以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明に係る電子楽器ELにプリンタPRを接続した状態を示す概略図である。プリンタPRは、USBコネクタ11,USBケーブル12およびUSBコネクタ13を介して、電子楽器ELに接続される。プリンタPRおよび電子楽器ELには、USBコネクタ11、13が脱着可能に接続されるコネクタ部がそれぞれ設けられている。この電子楽器ELにプリンタを接続した状態では、電子楽器ELがUSBデバイスとして機能し、プリンタPRがUSBホストとして機能する。また、電子楽器ELおよびプリンタPRは、CIPA規格DC-001(以下、“PictBridge”(登録商標)という)に従って動作して、プリンタPRは電子楽器ERからの画像データに応じた画像を印刷する。ここで、前記USBコネクタ11,13、USBケーブル12、電子楽器EL側のコネクタ部および後述するUSBインターフェース回路47などが、本発明の接続手段に対応する。
電子楽器ELは、複数の鍵からなる鍵盤10と、操作パネル20とを備えている。操作パネル20には、鍵盤10による演奏音の音色として選択される8つのメイン音色名が記載されているとともに、前記メイン音色名に含まれる類似の音色であって少しずつ異なる音色を表す「ノーマル」、「バリエーション1」および「バリエーション2」なる文字列が記載されている。前記8つのメイン音色名は、さらに「ピアノ」、「オルガン」などからなる第1グループのメイン音色名と、「トランペット」、「フルート」などからなる第2グループのメイン音色名とに分けられている。
第1グループに属する複数のメイン音色名の記載位置には、発光素子からなる表示ランプ21a,21a・・がそれぞれ埋め込まれているとともに、これらの第1グループの複数のメイン音色名に対して共通に第1音色選択操作子21bが設けられている。第2グループに属する複数のメイン音色名の記載位置には、発光素子からなる表示ランプ21c,21c・・がそれぞれ埋め込まれているとともに、これらの第2グループの複数のメイン音色名に対して共通に第2音色選択操作子21dが設けられている。「ノーマル」、「バリエーション1」および「バリエーション2」からなる文字列の記載位置にも、発光素子からなる表示ランプ21e,21e・・がそれぞれ埋め込まれているとともに、これら文字列に対して共通にバリエーション選択操作子21fが設けられている。
また、操作パネル20上には、選択される自動演奏曲に対応したソング番号1〜4が記載されている。ソング番号1〜4の記載位置にも、発光素子からなる表示ランプ22a,22a・・がそれぞれ埋め込まれているとともに、これらのソング番号1〜4に対して共通にソング選択操作子22bが設けられている。操作パネル20上には、自動演奏データの再生を開始および停止させるスタート・ストップ操作子23aも設けられているとともに、スタート・ストップ操作子23aに対応させて自動演奏データの再生中および非再生中を表示するための発光素子からなる表示ランプ23bも設けられている。操作パネル20上には、さらに自動演奏における一部のパート(例えば、メロディパート)を除外するためのマイナスワン選択操作子24aも設けられているとともに、マイナスワン選択操作子24aに対応させてマイナスワン状態であるか否かを表示するための発光素子からなる表示ランプ24bも設けられている。
また、操作パネル20上には、テンポインクレメント操作子25a、テンポデクレメント操作子25b、音量インクメント操作子26a、音量デクレメント操作子26bおよびスピーカ27も設けられている。テンポインクレメント操作子25aおよびテンポデクレメント操作子25bは、自動演奏の再生テンポを増減設定するためのものである。音量インクメント操作子26aおよび音量デクレメント操作子26bは、発生楽音の音量を増減設定するためのものである。
次に、電子楽器ELに内蔵されている回路装置について、図2を用いて説明する。この電子楽器ELは、バス30に接続された検出回路31,32、点灯制御回路33および音源回路34を内蔵している。検出回路31は、鍵盤10の各鍵操作を検出する。検出回路32は、上記各種操作子21b,21d,21f,22b,23a,24a,25a,25b,26a,26b(図2では総称して設定操作子群SWと表示)の操作を検出する。点灯制御回路33は、上記各種表示ランプ21a,21c,21e,22a,23b,24b(図2では総称して表示ランプ群LPと表示)の点灯および消灯を制御する。
音源回路34は、後述するCPU41の制御のもとに供給される演奏データおよび各種楽音制御パラメータに基づいてディジタル楽音信号を生成して、生成したディジタル楽音信号を出力回路35に出力する。出力回路35は、D/A変換器およびアンプなどからなり、供給されるディジタル楽音信号をアナログ楽音信号に変換するとともに増幅してスピーカ27に出力する。スピーカ27は、アナログ楽音信号に対応した楽音を放音する。
また、この電子楽器は、バス30にそれぞれ接続されていてマイクロコンピュータ本体部を構成するCPU41、タイマ42、ROM43およびRAM44を備えているとともに、外部記憶装置45、MIDIインターフェース回路46、USBインターフェース回路47および通信インターフェース回路48も備えている。
外部記憶装置45は、この電子楽器に予め組み込まれているハードディスクHDおよびフラッシュメモリ、同電子楽器に装着可能なコンパクトディスクCDおよびフレキシブルディスクFDなどの種々の記録媒体と、同各記録媒体に対するドライブユニットを含むものであり、後述するデータおよびプログラムの記憶及び読出しを可能にしている。これらのデータおよびプログラムは予め外部記憶装置45に記憶されていてもよいし、MIDIインターフェース回路46および通信インターフェース回路48を介して外部から取り込んでもよい。なお、ROM43にも各種データおよびプログラムは予め記憶されているとともに、RAM44にも、電子楽器ELの動作制御時には、各種データおよびプログラムが、ROM43または外部記憶装置45から転送記憶されるようになっている。
ここで、本発明に関係する音色制御パラメータについて説明しておく。ROM43または外部記憶装置45には、図3に示すように、音色アドレステーブルおよび音色データテーブルが予め用意されている。音色アドレステーブルには、第1および第2グループに属する「ピアノ」、「オルガン」・・・「でんわ」の各メイン音色ごとに、「ノーマル」、「バリエーション1」および「バリエーション2」に分けて、音色データテーブル内の該当する音色データが記憶されているアドレスがそれぞれ記憶されている。なお、図3の中央の「アコースティックピアノ」、「エレクトリックピアノ」および「ホンキートンクピアノ」は、メイン音色「ピアノ」に含まれる「ノーマル」、「バリエーション1」および「バリエーション2」にそれぞれ対応した音色である。また、「パイプオルガン」、「エレクトリックオルガン」および「リードオルガン」は、メイン音色「ピアノ」に含まれる「ノーマル」、「バリエーション1」および「バリエーション2」にそれぞれ対応した音色である。音色データテーブルには、第1および第2グループに属する「ピアノ」、「オルガン」・・・「でんわ」の各メイン音色ごとに、「ノーマル」、「バリエーション1」および「バリエーション2」に分けて、音色名などの属性情報と共に、波形データなどからなる楽音制御パラメータの一部を構成する音色パラメータが記憶されている。
また、ROM43または外部記憶装置45には、ソング番号1〜4によってそれぞれ指定される4曲分の自動演奏データも予め記憶されている。さらに、ROM43または外部記憶装置45には、上記各種操作子21b,21d,21f,22b,23a,24a,25a,25b,26a,26bおよび上記各種表示ランプ21a,21c,21e,22a,23b,24bを含む操作パネル20の外観を表すパネル画像データが予め記憶されている。
MIDIインターフェース回路46は、他の電子楽器、パーソナルコンピュータなどのMIDI対応の外部機器51に接続可能となっていて、この電子楽器が外部機器51と各種プログラム及びデータを交信可能となっている。USBインターフェース回路47は、USBコネクタ13に接続されており、USBホスト機器52に接続されるようになっている。本実施形態においては、このUSBインターフェース回路47は、USBコネクタ13、USBケーブル12およびUSBコネクタ11を介して、USBホスト機器52としてのプリンタPRに接続されるようになっている。通信インターフェース回路48は、インターネットなどの通信ネットワーク53を介してサーバコンピュータ54に接続可能となっていて、この電子楽器が各種プログラム及びデータをサーバコンピュータ54から受信し、またはサーバコンピュータ54に送信できるようになっている。
次に、上記のように構成した電子楽器の動作について説明する。演奏者(ユーザ)が図示しない電子楽器の電源スイッチをオンすると、CPU41は図4〜6に示すプログラムの実行を図4のステップS10にて開始する。このプログラムの実行開始後、CPU41は、ハードウェアおよびソフトウェアモジュールを初期化するとともに、RAM44内に音色番号TN、ソング番号SN,バリエーション番号VN、演奏フラグPF、マイナスワンフラグMF、テンポ値TMPおよび音量値VOLなどの変数を記憶する領域を確保すると同時に前記変数を初期値に設定する。
音色番号TNは、「1」〜「8」にわたって変化して鍵盤10にて演奏される楽音のメイン音色を指定するもので、初期には「1」に設定される。なお、この音色番号TNは、「1」〜「4」により第1メイン音色の「ピアノ」、「オルガン」・・を指定し、「5」〜「8」により第2メイン音色の「トランペット」、「フルート」・・を指定する。ソング番号SNは、「1」〜「4」にわたって変化して自動演奏される楽曲(ソング1、ソング2・・)を指定するもので、初期には「1」に設定される。バリエーション番号VNは、「1」〜「3」にわたって変化して、「ノーマル」、「バリエーション1」および「バリエーション2」を指定するもので、初期には「1」に設定される。演奏フラグPFは、“0”によって自動演奏の停止中を表すとともに、“1”によって自動演奏の作動中を表し、初期には「0」に設定される。マイナスワンフラグMFは、“0”によって通常の自動演奏の再生を指定し、“1”によって自動演奏のマイナスワン再生を指定するもので、初期には「0」に設定される。テンポ値TMPは、「30」〜「240」にわたって変化して自動演奏のテンポを指定するもので、初期には「120」に設定される。音量値VOLは、「0」〜「127」にわたって変化して発生楽音の音量を指定するもので、初期には「64」に設定される。
前記ステップS11の初期設定処理後、CPU41は、ステップS12〜S50からなる循環処理を繰り返し実行する。この循環処理中、鍵盤10が演奏操作されると、CPU41は、ステップS12にて「Yes」と判定して、ステップS13にて鍵盤10の演奏に応じた演奏データを音源回路34に供給して、音源回路34に対して楽音の発生を指示する。これにより、音源回路34は、供給された演奏データに応じてディジタル楽音信号を生成して出力回路35に出力する。この場合、音源回路34にて生成される楽音信号の音色および音量は、後述する処理によって音源回路34に供給された音色パラメータおよび音量値VOLによって決定される。出力回路35は、ディジタル楽音信号をアナログ楽音信号に変換して、アナログ楽音信号に対応した楽音をスピーカ27から放音する。
第1音色選択操作子21bが操作されると、CPU41は、ステップS14にて「Yes」と判定して、ステップS15〜S19の処理を実行する。現在の音色番号TNが1以上かつ4以下であれば、ステップS15,S16の処理により、音色番号TNに「1」を加算して、8個の表示ランプ21a,21cのうちで、加算された音色番号TNに対応したメイン音色名位置の表示ランプ21aを点灯して、他の表示ランプ21a,21cを消灯する。ただし、加算結果が「4」を超えた場合には、音色番号TNを「1」に設定して、8個の表示ランプ21a,21cのうちで、音色番号TNが「1」であるメイン音色名位置(ピアノ位置)の表示ランプ21aを点灯して、他の表示ランプ21a,21cを消灯する。現在の音色番号TNが1以上かつ4以下でなければ、ステップS15,S17の処理により、音色番号TNを「1」に設定して、8個の表示ランプ21a,21cのうちで、音色番号TNが「1」であるメイン音色名位置(ピアノ位置)の表示ランプ21aを点灯して、他の表示ランプ21a,21cを消灯する。
ステップS18においては、バリエーション番号VNを「1」に設定して、3個の表示ランプ22aのうちで、バリエーション番号VNが「1」である「ノーマル」位置の表示ランプ22aを点灯して、他の表示ランプ22aを消灯する。ステップS19においては、音色アドレステーブルおよび音色データテーブル(図3参照)を参照し、音色番号TNおよびバリエーション番号VNに対応した音色パラメータを音色データテーブルから読み出して、音源回路34に供給する。音源回路34は、この供給された音色パラメータを記憶して、以降の鍵盤10による演奏楽音の音色をこの音色パラメータにより規定する。
第2音色選択操作子21bが操作されると、CPU41は、ステップS20にて「Yes」と判定して、ステップS21〜S25の処理を実行する。現在の音色番号TNが5以上かつ8以下であれば、ステップS21,S22の処理により、音色番号TNに「1」を加算して、8個の表示ランプ21a,21cのうちで、加算された音色番号TNに対応したメイン音色名位置の表示ランプ21cを点灯して、他の表示ランプ21a,21cを消灯する。ただし、加算結果が「8」を超えた場合には、音色番号TNを「5」に設定して、8個の表示ランプ21a,21cのうちで、音色番号TNが「5」であるメイン音色名位置(トランペット位置)の表示ランプ21cを点灯して、他の表示ランプ21a,21cを消灯する。現在の音色番号TNが5以上かつ8以下でなければ、ステップS21,S23の処理により、音色番号TNを「5」に設定して、8個の表示ランプ21a,21cのうちで、音色番号TNが「5」であるメイン音色名位置(トランペット位置)の表示ランプ21cを点灯して、他の表示ランプ21a,21cを消灯する。
ステップS24においては、前記ステップS18の処理と同様に、バリエーション番号VNを「1」に設定して、「ノーマル」位置の表示ランプ22aのみを点灯して、他の表示ランプ22aを消灯する。ステップS25においては、前記ステップS19の処理と同様に、音色アドレステーブルおよび音色データテーブル(図3参照)を参照し、音色番号TNおよびバリエーション番号VNに対応した音色パラメータを音色データテーブルから読み出して、音源回路34に供給する。このようなステップS14〜S25の処理により、第1および第2音色選択操作子21b,21dの操作に応じて、8個のメイン音色のうちのいずれか選択されるとともに、選択されたメイン音色中の「ノーマル」の音色が指定される。そして、この音色の指定に応答して、表示ランプ21a,21c,21eの点灯状態も切り換えられる。
バリエーション選択操作子21fが操作されると、CPU41は、図5のステップS26にて「Yes」と判定し、ステップS27にて、バリエーション番号VNに「1」を加算して、3個の表示ランプ21eのうちで、加算されたバリエーション番号VNに対応した「バリエーション1」または「バリエーション2」位置の表示ランプ21aを点灯して、他の表示ランプ21eを消灯する。ただし、加算結果が「3」を超えた場合には、バリエーション番号VNを「1」に設定して、「ノーマル」位置の表示ランプ21eを点灯して、他の表示ランプ21eを消灯する。
次に、ステップS28において、前記ステップS19,S25の処理と同様に、音色アドレステーブルおよび音色データテーブル(図3参照)を参照し、音色番号TNおよびバリエーション番号VNに対応した音色パラメータを音色データテーブルから読み出して、音源回路34に供給する。このようなステップS26〜S28の処理により、第1および第2音色選択操作子21b,21dの操作によって選択された8個のメイン音色中の「ノーマル」、「バリエーション1」または「バリエーション2」の音色が指定される。そして、この音色の指定に応答して、表示ランプ21eの点灯状態も切り換えられる。
ソング選択操作子22bが操作されると、CPU41は、ステップS29にて「Yes」と判定し、ステップS30にてソング番号SNに「1」を加算して、4個の表示ランプ22aのうちで、加算されたソング番号SNに対応した「ソング2〜4」のいずれかの位置の表示ランプ22aを点灯して、他の表示ランプ22aを消灯する。ただし、加算結果が「4」を超えた場合には、ソング番号SNを「1」に設定して、「ソング1」位置の表示ランプ22aを点灯して、他の表示ランプ22aを消灯する。
次に、ステップS31において、ROM43または外部記憶装置45に記憶されている4曲分の自動演奏データの中からソング番号SNによって指定される自動演奏データを読み出して、RAM44内に転送記憶する。これにより、ソング選択操作子22bの操作により所望の自動演奏データが選択されて、自動演奏の再生準備が完了する。また、選択された自動演奏データに対応した表示ランプ22aも点灯する。
演奏フラグPFが“0”すなわち自動演奏データの再生中でない状態で、スタート・ストップ操作子23aが操作されると、CPU41は、ステップS32にて「Yes」と判定し、ステップS33〜S35の処理を実行する。ステップS33においては、演奏フラグPFを自動演奏データの再生中を表す“1”に設定する。ステップS34においては、表示ランプ23bを点灯して、自動演奏データの再生中であることを表示する。ステップS35においては、自動演奏データの再生を開始する。その結果、図示しない演奏データ再生プログラムの実行により、前述したステップS31の処理によりRAM44に転送された自動演奏データが楽曲の進行に従って読み出され、音源回路34に供給されて、ソング番号SNによって指定された自動演奏データが再生される。
一方、演奏フラグPFが“1”すなわち自動演奏データの再生中にスタート・ストップ操作子23aが操作され、または自動演奏データの読み出しが曲終了に達すると、CPU41は、ステップS36にて「Yes」と判定し、ステップS37〜S39の処理を実行する。ステップS37においては、演奏フラグPFを自動演奏データの非再生中を表す“0”に設定する。ステップS38においては、表示ランプ23bを消灯して、自動演奏データの再生停止中であることを表示する。ステップS39においては、自動演奏データの再生を停止する。その結果、前述した演奏データ再生プログラムによる自動演奏データが読み出しが停止されて、自動演奏が終了する。
マイナスワン選択操作子24aが操作されると、CPU41は、ステップS40にて「Yes」と判定し、ステップS41,S42の処理を実行する。ステップS41においては、マイナスワンフラグMFを反転、すなわち“0”であれば“1”に変更し、“1”であれば“0”に変更する。ステップS42においては、変更されたマイナスワンフラグMFが“1”であれば表示ランプ24bを点灯し、変更されたマイナスワンフラグMFが“0”であれば表示ランプ24bを消灯して、自動演奏データの再生状態(マイナスワンの有無)を表示する。このマイナスワン選択操作子24aの操作の結果、マイナスワンフラグMFが“0”に設定されれば、全てのパートの自動演奏データが再生される。一方、マイナスワンフラグMFが“1”に設定されれば、一部のパート(例えば、メロディパート)を除くパートの自動演奏データのみが再生される。
テンポインクレメント操作子25aまたはテンポデクレメント操作子25bが操作されると、CPU41は、図6のステップS43にて「Yes」と判定し、ステップS44,S45の処理を実行する。ステップS44においては、テンポインクレメント操作子25aが単発的に操作されれば、テンポ値TMPを1回の操作当たり「1」だけ増加させる。テンポインクレメント操作子25aが連続的に操作されれば、テンポ値TMPを所定時間間隔で連続的に増加させる。テンポデクレメント操作子25bが単発的に操作されれば、テンポ値TMPを1回の操作当たり「1」だけ減少させる。テンポデクレメント操作子25bが連続的に操作されれば、テンポ値TMPを所定時間間隔で連続的に減少させる。ただし、このテンポ値TMPの増減においては、テンポ値TMPの上限及び下限は「30」および「240」にそれぞれ制限される。
ステップS45においては、図示しない演奏データ再生プログラムによる自動演奏データの読み出し速度がテンポ値TMPによって規定されるように、演奏データ再生プログラムによって利用される図示しないテンポカウント値の変化速度をテンポ値TMPに応じた値に設定する。これにより、自動演奏データの再生速度が、テンポインクレメント操作子25aまたはテンポデクレメント操作子25bの操作に応じて変更される。
音量インクレメント操作子26aまたは音量デクレメント操作子26bが操作されると、CPU41は、ステップS46にて「Yes」と判定し、ステップS47,S48の処理を実行する。ステップS47においては、音量インクレメント操作子26aが単発的に操作されれば、音量値VOLを1回の操作当たり「1」だけ増加させる。音量インクレメント操作子26aが連続的に操作されれば、音量値VOLを所定時間間隔で連続的に増加させる。音量デクレメント操作子26bが単発的に操作されれば、音量値VOLを1回の操作当たり「1」だけ減少させる。音量デクレメント操作子26bが連続的に操作されれば、音量値VOLを所定時間間隔で連続的に減少させる。ただし、この音量値VOLの増減においては、音量値VOLの上限及び下限は「0」および「127」にそれぞれ制限される。
ステップS48においては、前記設定された音量値VOLを音源回路34に供給する。音源回路34は、生成するディジタル楽音信号の音量を音量値VOLに制御する。これにより、音源回路34から出力されるディジタル楽音信号の音量、ひいてはスピーカ27から放音される楽音の音量が前記設定された音量値VOLに応じて制御されるようになる。
プリンタPRが電子楽器ELに接続されると、プリンタPRおよび電子楽器ELの電源がオンであることを条件に、CPU41はステップS49にて「Yes」と判定し、ステップS50にてプリンタ処理ルーチンを実行する。このプリント処理ルーチンの詳細は図7に示されており、CPU41は、その実行をステップS60にて開始する。このプリント処理ルーチンの実行開始後、CPU41は、ステップS61にて、USB仕様に従って初期化処理すなわち列挙処理(enumeration)を実行する。
具体的には、PictBridge(登録商標)の仕様により、互いの機器がPictBridge対応機器であることを確認する(DPS-Discovery)。次に、電子楽器ELが、プリンタクライアントとしてプリンタPRに対してプリントサービス(Print-Service)機能を要求するとともに、ストレージサービス機能(Storage-Service)があることを通知する(DPS-ConfigurePrintService)。これに応答して、プリンタPRは、プリントサービス(Print-Service)機能を提供できることと、ストレージサービス機能(Storage-Service)を用いることを通知する。これらの処理により、プリントに関するサーバ/クライアントと、ストレージに関するサーバ/クライアントとの関係が確立される。そして、電子楽器ELは、プリンタPRに設定可能な能力、すなわち印刷可能な形式(例えば、ビットマップ形式、JPEG形式など)を問い合わせて、プリンタPRから前記形式を入力する(DPS-GetCapability)。
次に、CPU41は、ステップS62にて、RAM44内に画像データ領域を確保する。そして、ステップS63にて、ROM43または外部記憶装置45に予め記憶されている操作パネル20の外観を表すパネル画像データを読み出して、同パネル画像データを用いて操作パネル20を表示するための外観ビットマップデータを前記画像データ領域に書き込む。次に、CPU41は、ステップS64にて、操作パネル20の設定状態を表す変数、すなわち音色番号TN、ソング番号SN,バリエーション番号VN、演奏フラグPF、マイナスワンフラグMF、テンポ値TMPおよび音量値VOLを収集する。そして、ステップS65にて、前記収集した変数に基づいて、ビットマップ情報およびフォント情報を用いて操作パネル20の設定状態を表す画像データを生成して、前記画像データ領域に書き込む。この画像データは、選択されたメイン音色、バリエーション、自動演奏曲などを表すマーカを表す画像データ、表示ランプ23b,24bの点灯および消灯状態を表す画像データ、およびテンポ値TMPおよび音量値VOLを表す数字(文字)を表す画像データを含む。ステップS66にて、前記初期化処理(DPS-GetCapability)により入手しておいたプリンタPRの能力に応じて、前記画像データ領域に書き込んだ画像データのフォーマットを変換する。
次に、CPU41は、ステップS67にてプリンタPRに印刷開始を要求する(Start-Job)。そして、ステップS68にて、プリンタPRからの要求(Get-File-Info)に従って、画像ファイル情報(ファイルサイズなど)を送信する。また、ステップS69にて、プリンタPRからの要求(Get-File)に従って、前記画像データ領域に書き込んだ画像ファイルをファイルとして送信する。
プリンタPRは、電子楽器ELから送信された画像データに基づいて、画像データによって表された操作パネル20の設定状態を表す画像を印刷する。図8は、この操作パネル20の設定状態を表す画像の印刷例を示している。これによれば、選択されたメイン音色、バリエーション、自動演奏曲などが、文字およびマーカ(図示、白黒反転)によって印刷表示される。スタート・ストップ操作子23aおよびマイナスワン選択操作子24aに対応した表示ランプ23b,24bの点灯および消灯状態が印刷表示される。テンポ値TMPおよび音量値VOLが、テンポインクレメント操作子25a、テンポデクレメント操作子25b、音量インクレメント操作子26aおよび音量デクレメント操作子26bに対応して数字表示される。
プリンタPRによる印刷が終了すると、CPU41は、ステップS70にてプリンタPRから終了通知(Notify)を受け取り、ステップS71にて前記RAM44内に設けた画像データ領域を開放して、ステップS72にてプリンタ処理ルーチンの実行を終了する。
上記作動説明のように、上記実施形態においては、プリンタPRをUSBケーブル12を介して電子楽器ELに接続することにより、操作パネル20の各種操作子21b,21d,21f,22b,23a,24a,25a,25b,26a,26bによる電子楽器ELの作動態様の設定状態を表す画像をプリンタPRで印刷するようにした。したがって、上記実施形態によれば、前記各種操作子による作動態様の設定状態を、ユーザが簡単に確認できるとともに、印刷物をメーカへファクシミリ送信することにより電子楽器ELの動作に関するメーカに問合せも簡単に行うことができるようになる。特に、設定操作子による設定状態を表示する画面表示機能を持たない電子楽器ELには、極めて有効となる。また、プリンタPRを電子楽器ELに直接接続して利用でき、パーソナルコンピュータなどを介在させる必要もないので、複雑な操作を必要としない。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
上記実施形態においては、メイン音色、バリエーションおよび自動演奏曲の数を、それぞれ8個、3個および4個としたが、これらの数に関しては、これらより多くても、少なくてもよい。また、この電子楽器では、トレモロ、コーラスなどの効果の選択については説明しなかったが、操作パネルに前記効果を選択するための操作子を設けて、この効果の選択状態も印刷できるようにするとよい。
また、上記実施形態においは、メイン音色、バリエーションおよび自動演奏曲、自動演奏の再生およびマイナスワンに関する選択操作子21b,21d,21f,22b,23a,24aに対応させて表示ランプ21a,21c,21e,22a,23b,24bをそれぞれ設けるようにしたが、これらの選択操作子のうちの一部または全部の選択操作子に対応した表示ランプを省略してもよい。例えば、メイン音色、バリエーションおよび自動演奏曲の選択操作子21b,21d,21f,22bに対応した表示ランプ21a,21c,21e,22aを省略してもよい。この省略によっても、図8に示す印刷例によれば、選択操作子21b,21d,21f,22bによるメイン音色、バリエーションおよび自動演奏曲の選択状態を確認することができる。
また、上記実施形態では、操作子21b,21d,21f,22b,23a,24a,25a,25b,26a,26bとしてモーメンタリスイッチ(オン/オフスイッチ)を設けるようにしたが、その他の形態の操作子を用いてもよい。例えば、図9(a)に示す上記実施形態のマイナスワン選択操作子24aを、図9(b)に示すオルタネートスイッチで構成したり、図9(c)に示すロータリスイッチで構成したりしてもよい。これらの場合も、操作パネル20の外観を表す画像データとしては、図9(b)のオルタネートスイッチまたは図9(c)のロータリスイッチの外観を表す画像データを予め用意しておく。そして、この場合も、図9(b)のオルタネートスイッチまたは図9(c)のロータリスイッチの画像上に、前記スイッチの設定状態を表す表示を付して印刷するようにすればよい。
また、上記実施形態では、操作パネル20の設定状態を操作パネル20の外観を表す画像を用いて印刷表示するようにした。しかし、これに代えて、図10に示すように操作パネル20の設定状態を文字により印刷表示するようにしてもよい。この場合、CPU41は、操作パネル20の設定状態を表す文字、数字を表す画像データを生成して、プリンタPRに転送する。これによれば、操作パネルの外観を表す画像データが不要となるとともに、操作パネル20の設定状態を表す画像データの生成および印刷が簡単になる。
また、上記実施形態では、電子楽器ELにプリンタPRを接続すると、自動的に操作パネル20の設定状態が印刷されるようにした。しかし、これに代えまたは加えて、電子楽器ELまたはプリンタPR側におけるユーザの指示操作により、操作パネル20の設定状態の印刷が実行されるようにしてもよい。
さらに、上記実施形態においては、演奏操作子として鍵盤10を採用した電子楽器ELに本発明を適用したが、鍵に代えて、単なる押圧スイッチ、タッチスイッチなどを音高を指定する演奏操作子を採用した電子楽器に本発明を適用してもよい。特に、本発明は、電子楽器の形態を問わず、電子弦楽器、電子管楽器などの電子楽器にも適用され得る。
EL…電子楽器、PR…プリンタ、10…鍵盤、12…USBケーブル、20…操作パネル、21a,21c,21e,22a,23b,24b…表示ランプ、21b,21d…音色選択操作子、21f…バリエーション選択操作子、22b…ソング選択操作子、23a…スタート・ストップ操作子、24a…マイナスワン選択操作子、25a…テンポインクレメント操作子、25b…テンポデクレメント操作子、26a…音量インクレメント操作子、26b…音量デクレメント操作子