JP4557416B2 - ガラスと成形型の加熱方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズ、プリズム等の高精度な光学ガラス素子を精密プレス成形する際に使用するガラス(レンズ素材)と成形型の加熱方法に関するものである。特に、光学機器の光学系レンズに使用される球面レンズ、非球面レンズで、カメラ、ビデオおよび顕微鏡等に利用され更にレーザー等に利用可能なレンズをプレス成形できるガラスと成形型の加熱方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラスを一対の成形型でプレスする際には、ガラスを加熱軟化するとともに、一対の成形型の加熱を行っている。この成形型を加熱する従来技術としては、特開平11−92156号公報および特開平11−255528号公報に開示されている。
【0003】
特開平11−92156号公報の技術は、一対の成形型を加熱する輻射熱を発生する輻射熱発生手段と輻射熱を減衰させる減衰手段とを設け、輻射熱を発生する輻射熱発生手段と成形型の間に輻射熱を遮る減衰手段を配設し、成形型に当たる輻射熱量を一対の成形型とで異なるように制御して、一対の成形型に温度差を生じさせるものである。
【0004】
また、特開平11−255528号公報の技術は、両端部から軸方向に成形された穴を有する円筒状のスリーブと、このスリーブに配設した加熱手段を具備し、両端の軸方向にそれぞれ成形型に対応させた形で加熱手段をスリーブの穴に配設し、この加熱手段により一対の成形型に温度差をつけて加熱するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平11−92156号公報による加熱では、輻射熱で加熱する場合に微妙な温度差を成形型に生じさせるときに減衰手段の制御が困難であるといった欠点がある。
【0006】
また、特開平11−255528号公報による加熱では、成形型を摺動させるスリーブに加熱手段を具備させるためスリーブの方が温度が高くなり膨張し、スリーブと成形型の摺動する隙間が大きくなるため、上下型の軸心にバラツキが生じるといった欠点がある。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、一対の成形型の加熱を効率よくし、しかも成形するガラスレンズ表面の転写性を向上させ、良品質なレンズを効率よく得るためのガラスと成形型の加熱方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係るガラスと成形型の加熱方法は、一対の成形型間のガラスをプレス成形する際のガラスと成形型の加熱方法において、ガラスのプレス成形前に、一対の成形型をプレス成形時の型温度以下に型表面より加熱する工程と、この工程後に、上記一対の成形型をプレス成形時の型温度に型内部から加熱する工程と、からなることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項2に係るガラスと成形型の加熱方法は、上記請求項1に係るガラスと成形型の加熱方法において、上記一対の加熱された成形型間に加熱されたガラスを搬送し、上記ガラスと上記一対の成形型を型外周方向と型内部より再加熱してプレス成形を行うことを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項3に係るガラスと成形型の加熱方法は、上記請求項2に係るガラスと成形型の加熱方法において、上記ガラスと上記一対の成形型の内外周に温度差を生じさせたまま成形を行うことを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項4に係るガラスと成形型の加熱方法は、上記請求項2に係るガラスと成形型の加熱方法において、上記一対の成形型間に上記ガラスを搬送する以前に、予めガラスを上記一対の成形型の温度と同等、もしくは型温度付近に加熱し、上記ガラスを上記一対の成形型に搬送し上記一対の成形型を加熱することを特徴とする。
【0015】
すなわち、本発明の請求項1に係るガラスと成形型の加熱方法によれば、一対の成形型表面を成形時の型温度付近まで加熱し、さらに、一対の成形型を型内部から加熱して微妙な温度の調整を一対の成形型に対して行い、サイクルタイムの短縮と成形品の品質を向上させる。
【0016】
本発明の請求項2に係るガラスと成形型の加熱方法によれば、ガラスと一対の成形型を再加熱し、ガラスと一対の成形型に対して微妙な温度の調整を行える。
【0017】
本発明の請求項3に係るガラスと成形型の加熱方法によれば、ガラスと一対の成形型の内外周に温度差を生じさせてガラスに生じる温度分布を小さくできる。
【0018】
本発明の請求項4に係るガラスと成形型の加熱方法によれば、ガラスのプレス成形時に一対の成形型の温度制御を容易に行える。
【0021】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1を図1に基づいて説明する。図1は本実施の形態の加熱装置を一部断面にして示す概略構成図である。
【0022】
本実施の形態の加熱装置は、一対の成形型を加熱制御するものであり、一対の成形型は、図1に示すように、上下に配置した一対の上型3と下型4とからなっている。上型3と下型4は、それぞれ先端に有する成形面3a,4bを対向させて同軸上に配置され、それぞれの型側面をスリーブ26に接触させて上下方向に摺動可能となっている。
【0023】
一対の成形型である上型3および下型4には、それぞれの型外周から上型3と下型4を加熱する第1の加熱機構が構成されている。第1の加熱機構は、上型3を加熱制御する上加熱機構と、下型4を加熱制御する下加熱機構からなっている。上型3に対する上加熱機構は、加熱手段としての上外周赤外線ヒータ12と、検知手段としての上外周熱電対11と、設定手段としての上外周温度調節器15からなっている。また、下型4に対する下加熱機構は、加熱手段としての下外周赤外線ヒータ14と、検知手段としての下外周熱電対13と、設定手段としての下外周温度調節器16とからなっている。
【0024】
上外周赤外線ヒータ12は、上型3を型外周から加熱するように上型3の型外周を囲むように配置されている。また、上外周熱電対11は、上型3の加熱温度を検知するように上外周赤外線ヒータ12の付近に配置されている。そして、上外周温度調節器15は、上外周熱電対11で検知した温度から上型3の加熱温度を設定温度に制御するもので、上外周赤外線ヒータ12と上外周熱電対11とに接続されている。
【0025】
一方、下外周赤外線ヒータ14は、下型4を型外周から加熱するように下型4の型外周を囲むように配置されている。また、下外周熱電対13は、下型4の加熱温度を検知するように下外周赤外線ヒータ14の付近に配置されている。そして、下外周温度調節器16は、下外周熱電対13で検知した温度から下型4の加熱温度を設定温度に制御するもので、下外周赤外線ヒータ14と下外周熱電対13とに接続されている。
【0026】
上記上外周赤外線ヒータ12および下外周赤外線ヒータ14は、上型3および下型4をそれぞれ囲むように円弧状に形成されており、各々2本ずつ配設され、合計4本が並列に並べられている。上外周赤外線ヒータ12および下外周赤外線ヒータ14の出力は、2000Wの200Vとなっている。そして、上下赤外線ヒータ12,14は、上型3および下型4を囲む円筒状のカバーで成形室17内を窒素雰囲気に保つチャンバー32に支えられ、成形室17内に配置されるとともに、上下外周熱電対11,13はチャンバー32に取り付けられている。また、上下外周温度調節器15,16は、チャンバー32の外側に配置されている。そして、チャンバー32には、成形室17内に窒素ガスを流入するガス流入口18が設けられており、上下型3,4とスリーブ26と上下外周熱電対11,13および上下外周赤外線ヒータ12,14は、窒素雰囲気に曝されるようになっている。
【0027】
また、上記上型3および下型4には、それぞれの型内部から上型3および下型4を加熱するための第2の加熱機構が構成されている。第2の加熱機構は、上型3を加熱制御するための上型内部加熱機構と下型4を加熱制御するための下型内部加熱機構からなっている。上型内部加熱機構および下型内部加熱機構は、加熱手段としての上型カートリッジヒータ(上型内部ヒータ)5および下型カートリッジヒータ(下型内部ヒータ)6と、検知手段としての上型熱電対7および下型熱電対8と、設定手段としての上型温度調節器9および下型温度調節器10とからなっている。
【0028】
上型3には、成形面3aの反対側後端から上型カートリッジヒータ5および上型熱電対7を埋設するための嵌合穴3bおよび嵌合穴3cが穿設されている。そして、嵌合穴3bおよび嵌合穴3cに上型カートリッジヒータ5および上型熱電対7を嵌合させ、上型7の内部に上型カートリッジヒータ5と上型熱電対7を配設するようにしてある。また、上型温度調節器9は、上型熱電対7で測定した上型3の温度から上型カートリッジヒータ5による上型3の加熱温度を設定温度に制御するもので、上型カートリッジヒータ5と上型熱電対7に接続されている。また、下型4にも、上型3と同様にして、下型カートリッジヒータ6および下型熱電対8を埋設するための嵌合穴4bおよび嵌合穴4cが穿設されており、この嵌合穴4bおよび嵌合穴4cに下型カートリッジヒータ6および下型熱電対8を嵌合させ、下型4の内部に下型カートリッジヒータ6と下熱電対8を配設するようにしてある。そして、下型温度調節器10は、下型熱電対8で測定した下型4の温度から下型カートリッジヒータ6による下型4の加熱温度を設定温度に制御するもので、下型カートリッジヒータ6と下型熱電対8に接続されている。上型カートリッジヒータ5および下型カートリッジヒータ6は150W、200Vのものを用いている。
【0029】
上型3は、その後端部側が上軸1に支えられ、上軸おさえ21により上軸1に固定されている。上軸1には上軸シリンダ19の駆動軸が取り付けられ、上軸シリンダ19により上軸1を介して上型3が上下に駆動される仕組みになっている。また、下型4にも、上型3と同様に、その後端部側が下軸2に支えられ、下軸おさえ22により下軸2に下型4が固定されている。そして、下軸2には下軸シリンダ20の駆動軸が取り付けられ、下軸シリンダ20により下軸2を介して下型4が上下に駆動されるようになっている。
【0030】
上下外周赤外線ヒータ12,14の外側には、プレス成形するガラス23を上型3と下型4の間に搬送するするアーム(図示省略)が設けられている。
【0031】
上記構成の加熱装置による加熱方法を、上下型3,4によってガラス23をプレス成形する場合を例に挙げて、図1、2を用いて説明する。図2はガラスの温度分布を示している。
【0032】
予めガラス(クラウン系ガラス、転移点温度380℃)23を上型3と下型4の間にアームで設置する。このガラス23の成形時の温度を400℃前後とした場合、上下外周赤外線ヒータ12,14の設定温度をそれより低い温度(370℃〜390℃)に設定し、上下型3,4内部の上下型カートリッジヒータ5,6の設定温度は、成形する上下型3,4の温度400℃に設定する。ここで、上下外周赤外線ヒータ12,14の設定温度を成形する上下型3,4の温度より低くし過ぎると、成形するまでの温度に上下型3,4を加熱する時間が掛かるためサイクルタイムが悪くなる。また、設定温度に近づけると成形型温度より高い温度になってしまうため、設定温度より10℃前後低い温度が望ましい。
【0033】
まず、上下外周赤外線ヒータ12,14だけを用い、上下外周赤外線ヒータ12,14の設定温度(390℃)に上下型3,4を加熱する。上下型3,4の加熱温度が390℃で安定したら、その後、上型カートリッジヒータ5と下型カートリッジヒータ6により、さらに400℃まで上下型3,4の設定温度に満たない温度分(10℃)を上下温度調節器9,10と上下熱電対7,8を用いて上下型3,4を加熱制御する(図2参照)。そして、この状態の上下型カートリッジヒータ5,6と上下外周赤外線ヒータ12,14で20秒以上、ガラス23と上下型3,4を保持・加熱する。
【0034】
上下型3,4の温度が400℃で安定した後、上軸シリンダ19もしくは下軸シリンダ20を駆動させ、上型3と下型4の間を狭め、成形面3a,4aによりガラス23のプレスを開始する。プレスする圧力は0.5kgf/mm〜3.0kgf/mmにし、上下型おさえ21,22とスリーブ26の上下面が当て付く位置まで行う。当て付いた状態で数秒間保持(20秒以上保持)する。
【0035】
この時の成形では、上下型3,4の内外周の温度を上下型カートリッジヒータ5,6で同一にすることだけでなく、型外周の温度を低くして、型内部の温度を高くして制御することも可能である。また、上型3と下型4を上型内部加熱機構と下型内部加熱機構により上下別々に制御を行っているため、上型3と下型4に温度差を設け、さらに、型内部と型外周にも温度差を生じさせることが可能である。図3では、上型カートリッジヒータ5を405℃に設定し、下型カートリッジヒータ6を400℃に設定したときの、ガラス23の温度分布を示してる。
【0036】
上下型おさえ21,22がスリーブ26に当て付いたときから、上下型カートリッジヒータ5,6の出力を徐々に減少させ、その温度を低下させていく。また、上下外周赤外線ヒータ12,14の出力も減少させ、温度を低下させていく。そして、上下型3,4の温度が約360℃以下になったときに上下軸1,2を退避させ、上下型おさえ21,22を介し上型3と下型4を離間させてガラス23を上下型3,4間より取り出す。そして、次の成形するガラスと交換する。
【0037】
本実施の形態によれば、上下型3,4の温度調整を、型外周の上下外周赤外線ヒータ12,14と型内部の上下型カートリッジヒータ5,6で上下別々かつ、型外周と型内部から別々に行うことで、上型3と下型4の微細な温度制御が行える行えるようになり、上下型3,4のそれぞれの型外周と型内部で温度の設定範囲が広がり成形条件設定を多彩にでき、成形でのちょっとしたトラブル対策などに対応できるようになった。また、上下外周赤外線ヒータ12,14で上下型3,4を予め加熱するため、プレス成形したガラス23を取り出す際に温度を下げた後に、新たなガラスをプレス成形する際の上下型3,4の温度復帰も短時期で行えるようになり、サイクルタイムの短縮にもつながった。
【0038】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2を図4に基づいて説明する。図4は本実施の形態の加熱装置を一部断面にして示す概略構成図である。
【0039】
本実施の形態の加熱装置は、上下型3,4を型外周から加熱制御する第1の加熱機構の構成とガラス23の加熱制御機構を設けた点が実施の形態1と異なり、上下型3,4を型内部から加熱制御する第2の加熱機構および上下型3,4とその周辺の構成は実施の形態1と同様であるので、同一部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0040】
上記第1の加熱機構は、加熱手段としての赤外線ヒータ24と、検知手段としての熱電対25と、設定手段としての温度調節器33とからなっている。赤外線ヒータ24は、上型3と下型4を囲むように並列して4本設けられ、チャンバー32に取り付けられて成形室17内に配設されている。熱電対25は、4本の赤外線ヒータ24の中央(上下2本の間)に設置され、チャンバー32に取り付けられて成形室17内に配設されている。温度調節器33は、4本の赤外線ヒータ24と熱電対25にそれぞれ接続されており、熱電対25で温度を検知し、その温度を設定温度に制御するように、赤外線ヒータ24の出力の調節を行う。
【0041】
また、上下型3,4を上下に摺動させるスリーブ26側面に穴26aを設け、この穴26aの位置にアーム30が挿入できるように設けられている。スリーブ26は、リング27に穴26aの上方を収納するとともに、穴26aの上面を係止させてリング27により保持され、スリーブ26側面の穴26aがアーム30に挿入される位置に調整されている。
【0042】
スリーブ26側面の穴26aの水平位置には、成形室17に対してアーム30の導入出を可能にする成形室入口が設置されており、この成形室入口は成形室17内を窒素雰囲気に満たすためのチャンバー32の側面に設けられている。成形室入口には、成形室入口を開閉する開閉シャッター31がチャンバー32の外側面に設けられている。さらに、成形室入口に隣接してガラス23の加熱を行うガラスヒータ28が配置されている。ガラスヒータ28には、ガラス23の加熱温度を検知するガラス熱電対29が設置されている。
【0043】
アーム30は、チャンバー32の外側面より、開閉シャッター31を通過した直線上に置かれている。アーム30の先端には、図5に示すように、ガラス23を搭載した状態で下型4を上昇させてガラス23を下型4の成形面4a上に受け渡し、またプレス成形後のガラス23を下型4の下降により受け取り可能なように、凹部30aが形成されている。アーム30はガラス23を搭載し、ガラスヒータ28とガラス熱電対29に囲まれた位置から、上下型3,4間の位置まで移動が可能になっている。そして、アーム30の根元には、ガラス23を上型3と下型4の間に搬送した際に成形室入口を塞ぐアームフタ34が取り付けられている。
【0044】
上記構成の加熱装置による加熱方法を、上下型3,4によりガラス23をプレス成形する場合を例に挙げて説明する。
【0045】
ガラス23(転移点温度380℃の硝材、外径20mm、厚さ6mmの円盤形状)をアーム30に搭載し、ガラスヒータ28で420℃〜500℃に加熱する。それと同時に上下成形型3,4を赤外線ヒータ24、熱電対25と温度調節器33で380℃前後に加熱制御する。このとき、スリーブ26の上下より突出している上下型3,4の側面を均等化しており、スリーブ26の上下より均等に突出していない場合に、上下型3,4に温度差が大きく生じるのを防いでいる。
【0046】
ガラスヒータ28でガラス23を420℃〜500℃に10秒以上加熱した後、ガラス23をアーム30により上下成形型3,4間に搬送する。このとき、成形室17内は、ガス流入口18より窒素ガスが入れられおり、酸素濃度が100ppm以下の状態になっている。そして、アーム30がガラスヒータ28から成形室17に入るときは、シャッター31が開され、アーム30が成形室17に入る。しかし、この状態では成形室17内の窒素ガスが成形室入口からガラスヒータ28の方へ流れるため、成形室17内の酸素濃度が高くなるので、アーム30の根元に取り付けられたアームフタ34で成形室入口を塞ぐ。
【0047】
スリーブ26の穴26aを通過し、上型3と下型4の軸心に加熱されたガラス23の中心が位置するように搬送した後、アーム30を停止する。上型3と下型4の間に配置されたガラス23は、下型シリンダ20を駆動させ下軸2を介して下型4を上昇させることにより、ガラス23を下型4の成形面4a上に搭載させてアーム30と分離するとともに、スリーブ26を下型4の基端部に載置させて上昇させる(図5参照)。ガラス23と分離したアーム30は、一旦成形型3,4間からガラスヒータ28まで退避し、シャッター31が閉められる。
【0048】
下型4上に搭載されたガラス23と上下成形型3,4およびスリーブ26は、赤外線ヒータ24で390℃以下にならないように加熱される。また、上型カートリッジヒータ5では400℃前後に加熱され、下型カートリッジヒータ6では395℃前後に加熱される。また、予めガラス23を390℃前後に加熱したものを上型3と下型4間に搬送して、赤外線ヒータ24、上下型カートリッジヒータ5,6を用いて加熱制御しても制御方法は同様である。アーム30に搭載しているガラス23を下型4の成形面4b上に搭載後、加熱されたガラス23を上軸シリンダ19で一定圧力、一定時間でプレスする。
【0049】
プレス状態を数秒保持した後、上下型カートリッジヒータ5,6と赤外線ヒータ24の温度を徐々に下げ、ガラス23と上下成形型3,4を冷却していく。ガラス23の温度が360℃付近で上型3を上昇させる。その時、上型3にガラス23が張り付いている場合は、上型3と一緒に上昇するガラス23が、リング27により上方向の移動を押さえられ、上型3とガラス23が離型される。
【0050】
上型3とガラス23が離型されると、アーム30が上型3と下型4の間に移動する。ガラス23の底面を押さえるようにアーム30の凹部30aが下型4の外周に挿入され、下型シリンダ20が下型4を下降して、ガラス23がアーム30に載せられる。この時、下型4にガラス23が張り付いている場合は、アーム30がガラス23を押さえ、離型が行われる。アーム30に載せられたガラス23はガラスヒータ28に運ばれて外部に搬出され、次の成形するガラスと交換させる。
【0051】
本実施の形態によれば、ガラス23を予め型温度付近もしくはそれ以上にまで加熱し、加熱したガラス23を上型3と下型4間に搬送することにより、上型3と下型4の内部ヒータ(上型カートリッジヒータ4と下型カートリッジヒータ6)の制御がし易くなり、かつガラス成形のサイクルタイムを短縮することができる。
【0052】
なお、上記した具体的実施の形態から次のような構成の技術的思想が導き出される。
(付記)
(1)一対の成形型でガラスをプレス成形する方法において、一対の成形型との外周を囲うように設けられた複数の赤外線ヒータと、一対の成形型にカートリッジヒータと熱電対が入る嵌合穴を設け、それぞれ型内にカートリッジヒータと熱電対を嵌合して型内部より加熱する手段と、一対の成形型とスリーブおよび外周を囲うヒータとを窒素雰囲気に満たすチャンバーからなることを特徴とするレンズと成形型の加熱装置。
【0053】
付記(1)の成形型の温度調整を型外周の第1の加熱機構と型内部のヒータで別々に行うことで、成形型の微細な温度制御を行うことができる。また、型外周ヒータで型を予め加熱するため、成形型の温度復帰も短時間で行えるようになり、サイクルタイムの短縮を図ることができる。さらに、成形型の加熱を外部より行う赤外線ヒータと、型内部より行うカートリッジヒータを併用して加熱することにより、成形型の微妙な温度制御を行い、成形品の品質を向上させることができる。また、成形型を加熱する際、良い成形するガラスを予め加熱しておくことで、サイクルタイムの短縮を行うことができる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に係るガラスと成形型の加熱方法によれば、ガラスのプレス成形前に一対の成形型を加熱するので、サイクルタイムを短縮することができる。その後、一対の成形型を内部から加熱し、微細な温度制御を行ってガラスのプレス成形を行い、品質の良好な成形品の成形を行うことができる。
【0055】
本発明の請求項2に係るガラスと成形型の加熱方法によれば、ガラスと一対の成形型の再加熱を行い、微細な温度制御を行うことができ、品質の良好な成形品を得ることができる。
【0056】
本発明の請求項3に係るガラスと成形型の加熱方法によれば、ガラスと一対の成形型の内外周に温度差を生じさせ、ガラスに生じる温度分布を小さくでき、ヒケ等を生じさせずに成形を行うことができる。
【0057】
本発明の請求項4に係るガラスと成形型の加熱方法によれば、成形型を加熱する際、良い成形するガラスを予め加熱しておくことで、サイクルタイムの短縮を図ることができる。また、ガラスを予め加熱することで、成形型に内蔵した加熱手段により一対の成形型を容易に温度制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の加熱装置を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1のガラスの温度分布を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1の上下型の加熱温度を異なるようにした際のガラスの温度分布を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態2の加熱装置を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態2におけるガラスのプレス成形時を説明する図で、図5(a)はアームからレンズを下型に受け渡した状態の断面図、図5(b)はガラスを搬送するアーム先端部の斜視図である。
【符号の説明】
3 上型
4 下型
5 上型カートリッジヒータ
6 下型カートリッジヒータ
7 上型熱電対
8 下型熱電対
9 上型温度調節器
10 下型温度調節器
11 上外周熱電対
12 上赤外線ヒータ
13 下外周熱電対
14 下赤外線ヒータ
15 上外周温度調節器
16 下外周温度調節器
17 成形室
18 ガス流入口
23 ガラス
26 スリーブ
28 ガラスヒータ
29 ガラス熱電対
33 温度調節器

Claims (4)

  1. 一対の成形型間のガラスをプレス成形する際のガラスと成形型の加熱方法において、ガラスのプレス成形前に、一対の成形型をプレス成形時の型温度以下に型表面より加熱する工程と、この工程後に、上記一対の成形型をプレス成形時の型温度に型内部から加熱する工程と、からなることを特徴とするガラスと成形型の加熱方法。
  2. 上記一対の加熱された成形型間に加熱されたガラスを搬送し、上記ガラスと上記一対の成形型を型外周方向と型内部より再加熱してプレス成形を行うことを特徴とする請求項1記載のガラスと成形型の加熱方法。
  3. 上記ガラスと上記一対の成形型の内外周に温度差を生じさせたまま成形を行うことを特徴とする請求項2記載のガラスと成形型の加熱方法。
  4. 上記一対の成形型間に上記ガラスを搬送する以前に、予めガラスを上記一対の成形型の温度と同等、もしくは型温度付近に加熱し、上記ガラスを上記一対の成形型に搬送し上記一対の成形型を加熱することを特徴とする請求項2記載のガラスと成形型の加熱方法。
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