉱酸の希薄溶液、例えばメタノール中の濃塩酸水溶液の1%(体積対体積)溶液、を使用する。このような条件下では、式IVの化合物の式Vの化合物への脱シリル化は、混合物を室温で約30分ないし約1時間撹拌することにより円滑に、そしてその結果酢酸によるよりもかなり迅速に、達成することができる。例えば真空で約40℃ないし50℃での混合物の濃縮の後、粗製の式Vの3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルホスフィン酸エチルが得られ、このものは、有利なことにそれ以上精製することなく次に続く反応に使用することができる。
式VIの化合物を得るためのアミノ化のためには、先の工程で得た生成物をアンモニアと合わせる。通常は過剰のアンモニアを使用し、例えば式Vの化合物の量に関してまたは最初の式IIの出発化合物に関して約10倍ないし約30倍モル過剰量または約15倍ないし約25倍モル過剰量のアンモニアを使用する。反応は、付加的な不活性溶媒または希釈剤の不在下または存在下で実施することができる。好ましくはそれは、1またはそれ以上の付加的な溶媒または希釈剤の存在下で、例えば低級アルカノール、例えばメタノールもしくはエタノールもしくはイソプロパノール、または環式もしくは非環式エーテルのような1またはそれ以上の不活性有機溶媒の存在下で実施する。
好ましくはアミノ化は、約室温または約10℃ないし約30℃の温度で実施する。好都合なアミノ化の実施法においては、エタノールのような溶媒中の式Vの化合物の溶液を圧力反応器内に入れて、所望の量のアンモニアを導入する。好ましくは式Vの化合物の溶液を最初にアンモニアの沸点より低い温度まで、例えば約−50℃ないし約−35℃の温度まで冷却し、液体アンモニアを導入する。その後閉鎖した反応器は、個々の製造の環境に依存する自然発生圧力増大によってウォームアップさせられ、約30psiないし約60psiまたは約35psiないし約50psiの範囲内にあることができる。適当な反応時間は、例えば約3日ないし約5日、例えば約4日であることができる。式Vの化合物の式VIの化合物への所望の変換度が達成されたとき、反応混合物を、冷却および/または圧力放出した後、形成された塩化アンモニウムのようないずれかの固体を濾過して取り、いずれかの揮発分を例えば真空で約40℃ないし約60℃で蒸留して除くことによって、後処理することができる。残留する粗製のアミノ化生成物は、有利なことにそれ以上精製することなくホスフィン酸エチル部分の加水分解に使用することができる。
アミノ化工程の後、ホスフィン酸エチル部分の式Iのホスフィン酸誘導体またはその塩への加水分解は、塩基性または酸性条件下で実施することができる。好ましくは加水分解は、高温で、鉱酸、例えば塩酸のような強酸の存在下で酸性条件下で実施する。好ましくは使用する酸のアニオンは、生理学的に受容できる無毒のアニオンである。水の外にも、1またはそれ以上の付加的な不活性有機溶媒または希釈剤、例えばメタノールまたはエタノールのような低級アルカノール、がホスフィン酸エチルの加水分解中存在することができる。好ましくは加水分解は、付加的な溶媒または希釈剤の不在においてホスフィン酸エチルを強酸の濃水溶液とともに加熱することによって、例えば約30ないし約40%(重量対重量)の塩化水素を含有する濃塩酸水溶液とともにそれを加熱することによって、実施する。一般に、使用する酸は、式VIの化合物の量と比較したとき過剰である。適当な量は、個々の製造の環境に依る。例えば、もしホスフィン酸エチルを付加的な溶媒または希釈剤無しに濃塩酸(37%)で加水分解するならば、使用するホスフィン酸エチルの重量に関して重量で約3倍過剰量の酸が適当であろう。酸性加水分解は、通常約大気圧またはこれより高い圧力で約80℃ないし約120℃または約80℃ないし約100℃または約90℃ないし約100℃の温度で実施する。有利には、加水分解は、水性系で反応混合物を約大気圧で約100℃の温度に加熱して還流させることによって実施する。適当な反応時間は、個々の製造の環境に依り、約2ないし約6時間、例えば約4時間であることができる。
ホスフィン酸エチル部分の酸性加水分解後に最初に単離される生成物は、式Iの化合物の付加塩、すなわち式VII(式中、酸HXは、通常加水分解工程で使用する酸である)の化合物であることができる。指示されるとおり、式VIIの塩中の酸HXのアニオンXは、好ましくは、所望ならば薬剤中に存在することができる生理学的に受容できる、無毒のアニオンである。塩酸による加水分解を実施するとき、最初に式Iの化合物の塩酸塩、すなわちHXがHClである式VIIの化合物を単離することができる。遊離の式Iの化合物またはその塩を生成させることを意図するかどうか、および続いて式Iの化合物に関するかまたはその塩に関する精製のようないずれかの特定の工程を実施することを意図するかどうかに依って、ホスフィン酸エチルの酸性加水分解後に式VIIの塩を単離することまたはこの塩を直接式Iの化合物に変換してこの後者を単離することは、より好都合であることができる。
本発明の好ましい態様においては、ホスフィン酸エチルの酸性加水分解の完了後に式VIIの塩を単離し、好ましくは塩酸を用いる加水分解後にXがClである式VII の塩酸塩を単離する。塩の単離のためには、標準的な後処理手順を適用することができる。例えば、反応混合物を、例えば真空で約40℃ないし約80℃での蒸発によって濃縮し、そして/または冷却しそして/または1またはそれ以上の溶媒または希釈剤と混合し、そして得られる生成物を濾過または遠心分離によって単離することができる。次にこの単離した塩をいずれかの精製工程、例えば再結晶に付し、そして/または遊離の式Iの化合物に変換することができる。
所望ならば、ホスフィン酸エチル部分の加水分解後に得られる式VIIの酸付加塩のような式Iの化合物の塩を、遊離の式Iの化合物に変換することができる。この目的のためには、式VIIの酸付加塩を溶媒または希釈剤中で、酸HXに結合するかまたはこれを捕捉す
る薬剤で処理することができる。医薬物質として生成物を使用するために要求される純度を有する遊離の式Iの化合物への大規模変換のための薬剤を選択する際には、その化合物の特定の反応条件に対する感受性、式VIIの塩、式Iの化合物、薬剤、薬剤と酸HXとから形成される副生成物および不純物の溶解度、ならびに、薬剤および、臨床的に使用する医薬物質の生成の最終工程で使用するための薬剤と酸HXとから形成される副生成物の毒物学的受容可能性のようなさらに別の側面、を包含する種々の側面を考慮に入れなくてはならない。例えば伝統的には、式VIIの塩、特に塩酸塩は、酸化プロピレンのような酸スカベンジャーで処理して遊離の式Iのアミンを形成させる。前記したように、この方法は、酸化プロピレンのいずれの汚染もそれが公知の発ガン性物質であるのでそのような使用においては望ましくないので、特に医薬物質の製造においては不適当である。
今回、式VIIの酸付加塩、特にXがClである式VIIの塩酸塩の式Iの化合物への変換は、好都合には、低級アルカノール、例えばメタノールもしくはエタノール、または水または2またはそれ以上の溶媒または希釈剤の混合物、のような溶媒または希釈剤中、特にメタノール中でジ(低級アルキル)アミンまたはトリ(低級アルキル)アミン、特に例えばトリエチルアミンのようなトリ(低級アルキル)アミン、のような適当なアミンで処理することによって達成することができることがわかった。
本発明の好ましい態様においては、式VIIの化合物、例えばXがClである式VIIの化合物を適当な量の溶媒、例えばメタノールに溶解または懸濁させ、適当な量のアミン、例えばトリエチルアミンを加え、そして形成される遊離の式Iの化合物を標準的な後処理手順、例えば場合により濃縮および/または冷却および/または別の溶媒または希釈剤との混合の後、沈殿した式Iの化合物を濾過または遠心分離すること、によって単離する。このようにして得られる式Iの化合物は、高純度を有し、そしてクロマトグラフィーのような受容できない精製工程を必要としない。本発明の方法により式Iの化合物を、中間体のいずれかを高度に精製することなく、特にクロマトグラフィーを行うことなく、高品質で製造することができるという事実は、驚くべきことであり、そして先行技術のその製造方法を超える実質的な有利性を構成する。所望ならば、得られた式Iの化合物は、室温または高温、例えば溶媒の沸点で、溶媒、例えば水またはアセトンまたはメタノールもしくはエタノールのような低級アルカノールまたは溶媒の混合物を使用して洗浄するかまたは溶解/沈殿させ、そして/または例えば水とアセトンとの混合物のような上記の溶媒から再結晶し、そして乾燥させるというような容易に実施される手順によってさらに精製することができる。
さらに詳細には、Rがシクロヘキシルメチルである式Iの化合物は、それを水に溶解させた後、それをアセトンから沈殿させることによって精製することができる。典型的には、式Iの化合物の溶解は、周囲温度または周囲温度を超える温度で行うことができる。好ましくはこのような溶解は、約70℃ないし約85℃の温度範囲で実施することができる。次に透明な溶液を約40℃ないし約60℃の温度まで冷却する。この溶液を濾過して、あらゆる不溶性不純物を除去することができる。その後式Iの化合物は、アセトンの添加によって高純度で沈殿する。最後に、所望ならば、医薬組成物の製造に使用するために、得られた式Iの化合物を微粉砕することができる。
遊離の式Iの化合物を遊離させるために使用するアミンは、約室温またはより低温もしくはより高温で、例えば約室温ないし約60℃または約室温ないし約溶媒の沸点の温度で、式VIIの塩と合わせることができる。好ましくは溶媒の量および温度は、式VIIの化合物が完全に溶解してアミンを加える前に透明な溶液が得られるように選択する。有利には、アミンは、室温または約10℃ないし約30℃で加える。一般に、アミンは、式VIIの塩のモル量に関して約等モル量ないし約2倍モル過剰量使用する。好ましくはアミンは、やや過剰に、例えば約1.05倍ないし約1.5倍モル過剰量または約1.1倍ないし約1.4倍モル過剰量、使用する。
こうして本発明の方法に従えば、式Iの化合物は、本質的にいずれの毒性物質も不在で特に工業的規模で製造することができる。その上、塩化トリエチルアンモニウムのような形成される副生成物は、それがメタノール(本明細書中で使用する溶媒)に可溶性であるので、容易に分離することができる。全体的にみて、関係する化合物の反応性および特性に関する驚くべき発見に基づく本発明の方法は、公知方法よりも簡単なやり方で高品質の、例えば化学純度99%またはそれ以上および光学純度99.5%または99.8%またはそれ以上の鏡像体過剰率を有する、式Iの化合物またはその塩の製造を可能にし、そしてかなり一層良好に工業的規模で適用することができる。
本発明の主題はまた、Rがベンジルまたはシクロヘキシルメチルである式Iの化合物またはその塩、特に(3−アミノ−(2R)−ヒドロキシプロピル)(シクロヘキシルメチル)ホスフィン酸である式Iの化合物(この化合物は、本発明の方法によって得られた)、でもある。
本発明の一態様においては、Rは、シクロヘキシルメチルである。本発明の別の態様においては、Rは、ベンジルである。活性医薬成分としての使用に加え、Rがベンジルである式Iの化合物またはその塩はまた、シクロヘキシル部分を得るためのフェニル部分の接触水素化による、例えば二酸化白金のような貴金属触媒の存在下における水素化による、Rがシクロヘキシルメチルである式Iの化合物またはその塩の製造における中間体として使用することもできる。シクロヘキシル部分を得るためのフェニル部分の水素化はまた、本発明の方法における中間体の段階で実施することもできる。
本発明の一態様においては、式Iの化合物中の3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル部分中のキラル炭素原子は、均一なR配置または実質的に均一なR配置で存在し、そして各々の式Iの化合物は、Rがベンジルまたはシクロヘキシルメチルである式Ia
Figure 0004558732
の化合物である。
本発明の別の態様においては、式Iの化合物中の3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル部分中のキラル炭素原子は、均一なS配置または実質的に均一なS配置で存在し、そして各々の式Iの化合物は、Rがベンジルまたはシクロヘキシルメチルである式Ib
Figure 0004558732
の化合物である。
キラル炭素原子がR配置で存在する式Iの化合物の製造のためには、(S)−エピクロロヒドリンを出発物質として使用する。キラル炭素原子がS配置で存在する式Iの化合物の製造のためには、(R)−エピクロロヒドリンを出発物質として使用する。好ましい態様においては、本発明は、Rがシクロヘキシルメチルであり、そして3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル部分中のキラル炭素原子が均一なR配置または実質的に均一なR配置で存在する式Iの化合物、すなわち式Ic
Figure 0004558732
の(3−アミノ−(2R)−ヒドロキシプロピル)(シクロヘキシルメチル)ホスフィン酸またはその塩の製造に関する。
別の好ましい態様においては、本発明は、Rがベンジルであり、そして3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル部分中のキラル炭素原子が均一なR配置または実質的に均一なR配置で存在する式Iの化合物、すなわち式Id
Figure 0004558732
の(3−アミノ−(2R)−ヒドロキシプロピル)(ベンジル)ホスフィン酸またはその塩の製造に関する。
さらに別の好ましい態様においては、本発明は、Rがシクロヘキシルメチルであり、そして3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル部分中のキラル炭素原子が均一なS配置または実質的に均一なS配置で存在する式Iの化合物、すなわち式Ie
Figure 0004558732
の(3−アミノ−(2S)−ヒドロキシプロピル)(シクロヘキシルメチル)ホスフィン酸またはその塩の製造に関する。
さらに別の好ましい態様においては、本発明は、Rがベンジルであり、そして3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル部分中のキラル炭素原子が均一なS配置または実質的に均一なS配置で存在する式Iの化合物、すなわち式If
Figure 0004558732
の(3−アミノ−(2S)−ヒドロキシプロピル)(ベンジル)ホスフィン酸またはその塩の製造に関する。
最後に、さらに別の好ましい態様においては、本発明は、式Ic
Figure 0004558732
の化合物の製造に関する。
本発明のこの態様においては、この方法は、最初に式IIc
Figure 0004558732
の化合物をヘキサメチルジシラザンと反応させることを包含する。この反応は、好都合には適当な触媒の存在下で、本明細書中に記載した手順のいずれかを使用して実施することができる。
この反応は、結果として
式IIIc:
Figure 0004558732
の化合物を生じる。
次に式IIIcの化合物を(S)−(+)−エピクロロヒドリンと反応させる。得られる生成物を続いて加水分解して、式Vc:
Figure 0004558732
の化合物を形成させる。
次に式Vcの化合物をアンモニアと反応させ、そして続いてホスフィン酸エチル部分を加水分解して、その塩酸塩としての式Icの化合物を形成させる。最終工程において、式Icの化合物の塩酸塩をトリエチルアミンのようなアミンで処理して、式Icの化合物を形成させる。
式Iの化合物および出発物質および中間体を包含する本発明に関係する化合物の互変異性形に関しては、本発明は、すべての互変異性体およびいずれかの比率の互変異性体の混合物に関することが理解される。例えば、本発明は、式Iに描かれた形または式Ig
Figure 0004558732
(式中、Rは、ベンジルまたはシクロヘキシルメチルである)に描かれた双性イオン形もしくはベタイン形、またはいずれかの比率のその混合物の形で存在するときの式Iの化合物に関する。
まさしくそのために、式Iの化合物および出発物質および中間体を包含する本発明に関係するすべての化合物に関して、本発明は、リン原子でのすべての立体異性体に関することが理解される。こうして、もしキラルリン原子を含有する化合物が本発明に関係するならば、本発明は、鏡像異性体およびジアステレオマーおよびいずれかの比率の2またはそれ以上の立体異性体の混合物を包含する式Iの化合物および出発物質および中間体のすべての可能な立体異性体に関する。
本発明は、詳細な説明の目的のために提供され、本発明の範囲をどのようにも制限しない下記の実施例によってさらに具体的に説明される。
以下に示す実施例において、下記の省略形を使用する:
TLC 薄層クロマトグラフィー
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
GC/MS ガスクロマトグラフィー/質量分析
NMR 核磁気共鳴分光法
MeCN アセトニトリル
一般手順
プロトンNMR(1H NMR)スペクトルは、基準としてテトラメチルシラン(0.00ppm)または溶媒ピークを用いてバリアン・ジェミニ(Varian Gemini)計器(300MHz)で記録した。リンNMR(31P NMR)スペクトルは、外部標準としてH3PO4を用いてバリアン・ジェミニ(Varian Gemini)計器(121MHz)で記録した。炭素NMR(13C NMR)スペクトルは、バリアン・ジェミニ(Varian Gemini)計器(75MHz)で記録した。化学シフトは、パーツ・パー・ミリオン(ppm)で報告する。NMRデータを要約する際に下記の省略形を使用する:s=一重線、d=二重線;t=三重線;q=四重線;m=多重線;dd=二重線の二重線;br=広幅。質量スペクトルは、70eVでの電子衝撃(EI)ならびに括弧内に示すパーセントおよびMとして指定される分子イオンで示される相対ピーク高さを用いる化学イオン化(CI)を使用するフィンニガン(Finnigan) MAT TSQ 700質量分析計上で得た。カール・フィッシャー(Karl Fischer)滴定および元素分析は、ロバートソン・マイクロリット社(Robertson Microlit,Inc.)、マジソン、ニュージャージー、によって実施された。
下記の実施例で使用する種々のその他の省略形は、他に指示しない限り下記の意味を有するであろう:“[α]20 D”は、1デシメートルのセル中で得た20℃でのナトリウムのD線の比旋光度を指し、“c”は、濃度を指し、“kg”はキログラムを指し、“g”は、グラムを指し、“mol”は、モルを指し、“mmol”は、ミリモルを指し、“L”は、リットルを指し、“mL”または“ml”は、ミリリットルを指し、“μL”は、マイクロリットルを指し、“℃”は、セ氏度を指し、“h”または“hr”は、時間を指し、“min”は、分を指し、“sec”は、秒を指し、“tR”は保持時間を指し、“N”は、規定を指し、“psi”は、平方インチ当たりのポンドを指し、“eq.”は、当量を指す。
分析用TLCは、厚さ0.25mmのガラスで裏打ちしたシリカゲル60F−254プレート(EM)上で実施し、説明するとおりの(v/v)溶媒系で溶離し、そしてエタノール中の5重量%のリンモリブデン酸の溶液でスプレーした。その後TLCプレートは、熱板上で加熱すると紺青色のスポットを示した。
GC/MS法:ヒューレット・パッカード(Hewlett Packard)5890 シリーズII ガスクロマトグラフ、ヒューレット・パッカード5972 シリーズ質量選択検出器、カラム:HP−5/MS、30m×0.32mm×0.25mm、無極性、温度領域0−300℃。GCプログラム:初期温度:50℃、1分間保持:ランプ:20℃/分、最終温度:300℃、5分間保持。
分析用HPLCは、下記の方法の一つを使用して実施した:
方法A:ウォーターズ(Waters)ポンプ(600)、ウォーターズ(Waters)示差屈折計(410)、RI検出器設定:スケール・ファクター=20、感度=2、オーブン温度=35℃、フェノメネックス・ルナ(Phenomenex Luna)C 18(2)、4.6×150mm、5μm;イソクラティク MeCN/H2O(30/70);1mL/分;注入体積:20μL。
方法B:ウォーターズ(Waters)ポンプ(600E)、200nmで監視するウォーターズ(Waters)996ホトダイオードアレイ検出器。試料調製:試料(式Iの化合物)4mgを脱イオンH2O 1mLに溶解させる。カラム:シナージー−ポーラー(Synergi−Polar)RP 80A[フェノメネックス(Phenomenex)、p/n:00F−4336−E0]4μm、4.6×150mm。移動相:100%脱イオンH2O、流量:1ml/分。カラム温度 30℃、注入体積:20μL、操作時間:25分。
方法C:カラム:ゾルバックス(Zorbax)SB−C18 4.6×150mm 3.5μ {P/N 830990−902[アジレント(Agilent)]}移動相:55% H2O、45% MeOH、2.5mM ドデシル硫酸ナトリウム、10mM H2SO4;検出器:UV 248nm、流量:1.0mL/分、カラム温度:35℃。誘導体化のために使用する溶液の調製:GITC、1mg/ml:2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシルイソチオシアネート[TAGIT、シグマ(Sigma) T−5783]4mgをMeCN 4mlに溶解させる。2日以内に使用する。pH 10緩衝液、16mM:NaHCO3 134mgをH2O 100mLに溶解させる。NaOHでpH 10に調整する。医薬物質溶液、4mg/ml:式Iの化合物4mgをH2O 1.0mLに溶解させる。誘導体化のための手順:DS溶液20μL、緩衝液200μL、およびGITC 400μLをHPLCバイアルに加える。蓋をして、かき混ぜ、40分待つ。反応混合物は、少なくとも6時間安定である。分析:注入体積:4μL=2μg試料、操作時間:約38分、保持時間:(S)−鏡像異性体誘導体、約32分;(R)−鏡像異性体誘導体、約35分。
反応溶液の濃縮は、他に指示しないかぎり、40℃、50ないし30トルの減圧下でブチ回転蒸発器(Buechi Rotary Evaporator)を使用して実施した。
実施例1
(3−クロロ−(2S)−ヒドロキシプロピル)(シクロヘキシルメチル)ホスフィン酸O−エチル
(シクロヘキシルメチル)ホスフィン酸O−エチル[12kg、63モル;アベシア(Avecia)から]、ヘキサメチルジシラザン(50.55kg、313.2モル)および硫酸アンモニウム(420g、3.18モル)を、乾燥させて窒素でパージした30ガロンのガラスで内張りした反応器に装入した。混合物を窒素流下で128℃に加熱して、128℃で20時間保持した。付加的な硫酸アンモニウム(120g、0.91モル)を加えて、混合物をさらに6時間還流温度に加熱して、反応を完了させた(31P NMRにより約85%変換)。反応混合物を25℃まで冷却し、そして塩化亜鉛(900g、6.6モル)および(S)−(+)−エピクロロヒドリン[6.3kg、68モル;ロディア−チレックス(Rhodia−Chirex)、英国から]を一度に加えた。混合物をゆっくり50℃まで温めて、いずれかの発熱反応について監視した。次に混合物を80℃に加熱して、80℃で2時間保持した。反応の完了後に(GCによってチェックした)、混合物を45℃/50トルで濃縮して、過剰のヘキサメチルジシラザンを除去した。得られた残留物を30ガロンのハステロイの反応器に移して、15%のアンモニア水60Lとともに30分間撹拌して、塩化亜鉛および少量の未反応出発物質を除去した。次に混合物をジクロロメタン(2回、各々35L)で抽出した。合わせた抽出物を水(30L)で洗浄し、各相を分離した。水性相をジクロロメタン(20L)で抽出した。合わせた有機相を45℃/100トルで濃縮して、(3−クロロー(2S)−トリメチルシリルオキシプロピル)(シクロヘキシルメチル)ホスフィン酸O−エチル(31P NMR:δ 56.5および58.0;GC:tR=10.29および10.34分)を油状物として得て、これをメタノール25.5L中の12N 塩酸255mlの溶液とともに30分間撹拌した(pH=1.5)。次に混合物を45℃/50トルで濃縮して、標題化合物(GCにより83%純度)12.5kg(理論の70%)を得て、このものを1H NMRおよび13C NMRによって特性決定した。得られた物質をそれ以上精製することなく次の工程(実施例2)で使用した。
13C NMR(CDCl3),δ(ppm):16.43,16.48,25.77,25.92,32.01,32.07,32.45,32.48,32.60,33.66,33.75,34.49,34.56,34.64,34.77,35.97,36.67,37.18,37.86,49.07,49.28,49.48,60.39,60.48,66.64。
実施例2
(3−アミノ−(2R)−ヒドロキシプロピル)(シクロヘキシルメチル)ホスフィン酸O−エチル
無水エタノール(50L)中の実施例1の化合物(12.5kg、粗製)の溶液を、圧力計を備えた20ガロンの反応器に装入した。反応器を−50℃まで冷却して、−50℃ないし−35℃で保持し、その間に90分かけて液体アンモニア(15.5kg、912モル)を加えた。懸濁液をゆっくり室温まで温めて、初期圧力35−45psiで4日間放置した。次に混合物を濾過して塩化アンモニウムを除去し、そして濾液を50℃/50トルで蒸発させて粗製の標題化合物(12.2kg)を白色ろう状物として得て、このものを1H NMRおよび13C NMRによって特性決定した。得られた物質をそれ以上精製することなく次の工程(実施例3)で使用した。
13C NMR(CDCl3),δ(ppm):16.42,16.50,25.73,25.87,31.93,31.99,34.38,34.53,34.61,34.74,60.18。
実施例3
(3−アミノ−(2R)−ヒドロキシプロピル)(シクロヘキシルメチル)ホスフィン酸塩酸塩
実施例2の化合物(12.2kg、粗製)と37%塩酸(37L)との混合物を4時間還流温度(96℃)に加熱した。苛性スクラバー溶液を使用して塩化水素排ガスをトラップした。この溶液を60℃/50トルで蒸発乾固させ、そして順次、水、トルエンおよびエタノールの各々30Lを用いて共蒸発させて、粗製の標題化合物(11.7kg)をオフホワイト固体として得て、このものを1H NMRおよび13C NMRによって特性決定した。得られた物質をそれ以上精製することなく次の工程(実施例4)で使用した。
13C NMR(D2O),δ(ppm):25.45,25.58,31.64,34.04,34.14,34.26,34.39,35.21,36.09,37.29,45.10,45.29,63.00。
実施例4
(3−アミノ−(2R)−ヒドロキシプロピル)(シクロヘキシルメチル)ホスフィン酸
無水メタノール(70L)中の実施例3の化合物(11.7kg、粗製)の混合物を還流温度で40分間木炭[293g、20−40メッシュ、アルドリッチ(Aldrich)から]で処理した。混合物を、カートリッジフィルター(5ミクロン)を通して濾過して、メタノール(20L)で洗浄した。濾液を室温まで冷却し、そしてトリエチルアミン(5.4kg、53.3モル)で処理した。約50%のトリエチルアミンを添加した後に白色固体が形成され始めた。懸濁液を20時間撹拌し、固体を濾過によって集めて、冷メタノール(2回、各々10L)で洗浄した。次に粗製固体を65℃で2時間メタノール(2回、各々50L)中で温浸し、そして室温まで冷却した。固体を真空濾過によって集めて、メタノール(10L)で洗浄した。40℃/50トルで18時間乾燥させた後、粗製の標題化合物6.5kgを得た。粗製の生成物を85℃の脱イオン水(18L)に溶解させ、熱溶液を、セライト(Celite)のベッドに通して濾過し、水(2L)ですすいだ。濾液を撹拌し、アセトン(80L)を45分かけて加えた。混合物を20時間4℃で保持した。沈殿した生成物を濾過して取り、アセトン(2回、各々15L)で洗浄し、48時間乾燥させて(50℃/50トル)、標題化合物5.4kg[(シクロヘキシルメチル)ホスフィン酸O−エチルからの全収率37%]を微細白色結晶質固体として得て、このものをカール・フィッシャー(Karl Fischer)滴定、元素分析、比旋光度、1H NMR、13C NMR、31P NMR、およびLC/MSによって特性決定した。
13C NMR(D2O),δ(ppm):25.59,25.72,32.08,32.13,34.53,34.64,34.76,35.73,36.85,37.94,39.16,45.22,45.36,63.89。
31P NMR(D2O),δ(ppm):41.63。
カール・フィッシャー(Karl Fischer)滴定:0.61%水。
[α]25 D=+8.16°(c=1.03,H2O)。
APCILC/MS:m/z:236(100%,M++H),471(35%,2M++1),706(10%,3M++1)。
元素分析:C1022NO3Px0.08H2O(236.71)に対する計算値:C 50.74,H 9.44,N 5.92;実測値:C 50.81,H 9.36,N 5.86。
実施例5
(シクロヘキシルメチル)ホスフィン酸O−エチルのシリル化
(シクロヘキシルメチル)ホスフィン酸O−エチル(79g、414ミリモル)とヘキサメチルジシラザン(480mL、2.3モル、5.5当量)との混合物に硫酸アンモニウム(5g、9モル%)を加えて、得られた混合物を22時間128℃に加熱した。次にこの反応混合物を室温まで冷却し、そして得られたRがシクロヘキシルメチルである式IIIの中間体を次に続く反応工程で使用した。
実施例6
(シクロヘキシルメチル)ホスフィン酸O−エチルのシリル化
100mlの三つ口丸底フラスコに(シクロヘキシルメチル)ホスフィン酸O−エチル3.0g(15.8ミリモル)、ヘキサメチルジシラザン30mL(9当量)およびクロロトリメチルシラン0.5ml(0.25当量)を装入した。混合物を窒素雰囲気下で16時間還流温度に加熱した。過剰量のヘキサメチルジシラザンを真空蒸留によって除去して、そして得られたRがシクロヘキシルメチルである式IIIの中間体を次に続く工程で使用した。
実施例7
ベンジルホスフィン酸O−エチルのシリル化
ベンジルホスフィン酸O−エチル(0.78g、4.23ミリモル)とヘキサメチルジシラザン(5mL)との混合物を16時間140℃に加熱し、そして室温まで冷却して、Rがベンジルである式IIIの中間体を得た。Rがベンジルである式Iの化合物の製造のための次に続く工程を、Rがシクロヘキシルメチルである式Iの化合物の製造のための上記の手順と同様に実施することができた。
本発明をいくつかの前記実施例によって具体的に説明したけれども、本発明は、これらの実施例によって限定されるものと解釈されるべきではなく;むしろ本発明は、本明細書中で前に開示したとおりの包括的な領域を包含する。種々の変更および態様をその精神および範囲から離れることなく行うことができる。

Claims (20)

  1. (a)式II:
    Figure 0004558732
    の化合物をヘキサメチルジシラザンと反応させて、式III:
    Figure 0004558732
    の化合物を形成させること
    (b)式IIIの化合物をエピハロヒドリンと反応させ、続いて得られる付加物を加水分解して、式V:
    Figure 0004558732
    の化合物を形成させること
    (c)式Vの化合物をアンモニアと反応させ、続いてホスフィン酸エチル部分を加水分解して、式Iの化合物とすること、および、場合により
    (d)式Iの化合物を薬学的に受容できる塩に変換すること
    を含む、
    式I:
    Figure 0004558732
    (式中、Rは、ベンジルまたはシクロヘキシルメチルであり、そしてXは、ハロゲンである)の化合物、その鏡像異性体またはジアステレオマーの製造方法。
  2. 式IIの化合物とヘキサメチルジシラザンとの反応を触媒の存在下で実施する、請求項1に記載の方法。
  3. 触媒がアンモニウム塩である、請求項2に記載の方法。
  4. エピハロヒドリンが(S)−もしくは(R)−エピフルオロヒドリン、(S)−もしくは(R)−エピクロロヒドリン、(S)−もしくは(R)−エピブロモヒドリンまたは(S)−もしくは(R)−エピヨードヒドリンである、請求項1に記載の方法。
  5. エピハロヒドリンが(S)−または(R)−エピクロロヒドリンである、請求項1に記載の方法。
  6. 式IIIの化合物と(S)−または(R)−エピクロロヒドリンとの反応を触媒の存在下で実施する、請求項5に記載の方法。
  7. ルイス酸を触媒として使用する、請求項6に記載の方法。
  8. ホスフィン酸エチル部分の加水分解を酸性条件下で実施する、請求項1に記載の方法。
  9. 塩酸をホスフィン酸エチル部分の加水分解のために使用する、請求項8に記載の方法。
  10. 加水分解において得られる式Iの化合物の塩を式Iの化合物に変換する、請求項1に記載の方法。
  11. 加水分解において得られる式Iの化合物の酸付加塩をアミンで処理することによって式Iの化合物に変換する、請求項10に記載の方法。
  12. アミンがトリエチルアミンである、請求項11に記載の方法。
  13. Rがシクロヘキシルメチルである、請求項1に記載の方法。
  14. キラル炭素原子でR配置を有する式Iの化合物を製造する、請求項1に記載の方法。
  15. 式Ic:
    Figure 0004558732
    の(3−アミノ−(2R)−ヒドロキシプロピル)−(シクロヘキシルメチル)ホスフィン酸を製造する、請求項1に記載の方法。
  16. 式Id:
    Figure 0004558732
    の(3−アミノ−(2R)−ヒドロキシプロピル)−(ベンジル)ホスフィン酸を製造する、請求項1に記載の方法。
  17. キラル炭素原子でS配置を有する式Iの化合物を製造する、請求項1に記載の方法。
  18. 式Ie:
    Figure 0004558732
    の(3−アミノ−(2S)−ヒドロキシプロピル)−(シクロヘキシルメチル)ホスフィン酸を製造する、請求項1に記載の方法。
  19. 式If:
    Figure 0004558732
    の(3−アミノ−(2S)−ヒドロキシプロピル)−(ベンジル)ホスフィン酸を製造する、請求項1に記載の方法。
  20. (a)式IIc:
    Figure 0004558732
    の化合物をヘキサメチルジシラザンと反応させて、式IIIc:
    Figure 0004558732
    の化合物を形成させること
    (b)式IIIcの化合物を(S)−(+)−エピクロロヒドリンと反応させ、続いて得られる付加物を加水分解して、式Vc:
    Figure 0004558732
    の化合物を形成させること
    (c)式Vcの化合物をアンモニアと反応させ、続いてホスフィン酸エチル部分を加水分解して、式Icの化合物をその塩酸塩として形成させること;および
    (d)式Icの化合物の塩酸塩をアミンで処理して、式Icの化合物を形成させることを含む、式Ic:
    Figure 0004558732
    の化合物の製造方法。
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