JP4556292B2

JP4556292B2 - 記録液

Info

Publication number: JP4556292B2
Application number: JP2000178808A
Authority: JP
Inventors: 崇平佐; 和則丸山; 英之久
Original assignee: Mitsubishi Chemical Corp; Mikuni Color Ltd
Current assignee: Mitsubishi Chemical Corp; Mikuni Color Ltd
Priority date: 2000-06-14
Filing date: 2000-06-14
Publication date: 2010-10-06
Anticipated expiration: 2020-06-14
Also published as: JP2001354884A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録液に関し、詳しくは、特にインクジェット用記録液または筆記具用記録液に適した記録液に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、インクジェット記録用の記録液（インクジェット記録液）としては、水性媒体中に酸性染料や直接染料が溶解された水性記録液（インク）や油溶性染料を有機溶剤中に溶解した溶剤系記録液が使用されてきた。溶剤系記録液は、溶剤を使用するために環境安全面で問題があり、オフィスや家庭などでの使用には適さない等の理由で用途が限定されている。一方、水性記録液は、水溶性色素（染料）を使用するため、特に普通紙に記録した場合に印字物の耐水性が劣ることが問題であり、更に、印字物の耐光性の面でも不十分である。この様なことは、インクジェット記録液のみならず、筆記具用記録液についても同様である。
【０００３】
上記の問題点を改良するため、色材として耐水性と耐光性に優れるカーボンブラックを水性媒体中に分散した記録液が一部で使用されているが、従来のカーボンブラック分散記録液は、印字濃度の点で不十分である等の問題がある。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、インクジェット記録用または筆記具用として、普通紙に記録した場合にも印字物の印字品位が良く高濃度の記録が可能で且つ保存安定性が良好であり、しかも、耐光性、耐水性など印字物の堅牢性も良好な印字物が得られると共に、吐出性に優れ、良好な印字物を与える記録液を提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、種々検討した結果、ポリアロマティックハイドロカーボン含有量が一定値以下のカーボンブラックの使用により上記の目的を容易に達成し得るとの知見を得、本発明の完成に至った。
【０００６】
すなわち、本発明の要旨は、色材としてポリアロマティックハイドロカーボンの含有量が５００ｐｐm以下であるカーボンブラックを含むことを特徴とする記録液に存する。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の記録液は、色材としてポリアロマティックハイドロカーボン（以下ＰＡＨと略記する）の含有量が５００ｐｐm以下であるカーボンブラックを含む。
【０００８】
本発明で使用するカーボンブラックとしては、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等の通常のカーボンブラックが挙げられる。これらの中では、チャンネルブラック又はファーネスブラックが好ましく、ファーネスブラックが特に好ましい。
【０００９】
カーボンブラック中のＰＡＨとは、縮環した芳香環を有する化合物の総称であり、その量は、「カーボンブラック中のＰＡＨ含有量の測定方法」（１９９４年７月８日、キャボット（社）発行）に記載の方法で測定することが出来る。
【００１０】
本発明で使用するカーボンブラックのＰＡＨ含有量は、５００ｐｐm以下でなけばならないが、好ましくは３００ｐm以下、更に好ましくは１００ｐｐm以下である。ＰＡＨ含有量が５００ｐｐmを超えるカーボンブラックを使用した場合は、本発明の目的を達成することが出来ない。ＰＡＨ含有量の下限は通常１ｐｐｍである。
【００１１】
ＰＡＨ含有量が５００ｐｐm以下のカーボンブラックは、記録液調製時における分散性が良好であり印字物の印字濃度を向上させる。その理由は、必ずしも明らかではないが、次の様に推定される。すなわち、前述の通り、ＰＡＨとは芳香環が縮合した化合物の総称であり、これらの具体例は、ナフタレン、フルオレン、アセトナフテン、アセナフテン、フェナントレン、アントラセン、ピレン、ベンゾアントラセン、ベンゾピレン、ベンゾピペリン等の疎水性化合物である。従って、ＰＡＨ含有量が少ないカーボンブラックは、表面に存在する上記の様な疎水性化合物が少ないために水系溶媒に対する親和性に優れる。その結果、斯かるカーボンブラックは、水系溶媒に分散した際に分散剤が吸着し易く一層均一な分散状態を呈し、印字物の印字濃度を高める。
【００１２】
また、本発明で使用するカーボンブラックのベンゾピレン含有量は、通常５ｐｐm以下、好ましくは３ｐｐm以下、更に好ましくは１ｐｐm以下である。ここで、ベンゾピレンの含有量とは、カーボンブラック中に含まれるベンゾピレンの総量を指し、ベンゾ−ａ−ピレン、ベンゾ−ｅ−ピレン等の異性体が含まれる。ベンゾピレンの含有量は、上記の著書に記載の方法によって測定することが出来る。ベンゾピレンの含有量の下限は通常１ｐｐｍである。
【００１３】
更に、本発明で使用するカーボンブラックのＤＢＰ吸油量は、通常１００ｍｌ／１００ｇ以上、好ましくは１２０ｍｌ／１００ｇ以上、更に好ましくは１４０ｍｌ／１００ｇ以上である。ＤＢＰ吸油量が上記の範囲外のカーボンブラックを使用した場合、得られる記録液の印字濃度が低くなる傾向がある。なお、ＤＢＰ吸油量の上限は通常２００ｍｌ／１００ｇである。
【００１４】
カーボンブラックの揮発分は、通常８重量％以下、好ましくは４重量％以下である。また、カーボンブラックのｐＨは、通常１〜１４、好ましくは３〜１１、更に好ましくは６〜９である。揮発分およびｐHが上記の範囲外のカーボンブラックを使用した場合、記録液の保存安定性が悪化する傾向がある。
【００１５】
カーボンブラックのＢＥＴ比表面積は、通常１００ｍ²／ｇ以上、好ましくは１５０〜６００ｍ²／ｇ、更に好ましくは２６０〜５００ｍ²／ｇである。１次粒子径は、通常３０ｎｍ以下、好ましくは２０ｎｍ以下、更に好ましくは１６ｎｍ以下、特に好ましくは１５ｎｍ以下である。ＢＥＴ比表面積および１次粒子径が上記の範囲外のカーボンブラックを使用した場合、記録液の保存安定性が悪化する傾向がある。なお、１次粒子径の下限は通常５ｎｍである。
【００１６】
なお、カーボンブラックのＤＢＰ吸油量はＪＩＳＫ６２２１Ａ法で測定した値、揮発分はＪＩＳＫ６２２１の方法で測定した値、１次粒子径は電子顕微鏡写真から画像処理により実測した算術平均径（数平均）、ｐＨはカーボンブラック水懸濁液を煮沸後に冷却した泥状物のｐＨ値を指す。
【００１７】
また、本発明においては、上記のカーボンブラックを化学的に処理したもの（酸化処理、フッ素化処理など）、上記のカーボンブラックに分散剤や界面活性剤などを物理的または化学的に結合させたもの（グラフト化処理、分散前に分散剤を吸着させたもの等）を使用してもよい。
【００１８】
本発明の記録液には、種々の観点から高分子を含有するのが好ましい。使用し得る高分子としては、アニオン性またはカチオン性のイオン性高分子やノニオン性高分子などが挙げられる。
【００１９】
アニオン性水溶性高分子としては、記録液の保存安定の観点から、遊離酸の形での酸価が通常１５０ｍｇＫＯＨ／ｇ以上、好ましくは２００ｍｇＫＯＨ／ｇ以上、更に好ましく２５０ｍｇＫＯＨ／ｇ以上のものが使用される。更に、疎水性基を有する高分子は、カーボンブラックの分散安定性、印字物の耐水性および耐擦性の点で好ましい。
【００２０】
高分子中の疎水性基としては、置換されていてもよいフェニル基、ベンジル基、ナフチル基などの芳香環を有する有機基、炭素数４以上であって且つ枝分かれ又は置換されていてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基などが挙げられるが、中でも芳香環を有する有機基が好ましい。
【００２１】
本発明で使用するアニオン性水溶性高分子としては、具体的には、（α−メチル）スチレン／マレイン酸共重合体、（α−メチル）スチレン／（メタ）アクリル酸共重合体、（α−メチル）スチレン／（メタ）アクリル酸エステル／（メタ）アクリル酸共重合体、（メタ）アクリル酸エステル／（メタ）アクリル酸共重合体、（メタ）アクリル酸エステル／マレイン酸共重合体および／またはこれらの塩などが挙げられる。ここで、（α−メチル）スチレンとはα−メチルスチレン及び／又はスチレンのことを指し、（メタ）アクリル酸とはメタクリル酸および／またはアクリル酸のことを指す。
【００２２】
また、本発明で使用する遊アニオン性水溶性高分子は、ブロックポリマー、グラフトポリマー、ランダムポリマーの何れでもよいが、主に製造コストの点から、グラフトポリマー又はランダムポリマーが好ましく、特にランダムポリマーが好ましい。また、重量平均分子量は、吐出安定性の観点より、５万以下が好ましく、１万５千以下が更に好ましく、１万以下が特に好ましい。更に、酸価が１５０ｍｇＫＯＨ／ｇ以上の共重合体は、Ｌｉ、Ｎａ、Ｋ等のアルカリ金属塩、アンモニア、ジメチルアミン、（モノ、ジ、トリ）エタノールアミン等の有機アミン塩などの形で使用できる。
【００２３】
以上の様な高分子または高分子溶液の市販品としては、ジョンソンポリマー社製の「ジョンクリル６７」、「６７８」、「６８０」、「６８２」、「６９０」及び／又はその塩、「ジョンクリル５２」、「５７」、「６０」、「６２」、「６３」、「７０」、「３５４」、「５０１」、「６６１０」等が挙げられる。
【００２４】
本発明の記録液には、表面張力調整剤、防腐剤、防黴剤、殺菌剤、ｐＨ調整剤、尿素などの他の添加剤を必要に応じて使用してもよい。斯かる添加剤の一例としては、各種の陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、高分子系分散剤などが挙げられる。
【００２５】
陰イオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルスルホコハク酸塩類、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩類、アルキルリン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸エステル塩類、アルカンスルホン酸塩類、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物類、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル類、Ｎ−メチル−Ｎ−オレオイルタウリン酸塩、αーオレフィンスルホン酸塩類などが挙げられる。
【００２６】
非イオン性界面活性剤としては、特に制限されないが、保存安定性、印字濃度の点から、エチレンオキサイド構造またはプロピレンオキサイド構造を有するものが好ましく、その中でも、ＨＬＢが９〜１７、特に１０〜１６のものが好ましい。
【００２７】
非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アミノポリオキシエチレン、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンオレエート、ナフトールエチレンオキシド付加物、アセチレングリコールエチレンオキシド付加物、ビスフェノールＡエチレンオキシド付加物、オキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
【００２８】
一方、陽イオン性界面活性剤および両性界面活性剤としては、アルキルアミン塩類、第４級アンモニウム塩類、アルキルベタイン類、アミノキサイド類が挙げられる。
【００２９】
本発明の記録液の媒体としては、通常、水を主体とする水性媒体が使用されるが、この場合、水に水溶性有機溶剤を添加して使用するのが好ましい。
【００３０】
上記の水溶性有機溶剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、１、３−プロパンジオール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール（具体例：和光純薬社製「＃２００」、「＃３００」、「＃４００」、「＃４０００」、「＃６０００」）、グリセリン、グリセリンのエチレングリコール付加物（具体例：リポケミカル社製「ＬｉｐｏｎｉｃＥＧ−１」等）、上記グリコール類のアルキルエーテル類（ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノプロピルエーテル、ポリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノステアリルエーテル等）、Ｎ−メチルピロリドン、１，３−ジメチルイミダゾリノン、チオジグリコール、２−ピロリドン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ネオペンチルアルコール、トリメチロールプロパン、２、２−ジメチルプロパノール等が挙げられる。
【００３１】
本発明の記録液は、公知の方法に従い、媒体中にて前記の添加成分の存在下にカーボンブラックを分散処理して高濃度の分散液を得、次いで、得られた分散液に媒体を添加して濃度調整を行って記録液を調製する方法（マスターバッチ法）又は媒体中にて前記の添加成分の存在下にカーボンブラックを分散処理して記録液を調製する方法によって得られる。上記のマスターバッチ法は、分散処理が高濃度で行われるために効率的である。
【００３２】
分散処理に使用する分散機としては、分散機としては、ボールミル、ロールミル、サンドグラインドミルの他、メディアを使用せずに粉砕処理できるナノマイザー、アルティマイザー等のジェットミルが使用される。特に、サンドグラインドミル又はメディアに由来する汚染の少ないジェットミルが好ましい。本発明においては、上記の分散機による摩砕・分散処理の後、濾過機または遠心分離機により粗大粒子を除去する。
【００３３】
カーボンブラックの使用量は、記録液全重量に対し、通常１〜１０重量％、好ましくは２〜８重量％、更に好ましくは２〜６重量％である。遊離酸の形での酸価が１５０ｍｇＫＯＨ／ｇ以上の高分子の使用量は、カーボンブラックの重量に対し、通常５〜５０重量％、好ましくは８〜４０重量％、更に好ましくは８〜３０重量％である。また、上記の水溶性有機溶剤の使用量は、記録液の保存安定性の観点から、記録液中の割合として、通常５〜３０重量％、好ましくは５〜２０重量％、更に好ましくは８〜２０重量％の範囲である。
【００３４】
記録液中のカーボンブラックの平均粒径は、分散安定性、吐出安定性、記録濃度の観点から、通常０．０１〜０．３μm、好ましくは０．０５〜０．２μm、更に好ましく、０．１〜０．２μmの範囲である。カーボンブラックの最大粒径は、分散安定性、吐出安定性の観点から、５μm以下であることが好ましい。また、記録液中のカーボンブラックの分散粒径分布における標準偏差は、記録液の保存安定性、吐出安定性、記録濃度の観点から、７０ｎｍ以下、好ましくは５〜６０ｎｍ、更に好ましくは１０〜５０ｎｍとされる。
【００３５】
ただし、上記の平均分散粒径および分散粒径分布は、「サブミクロン粒子アナライザーＮ４Ｓ」（Ｃｏｕｌｔｅｒ社製品）で測定した値とする。
【００３６】
本発明の記録液は、インクジェット用および筆記具用に止まらず、他の用途の記録液として使用することも出来る。本発明の記録液は特にインクジェット記録用に好適であり、全てのタイプのインクジェット記録方法（オンデマンド方式、コンティニュアス方式、ピエゾ方式、サーマル方式）に使用でき、全ての被記録材（普通紙、リサイクル紙、インクジェット専用紙（コート紙、光沢紙等）、インクジェット専用フィルム（コートフィルム、光沢フィルム等）、ＯＨＰフィルム等）に使用できる。
【００３７】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。以下の諸例において「部」及び「％」は、特に断りがない限り重量基準である。また、使用したカーボンブラックの種類ならびに物性の測定および評価方法は次の通りである。
【００３８】
【表１】

【００３９】
（１）印字試験：
ヒューレット・パッカード製インクジェットプリンタ「ＤｅｓｋＪｅｔ８９５Ｃｘｉ」（ブラックカートリッジＨＰ５１６４５Ａ）に記録液を充填し、電子写真用紙（Ｘｅｒｏｘ４０２４紙、Ｘｅｒｏｘ４２００紙：Ｘｅｒｏｘ製品）にノーマルモードでベタ印字した。そして、得られた印字物を目視観察することにより吐出性を評価した。評価基準は次の表２に示す通りである。
【００４０】
【表２】
○：印字物のベタ部にかすれている部分がない。
△：印字物のベタ部にかすれている部分がある。
×：記録液が吐出されずに印字物が得られない。
【００４１】
（２）印字濃度評価：
上記の印字試験で得た印字物の濃度をマクベス反射濃度計（ＲＤ９１４）で測定した。
【００４２】
（３）分散粒径分布測定：
イオン交換水で記録液を希釈して粒度分布計（Ｃｏｕｌｔｅｒ社製品「粒子アナライザーＮ４Ｓ」）にて分散粒径分布の測定を行った。測定条件は次の表３に示す通りである。３回の測定の平均値を平均分散粒径とした。
【００４３】
【表３】
温度 = ２５℃
粘度= ０．８９４ cP
屈折率 = １．３３３
角度= ９０．０°
サンプリング時間 = １３．５マイクロ秒
プレスケール = ２
全サンプリング時間= ６０秒
【００４４】
実施例１
円筒形のステンレス容器に次の表４に示す各成分を採取し、平均０．５ｍｍ径のジルコニアビーズを使用しサンドグラインダーにて３時間分散処理を行った。
【００４５】
【表４】

【００４６】
得られた液にポリエチレングリコール（和光純薬社製「＃４００」）を２．５部とイオン交換水２５．５部を更に加えた。この液をＮｏ．５Ｃの濾紙で加圧濾過し、ここで得られた液を記録液とした。得られた記録液中のカーボンブラックの平均分散粒径は０．１４３μｍであり、分散粒径分布の標準偏差は４５ｎｍであった。印字試験の結果、記録液は、目詰まり等が無く安定で且つ良好な吐出性を示した。また、印字品位の良好な印字物が得られた。その他の試験結果は表５に示した。
【００４７】
比較例１
実施例１において、カーボンブラック（Ａ）の代わりにカーボンブラック（Ｂ）を使用した以外は、実施例１と同様の方法で記録液を調製した。得られた記録液について実施例１と同様の評価を行った。得られた記録液中のカーボンブラックの平均分散粒径は０．１４８μｍであり、分散粒径分布の標準偏差は４５ｎｍであった。試験結果は表５に示した。
【００４８】
【表５】

【００４９】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、インクジェット記録用または筆記具用として、普通紙に記録した場合にも印字物の印字品位が良く高濃度の記録が可能で且つ保存安定性が良好であり、しかも、耐光性、耐水性など印字物の堅牢性も良好な印字物が得られると共に、吐出性に優れ、良好な印字物を与える記録液が提供される。

Claims

色材としてポリアロマティックハイドロカーボンの含有量が５００ｐｐm以下であるカーボンブラックを含むことを特徴とする記録液。
カーボンブラック中のベンゾピレンの量が５ｐｐm以下である請求項１に記載の記録液。
カーボンブラックの種類がファーネスブラックである請求項１又は２に記載の記録液。
カーボンブラックのＤＢＰ吸油量が１２０mｌ／１００ｇ以上である請求項１〜３の何れかに記載の記録液。