JP4554817B2 - ヒートソーク試験したグレージングを識別する方法 - Google Patents

ヒートソーク試験したグレージングを識別する方法 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、熱処理を受けたグレージングを識別する方法に関する。「グレージング(glazing(vitrage))」という用語は、単一又は多重のガラスペイン(glass pane(verre))を包含するものであり、これらはむき出しであるか、又は薄いフィルム、例えば熱分解フィルムの如きもので、あるいは厚いフィルム、例えばエナメルの如きもので、被覆される。
【0002】
本発明はそのような用途に限定されるものではないが、「ヒートソーク試験(Heat Soak Test)」タイプの処理を受けたグレージングを参照してより詳しく説明される。この種の処理は、破壊式でもって、ガラス基材、例えば強化した、半強化した、又は硬化したガラス板といったものにおける、ニッケル硫化物の検出を可能にする。
【0003】
そのようなガラス基材中にニッケル硫化物の存在することは文献で知られているが、それらの源は全く不明である。多くの源が既に考えられており、それは硫酸ナトリウムの還元に由来すること、また例えばバーナーのノズルからの、ニッケル酸化物との反応に由来することがあろう。実際のところ、現時点では、具体的な源を決定することはできていないが、これらのニッケル硫化物は混入物の形でもってガラス中に存在しているということになる。これらの混入物はガラス基材の主要な所望特性を損なわないとは言え、それにもかかわらずそれらは、特に強化ガラス板の場合に、主要な問題となる。これは、これらのニッケル硫化物の存在は強化ガラスの製造のずっと後にそれらのいわゆる「自然」破壊を招くからである。特定の分類された事例では、そのような強化ガラスの製造後10年以上での破壊が示されている。この欠点の結末は、ガラス板はもちろん既に販売されて使用されていることから、ゆゆしきことである。更に、この種のガラスは殊に建物の表面の外装用に使用されるので、取り付けた後のグレージングの破壊は、例えば建物の表面から、あるいは歩行者用通路を覆うグレージングを施した屋根から、グレージングが落下するため、ゆゆしき事故に至りかねない。
【0004】
これらの問題を引き起こす種々のニッケル硫化物化合物は既に説明されている。これらは、殊に化学量論的なニッケル硫化物NiS、Ni7 8 と、ニッケルが化学量論量を下回るニッケル硫化物NiS(1+x) (ここでのxは0から0.08までいろいろである)である。これらの種々の化合物はグレージング中に、結晶性混入物の形でもって存在することがあり、損傷を及ぼすその直径はとりわけ40μmと1mmの間である。
【0005】
上述の「自然」破壊の現象も、時間がたって起きる破壊ではあるが、既に説明されている。ガラス中にニッケル硫化物が存在することにつきまとう破壊は、α相(六方晶系の相)からβ相(菱面体晶系の相)への変態を伴う体積膨張によって引き起こされる。このα相はニッケル硫化物の「高温」相であり、これは室温では準安定である。β相は「低温」相であり、これは室温で安定である。従って、使用する用意のできているあるいは既に使用されているガラス板中にニッケル硫化物がα相でもって存在していると、時間をかけてβ相への変態が起きることが理解される。
【0006】
室温のガラス板中にニッケル硫化物がα相でもって存在することは、強化ガラス板の場合にとりわけ、それらが受ける熱処理によって説明することができ、これは、熱強化の場合、ニッケル硫化物が存在するとガラス板の温度の上昇がα相の出現を招くことがあるからである。その後に続く急速な冷却は、その速度のために、β相へ完全に戻るのを許さない。それゆえに、こうして処理されたガラス板は、時間をかけてβ相に変態するα相のニッケル硫化物を含むことがあり、この変態にはガラス板の破壊の原因となる体積膨張が伴う。
【0007】
従って、そのようなグレージングの一部の用途については、とりわけグレージングの破壊が事故の危険となるものについては、時間をかけてガラス板が破壊する原因となりやすいニッケル硫化物が混入しているガラス板を検出することが必要である。
【0008】
ニッケル硫化物を検出するための、「ヒートソーク試験」と呼ばれる広く利用されている一つの方法は、高温α相の低温β相への変態を室温での変態の速度に関して加速するものである。従ってそのような方法は、先に示したようにニッケル硫化物の混入物を含むいずれのグレージングも破壊することになる、規定された熱処理からなる。
【0009】
そのようなガラス板を例えば建設産業向けに使用するためには、ニッケル硫化物の検出処理を受けた強化ガラス板を識別できることが重要である。この理由は、建設産業はこの検出処理を受けていない強化ガラス板の使用を許容しているとは言え、ニッケル硫化物の混入物のないガラス板を要求する用途があるからであり、これらの用途は例えば、所定の高さより上方では時間をかけて自然破壊を受けることがあるガラス板を用いることを危険にする、建物表面の外装である。
【0010】
従って、処理されているグレージングと処理されておらずそして更には同一であるかもしれないグレージングとを混同するいかなる危険も回避するためには、検出処理を受けたグレージングの識別が必要であると思われる。実際、例えばグレージングを搬出する際又は保管する際に、起きることがあるいかなる混同も防止するのが好ましい。
【0011】
ガラス製造者のための一つの解決策は、ニッケル硫化物の検出処理を受けているグレージングにラベルを貼ることである。しかし、そのような解決策には欠点があり、第一には、ラベルの付着のタイプがどんなものであれ、これは劣化し、あるいは消失さえしかねない。第二に、いかなる間違いも防止するため、より詳しく言うと処理していないグレージングにラベルを貼るのを防止するために、用心と絶対確実な組織が必要である。そのような組織を作ることが可能であるとは言え、実行することは困難なことがある。
【0012】
従って、本発明の目的は、処理されたグレージング、とりわけ「ヒートソーク試験」タイプの技術を使って処理されたものを、通常の取り扱いと保管の条件下では消えない手段により識別する方法を提供することである。
【0013】
この目的は、本発明により、熱処理中に到達する温度で光学的な特性が変化する物質を表面及び/又は縁部に固着することにある、熱処理を受けたグレージングを識別する方法によって達成される。薄い又は厚いフィルムを含むグレージングの場合には、この物質はガラスの上又はフィルムの上のいずれかに固着することができる。
【0014】
本発明を実施する好ましいやり方によれば、変化する光学的特性は色である。この選択は、特に、変化が非常に素早く視覚的に認識されるのを可能にする。こうして、グレージングの製造中又は保管中に、処理されたグレ−ジングを混同するいかなる危険も回避することが容易になる。
【0015】
このほかの光学的特性、例えば光の透過率あるいは光沢といったものを、利用してもよい。
【0016】
従って、本発明によれば、熱処理前、例えばニッケル硫化物の検出の場合における「ヒートソーク試験」前に、ことにより着色された物質がグレージングに固着され、そしてその光学的特性がその処理の間に変化する。こうして本発明によるこの方法は、通常の取り扱いと保管の条件下において、熱処理を受けたグレージングに消えないように印を付けるのを可能にする。更に、ガラス製造者にとっては、この方法はこの識別を取り入れるのを簡単にし、この識別は処理に関連する性質によるものであり、実際のところ処理されていないグレージングに印を付ける危険はない。
【0017】
物質の光学的特性の変化をもたらす温度は、もちろん、ガラス製造者の構内での及び/又は使用者による保管又は取り扱いの際にグレージングが受けることがある温度より高い。
【0018】
本発明を実施する好ましいやり方によれば、結果として得られる光学的特性、すなわち物質の処理後に得られる変更された光学的特性は、その処理の間に到達した最高温度により明示される。従って、このような実施方法によれば、ガラス製造者が処理中に実際に温度に到達したことを点検し及び/又は証明するすることが更に可能である。グレージングのいくつかのペインを加熱した室内で処理する場合には特に、この実施法は、処理の間ペインが配置される室内のあらゆる箇所で、あるいは室内の少なくとも任意の場所で、その温度に達したことを知り及び/又は点検するのを可能にすることができる。
【0019】
本発明の有利な変形によれば、光学的特性の変化は処理において温度が保持されてから現れる。従って、この変形によれば、光学的特性の変化はグレージングが上述の温度で所定の時間処理されたときに得られる。それゆえ、温度の保持を含む熱処理の場合には、光学的特性の変化が一方では処理温度に依存し他方ではグレージングがこの温度にある時間に依存する物質をグレージングにくっつけることが可能である。
【0020】
このような実施法には、ガラス製造者が処理中の室内の温度ばかりでなくこの温度の一定性をも管理することができるという利点がある。こうして、更に、ガラス製造者が熱処理が現実に行われたことを顧客に保証することが可能である。
【0021】
やはり好ましくは、本発明は、物質の得られた光学的特性が熱処理中に到達した温度における滞留時間に依存するようにする。
【0022】
本発明のこの後者の好ましい実施法によれば、熱処理の実行が確かなことを証明することが更に可能である。その理由は、光学的特性の変化は一方では温度によって定まるが、この温度での滞留時間によっても定まるからである。短すぎる時間では光学的特性の定められた変化に至らないばかりでなく、更に、長すぎる時間でも光学的特性の別の変化に至ってしまう。
【0023】
一つの変形によれば、またより詳しく言うと、物質が処理中に到達する温度に関連するけれどもこの温度での滞留時間及びもっと高い温度に進む工程とは無関係の光学的特性の変化を受ける場合には、本発明は有利には、そのもっと高い温度で物質を除去するようにする。この実施の別法は、処理中に高すぎる温度に達する場合、これには抑制効果あるいは所望されるのとは逆の効果さえあるので、熱処理したグレージングに印を付けるのを回避するのを可能にする。
【0024】
もっと詳しく言って、「ヒートソーク試験」タイプの処理の場合に、およそ330℃より高い温度では、α相のβ相への変態は二つの変態の逆反応の速度論のために適切には起こらないことが知られている。従って、高すぎる温度で処理されたグレージングであってこのグレージングについてひょっとしたら自然破壊を生じさせることがあるニッケル硫化物の検出を確実には行うことができなかったものに印を付けるのは避けることが有益である。
【0025】
やはりもっと詳しく言って、「ヒートソーク試験」タイプの処理の場合には、物質は熱強化処理後にグレージング上に付着させる。従って、「ヒートソーク試験」処理とは無関係である光学的特性の変化をもたらすこと、あるいは熱強化を行うためにガラスの温度を上昇させる間に物質を破壊することが、可能である。
【0026】
本発明の好ましい変形によれば、上記の物質は硬化性のインクである。これは、例えば、エポキシ、ポリウレタン、アクリル系のインク、又はその他のタイプのインクでよい。
【0027】
この後者の変形によれば、インクは有利にはペインの端部及び/又は縁部に付着させ、ペインは既に熱的に強化されている。こうして付着させたインクは、次に、熱処理中に光学的特性を変化させる温度よりも低い温度で硬化させる。好ましくは、それは、とりわけ「ヒートソーク試験」タイプの処理の場合には、220℃を超えない。「ヒートソーク試験」タイプの処理の間は、ペインは、270℃と330℃の間でよい温度まで昇温される。これらの温度で、またことによってはある温度で所定の時間の間に、インクは劣化し、この劣化は、所定の温度に達し及び/又は所定の温度で時間がかけられたことを確認する色の変化によって特に、視覚的に明示される。
【0028】
従って、このように説明される本発明は、受けた熱処理をガラス上で直接識別できること、あるいは実際その処理が行われたのを証明できることを可能にする。
【0029】
本発明の更なる有利な詳細と特徴は、その実施例の説明から下記において明らかとなろう。
【0030】
この例は、ニッケル硫化物の混入物を検出するのを目的として「ヒートソーク試験」タイプの方法を使って熱処理されたグレージングに印を付けることに関係している。
【0031】
グレージングは前もって熱強化を受ける。この処理の間に、グレージングの温度はおよそ650℃に上昇する。この温度上昇の間に、ニッケル硫化物の混入物が存在しているとそれらは低温β相から高温α相へと変態する。この後の急速な冷却は、低温では不安定なα相が凍結される結果に至る。その後、α相からβ相への変態反応は継続するが、グレージングを使用する周囲温度においては非常にゆっくりとである。この変態は、非常に長い時間をかけて、ことによってはおよそ数年の時間をかけて、起きることがある。更に、上記のα相からβ相への変態には混入物の膨張がつきまとい、そしてこれは、グレージングを例えば建物の表面用として使用する場合に危険になることがあるグレージングの破壊をもたらすことがある。
【0032】
従って、ガラス製造者にとって、使用中に危険がなくそれゆえにニッケル硫化物の混入物がない強化グレージングを引き渡すことは特に重要なことである。
【0033】
これを行うために、一つの解決策はニッケル硫化物の混入物のあるいずれのガラスも検出して破壊により除却するものである。「ヒートソーク試験」タイプの処理は、温度を上昇させることによって、α相からβ相への変態が促進されるのを可能にする。
【0034】
試験体を構成するグレージングは、温度を300℃で少なくとも2時間保持することからなる「ヒートソーク試験」処理を受ける。
【0035】
本発明の目的は、この処理を受けたグレージングに印を付けることである。これを行うために、「ヒートソーク試験」処理の前に、スクリーン印刷手法を使ってグレージングの表面の縁に粗ってエポキシインクを付着させる。付着させたインクは、Dubuit社により8500シリーズの10番の呼称のもとに市販されている。このインクは、10%の重量含有量の、同じ会社からの8599と称する硬化剤と予備混合される。次に、インクを80℃で30分間硬化させる。インクを付着させたら、次いでグレージングは「ヒートソーク試験」処理を受ける。
【0036】
この処理の間に、初めは黄色であったインクの色が茶色に変わる。こうして、付着したインクの色の変化は、一方ではガラス製造者が、他方ではとりわけ、例えば建設産業の、使用者が、「ヒートソーク試験」処理を受けていて時間をかけての破壊の危険がないグレージングを認知するのを可能にする。
【0037】
その上、発明者らは、L* ,a* ,b* 色度座標を使って色の正確な測定を行った。
これらの測定は、ミノルタ社によりCM 2002の呼称で市販される分光測色計を使って、D65光源下に10°の視角で行った。
【0038】
黒い背景地上に置いたガラスの試験片で、インクを付着させた面について、測定を行った。
試験片に付着させたインクの厚みは12ミクロンであった。
下記の表は、最高で300℃までの熱処理を、300℃での滞留時間(分で表される)をいろいろにして受けた試験片について行ったいろいろな測定を示している。
【0039】
【表1】
Figure 0004554817
【0040】
開始時は、熱処理前のパラメーターの値を示している。
【0041】
下記の二番目の表は、「ヒートソーク試験」処理に相当していない熱処理であって、従って到達した様々な温度でのそしてまた様々な温度保持時間での熱処理を受けた試験片についての、L* ,a* ,b* 座標の測定値を示している。
【0042】
【表2】
Figure 0004554817
【0043】
発明者らは、「ヒートソーク試験」処理中に別の光学的特性、すなわち光学濃度、の変化も測定した。
下記の表は、300℃での熱処理を、300℃での滞留時間(分で表される)をいろいろにして受けた試験片について行った光学濃度の測定を示している。
【0044】
【表3】
Figure 0004554817
【0045】
先のように、開始時は熱処理前の光学濃度の値を示している。
【0046】
下記の最後の表は、「ヒートソーク試験」処理に相当していない熱処理であって、従って到達した様々な温度とそしてまた様々な温度保持時間での熱処理を受けた試験片についての、光学濃度の測定値を示している。
【0047】
【表4】
Figure 0004554817
【0048】
これらの表中の全てのデータは、図面中の曲線をプロットするのを可能にしており、これらは次のものを表している。
図1は到達した温度での滞留時間の関数としてのL* 座標の値であり、
図2は到達した温度での滞留時間の関数としてのa* 座標の値であり、
図3は到達した温度での滞留時間の関数としてのb* 座標の値であり、
図4は到達した温度での滞留時間の関数としての光学濃度の値である。
【0049】
図1において、曲線1はL* 座標の変化を300℃での滞留時間の関数として示しており、点2は2時間250℃での処理に対応し、点3は2時間350℃での処理に対応し、点4は3分間620℃での処理に対応している。
従って、このL* 座標を測定することが少なくとも300℃の温度で少なくとも2時間処理が行われたかどうかを知るのを可能にすることが、明らかに分かる。他方、もっと高い温度での、あるいはもっと長い温度保持時間での処理は、識別することができないことが分かる。
【0050】
図2において、曲線5はa* 座標の変化を300℃での滞留時間の関数として示しており、点6は2時間250℃での処理に対応し、点7は2時間350℃での処理に対応し、点8は3分間620℃での処理に対応している。
この図の解釈から、a* 座標についてL* 座標についてと同じ弱点が示される。更に、300℃までの処理温度を認識することが可能であるとは言うものの、この温度での温度保持の期間を確認することはより困難に見える。
【0051】
図3において、曲線9はb* 座標の変化を300℃での滞留時間の関数として示しており、点10は2時間250℃での処理に対応し、点11は2時間350℃での処理に対応し、点12は3分間620℃での処理に対応している。
図3からは、b* 座標を測定することが熱処理を300℃の温度で少なくとも2時間行ったことを確認するのを可能にすることが分かる。これは、より高い温度での処理が見分けられることが明らかだからである。
【0052】
更に、「ヒートソーク試験」処理の場合には、2時間より長い滞留時間での300℃の処理を識別することが可能でないとは言え、これは欠点ではない。この理由は、温度保持の時間に関してこの処理を行うための温度を強いられるとは言っても、最小限の時間のみが必要とされるからである。
【0053】
これらの座標を測定すること、より詳しく言えばb* 座標を測定することは、グレージングに付着させたインクにより受けた熱処理を認識するのを可能にすることができ、従って「ヒートソーク試験」処理が行われたことを保証するのを可能にする。
【0054】
光学濃度の測定に関しては、図4が、300℃での滞留時間の関数としての光学濃度の変化を表す曲線13を示しており、点14は2時間250℃での処理に対応し、点15は2時間350℃での処理に対応し、点16は3分間620℃での処理に対応している。この測定は、非常に有効であり、また一方では処理温度そして他方では処理時間を保証するのを可能にできることが分かるが、しかし2時間の最少時間を保証することはより不確実であることが分かる。
【0055】
更に、「ヒートソーク試験」処理後のガラスへのインクの付着力の試験を行った。この付着力はISO 2409標準規格によるクラス1を満たすことが分かる。これは、特に、様々な取り扱い操作の間にインクが取り除かれる危険なしに、インクがグレージングを例えば建物で使用するまでずっとグレージング上に存在することを保証するのを可能にする。
【0056】
更に、こうして使用されるインクはほかの機能を持ってもよく、また殊に、参照符号(reference)とか登録商標とかいった銘刻を許してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 到達した温度での滞留時間の関数としてのL* 座標の値を示す。
【図2】 到達した温度での滞留時間の関数としてのa* 座標の値を示す。
【図3】 到達した温度での滞留時間の関数としてのb* 座標の値を示す。
【図4】 到達した温度での滞留時間の関数としての光学濃度の値を示す。

Claims (11)

  1. 強化され、半強化され又は硬化されたグレージングが、ニッケル硫化物を検知するためのヒートソーク試験の熱処理を受けたものであるか否かを識別する方法であって、前記試験の熱処理の前に、前記グレージングの表面及び/又は縁部に、識別用物質を固着させることを含み、
    前記物質が、前記試験の熱処理中に、前記グレージングが到達する温度において、変化し得る光学的特性を有することを特徴とする、強化、半強化又は硬化させたグレージングの識別方法。
  2. 前記物質の変化し得る光学的特性が色である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記物質の、前記試験の熱処理により変化した光学的特性が、前記試験の熱処理中に到達する最高温度によって確定する、請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記物質の光学的特性の変化が前記処理温度を一定時間だけ保持した後に現れる、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記物質の光学的特性が、前記試験の熱処理中に到達する温度における前記物質の滞留時間に依存する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記物質の光学的特性を確定する前記試験の熱処理の温度より高い温度において、前記物質を前記グレージングから取り除くことができる、請求項1から5までの一つに記載の方法。
  7. 前記試験の熱処理が、330℃以下の温度において行われる、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記試験の熱処理が、270℃から330℃までの温度において行われる、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記物質が硬化性インクである、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記硬化性インクがエポキシ、ポリウレタン又はアクリルタイプのものである、請求項8記載の方法。
  11. 前記物質に固着された硬化性インクを、前記試験の熱処理中に、前記硬化性インクの光学的特性を変化させる温度よりも低い温度で硬化させる、請求項7又は8に記載の方法。
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