JP2000290554A - 記録液及びインクジェット記録方法 - Google Patents

記録液及びインクジェット記録方法

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JP2000290554A
JP2000290554A JP10005699A JP10005699A JP2000290554A JP 2000290554 A JP2000290554 A JP 2000290554A JP 10005699 A JP10005699 A JP 10005699A JP 10005699 A JP10005699 A JP 10005699A JP 2000290554 A JP2000290554 A JP 2000290554A
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recording
water
acid
polymer compound
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JP10005699A
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English (en)
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Takashi Hirasa
崇 平佐
Toshiya Seko
敏也 世古
Tetsuo Murayama
徹郎 村山
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録物の印字品位が良く高濃度の記録が可能
で、保存安定性や耐水性も良好であると共に、インクジ
ェット記録等における吐出耐久性にも優れ、他色との境
界部のにじみもなく良好な印字物を与える記録液を提供
する。 【解決手段】 水性媒体、下記の物性を有するカーボン
ブラック及びカルボン酸基を有し遊離酸の形での酸価が
250mgKOH/g以上の水溶性高分子化合物を含有
することを特徴とする記録液。カーボンブラック物性: DBP吸油量140ml/100g以上 pH6以上

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水性媒体記録液、詳
しくはインクジェット用記録液又は筆記具用記録液、特
にはインクジェット用に適した記録液に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録用の記録液と
しては酸性染料や直接染料を水性媒体中に溶解した水性
インク、あるいは、油溶性染料を有機溶剤中に溶解した
溶剤系インクが使用されている。溶剤系インクは溶剤を
使用するため、環境安全面で問題があり、オフィスなど
での使用は適さないなど用途が限られている。一方水性
インクは水溶性の色素を使用するため、特に普通紙に記
録した場合、記録物の耐水性が劣ることが問題である。
また、これらの染料を用いたインクの記録物は耐光性の
面でも不十分である。このような問題はインクジェット
用のみならず、筆記具用記録液についても同様である。
前記の問題点を改良するため、色材として耐水性、耐光
性に優れた顔料を用い、顔料を水性媒体中に分散した水
性分散インクが一部で用いられている。特開平4−18
461号公報には、浸透性、定着性、分散安定性向上を
目的として酸性カーボンブラックと酸価250以上の樹
脂を含む記録液が記載されている。また、特開平10−
17808号公報には印字濃度向上を目的として、DB
P吸油量140ml/100g以上で、且つpH6以上
のカーボンブラックを含む記録液が開示されている。し
かし、このような従来の顔料の水性分散インクは印字濃
度、長期の保存安定性、吐出安定性、他色インクとの境
界部のにじみ等の記録液としての重要な性能の全てにつ
いて高いレベルで満足するものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はあらゆる方式
のインクジェット(コンティニュアスタイプ、オンディ
マンドタイプ、ピエゾ方式、サーマル方式など)記録用
もしくは筆記具用として、普通紙に記録した場合にも記
録物の印字品位が良く高濃度の記録が可能で、保存安定
性が良好であり、耐光性、耐水性など記録物の堅牢性も
良好な記録物が得られると共に、吐出性が良好で他色イ
ンクとの境界部のにじみの少ない水性分散インクを提供
することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、記録液用
の水性分散インクの吐出安定性、保存安定性、他色イン
クとの境界部のにじみ性能向上を種々検討した結果、水
性媒体中、中性又は塩基性で、且つDBP吸油量が14
0ml/100g以上のカーボンブラックとカルボン酸
基を有し遊離酸の形での酸価が250mgKOH/g以
上の水溶性高分子を含有した記録液は、普通紙に記録し
た場合にも記録物の印字品位が良く高濃度の記録が可能
で、保存安定性、吐出安定性に優れ、安定した記録物が
得られるとともに、他色インクとの境界部のにじみが少
ない記録液となることを見出し本発明に至ったものであ
る。即ち、本発明の要旨は、水性媒体、下記の物性を有
するカーボンブラック及びカルボン酸基を有し遊離酸の
形での酸価が250mgKOH/g以上の水溶性高分子
化合物を含有することを特徴とする記録液。カーボンブ
ラック物性: DBP吸油量140ml/100g以上 pH6以上に存する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者の記録液は、水性媒体中、pHが6以上で且つ
DBP吸油量が140ml/100g以上のカーボンブ
ラックと、カルボン酸基を有し遊離酸の形での酸価が2
50mgKOH/g以上の水溶性高分子を含有するもの
である。
【0006】本発明で使用できるカーボンブラックの物
性値は、そのDBP吸油量が140ml/100g以上
のものであり、記録液の印字濃度の点で、145ml/
100g以上のものが更に好ましい。また該カーボンブ
ラックは印字濃度の点から中性又は塩基性のもの、すな
わちそのpHが6以上のもの、好ましくはpHが7以上
のものを使用する。具体的にはアセチレンブラック、チ
ャンネルブラック、ファーネスブラックなどのカーボン
ブラックが使用できる。またBET比表面積は200m
2 /g以上のものが記録液の保存安定性、印字濃度、吐
出安定性の点で好ましく、250m2 /g以上のものが
更に好ましい。また、その揮発分は通常8重量%以下の
範囲のものが好ましいが、4重量%以下が特に好まし
い。
【0007】1次粒子径については20nm以下のもの
が記録液の保存安定性、印字濃度、吐出安定性の点で好
ましく、18nm以下のものが更に好ましく、16nm
以下が特に好ましい。尚、ここでいうカーボンブラック
のDBP吸油量はJIS K6221 A法で測定した
値、pHはJIS K6221の方法で測定した値、揮
発分はJIS K6221の方法で測定した値、1次粒
子径は電子顕微鏡による算術平均径のことである。
【0008】また本発明の記録液に使用されるカーボン
ブラックとしては、カーボンブラックを化学的に処理し
たもの(酸化処理、フッ素化処理等)や、分散剤、界面
活性剤などを物理的または化学的に結合させたもの(グ
ラフト化処理、分散剤を分散前にあらかじめ吸着させた
もの等)等を使用してもよい。また記録液中のカーボン
ブラックの平均粒径が0.01〜0.5μm の範囲にす
ることが分散安定性並びに吐出安定性上好ましい。更に
カーボンブラックの最大大粒径は5μm 以下であること
が分散安定性並びに吐出安定性上好ましい。
【0009】カーボンブラックの使用量は記録液全重量
に対し1〜10重量%の範囲とするのが良いが、3〜8
重量%が更に好ましい。本発明で使用する水溶性高分子
化合物は、カルボン酸基を有し遊離酸の形での酸価(中
和滴定法により求めた酸価を指す。滴定はJIS K0
113に記載の電位差滴定方法により行い、終点はJI
S K0113 5.2.2に記載の変曲点法により決
定する。)が250mgKOH/g以上の高分子である
が、記録液の保存安定性、吐出安定性の点で300〜6
00mgKOH/gの範囲内のものが好ましく、300
〜500mgKOH/gのものが特に好ましい。該高分
子化合物の重量平均分子量は1000以上5万以下が好
ましいが、2000以上3万以下が更に好ましく、20
00以上2万以下が特に好ましい。該高分子化合物は主
に製造コストの点でグラフトポリマー、ランダムポリマ
ーが好ましいが、ランダムポリマーが特に好ましい。
【0010】またこれらの高分子化合物は分散剤として
機能し、Li、Na、Kなどのアルカリ金属塩、アンモ
ニア、ジメチルアミン、モノorジorトリエタノール
アミンなどの有機アミン塩などの形で使用できる。これ
らの高分子化合物としてはホモポリマー、共重合体のど
ちらも使用できるが、保存安定性の点で共重合体を使用
することが好ましい。特に共重合体を用いる場合には疎
水基と親水基をもつ共重合体を用いることが記録液の保
存安定性の点で好ましい。疎水基としては、置換されて
いてもよいフェニル基、ベンジル基、ナフチル基等の芳
香環を有する官能基、炭素数4以上の枝分かれ、環状も
しくは置換されていても良いアルキル基、アルケニル
基、アルキニル基が挙げられるが、芳香環を有する疎水
基が好ましい。親水基としてはカルボン酸、スルホン
酸、リン酸、ホウ酸等が挙げられ、該高分子化合物はこ
れらの置換基のうちの2種以上を同時に含んでも良い。
中でもカルボン酸基の含有量は高分子化合物中の全酸性
基中の40〜100モル%である高分子化合物が耐擦
性、他色との境界にじみの点で好ましく、70〜100
モル%が更に好ましく特には100モル%が良い。具体
的には(α−メチル)スチレン/(メタ)アクリル酸共
重合体,(α−メチル)スチレン/(メタ)アクリル酸
/(メタ)アクリル酸エステル共重合体,(メタ)アク
リル酸/(メタ)アクリル酸エステル共重合体等が挙げ
られる。(α−メチル)スチレンとはα−メチルスチレ
ン及び/又はスチレンのことを指し、(メタ)アクリル
酸とはメタクリル酸及び/又はアクリル酸を指すものと
し、以下同様とする。
【0011】本発明の特定の酸価を有する高分子化合物
の使用量は、カーボンブラックの重量に対して1〜10
0重量%がよく、中でも3〜50重量%が好ましい。本
発明の記録液には、表面張力調整剤や防腐剤等の他の添
加剤を用いても良い。使用できる添加剤としては、各種
の陰イオン性界面活性剤,非イオン性界面活性剤,陽イ
オン性界面活性剤,両性界面活性剤,本発明の特定の酸
価を有する高分子とは別の高分子系分散剤等が挙げられ
る。
【0012】陰イオン性界面活性剤としては脂肪酸塩
類,アルキル硫酸エステル塩類,アルキルベンゼンスル
ホン酸塩類,アルキルナフタレンスルホン酸塩類,アル
キルスルホコハク酸塩類,アルキルジフェニルエーテル
ジスルホン酸塩類,アルキルリン酸塩類,ポリオキシエ
チレンアルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレン
アルキルアリール硫酸エステル塩類,アルカンスルホン
酸塩類,ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物類,ポ
リオキシエチレンアルキルリン酸エステル類,N−メチ
ル−N−オレオイル−タウリン酸塩、αーオレフィンス
ルホン酸塩類等が挙げられる。
【0013】非イオン性界面活性剤としてはポリオキシ
エチレンアルキルエーテル類,ポリオキシエチレンアル
キルアリールエーテル類,ポリオキシエチレン誘導体
類,オキシエチレン,オキシプロピレンブロックコポリ
マー類,ソルビタン脂肪酸エステル類,ポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステル類,ポリオキシエチレン
ソルビトール脂肪酸エステル類,グリセリン脂肪酸エス
テル類,ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類,ポリオ
キシエチレンアルキルアミン類等が挙げられる。アルキ
レンオキサイド構造を有する非イオン性添加剤が好まし
いが、中でもエチレンオキサイド構造又は、プロピレン
オキサイド構造を有する非イオン性添加剤が保存安定
性、印字濃度の点で好ましく、その中でもHLBが9〜
17であるものが更に好ましい。またHLBが10〜1
6であるものが特に好ましい。
【0014】具体的にはポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエ
ーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオ
キシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオ
レイルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテ
ル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエ
チレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルアミン、アミノポリオキシエチレン、ソルビタン脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンラウレー
ト、ポリオキシエチレンソルビタンパルミテート、ポリ
オキシエチレンソルビタンステアレート、ポリオキシエ
チレンソルビタンオレエート、ナフトールエチレンオキ
シド付加物、アセチレングリコールエチレンオキシド付
加物、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物、オキ
シエチレンオキシプロピレンブロックポリマーが挙げら
れる。
【0015】陽イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤
としてはアルキルアミン塩類,第4級アンモニウム塩
類,アルキルベタイン類,アミノキサイド類が挙げられ
る。本発明における記録液には必要に応じて、本発明の
特定の酸価を有する高分子化合物や界面活性剤とは別の
高分子化合物を添加しても良い。使用される高分子化合
物としては、アニオン性、カチオン性、両性、非イオン
性の高分子化合物のいずれでも良いが、水溶性高分子化
合物であることが好ましい。また、遊離酸の形での酸価
が250mgKOH/g未満、好ましくは220mgK
OH/g以下の高分子が使用できる。中でもカルボン酸
(塩)、スルフォン酸(塩)、リン酸(塩)などのアニ
オン性水溶性基を有する高分子、および非イオン性高分
子が好ましい。ここで、例えばカルボン酸(塩)とは、
カルボン酸及び/又はカルボン酸塩を指すものとする。
またこれらの高分子としては共重合体も使用できる。ア
ニオン性の共重合体を用いる場合、アニオン性高分子中
の疎水基としては、置換されていてもよいフェニル基、
ベンジル基、ナフチル基等の芳香環を有する官能基、炭
素数4以上の枝分かれ、環状もしくは置換されていても
良いアルキル基、アルケニル基、アルキニル基が挙げら
れる。
【0016】本発明に使用されるアニオン性高分子化合
物は具体的には、(α−メチル)スチレン/(メタ)ア
クリル酸共重合体,(α−メチル)スチレン/(メタ)
アクリル酸/アクリル酸エステル共重合体,(α−メチ
ル)スチレン/マレイン酸共重合体,(α−メチル)ス
チレン/マレイン酸/アクリル酸エステル共重合体,
(α−メチル)スチレン/マレイン酸ハーフエステル共
重合体,(α−メチル)スチレン/スチレンスルフォン
酸(塩共重合体,ビニルナフタレン/マレイン酸共重合
体,ビニルナフタレン/アクリル酸共重合体、ナフタレ
ンスルフォン酸ホルマリン縮合物、リグニンスルフォン
酸、あるいはこれらの塩等が挙げられる。中でも色調が
よく、水に流れない印字物を得るには本発明のアニオン
性高分子化合物は着色していないものが好ましいため、
380〜780nmの範囲における吸光度の最大値が
0.05g-1・l・cm-1以下のものが好ましく、0.
01g -1・l・cm-1以下のものが特に好ましい。
【0017】また該高分子化合物は主に製造コストの点
でグラフトポリマー、ランダムポリマーが好ましい。ま
た該高分子分散剤の重量平均分子量は5万以下であるこ
とが吐出安定性上好ましいが1万5千以下であることが
さらに好ましい。またこれらの高分子系分散剤はLi、
Na、Kなどのアルカリ金属塩、アンモニア、ジメチル
アミン、モノorジorトリエタノールアミンなどの有
機アミン塩などの形で使用できる。これらの添加剤の
内、陰イオン性界面活性剤,カチオン性界面活性剤及び
高分子化合物が特に優れている。
【0018】本発明の記録液に用いられる水性媒体は水
を主体とするが、水に水溶性有機溶剤を添加して用いる
のが好ましい。水溶性有機溶剤としてはエチレングリコ
ール,プロピレングリコール,ブチレングリコール,ジ
エチレングリコール,トリエチレングリコール,ポリエ
チレングリコール(#200,#300,#400),
グリセリン,上記グリコール類のエチレンオキシド付加
物(具体例:LiponicEG-1(リポケミカル社製商品名)
など)、上記グリコール類のアルキルエーテル類,N−
メチルピロリドン,1,3−ジメチルイミダゾリノン,
チオジグリコール,2−ピロリドン,スルホラン,ジメ
チルスルホキシド,ジエタノールアミン,トリエタノー
ルアミン,メタノール、エタノール,イソプロパノール
等が挙げられる。記録液中の水溶性有機溶剤の使用量
は、通常5〜30重量%の範囲であるが10〜20重量
%が保存安定性上好ましい。
【0019】本発明の記録液には上記の成分の他に,水
溶性樹脂,防黴剤(具体例:ProxelBDN,BD20,GXL,LV,XL
-2,TN(Zeneca社製商品名) など),殺菌剤,pH調整
剤,尿素等を必要に応じて添加しても良い。本発明の記
録液の調製に使われる分散機としてはボールミル,ロー
ルミル,サンドグラインドミル以外に、メディアを用い
ずに粉砕処理できるナノマイザー、アルティマイザー等
のジェットミルが用いられるが、特にサンドグラインド
ミル、もしくはメディアに由来する汚染の少ないジェッ
トミルが好ましい。この摩砕,分散処理の後、濾過機あ
るいは遠心分離機を用いて粗大粒子を除去する。また摩
砕,分散処理は高濃度で調製することにより効率的実施
できるので,高濃度で調製した処理液を,水性媒体で希
釈して記録液の濃度を調整することが好ましい。
【0020】これらのカーボンブラック、界面活性剤、
水溶性高分子化合物、その他の添加剤及び水溶性有機溶
剤は1種類の物を単独で用いても良いが,場合により2
種以上の物を併用することにより、より一層の効果をあ
げることができる。また本発明の記録液は普通紙だけで
なく、その他の被記録液(コート紙、光沢紙、合成紙、
OHPシートなど)への記録へも使用できる。
【0021】
【実施例】以下本発明を実施例によって更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの実施
例に限定されるものではない。尚、以下の実施例におい
て「部」及び「%」は重量基準である。 製造例1 環流冷却器、温度計、窒素置換用ガラス管、及び攪拌装
置を取り付けた4口フラスコにメタクリル酸ベンジル5
0部、メタクリル酸50部、エタノール200部、ラウ
リルメルカプタン4部を入れ、AIBN(アゾビスイソ
ブチロニトリル)2部を加えて、窒素気流下80℃で環
流加熱した。2時間後AIBN滴下終了後更に4時間重
合を行った。上記の方法で得られたエタノール樹脂溶液
のエタノールを除去して高分子化合物を得た。この高分
子化合物の酸価を測定するために、該高分子を化合物1
gを取り、これを水/エタノール(50g/50g)の
混合溶媒に溶解した後、0.1NKOH水溶液で中和滴
定を行った。滴定はJIS K0113に記載の電位差
滴定方法により行い、終点はJIS K0113 5.
2.2に記載の変曲点法により決定した。滴定に必要と
したKOHの量を測定したい高分子化合物の酸価とし
た。その結果、ここで得られた高分子化合物の酸価は、
325mgKOH/gであった。次に、冷却下、メタク
リル酸の90モル%に相当する水酸化ナトリウム水溶液
をフラスコに滴下し中和した。この溶液のエタノールを
除去し、アニオン性樹脂(遊離酸の形での酸価:325
mgKOH/g)水溶液を得た。得られた樹脂の重量
平均分子量は10000であった。 実施例1 (記録液の調製)
【0022】
【表1】 記録液の組成 使用量(部) 三菱化学(株)製 Furnace Carbon Black (DBP 吸油量147ml/100g、揮発分3.7 重量%、pH7.3 、 BET 比表面積294m2/g) 4 アニオン性樹脂水溶液(固形分30%) 0.4 1,3−ジメチルイミダゾリジノン 4 イオン交換水 35.6 ──────────────────────────────── 合計 44
【0023】上記の各成分を円筒形のステンレス容器に
取り、平均0.5mm径のジルコニアビーズ(東レ製
品)152部と共にサンドグラインダーを用いて40時
間分散処理を行った。得られた液に、グリセリン4部と
エタノール3部とイオン交換水49部を加えた。この液
をNo.5Cの濾紙を用いて加圧濾過し、ここで得られ
た液を記録液とした。 (粒度分布測定)得られた記録液をそのままの濃度で粒
度分布計(MicrotracUPA(日機装販売))にて粒度分布
測定を行った。
【0024】
【表2】 測定条件 Transparent Particles : No, Spherical Particles : No, Particle Refractive Index : 1.81 Particle Density : 1.86 Fluid Refractive Index : 1.33 High Temp : 30.0℃ Viscosity : 0.797 cP Low Temp : 20.0 ℃ Viscosity : 1.002 cP Run Time : 300 (sec) , Number of Runs : 2
【0025】上記測定条件にて測定したときの2回の測
定の平均値を記録液の粒度分布の値とし、体積累計50
%径(D50)をその記録液の平均粒径とした。平均粒径
は0.205μmであった。
【0026】(印字試験)上記実施例に記された方法で
得られた記録液を、洗浄したヒューレット・パッカード
製DeskWriter660C用ブラックカートリッ
ジ(HP51629A)に充填し、プリンター(ヒュー
レット・パッカード製DeskWriter660C)
にセットする。この状態で電子写真用紙(Xerox
4024紙、Xerox製品)にベタを印字したとこ
ろ、目詰まりなど無く安定でかつ良好な吐出性を示し、
印字品位の良好な印字物が得られた。
【0027】(印字濃度評価)上記の印字試験で得た印
字物の濃度をマクベス反射濃度計(RD914)を用い
て測定した。結果は以下のように分類し、下記第1表に
示した。
【0028】
【表3】 ◎────OD1.5以上 ○────OD1.4以上1.5未満 △────OD1.3以上1.4未満 ×────OD1.3未満
【0029】(他色との境界にじみ評価)上記の印字試
験後にイエロー、マゼンタ、シアン単色のベタが黒のベ
タと接する印字パターンを電子写真用紙(Xerox
4024紙、Xerox製品)に印字した(使用したカ
ラーカートリッジ(カラーインク)はヒューレット・パ
ッカード製DeskWriter660C用カラーカー
トリッジ(HP51649A))。その結果、以下のよ
うに分類した性能評価において○であった。
【0030】
【表4】 ○・・・カラー(単色)ベタ部と黒インクベタ部の境界
のにじみが殆どない △・・・カラー(単色)ベタ部と黒インクベタ部の境界
のにじみはあるが、実用上問題なし ×・・・カラー(単色)ベタ部と黒インクベタ部の境界
のにじみがひどい
【0031】(保存安定性試験)得られた記録液を70
℃で1週間保存し、保存後室温に戻してから記録液中に
凝集物があるかないか目視判定したところ、凝集物は確
認されなかった。 実施例2 (記録液の調製)
【0032】
【表5】 記録液の組成 使用量(部) 三菱化学(株)製 Furnace Carbon Black (DBP 吸油量147ml/100g、揮発分3.7 重量%、pH7.3 、 BET 比表面積294m2/g) 4 アニオン性水溶性樹脂水溶液(固形分30%) 0.4 ジエチレングリコール 4 イオン交換水 35.6 ─────────────────────────────── 合計 44.0
【0033】上記の各成分を円筒形のステンレス容器に
取り、平均0.5mm径のジルコニアビーズ(東レ製
品)152部と共にサンドグラインダーを用いて3時間
分散処理を行った。得られた液にグリセリン11部とエ
タノール3部とイオン交換水42部をさらに加えた。こ
の液をNo.5Cの濾紙を用いて加圧濾過し、ここで得
られた液を記録液とした。得られた記録液を用いて前記
実施例1と同様の評価を行ったところいずれの評価も実
施例1と同様に良好であった。また、得られた記録液の
平均粒径は0.246μmであった。
【0034】
【表6】
【0035】
【発明の効果】本発明はインクジェット記録用もしくは
筆記具用として、普通紙に記録した場合にも記録物の印
字品位が良く、保存安定性が良好であり、耐光性、耐水
性など記録物の堅牢性も良好な記録物が得られると共
に、吐出性が良好で他色インクとの境界部のにじみの少
ない水性分散インクを得ることが可能である。本発明は
上記の特性を有するのでインクジェット用及び筆記具用
に止まらず、他の用途の記録液として使用する事も出来
る。特に印字濃度、吐出性、他色との境界のにじみの性
能を向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村山 徹郎 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 2C056 EA05 EA21 FA02 FC01 2H086 BA55 BA59 BA60 4J037 AA02 DD05 DD06 DD07 EE02 EE11 EE19 FF05 FF23 4J039 AD03 AD10 BA04 BA12 BC74 BD02 BE12 BE22 CA06 EA35 EA38 EA42 EA44 EA46 EA47 GA24 GA27 GA28

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性媒体、下記の物性を有するカーボン
    ブラック及びカルボン酸基を有し遊離酸の形での酸価が
    250mgKOH/g以上の水溶性高分子化合物を含有
    することを特徴とする記録液。カーボンブラック物性: DBP吸油量140ml/100g以上 pH6以上
  2. 【請求項2】 遊離酸の形での酸価が300〜500m
    gKOH/gの水溶性高分子化合物を含むことを特徴と
    する請求項1に記載の記録液。
  3. 【請求項3】 水溶性高分子化合物中のカルボン酸基の
    含有量が、全酸性基中の40〜100モル%である請求
    項1又は2に記載の記録液。
  4. 【請求項4】 記録液を吐出させて記録を行うインクジ
    ェット記録方法において、記録液として請求項1〜3の
    いずれかに記載の記録液を用いることを特徴とするイン
    クジェット記録方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002294106A (ja) * 2001-03-29 2002-10-09 Mitsubishi Chemicals Corp インクジェット用記録液
WO2005030880A1 (ja) 2003-09-26 2005-04-07 Mitsubishi Chemical Corporation カーボンブラックおよびこれを用いた記録液
US8815002B2 (en) 2011-12-08 2014-08-26 Ricoh Company, Ltd. Inkjet recording ink

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