JP4557419B2 - ストレプトグラミン類、それらの製造およびそれらを含有する組成物 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、特に有利な抗菌活性および良好な程度の代謝安定性を現す一般式:
【0002】
【化6】
【0003】
式中、
−R1は、基-NR'R”であり、ここでR'は水素原子またはメチル基であり、そしてR”は水素原子またはアルキル、シクロアルキル、アリル、プロピニル、ベンジルまたは−OR”'基であり、R”'は水素原子またはアルキル、シクロアルキル、アリル、プロピニルまたはベンジル基であるか、あるいはR”は-NR3R4を表し、R3およびR4はメチル基を表すか、またはそれらが結合している窒素原子と一緒に、窒素、酸素もしくは硫黄から選択されるさらに別のヘテロ原子を含んでもよい飽和もしくは不飽和の4−もしくは5−員の複素環を形成することが可能であり、
−R2は、水素原子またはメチルもしくはエチル基であり、そして
【0004】
【外7】
【0005】
のA群ストレプトグラミン誘導体、ならびにそれらの塩に関する。
【0006】
既知のストレプトグラミン類の中でも、ストレプトミセス プリスチナエスピラリス(Streptomyces pristinaespiralis)により生産される天然起源の抗菌性プリスチナマイシン(RP7293)が1955年に最初に単離された。ピロスタシン7(Pyrostacine7)という名前で市販されているこのプリスチナマイシンは主に、プリスチナマイシンIAと組み合わされたプリスチナマイシンIIAから成る。
【0007】
別の種類の抗菌性ストレプトグラミンであるバージニアマイシン(virginiamycin)が、ストレプトミセス バージニア(Streptomyces virginiae) ATCC 13161から調製された[Antibiotics and Chemotherapy,5,632(1955)]。バージニアマイシン(スタフィロマイシン7:Staphylomycine7)は主に、ファクターSと組み合わされたファクターM1から成る。
【0008】
構造:
【0009】
【化7】
【0010】
式中、nは0〜2である、
のストレプトグラミンの半合成誘導体は、欧州特許第135410号および同第191662号明細書に記載された。B群のストレプトグラミンの半合成成分と組み合わせると、それらは相乗的作用を現し、そして注入経路により使用することができる。
【0011】
一般式(I)において、特に言及しない限り、アルキル基は直鎖もしくは分枝であり、そして1〜6個の炭素原子を含み;シクロアルキル基は3〜4個の炭素
【0012】
【外8】
【0013】
時、RエピマーまたはRエピマーが主であるRおよびSエピマーの混合物を意味し、そしてR”が−OR”または-NR3R4である時、RおよびSエピマーおよびそれらの混合物を意味する。
【0014】
R”が基-NR3R4であり、ここでR3およびR4はがそれらが結合している窒素原子と一緒に飽和もしくは不飽和の4−もしくは5−員の複素環を形成する時、これは特にアゼチジン、アゾリジンまたはイミダゾリルであることができる。
【0015】
一般式(I)のストレプトグラミン誘導体は、一般式:
【0016】
【化8】
【0017】
式中、
R2は上記定義の通りである、
の天然のプリスチナマイシンの成分から、一般式:
H2N−R'' (III)
式中、
R”は上記定義の通りである、
のアミンの作用させ、続いて得られた中間体エナミン(またはオキシム)に還元剤を作用させ、そして次にR'がメチル基である一般式(I)のストレプトグラミン誘導体を得ることを所望する時は、ホルムアルデヒドまたはその場でホルムアルデヒドを生成する誘導体により続いて第2の還元的アミノ化、そして中間体エナミンの還元により製造することができる。
【0018】
アミンの作用は、一般的にアルコール(例えばメタノールもしくはエタノール)、塩化溶媒(例えばジクロロメタン、ジクロロエタンもしくはクロロホルム)、ニトリル(例えばアセトニトリル)またはピリジンのような有機溶媒中、0から30℃の間の温度で、そして場合により例えば硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウムまたはモレキュラーシーブのような脱水剤の存在下で行う。好ましくはこの方法は不活性雰囲気(例えばアルゴン)下で行う。またアミン塩を反応させることも
【0019】
【外9】
【0020】
に、この手法はニトリル(例えばアセトニトリル)のような有機溶媒中、有機酸(例えば酢酸)のような酸の存在下で行い、この場合は脱水剤の添加は必要としない。R”が基−OR”'である一般式(I)のストレプトグラミン誘導体を製造する時、一般式:
【0021】
【化9】
【0022】
式中、
R2およびR”'は上記定義の通りである、
の中間体オキシムを単離し、そして次にこの生成物をR'が水素原子である一般式(I)の誘導体に還元し、そして場合により続く還元的アミノ化操作に使用することも可能である。
【0023】
還元は、還元剤、例えば硼水素化アルカリ金属(例えばシアノ硼水素化ナトリウムまたはトリアセトキシボロハイドライド)の作用により、有機酸(例えば酢酸)の存在下、上記アミノ化反応で述べたような有機溶媒中で行う。
【0024】
適当な場合は、二置換アミンを得る目的で引き続き還元的なアミノ化操作を同様の条件下で行う。
【0025】
本発明に従い、一般式(I)のストレプトグラミン誘導体も一般式:
【0026】
【化10】
【0027】
式中、R2は上記定義の通りである、
のアミンを含有する誘導体上の所望するR''に対応するケトンの作用により製造することができ、続いてR'がメチル基である一般式(I)のストレプトグラミン誘導体を得ることを所望する時は、ホルムアルデヒドまたはその場でホルムアルデヒドを生成する誘導体の作用による第2の還元的アミノ化および中間体エナミンの還元により製造することができる。
【0028】
反応は、上記と類似条件下で行う。
【0029】
一般式(I)のアミンは、一般式(II)のストレプトグラミン誘導体から上記のように製造することができる。
【0030】
一般式(II)のプリスチナマイシン誘導体は、天然のプリスチナマイシンの既知の成分であるプリスチナマイシンIIA(PIIA)に、プリスチナマイシンIIB(PIIB)に、プリスチナマイシンIIC(PIIC)に、プリスチナマイシンIID(PIID)に、プリスチナマイシンIIF(PIIF)に、そしてプリスチナマイシンIIG(PIIG)にそれぞれ対応する。成分PIIFおよびPIIGは欧州特許出願公開第614910号明細書に記載された。
【0031】
プリスチナマイシンIIC(PIIC)およびプリスチナマイシンIID(PIID)は、J.C.Barriereら、Expert.Opin.Invest.Drug,3(2),115-31(1994)により記載されたように得ることができる。
【0032】
天然のA群ストレプトグラミン[一般式(II)のストレプトグラミン]の成分の製造および分離は、J.Preud'hommeら、Bull.Soc.Chim.Fr.,vol.2,585(1968)により記載された方法に従い、またはそれに準じた発酵そして発酵ブロスからの成分の単離により行う。
【0033】
あるいは、A群の天然成分の製造は、仏国特許出願第2,689,518号明細書に記載されているような特別な発酵により行うことができる。
【0034】
一般式(I)のストレプトグラミン誘導体は、適当な場合は結晶法またはクロマトグラフィーのような物理的方法により精製することができる。
【0035】
一般式(I)の誘導体は、特に16Rエピマーの形態で得ることができる。16Sエピマー形からの16Rエピマー形の分離は、フラッシュクロマトグラフィーにより、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)により、または遠心分配クロマトグラフィー(CPC)により、16Rおよび16Sエピマーの混合物から行うことができる。
【0036】
一般式(I)のストレプトグラミン誘導体は、既知の方法により酸との付加塩の状態に転換することができる。これらの塩も本発明の範囲内に含まれると考える。
【0037】
医薬的に許容できる酸との付加塩の例として、無機酸との塩(塩酸塩、臭化水素塩、硫酸塩、硝酸塩、硫酸塩)または有機酸との塩(コハク酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、フェニルスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、ナフチルスルホン酸塩またはカンファースルホン酸塩、あるいはこのような化合物の置換誘導体との塩)を挙げることができる。
【0038】
本発明のストレプトグラミン誘導体は、抗菌性およびB群ストレプトグラミン誘導体の抗菌活性を相乗する特性を有する。それらは単独または組み合わせたそれらの活性から、ならびに従来の既知なA群誘導体と比べて増強された代謝安定性から特に有利である。
【0039】
それらがB群ストレプトグラミンの成分または誘導体と組み合わされる時、経口的または非経口的投与形態を得ることが望ましいか否かに依存して、それらは以下の天然成分から選択され得る:プリスチナマイシンIA、プリスチナマイシンIB、プリスチナマイシンIC、プリスチナマイシンID、プリスチナマイシンIE、プリスチナマイシンIF、プリスチナマイシンIG、バージニアマイシンS1、S3またはS4、ベルナマイシンBもしくはC、エタマイシンから、あるいは特許もしくは特許出願である米国特許第4,618,599号、同第4,798,827号、同第5,326,782明細書、欧州特許第772630号または同第770132号明細書に記載されている半合成誘導体、特に一般式:
【0040】
【化11】
【0041】
式中、
1.Rb、Rc、ReおよびRfは水素原子であり、Rdは水素原子またはジメチルアミノ基であり、そしてRaは構造-CH2R'aの基であり、ここで、R'aはアルキルにより置換されてもよい3-ピロリジニルチオまたは3-もしくは4-ピペリジルチオ、あるいは1もしくは2のヒドロキシスルホニル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ(これ自体が場合によりメルカプトもしくはジアルキルアミノにより置換されてもよい)により置換された、または1もしくは2の場合により置換されてもよいピペラジン環、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペリジノ、1-ピロリジニル、2-、3-もしくは4-ピペリジルまたは2-もしくは3-ピロリジニル(これらはアルキルにより置換されてもよい)により置換されたアルキルチオであり、あるいはRaは、構造=CHR'aの基であり、ここで、R'aは3-ピロリジニルアミノ、3-もしくは4-ピペリジルアミノ、3-ピロリジニルオキシ、3-もしくは4-ピペリジルオキシ、3-ピロリジニルチオ、3-もしくは4-ピペリジルチオであって、これらはアルキルにより置換されてもよく、あるいはR'aはアルキルアミノ、アルキルオキシまたはアルキルチオであって、これらは1もしくは2のヒドロキシスルホニル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ(これ自体が場合によりジアルキルアミノにより置換されてもよい)により、あるいはトリアルキルアンモニオ、4-もしくは5-イミダゾリルにより、または1もしくは2の場合により置換されてもよいピペラジン環、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペリジノ、1-ピロリジニル、2-、3-もしくは4-ピペリジルまたは2-もしくは3-ピロリジニル(これらは場合によりアルキルにより置換されてもよい)により置換されており、あるいは
Raは、3-もしくは4-キヌクリジニルチオメチル基であるか、あるいは
2.Raは、水素原子であり、そして
a)Rb、ReおよびRfのいずれも水素原子であり、Rdは基-NHCH3または-N(CH3)2であり、そしてRcは塩素または臭素原子であるか、あるいは3〜5個の炭素原子を含有するアルケニル基を表すか[Rdが-N(CH3)2である場合]、
b)あるいはRb、Rd、ReおよびRfは水素原子を表し、そしてRcはハロゲン、またはアミノモノアルキル、アミノジアルキル、アルキルオキシ、トリフルオロメトキシ、チオアルキル、C1〜C3アルキルまたはトリハロメチル基であるか、
c)あるいはRb、Rc、ReおよびRfは水素原子を表し、そしてRdはハロゲン、またはエチルアミノ、ジエチルアミノまたはメチルエチルアミノ、アルキルオキシまたはトリフルオロメチルオキシ、チオアルキル、C1〜C6アルキル、アリールまたはトリハロメチル基であるか、
d)あるいはRb、ReおよびRfは水素原子を表し、そしてRcはハロゲンまたはアミノモノアルキルまたはアミノジアルキル、アルキルオキシまたはトリフルオロメチルオキシ、チオアルキルまたはC1〜C3アルキル基であり、Rdはハロゲンまたはアミノ、アミノモノアルキルもしくはアミノジアルキル、アルキルオキシまたはトリフルオロメチルオキシ、チオアルキル、C1〜C6アルキルまたはトリハロメチル基であるか、
e)あるいはRc、ReおよびRfは水素原子を表し、そしてRbおよびRdはメチル基を表す、
から選択され得る。
【0042】
本発明の誘導体およびB群ストレプトグラミンの組み合わせ物も、本発明の範囲内に含まれると理解される。
【0043】
インビボにおいて、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus) IP8203を用いて経口および/または皮下に25から150mg/kgの間の用量(CD50)で実験的に感染させたマウスで、それらはプロスチナマイシンIAの、またはキヌプリスチンのプリスチナマイシンIBの抗菌活性を相乗する(30/70の組み合わせ)。
【0044】
最後に本発明の生成物は、それらの低毒性故に特に有利である。皮下経路による300mg/kgまたは300mg/kgを超える投与量でどの生成物も毒性を示さなかった。
【0045】
特に興味深いのは、R1が基-NR'R”(ここで、R'が水素原子またはメチル基であり、そしてR”が水素原子、アルキル、シクロアルキル、アリル、プロピニル、ベンジルまたは-OR”'基であり、R”'は1〜6個の炭素原子を含有するアルキル基、アリルまたはプロピニル基であるか、あるいはR”が-NR3R4を表し、R3およびR4はメチル基を表すか、またはそれらが結合している窒素原子と一緒に、さらに窒素、酸素または硫黄から選択される別のヘテロ原子を含んでもよい4-もしくは5-員の複素環を形成することが可能である)であり、R2が水素原子また
【0046】
【外10】
【0047】
を表す一般式(I)の生成物ならびにそれらの塩であり、しかも式中、16位の鎖
【0048】
【外11】
【0049】
マーが主であるRおよびSエピマーの混合物を意味し、そしてR”が-OR”'または-NR3R4である時、RおよびSエピマーならびにそれらの混合物を意味し;そしてこのような生成物の中でも最も特別であるのは、R1が基-NR'R”(ここで、R'が水素原子またはメチル基であり、そしてR”が水素原子、1〜4個の炭素原子を含有するアルキル、シクロアルキル、アリル、プロピニル、ベンジルまたは-OR”'基であり、R”'は1〜3個の炭素原子を含有するアルキル基またはアリルまたはプロピニル基であるか、あるいはR”が-NR3R4を表し、R3およびR4はそれらが結合している窒素原子と一緒に5-員の飽和複素環を形成することが可能であ
【0050】
【外12】
【0051】
合または二重結合を表す一般式(I)の生成物ならびにそれらの塩であり、しか
【0052】
【外13】
【0053】
このような生成物の中でもより特別には、以下の誘導体が大変興味深い:
・(16R)-16-ジメチルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIA;
・(16R)-16-メトキシアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIB;
・(16R)-16-エトキシアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIB;
・(16R)-16-アリルオキシアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIB;
・(16R)-16-メトキシアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIA;
以下の実施例は、限定を与えるものではなく、本発明を具体的に説明する。
【0054】
以下の実施例において、16-デオキソプリスチナマイシンIIA(またはIIB)の名称は、16位のケトン官能基を2個の水素原子に置き換えたことを意味する。
【0055】
【実施例】
実施例1
(16R)-16-ベンジルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIB
3gの硫酸マグネシウムおよび0.328cm3のベンジルアミンを約20℃で、アルゴン雰囲気下にて1.06gのプリスチナマイシンIIB(15cm3のメタノール溶液中)に加える。24時間撹拌した後、0.151gのシアノ硼水素化ナトリウムおよび0.5cm3の酢酸を加える。反応混合物を1時間撹拌し、そして次にCeliteで濾過する。Celiteを100cm3のメタノールで洗浄し、濾液を減圧下(2.7kPa)で濃縮して残渣を得、これを200cm3のジクロロメタンで希釈する。有機相を100cm3の5%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄する。有機相をデカントし、そして水性相を50cm3のジクロロメタンに2回溶解する。有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧下(2.7kPa)で濃縮乾固して1.3gの残渣を得、これをフラッシュクロマトグラフィーで精製する[溶出液:ジクロロメタン−メタノール−アセトニトリル(84-8-8、容量による)]。0.424gの16-ベンジルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIBの(16R)/(16S)異性体の混合物=65/35を黄色い粉末状で、および0.144gの16-ベンジルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIBの(16R)/(16S)異性体の混合物>95/5を黄色い粉末状でこのように得る。これらの各混合物をHPLCにより精製し[C18カラム(15-20μm)、(λ=254nm)、溶出液:アセトニトリル−水(80-20、容量による)]、全部で0.250gの130℃付近で融解(分解)する(16R)-16-ベンジルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIBを淡黄色の粉末状で得る。
1H NMR スペクトル(400MHz,CDCl3,ppmのδ):0.95および1.00(2d,J=6.5Hz,各々3H:30位のCH3および31位のCH3);1.08(d,J=6.5Hz,3H:32位のCH3);1.43(mt,1H:15位のCH2の1H);1.68(s,3H:33位のCH3);1.70から2.00(mt,5H:15位のCH2の1H-25位のCH2-26位のCH2の1Hおよび29位のCH);2.12(mt,1H:26位のCH2の1H);2.65から2.80(mt,1H:4位のCH);2.78および3.18(2dd,それぞれJ=16および8HzならびにJ=16および4Hz,各1H:17位のCH2);3.25(mt,1H:16位のCH);3.47(mt,1H:9位のCH2の1H);3.80(mt,1H:24位のCH2の1H);3.81および4.02(2d,J=14Hz,各1H:CH2N);3.96(mt,1H:24位のCH2の1H);4.38(mt,1H:9位のCH2の1H);4.66(mt,1H:14位のCH);4.70から4.80(mt,2H:3位のCHおよび27位のCH);5.36(d,J=9Hz,1H:13位のCH);5.64(mt,1H:10位のCH);5.78(dd,J=16および2Hz,1H:6位のCH);6.00(mt,1H:CONH);6,14(d,J=16Hz,1H:11位のCH);6.50(dd,J=16および5Hz,1H:5位のCH);7.25から7.40(mt,5H:ベンジルの芳香族H);8.09(s,1H:20位のCH)。
【0056】
実施例2
(16R)-16-シクロプロピルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIB
9gの硫酸マグネシウムおよび0.6cm3のシクロプロピルアミンを、約20℃でアルゴン雰囲気下、3gのプリスチナマイシンIIB(30cm3のメタノール溶液中)に加える。17時間30分撹拌した後、0.43gのシアノ硼水素化ナトリウムを加え、そして次に30分後、0.5cm3の酢酸を加える。反応混合物を2時間撹拌し、そして次にCeliteで濾過する。Celiteをメタノールで洗浄し、そして次に濾液を減圧下(2.7kPa)で濃縮して4.64gの黄色い泡沫を得、これを100cm3の酢酸エチルおよび5cm3のメタノールに溶解し、そして次に25cm3の蒸留水で3回洗浄する。有機相を合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、そして次に減圧下(2.7kPa)で濃縮して2.2gの黄色い泡沫を得、これをフラッシュクロマトグラフィーにより精製する[溶出液:ジクロロメタン−メタノール−アセトニトリル(84-8-8、容量による)]。0.61gの黄色い粉末を単離し、これを15cm3のエチルエーテル中で撹拌し、濾過し、そして減圧下(2.7kPa)、30℃で乾燥させて0.508gの135℃付近で融解(分解)する(16R)-16-シクロプロピルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIBをクリーム色の粉末状で得る。
1H NMR スペクトル(400MHz,CDCl3,ppmでのδ):0.35から0.60(mt,4H:シクロプロピルのCH2);0.97および1.00(2d,J=6.5Hz,各3H:30位のCH3および31位のCH3);1.08(d,J=6.5Hz,3H:32位のCH3);1.33(mt,1H:15位のCH2の1H);1.70から2.00(mt,5H:15位のCH2の1H-25位のCH2-26位のCH2の1Hおよび29位のCH);1.77(s,3H:33位のCH3);2.13(mt,1H:26位のCH2の1H);2.29(mt,1H:シクロプロピルのCH);2.74(mt,1H:4位のCH);2.82および3.25(2dd,それぞれJ=16および8HzならびにJ=16および4Hz,各1H:17位のCH2);3.33(mt,1H:16位のCH);3.51(mt,1H:9位のCH2の1H);3.83および3.99(2mts,各1H:24位のCH2);4.35(mt,1H:9位のCH2の1H);4.65(mt,1H:14位のCH);4.70から4.80(mt,2H:3位のCHおよび27位のCH);5.39(d,J=9Hz,1H:13位のCH);5.65(mt,1H:10位のCH);5.79(dd,J=17および2Hz,1H:6位のCH);5.97(mt,1H:CONH);6.17(d,J=16Hz,1H:11位のCH);6.53(dd,J=17および5Hz,1H:5位のCH);8.12(s,1H:20位のCH)。
【0057】
実施例3
(16R)-16-アリルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIB
実施例1の記載に準じた様式で手順を進めることにより、しかし5gのプリスチナマイシンIIB(70cm3のメタノール溶液中)および15gの硫酸マグネシウムおよび1.45cm3のアリルアミンから出発し、0.714gのシアノ硼水素化ナトリウムおよび5cm3の酢酸を24時間加えた後、さらに1時間撹拌した後に固体を得、そして処理後にこの固体をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して[溶出液:ジクロロメタン−メタノール(95-5、容量による)]、0.975gの122〜124℃付近で融解する(16R)-16-アリルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIBを淡黄色の粉末状で得る。
1H NMR スペクトル(400MHz,CDCl3,ppmでのδ):0.96および1.00(2d,J=6.5Hz,各3H:30位のCH3および31位のCH3);1.08(d,J=6.5Hz,3H:32位のCH3);1.38(mt,1H:15位のCH2の1H);1.65から2.00(mt,5H:15位のCH2の1H-25位のCH2-26位のCH2の1Hおよび29位のCH);1.77(s,3H:33位のCH3);2.12(mt,1H:26位のCH2の1H);2.70から2.80(mt,1H:4位のCH);2.74および3.13(2dd,それぞれJ=16および8HzならびにJ=16および5Hz,各1H:17位のCH2);3.20から3.35(mt,2H:16位のCHおよびCH2Nの1H);3.45から3.55(mt,2H:9位のCH2の1HおよびCH2Nの1H);3.83および3.98(2mts,各1H:24位のCH2);4.38(mt,1H:9位のCH2の1H);4.70(mt,1H:14位のCH);4.65から4.80(mt,2H:3位のCHおよび27位のCH);5.15および5.24(2dd,それぞれJ=10および1.5HzならびにJ=18および1.5Hz,各1H:アリルの=CH2);5.40(d,J=9Hz,1H:13位のCH);5.66(mt.1H:10位のCH);5.80(dd,J=17および2.5Hz,1H:6位のCH);5.85から6.00(mt,2H:アリルのCH=およびCONH);6.16(d,J=16Hz,1H:11位のCH);6.52(dd,J=17および5Hz,1H:5位のCH);8.10(s,1H:20位のCH)。
【0058】
実施例4
(16R)-16-プロピン-2-イルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIB
実施例1の記載に準じた様式で手順を進めることにより、しかし5gのプリスチナマイシンIIB(70cm3のメタノール溶液中)、10gの硫酸マグネシウムおよび1.3cm3のプロパルギルアミンから出発し、そして0.714gのシアノ硼水素化ナトリウムおよび5cm3の酢酸を22時間加えた後、さらに3時間30分撹拌した後に5.5gの固体を得、そして処理後にこの固体をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して[溶出液:ジクロロメタン−メタノール(96-4、容量による)]、[欠落]0.266gの124℃付近で融解(分解)する(16R)-16-プロピン-2-イルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIBを黄土色の粉末状で得る。
1H NMR スペクトル(400MHz,CDCl3,ppmでのδ):0.95および1.00(2d,J=6.5Hz,各3H:30位のCH3および31位のCH3);1.07(d,J=6.5Hz,3H:32位のCH3);1.53(mt,1H:15位のCH2の1H);1.60から2.00(mt,5H:15位のCH2の1H-25位のCH2-26位のCH2の1Hおよび29位のCH);1.79(s,3H:33位のCH3);2.13(mt,1H:26位のCH2の1H);2.26(t,J=2Hz,1H:CHプロピニル);2.70から2.80(mt,1H:4位のCH);2.76および3.16(2dd,それぞれJ=16および8HzならびにJ=16および4Hz,各1H:17位のCH2);3.36(mt,1H:16位のCH);3.48(mt,1H:9位のCH2の1H);3.56(限定AB,2H:NCH2プロピニル);3.84および3.99(2mts,各1H:24位のCH2);4.40(mt,1H:9位のCH2の1H);4.65から4.80(mt,3H:3位のCH-14位のCHおよび27位のCH);5.36(d,J=9Hz,1H:13位のCH);5.69(mt,1H:10位のCH);5.80(dd,J=16および2Hz,1H:6位のCH);6.11(mt,1H:CONH);6.17(d,J=16Hz,1H:11位のCH);6.52(dd,J=16および5Hz,1H:5位のCH);8.08(s,1H:20位のCH)。
【0059】
実施例5
(16R)-16-[(R)-sec-ブチルアミノ]-16-デオキソプリスチナマイシンIIB
実施例1の記載に準じた様式で手順を進めることにより、しかし5gのプリスチナマイシンIIB(70cm3のメタノール溶液中)、10gの硫酸マグネシウムおよび1.92cm3の(R)-sec-ブチルアミンから出発し、そして0.714gのシアノ硼水素化ナトリウムおよび5cm3の酢酸を20時間撹拌した後に加えた後、さらに2時間30分撹拌した後に5.6gの固体を得、そして処理後にこの固体をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して[溶出液:ジクロロメタン−メタノール(96-4、容量による)]、0.680gの156℃付近で融解(分解)する(16R)-16-[(R)-sec-ブチルアミノ]-16-デオキソプリスチナマイシンIIBを黄色の粉末状で得る。
1H NMR スペクトル(400MHz,CDCl3,ppmでのδ):0.90から1.15(mt,15H:30位のCH3-31位のCH3-32位のCH3および(N-2-ブチル)の2CH3);1.28(mt,2H:(N-1-メチルプロピル)のCH2);1.50から2.20(mt,7H:15位のCH2-25位のCH2-26位のCH2および29位のCH);1.79(s,3H:33位のCH3);2.74(mt,1H:4位のCH);3.00から3.10(mt,2H:(N-1-メチルプロピル)のCHおよび17位のCH2の1H);3.25(dd,J=16および4Hz,1H:17位のCH2の1H);3.50から3.60(mt,2H:9位のCH2の1Hおよび16位のCH);3.80および3.95(2mts,各1H:24位のCH2);4.28(mt,1H:9位のCH2の1H);4.70から4.85(mt,3H:3位のCH-4位のCHおよび27位のCH);5.41(d,J=9Hz,1H:13位のCH);5.68(mt.1H:10位のCH);5.80(d,J=16Hz,1H:6位のCH);6.10から6.25(広い非解像コンプレックス,1H:CONH);6.18(d,J=16Hz,1H:11位のCH);6.55(dd,J=17および5Hz,1H:5位のCH);8.11(s,1H:20位のCH)。
【0060】
実施例6
(16R)-16-[(S)-sec-ブチルアミノ]-16-デオキソプリスチナマイシンIIB
実施例1の記載に準じた様式で手順を進めることにより、しかし5gのプリスチナマイシンIIB(70cm3のメタノール溶液中)、10gの硫酸マグネシウムおよび1.92cm3の(S)-sec-ブチルアミンから出発し、そして20時間撹拌した後、0.714gのシアノ硼水素化ナトリウムおよび5cm3の酢酸を加える。反応混合物を2時間30分撹拌し、処理した後に得た固体をフラッシュクロマトグラフィーにより精製する[溶出液:ジクロロメタン−メタノール(96-4、容量による)]。得られた固体をアセトニトリルから再結晶して0.590gの150℃付近で融解(分解)する(16R)-16-[(S)-sec-ブチルアミノ]-16-デオキソプリスチナマイシンIIBを黄色の粉末状で得る。
1H NMR スペクトル(400MHz,CDCl3,ppmでのδ):0.09から1.15(mt,15H:30位のCH3-31位のCH3-32位のCH3および(N-1-メチルプロピル)の2CH3);1.44(五重項,J=7Hz,2H:(N-1-メチルプロピル)のCH2);1.60から2.00(mt,5H:15位のCH2の1H-25位のCH2-26位のCH2の1Hおよび29位のCH);1.76(s,3H:33位のCH3);2.04(広いd,J=14Hz,1H:15位のCH2の1H);2.11(mt,1H:26位のCH2の1H);2.65から2.85(mt,1H:4位のCH);2.70および3.12(2dd,それぞれJ=16および11HzならびにJ=16および4Hz,各1H:17位のCH2);2.80(mt,1H:(N-1-メチルプロピル)のCH);3.35(mt,1H:16位のCH);3.50(mt,1H:9位のCH2の1H);3.81および3.98(2mts,各1H:24位のCH2);4.33(mt,1H:9位のCH2の1H);4.65から4.80(mt,3H:3位のCH-14位のCHおよび27位のCH);5.43(d,J=9Hz,1H:13位のCH);5.62(mt,1H:10位のCH);5.78(dd,J=16および2Hz,1H:6位のCH);5.86(mt,1H:CONH);6.17(d,J=16Hz,1H:11位のCH);6.53(dd,J=17および5Hz,1H:5位のCH);8.12(s,1H:20位のCH)。
【0061】
実施例7
16-アミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIB
[(16R)/(16s)異性体=75/25の混合物]:
200gの硫酸マグネシウム、74gの酢酸アンモニウムおよび28gのシアノ硼水素化ナトリウムを約20℃で、アルゴン雰囲気下で100gのプリスチナマイシンIIB(1400cm3のメタノール溶液中)に加える。20時間撹拌した後、反応混合物をCeliteで濾過し、そして次にCeliteをメタノールですすぐ。濾液を減圧下(2.7kPa)で濃縮して栗色の油を得、これを等量の画分に分け.それぞれ1000cm3のジクロロメタンに溶解し、そして次に5%の重炭酸ナトリウム水溶液で処理する。有機相をデカントし、そして水性相を1000cm3のジクロロメタンで抽出する。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧下(2.7kPa)で濃縮乾固して97.5gの暗黄色の粉末を得る。これをフラッシュクロマトグラフィーにより精製し[溶出液:ジクロロメタン−メタノール(70-30、容量による)]、21.7gの16-アミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIB(16R)/(16S)異性体=75/25の混合物)をベージュ色の粉末状で得る。
1H NMR スペクトル[シン(16R)異性体75%アンチ(16S)異性体25%](400MHz,CDCl3,ppmでのδ):0.94および0.98(2d,J=6.5Hz:30位のCH3およびシン異性体の31位のCH3);0.90から1.25(mt:30位のCH3-31位のCH3およびアンチ異性体の32位のCH3);1.07(d,J=6.5Hz:シン異性体の32位のCH3);1.46(mt,シン異性体の15位のCH2の1H);1.65から2.00(mt:シン異性体の15位のCH2の1H-アンチ異性体の15位のCH2の1H-25位のCH2-26位のCH2の1Hおよび29位のCH);1.73および1.78(2s:それぞれアンチ異性体の33位のCH3およびシン異性体の33位のCH3);2.00から2.30(mt:アンチ異性体の15位のCH2の1Hおよび26位のCH2の1H);2.65から2.80(mt:4位のCHおよびシン異性体の17位のCH2の1H);2.80から2.90(mt:アンチ異性体の17位のCH2);2.95(dd,J=16および5Hz:シン異性体の17位のCH2の1H);3.30から3.45(mt:アンチ異性体の9位のCH2の1Hおよびシン異性体の16位のCH);3.48(mt:シン異性体のCH2の1H);3.63(mt:アンチ異性体の16位のCH);3.80および3.91(2mts:それぞれアンチ異性体の24位のCH2およびシン異性体の24位のCH2);4.37(mt:シン異性体の9位のCH2の1H);4.45(mt:アンチ異性体の9位のCH2の1H);4.65から4.80(mt:3位のCH-27位のCHおよびシン異性体の14位のCH);4.85(mt:アンチ異性体の14位のCH);5.40(d,J=9Hz:シン異性体の13位のCH);5.65(mt:10位のCH);5.70から5.85(mt:6位のCHおよびアンチ異性体の13位のCH);6.00から6.15(mt:CONH);6.18および6.22(2d,J=16Hz,それぞれシン異性体の11位のCHおよびアンチ異性体の11位のCH);6.45および6.52(2dd,J=16および5Hz:それぞれアンチ異性体の5位のCHおよびシン異性体の5位のCH);8.09および8.10(s:それぞれシン異性体の20位のCHおよびアンチ異性体の20位のCH)。
【0062】
16-アミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIB((16R)/(16S)異性体=75/25の混合物)から出発する高性能液体クロマトグラフィーでは、(16R)-16-アミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIBが、130℃付近で融解(分解)する白色粉末状で得られる。
1H NMR スペクトル(400MHz,CDCl3,ppmでのδ):0.95および0.99(2d,J=6.5Hz,各3H:30位でのCH3および31位でのCH3);1.08(d,J=6.5Hz,3H:32位のCH3);1.45(mt,1H:15位のCH2の1H);1.65から2.00(mt,5H:15位のCH2の1H-25位のCH2-26位のCH2の1Hおよび29位のCH);1.79(s,3H:33位のCH3);2.12(mt,1H:26位のCH2の1H);2.70から2.80(mt,1H:4位のCH);2.76および2.98(2dd,それぞれJ=16および8HzならびにJ=16および5Hz,各1H:17位のCH2);3.42(mt,1H:16位のCH);3.48(mt,1H:9位のCH2の1H);3.93(mt,2H:24位のCH2);4.40(mt,1H:9位のCH2の1H);4.70から4.80(mt,3H:3位のCH-14位のCHおよび27位のCH);5.42(d,J=9Hz,1H:13位のCH);5.67(mt,1H:10位のCH);5.79(dd,J=17および2.5Hz,1H:6位のCH);5.93(mt,1H:CONH);6.18(d,J=16Hz,1H:11位のCH);6.52(dd,J=17および5Hz,1H:5位のCH);8.12(s,1H:20位のCH)。
【0063】
実施例8
16-メチルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIB
[(16R)/(16s)異性体=70/30の混合物]:
56gの硫酸マグネシウムおよび9.46cm3のメチルアミン(エタノール溶液中、約8M)を、約20℃でアルゴン雰囲気下で20gのプリスチナマイシンIIB(280cm3のメタノール溶液中)に加える。反応混合物を約20℃で24時間撹拌する。反応混合物をCeliteで濾過し、そしてCeliteをメタノールで数回洗浄する。2.86gのシアノ硼水素化ナトリウムおよび9.46cm3の酢酸を濾液に加える。反応混合物を5時間撹拌した後、得られた溶液を減圧下(2.7kPa)、30℃で濃縮乾固する。残渣を200cm3のジクロロメタンに溶解し、そして次に飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄する。水性相をデカントし、そして次に3回100cm3のジクロロメタンで抽出する。有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧下(2.7kPa)で濃縮して17.8gのオレンジ色の粉末を得、これをフラッシュクロマトグラフィーにより精製する[溶出液:ジクロロメタン−メタノール(70-30、次に60/40、容量による)]。10.5gの16-メチルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIB((16R)/(16S)異性体=70/30の混合物)をこのように黄色の粉末状で単離する。
1H NMR スペクトル[シン(16R)異性体70%、アンチ(16S)異性体30%](400MHz,CDCl3,ppmでのδ):0.90から1.10(mt,9H:30位のCH3-31位のCH3および32位のCH3);1.20から1.40(mt:シン異性体の15位のCH2の1H);1.65から2.00(mt:シン異性体の15位のCH2の1H-アンチ異性体の15位のCH2の1H-25位のCH2-26位のCH2の1Hおよび29位のCH);1.73および1.77(2s:それぞれアンチ異性体の33位のCH3およびシン異性体の33位のCH3);2.05から2.15(mt:26位のCH2の1H);2.18(dt,J=15および3Hz,アンチ異性体の15位のCH2の1H);2.20から2.60(広い非解像コンプレックス;NH);2.51および2.52(2s:それぞれアンチ異性体のNCH3およびシン異性体のNCH3);2.60(dd,J=16および11Hz:アンチ異性体の17位のCH2の1H);2.70から2.80(mt:4位のCH);2.75(dd,J=16および8Hz:シン異性体の17位のCH2の1H);3.05から3.20(mt:17位のCH2の1Hおよびシン異性体の16位のCH);3.30から3.40(mt:アンチ異性体の9位のCH2の1Hおよびアンチ異性体の16位のCH);3.48(mt:シン異性体の9位のCH2の1H);3.83および3.98(2mts,全部で2時間:24位のCH2);4.37(mt:シン異性体の9位のCH2の1H);4.50(mt:アンチ異性体の9位のCH2の1H);4.65から4.80(mt:3位のCH-27位のCHおよびシン異性体の14位のCH);4.83(mt:アンチ異性体の14位のCH);5.39(d,J=9Hz:シン異性体の13位のCH);5.65(mt.1H:10位のCH);5.70から5.85(mt:6位のCHおよびアンチ異性体の13位のCH);5.96(mt,1H:CONH);6.16および6.23(2d,J=16Hz,全部で1H;それぞれシン異性体の11位のCHおよびアンチ異性体の11位のCH);6.45および6.52(2dd,J=16および5Hz,全部で1H:それぞれアンチ異性体の5位のCHおよびシン異性体の5位のCH);8.10および8.12(s:それぞれシン異性体の20位のCHおよびアンチ異性体の20位のCH)。
【0064】
16-メチルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIB((16R)/(16S)異性体=70/30の混合物)から出発する高性能液体クロマトグラフィーでは、(16R)-16-メチルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIBが、128℃付近で融解(分解)する黄色の固体状で得られる。
1H NMR スペクトル(400MHz,CDCl3,ppmでのδ):0.96および1.00(2d,J=6.5Hz,各3H:30位でのCH3および31位でのCH3);1.08(d,J=6.5Hz,3H:32位のCH3);1.33(mt,1H:15位のCH2の1H);1.60から2.05(mt,5H:15位のCH2の1H-25位のCH2-26位のCH2の1Hおよび29位のCH);1.75(s,3H:33位のCH3);2.11(mt,1H:26位のCH2の1H);2.53(s,3H:NCH3);2.70から2.80(mt,1H:4位のCH);2.75および3.12(2dd,それぞれJ=16および8HzならびにJ=16および4Hz,各1H:17位のCH2);3.10から3.20(mt,1H:16位のCH);3.48(mt,1H:9位のCH2の1H);3.82および3.98(2mts,各1H:24位のCH2);4.37(mt,1H:9位のCH2の1H);4.65から4.80(mt,3H:3位のCH-14位のCHおよび27位のCH);5.40(d,J=9Hz,1H:13位のCH);5.64(mt.1H:10位のCH);5.78(dd,J=17および2.5Hz,1H:6位のCH);5.96(mt,1H:CONH);6.16(d,J=16Hz,1H:11位のCH);6.52(dd,J=17および5Hz,1H:5位のCH);8.10(s,1H:20位のCH)。
【0065】
実施例9
(16R)-16-イソプロピルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIB ヒドロクロライド
72gの硫酸マグネシウム、8.8gの酢酸アンモニウムおよび3.3gのシアノ硼水素化ナトリウムを約20℃で、アルゴン雰囲気下で12gのプリスチナマイシンIIB(120cm3のメタノール溶液中)に加える。20時間撹拌した後、33.5cm3のアセトンを加え、そして反応混合物を7時間、約20℃で撹拌した後にCeliteで濾過する。Celiteをジクロロメタンで数回洗浄し、そしてプールした濾液を減圧下(2.7kPa)、30℃で濃縮乾固する。残渣を400cm3のジクロロメタンに溶解し、そしてこのようにして得た溶液を3回200cm3の飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄する。最終的な有機相を減圧下(2.7kPa)、30℃で濃縮乾固して、11.3gのオレンジ色の粉末を得、これをフラッシュクロマトグラフィーにより精製し[勾配溶出:n-ブタノール−酢酸エチル−エタノール−水(10-60-15-15、次に20-50-15-15、次に30-40-15-15、容量による)]、2.92gの16-イソプロピルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIB((16R)/(16S)異性体=75/25の混合物)を黄色の粉末状で得る。2つのエピマーを遠心分配クロマトグラフィーにより分離し[溶出液:酢酸エチル−ヘキサン−メタノール−水(2-1-1-1.8、容量による)]、0.77gの(16R)-16-イソプロピルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIBを白色粉末状で得る。これを10.8cm3の0.1N 塩酸および27.7cm3の水の混合物に溶解する。このように得られた溶液を次に濾過し、そして濾液を凍結乾燥して0.72gの(16R)-16-イソプロピルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIBヒドロクロライドを、135℃付近で融解(分解)する白色粉末状で得る。
1H NMR スペクトル(400MHz,CDCl3,ppmでのδ):0.90から1.05(mt,6H:30位のCH3および31位のCH3);1.07(d,J=6.5Hz,3H:32位のCH3);1.44および1.54(2d,J=6.5Hz,各3H:イソプロピルの2CH3);1.70から2.25(mt,7H:15位のCH2-25位のCH2-26位のCH2および29位のCH);1.85(s,3H:33位のCH3);2.74(mt,1H:4位のCH);3.34(mt,2H:17位のCH2);3.45(mt,1H:イソプロピルのCH);3.56(mt,1H:9位のCH2の1H);3.67(mt,1H:16位のCH);3.82および3.95(2mts,各1H:24位のCH2);4.31(mt,1H:9位のCH2の1H);4.70から4.80(mt,2H:3位のCHおよび27位のCH);4.85(mt.1H:14位のCH);5.41(d,J=9Hz,1H:13位のCH);5.75(mt,1H:10位のCH);5.83(dd,J=16および2Hz,1H:6位のCH);6.22(d,J=16Hz,1H:11位のCH);6.46(mt,1H:CONH);6.54(dd,J=16および5Hz,1H:5位のCH);8.10(s,20位のCH)。
【0066】
実施例10
(16R)-16-ジメチルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIB
50gの硫酸マグネシウムおよび9.5cm3のメチルアミンを約20℃で、アルゴン雰囲気下で20gのプリスチナマイシンIIB(300cm3のメタノール溶液中)に加える。22時間撹拌した後、反応混合物を-5℃に冷却し、そして16.1gのトリアセトキシ硼水素化ナトリウムを加える。反応混合物を5時間、−5℃から0℃の間で撹拌し、そして温度を約20℃に12時間にわたって戻す。11.35gのパラホルムアルデヒドを次に加え、そして次に6時間撹拌した後、16.1gのトリアセトキシ硼水素化ナトリウムを加える。混合物を次に1時間撹拌した後、2.27gのパラホルムアルデヒドを加える。16時間撹拌した後、反応混合物をCeliteで濾過する。Celiteを300cm3のメタノールで洗浄し、濾液を減圧下(2.7kPa)で濃縮乾固して残渣を得、これを500cm3のジクロロメタンに希釈する。有機相を600cm3の5%重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄する。有機相をデカントし、そして水性相を500cm3のジクロロメタンに2回溶解する。有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして次に減圧下(2.7kPa)で濃縮乾固して、23gの栗色の粉末を得、これをフラッシュクロマトグラフィーにより精製する[溶出液:ジクロロメタン−メタノール−アセトニトリル(90-5-5、容量による)]。3.4gの122℃付近で融解(分解)する(16R)-16-ジメチルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIBをこのようにして栗-ベージュ色の粉末状で得る。
1H NMR スペクトル(400MHz,CDCl3,ppmでのδ):0.95および0.98(2d,J=6.5Hz,各3H:30位でのCH3および31位でのCH3);1.07(d,J=6.5Hz,3H:32位のCH3);1.60から2.00(mt,6H:15位のCH2-25位のCH2-26位のCH2の1Hおよび29位のCH);1.78(s,3H:33位のCH3);2.11(mt,1H:26位のCH2の1H);2.36(s,6H:N(CH3)2);2.61(dd,J=16および10Hz,1H:17位のCH2の1H);2.72(mt,1H:4位のCH);2.98(dd,J=16および4Hz,1H:17位のCH2の1H);3.21(mt,1H:16位のCH);3.52(mt,1H:9位のCH2の1H);3.83および3.92(2mts,各1H:24位のCH2);4.32(mt,1H:9位のCH2の1H);4.67(mt,1H:14位のCH);4.74(dd,J=9および3Hz,1H:27位のCH);4.79(dd,J=10および2Hz,1H:3位のCH);5.35(d,J=9Hz,1H:13位のCH);5.65(mt,1H:10位のCH);5.78(dd,J=16および2Hz,1H:6位のCH);6.07(mt,1H:CONH);6.17(d,J=16Hz,1H:11位のCH);6.53(dd,J=16および5Hz,1H:5位のCH);8.06(s,20位のCH)。
【0067】
実施例11
(16R)-16-(アリル)(メチル)アミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIB
20gの硫酸マグネシウムおよび2.3cm3のアリルアミンを20℃付近で、窒素雰囲気下にて7gのプリスチナマイシンIIB(100cm3のメタノール溶液中)に加える。21時間45分撹拌した後、0.5cm3のアリルアミンを加え、そして次に4時間45分後、1.67gのシアノ硼水素化ナトリウムそして次いで7cm3の酢酸を加える。反応混合物を4時間30分撹拌した後、さらに100mgのシアノ硼水素化ナトリウムを加える。さらに25時間撹拌した後、2.39gのパラホルムアルデヒドを加え、そして撹拌を続行する。同量のパラホルムアルデヒドを30分間の間隔で3回加え、そして最後の添加から1時間後に、450mgのシアノ硼水素化ナトリウム、3.5cm3の酢酸および再度2.39gのパラホルムアルデヒドを加える。19時間30分撹拌した後、混合物をCeliteで濾過し、そして次いでメタノールですすぐ。濾液を減圧下(2.7kPa)、30℃で濃縮乾固し、そして得られた残渣を300cm3の塩化メチレンおよび600cm3の5%重炭酸ナトリウム溶液に溶解する。水性相をデカントし、そして200cm3の塩化メチレンで抽出する。有機相をプールし、300cm3の蒸留水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして次に減圧下(2.7kPa)で濃縮乾固して固体を得、これを減圧下(90Pa)、20℃で乾燥させ、そして次にフラッシュクロマトグラフィーにより精製する[溶出液:ジクロロメタン−メタノール(95-5、容量による)]。1.25gの124℃付近で融解(分解)する(16R)-16-(アリル)(メチル)アミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIBをオフホワイト色の固体状で得る。
1H NMR スペクトル(400MHz,CDCl3,ppmでのδ):0.95および0.99(2d,J=6.5Hz,各3H:30位でのCH3および31位でのCH3);1.08(d,J=6.5Hz,3H:32位のCH3);1.65から2.00(mt,6H:15位のCH2-25位のCH2-26位のCH2の1Hおよび29位のCH);1.78(s,3H:33位のCH3);2.12(mt,1H:26位のCH2の1H);2.32(s,3H:NCH3);2.64および2.98(2dd,それぞれJ=16および10HzならびにJ=16および4Hz,各1H:17位のCH2);2.73(mt,1H:4位のCH);3.05および3.28(2dd,それぞれJ=14および7HzならびにJ=14および6Hz,各1H:N(アリル)のCH2);3.35(mt,1H:16位のCH);3.52(mt,1H:9位のCH2の1H);3.84および3.93(2mts,各1H:24位のCH2);4.34(mt,1H:9位のCH2の1H);4.67(mt,1H:14位のCH);4.75(dd,J=9および2.5Hz,1H:27位のCH);4.80(dd,J=8および1.5Hz,1H:3位のCH);5.19および5.23(それぞれd,J=10Hzおよびdd,J=18および1.5Hz,各1H:アリル=CH2);5.36(d,J=9Hz,1H:13位のCH);5.67(mt,1H:10位のCH);5.80(dd,J=17および2.5Hz,1H:6位のCH);5.80から5.95(mt,1H:アリルのCH=);6.02(mt,1H:CONH);6.18(d,J=16Hz,1H:11位のCH);6.53(dd,J=17および5Hz,1H:5位のCH);8.07(s,1H:20位のCH)。
【0068】
実施例12
16-プロピン-2-イルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIA
[(16R)/(16S)異性体=65/35の混合物]
0.130cm3のプロパルギルアミンそして次に0.053cm3の酢酸を20℃付近の温度で、アルゴン雰囲気下にて0.5gのプリスチナマイシンIIA(70cm3の無水アセトニトリル溶液中)に加える。混合物を20℃付近の温度で18時間撹拌し、そして次に0.13cm3のプロパルギルアミンをさらに加える。混合物を20℃の温度で4時間撹拌し、そして次に減圧下(2.7kPa)、30℃付近の温度で不溶性物質が現れるまで濃縮する。0.072gのシアノ硼水素化ナトリウム、そして次に1.2cm3の濃酢酸を20℃付近の温度で、アルゴン雰囲気下にて加える。混合物を20℃付近の温度で1時間30分間撹拌する。反応混合物を減圧下(2.7kPa)で濃縮乾固する。得られた残渣を次にジクロロメタンに溶解し、そして有機相を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で2回洗浄する。水性相を合わせ、そしてジクロロメタンで抽出する。有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、焼結ガラスで濾過し、そして減圧下(2.7kPa)で濃縮乾固する。得られた残渣を調製用プレートクロマトグラフィー(メルク:Merck、シリカゲル 60F254;厚さ=2mm、20H20cm)により精製し、ジクロロメタン−メタノール−アセトニトリル(90-5-5、容量による)混合物で溶出して、0.205gの16-プロピン-2-イルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIA((16R)/(16S)異性体=65/35の混合物)をベージュ色の粉末状で得る。
1H NMR スペクトル[シン(16R)異性体65%およびアンチ(16S)異性体35%](400MHz,CDCl3,ppmでのδ):0.90から1.05(mt,6H:30位のCH3および31位のCH3;1.05から1.20(mt,3H:32位のCH3);1.50から2.10(mt:15位のCH2および29位のCH);1.64および1.74(2s,それぞれアンチ異性体の33位のCH3およびシン異性体の33位のCH3);2.27および2.32(2t,J=2.5Hz:それぞれシン異性体の2-プロピニルのCHおよびアンチ異性体の2-プロピニルのCH);2.55から2.95(mt:25位のCH2-17位のCH2の1H-シン異性体の16位のCHおよび4位のCH);3.00(dd,J=14および2.5Hz:シン異性体の17位のCH2の1H);3.22(dd,J=14および2.5Hz:アンチ異性体の17位のCH2の1H);3.36(mt:アンチ異性体の9位のCH2の1H);3.45から3.60(mt:2-プロピニルのNCH2およびアンチ異性体の16位のCH);3.82(広いd,J=18Hz:シン異性体の9位のCH2の1H);4.10から4.60(mt:24位のCH2-9位のCH2の1Hおよびシン異性体の14位のCH);4.75から4.85(mt:アンチ異性体の14位のCHおよびシン異性体の13位のCH);4.90から5.00(mt,1H:3位のCH);5.45から5.60(mt:アンチ異性体の10位のCH):5.50(d,J=8Hz:アンチ異性体の13位のCH);5.64(mt:シン異性体の10位のCH);5.80から6.10(mt:6位のCH-11位のCHおよびアンチ異性体の26位のCH);6.13(t,J=3Hz:シン異性体の26位のCH);6.53(dd,J=16および6Hz:アンチ異性体の5位のCH);6.55から6.70(mt:アンチ異性体のCONH);6.61(dd,J=16および7Hz:シン異性体の5位のCH);7.48(mt:シン異性体のCONH);7.87および8.08(2s:それぞれシン異性体の20位のCHおよびアンチ異性体の20位のCH)。
【0069】
実施例13
16-アリルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIA
[(16R)/(16S)異性体=65/35の混合物]
0.054cm3の酢酸を、0.5gのプリスチナマイシンIIA(15cm3のアセトニトリルおよび0.143cm3のアリルアミン中)の懸濁液に加え、20℃付近の温度に維持する。20℃付近の温度に1時間維持した後、0.072gのシアノ硼水素化ナトリウムそして次に1cm3の酢酸を連続して加える。20℃付近の温度で1時間後、7cm3の水および15cm3のジクロロメタンを反応混合物に加える。有機相をデカントし、そして10cm3の飽和重炭酸ナトリウム溶液で2回洗浄する。水性相を10cm3のジクロロメタンで抽出する。プールした有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧下(約2.7kPa)、40℃付近の温度で濃縮する。このようにして得られた明るい黄色の泡沫を、ジクロロメタン中の溶液中で被覆した調製用薄層クロマトグラフィー(6メルク調製用プレート、Kieselgel 60F254、20H20cm、厚さ=2mm)により精製し、ジクロロメタン−メタノール−アセトニトリル(80-10-10、容量による)混合物で溶出して、0.179gの16-アリルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIA((16R)/(16S)異性体=65/35の混合物)をクリーム色の泡沫状で得る。1H NMR スペクトル[(16R)/(16S)異性体=65/35の混合物](400MHz,CDCl3,ppmでのδ):0.95から1.05(mt,6H:30位のCH3および31位のCH3);1.10から1.20(mt,3H:32位のCH3);1.64および1.71(2s,全部で3H:それぞれアンチ異性体の33位のCH3およびシン異性体の33位でのCH3);1.70から2.10(mt,3H:15位のCH2および29位のCH);2.60から2.90(mt:25位のCH2-17位のCH2の1H-シン異性体の16位のCHおよび4位のCH);3.06(広いd,J=14Hz:シン異性体の17位のCH2の1H);3.22(広いd,J=15Hz:アンチ異性体の17位のCH2の1H);3.30から3.55(mt:アンチ異性体の9位のCH2の1H-アリルのNCH2およびアンチ異性体の16位のCH);3.85(広いd,J=18Hz:シン異性体の9位のCH2の1H);4.10から4.60(mt,24位のCH2-9位のCH2の1Hおよびシン異性体の14位のCH);4.80(mt:アンチ異性体の14位のCH);4.87(広いd,J=8Hz:シン異性体の13位のCH);4.90から5.00(mt,1H:3位のCH);5.15から5.30(mt:アリルの=CH2);5.45から5.60(mt:アンチ異性体の10位のCH):5.55(d,J=9Hz:アンチ異性体の13位のCH);5.63(mt:シン異性体の10位のCH);5.85から6.10(mt:6位のCH-11位のCH−アンチ異性体の26位のCHおよびアリルの=CH);6.14(広いs:シン異性体の26位のCH);6.45から6.60(mt:アンチ異性体5位のCHおよびアンチ異性体のCONH);6.62(dd,J=16および7Hz;シン異性体の5位のCH);7.39(mt:シン異性体のCONH);7.88および8.07(2s:それぞれシン異性体の20位のCHおよびアンチ異性体の20位のCH)。
【0070】
実施例14
(16R)-16-ジメチルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIA
6.9cm3のメチルアミン(8M、エタノール中)そして次に1.43cm3の酢酸を20℃付近の温度にてアルゴン雰囲気下で、28.5gのプリスチナマイシンIIA(780cm3の無水アセトニトリル溶液中)に加える。混合物を20℃付近の温度で48時間撹拌し、次いで3.8gのシアノ硼水素化ナトリウムおよび12cm3の酢酸をアルゴン雰囲気下で加える。混合物を20℃付近の温度で3時間撹拌した後に、さらに11cm3酢酸を加える。反応混合物を再度7.5時間、20℃付近の温度で撹拌する。次いで6gのパラホルムアルデヒドを加え、そして混合物を20℃付近の温度で17時間撹拌維持する。得られた白色の懸濁液を濾過し、そして濾液を減圧下(2.7kPa)、30℃付近の温度で濃縮する。残渣の濃い油を800cm3の酢酸エチルおよび300cm3の水に溶解する。約15分間撹拌した後、得られた溶液のpHを最初に濃水酸化ナトリウムを加えて9に調整し、そして次に150cm3の1N 水酸化ナトリウムを加えて11に調整する。得られた混合物を約1時間撹拌した後に、さらに50cm3の1N水酸化ナトリウムを加え、そしてさらに約1時間撹拌する。生成した混合物は静置後に分離し、そして有機相を100cm3の水で2回洗浄し、そして次に1N HClで3回抽出する(連続的に1000cm3、100cm3そして50cm3)。プールした酸性の水性相を200cm3のエーテルで抽出し、そして23cm3の濃水酸化ナトリウムを加えることによりpH10−11のアルカリ性とする。得られた水性相を300cm3のジクロロメタンで2回抽出し、そして有機相を合わせ、100cm3の水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、焼結ガラスで濾過し、そして次に減圧下(2.7kPa)、30℃付近の温度で濃縮乾固して白色固体を得る。これを200cm3のエーテルで撹拌し、そして次に濾過し、そして一定重量になるまで乾燥させて(90Pa、約20℃)、20gの白色粉末を得る。これをフラッシュクロマトグラフィー(溶出液、ジクロロメタン−メタノール−アセトニトリル(92-4-4、次に84-8-8、容量による)で精製して、5.2gの(16R)-16-ジメチルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIAを白色固体状で得る。この固体4.5gを、アセトニトリル−水(18cm3−9cm3)混合物から再結晶して、脱水そして減圧下で乾燥(90Pa、約20℃)した後に、3.46gの212℃付近で融解する白色粉末を得る。
1H NMR スペクトル(400MHz,CDCl3,ppmでのδ):0.90から1.05(mt,6H:30位のCH2および31位のCH3);1.13(d,J=6.5Hz,3H:32位のCH3);1.63(mt,1H:15位のCH2の1H);1.73(s,3H:33位のCH3);1.95から2.10(mt,2H:15位のCH2の1Hおよび29位のCH);2.36(s,6H:N(CH3)2);2.50から2.65(mt,2H:17位のCH2の1Hおよび16位のCH);2.65から2.75(mt,2H:4位のCHおよび25位のCH2の1H);2.80から2.95(mt,1H:25位のCH2の1H);2.97(d,J=11Hz,1H:17位のCH2の1H);3.79(広いd,J=18Hz,1H:9位のCH2の1H);4.21(mt,1H:24位のCH2の1H);4.30から4.50(mt,3H:9位のCH2の1H-24位のCH2の1Hおよび14位のCH);4.79(d,J=9Hz,1H:13位のCH);4.97(dd,J=10および1.5Hz,1H:3位のCH);5.64(mt,1H:10位のCH);5.90(広いd,J=16Hz,1H:11位のCH);6.04(d,J=16Hz,1H:6位のCH);6.13(t,J=3Hz,1H:26位のCH);6.62(dd,J=17および5Hz,1H:5位のCH);7.51(mt,1H:CONH);7.87(s:20位のCH)。
【0071】
実施例15
(16R)-16-メチルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIA
プリスチナマイシンIIAから出発して実施例12および13に記載の手法を行うことにより、(16R)-16-メチルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIAを、130℃付近で融解(分解)するクリーム色の泡沫状で得る。
1H NMR スペクトル(400MHz,CDCl3,ppmでのδ):0.90から1.05(mt,6H:30位のCH3および31位のCH3);1.12(d,J=6.5Hz,3H:32位のCH3);1.72(s,3H:3H:33位のCH3);1.80から2.10(mt,3H:15位のCH2および29位のCH);2.58(s,3H:NCH3);2.60から2.90(mt,4H:4位のCH-17位のCH2の1Hおよび25位のCH2);3.12(dd,J=14および1.5Hz,1H:17位のCH2の1H);3.35から3.45(mt,1H:16位のCH);3.86(広いd,J=18Hz,1H:9位のCH2の1H);4.18から4.40(mt,3H:9位のCH2の1Hおよび24位のCH2);4.55(mt,1H:14位のCH);4.89(d,J=9Hz,1H:13位のCH);4.93(dd,J=10および1.5Hz,1H:3位のCH);5.62(mt,1H:10位のCH);5.90(d,J=16Hz,1H:11位のCH);6.01(d,J=16Hz,1H:6位のCH);6.14(t,J=3Hz,1H:26位のCH);6.61(dd,J=17および5Hz,1H:5位のCH);7.38(mt,1H:CONH);7.90(s,1H:20位のCH)。
【0072】
実施例16
16-ベンジルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIA
[(16R)/(16S)異性体=50/50の混合物]
プリスチナマイシンIIAから出発して実施例12および13に記載の手法を行うことにより、16-ベンジルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIA[(16R)/(16S)異性体=50/50の混合物]を白色粉末状で得る。
1H NMR スペクトル[シン(16R)異性体50%およびアンチ(16S)異性体50%](400MHz,CDCl3,ppmでのδ):0.95から1.05(mt,6H:30位のCH3および31位のCH3);1.05から1.20(mt,3H:32位のCH3);1.45および1.63(2s:それぞれアンチ異性体の33位のCH3およびシン異性体の33位のCH3);1.50から2.15(mt,3H:15位のCH2および29位のCHに対応);2.60から2.95(mt:25位のCH2-アンチ異性体の17位のCH2の1H-シン異性体の17位のCH2および4位のCH);3.12(mt:シン異性体の16位のCH);3.29(広いd,J=15Hz:アンチ異性体の17位のCH2の1H);3.35(mt:アンチ異性体の9位のCH2の1H);3.47(mt:アンチ異性体の16位のCH);3.80から4.10(mt:シン異性体の9位のCH2の1HおよびベンジルのNCH2);4.10から4.45(mt:24位のCH2-シン異性体の9位のCH2の1Hおよびシン異性体の14位のCH);4.54(mt:アンチ異性体の9位のCH2の1H);4.75から4.85(mt:アンチ異性体の14位のCHおよびシン異性体の13位のCH);4.90から5.00(mt,1H:3位のCH);5.40(d,J=8Hz:アンチ異性体の13位のCH);5.45から5.65(mt,1H:10位のCH):5.80から6.05(mt:6位の2Hおよび11位のCH);6.08および6.14(2t,J=3Hz,全部で1H:それぞれアンチ異性体の26位のCHおよびシン異性体の26位のCH);6.45から6.55(mt:アンチ異性体のCONH);6.54(dd,J=16および6Hz;アンチ異性体の5位のCH);6.61(dd,J=16および7Hz:シン異性体の5位のCH);7.25から7.45(mt:フェニルの5Hおよびシン異性体のCONH);7.86および8.09(2s:それぞれシン異性体の20位のCHおよびアンチ異性体の20位のCH)。
【0073】
実施例17
(16R)-16-メトキシアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIB
300cm3のメタノールおよび100cm3の酢酸溶液中の、10gのプリスチナマイシンIIB O-メチルオキシム(ZおよびE異性体の70/30混合物)を、丸底フラスコに入れて窒素雰囲気下に維持する。混合物を-70℃に冷却した後、10.3gのシアノ硼水素化ナトリウムを加える。温度をゆっくりと約20℃に上げ、そして反応混合物を48時間、撹拌せずにおく。有毒ガス排気吸引下に維持した溶液にアルゴン流を1時間通気し、そして次に溶媒を減圧下(2.7kPa)、20℃で蒸発させ、そして残渣を200cm3の塩化メチレンおよび100cm3蒸留水に溶解する。水性相を30cm3の濃NaOHを添加することによりpH8のアルカリ性とし、そして混合物を30分間撹拌した後、分別漏斗に移す。有機相をデカントし、そして次に100cm3の蒸留水で2回洗浄する。有機相をデカントし、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして次に減圧下(2.7kPa)、20℃で濃縮して無色の油を得、これをジエチルエーテル中で撹拌し;得られた沈殿物を濾過する。9.1gの白色粉末をこのようにして得、これをフラッシュクロマトグラフィー(溶出液、CH2Cl2−MeOH 97-3、容量による)で精製する。1.88gの195℃で融解する(16R)-16-メトキシアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIBを白色粉末状で得る。
1H NMR スペクトル(600MHz,CDCl3,ppmでのδ):0.95および1.00(2d,J=6.5Hz,各3H:30位のCH3および31位のCH3);1.07(d,J=6.5Hz,3H:32位のCH3);1.60から2.00(mt,6H:15位のCH2-25位のCH2-26位のCH2の1Hおよび29位のCH);1.80(s,3H:33位のCH3);2.15(mt,1H:26位のCH2の1H);2.70から2.80(mt,1H:4位のCH);2.76および3.24(2dd,それぞれJ=16および8HzならびにJ=16および4Hz,各1H:17位のCH2);3.45から3.55(mt,2H:16位のCHおよび9位のCH2の1H);3.60(s,3H:OCH3);3.92(mt,2H:24位のCH2);4.43(mt,1H:9位のCH2の1H);4.70から4.80(mt,3H:3位のCH-14位のCHおよび27位のCH);5.34(d,J=9Hz,1H:13位のCH);5.70(mt,1H:10位のCH);5.80(dd,J=16および2Hz,1H:6位のCH);6.14(mt,1H:CONH);6.18(d,J=16Hz,1H:11位のCH);6.51(dd,J=16および5Hz,1H:5位のCH);8.09(s,1H:20位のCH)。
【0074】
プリスチナマイシンIIB O-メチルオキシム(ZおよびE異性体の70/30混合物)は、以下の様式で製造できる:
20gのプリスチナマイシンIIB(800cm3の無水ピリジン溶液中)を3首フラスコに入れ、そして4.2gのメトキシアミンヒドロクロライドを加える。21時間撹拌した後、ピリジンを減圧下(2.7kPa)、40℃で蒸発させ、そして次に得られた残渣を500cm3の塩化メチレンおよび1リットルの蒸留水に溶解する。有機相をデカントし、1リットルの蒸留水で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧下(2.7kPa)、40℃で濃縮乾固して残渣を得、これを300cm3のジエチルエーテル中で撹拌する。沈殿を濾過し、減圧(90Pa)下で乾燥させ、そして次にフラッシュクロマトグラフィーで精製する(溶出液 CH2Cl2-MeOH 95-5、容量による)。16.9gのプリスチナマイシンIIB O-メチルオキシム(ZおよびE異性体の70/30混合物)はこのようにして、198〜199℃付近で融解する(分解)白色固体状で得られ、そしてこれを続く操作にそのまま使用する。
1H NMR スペクトル(300MHz,CDCl3,ppmでのδ):0.90から1.10(mt,9H:30位のCH3-31位のCH3および32位のCH3);1.73および1.74(2s,全部で3H:それぞれE異性体の33位のCH3およびZ異性体の33位のCH3);1.75から2.35(mt:25位のCH2-26位のCH2-29位のCHおよびE異性体の15位のCH2の1H);2.51および2.65(2dd,それぞれJ=17および6HzならびにJ=17および5Hz:Z異性体の15位のCH2);2.65から2.80(mt,1H:4位のCH);3.00(dd,J=13および6Hz:E異性体の15位のCH2の1H);3.22(d,J=6Hz:Z異性体のOH);3.30から3.45(mt:9位のCH2の1H);3.58および3.68(2d,J=15Hz:E異性体の17位のCH2);3.65から3.80(mt,1H:24位のCH2の1H);3.62および4.04(2d,J=16.5Hz:Z異性体の17位のCH2);3.92および3.94(2s,全部で3H:それぞれZ異性体のOCH3およびE異性体のOCH3);3.95から4.20(mt,1H:24位のCH2の1H);4.35から4.55(mt,1H:9位のCH2の1H);4.60から4.80(mt,2H:3位のCHおよび27位のCH);4.80から4.90(mt:E異性体の13位のCHおよびZ異性体の14位のCH);5.06(mt:E異性体の14位のCH);5.57(d,J=9Hz:Z異性体の13位のCH):5.60から5.90(mt,2H:10位のCHおよび6位のCH);6.05および6.14(2d,J=16Hz,全部で1H:それぞれE異性体の11位のCHおよびZ異性体の11位のCH);6.28(mt:Z異性体のCONH);6.47(d,J=16および5Hz,1H;5位のCH);7.47(mt:E異性体のCONH);7.77(s:E異性体の20位のCH);8.08(s:Z異性体の20位のCH)。
【0075】
実施例18
(16R)-16-エトキシアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIB
実施例17に記載の手法を行うことにより、しかし1.53gのプリスチナマイシンIIB O-エチルオキシム(EおよびZ異性体の50/50混合物)(45cm3のメタノール、15cm3の酢酸および1.67gのシアノ硼水素化ナトリウム溶液中)から出発し、そして67時間反応させた後、1.4gの白色固体を得、この固体をフラッシュクロマトグラフィーにより精製(溶出液 CH2Cl2-MeOH 97/3、容量による)して、360mgの(16R)-16-エトキシアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIBを、205℃で融解する白色固体状で得る。
1H NMR スペクトル(400MHz,CDCl3,ppmでのδ):0.96および1.00(2d,J=6.5Hz,各3H:30位のCH3および31位のCH3);1.08(d,J=6.5Hz,3H:32位のCH3);1.19(t,J=7Hz,3H:エチルのCH3);1.60から2.00(mt,6H:15位のCH2-25位のCH2-26位のCH2の1Hおよび29位のCH);1.80(s,3H:33位のCH3);2.14(mt,1H:26位のCH2の1H);2.70から2.80(mt,1H:4位のCH);2.76および3.26(2dd,それぞれJ=16および8HzならびにJ=16および4Hz,各1H:17位のCH2);3.45から3.55(mt,2H:16位のCHおよび9位のCH2の1H);3.79(q,J=7Hz,2H:エチルのCH2);3.93(mt,2H:24位のCH2);4.43(mt,1H:9位のCH2の1H);4.70から4.80(mt,3H:3位のCH-14位のCHおよび27位のCH);5.34(d,J=9Hz,1H:13位のCH);5.70(mt,1H:10位のCH);5.80(dd,J=16および2Hz,1H:6位のCH);6.13(mt,1H:CONH);6.17(d,J=16Hz,1H:11位のCH);6.51(dd,J=16および5Hz,1H:5位のCH);8.08(s,1H:20位のCH)。
【0076】
プリスチナマイシンIIB O-エチルオキシム(ZおよびE異性体の70/30混合物)は、実施例17に記載の方法により行うが、12gのプリスチナマイシンIIBから出発する。400cm3のピリジン中の2.44gのO-エチルヒドロキシルアミン ヒドロクロライド。抽出およびジエチルエーテルで撹拌した後、11.28gのプリスチナマイシンIIB O-エチルオキシム(ZおよびE異性体の70/30混合物)が114℃で融解(分解)する明黄色の固体状で得られ、そしてこれをそのまま続く操作に使用する。
2つのZ/E異性体の70/30混合物の1H NMR スペクトル(400MHz,CDCl3,ppmでのδ):0.90から1.10(mt,9H:30位のCH3-31位のCH3および32位のCH3);1.25から1.35(mt,3H:エチルのCH3);1.70および1.75(2s,全部で3H:それぞれE異性体の33位のCH3およびZ異性体の33位のCH3);1.75から2.35(mt:25位のCH2-26位のCH2-29位のCHおよびE異性体の15位のCH2の1H);2.52および2.68(2dd,それぞれJ=16.5および6HzならびにJ=16.5および5Hz:Z異性体の15位のCH2);2.70から2.80(mt,1H:4位のCH);3.02(dd,J=13および5Hz:E異性体の15位のCH2の1H);3.25(d,J=6Hz:Z異性体のOH);3.30から3.45(mt,1H:9位のCH2の1H);3.61および3.72(2d,J=15Hz:E異性体の17位のCH2);3.70から3.80(mt,1H:24位のCH2の1H);3.63および4.07(2d,J=16Hz:Z異性体の17位のCH2);4.00および4.25(mt,3H:24位のCH2の1HおよびOCH2);4.40から4.55(mt,1H:9位のCH2の1H);4.65から4.90(mt:27位のCH-3位のCHおよびZ異性体の14位のCH);4.91(d,J=9Hz:E異性体の13位のCH);5.08(mt:E異性体の14位のCH);5.59(d,J=9Hz:Z異性体の13位のCH):5.65から5.80
(mt,1H:10位のCH);5.79および5.85(2dd,それぞれJ=17および2HzならびにJ=17および1.5Hz,全部で1H:Z異性体の6位のCHおよびE異性体の6位のCH);6.06および6.15(2d,J=16Hz,全部で1H:それぞれE異性体の11位のCHおよびZ異性体の11位のCH);6.24(mt:Z異性体のCONH);6.40から6.55(mt,1H;5位のCH);7.43(mt:E異性体のCONH);7.79(s:E異性体の20位のCH);8.09(s:Z異性体の20位のCH)。
【0077】
実施例19
(16R)-16-アリルオキシアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIB
実施例17に記載の手法を行うことにより、しかし1.46gのプリスチナマイシンIIB O-アリルオキシム(E/Z異性体の65/35混合物)(42cm3のメタノール、14cm3の酢酸および1.57gのシアノ硼水素化ナトリウム溶液中)から出発し、そして96時間反応させた後、1.3gの白色固体を単離し、この固体をフラッシュクロマトグラフィーにより精製(溶出液 CH2Cl2-MeOH 97/3、容量による)して、0.31gの(16R)-16-アリルオキシアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIBを、130℃で融解する白色固体状で得る。
1H NMR スペクトル(400MHz,CDCl3,ppmでのδ):0.95および1.00(2d,J=6.5Hz,各3H:30位のCH3および31位のCH3);1.07(d,J=6.5Hz,3H:32位のCH3);1.60から2.05(mt,6H:15位のCH2-25位のCH2-26位のCH2の1Hおよび29位のCH);1.80(s,3H:33位のCH3);2.14(mt,1H:26位のCH2の1H);2.24(広いs,1H:OH);2.70から2.85(mt,1H:4位のCH);2.77および3.27(2dd,それぞれJ=16および8HzならびにJ=16および4Hz,各1H:17位のCH2);3.45から3.55(mt,2H:16位のCHおよび9位のCH2の1H);3.92(mt,2H:24位のCH2);4.25(mt,2H:CH2O);4.43(mt,1H:9位のCH2の1H);4.70から4.80(mt,3H:3位のCH-14位のCHおよび27位のCH);5.23および5.30(2dd,それぞれJ=10および1.5HzならびにJ=18および1.5Hz,各1H:アリルの=CH2);5.34(d,J=9Hz,1H:13位のCH);5.60(非解像コンプレックス,1H:NH);5.70(mt,1H:10位のCH);5.80(dd,J=16および2Hz,1H:6位のCH);5.95(mt,1H:アリルのCH);6.12(mt,1H:CONH);6.18(d,J=16Hz,1H:11位のCH);6.51(dd,J=16および5Hz,1H:5位のCH);8.09(s,1H:20位のCH)。
【0078】
プリスチナマイシンIIB O-アリルオキシム(ZおよびE異性体の65/55混合物)は、実施例17に記載の方法を行うことにより製造できるが、200cm3のピリジン中の5gのプリスチナマイシンIIB、1.14gのO-アリルヒドロキシルアミン ヒドロクロライドから出発する。抽出およびジエチルエーテル中で撹拌した後、4.2gのプリスチナマイシンIIB O-アリルオキシム(ZおよびE異性体の65/55混合物)が102-104℃で融解する黄土色の固体状で得られ、そしてこれをそのまま続く操作に使用する。
1H NMR スペクトル(300MHz,CDCl3,ppmでのδ):0.90から1.10(mt,9H:30位のCH3-31位のCH3および32位のCH3);1.73および1.74(2s,全部で3H:それぞれE異性体の33位のCH3およびZ異性体の33位のCH3);1.75から2.35(mt:25位のCH2-26位のCH2-29位のCHおよびE異性体の15位のCH2の1H);2.51および2.65(2dd,それぞれJ=17および6HzならびにJ=17および5Hz:Z異性体の15位のCH2);2.65から2.80(mt,1H:4位のCH);3.00(dd,J=13および6Hz:E異性体の15位のCH2の1H);3.22(d,J=6Hz:Z異性体のOH);3.30から3.45(mt,1H:9位のCH2の1H);3.58および3.68(2d,J=15Hz:E異性体の17位のCH2);3.65から3.80(mt,1H:24位のCH2の1H);3.62および4.04(2d,J=16.5Hz:Z異性体の17位のCH2);3.92および3.94(2s,全部で3H:それぞれZ異性体のOCH3およびE異性体のOCH3);3.95から4.20(mt,1H:24位のCH2の1H);4.35から4.55(mt,1H:9位のCH2の1H);4.60から4.80(mt,2H:3位のCHおよび27位のCH);4.80から4.90(mt:E異性体の13位のCHおよびZ異性体の14位のCH);5.06(mt:E異性体の14位のCH);5.57(d,J=9Hz:Z異性体の13位のCH):5.60から5.90(mt,2H:10位のCHおよび6位のCH);6.05および6.14(2d,J=16Hz,全部で1H:それぞれE異性体の11位のCHおよびZ異性体の11位のCH);6.28(mt:Z異性体のCONH);6.47(d,J=16および5Hz,1H;5位のCH);7.47(mt:E異性体のCONH);7.77(s:E異性体の20位のCH);8.08(s:Z異性体の20位のCH)。
【0079】
実施例20
(16R)-16-プロピルオキシアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIB
実施例17の手法を行うことにより、しかし1.5gのプリスチナマイシンIIB O-プロピルオキシム(ZおよびE異性体の50/50混合物)(45cm3のメタノール、15cm3の酢酸および1.61gのシアノ硼水素化ナトリウム溶液中)から出発し、そして50時間反応させた後、1.4gの白色固体を単離し、この固体をフラッシュクロマトグラフィーにより精製(溶出液 CH2Cl2-MeOH 97/3、容量による)して、0.31gの(16R)-16-プロピルオキシアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIBを、135℃で融解する白色固体状で得る。
1H NMR スペクトル(400MHz,CDCl3,ppmでのδ):0.90から1.05(mt,9H:30位のCH3-31位のCH3およびプロピルのCH3);1.08(d,J=6.5Hz,3H:32位のCH3);1.55から1.70(mt,3H:15位のCH2の1Hおよびプロピルの中央CH2);1.70から2.00(mt,5H:15位のCH2の1H-25位のCH2-26位のCH2の1Hおよび29位のCH);1.80(s,3H:33位のCH3);2.14(mt,1H:26位のCH2の1H);2.20から2.35(広い非解像コンプレックス,1H:OH);2.70から2.80(mt,1H:4位のCH);2.75(dd,J=16および8Hz,1H:17位のCH2の1H);3.27(dd,J=16および4Hz,1H:17位のCH2の1H);3.40から3.55(mt,2H:16位のCHおよび9位のCH2の1H);3.69(t,J=6.5Hz,2H:OCH2);3.85から4.00(mt,2H:24位のCH2);4.43(mt,1H:9位のCH2の1H);4.65から4.80(mt,3H:3位のCH-14位のCHおよび27位のCH);5.36(d,J=9Hz,1H:13位のCH);5.40から5.60(広い非解像コンプレックス,1H:NH);5.70(mt,1H:10位のCH);5.80(dd,J=16および1.5Hz,1H:6位のCH);6.14(mt,1H:CONH);6.17(d,J=16Hz,1H:11位のCH);6.51(dd,J=16および5Hz,1H:5位のCH);8.08(s,1H:20位のCH)。
【0080】
プリスチナマイシンIIB O-プロピルオキシム(ZおよびE異性体の85/15混合物)は、実施例17に記載の方法を行うことにより製造できるが、60cm3のピリジン中の4gのプリスチナマイシンIIB、2.6gのO-プロピルヒドロキシルアミン ヒドロクロライドから出発する。抽出および減圧下(2.7kPa)、20℃で乾燥させた後、得られた固体をアセトニトリル中で撹拌して、沈殿を濾過した後、2.75gのプリスチナマイシンIIB O-プロピルオキシム(ZおよびE異性体の85/15混合物)が130-132℃で融解する白色の固体状で得られ、そしてこれをそのまま続く操作に使用する。
1H NMR スペクトル(400MHz,CDCl3,ppmでのδ):0.90から1.10(mt,12H:30位のCH3-31位のCH3-32位のCH3およびプロピルのCH3);1.60から1.75(mt,2H:プロピルの中央CH2);1.75(s,3H:33位のCH3);1.75から2.00(mt,4H:25位のCH2-26位のCH2の1Hおよび29位のCH);2.15(mt,1H:26位のCH2の1H);2.51および2.65(2dd,それぞれJ=17および6HzならびにJ=17.5および5Hz,各1H:15位のCH2);2.74(mt,1H:4位のCH);3.20(d,J=6Hz,1H:OH);3.38(mt,1H:9位のCH2の1H);3.65(d,J=15Hz,1H:17位のCH2の1H);3.74(mt,1H:24位のCH2の1H);3.95から4.10(mt,4H:24位のCH2の1H-17位のCH2の1HおよびOCH2);4.43(mt,1H:9位のCH2の1H);4.67(dd,J=10および3Hz,1H:27位のCH);4.72(広いd,J=10Hz,1H:3位のCH);4.83(mt,1H:14位のCH);5.55(d,J=9Hz,1H:13位のCH);5.69(mt,1H:10位のCH);5.78(dd,J=17および1.5Hz,1H:6位のCH);6.13(d,J=16Hz,1H:11位のCH);6.26(mt,1H:CONH);6.46(dd,J=17および5Hz,1H:5位のCH);8.07(s,1H:20位のCH)。
【0081】
実施例21
(16R)-16-メトキシアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIA
この化合物は実施例17の手法を行うことにより、しかし3gのプリスチナマイシンIIA O-メチルオキシム(ZおよびE異性体の65/25混合物)(90cm3のメタノール、30cm3の酢酸および3.4gのシアノ硼水素化ナトリウム溶液中)から出発し、そして約20℃で1週間、そして30〜33℃で1週間反応させた後に得られる。3gの白色固体をこのようにして得、この固体をフラッシュクロマトグラフィーにより精製(溶出液 CH2Cl2-MeOH 97/3、容量による)して、0.36gの(16R)-16-メトキシアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIAを、150℃で融解する白色固体状で得る。
1H NMR スペクトル(400MHz,CDCl3,ppmでのδ):0.90から1.05(mt,6H:30位のCH3および31位のCH3);1.13(d,J=6.5Hz,3H:32位のCH3);1.59(広いs,1H:OH);1.65から1.85(mt,2H:15位のCH2);1.73(s,3H:33位のCH3);2.03(mt,1H:29位のCH);2.60から2.85(mt,2H:4位のCHおよび25位のCH2の1H);2.64(dd,J=14および11Hz,1H:17位のCH2の1H);2.85(mt,1H:25位のCH2の1H);2.95(mt,1H:16位のCH);3.20(dd,J=14および2.5Hz,1H:17位のCH2の1H);3.60(s,3H:OCH3);3.81(広いd,J=18Hz,1H:9位のCH2の1H);4.22(mt,1H:24位のCH2の1H);4.30から4.55(mt,3H:9位のCH2の1H-24位のCH2の1Hおよび14位のCH);4.83(d,J=9Hz,1H:13位のCH);4.96(広いd,J=10Hz,1H:3位のCH);5.47(広いs,1H:NH);5.65(mt,1H:10位のCH);5.90(広いd,J=16Hz,1H:11位のCH);6.03(広いd,J=17Hz,1H:6位のCH);6.14(t,J=3Hz,1H:26位のCH);6.62(dd,J=17および7Hz,1H:5位のCH);7.48(mt,1H:CONH);7.87(s,1H:20位のCH)。
【0082】
プリスチナマイシンIIA O-メチルオキシム(ZおよびE異性体の65/35混合物)は、実施例17に記載の方法を行うことにより得られるが、80cm3のピリジン中の8gのプリスチナマイシンIIAおよび1.43gのメトキシアミンヒドロクロライドから出発する。減圧下(2.7kPa)、45℃でピリジンを蒸発させた後、抽出、300cm3のジエチルエーテル中で生成物を撹拌、濾過、そしてジエチルエーテルで洗浄した後、7.51gのプリスチナマイシンIIA O-メチルオキシム(ZおよびE異性体の65/35混合物)が減圧下(90Pa)、40℃で乾燥した後に、204℃付近で融解する白色の固体状で得られ、そしてこれをそのまま続く操作に使用する。
【0083】
実施例22
(16R)-16-(1-ピロリジニル)アミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIB
実施例17の手法を行うことにより、しかし3gのプリスチナマイシンIIB(30cm3のメタノール中)、9gの硫酸マグネシウム、1.6cm3のトリエチルアミンおよび1.4gの1-アミノピロリジン ヒドロクロライドから出発し、そして18時間撹拌した後に0.43gのシアノ硼水素化ナトリウムおよび1.5cm3の酢酸を加えた後に、反応混合物を4時間撹拌し、そして処理後に3.5gの黄色粉末を得、これをフラッシュクロマトグラフィーにより精製[溶出液 ジクロロメタン−メタノール−アセトニトリル(90-5-5、容量による)]する。このようにして得た固体をエチルエーテル中で撹拌し、濾過により分離して0.56gの(16R)-16-(1-ピロリジニル)アミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIBを、130℃付近で融解するベージュ色粉末状で得る。
1H NMR スペクトル(400MHz,CDCl3,ppmでのδ):0.95および1.00(2d,J=6.5Hz,各3H:30位のCH3および31位のCH3);1.06(d,J=6.5Hz,3H:32位のCH3);1.53(mt,1H:15位のCH2の1H);1.70から2.20(mt,10H:15位のCH2の1H-25位のCH2-26位のCH2-29位のCHおよびピロリジニルの2CH2);1.83(s,3H:33位のCH3);2.70から2.90(mt,6H:4位のCH-17位のCH2の1Hおよびピロリジニルの2CH2N);3.06(dd,J=16および4Hz,1H:17位のCH2の1H);3.40から3.50(mt,2H:9位のCH2の1Hおよび16位のCH);3.82および3.97(2mts,各1H:24位のCH2);4.37(mt,1H:9位のCH2の1H);4.57(mt,1H:14位のCH);4.73(dd,J=9および3Hz,1H:27位のCH);4.77(dd,J=10および2Hz,1H:3位のCH);5.41(d,J=9Hz,1H:13位のCH);5.68(mt,1H:10位のCH);5.78(dd,J=17および2Hz,1H:6位のCH);6.01(mt,1H:CONH);6.18(d,J=16Hz,1H:11位のCH);6.50(dd,J=17および5Hz,1H:5位のCH);8.10(s,1H:20位のCH)。
【0084】
実施例23
(16R)-16-ジメチルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIF
0.069cm3のメチルアミン(8M、エタノール中)、そして次に0.015cm3の酢酸を、20℃付近の温度でアルゴン雰囲気下で、0.27gのプリスチナマイシンIIF(7cm3の無水アセトニトリル溶液中)に加える。混合物を20℃付近の温度で17時間撹拌し、そして次に0.038gのシアノ硼水素化ナトリウムおよび0.13cm3の酢酸をアルゴン雰囲気下で加える。混合物を20℃付近の温度で3時間撹拌した後、さらに0.1cm3の酢酸を加える。反応混合物を再度、20℃付近の温度で7時間撹拌する。0.9gのパラホルムアルデヒドを次に加え、そして媒質を20℃付近の温度に17時間撹拌維持する。得られた白色懸濁液を濾過し、そして濾液を30℃付近の温度で減圧下(2.7kPa)にて濃縮乾固する。残渣の濃い油を15cm3の酢酸エチルおよび3cm3の水に溶解する。15分間撹拌した後、得られた溶液のpHを濃水酸化ナトリウムを加えることにより最初に9に調整し、そして次に1.5cm3の1N 水酸化ナトリウムを加えることにより11に調整する。得られた混合物を約1時間撹拌し、静置した後に分離し、そして有機相を1cm3の水で2回洗浄し、そして次に1N塩酸で3回抽出する(連続的に10cm3、1cm3そして0.5cm3)。プールした酸性の水性相を3cm3のエーテルで洗浄し、そして次に濃水酸化ナトリウムを加えることによりpH10〜11のアルカリ性とする。得られた水性相を4cm3のジクロロメタンで2回抽出し、そして有機相を合わせ、2cm3の水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、焼結ガラスで濾過し、そして次に減圧下(2,7kPa)で30℃付近の温度で濃縮乾固して白色固体を得る。これを5cm3のエーテル中で撹拌し、そして次に濾過して一定重量まで乾燥させ(20℃で90Pa)、0.17gの白色粉末を得る。これをフラッシュクロマトグラフィーにより精製[溶出液 ジクロロメタン−メタノール−アセトニトリル(92-4-4)して、0.067gの(16R)-16-ジメチルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIFを、132℃で融解する白色固体状で得る。
1H NMR スペクトル(400MHz,CDCl3,ppmでのδ):0.90から1.00(mt,6H:30位のCH3および29位のエチルのCH3);1.07(d,J=6.5Hz,3H:32位のCH3);1.18および1.50(2mts,各1H:29位のエチルのCH2);1.60から2.00(mt,6H:15位のCH2-25位のCH2-26位のCH2の1Hおよび29位のCH);1.78(s,3H:33位のCH3);2.12(mt,1H:26位のCH2の1H);2.37(s,6H:N(CH3)2);2.62および2.99(2dd,それぞれJ=16および10HzならびにJ=16および4Hz,各1H:17位のCH2);2.76(mt,1H:4位のCH);3.22(mt,1H:16位のCH);3.51(mt,1H:9位のCH2の1H);3.83および3.94(2mts,各1H:24位のCH2);4.35(mt,1H:9位のCH2の1H);4.67(mt,1H:14位のCH);4.75(dd,J=9および2.5Hz,1H:27位のCH);4.91(dd,J=9.5および1.5Hz,1H:3位のCH);5.35(d,J=9Hz,1H:13位のCH);5.66(mt,1H:10位のCH);5.80(dd,J=16および1.5Hz,1H:6位のCH);6.02(mt,1H:CONH);6.18(d,J=16Hz,1H:11位のCH);6.54(dd,J=16および5Hz,1H:5位のCH);8.07(s,1H:20位のCH)。
【0085】
実施例24
上記実施例に類似する様式でこの手法を行うことにより、以下の生成物も製造できる:
−(16R)-16-(メトキシ)(メチル)アミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIB
−(16R)-16-(メトキシ)(メチル)アミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIA
−(16R)-16-(エトキシ)(メチル)アミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIB
−(16R)-16-(エトキシ)(メチル)アミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIA
−(16R)-16-(メチル)(プロポキシル)アミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIB
−(16R)-16-(メチル)(プロポキシル)アミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIA
−(16R)-16-(アリルオキシ)(メチル)アミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIB
−(16R)-16-(アリルオキシ)(メチル)アミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIA
−(16R)-16-(シクロプロピル)(メチル)アミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIB
−(16R)-16-(シクロプロピル)(メチル)アミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIA
−(16R)-16-(メチル)(プロピン-2-イル)アミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIB
−(16R)-16-(メチル)(プロピン-2-イル)アミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIA
−(16R)-16-(メチル)(1-ピロリジニル)アミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIB
本発明はまた、本発明の少なくとも1種のストレプトグラミン誘導体を純粋な状態で、B群ストレプトグラミンと組み合わせて、適当な場合は塩の状態で、かつ/または1種以上の適合性があり、しかも医薬的に許容できる希釈剤または補助剤と組み合わせて含む医薬組成物に関する。
【0086】
本発明の組成物は、経口、非経口、局所または直腸経路で、あるいはエアゾールの状態で使用できる。
【0087】
経口投与用の固体組成物として、錠剤、ピル、ゼラチンカプセル、粉末または粒子を使用することができる。このような組成物では、本発明の活性生成物を一般的には組み合わせた状態で、シュクロース、ラクトースまたは澱粉のような不活性な希釈剤または補助剤と混合する。このような組成物は希釈剤以外の物質、例えばステアリン酸マグネシウムまたは制御された放出を意図するためのコーティングのような潤滑剤を含んで成ってもよい。
【0088】
経口投与用の液体組成物として、水またはパラフィン油のような不活性な希釈剤を含有する医薬的に許容できる懸濁液、乳液、シロップおよびエリクシルである溶液を使用することができる。これらの組成物も希釈剤以外の物質、例えば湿潤剤、甘味剤または芳香剤生成物を含んで成ることができる。
【0089】
非経口投与用の組成物は、乳液または滅菌溶液であることができる。溶媒または賦形剤として、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、特にオリーブ油、あるいは注入用の有機エステル、例えばオレイン酸エチルを使用することができる。またこれらの組成物は補助剤、特に湿潤剤、等張剤、乳化剤、分散剤および安定化剤を含んでもよい。
【0090】
滅菌は、例えば細菌用フィルターにより、照射により、または加熱により数種の方法で行うことができる。それらは、使用時に滅菌水または他の注入可能な滅菌媒質に溶解され得る滅菌固体組成物状態で調製することもできる。
【0091】
局所投与用の組成物は、例えばクリーム、軟膏、ローションまたはエアゾールであり得る。
【0092】
直腸投与用の組成物は、有効成分に加えてカカオバター、半合成グリセリドまたはポリエチレングリコールのような賦形剤を含む坐薬または直腸用カプセルである。
【0093】
また組成物はエアゾールでもよい。液体エアゾール状態で使用するには、組成物は安定な滅菌溶液、あるいは使用時に非発熱性滅菌水、塩溶液または任意の他の医薬的に許容できる賦形剤に溶解する固体組成物でよい。直接吸入することを意図する乾燥エアゾール状態で使用するためには、有効成分を微細に分割し、そして粒子サイズ分布が30〜80μmの水溶性の固体希釈剤または賦形剤、例えばデキストラン、マンニトールまたはラクトースと組み合わせる。
【0094】
ヒトの治療において、本発明の新規ストレプトグラミン誘導体は、細菌源の感染の処置に特に有用である。投与量は所望の効果および処置期間に依存する。医師は処置に依存して、処置する患者の年齢、体重および感染の程度および他の具体的な因子に依存して最適であると判断した投与量を決定するだろう。一般的に、投与量は成人1日あたり、1から3gの間の活性生成物を経口的に2または3回投与する。
【0095】
以下の実施例では、本発明の組成物を具体的に説明する。
実施例
250mgの有効成分の用量を含有し、そして以下の組成を有する錠剤を、通例の技法により調製する:
−(16R)-16-ジメチルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIA 175mg
−プリスチナマイシンIB 75mg
−賦形剤:澱粉、水和シリカ、デキストリン、ゼラチン、
ステアリン酸マグネシウム:加えて 500mg
Claims (12)
- 一般式:
R1は、基−NR'R”であり、ここでR'は水素原子またはメチル基であり、そしてR”は水素原子またはアルキル、シクロアルキル、アリル、プロピニル、ベンジルまたは−OR”'基であり、R”'は水素原子またはアルキル、シクロアルキル、アリル、プロピニルまたはベンジル基であるか、あるいはR”は-NR3R4を表し、R3およびR4はメチル基を表すか、またはそれらが結合している窒素原子と一緒に、窒素、酸素もしくは硫黄から選択されるさらに別のヘテロ原子を含んでもよい飽和もしくは不飽和の4−もしくは5−員の複素環を形成することが可能であり、
R2は、水素原子またはメチルもしくはエチル基であり、そして
【外1】
そして特に言及しない限り、アルキル基は直鎖もしくは分枝であり、そして1〜6個の炭素原子を含み;シクロアルキル基は3〜4個の炭素原子を含み;16-
【外2】
たはRエピマーが主であるRおよびSエピマーの混合物を意味し、そしてR”が−OR”'または-NR3R4である時、RおよびSエピマーおよびそれらの混合物を意味する、
に対応することを特徴とするA群ストレプトグラミン誘導体またはその塩。 - R1が基-NR'R”(ここで、R'が水素原子またはメチル基であり、そしてR”が水素原子、アルキル、シクロアルキル、アリル、プロピニル、ベンジルまたは-OR”'基であり、R”'は1〜6個の炭素原子を含有するアルキル基、アリルまたはプロピニル基であるか、あるいはR”が-NR3R4を表し、R3およびR4はメチル基を表すか、またはそれらが結合している窒素原子と一緒に、さらに窒素、酸素もしくは硫黄から選択される別のヘテロ原子を含んでもよい飽和もしくは不飽和の4-もしくは5-員の複素環を形成することが可能である)であり
【外3】
【外4】
または-NR3R4以外である時、RエピマーまたはRエピマーが主であるRおよびSエピマーの混合物を意味し、そしてR''が-OR'''または-NR3R4である時、RおよびSエピマーならびにそれらの混合物を意味することを特徴とする請求項1に記載のA群ストレプトグラミンの誘導体またはその塩。 - R1が基-NR'R”(ここで、R'が水素原子またはメチル基であり、そしてR”が水素原子、1〜4個の炭素原子を含有するアルキル、シクロアルキル、アリル、プロピニル、ベンジルまたは-OR”'基であり、R”'が1〜3個の炭素原子を含有するアルキル基またはアリルまたはプロピニル基であるか、あるいはR”が-NR3R4を表し、R3およびR4はそれらが結合している窒素原子と一緒に5-員の飽和複素環を形成することが可能である)であり、R2がメチルもし
【外5】
【外6】
またはRエピマーが主であるRおよびSエピマーの混合物を意味し、そしてR”が-OR”'または-NR3R4である時、RおよびSエピマーならびにそれらの混合物を意味することを特徴とする請求項1または2に記載のA群ストレプトグラミンの誘導体またはその塩。 - (16R)-16-ジメチルアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIAまたはその塩であることを特徴とする請求項1に記載のA群ストレプトグラミンの誘導体。
- (16R)-16-メトキシアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIBまたはその塩であることを特徴とする請求項1に記載のA群ストレプトグラミンの誘導体。
- (16R)-16-エトキシアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIBまたはその塩であることを特徴とする請求項1に記載のA群ストレプトグラミンの誘導体。
- (16R)-16-アリルオキシアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIBまたはその塩であることを特徴とする請求項1に記載のA群ストレプトグラミンの誘導体。
- (16R)-16-メトキシアミノ-16-デオキソプリスチナマイシンIIAまたはその塩であることを特徴とする請求項1に記載のA群ストレプトグラミンの誘導体。
- 一般式:
H2N−R” (III)
式中、
R”は上記定義の通りである、
のアミンを、一般式:
R2は請求項1に定義の通りである、
の天然のプリスチナマイシンの成分と反応させ、そして次に得られた中間体エナミン(またはオキシム)に還元剤を反応させ、R'がメチル基である請求項1のストレプトグラミン誘導体を得ることを所望する時は、ホルムアルデヒドまたはその場でホルムアルデヒドを生成する誘導体の作用により第2の還元的アミノ化を行い、続いて中間体エナミンを還元し、得られた生成物を場合により塩に転換し、かつ/またはそのRエピマーを分離することを特徴とする請求項1に記載のストレプトグラミン誘導体の製造法。 - 請求項1に記載のA群ストレプトグラミン誘導体とB群ストレプトグラミン誘導体を含んで成り、かつ、該B群ストレプトグラミン誘導体がプリスチナマイシンIA、プリスチナマイシンIB、プリスチナマイシンIC、プリスチナマイシンID、プリスチナマイシンIE、プリスチナマイシンIF、プリスチナマイシンIG、バージニアマイシンS1、S3もしくはS4、ベルナマイシンBもしくはC、エタマイシン、 および一般式:
Rb、Rc、ReおよびRfは水素原子であり、Rdは水素原子またはジメチルアミノ基であり、そしてRaは構造-CH2R'aの基であり、ここで、R'aはアルキルにより置換されてもよい3-ピロリジニルチオまたは3-もしくは4-ピペリジルチオ、あるいは1もしくは2のヒドロキシスルホニル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ(これ自体が場合によりメルカプトもしくはジアルキルアミノにより置換されてもよい)により置換された、または1もしくは2の場合により置換されてもよいピペラジン環、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペリジノ、1-ピロリジニル、2-、3-もしくは4-ピペリジルまたは2-もしくは3-ピロリジニル(これらはアルキルにより置換されてもよい)により置換されたアルキルチオであり、あるいはRaは、構造=CHR'aの基であり、ここで、R'aは3-ピロリジニルアミノ、3-もしくは4-ピペリジルアミノ、3-ピロリジニルオキシ、3-もしくは4-ピペリジルオキシ、3-ピロリジニルチオ、3-もしくは4-ピペリジルチオであって、これらはアルキルにより置換されてもよく、あるいはR'aはアルキルアミノ、アルキルオキシまたはアルキルチオであって、これらは1もしくは2のヒドロキシスルホニル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ(これ自体が場合によりジアルキルアミノにより置換されてもよい)により、あるいはトリアルキルアンモニオ、4-もしくは5-イミダゾリルにより、または1もしくは2の場合により置換されてもよいピペラジン環、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペリジノ、1-ピロリジニル、2-、3-もしくは4-ピペリジルまたは2-もしくは3-ピロリジニル(これらは場合によりアルキルにより置換されてもよい)により置換されており、あるいはRaは、3-もしくは4-キヌクリジニルチオメチル基であるか、あるいは
Raは、水素原子であり、そして
a)Rb、ReおよびRfのいずれも水素原子であり、Rdは基-NHCH3または-N(CH3)2であり、そしてRcは塩素または臭素原子であるか、あるいは3〜5個の炭素原子を含有するアルケニル基を表すか[Rdが-N(CH3)2である場合]、
b)あるいはRb、Rd、ReおよびRfは水素原子を表し、そしてRcはハロゲン、またはアミノモノアルキル、アミノジアルキル、アルキルオキシ、トリフルオロメチルオキシ、チオアルキル、C1〜C3アルキルまたはトリハロメチル基であるか、
c)あるいはRb、Rc、ReおよびRfは水素原子を表し、そしてRdはハロゲン、またはエチルアミノ、ジエチルアミノまたはメチルエチルアミノ、アルキルオキシまたはトリフルオロメチルオキシ、チオアルキル、C1〜C6アルキル、アリールまたはトリハロメチル基であるか、
d)あるいはRb、ReおよびRfは水素原子を表し、そしてRcはハロゲンまたはアミノモノアルキルまたはアミノジアルキル、アルキルオキシまたはトリフルオロメチルオキシ、チオアルキルまたはC1〜C3アルキル基であり、そしてRdはハロゲンまたはアミノ、アミノモノアルキルもしくはアミノジアルキル、アルキルオキシまたはトリフルオロメチルオキシ、チオアルキル、C1〜C6アルキルまたはトリハロメチル基であるか、
e)あるいはRc、ReおよびRfは水素原子を表し、そしてRbおよびRdはメチル基を表す、
のストレプトグラミン誘導体からなる群より選択されることを特徴とする組成物。
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