JP4554077B2 - ピラジノンプロテアーゼインヒビター - Google Patents

ピラジノンプロテアーゼインヒビター Download PDF

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Description

【0001】
(発明の背景)
(発明の分野)
本発明は、タンパク質分解酵素インヒビターとして機能する新規化合物、特に新規クラスのトロンビンインヒビターに関する。
【0002】
(関連技術)
プロテアーゼは、タンパク質を、単一の特定のペプチド結合において切断する酵素である。プロテアーゼは、以下の4つの一般的クラスに分類され得る:セリンプロテアーゼ、チオールプロテアーゼまたはシステイニルプロテアーゼ、酸性プロテアーゼまたはアスパルチルプロテアーゼ、およびメタロプロテアーゼ(Cuypersら,J.Biol.Chem.257:7086(1982))。プロテアーゼは、種々の生物学的活性(例えば、血餅の消化、形成および溶解、生殖、ならびに外来細胞および外来生物に対する免疫反応)に必須である。異常なタンパク質分解は、ヒトおよび他の哺乳動物の多数の疾患状態と関連する。ヒトの好中球プロテアーゼ、エラスターゼおよびカテプシンGは、組織破壊により特徴付けられる疾患状態に寄与すると推定されている。これらの疾患状態としては、気腫、慢性関節リウマチ、角膜の潰瘍および糸球体腎炎が挙げられる(Barret,Enzyme Inhibitors as Drugs,Sandler編,University Park Press,Baltimore(1980))。さらなるプロテアーゼ(例えば、プラスミン、C−1エステラーゼ、C−3コンバターゼ、ウロキナーゼ、プラスミノーゲンアクチベーター、アクロシンおよびカリクレイン類)は、哺乳動物の正常な生物学的機能において重要な役割を果たす。多くの例では、哺乳動物を治療的に処置する過程で1以上のタンパク質分解酵素の機能を破壊することが有益である。
【0003】
セリンプロテアーゼとしては、エラスターゼ(ヒト白血球)、カテプシンG、プラスミン、C−1エステラーゼ、C−3コンバターゼ、ウロキナーゼ、プラスミノーゲンアクチベーター、アクロシン、キモトリプシン、トリプシン、トロンビン、第Xa因子およびカリクレイン類のような酵素が挙げられる。
【0004】
ヒト白血球エラスターゼは、炎症部位で多形核白血球によって放出され、従って多数の疾患状態に寄与する原因である。カテプシンGは、別のヒト好中球セリンプロテアーゼである。これらの酵素の活性を阻害する能力を有する化合物は、痛風、慢性関節リウマチおよび他の炎症性疾患の処置、ならびに気腫の処置において有用な抗炎症作用を有すると期待される。キモトリプシンおよびトリプシンは、消化酵素である。これらの酵素のインヒビターは、膵炎を処置する際に有用である。ウロキナーゼおよびプラスミノーゲンアクチベーターのインヒビターは、過剰細胞増殖疾患状態(例えば、良性前立腺肥大、前立腺癌および乾癬)を処置する際に有用である。
【0005】
セリンプロテアーゼトロンビンは、止血および血栓症において中心的な役割を占め、そして多因子性タンパク質として、血小板、内皮細胞、平滑筋細胞、白血球、心臓、およびニューロンに対する多数の効果を誘導する。内因性経路(接触活性化)または外因性経路(非内皮表面に対する血漿の曝露による活性化、血管壁に対する損傷または組織因子放出)のいずれかを通しての凝固カスケードの活性化は、トロンビンに収束する一連の生化学的事象をもたらす。トロンビンは、最終的にフィブリノーゲンを切断し、止血性栓子(凝塊形成)をもたらし、細胞表面トロンビンレセプターの独特のタンパク質分解性切断を通して血小板を強力に活性化し(Coughlin,Seminars in Hematology 31(4):270−277(1994))、そしてフィードバック機構を通してそれ自体の生成を自己増幅する。従って、トロンビン機能のインヒビターは、心血管疾患および非心血管疾患の宿主において治療の可能性を有する。
【0006】
第Xa因子は、凝固経路における別のセリンプロテアーゼである。第Xa因子は、リン脂質膜上で第Va因子およびカルシウムと会合し、それによってプロトロンビナーゼ複合体を形成する。次いで、このプロトロンビナーゼ複合体は、プロトロンビンをトロンビンへと変換する(Claeson,Blood Coagulation and Fibrinolysis 5:411−436(1994);Harker,Blood Coagulation and Fibrinolysis 5(補遺1):S47−S58(1994))。第Xa因子のインヒビターは、トロンビンを直接阻害する薬剤を超える利点を提供すると考えられる。なぜなら、直接的なトロンビンインヒビターは、依然として有意な新たなトロンビン生成を可能にするからである(LefkovitsおよびTopol、Circulation 90(3):1522−1536(1994);Harker,Blood Coagulation and Fibrinolysis 5(補遺1):S47−S58(1994))。
【0007】
血管内血栓についてのインビボ診断画像化方法が以前に報告されている。これらの画像化方法は、放射性原子または常磁性原子で検出可能に標識されている化合物を使用する。例えば、γ放射体であるIn−111で標識された血小板は、血栓を検出するための画像化剤として用いられ得る(Thakur,M.L.ら、Thromb Res.9:345(1976);Powersら、Neurology 32:938(1982))。Tc−99mで標識した血栓崩壊性酵素ストレプトキナーゼは、画像化剤として提唱されている(Wong,米国特許第4,418,052号(1983))。γ放射体であるI−125およびI−131で標識された、Staphylococcus aureus由来のプロテインAのフィブリン結合ドメインは、画像化剤として提唱されている(Pang,米国特許第5,011,686号(1991))。(フィブリノーゲンとは対照的に)フィブリンについての特異性を有し、かつTc−99mで標識されたモノクローナル抗体は、画像化剤として提唱されている(Bergerら,米国特許第5,024,829号(1991);Deanら,米国特許第4,980,148号(1990))。急性心筋梗塞について血栓崩壊によって処置された患者の磁気共鳴画像化における常磁性造影剤であるガドリニウムジエチレントリアミン五酢酸の使用が報告されている(De Roos,A.ら、Int.J.Card.Imaging 7:133(1991))。放射性標識および常磁性標識α−ケトアミド誘導体もまた、血栓画像化剤として提唱されている(Abelmanら、米国特許第5,656,600号)。
【0008】
強力かつ選択的であって、現在利用可能なプロテアーゼインヒビターよりも高い生物学的利用能および少ない副作用を有する、プロテアーゼインヒビターについての非ペプチド性化合物についての必要性が存在し続けている。従って、強力な阻害能力および低い哺乳動物毒性によって特徴付けられる、新規なクラスの強力なプロテアーゼインヒビターは、種々の状態について潜在的に有益な治療剤である(多数の哺乳動物のタンパク質分解性疾患状態の処置を含む)。
【0009】
(発明の要旨)
本発明は、式I(下記)を有する、新規アミノグアニジン(ヒドラジノアミジン)およびアルコキシグアニジン(アルコキシアミノアミジン)ピラジノンに関する。式Iの化合物を調製するためのプロセスもまた提供される。本発明の新規化合物は、プロテアーゼ、特にトリプシン様セリンプロテアーゼ(例えば、キモトリプシン、トリプシン、トロンビン、プラスミンおよび第Xa因子)の強力なインヒビターである。この化合物のうちのいくつかは、トロンビンの直接的な選択的阻害によって抗血栓症活性を示すか、または抗血栓症活性を有する化合物を形成するために有用な中間体である。哺乳動物における異常なタンパク質分解を阻害または治療する方法、ならびに有効量の式Iの化合物を投与することにより、哺乳動物における以下を処置する方法もまた提供される:血栓症、虚血、発作、再狭窄または炎症。
【0010】
本発明は、哺乳動物における、血液の血小板の損失を阻害するための、血液の血小板凝集物の形成を阻害するための、フィブリンの形成を阻害するための、血栓形成を阻害するための、および血栓形成を阻害するための、組成物を含む。この組成物は、薬学的に受容可能なキャリア中に本発明の化合物を含む。これらの組成物は、必要に応じて抗凝固剤、抗血小板剤および血栓崩壊剤を含み得る。この組成物はまた、所望の阻害をもたらすために、血液、血液製剤、または哺乳動物器官に添加され得る。
【0011】
哺乳動物における異常なタンパク質分解を阻害または処置する方法、ならびに以下を処置するための方法もまた提供される:心筋梗塞;不安定狭心症;発作;再狭窄;深静脈血栓症;外傷、敗血症もしくは腫瘍転移により引き起こされる汎発性血管内凝固症;血液透析;心肺バイパス手術;成人呼吸窮迫症候群;内毒素性ショック;慢性関節リウマチ;潰瘍性大腸炎;硬変;転移;化学療法の間の凝固能亢進;アルツハイマー病;ダウン症候群;眼におけるフィブリン形成;および創傷治癒。本発明の化合物の他の用途は、血液収集、血液循環および血液貯蔵において用いられるデバイス(例えば、カテーテル、血液透析機、血液収集シリンジおよびチューブ、血液ラインおよびステント)の製造において用いられる材料に包埋されるかまたは物理的に結合されるかのいずれかの抗凝固剤としてである。
【0012】
本発明はまた、本発明の化合物を、哺乳動物における表面に共有結合または非共有結合のいずれかによって結合させることにより、この表面のトロンボゲン形成性を減少させるための方法を含む。
【0013】
別の局面では、本発明は、哺乳動物における血栓のインビボ画像化に有用である組成物を含む。この組成物は、身体の外側で検出され得る本発明の化合物を含む。好ましくは、本発明の化合物および検出可能な標識(例えば、放射性原子または常磁性原子)を含む組成物である。
【0014】
別の局面では、本発明は、哺乳動物における血栓のインビボ画像化に有用である診断用組成物を提供する。この組成物は、薬学的に受容可能なキャリアおよび診断的有効量の本発明の化合物または組成物を含む。
【0015】
別の局面では、本発明は、哺乳動物における血栓のインビボ画像化に有用である方法を含む。
【0016】
(好適な実施態様の詳細な説明)
本発明の化合物は、式I:
【0017】
【化10】
Figure 0004554077
ここで、Wは、水素、R1、R1OCO、R1CO、R1(CH2 s NHCO、もしくは(R12CH(CH25NHCOであり、ここで、sは0〜4であり;
1は、以下:
2
2(CH2tC(R122(ここで、tは0〜3であり、各R12は、同じであっても異なってもよい)、
(R2)(OR12)CH(CH2p(ここで、pは1〜4である)、
(R22(OR12)C(CH2p(ここで、pは1〜4である)、
2C(R122(CH2t(ここで、tは0〜3であり、各Rl2は同じであっても異なってもよく、そしてここで(R122はまた、C3-7シクロアルキルによって表されるCと環を形成し得る)、
2CF2C(R122(CH2q(ここで、qは0〜2であり、そして各Rl2は、同じであっても異なってもよく、そしてここで、(R122はまた、C3-7シクロアルキルによって表されるCと環を形成し得る)、
2CH2C(R122(CH2q(ここで、qは0〜2であり、そして各Rl2は同じであっても異なってもよく、そしてここで、(R122はまた、C3-7シクロアルキルによって表されるCと環を形成し得る)、
(R22CH(CH2r(ここで、rは0〜4であり、そして各R2は同じであっても異なってもよく、そしてここで(R22はまた、C3-7のシクロアルキル、C7-12の二環式アルキル、C10-16の三環式アルキル、あるいはN、O、およびSからなる群より選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、五員環から七員環の飽和もしくは不飽和の単環式複素環式環または五員環から七員環の飽和もしくは不飽和の二環式複素環式環によって表されるCHと環を形成し得る)、
2O(CH2p(ここで、pは2〜4である);
(R22CF(CH2r(ここで、rは0〜4であり、そして各Rl2は、同じであっても異なってもよく、そしてここで、(R122はまた、C3-7のシクロアルキル、C7-12の二環式アルキル、C10-16の三環式アルキル、あるいは飽和もしくは不飽和であり得、かつN、O、およびSからなる群より選択される1〜3個のヘテロ原子を含む五員環から七員環の単環式複素環式環または単環式複素環式環によって表されるCと環を形成し得る)、
【0018】
【化11】
Figure 0004554077
【0019】
【化12】
Figure 0004554077
(ここで、sは0または1である)、または
2CF2C(R122
であり;
2は、以下:
フェニル、ナフチルまたはビフェニル(これらの各々は、置換されていないか、あるいはC1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、CF3、OCF3、COOH、CONH2、またはSO2NH2の1つ以上で置換されている)、
飽和もしくは不飽和であり得る五員環から七員環の単環式または九員環から十員環の二環式の複素環式環、あるいは非複素環式環(この複素環式環は、N、O、またはSからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子を有し、そしてこの複素環式環または非複素環式環は、ハロゲンもしくはヒドロキシ置換されていないか、または置換される)、
ヒドロキシ、COOH、アミノ、アリール、C3-7シクロアルキル、CF3、N(CH32、−C1-3アルキルアリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクロアルキルの1つ以上で置換されていないか、あるいは置換された、C1-7アルキル、
CF3
アリールで置換されていないか、または置換されたC3-7シクロアルキル、
7-12二環式アルキル、または
10-16三環式アルキル
であり;
3は、以下:
水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、必要に応じて置換型アリール、必要に応じて置換型アラルキル、必要に応じて置換型ヘテロアリール、トリフルオロメチル、ハロゲン、ヒドロキシアルキル、シアノ、ニトロ、カルボキサミド、−CO2x、−CH2ORx、または−ORx(ここで、Rxは、各場合において、独立して、水素、アルキル、またはシクロアルキルのうちの1つであり、ここでこのアルキルまたはシクロアルキル基は、必要に応じて1つ以上の不飽和を有する)
であり;
4は、水素またはハロゲンであり;
12は、以下:
水素、
フェニル、ナフチルまたはビフェニル(これらの各々は、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、CF3、OCF3、COOH、またはCONH2の1つ以上で置換されていないか、あるいは置換されている)、
飽和もしくは不飽和であり得る五員環から七員環の単環式複素環式環または九員環から十員環の二環式複素環式環(これは、N、O、またはSからなる群より選択される1〜4個のヘテロ原子を有する)、
ヒドロキシ、COOH、アミノ、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクロアルキルの1つ以上で置換されていないか、あるいは置換された、C1-4アルキル、
CF3
3-7シクロアルキル、
7-12二環式アルキル、もしくは;
10-16三環式アルキル
であり;
5は、水素、C1-4アルキル、もしくはC2-4アルケニルであり;
6は、水素、アルキル、アルケニル、アラルキル、アリール、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、モノアルキルアミノ (C2-10) アルキル、ジアルキルアミノ (C2-10) アルキル、またはカルボキシアルキルであり;
7、R8、R9およびR10は、独立して、水素、アルキル、アラルキル、アリール、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、もしくはカルボキシアルキルであり、
あるいはR7およびR8は、一緒になって−(CH2u−を形成し、ここでuは、2〜7、好ましくは2〜5であり、かつR9およびR10は、上記で規定されたとおりであり、
あるいはR9およびR10は、それらが一緒になって、−(CH2v−を形成し、ここでvは、2〜7、好ましくは2〜5であり、かつR7およびR8は、上記で規定されたとおりであり、
あるいはR7およびR9は、それらが一緒になって、−(CH2y−を形成し、ここでyは、0(1つの結合)または1〜7、好ましくは4であり、かつR8およびR10は、上記で規定されたとおりであり;
Xは、酸素、NR11もしくはCH=N(Nは、NR6に結合される)(ここでR11は、水素、アルキル、シクロアルキル、もしくはアリールであり、ここで、該アルキル、シクロアルキルまたはアリールは、必要に応じてアミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリール、アシルアミノ、シアノもしくはトリフルオロメチルで置換されている)であり;
a、RbおよびRcは、独立して、水素、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アルコキシカルボニルオキシ、シアノ、もしくは−CO2Wであり、
ここで、RWは、アルキル、シクロアルキル、フェニル、ベンジル、
【0020】
【化13】
Figure 0004554077
(ここで RdおよびReは、独立して、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニルもしくはフェニルであり、Rfは、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニルもしくはフェニルであり、Rgは、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニルもしくはフェニルであり、そしてRhは、アラルキルもしくはCl-6アルキルである)であり;
nは、0〜8であり;そして
mは、0〜6である、
化合物または溶媒和物、水和物もしくはそれらの薬学的に受容可能な塩を含む。
【0021】
化合物およびその薬学的に受容可能な塩の1つのクラスにおいて、R3は、水素、Cl-4アルキル、C3-7シクロアルキルまたはCF3であり;好ましくは、Cl-4アルキルであり、そしてmおよびnの各々は、0〜4である。
【0022】
このクラスの化合物およびその薬学的に受容可能な塩のサブクラスにおいて、R4は、水素またはハロゲンである。
【0023】
このサブクラスの化合物およびその薬学的に受容可能な塩において、Wは、HまたはR1である。
【0024】
この群の化合物およびその薬学的に受容可能な塩のサブクラスにおいて、R1は、以下:
2
2(CH2tC(R122(ここで、tは0〜3であり、各R12は、同じであっても異なってもよい)、
2C(R122(CH2t(ここで、tは0〜3であり、各Rl2は同じであっても異なってもよく、そしてここで(R122はまた、C3-7シクロアルキルによって表されるCと環を形成し得る)、
2CH2C(R122(CH2q(ここで、qは0−2であり、そして各Rl2は、同じであっても異なってもよく、そしてここで、(R122はまた、C3-7シクロアルキルによって表されるCと環を形成し得る)、
(R22CH(CH2r(ここで、rは0〜4であり、そして各R2は同じであっても異なってもよく、そしてここで(R22はまた、C3-7のシクロアルキル、C7-12の二環式アルキル、C10-16の三環式アルキル、あるいはN、O、およびSからなる群より選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、五員環から七員環の飽和もしくは不飽和の単環式複素環式環または五員環から七員環の飽和もしくは不飽和の二環式複素環式環によって表されるCHと環を形成し得る)、
2CF2C(R122(CH2q(ここで、qは0〜2であり、そして各Rl2は同じであっても異なってもよく、そしてここで、(R122はまた、C3-7シクロアルキルによって表されるCと環を形成し得る)、または
2O(CH2p(ここで、pは2〜4である)であり;
2は、以下:
フェニルまたはナフチル(これらの各々は、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、CF3、OCF3、またはSO2NH2の1つ以上で置換されていないか、置換されている)、
飽和もしくは不飽和の五員環から七員環の単環式複素環式環または九員環から十員環の二環式複素環式環(ここで、この複素環式環は、N、O、またはSからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子を含み、そしてここで、該複素環式環または非複素環式環は、ハロゲンもしくはヒドロキシルで置換されていないか、置換されている)、
ヒドロキシ、COOH、C3-7シクロアルキル、CF3、N(CH32、−C1-3アルキルアリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクロアルキルの1つ以上で置換されていないか、置換されているC1-7アルキル、
CF3、または
アリールで置換されていないか、置換されているC3-7シクロアルキル、であり;そして
12は、以下:
水素、あるいは
ヒドロキシ、COOH、アミノ、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクロアルキルの1つ以上で置換されていないか、置換されているC1-4アルキル、
である。
【0025】
このサブグループの化合物およびその薬学的に受容可能な塩のファミリーにおいて、
3は、H、CH3またはCH2CH3であり;
4は、Hまたはクロロであり;そして
Wは、PhCH2CH2、(CH33C、HOOCCH2、CF3CH2、(CH32N(CH22、PhCH2O(CH22、PhCH(CH3)、PhCH2CH(COOH)、CH3(CH25、PhCH2、H、CH3(CH24、CH3CH2CH(CH3)CH2、(Ph)2CHCH2、PhCH2CH(CH3)、PhCH(CH3)CH2、(CH32CH、PhCH(OH)CH2、PhC(CH32CH2、(Ph)2CHCH2であるか、または:
【0026】
【化14】
Figure 0004554077
Figure 0004554077
Figure 0004554077
Figure 0004554077
Figure 0004554077
である。
【0027】
好ましいR5基は、水素である。
【0028】
Xが、NR11である場合の好ましい化合物は、R11が、水素、または必要に応じて、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシ、ヒドロキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、カルボアルコキシ、フェニル、シアノ、トリフルオロメチル、アセチルアミノ、ピリジル、チオフェニル、フリル、ピロリルもしくはイミダゾリルのうちの1つ、2つまたは3つ(好ましくは1つ)で置換されたC1-6アルキルである化合物である。
【0029】
11の適切な値(value)としては、水素、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、ベンジル、フェネチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、カルボキシメチルおよびカルボキシエチルが挙げられる。
【0030】
最も好ましい化合物は、Xが酸素である化合物である。
【0031】
好ましい化合物は、式Iの化合物であり、ここでR6は、水素またはC1-6アルキルである。
【0032】
好ましい化合物は、式Iの化合物であり、ここで、R7、R8、R9およびR10が、独立して、水素、C1-6アルキル、C6-10アリール(ar)(C1-6)アルキル、C6-10アリール、C2-10ヒドロキシアルキルまたはC2-7カルボキシアルキルのうちの1つである。有用な値のR7、R8、R9およびR10として、水素、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、ベンジル、フェニルエチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、2−カルボキシメチル、3−カルボキシエチルおよび4−カルボキシプロピルが挙げられる。
【0033】
7およびR8、またはR9およびR10のいずれかが、それぞれ、アルキレンリンカー、−(CH2u−および―(CH2v―として合わせる化合物もまた好ましく、ここで、uおよびvは、各々2〜5であり、最も好ましくは、2または3である。
【0034】
式IのRa、RbおよびRcの好ましい値は、水素、ヒドロキシ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、シアノ、もしくは−CO2Wであり、ここで各場合において、RWが、C1-4アルキル、C4-7シクロアルキルもしくはベンジルオキシカルボニルの1つである。Ra、RbおよびRcの適切な値としては、水素、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、シアノ、−CO2CH3、−CO2CH2CH3および−CO2CH2CH2CH3が挙げられる。最も好ましい実施態様において、Ra、RbおよびRcは、各々水素である。
【0035】
a、RbおよびRcにおいては、基−CO2Wもまた好ましく、ここでRWは、以下:
【0036】
【化15】
Figure 0004554077
のうちの1つであり、
ここで、Rd〜Rhは上記のとおりである。Ra、RbおよびRcが、−CO2Wのとき(RWが、これらの部分のうちの1つである)、得られる化合物は、望ましい処方物およびバイオアベイラビリティー特徴を有するプロドラッグである。各Rd、ReおよびRgについての好ましい値は水素であり、Rfはメチルであり、そしてRhについての好ましい値は、ベンジルおよびtert−ブチルが挙げられる。
【0037】
式Iのnの好ましい値は、0〜6であり、より好ましくは、0〜4であり、そして最も好ましくは、0、1または2である。
【0038】
mの好ましい値は、0〜4であり、より好ましくは、0、1または2である。
【0039】
特に好ましい化合物は、式II、IIIおよびIVにより示されるか、またはそれらの溶媒和物、水和物、もしくは薬学的に受容可能な塩である:
【0040】
【化16】
Figure 0004554077
ここで、Wは、上記の式Iと同様であり、そして好ましい値を有し;
Xは、―O―、―NH―または―CH=N―(アミジノヒドラゾン基、ここで、該NHは、親式のNH基に結合している)である。Xは、好ましくは、環の3位または4位に結合している。最も好ましくは、4位に結合している。
【0041】
3は、水素、C1-3アルキル、ハロゲンまたはC1-2アルコキシであり; R4は、水素またはハロゲンであり;
nは、0、1、2または3(好ましくは0、1または2)であり;
mは、0、1、2または3(好ましくは0または1)であり;
n’は、0、1、2または3(好ましくは0、1または2)であり;そして
m’は、0、1、2または3(好ましくは0または1)である。
【0042】
本発明の範囲内の具体的な化合物としては、以下が挙げられる:
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(フェネチルアミノ)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2,2−ジフェニルエチルアミノ)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(4−メチルフェネチルアミノ)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(4−メトキシフェネチルアミノ)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(1−フェニルシクロブチル)メチルアミノ−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−[2−(1−ナフタレン)エチル]アミノ−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−フェニル−1−ブチルアミノ)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[3,4−メチレンジオキシフェニル]エチルアミノ)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[2−ピリジル]エチルアミノ)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[2−メチルフェニル]エチルアミノ)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[3−メチルフェニル]エチルアミノ)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[2−トリフルオロメチルフェニル]エチルアミノ)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[3−トリフルオロメチルフェニル]エチルアミノ)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[4−トリフルオロメチルフェニル]エチルアミノ)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[3,5−ジメチルフェニル]エチルアミノ)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−インダニルアミノ)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[3,4−ジフルオロフェニル]エチルアミノ)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[5−インダニル]エチルアミノ)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−フルオロフェネチルアミノ)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(3,4−ジメトキシフェネチルアミノ)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(4−フルオロフェネチルアミノ)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(4−エチルフェネチルアミノ)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−フェニルプロピルアミノ)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(3,4−ジメチルフェネチルアミノ)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−ナフタレンエチルアミノ)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2,2−ジフェニルプロピルアミノ)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−(3−インドリル)−エチルアミノ−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[1−(4−メチルナフタレン)]エチルアミノ)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[2,4−ジフルオロフェニル]エチルアミノ)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノ−N’−メチルアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[4−メチルフェニル]エチルアミノ)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−5−クロロ−6−メチル−3−(フェネチルアミノ)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−5−クロロ−6−メチル−3−(2,2−ジフェニルエチルアミノ)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノヒドラジノ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(フェネチル)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノヒドラジノ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(1−メチル−2−フェニルエチル)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノヒドラジノ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−エチル−3−(フェネチル)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノヒドラジノ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(4−メチルフェニルエチル)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(1−メチル−2−(4−メチルアミノ−3−ピリジル)エチル−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(1−メチル−2−(3−ピリジル)エチル−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−シクロプロピル−2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−シクロブチルエチル)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−シクロブチル−2,2−ジフルオロエチル)−ピラジノン、
l−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−(3−フルオロフェニル)エチル)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエチル)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−フェニルシクロプロピル)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−(4−クロロフェニル)−2−シクロプロピルエチル)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−シクロプロピル−2−(3−ピリジル)エチル)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−ベンジルシクロプロピル)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−シクロピロピル−2−(3−フルオロフェニル)エチル)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−シクロプロピル−2−(3,4−ジフルオロフェニル)エチル)−ピラジノン、
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエチルアミノ)−ピラジノン、
ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩、例えば、それらの塩酸塩、酢酸塩およびトリフルオロ酢酸塩。
【0043】
本発明は、立体異性体ならびに光学異性体(例えば、鏡像異性体の混合物ならびに個々の鏡像異性体およびジアステレオマー)を含むと考えられることがまた、理解される。この立体異性体ならびに光学異性体は、本系列の選択された化合物における構造的不斉の結果として生じる。本発明の化合物はまた、同質異像結晶形態を有し、全ての同質異像形態が本発明において含まれる。
【0044】
式Iの化合物はまた、溶媒和、特に水和され得る。水和は、この化合物を含む化合物の製造の間に生じ得るか、または水和は、この化合物の吸湿性に起因して、時間が経つと生じ得る。
【0045】
式Iの範囲内にある特定の化合物は、プロドラッグと呼ばれる誘導体である。表現「プロドラッグ」は、直接作用する既知の薬物の誘導体を示す。この誘導体は、この薬物と比較して増強された送達の特性および治療的価値を有し、そして酵素的プロセスまたは化学的プロセスによって活性薬物に変換する。有用なプロドラッグは、Ra,Rbおよび/またはRcが、−CO2W(ここで、RWは、上記で規定される)であるプロドラッグである。米国特許第5,466,811号およびSaulnierら、Bioorg.Med.Chem.Lett.4:1985〜1990(1994)を参照のこと。
【0046】
任意の変数が、任意の成分において、または式Iにおいて1回より多く出現する場合、その各発生に対する規定は、あらゆる他の発生においてその規定が独立である。また、置換基および/または変数の組合せは、このような組合せが安定な化合物を生じる場合にのみ許容可能である。
【0047】
別の局面において、本発明は、哺乳動物における血栓のインビボ画像化のために有用である組成物を含む。この組成物は、体外で検出され得る本発明の化合物を含む。本発明の化合物および検出可能な標識(例えば、放射性原子または常磁性原子)を含む組成物が、好ましい。
【0048】
別の局面において、本発明は、哺乳動物の血栓のインビボ画像化のために有用な診断組成物を提供する。この組成物は、薬学的に受容可能なキャリアおよび診断的に有効量の本発明の化合物または組成物を含む。
【0049】
別の局面において、本発明は、哺乳動物における血栓のインビボ画像化のために有用な方法を包含する。
【0050】
好ましい局面に従って、有用な化合物は、R1置換基が検出可能な標識(例えば、I−125、I−131またはI−123のような放射性ヨウ素原子)で置換される化合物である。この局面において、R1は、好ましくは、パラI−123、パラI−125もしくはパラI−131置換を有するフェニル、またはメタI−123、メタI−125もしくはメタI−131置換を有するベンジルである。
【0051】
検出可能な標識はまた、放射性キレートまたは常磁性キレートであり得る。ここで、適切なリガンド(L)が、直接的にまたは二価の結合基A”を介してR1置換基に付着される。あるいは、−A”−L基は、式IにおいてW基に置換される。適切なリガンドとは、放射性金属イオンまたは常磁性金属イオンをキレート化し得る有機部分を意味する。
【0052】
これらの化合物において、二価のリンカー基A”は、保護されていないアミノ基およびキレート化手段を用いて共有結合し得る基を含む。例えば、A”は、−C(=S)−、−C(=O)−、−(C=NH)−(CH26−C(=NH)−、−(C=O)−(CH26−C(=O)−、
【0053】
【化17】
Figure 0004554077
などであり得る。
【0054】
また、式Iによって表される化合物において、キレート化リガンドLは、放射性原子または常磁性原子のいずれかに共有結合または非共有結合し得る基を含む。キレート化手段は、放射性原子または常磁性原子を複合化するために通常使用される手段である。これらは、3〜12個、好ましくは3〜8個のメチレンホスホン酸基、メチレンカルボヒドロキサム酸(methylene carbohydroxamic acid)基、カルボキシエチリデン基、または特にカルボキシメチレン基を含む、キレート化手段を含み、これは、窒素原子に結合される。1または2の酸性基のみが窒素原子に結合されている場合、その窒素は、必要に応じて置換されたエチレン基によるか、または窒素もしくは酸素もしくは硫黄原子により離された4つまでの離れたエチレン単位によって、このような基を有する別の窒素原子に結合される。完了する手段としては、ジエチレントリアミン(diethylenetrimine)−N,N,N’,N”,N”−五酢酸(DTPA)が好ましい。DTPAは、放射性原子インジウム−111(In−111)、テクネチウム−99m(Tc−99m)、および常磁性原子であるガドリニウム(Gd)についてのキレート化手段として当該分野で周知である。Khawら、Science 209:295(1980);Paik C.H.ら、米国特許第4,652,440号(1987);Gries,H.ら、米国特許第4,957,939号(1990)。好ましいキレート化リガンド(L)は、1−(p−アミノベンジル)−ジエチレントリアミン五酢酸である。スルフヒドリル(sulfhdryl)部分またはアミン部分を含む化合物もまた、キレート化手段として挙げられ、任意の組合せにおいてその部分の合計は、少なくとも4つである。これらのスルフヒドリル部分またはアミン部分は、少なくとも2つの原子によって離される。この原子は、炭素、窒素、酸素、または硫黄のいずれかであり得る。キレート化手段(L)として特に好ましいのは、メタロチオネインであり、これは、Tc−99mについてのキレート化手段として当該分野で周知である。
【0055】
本明細書中で使用される場合、用語「アルキル」は、単独で、または別の基の一部として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、イソブチル、ペンチル、へキシル、イソへキシル、ヘプテル、4,4−ジメチルペンチル、オクチル、2,2,4−トリメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルのような、12個までの炭素の直鎖ラジカルおよび分枝鎖ラジカルの両方をいう。
【0056】
用語「アルケニル」は、2〜20個の炭素原子(ただし、その鎖長はその長さに限定されない)の直鎖ラジカルまたは分枝鎖ラジカルを意味するように、本明細書中で使用される。これらには、以下が挙げられるがこれらに限定されない:エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニルなど。好ましくは、アルケニル鎖は、2〜10個の炭素原子の長さであり、より好ましくは、2〜8個の炭素原子の長さであり、最も好ましくは、2〜4個の炭素原子の長さである。
【0057】
用語「アルキニル」は、鎖中の2つの炭素原子間で少なくとも1つの三重結合が存在する、2〜20個の炭素原子(ただし、その鎖長はその長さに限定されない)の直鎖ラジカルまたは分枝鎖ラジカルを意味するように、本明細書中で使用される。これらには、アセチレン、1−プロピレン、2−プロピレンなどが挙げられるがこれらに限定されない。好ましくは、アルキニル鎖は、2〜10個の炭素原子長であり、より好ましくは、2〜8個の炭素原子鎖長であり、もっとも好ましくは、2〜4個の炭素原子鎖長である。
【0058】
置換基としてアルケニルまたはアルキニル部分が存在する本明細書中の全ての例示において、不飽和結合(すなわち、ビニレンまたはアセチレン結合)は、好ましくは、窒素、酸素または硫黄部分に直接的に付着しない。
【0059】
用語「アルコキシ」は、酸素原子に結合されている1〜20個の炭素原子(ただし、鎖長はこの長さに限定されない)の直鎖ラジカルまたは分枝鎖ラジカルを意味するように、本明細書中で使用される。これらには、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシなどが挙げられるがこれらに限定されない。好ましいアルコキシ鎖は、1〜10個の炭素原子長であり、より好ましくは、1〜8個の炭素原子長である。
【0060】
本明細書中で使用される場合、用語「アリール」は、単独で、または別の基の一部として、環部分中に6〜12個の炭素、好ましくは環部分中に6〜10個の炭素を含む単環式または二環式芳香族基(例えば、フェニル、ナフチルまたはテトラヒドロナフチル)をいう。
【0061】
本明細書中で使用される場合、用語「ヘテロアリール」とは、5〜14個の環原子;環式アレイにおいて共有される6個、10個または14個のπ電子を有し;ならびに炭素原子および1個、2個または3個の酸素、窒素または硫黄ヘテロ原子を含有する基をいう(ここで、ヘテロアリール基の例は、以下である:チエニル、ベンゾ[b]チエニル、ナフト[2,3−b]チエニル、チアントレニル、フリル、ピラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサチイニル、2H−ピロリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、3H−インドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、4H−キノリジニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、4αH−カルバゾリル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、イソオキサゾリル、フラザニルおよびフェノキサジニル基)。
【0062】
本明細書中で使用される場合、用語「アラルキル」または「アリールアルキル」は、単独で、または別の基の一部として、上記のようにアリール置換基(例えば、ベンジル、フェニルエチルまたは2−ナフチルメチル)を有するC1-6アルキル基をいう。
【0063】
本明細書中で使用される場合、用語「シクロアルキル」は、単独で、または別の基の一部として、3〜9個の炭素原子、好ましくは、3〜7個の炭素原子を含むシクロアルキル基をいう。代表的な例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルおよびシクロノニルである。
【0064】
用語「C7-12二環式アルキル」は、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル(ノルボルニル)、ビシクロ[2.2.2]オクチル、1,1,3−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプチル(ボルニル)などが挙げられることが意図される。
【0065】
用語「C10-16三環式アルキル」は、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル、アダマンチルなどが挙げられることが意図される。
【0066】
本明細書中で使用される場合、用語「ハロゲン」または「ハロ」は、単独で、または別の基の一部として、塩素、臭素、フッ素またはヨウ素をいい、塩素が好ましい。
【0067】
本明細書中で使用される場合、用語「モノアルキルアミン」は、単独で、または別の基の一部として、1〜6個の炭素原子を有する1つのアルキル基によって置換されたアミノ基をいう。
【0068】
本明細書中で使用される場合、用語「ジアルキルアミン」は、単独で、または別の基の一部として、各々1〜6個の炭素原子を有する2つのアルキル基によって置換されたアミノ基をいう。
【0069】
本明細書中で使用される場合、用語「ヒドロキシアルキル」は、1つ以上のヒドロキシル部分によって置換された上記の任意のアルキル基をいう。
【0070】
本明細書中で使用される場合、用語「カルボキシアルキル」は、1つ以上のカルボン酸部分によって置換された上記の任意のアルキル基をいう。
【0071】
本明細書中で使用される場合、用語「複素環」または「複素環式環」は、注記される場合を除いて、安定な5員環〜7員環の単環式または二環式あるいは安定な7員環〜10員環の二環式の複素環式環系を表し、この任意の環は、飽和であってもよいし、または不飽和であってもよい。そして、これは、炭素原子およびN、OおよびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子からなる。そして、ここで、窒素および硫黄ヘテロ原子は、必要に応じて、酸化され得、そして窒素へテロ原子は、必要に応じて、四級化され得、そして任意の二環式基を含む。ここで、上記で規定された任意の複素環式環は、ベンゼン環と縮合される。特に有用なものは、1個の酸素または硫黄、1〜3個の窒素原子、または1または2個の窒素原子を合わせた1個の酸素または硫黄を含む環である。複素環式環は、任意のヘテロ原子または炭素原子に付着され得、これは、安定な構造の作製を生じる。このような複素環式基の例としては、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、2−オキソアゼピニル、アゼピニル(azepinyl)、ピロリル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリル、ピラゾリジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、キヌクリジニル、イソチアゾリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、チアジアゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フリル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、チエニル、ベンゾチエニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、およびオキサジアゾリルが挙げられる。モルホリノは、モルホリニルと同一である。
【0072】
用語「ヘテロ原子」は、本明細書中で使用されて、酸素原子(「O」)、硫黄原子(「S」)または窒素原子(「N」)を意味する。ヘテロ原子が窒素である場合、NRab部分を形成し得ることが理解される。ここで、RaおよびRbは、互いに独立して、水素またはC1〜C8アルキル、あるいはこれらが結合する窒素とともに、飽和または不飽和の5員環、6員環または7員環を形成する。
【0073】
スキーム1および2は、式Iの化合物を生成するための合成工程の概要である。
【0074】
【化18】
Figure 0004554077
【0075】
【化19】
Figure 0004554077
スキーム1および2において、W、R3、R7、R8、R9、R10、Ra、Rb、Rc、nおよびmは、上記で規定される通りである;R4は、ClまたはBr;Pは、アミノ保護基(例えば、ベンジルオキシカルボニル(Cbz))、およびP’は、エステル保護基(例えば、ベンジル)である。
【0076】
スキーム1において、保護されたアミノアルコール1は、Mitsunobu結合手順(Mitsunobu,O.Synthesis 1(1981))を使用して、N−ヒドロキシフタルイミド2に結合されて化合物3を提供する。好ましい結合条件は、適切な溶媒(例えば、テトラヒドロフランまたは塩化メチレン)およびジアルキルアゾジカルボキシレート(例えば、ジエチルアゾジカルボキシレート)中でトリアルキルホスフィンまたはトリアリールホスフィン(例えば、トリフェニルホスフィン)を使用することが含まれる。フタルイミド保護基を取ることは、当該分野において周知の標準的な条件を使用して達成される(Greene,T.W.、Wuts,P.G.M.、Protective Groups in Organic Synthesis、第2版、John Wiley and Sons,Inc.New York(1991))(例えば、適切な溶媒(例えば、エタノールまたはイソプロパノール)中でのメチルアミンまたはヒドラジン)。得られたアルコキシアミンの4へのグアニジン化(guanidinylation)は、置換グアニジン化試薬(例えば、N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)−S−メチルイソチオウレア(Bergeron R.J.およびMcManis,J.S.、J Org.Chem.52:1700(1987))またはN−Ra、N−Rb、N−Rc−1H−ピラゾール−1−カルボキサミジン(Bernatowicz,M.S.ら、Tetrahedron Letter 34:3389(1993))を使用する。中間体5を与えるアミノ基の脱保護は、当該分野で周知の標準的手順(例えば、適切な溶媒(例えば、メタノールまたはエタノール)中での炭素上のパラジウム)を使用して達成される(Greene,T.W.、Wuts,P.G.M.、Protective Groups in Organic Synthesis、第2版、John Wiley and Sons,Inc.New York(1991))。いくつかの場合において、塩酸のような酸を添加することが利点である。
【0077】
スキーム2において、エステル保護されたグリシン(例えば、P’=ベンジル、またはエチル)を、アルデヒド(例えば、アセトアルデヒド)およびシアニド(例えば、シアノトリメチルシラン(TMSCN))と、適切な溶媒(例えば、塩化メチレン)中で縮合して、アミノニトリル6を得る。このアミノニトリルを、オキサリルクロリドまたはオキサリルブロミドと、適切な溶媒(例えば、1,2−ジクロロベンゼン)中で反応させて、ピラジノン7を得る。次いで、ピラジノン7の3−クロロまたは3−ブロモを、適切な溶媒(例えば、酢酸エチル)中で、適切なアミン(例えば、フェネチルアミン、2,2−ジフェニルエチルアミンまたは4−メトキシフェネチルアミン)によって置換して、化合物8を得る。エステル8は、当該分野で周知の標準的手順(例えば、適切な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン/メタノール/水)中で塩基(例えば、LiOHまたはNaOH)を使用する加水分解)によって酸9に変換される(Greene,T.W.、Wuts,P.G.M.、Protective Groups in Organic Synthesis、第2版、John Wiley and Sons,Inc.New York(1991))。次いで、残りの塩素または臭素は、必要に応じて、適切な溶媒(例えば、水)中で触媒(例えば、炭素上のパラジウムまたはRaneyニッケル)を使用する水素化分解によって除去されて、9を与える。あるいは、P’=ベンジルの場合、ベンジルエステルの脱保護および残りの塩素または臭素の除去は、適切な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン/エタノール)中で炭素上のパラジウム同時に使用して達成され得て、9を与える。次いで、酸は、適切な溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)、および塩基(例えば、ジ−イソプロピルエチルアミン(DIEA)中で、代表的なアミノ酸結合手順(例えば、BOPまたはPyBOP)を使用して、アミン5に結合され、続いて、RaおよびRb=tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)およびRc=水素の場合において、必要に応じてRa、Rb、Rcを除去する。Boc基は、適切な溶媒(例えば、塩化メチレンまたはジオキサン)中で、酸(例えば、トリフルオロ酢酸または塩酸)を用いる処理によって除去されて、標的化合物10を提供する。
【0078】
Xが−CH=NR11−、またはNR11である化合物は、スキーム3に示される工程を使用して形成され得る。
【0079】
【化20】
Figure 0004554077
酸9(スキーム2において合成された通り)は、適切な溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)、および塩基(例えば、DIEA)中で標準的なアミノ酸結合手順(例えば、BOPまたはPyBOP)を使用して、アミノアルコール11と結合されて、化合物12を形成する。対応するアルデヒド13は、Swern酸化(Mancuso,A.J.ら、Journal of Organic Chemistry 3329(1976))、ピリジニウムクロロクロメート(Corey,E.J.およびSuggs,J.W.Tetrahedron Letters 2647(1975))、ピリジニウムジクロメート(Corey,E.J.およびSchmidt,G.Tetrahedron Letters 339(1979))、または三酸化硫黄ピリジン複合体/ジメチルスルホキシド(Tetrahedron Letters 28:1603(1987))のような、アルコールの酸化のための慣用的手順を使用して合成される(例えば、Carey,F.A.およびSundberg,R.J.Advanced Organic Chemistry、Part B:Reactions and Synthesis、第3版、Plenum Press、New York(1990)を参照のこと)。
【0080】
次いで、アルデヒド13は、適切な溶媒(例えば、エタノールまたはメタノール)(これは、さらにジクロロメタンまたはテトラヒドロフランのような他の溶媒を含み得る)中で、標準的な条件(例えば、アミノグアニジンまたは2−ヒドラジノイミダゾリンのようなアミノグアニジンまたは置換されたアミノグアニジン)を用いた処理(必要に応じて、例えば、硝酸、塩化水素または臭化水素のような酸の存在下で)を使用して、アミジノヒドラゾン14に転換される。
【0081】
アミジノヒドラゾン14のアミノグアニジン15への転換は、当該分野において周知の還元条件下(例えば、還流するまでの種々の温度でテドラヒドロフランまたはメタノールのような適切な溶媒中の水素化ホウ素リチウム)で達成される。代替方法として、炭素担持パラジウム触媒を用いた触媒的水素化が用いられ得る。
【0082】
化合物14および15中のRa、Rb、およびRcは、必要に応じて、当該分野において周知の条件を用いて除去され得る。RaおよびRb=tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)ならびにRc=水素の場合、Boc基は、適切な溶媒(例えば、メチレンクロリドまたはジオキサン)中で、酸(例えばトリフルオロ酢酸または塩酸)を用いた処理により除去され、それぞれ化合物16および17を提供する。
【0083】
式Iの化合物の薬学的に受容可能な塩(水溶性もしくは油溶性または水分散性もしくは油分散性の産物の形態)としては、従来の無毒性塩または第四級アンモニウム塩(これらは、例えば無機酸もしくは有機酸または無機塩基もしくは有機塩基から形成される)が挙げられる。そのような酸付加塩の例としては、アセテート、アジペート、アルギネート、アスパルテート、ベンゾエート、ベンゼンスルホネート、ビスルフェート、ブチレート、シトレート、カンホレート、カンホスルホネート、シクロペンタンプロピオネート、ジグルコネート、ドデシルスルフェート、エタンスルホネート、フマレート、グルコヘプタノエート、グリセロホスフェート、ヘミスルフェート、ヘプタノエート、ヘキサノエート、ヒドロクロリド、ヒドロブロミド、ヒドロイオダイド、2−ヒドロキシエタンスルホネート、ラクテート、マレアート、メタンスルホネート、2−ナフタレンスルホネート、ニコチネート、ニトレート、オキサレート、パモエート(pamoate)、ペクチネート、ペルスルフェート、3−フェニルプロピオネート、ピクレート、ピバレート、プロピオネート、スクシネート、スルフェート、タータラート、チオシアネート、トシレートおよびウンデカノエートが挙げられる。塩基性塩としては、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩およびマグネシウム塩)、有機塩基との塩(例えば、ジシクロヘキシルアミン塩、N−メチル−D−グルカミン)およびアミノ酸(例えばアルギニン、リジン)との塩などが挙げられる。また、塩基性窒素含有基は、低級アルキルハライド(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチルのクロリド、ブロミドならびにヨード);ジメチル、ジエチル、ジブチルのようなジアルキルスルフェート;ならびに、ジアミルスルフェート)、長鎖ハライド(例えばデシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルのクロリド、ブロミドならびにヨード)、ベンジルおよびフェネチルブロミドのようなアラルキルハライドなどのような薬剤で、四量体化され得る。酸付加塩を形成するために好ましい酸には、HClおよび酢酸が含まれる。
【0084】
本発明の化合物は、新規クラスの、メタロプロテアーゼ、酸プロテアーゼ、チオールプロテアーゼおよびセリンプロテアーゼの強力なインヒビターを示す。本発明の範囲内の化合物により阻害されるセリンプロテアーゼの例としては、白血球好中球エラスターゼ(気腫の病因に関連するタンパク質分解酵素);キモトリプシンおよびトリプシン(消化酵素);膵臓のエラスターゼおよびカテプシンG(白血病にまた関連するキモトリプシン様プロテアーゼ);トロンビンおよび第Xa因子(血液凝固経路におけるタンパク質分解酵素)が挙げられる。メタロプロテアーゼであるサーモリシン、および酸プロテアーゼであるペプシンの阻害はまた、本発明の化合物の使用が意図される。本発明の化合物は、好ましくは、トリプシン様プロテアーゼを阻害するために使用される。
【0085】
それらの最終用途適用について、本発明の化合物の、酵素阻害の特徴の効力および他の生化学的パラメーターは、当該分野で周知の標準的な生化学的技術により容易に確認される。例えば、キモトリプシンおよびトリプシンを阻害する化合物の最終用途適用は、膵臓炎の処置である。それらの特定の最終用途適応についての実際の用量範囲は、もちろん、かかりつけの診断医によって決定されるように、処置される患者または動物の性質および疾患状態の重篤度に依存する。有効な治療効果のための有用な用量範囲は、1日に1kgあたり約0.01〜10mgであると予測される。
【0086】
本発明の化合物がトロンビンを阻害する能力によって区別される本発明の化合物は、多くの治療目的に使用され得る。トロンビンインヒビターのように、本発明の化合物は、トロンビンの生成を阻害する。従って、これらの化合物は、トロンビンの生成または作用のいずれかに関連する異常な静脈または動脈の血栓症により特徴付けされる状態の処置または予防に有用である。これらの状態には、深静脈血栓症;敗血症ショックの間に起こる散在性脈管内凝固障害;ウイルス感染および癌;心筋梗塞;発作;冠状動脈バイパス;眼内のフィブリン形成;股関節部置換、ならびに血栓崩壊治療または経皮的経管的冠状動脈形成術(PCTA)のいずれかより生じる血栓形成が含まれるが、これらに限定されない。他の用途は、抗凝固剤としてこのトロンビンインヒビターの使用を含む。これは、血液採取、血液循環、および血液保存において使用されるデバイス(例えば、カテーテル、血液透析機、血液採取用注射筒およびチューブ、ならびに血液ライン)の製造において使用される材料中に組込まれるかまたは物理的に結合されるかのいずれかである。本発明の化合物はまた、体外血液回路において抗凝固剤として使用され得る。
【0087】
金属ステントは、再狭窄を減少するがトロンボゲン形成性であることが示された。ステントのトロンボゲン形成を減少させるための戦略は、トロンビン阻害剤をステントの表面にコートするか、包埋するか、吸着させるか、または共有結合的に接着させることである。本発明の化合物は、この目的に使用され得る。本発明の化合物は、ステント材料として、そしてその後ステント材料上でコートされる可溶性ポリマーおよび/または生分解性ポリマーに接着され得るか、または包埋され得る。そのようなポリマーには、ポリビニルピロリドン、ポリヒドロキシ−プロピルメタクリルアミド−フェノール、ポリヒドロキシエチル−アスパルタミド−フェノール(polyhydroxyethyl−aspartamide−phenol)、またはパルミトイル残基で置換したポリエチレンオキシド−ポリリジン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸およびポリグリコール酸のコポリマー、ポリε−カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、およびヒドロゲルの架橋したまたは両親媒性ブロックコポリマーが、挙げられ得る。欧州特許出願第761,251号、欧州特許出願第604,022号、カナダ国特許第2,164,684号、およびPCT公開番号WO96/11668、WO96/32143およびWO96/38136を参照のこと。
【0088】
宿主の細胞型(例えば、平滑筋細胞、内皮細胞、好中球)に対するトロンビンの効果により、本発明の化合物は、成体の呼吸窮迫症候群;炎症性応答;創傷治癒;再灌流損傷;アテローム性動脈硬化症;ならびにバルーン血管形成術、じゅく腫切除術、および動脈性ステント配置のような、損傷後の再狭窄の処置または予防における、さらなる用途を見出す。
【0089】
本発明の化合物は、新形成および転移ならびに神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病およびパーキンソン病気)の処置に有用であり得る。
【0090】
トロンビンインヒビターとして使用される場合、本発明の化合物は、約0.1〜約500mg/体重kg、好ましくは0.1〜10mg/体重kgの投薬量範囲内の有効量で、1日の用量を単回または2〜4回に分けるレジメにおいて投与され得る。
【0091】
トロンビンのインヒビターとして使用される場合、本発明の化合物は組織プラスミノゲン活性化因子、ストレプトキナーゼ、およびウロキナーゼのような血栓崩壊剤と組み合わせて使用され得る。さらに、本発明の化合物は、他の抗血栓剤または抗凝固剤(例えば、フィブリノーゲンアンタゴニストおよびトロンボキサンレセプターアンタゴニストであるが、これらに限定されない)と組み合わせて使用され得る。
【0092】
トロンビンインヒビターはまた、標的可能な薬物キャリアとして可溶性ポリマーと結合され得る。そのようなポリマーとしては、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシ−プロピルメタクリルアミド−フェノール、ポリヒドロキシエチル−アスパルタミド−フェノール、またはパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシド−ポリリジンが挙げられ得る。さらに、トロンビンインヒビターは、薬物の徐放を達成する際に有用な、生分解性ポリマー(例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸およびポリグリコール酸のコポリマー、ポリε−カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、およびヒドロゲルの架橋したコポリマーまたはヒドロゲルの両親媒性ブロックコポリマー)のクラスに結合され得る。
【0093】
ヒト白血球エラスターゼは、炎症部位で多形核白血球により放出され、従って、これは多くの疾患状態を補助する原因である。本発明の化合物は、痛風、慢性関節リウマチおよび他の炎症性疾患の処置においてならびに気腫の処置において、有用な抗炎症性効果を有すると予測されている。本発明の化合物の白血球エラスターゼ阻害特性は、以下に記載の方法により決定される。カテプシンGはまた、関節炎、痛風および気腫の疾患状態、さらに糸球体腎炎および肺での感染により引き起こされる肺の外寄生において示されている。それらの最終用途適用において、式Iの化合物の酵素阻害特性は、当該分野において周知の標準的な生化学的技術により容易に確認される。
【0094】
本発明の範囲内の化合物のカテプシンG阻害特性は、以下の方法により決定される。部分的に精製されたヒトカテプシンGの調製物は、Baughら、Biochemistory、15:836(1979)の手順により得られる。白血球顆粒は、白血球エラスターゼおよびカテプシンG(キモトリプシン様活性)の調製のための主な供給源である。白血球を溶解し、そして顆粒が単離される。白血球顆粒は、0.20M酢酸ナトリウム(pH4.0)で抽出され、そしてその抽出物は、0.05MのNaClを含む0.05M Tris緩衝液(pH8.0)に対して4℃で一晩透析する。タンパク質画分は透析の間に沈殿し、そして遠心分離により単離される。この画分は、大部分の白血球顆粒のキモトリプシン様活性を含む。特定の基質、すなわち、N−Sue−Ala−Ala−Pro−Val−p−ニトロアニリドおよびSuc−Ala−Ala−Pro−Phe−p−ニトロアニリドが各酵素について調製される。後者は、白血球エラスターゼにより加水分解されない。酵素調製物は、2.00mLの0.10M Hepes緩衝液(pH7.5)(0.05MのNaCl、10%ジメチルスルホキシドおよび0.0020MのSuc−Ala−Ala−Pro−Phe−p−ニトロアニリドを基質として含む)中でアッセイされる。p−ニトロアニリド基質の加水分解は405nm、および25℃でモニターされる。
【0095】
好中球エラスターゼインヒビターとしておよびカテプシンGインヒビターとしての本発明の化合物の適用に有用な用量範囲は、かかりつけの診断医により決定されるように、疾患状態の性質および重篤度に基づき、1日当たり0.01〜10mg/体重kgの範囲が前記の疾患状態に有用である。
【0096】
ウロキナーゼまたはプラスミノゲン活性化因子を阻害する本発明の化合物は、過剰細胞増殖疾患状態を処置する際に潜在的に有用である。本発明の化合物自体としてはまた、良性の前立腺肥大および前立腺癌腫の処置、乾癬の処置において、ならびに流産をうながす薬剤として有用であり得る。それらの最終用途の適用について、本発明の化合物の特徴を阻害する酵素の効力および他の生化学的パラメーターは、当該分野において周知の標準的な生化学的技術により容易に確認される。この適用についての実際の用量範囲は、かかりつけの診断医により決定されるように、処置される患者または動物の性質および疾患状態の重篤度に依存する。一般的な用量範囲は、有効な治療効果について、1日で1kgあたり約0.01〜10mgであると予測される。
【0097】
本発明の化合物についてのさらなる用途は、活性部位濃度についての市販の試薬酵素の分析を含む。例えば、キモトリプシンは、膵液および便におけるキモトリプシン活性の臨床的定量における使用のための標準試薬として供給される。そのようなアッセイは、胃腸の障害および膵臓障害についての診断である。膵臓エラスターゼはまた、血漿中におけるα1−アンチトリプシンの定量のための試薬として市販されている。血漿α1−アンチトリプシンは、いくつかの炎症性疾患の経過の間濃度が上昇し、そしてα1−アンチトリプシン欠乏は、肺の疾患の発生率の増大と関連する。本発明の化合物は、試薬として提供される市販のエラスターゼの滴定(titrametiric)標準化によりこれらのアッセイの正確さおよび再現性を増大するために使用され得る。米国特許第4,499,082号を参照のこと。
【0098】
特定のタンパク質の精製の間の、あるタンパク質抽出物におけるプロテアーゼ活性は、タンパク質単離手順の結果を複雑にし、かつ欠陥を生じさせ得る問題を繰り返し発生させる。そのような抽出物中に存在する特定のプロテアーゼは、精製工程の間、種々のタンパク質分解性酵素にしっかりと結合する本発明の化合物により、阻害され得る。
【0099】
本発明の薬学的組成物は、本発明の化合物の有益な効果を経験し得る任意の動物に投与され得る。そのような動物は、とりわけヒトであるが、本発明は、これに限定されることは意図されない。
【0100】
本発明の薬学的組成物は、それらの意図される目的を達成する任意の手段により投与され得る。例えば、投与は、非経口、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、経皮、頬または眼経路により行われ得る。あるいは、または同時に、投与は、経口経路により行われ得る。投与される投薬量は、レシピエントの年齢、健康および重さ、併用する治療の種類、もしあれば、処置の頻度、所望の効果の性質に依存する。
【0101】
薬理学的に活性な化合物に加え、新規の薬学的調製物は、薬学的に使用され得る調製物中への活性化合物の加工を容易にする賦形剤および補助剤を含む、適切な薬学的に受容可能なキャリアを含み得る。
【0102】
本発明の薬学的調製物は、例えば、従来の混合、顆粒化、糖剤作製、溶解または凍結乾燥過程によりそれ自体公知である様式において製造される。従って、経口使用のための薬学的調製物は、所望の場合または必要である場合、適切な補助剤の添加の後に、活性化合物を、固体賦形剤と組み合わせて(必要に応じて得られた混合物を粉砕し、そして顆粒混合物を加工する)、錠剤または糖剤コアを得ることによって得られ得る。
【0103】
適切な賦形剤は、詳細には、サッカライド(例えば、ラクトースもしくはスクロース、マンニトールもしくはソルビトール、セルロース調製物)および/またはリン酸カルシウム(例えば、リン酸トリカルシウムまたはリン酸水素カルシウム)ならびに結合剤(例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ヒドロキシポリピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および/またはポリビニルピロリドンを使用する、デンプンペースト)のような充填剤である。所望される場合、崩壊剤(例えば、上記のデンプン、そしてまたカルボキシメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギニン酸、またはアルギニン酸ナトリウムのようなそれらの塩)が添加され得る。とりわけ、補助剤は、フロー調節剤および滑沢剤(例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、またはステアリン酸マグネシウムもしくはステアリン酸カルシウムのようなそれらの塩、ならびに/あるいはポリエチレングリコール)である。糖剤コアに、所望ならば、胃液に対して耐性である適切なコーティングが提供される。この目的のために、濃縮した多糖溶液が使用され得、この溶液は、必要に応じて、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液および適切な有機溶媒もしくは溶媒混合物を含み得る。胃液に耐性であるコーティングを生成するために、適切なセルロース調製物(例えば、アセチルセルロースフタレートまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート)の溶液が使用される。染料または顔料は、例えば、活性化合物の用量の組み合わせを同定するためにか、または特徴付けるために、錠剤または糖剤コーティングに添加され得る。
【0104】
経口的に使用され得る他の薬学的調製物は、ゼラチン製のプッシュ−フィット(push−fit)カプセル、ならびにゼラチンおよび可塑剤(例えば、グリセロールまたはソルビトール)により作製されたやわらかな、封入されたカプセルを含む。プッシュ−フィットカプセルは、賦形剤(例えば、ラクトース)、結合剤(例えばデンプン)、および/または滑沢剤(例えば、タルクまたはステアリン酸マグネシウム)および必要に応じて安定剤と混合され得る顆粒形態の活性化合物を含み得る。やわらかいカプセルにおいて、活性化合物は,好ましくは、適切な液体(例えば、脂肪油または流動パラフィン)中に溶解または懸濁される。さらに安定剤が添加され得る。
【0105】
非経口投与のための適切な処方物は、水溶性形態(例えば、水溶性塩、アルカリ溶液およびシクロデキストリン包接化合物)での活性化合物の水溶液を含む。特に好ましいアルカリ塩は、例えば、Tris、水酸化コリン、Bis−Trisプロパン、N−メチルグルカミン、またはアルギニンで調製されるアンモニウム塩である。1つ以上の改変されたまたは改変されていないシクロデキストリンは、本発明の化合物の水可溶性を安定および増大させるために使用され得る。この目的に有用なシクロデキストリンは、米国特許第4,727,064号、同第4、764、604号、および同第5,024,998号において開示される。
【0106】
さらに、適切な油状注射用懸濁液として、活性な化合物の懸濁液が投与され得る。適切な親油性溶媒またはビヒクルは、脂肪油(例えば、ゴマ油)、または合成脂肪酸エステル(例えば、オレイン酸エチル)またはトリグリセリドもしくはポリエチレングリコール−400(これらの化合物は、PEG−400に可溶性である)。水溶性注射懸濁液は、懸濁液の粘性を増大させる物質(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールおよび/またはデキストラン)を含み得る。必要に応じて、この懸濁液はまた、安定剤を含み得る。
【0107】
式Iの化合物は、交換反応を利用して放射性ヨウ素で標識され得る。非放射性ヨウ素の放射性ヨウ素への変換は、当該分野において周知である。あるいは、放射性ヨウ素で標識される化合物は、トリブチルスタンニル中間体を介する対応する臭化化合物から調製され得る、米国特許第5,122,361号(本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。
【0108】
本発明はまた、哺乳動物における血栓のインビボ画像化に有用である組成物を含み、ここで、この組成物は、放射性原子を錯体化した式Iの化合物からなる。
【0109】
式1の化合物について、適切な放射性原子としては、Co−57、Cu−67、Ga−67、Ga−68、Ru−97、Tc−99m、In−111、In−113m、Hg−197、Au−198、およびPb−203が挙げられる。いくつかの放射性原子は、放射性化学画像技術における使用のための優れた特性を有する。詳細には、テクネチウム−99m(Tc−99m)は、その核特性のため、画像化に理想的な放射性原子である。これはγエミッターであり、そして140ke Vの単一光子エネルギー、約6時間の半減期を有し、そしてこれは、Mo−99/Tc−99発生装置により容易に入手可能である。レニウム−186およびレニウム−188もまた、画像化され得るγ線放射を有する。好ましい組成物は、放射性原子、Tc−99mを含む。
【0110】
本発明の組成物は、式Iの化合物を、外面的な検出に適切である放射性同位体と錯体化することにより、都合よく調製される。γエミッターである、インジウム−111mおよびテクネチウム−99mは、放射性原子といわれる。なぜならば、それらは、γカメラで検出可能であり、かつインビボで都合の良い半減期を有するからである。
【0111】
式Iの化合物は、本発明の組成物を提供するために、当該分野において公知の任意の多くの技術により標識され得る。例えば、これらの化合物は、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)またはメタロチオネイン(これらは両方とも式Iの化合物に共有結合され得る)のようなキレート剤により標識され得る。
【0112】
一般に、テクネチウム−99mを含む本発明の組成物は、テクネチウム−99mおよび還元剤および水溶性リガンドの水溶性混合物を形成し、次いでこの混合物を式Iで示される本発明の化合物と接触させることによって、調製される。例えば、本発明の画像化合物は、還元状態(IVまたはV価状態)のテクネチウム−99mの間で安定した錯体を形成するために還元剤の存在下で、テクネチウム−99m(酸化状態)を、キレート手段を有する本発明の化合物と反応させることによって生成され得る。
【0113】
本発明の組成物の1つの実施態様は、テクネチウム99mを用いるDTPAキレート手段を有する式Iの化合物を標識することによって調製され得る。これは、所定量(例えば、5μg〜0.5mg)の本発明の化合物と、クエン酸緩衝液およびスズ還元剤を含む水溶液とを合わせ、次いで所定のレベルの放射能(例えば、15mCi)を含む新鮮に溶出した過テクネチウム酸ナトリウムを加えることによって達成され得る。室温でこの混合物をインキュベートさせた後、この反応混合物を遮蔽したシリンジに、滅菌フィルター(0.2〜0.22μm)を通じて装填し、次いで、所望される場合、注射のために0.9%の生理食塩水中に分配される。
【0114】
本発明の組成物の別の実施態様は、テクネチウム99mを用いて、メタロチオネインキレート手段を有する式Iの化合物を標識することによって調製される。これは、過テクネチウム酸99mナトリウム水溶液と、グルコヘプタン酸スズ水溶液とを合わせて、テクネチウム99m(還元状態)と2分子のグルコヘプタン酸分子との可溶性の錯体を形成し、次いでこの溶液と、それに付着したメタロチオネインを有する式Iの化合物とを合わせることによって達成され得る。テクネチウム99mのグルコヘプタン酸錯体から式Iの化合物のメタロチオネイン錯体への交換を可能にする期間および条件下でこの混合物をインキュベートした後、テクネチウム標識された本発明の組成物が形成される。
【0115】
テクネチウム99mの供給源は、好ましくは、水溶性であるべきである。好ましい供給源は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属である過テクネチウム酸(TcO4 -)である。テクネチウム99mは、滅菌されたテクネチウム99m生成器(例えば、従来のMo−99/Tc−99m生成器)から新鮮な過テクネチウム酸ナトリウムの形態で最も好ましく得られる。しかし、生理的に受容可能なテクネチウム99mの任意の他の供給源が使用され得る。
【0116】
本発明の方法において使用するための還元剤は、テクネチウム99mを、その酸化状態からIV価状態またはV価状態へと還元する、またはレニウムをその酸化状態から還元することについて、生理的に受容可能である。使用され得る還元剤は、塩化スズ、フッ化スズ、グルコヘプタン酸スズ、酒石酸スズ、および亜ジチオン酸ナトリウムである。好ましい薬剤は、スズ還元剤であり、特に塩化スズまたはグルコヘプタン酸スズである。還元剤の量は、テクネチウム99mを還元してこの放射性同位体の還元状態における式Iの化合物のキレート手段への結合を提供するのに必要な量である。例えば、塩化スズ(SnCl2)が還元剤であると、その塩化スズは、1〜1000μg/mLの範囲で使用され得る。特に好ましい濃度は、約30〜500pg/mLである。
【0117】
クエン酸錯体は、テクネチウム99mと錯化して安定なテクネチウム99mクエン酸錯体を迅速に形成する。式Iの化合物と接触すると、そのクエン酸錯体から式Iの化合物のキレート手段への実質的な量のテクネチウム99mの遷移が迅速におよび緩和な条件下で達成される。クエン酸(例えば、クエン酸ナトリウム)の量は、約0.5mg/mlからその溶媒に可溶性である最大の量までの範囲であり得る。クエン酸の好ましい量は、15〜30μg/mlの範囲である。
【0118】
キレート手段を有する式Iの化合物の量は、0.001〜約3mg/mL、好ましくは約0.017〜約0.15mg/mLの範囲であり得る。最終的には、過テクネチウム酸の形態のテクネチウム99mは、好ましくは約1〜50mCiの量で使用され得る。本発明の化合物1mgあたりのmCi量は、好ましくは、約30〜150である。
【0119】
式Iの化合物と、その金属イオン遷移配位子錯体との間の反応は、好ましくは、式Iの化合物が安定であるpHの水溶液中で行われる。「安定な」とは、その化合物が可溶性のままであり、そしてαトロンビンに対するその阻害活性を維持することを意味する。通常、その反応についてのpHは、約5〜9であり、好ましいpHは約6〜8である。テクネチウム99m−クエン酸錯体および式Iの化合物は、好ましくは、約20℃〜約60℃の温度、最も好ましくは約20℃から約37℃で、その金属イオンがそのクエン酸錯体から式Iの化合物のキレート手段へ遷移するに充分な量の時間インキュベートされる。一般に、1時間未満がこれらの条件下で遷移反応を完了するに充分である。
【0120】
本発明の代替の組成物は、In−111標識された本発明の化合物を含む。
【0121】
本発明はまた、哺乳動物における血栓のインビボ画像化のために有用であり、常磁性原子と錯化された、式Iにより表される化合物を含む、本発明の化合物の組成物を含む。
【0122】
好ましい常磁性原子は、原子番号21〜29、42、44および58〜70の元素の二価または三価のイオンである。適切なイオンとしては、クロム(III)、マンガン(II)、鉄(III)、鉄(II)、コバルト(II)、ニッケル(II)、銅(II)、プラセオジム(III)、ネオジム(III)、サマリウム(III)およびイッテルビウム(III)が挙げられる。その非常に強い磁性モーメントのために、ガドリニウム(III)、テルビウム(III)、ジスプロシウム(III)、ホルミウム(III)、およびエルビウム(III)が好ましい。常磁性元素について特に好ましいのはガドリニウム(III)である。
【0123】
本発明の組成物は、式Iの化合物と常磁性元素とを合わせることによって調製され得る。例えば、適切な常磁性元素の金属酸化物または金属塩(例えば、硝酸塩、塩化物または硫酸塩)が、水およびアルコール(例えば、メチルアルコール、エチルアルコールまたはイソプロピルアルコール)を含む媒体中に溶解または懸濁される。この混合物を、類似の水性媒体中の等モル量の式Iの化合物の溶液に添加し、そして攪拌する。この反応混合物は、その反応が完了するまで緩和に加熱され得る。形成される不溶性の組成物は、濾過によって単離され得るが、可溶性の組成物は、溶媒のエバポレーションによって単離され得る。キレート手段の酸基が本発明の組成物においてなおも存在する場合は、無機塩基もしくは有機塩基およびアミノ酸さえまでをも添加して、酸性複合体を中性の複合体に変換して、均質な組成物の単離または精製を容易にし得る。有機塩基または塩基性アミノ酸は、ならびにナトリウム、カリウムまたはリチウムの水酸化塩、炭酸塩または重炭酸塩のような無機塩基は、中和剤として使用され得る。
【0124】
本発明はまた、診断組成物を包含する。この組成物は、哺乳動物における血栓のインビボ画像化に有用である。この組成物は、薬学的に受容可能なキャリアおよび式Iの化合物に由来する組成物の診断的に有効な量を含有する。
【0125】
用量として必要とされるこの組成物の「診断的に有効な量」とは、投与経路、処置される哺乳動物の型、および考慮されるべき特定の哺乳動物の身体的特徴に依存する。これらの因子およびこの用量を決定することとのその関係は、医療診断分野の当業者に周知である。また、診断的に有効な量および投与方法は、最適な効力を達成するために改変され得るが、体重、食餌、併用する医薬、および医療分野の当業者が認識する他の因子のような因子する。いずれにせよ、画像化のための用量は、問題の血栓の部位において造影剤の存在を検出するために充分であるべきである。代表的に、放射線画像化は、本発明の薬学的組成物位置によって提供される用量は約5〜20μCiであり、好ましくは約10μCiであることを要求する。磁気共鳴画像化は、提供される用量が約0.001〜5mmol/kg、好ましくは約0.005〜0.5mmol/kgの、常磁性原子と錯化された式Iの化合物であることを必要とする。いずれにせよ、実際の用量は、血栓の位置に依存することは当該分野において公知である。
【0126】
インビボでの使用のための「薬学的に受容可能なキャリア」は、薬学分野において周知であり、そして例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.(A.R.Gennaro編 1985)に記載されている。本発明の薬学的組成物は、薬学的に受容可能なキャリアを用いて処方されて、注射可能物質の投与のための無菌の液剤または懸濁剤が提供され得る。特に、注射可能物質は、従来の形態において、液剤の溶液もしくは懸濁剤、注射の前の液体中の液剤もしくは懸濁剤に適切な固体形態、または乳剤のいずれかとしてで調製され得る。適切な賦形剤は、例えば、水、生理食塩水、デキストロース、マンニトール、ラクトース、レクチン、アルブミン、グルタミン酸ナトリウム、塩酸システインなどである。さらに、所望である場合、注射可能な薬学的組成物は、微量の非毒性の補助物質(例えば、湿潤剤、pH緩衝剤など)を含み得る。所望される場合、吸収増強調製物(例えば、リポソーム)が利用され得る。
【0127】
本発明はまた、保存または投与のために調製された診断組成物を包含する。これらは、さらに、保存料、安定化剤および色素を含む。例えば、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸およびp−ヒドロキシ安息香酸のエステルが保存料として添加され得る。同上1449頁。さらに、抗酸化剤および懸濁剤が使用され得る。
【0128】
本発明のインビボ画像化方法はまた、これまでの画像化技術よりも、血栓の存在、サイズ、回復または増加の検出もしくは監視について、いくつかの利点を提供する。特に、本発明は、化合物、組成物および診断組成物を提供する。これらは、血栓と結合したトロンビンに非常に強固に結合し、それによって、結合していない造影剤から生じる循環する放射能または常磁性に起因する「バックグラウンド」を減少させるように設計されている。さらに、本発明の化合物、組成物または診断組成物の冠状内へ注射によるインビボ画像化は、殆ど瞬間であると予測される。なぜなら、これらの造影剤は、血栓に結合したトロンビンを即座に飽和させるからである。
【0129】
したがって、本発明はまた、哺乳動物における血栓のインビボ画像化のための方法を包含する。この方法は、以下の工程:(1)本発明の化合物、組成物または診断組成物の診断的に受容可能な量を、哺乳動物に投与する工程;および(2)血管における血栓を検出する工程、を包含する。
【0130】
本明細書において使用される用語「インビボ画像化」とは、哺乳動物における血栓の検出、ならびに哺乳動物における血栓の大きさ、位置および数のモニタリング、ならびに血栓を解離または成長させる方法に関する。
【0131】
この方法によって、インビボで、この化合物、組成物または診断組成物を使用するにおいて、「投与(する)」は、全身的に、または局所的に標的化された様式のいずれかにおいて、非経口的に達成される。全身投与は、本発明の化合物、組成物または診断組成物を、簡便かつ接近可能な静脈または動脈へ注射することによって達成される。これは、肘前静脈による投与を包含するが、それに限定されない。局所標的化投与は、本発明の化合物、組成物または診断組成物を、注射部位からは遠い血栓を含むと予測される静脈または動脈への血流の近位に注射することによって達成される。これは、冠状血栓を画像化するために冠状動脈の血管系に、脳血管系における血栓を画像化するために頚動脈に、または脚の深静脈の血栓症を画像化するために足の静脈に、直接注射することを包含するが、それらに限定されない。
【0132】
また、血栓の部位への本発明の組成物の送達の様式は、用語「投与」の範囲内と考えられる。例えば、キレート手段が結合した、式Iにより表される化合物は、その哺乳動物に注射され得、次いで、後の時点で、放射性原子が注射され、それによって、放射性原子と錯化された式の化合物を含む組成物を血栓部位にインビボで形成させ得る。あるいは、放射性原子と錯化された式の化合物を含む組成物がその哺乳動物に注射され得る。
【0133】
本発明の方法において使用される、化合物、組成物または診断組成物の「診断的に有効な量」とは、以前に言及されるように、投与の経路、処置される哺乳動物の型、および処置される特定の哺乳動物の身体的特徴に依存する。これらの因子およびこの用量を決定することとそれらの関係は、医療診断分野の当業者には周知である。いずれにせよ、インビボ画像化のための用量は、問題の血栓の部位において造影剤の存在を検出するために充分であるべきである。代表的に、放射線画像化は、本発明の診断組成物位置によって提供される用量は約5〜20μCiであり、好ましくは約10μCiであることを要求する。磁気共鳴画像化は、診断組成物によって提供される用量が約0.001〜5mmol/kg、好ましくは約0.005〜0.5mmol/kgの、常磁性原子と錯化された式Iの化合物であることを必要とする。いずれにせよ、実際の用量が、血栓の位置に依存することは当該分野において公知である。
【0134】
画像化による血栓の検出は、そのような血栓に局在する放射性原子または常磁性原子の存在により、なされ得る。
【0135】
本発明の組成物および診断組成物と会合した放射性原子は、好ましくは、γ線カメラなどのようなガンマ線を検出し得る放射線検出手段を用いて、画像化される。代表的には、放射線画像化カメラは、変換媒体(ここで、高エネルギーγ線が吸収され、軌道状態への返還の際に光子を放出する電子を置換する)、空間検出チャンバに配置された光電気検出器(放出された光子の位置を決定する)およびチャンバの中で検出された光子を分析し、そして画像を作成する回路を備える。
【0136】
本発明の組成物および診断組成物と会合する常磁性原子は、磁気共鳴画像(MRI)システムにおいて検出される。そのようなシステムにおいて、強力な磁場を使用して、患者の身体中の原子の核スピンベクトルを整列する。この磁場は、血栓に位置する常磁性原子の存在によって障害され、そして患者の画像が、その平衡状態の配置へ戻った核として読まれる。
【0137】
下記の実施例は、本発明の方法および組成物の例示であり、限定ではない。当業者が通常遭遇しそして自明である種々の条件およびパラメータの他の適切な改変および適用は、本発明の趣旨および範囲内にある。
【0138】
(実施例1)
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(フェネチルアミノ)ピラジノントリフルオロアセテート
【0139】
【化21】
Figure 0004554077
(a.N−[2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)エトキシ]フタルイミド
【0140】
【化22】
Figure 0004554077
テトラヒドロフラン(100mL)中のベンジルN−(2−ヒドロキシエチル)カルバメート(5.9g、30mmol)、N−ヒドロキシフタルイミド(4.9g、30mmol)、およびトリフェニルホスフィン(7.9g、30mmol)の溶液中に、ジエチルアゾジカルボキシレート(5.2g、30mmol)を加えた。この反応混合物を、室温で一晩攪拌した。酢酸エチル(200mL)を添加し、飽和NaHCO3(2×100mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして濾過した。濾過物をエバポレート後、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(塩化メチレンから塩化メチレン中の4%酢酸エチル)により精製して、白色固体として標記化合物を得た(9.3g、91%)。
【0141】
【数1】
Figure 0004554077
(b.2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)エトキシアミン)
【0142】
【化23】
Figure 0004554077
エタノール(20mL)およびテトラヒドロフラン(20mL)中の、上記工程において調製されたN−[2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)エトキシ]フタルイミド(1,36g、4.0mmol)の溶液に、40%のメチルアミン(2.0mL、25mmol)を加え、そして室温で1時間攪拌した。溶媒をエバポレート後、残渣をシリカゲル(3:1の酢酸エチル:ヘキサンから酢酸エチルへ)を通して、白色固体として標記化合物を得た(800mg、95%)。
【0143】
【数2】
Figure 0004554077
(c.[N,N’−ジ(tert−ブトキシカルボニル)]2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)エトキシグアニジン)
【0144】
【化24】
Figure 0004554077
N,N−ジメチルホルムアミド(20mL)中の、上記工程において調製される2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)エトキシアミン(780mg、3.7mmol)の溶液に、[N、N’−ジ(tert−ブトキシカルボニル)]アミジノピラゾール(1.25g、4.0mmol)を加えた。この混合物を、室温で一晩攪拌し、そしてこの溶媒を高い減圧下でエバポレートした。残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン中の0−5%酢酸エチル)で精製して、無色油状物として標記化合物を得た(1.55g、93%)。
【0145】
【数3】
Figure 0004554077
(d.[N、N’−ジ(tert−ブトキシカルボニル)]2−アミノエトキシグアニジン)
【0146】
【化25】
Figure 0004554077
上記工程において調製された[N、N’−ジ(tert−ブトキシカルボニル)]2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)エトキシグアニジン(730mg、1.5mmol)、エタノール(20mL)の炭素上の10%パラジウム(70mg)およびテトラヒドロフラン(20mL)の混合物を、水素(バルーン)のもとで30分間水素化した。触媒を、セライトを通じた濾過により除去し、そして濾過物を減圧下で濃縮した。残渣を、Waters Sep−Pak(10g、95:5の塩化メチレン:アンモニアで飽和したメタノール)を用いて精製して、無色油状物として標記化合物を得た(290mg、61%)。
【0147】
【数4】
Figure 0004554077
(e.ベンジル−N−(1−シアノエチル)グリシン塩酸塩)
【0148】
【化26】
Figure 0004554077
トリメチルシリルシアニド(TMSCN)(4.0mL、30mmol)を、注意深く、アルゴン雰囲気下で、塩化メチレン(15mL)中のベンジルグリシンの遊離塩基(5.0g、30mmol)およびアセトアルデヒド(1.7mL、30mmol)の攪拌した溶液中に加えた。15時間後、揮発成分を減圧下で除き、そして残渣を、酢酸エチル(200mL)に溶解し、ブライン(100mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、そしてエバポレートして油状物とした。この油状物を、再度、エーテル(30mL)およびエタノール(30mL)に溶解し、そしてエーテル(33mL)中の1M HClを、滴下して加えて、オフホワイトの結晶沈澱として標記化合物を得た(6.60g、100%)。mp: 137−138℃
【0149】
【数5】
Figure 0004554077
(f.1−ベンジルオキシカルボニルメチル−3,5−ジクロロ−6−メチルピラジノン)
【0150】
【化27】
Figure 0004554077
1,2−ジクロロベンゼン(30mL)中の、塩化オキサリル(5.3mL,60mmol)および前述の工程で調製したベンジル−N−(1−シアノエチル)グリシン塩酸塩(3.82g,15mmol)の攪拌した混合物を100℃まで一晩加熱した。溶媒を減圧下でエバポレートし、この残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の20−30%の酢酸エチル)によって精製し、固体を得た。ヘキサン(100mL)中の10%酢酸エチルを加え、この固体を収集して、橙色結晶固体として標的化合物を得た(2.7g,55%)。
【0151】
【数6】
Figure 0004554077
(g. 3−(2−フェネチルアミノ)−5−クロロ−6−メチル−1−(ベンジルオキシカルボニルメチル)ピラジノン)
【0152】
【化28】
Figure 0004554077
酢酸エチル(10mL)中の、前述の工程で調製した1−ベンジルオキシカルボニルメチル−3,5−ジクロロ−6−メチルピラジノン(1.31g,4.0mmol)の攪拌溶液に、フェネチルアミン(1.5mL,12mmol)を加え、得られた混合物を窒素下で加熱還流した。2時間後、この反応混合物を冷却し、塩化メチレン(100mL)で希釈し、5%クエン酸(2×50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、そして濾過した。この濾液を減圧下でエバポレートした後、固体を収集し、そしてヘキサン中の20%酢酸エチルで洗浄し、結晶固体として標題化合物を得た(1.5g,91%)。
【0153】
【数7】
Figure 0004554077
(h. 3−(2−フェネチルアミノ)−6−メチル−1−カルボキシメチルピラジノンおよび3−(2−フェネチルアミノ)−5−クロロ−6−メチル−1−カルボキシメチルピラジノンの混合物)
【0154】
【化29】
Figure 0004554077
テトラヒドロフラン(10mL)およびエタノール(40mL)中の、前述の工程で調製した3−(2−フェネチルアミノ)−5−クロロ−6−メチル−1−(ベンジルオキシカルボニルメチル)−ピラジノン(412mg,1.0mmol)および炭素担持パラジウム(10%,100mg)の混合物を2日間水素(バルーン)下で攪拌した。この反応物をCeliteを通して濾過し、このフリットをエタノールで洗浄し、そして濾液を減圧下でエバポレートし、僅かに赤味がかった固体として、3−(2−フェネチルアミノ)−6−メチル−1−カルボキシメチルピラジノンおよび3−(2−フェネチルアミノ)−5−クロロ−6−メチル−1−カルボキシメチルピラジノンの混合物を得て(210mg)、これをさらなる精製なしで次の工程で使用した。
【0155】
(i. 1−{N−[2−(N’,N”−ビス(tert−ブトキシカルボニル)アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(フェネチルアミノ)−ピラジノンおよび1−{N−[2−(N’,N”−ビス(tert−ブトキシカルボニル)アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−5−クロロ−6−メチル−3−(フェネチルアミノ)−ピラジノン)
【0156】
【化30】
Figure 0004554077
N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中の、前述の工程で調製した3−(2−フェネチルアミノ)−6−メチル−1−カルボキシメチルピラジノンおよび3−(2−フェネチルアミノ)−5−クロロ−6−メチル−1−カルボキシメチルピラジノン(200mg)、実施例1の工程dで調製した[N,N’−ジ(tert−ブトキシカルボニル)]2−アミノエトキシグアニジン(225mg,0.7mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(180μL,1.0mmol)の溶液にCastro試薬(BOP)(442mg,1.0mmol)を加えた。この混合物を室温で一晩攪拌し、溶媒を高減圧下で除去し、そして残渣を塩化メチレン(100mL)に溶解し、10%クエン酸(2×50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、そしてNa2SO4で乾燥した。減圧下で溶媒をエバポレートした後、残渣をカラムクロマトグラフィー(2:1〜3:1酢酸エチル:ヘキサン)によって精製し、無色泡状物として1−{N−[2−(N’,N”−ビス(tert−ブトキシカルボニル)アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−5−クロロ−6−メチル−3−(フェネチルアミノ)−ピラジノンを得た(100mg、23%)。
【0157】
【数8】
Figure 0004554077
無色泡状物として、1−{N−[2−(N’,N”−ビス(tert−ブトキシカルボニル)アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(フェネチルアミノ)−ピラジノンもまた単離した(130mg、32%)。
【0158】
【数9】
Figure 0004554077
(j. 1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(フェネチルアミノ)−ピラジノントリフルオロアセテート)
【0159】
【化31】
Figure 0004554077
塩化メチレン(4mL)中の、前述の工程で調製した1−{N−[2−(N’,N”−ビス(tert−ブトキシカルボニル)アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(フェネチルアミノ)−ピラジノン(120mg,0.2mmol)、およびトリフルオロ酢酸(2mL)の混合物を室温で1時間攪拌した。減圧下で溶媒をエバポレートした後、残渣をWaters Sep−Pak(5g,塩化メチレン中の10%メタノール)上で精製し、白色固体として標題化合物を得た(90mg、89%)。
【0160】
【数10】
Figure 0004554077
(実施例2)
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−5−クロロ−6−メチル−3−(フェネチルアミノ)−ピラジノントリフルオロアセテート
【0161】
【化32】
Figure 0004554077
実施例1の工程jの手順を使用して、実施例1の工程iで調製した1−{N−[2−(N’,N”−ビス(tert−ブトキシカルボニル)アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−5−クロロ−6−メチル−3−(フェネチルアミノ)−ピラジノンから標題化合物を調製した。
【0162】
【数11】
Figure 0004554077
(実施例3)
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2,2−ジフェニルエチルアミノ)−ピラジノントリフルオロアセテート
【0163】
【化33】
Figure 0004554077
実施例1の工程g−jの手順を使用して、実施例1の工程fで調製した1−ベンジルオキシカルボニルメチル−3,5−ジクロロ−6−メチルピラジノン、および2,2−ジフェニルエチルアミンから、標題化合物を調製した。
【0164】
【数12】
Figure 0004554077
(実施例4)
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−5−クロロ−6−メチル−3−(2,2−ジフェニルエチルアミノ)−ピラジノントリフルオロアセテート
【0165】
【化34】
Figure 0004554077
実施例1の工程g−jの手順を使用して、実施例1の工程fで調製した1−ベンジルオキシカルボニルメチル−3,5−ジクロロ−6−メチルピラジノン、および2,2−ジフェニルエチルアミンから、標題化合物を調製した。
【0166】
【数13】
Figure 0004554077
(実施例5)
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(4−メチルフェネチルアミノ)−ピラジノントリフルオロアセテート
【0167】
【化35】
Figure 0004554077
実施例1の工程g−jの手順を使用して、実施例1の工程fで調製した1−ベンジルオキシカルボニルメチル−3,5−ジクロロ−6−メチルピラジノン、および4−メチルフェネチルアミンから、標題化合物を調製した。
【0168】
【数14】
Figure 0004554077
(実施例6)
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(4−メトキシフェネチルアミノ)−ピラジノントリフルオロアセテート
【0169】
【化36】
Figure 0004554077
実施例1の工程g−jの手順を使用して、実施例1の工程fで調製した1−ベンジルオキシカルボニルメチル−3,5−ジクロロ−6−メチルピラジノン、および4−メトキシフェネチルアミンから、標題化合物を調製した。
【0170】
【数15】
Figure 0004554077
(実施例7)
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(1−フェニルクロロブチル)メチルアミノ−ピラジノントリフルオロアセテート
【0171】
【化37】
Figure 0004554077
(a. (1−フェニルクロロブチル)メチルアミン)
テトラヒドロフラン(40mL)中の1−フェニルシクロブタンカルボニトリル(0.96g,6.09mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン(12mL,12mmol)中の水素化アルミニウムリチウム(LAH)の1N溶液を加えた。室温で2時間攪拌後、過剰のLAHを徐々に水(10mL)でクエンチし、追加のテトラヒドロフラン(20mL)で希釈した。次いで、これを室温で0.25NのNaOH水溶液(5mL)と20時間反応させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、そして残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(アンモニアガスで飽和した、ジクロロメタン中の10%メタノール)で精製し、黄色油状物として標題化合物を得た(0.52g,53%)。
【0172】
【数16】
Figure 0004554077
(b. 3−(1−フェニルシクロブチル)メチルアミノ−5−クロロ−6−メチル−1−(ベンジルオキシカルボニルメチル)ピラジノン)
酢酸エチル(15mL)中の、前述の工程の生成物(0.52g,3.21mmol)、および実施例1の工程fで調製した1−ベンジルオキシカルボニルメチル−3,5−ジクロロ−6−メチルピラジノン(0.36g,1.08mmol)の溶液を、3時間還流し、そして減圧下で溶媒を除去した。残渣をジクロロメタンに溶解し、10%水性クエン酸およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして濾過した。次いで、エバポレートした濾液をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の20%酢酸エチル)によって精製し、黄色油状物として標題化合物を得た(0.35g,71%)。
【0173】
【数17】
Figure 0004554077
(c. 3−(1−フェニルシクロブチル)メチルアミノ−6−メチル−1−カルボキシメチル−ピラジノン)
前述の工程の生成物(0.33g,0.74mmol)、10%炭素担持パラジウム(0)(0.13g)、および固体の水酸化カリウム(0.2g,3.6mmol)をメタノール、水、およびテトラヒドロフラン(60mL)の1:1:1混合物中に溶解し、窒素でのバブリングによって脱気し、アスピレーター圧下に置き、次いで室温で水素バルーン下で攪拌した。24時間後、この反応物をCeliteで濾過し、濾液をエバポレートし、そして残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中の20%メタノール)によって部分的に精製し、固体として標題化合物(0.16g,65%)を得、これをさらなる精製なしで使用した。
【0174】
(d. 1−{N−[2−(N’,N”−ビス{tert−ブトキシカルボニル}アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(1−フェニルシクロブチル)メチルアミノ−ピラジノン)
前述の工程の生成物(0.16g,0.48mmol)、Castro試薬(0.24g,0.54mmol)、および実施例1の工程dで調製した[N,N’−ジ(tert−ブトキシカルボニル)]−2−アミノエトキシグアニジン(0.16g,0.52mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中に溶解し、そして室温でトリエチルアミン(0.25mL,1.80mmol)と反応させた。24時間後、溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタン中に溶解し、そしてこの溶液を10%水性クエン酸、飽和NaHCO3、およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そして濾過した。エバポレートした濾液をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中の33%酢酸エチル)によって精製し、透明な固体として標題化合物を得た(0.11g,37%)。
【0175】
【数18】
Figure 0004554077
(e. 1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(1−フェニルシクロブチル)メチルアミノ−ピラジノントリフルオロアセテート)
前述の工程の生成物(0.10g,0.17mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、そして室温でトリフルオロ酢酸(2mL)と反応させた。6時間後、この揮発性物を減圧下で除去し、そしてこの残渣をWater silica Sep−Pak(勾配溶出:ジクロロメタン中の10−20%メタノール)で精製して、吸湿性の単黄色の固体として標題化合物を得た(0.10g,100%)。
【0176】
【数19】
Figure 0004554077
(実施例8)
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−[2−(1−ナフタレン)エチル]アミノ−ピラジノン塩酸塩
【0177】
【化38】
Figure 0004554077
(a. 2−(1−ナフタレンエチル)フタルイミド)
テトラヒドロフラン(120mL)中の1−ナフタレンエタノール(2.51g,14.6mmol)、トリフェニルホスフィン(4.57g,17.4mmol)、およびフタルイミド(2.37g,16.1mmol)の溶液を、室温で2時間、ジエチルアゾジカルボキシレート(2.80mL,17.8mmol)と反応させた。エバポレートした生成物をジエチルエーテルで洗浄し、そして真空デシケータ内で一晩乾燥し、象牙色の固体として標題化合物(4.34g,99%)を得た。
【0178】
【数20】
Figure 0004554077
(b. 2−(1−ナフタレン)エチルアミン)
前述の工程の生成物(4.30g,14.3mmol)をメタノール(30mL)中に溶解し、そして40%水性メチルアミン(20mL)と70℃で20時間反応させた。この反応物を減圧下で濃縮し、残渣をジクロロメタンに溶解し、そして得られた溶液を10%水性HClおよび水で抽出した。この水層を固体KOHで塩基性化し、得られた溶液をジクロロメタンで抽出した。後者の有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、そして濾液をエバポレートして茶色の油状物として標題化合物を得た(0.83g,34%)。
【0179】
【数21】
Figure 0004554077
(c.3−[2−(1−ナフタレン)エチル]アミノ−5−クロロ−6−メチル−1−(ベンジルオキシカルボニルメチル)ピラジノン)
酢酸エチル(80mL)中の、前述の工程の生成物(0.82g,4.76mmol)、トリエチルアミン(2.0mL,14mmol)、および実施例1の工程fで調製した1−ベンジルオキシカルボニルメチル−3,5−ジクロロ−6−メチルピラジノン(1.05g,3.21mmol)の溶液を20時間還流した。エバポレーション後、残渣をジクロロメタンに溶解し、そして10%水性クエン酸、飽和NaHCO3、およびブラインで洗浄し、NaSO4で乾燥し、そして濾過した。次いで、濾液を減圧下でエバポレートし、黄褐色の固体として標題化合物を得た(1.49g,68%)。
【0180】
【数22】
Figure 0004554077
(d.3−[2−(1−ナフタレン)エチル]アミノ−6−メチル−1−カルボキシメチル−ピラジノン
テトラヒドロフラン/メタノール/水2:1:1中の、前述の工程(1.48g,3.20mmol)の生成物、10%炭素担持パラジウム(0)(500mg)、および固体KOH(2.05g,36.5mmol)の混合物を窒素ガスでバブリングし、アスピレートし、そして室温で水素(バルーン)下で激しく撹拌した。16時間後、この反応物をCeliteで濾過し、フリットをメタノール/水で洗浄し、そして濾液をエバポレートした。残渣を10%水性HClで処理し、冷却し、そして濾過し、沈殿物を水およびエーテルで洗浄し、減圧下で一晩乾燥させ、NMRによって5−クロロ生成物および5−ヒドロ生成物のTLCで分離不可能な混合物であるように出現した金色固体として標題化合物(0.84g,78%)を得た。
【0181】
【数23】
Figure 0004554077
(e.1−{N−[2−(N’,N’’−ビス{tert−ブトキシカルボニル}アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−[2−(1−ナフタレン)エチル]アミノピラジノン)
先の工程の生成物(0.84g、2.49mmol)、Casto試薬(1.15g、2.60mmol)、および実施例1の工程dで調製した[N,N’−ジ(tert−ブトキシカルボニル)]−2−アミノエトキシグアニジン(0.91g、2.55mmol)を、周囲温度でN,N−ジメチルホルムアミド(50mL)に溶解し、そしてトリエチルアミン(1.0mL、7.2mmol)で処理した。一晩撹拌した後、この反応系を真空下でエバポレートし、そして残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)により精製して表題化合物(0.79g、50%)を明橙色(light orange)の固体として得た。
【0182】
【数24】
Figure 0004554077
(f.1−{N[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−[2−(1−ナフタレン)エチル]アミノ−ピペラジノンヒドロクロリド)
先の工程の生成物(0.79g、1.25mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、そして一晩周囲温度でトリフルオロ酢酸(5mL)を用いて処理した。この反応系を減圧下で濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(アンモニアガスで飽和させた、ジクロロメタン中15%メタノール)により精製し、そしてエバポレートしたカラム画分をエタノール中の4N HClで処理し、そして高真空下で濃縮して表題化合物(0.43g、73%)を淡黄色の固体として得た。
【0183】
【数25】
Figure 0004554077
(実施例9)
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−フェニル−1−ブチルアミノ)−ピラジノントリフルオロアセテート
【0184】
【化39】
Figure 0004554077
表題化合物を、接触水素化の間にシクロプロパン環を開環することを除いて、実施例7と類似の様式で1−フェニル−シクロプロパンカルボニトリルから淡黄色固体として調製した。
【0185】
【数26】
Figure 0004554077
(実施例10)
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[3,4−メチレンジオキシフェニル]エチルアミノ)−ピラジノントリフルオロアセテート
【0186】
【化40】
Figure 0004554077
表題化合物を、実施例1と類似の様式で3,4−メチレンジオキシフェネチルアミンヒドロクロリドから淡黄色油状物として調製した。
【0187】
【数27】
Figure 0004554077
(実施例11)
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[2−ピリジル]エチルアミノ)−ピラジノントリフルオロアセテート
【0188】
【化41】
Figure 0004554077
表題化合物を、実施例1と類似の様式で2−(2−アミノエチル)ピリジンから橙色油状物として調製した。
【0189】
【数28】
Figure 0004554077
(実施例12)
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3(2−[2−メチルフェニル]エチルアミノ)−ピラジノントリフルオロアセテート
【0190】
【化42】
Figure 0004554077
表題化合物を、実施例7と類似の様式で2−メチルベンジルシアニドから淡橙色(pale orange)固体として調製した。
【0191】
【数29】
Figure 0004554077
(実施例13)
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[3−メチルフェニル]エチルアミノ)−ピラジノンヒドロクロリド
【0192】
【化43】
Figure 0004554077
表題化合物を、実施例7と類似の様式で3−メチルベンジルシアニドから淡黄色固体として調製した。
【0193】
【数30】
Figure 0004554077
(実施例14)
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3(2−[2−トリフルオロメチルフェニル]エチルアミノ)−ピラジノンヒドロクロリド
【0194】
【化44】
Figure 0004554077
表題化合物を、実施例8と類似の様式で、2−(トリフルオロメチル)フェネエチルアルコールから淡黄色固体として調製した。
【0195】
【数31】
Figure 0004554077
(実施例15)
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[3−トリフルオロメチルフェニル]エチルアミノ)−ピラジノントリフルオロアセテート
【0196】
【化45】
Figure 0004554077
表題化合物を、実施例8に類似の様式で3−(トリフルオロメチル)フェネチルアルコールから白色固体として調製した。
【0197】
【数32】
Figure 0004554077
(実施例16)
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[4−トリフルオロメチルフェニル]エチルアミノ)−ピラジノントリフルオロアセテート
【0198】
【化46】
Figure 0004554077
表題化合物を、実施例7に類似の様式で4−(トリフルオロメチル)フェニルアセトニトリルから黄褐色固体として調製した。
【0199】
【数33】
Figure 0004554077
(実施例17)
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[3,5−ジメチルフェニル]エチルアミノ)−ピラジノントリフルオロアセテート
【0200】
【化47】
Figure 0004554077
表題化合物を、実施例7に類似の様式で3,5−ジメチルフェニルアセトニトリルから淡黄色固体として調製した。
【0201】
【数34】
Figure 0004554077
(実施例18)
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−インダニルアミノ)−ピラジノンヒドロクロリド
【0202】
【化48】
Figure 0004554077
表題化合物を、実施例1に類似の様式で2−アミノインダンヒドロクロリドから白色固体として調製した。
【0203】
【数35】
Figure 0004554077
(実施例19)
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[3,4−ジフルオロフェニル]エチルアミノ)−ピラジノンヒドロクロリド
【0204】
【化49】
Figure 0004554077
表題化合物を、実施例7に類似の様式で3,4−ジフルオロフェニルアセトニトリルから白色固体として調製した。
【0205】
【数36】
Figure 0004554077
(実施例20)
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[5−インダニル]エチルアミノ)−ピラジノンヒドロクロリド
【0206】
【化50】
Figure 0004554077
表題化合物を、実施例7に類似の様式で、5−インダニル−アセトニトリル(F.LauriaおよびW.Logemann、米国特許第3,452,085号)から淡黄色固体として調製した。
【0207】
【数37】
Figure 0004554077
(実施例21)
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−フルオロフェネチルアミノ)−ピラジノントリフルオロ酢酸塩
【0208】
【化51】
Figure 0004554077
表題化合物を、実施例1の工程fにおいて調製した1−ベンジルオキシカルボニルメチル−3,5−ジクロロ−6−メチルピラジノン、および2−フルオロフェネチルアミンから実施例1、工程g〜jの手順を用いて調製した。
【0209】
【数38】
Figure 0004554077
(実施例22)
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(3,4−ジメトキシフェネチルアミノ)−ピラジノントリフルオロ酢酸塩
【0210】
【化52】
Figure 0004554077
表題化合物を、実施例1の工程fにおいて調製した1−ベンジルオキシカルボニルメチル−3,5−ジクロロ−6−メチルピラジノン、および3、4−ジメトキシフェネチルアミンから実施例1、工程g〜jの手順を用いて調製した。
【0211】
【数39】
Figure 0004554077
(実施例23)
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(4−フルオロフェネチルアミノ)−ピラジノントリフルオロ酢酸塩
【0212】
【化53】
Figure 0004554077
表題化合物を、実施例1の工程fにおいて調製した1−ベンジルオキシカルボニルメチル−3,5−ジクロロ−6−メチルピラジノン、および4−フルオロフェネチルアミンから実施例1、工程g〜jの手順を用いて調製した。
【0213】
【数40】
Figure 0004554077
(実施例24)
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(4−エチルフェネチルアミノ)−ピラジノントリフルオロ酢酸塩
【0214】
【化54】
Figure 0004554077
表題化合物を、実施例1の工程fにおいて調製した1−ベンジルオキシカルボニルメチル−3,5−ジクロロ−6−メチルピラジノン、および4−エチルフェネチルアミンから実施例7、工程b〜eの手順を用いて調製した。
【0215】
【数41】
Figure 0004554077
(実施例25)
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−フェニルプロピルアミノ)−ピラジノントリフルオロ酢酸塩
【0216】
【化55】
Figure 0004554077
表題化合物を、実施例1の工程fにおいて調製した1−ベンジルオキシカルボニルメチル−3,5−ジクロロ−6−メチルピラジノン、および(−メチルフェネチルアミンから実施例7、工程b〜eの手順を用いて調製した。
【0217】
【数42】
Figure 0004554077
(実施例26)
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(3,4−ジメチルフェネチルアミノ)−ピラジノントリフルオロ酢酸塩
【0218】
【化56】
Figure 0004554077
表題化合物を、実施例7、工程a〜eの手順を用いて3,4−ジメチルベンジルシアニドから調製した。
【0219】
【数43】
Figure 0004554077
(実施例27)
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−ナフタレンエチルアミノ)−ピラジノントリフルオロ酢酸塩
【0220】
【化57】
Figure 0004554077
表題化合物を、実施例8、工程a〜fの手順を用いて2−ナフタレンエタノールから調製した。
【0221】
【数44】
Figure 0004554077
(実施例28)
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2,2−ジフェニルプロピルアミノ)−ピラジノントリフルオロ酢酸塩
【0222】
【化58】
Figure 0004554077
表題化合物を、実施例1の工程fにおいて調製した1−ベンジルオキシカルボニルメチル−3,5−ジクロロ−6−メチルピラジノン、および2,2−ジフェニルプロピルアミンヒドロクロリドから実施例1、工程g〜jの手順を用いて調製した。
【0223】
【数45】
Figure 0004554077
(実施例29)
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−(3−インドリル)−エチルアミノ)−ピラジノントリフルオロ酢酸塩
【0224】
【化59】
Figure 0004554077
表題化合物を、実施例1の工程fにおいて調製した1−ベンジルオキシカルボニルメチル−3,5−ジクロロ−6−メチルピラジノン、およびトリプタミンから実施例1、工程g〜jの手順を用いて調製した。
【0225】
【数46】
Figure 0004554077
(実施例30)
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[1−(4−メチルナフタレン)]エチルアミノ)−ピラジノントリフルオロアセテート
【0226】
【化60】
Figure 0004554077
表題化合物を、実施例7に類似の様式で、1−(4−メチルナフタレン)アセトニトリルから白色固体として調製した。
【0227】
【数47】
Figure 0004554077
(実施例31)
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[2,4−ジフルオロフェニル]エチルアミノ)−ピラジノントリフルオロアセテート
【0228】
【化61】
Figure 0004554077
表題化合物を、実施例8に類似の様式で、2,4−ジフルオロフェニルエタノールから白色固体として調製した。
【0229】
【数48】
Figure 0004554077
(実施例32)
1−{N−[2−(アミジノ−N’−メチルアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[4−メチルフェニル]エチルアミノ)−ピラジノンヒドロクロリド
【0230】
【化62】
Figure 0004554077
実施例5の生成物(0.09g、0.19mmol)と炭酸水素ナトリウム(0.53g、6.30mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中の混合物に、エタノール中4NのHClを2mL添加し、メタノール/ジクロロメタンに溶解し、そして再び濾過した。次いで、この濾液を減圧下で濃縮し、黄色固体として表題化合物を得た(0.08g、86%)。
【0231】
【数49】
Figure 0004554077
(実施例33)
1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエチルアミノ)−ピラジノントリフルオロ酢酸塩
【0232】
【化63】
Figure 0004554077
表題化合物を、実施例1の工程fにおいて調製した1−ベンジルオキシカルボニルメチル−3,5−ジクロロ−6−メチルピラジノン、および2,2−ジフルオロ−2−フェニルエチルアミンから実施例1、工程g〜jの手順を用いて調製した。
【0233】
【数50】
Figure 0004554077
(実施例34)
(錠剤調製)
それぞれ、25.0mg、50.0mgおよび100.0mgの以下の活性化合物を含有する錠剤を、以下に例示するように調製する:
a.1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(4−メトキシフェネチルアミノ)ピラジノン;および
b.1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2,2−ジフェニルエチルアミノ)ピラジノン。
【0234】
(25〜100mgの活性化合物を含有する用量のための錠剤)
【0235】
【表1】
Figure 0004554077
活性化合物、セルロースの全ておよびコーンスターチの一部を混合し、そして10%コーンスターチペーストまで粒状化する。得られた造粒物を篩い分けし、乾燥し、そしてコーンスターチの残りおよびステアリン酸マグネシウムとブレンドする。次いで、得られた造粒物を、錠剤1錠あたり、活性成分をそれぞれ25.0mg、50.0mgおよび100.0mg含有する錠剤に圧縮する。
【0236】
(実施例35)
(静脈内溶液の調製)
上記の活性化合物の静脈内投薬形態を以下のように調製する:
【0237】
【表2】
Figure 0004554077
上記の量を使用して、先に調製した、注射用水(USP、United States Pharmacopeia/National Formulary for 1995(United States Pharmacopeial Convention.Inc.,Rockville,Marylandにより発行(1995)の1636頁を参照のこと)中の塩化ナトリウム、クエン酸およびクエン酸ナトリウムの溶液に活性化合物を室温で溶解する。
【0238】
(実施例36)
(精製した酵素のインビトロ阻害)
(試薬)
全ての緩衝液塩をSigma Chemical Company(St.Louis,MO)から入手し、そしてそれらは入手できる中でも最も高純度のものであった。酵素基質である、N−ベンゾイル−Phe−Val−Arg−p−ニトロアニリド(Sigma B7632)、N−ベンゾイル−Ile−Glu−Gly−Arg−p−ニトロアニリドヒドロクロリド(Sigma B2291)、N−p−トシル−Gly−Pro−Lys−p−ニトロアニリド(Sigma T6140)、N−スクシニル−Ala−Ala−Pro−Phe−p−ニトロアニリド(Sigma S7388)およびN−CBZ−Val−Gly−Arg−p−ニトロアニリド(Sigma C7271)をSigmaから入手した。N−スクシニル−Ala−Ala−Pro−Arg−p−ニトロアニリド(BACHEM L−1720)およびN−スクシニル−Ala−Ala−Pro−Val−p−ニトロアニリド(BACHEM L−1770)を、BACHEM(King of Prussia,PA)から入手した。
【0239】
ヒトα−トロンビン、ヒト第Xa因子およびヒトプラスミンを、Enzyme Research Laboratories(South Bend,Indiana)から入手した。ウシα−キモトリプシン(Sigma C4129)、ウシトリプシン(Sigma T8642)およびヒト腎細胞ウロキナーゼ(Sigma U5004)を、Sigmaから入手した。ヒト白血球エラスターゼをElastin Products(Pacific,MO)から入手した。
【0240】
(Kiの測定)
全てのアッセイは、ペプチドp−ニトロアニリド基質の酵素触媒加水分解を試験化合物が阻害する能力に基づく。代表的なKiの測定において、基質を、DMSO中で調製し、そして50mM HEPES、200mM NaCl(pH7.5)からなるアッセイ緩衝液に希釈する。各基質の終濃度を以下に列挙する。一般に、基質濃度は実験的に決定されたKmについての値よりも低い。試験化合物をDMSO中で1.0mg/ml溶液として調製する。DMSO中で希釈物を調製し、200倍の濃度範囲を含む8つの終濃度を得る。以下に列挙した濃度で、アッセイ緩衝液中で酵素溶液を調製する。
【0241】
代表的なKi測定において、280mLの基質溶液、10mLの試験化合物溶液を96ウェルプレートの各ウェルにピペッティングし、そしてプレートをMolecular Devicesプレートリーダー中で15分より長く、37℃で熱的に平衡化させる。酵素の10mLアリコートを添加することにより反応を開始し、そして405nmでの吸光度の増加を15分間記録する。全基質加水分解の10%未満に対応するデータを計算に使用した。試験化合物を含有しないサンプルに対する速度比(時間の関数としての吸光度の変化の割合)を、試験化合物を含有するサンプルの速度で除算し、そして試験化合物濃度の関数としてプロットする。このデータを線形回帰に適合させ、そして直線の傾きの値を算出する。傾きの逆数が、実験的に決定したKi値である。
【0242】
(トロンビン)
トロンビン活性を、基質、N−スクシニル−Ala−Ala−Pro−Arg−p−ニトロアニリドを加水分解する能力として評価した。基質溶液をアッセイ緩衝液中で32mM(32mM<<Km=180mM)の濃度で調製した。最終DMSO濃度は4.3%であった。精製ヒトα−トロンビンをアッセイ緩衝液に15nMの濃度まで希釈した。最終試薬濃度は:[トロンビン]=0.5nM、[基質、N−スクシニル−Ala−Ala−Pro−Arg−p−ニトロアニリド]=32mMであった。
【0243】
(第X因子[FXa])
FXa活性を、基質であるN−ベンゾイル−Ile−Glu−Gly−Arg−p−ニトロアニリドヒドロクロリドを加水分解する能力として評価した。基質溶液をアッセイ緩衝液中で51mM(51<<Km=1.3mM)の濃度で調製した。最終DMSO濃度は4.3%であった。精製した活性型ヒト第X因子をアッセイ緩衝液中に300nMの濃度まで希釈した。最終試薬濃度は:[FXa]=10nM、[N−ベンゾイル−Ile−Glu−Gly−Arg−p−ニトロアニリドヒドロクロリド]=51mMであった。
【0244】
(プラスミン)
プラスミン活性を、N−p−トシル−Gly−Pro−Lys−p−ニトロアニリドを加水分解する能力として評価した。基質溶液をアッセイ緩衝液中で37mM(37mM<<Km=243mM)の濃度で調製した。最終DMSO濃度は4.3%であった。精製ヒトプラスミンをアッセイ緩衝液中に240nMの濃度まで希釈した。最終試薬濃度は:[プラスミン]=8nM、[N−p−トシル−Gly−Pro−Lys−p−ニトロアニリド]=37mMであった。
【0245】
(キモトリプシン)
キモトリプシン活性を、N−スクシニル−Ala−Ala−Pro−Phe−p−ニトロアニリドを加水分解する能力として評価した。基質溶液をアッセイ緩衝液中で14mM(14mM<<Km=62mM)の濃度で調製した。最終DMSO濃度は4.3%であった。精製ウシキモトリプシンをアッセイ緩衝液中に81nMの濃度まで希釈した。最終試薬濃度は:[キモトリプシン]=2.7nM、[N−スクシニル−Ala−Ala−Pro−Phe−p−ニトロアニリド]=14mMであった。
【0246】
(トリプシン)
トリプシン活性を、N−ベンゾイル−Phe−Val−Arg−p−ニトロアニリドを加水分解する能力として評価した。基質溶液をアッセイ緩衝液中で13mM(13mM<<Km=291mM)の濃度で調製した。最終DMSO濃度は4.3%であった。精製ウシトリプシンをアッセイ緩衝液中に120nMの濃度まで希釈した。最終試薬濃度は:[トリプシン]=4nM、[N−ベンゾイル−Phe−Val−Arg−p−ニトロアニリド]=13mMであった。
【0247】
(エラスターゼ)
エラスターゼ活性を、N−スクシニル−Ala−Ala−Pro−Val−p−ニトロアニリドを加水分解する能力として評価した。基質溶液をアッセイ緩衝液中で19mM(19mM<<Km=89mM)の濃度で調製した。最終DMSO濃度は4.3%であった。精製ヒト白血球エラスターゼをアッセイ緩衝液中に750nMの濃度まで希釈した。最終試薬濃度は:[エラスターゼ]=25nM、[N−スクシニル−Ala−Ala−Pro−Val−p−ニトロアニリド]=19mMであった。
【0248】
(ウロキナーゼ)
ウロキナーゼ活性を、N−CBZ−Val−Gly−Arg−p−ニトロアニリドを加水分解する能力として評価した。基質溶液をアッセイ緩衝液中で100mM(100mM<<Km=1.2mM)の濃度で調製した。最終DMSO濃度は4.3%であった。精製ヒト腎臓ウロキナーゼをアッセイ緩衝液中に1.2mMの濃度まで希釈した。最終試薬濃度は:[ウロキナーゼ]=40nM、および[N−CBZ−Val−Gly−Arg−p−ニトロアニリド]=100mMであった。
【0249】
実施例1〜6の化合物の結果を以下の表に示す。
【0250】
【表3】
Figure 0004554077
結果は、本発明の化合物が強力かつ非常に選択的なトロンビンのインヒビターであることを示す。
【0251】
ここに本発明を十分に記載したので、本発明の範囲またはその任意の実施態様に影響を与えることなく広範かつ等価な範囲の条件、処方および他のパラメータ内で本発明が行なわれ得ることを当業者は理解する。本明細書中に引用される全ての特許および刊行物は、その全体において本明細書中において参考として完全に援用される。

Claims (35)

  1. 式1の化合物:
    Figure 0004554077
    ここで、Wは、水素、R1、R1OCO、R1CO、R1(CH2 s NHCO、または(R12CH(CH25NHCOであり、ここで、sは0〜4であり;
    1は、以下:
    2
    2(CH2tC(R122(ここで、tは0〜3であり、各R12は、同じであっても異なってもよい)、
    (R2)(OR12)CH(CH2p(ここで、pは1〜4である)、
    (R22(OR12)C(CH2p(ここで、pは1〜4である)、
    2C(R122(CH2t(ここで、tは0〜3であり、各Rl2は同じであっても異なってもよく、そしてここで(R122はまた、それらが結合するCと一緒になって、三員環から七員環のシクロアルキル環を形成し得る)、
    2CH2C(R122(CH2q(ここで、qは0〜2であり、そして各Rl2は、同じであっても異なってもよく、そしてここで、(R122はまた、それらが結合するCと一緒になって、三員環から七員環のシクロアルキル環を形成し得る)、
    2CF2C(R122(CH2q(ここで、qは0〜2であり、そして各Rl2は同じであっても異なってもよく、そしてここで、(R122はまた、それらが結合するCと一緒になって、三員環から七員環のシクロアルキル環を形成し得る)、
    (R22CH(CH2r(ここで、rは0〜4であり、そして各R2は同じであっても異なってもよく、そしてここで(R22はまた、それらが結合するCと一緒になって、C3-7のシクロアルキル、C7-12の二環式アルキル、C10-16の三環式アルキル、あるいはN、O、およびSからなる群より選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、五員環から七員環の飽和もしくは不飽和の単環式複素環式環または五員環から七員環の飽和もしくは不飽和の二環式複素環式環である)、
    2O(CH2p(ここで、pは2〜4である);
    (R22CF(CH2r(ここで、rは0〜4であり、そして各Rl2は、同じであっても異なってもよく、そしてここで、(R122はまた、それらが結合するCと一緒になって、三員環から七員環のシクロアルキル、C7-12の二環式アルキル、C10-16の三環式アルキル、あるいは飽和もしくは不飽和であり得、かつN、O、およびSからなる群より選択される1〜3個のヘテロ原子を含む五員環から七員環の単環式複素環式環または二環式複素環式環を形成し得る)、
    Figure 0004554077
    Figure 0004554077
    (ここで、sは0または1である)、または
    Figure 0004554077
    であり;
    2は、以下:
    フェニル、ナフチルまたはビフェニル(これらの各々は、必要に応じて、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、CF3、OCF3、COOH、CONH2、またはSO2NH2の1つ以上で置換されている)、
    N、O、またはSから選択される1〜4個のヘテロ原子を必要に応じて有し、そして必要に応じてハロゲンもしくはヒドロキシで置換された、飽和もしくは不飽和の五員環から七員環の単環式環または九員環から十員環の二環式環、
    ヒドロキシ、COOH、アミノ、アリール、C3-7シクロアルキル、CF3、N(CH32、−C1-3アルキルアリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクロアルキルの1つ以上で必要に応じて置換された、C1-7アルキル、
    CF3
    必要に応じてアリールで置換されたC3-7シクロアルキル、
    7-12二環式アルキル、または
    10-16三環式アルキル
    であり;
    3は、以下:
    水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたアラルキル、必要に応じて置換されたヘテロアリール、トリフルオロメチル、ハロゲン、ヒドロキシアルキル、シアノ、ニトロ、カルボキサミド、−CO2x、−CH2ORx、またはORx(ここで、Rxは、各場合において、独立して、水素、必要に応じて不飽和アルキル、または必要に応じて不飽和シクロアルキルの1つである)
    であり;
    4は、水素またはハロゲンであり;
    12は、以下:
    水素、
    フェニル、ナフチルまたはビフェニル(これらの各々は、必要に応じて、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、CF3、OCF3、COOH、またはCONH2の1つ以上で置換されている)、
    N、O、またはSから選択される1−4個のヘテロ原子を有する、五員環から七員環の単環式複素環式環または飽和もしくは不飽和の九員環から十員環の二環式複素環式環、
    必要に応じてヒドロキシ、COOH、アミノ、アリール、ヘテロアリール(heteoaryl)、またはヘテロシクロアルキルの1つ以上で置換された、C1-4アルキル、
    CF3
    3-7シクロアルキル、
    7-12二環式アルキル、もしくは;
    10-16三環式アルキル
    であり;
    5は、水素、C1-4アルキル、もしくはC2-4アルケニルであり;
    6は、水素、アルキル、アルケニル、アラルキル、アリール、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、モノアルキルアミノ (C2-10) アルキル、ジアルキルアミノ (C2-10) アルキル、またはカルボキシアルキルであり;
    7、R8、R9、R10は、独立して、水素、アルキル、アラルキル、アリール、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、もしくはカルボキシアルキルであり、
    あるいはR7およびR8は、それらが結合したCと一緒になって、三員環から八員環のシクロアルキル基を形成し、かつR9およびR10は、上記で規定されたとおりであり、 あるいはR9およびR10は、それらが結合したCと一緒になって、三員環から八員環のシクロアルキル基を形成し、かつR7およびR8は、上記で規定されたとおりであり、
    あるいはR7およびR9は、それらが結合したCと一緒になって、三員環から八員環のシクロアルキル基を形成し、かつR8およびR10は、上記で規定されたとおりであり;
    Xは、酸素、−NR11−もしくは−CH=N−(ここでR11は、水素、アルキル、シクロアルキル、もしくはアリールであり、そして該アルキル、シクロアルキルおよびアリールは、必要に応じてアミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリール、アシルアミノ、シアノもしくはトリフルオロメチルで置換されている)であり;
    a、RbおよびRcは、独立して、水素、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アルコキシカルボニル、シアノ、もしくは−CO2Wであり、
    ここで、RWは、アルキル、シクロアルキル、フェニル、ベンジル、
    Figure 0004554077
    (ここで RdおよびReは、独立して、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニルもしくはフェニルであり、Rfは、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニルもしくはフェニルであり、Rgは、水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニルもしくはフェニルであり、そしてRhは、アラルキルもしくはCl-6アルキルである)であり;
    nは、0〜8であり;そして
    mは、0〜6である、
    化合物またはそれらの溶媒和物、水和物もしくは薬学的に受容可能な塩。
  2. 請求項1に記載の化合物であって:
    ここで、R3は、水素、Cl-4アルキル、C3-7シクロアルキルまたはCF3であり;
    mは、0〜4であり;そして
    nは、0〜4である、化合物。
  3. 3がC1-4アルキルである、請求項2に記載の化合物。
  4. 4が水素またはハロゲンである、請求項2に記載の化合物。
  5. WがHまたはR1である、請求項4に記載の化合物。
  6. 請求項5に記載の化合物であって、ここで:
    1は、以下:
    2
    2(CH2tC(R122(ここで、tは0〜3であり、そして各R12は同じであっても異なってもよい)、
    2C(R122(CH2t(ここで、tは、0〜3であり、各R12は同じであっても異なってもよく、そしてここで(R122はまた、それらが結合したCと一緒になって、三員環から七員環のシクロアルキル環を形成し得る)、
    2CH2C(R122(CH2q(ここで、qは0〜2であり、そして各R12は、同じであっても異なってもよく、そしてここで、(R122はまた、それらが結合したCと一緒になって、三員環から七員環のシクロアルキル環を形成し得る)、
    (R2)CH(CH2r(ここで、rは0〜4であり、R2は、同じであっても異なってもよく、そしてここで、(R22はまた、それらが結合したCと一緒になって、C3-7シクロアルキル、C7-12ビシクロアルキル、N、O、もしくはSから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、C10-16トリシクロアルキルまたは五員環から七員環の飽和もしくは不飽和の単環式複素環式環または二環式複素環式環である)、
    2CF2C(R122(CH2q(ここで、qは0〜2であり、そして各R12は、同じであっても異なってもよく、そしてここで、(Rl22はまた、それらが結合したCと一緒になって、三員環から七員環のシクロアルキル環を形成し得る)、または
    2O(CH2p(ここで、pは2〜4である)であり;
    2は、以下:
    フェニルもしくはナフチル(これらの各々は、必要に応じて、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシCF3、OCF3もしくはSO2NH2の1つ以上で置換されている)、
    0〜4個のN、OおよびSから選択されるヘテロ原子を有する、飽和もしくは不飽和の、五員環から七員環の単環式環または九員環から十員環の二環式環(そしてここで、該環は、ハロゲンもしくはヒドロキシで、必要に応じて置換されている)
    必要に応じてヒドロキシ、COOH、C3-7シクロアルキル、CF3、N(CH32、−C1-3アルカリル、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクロアルキルの1つ以上で置換されているC1-7アルキル、
    CF3、または
    必要に応じてアリールで置換されたC3-7シクロアルキルであり;そして
    12は、以下:
    水素、または
    必要に応じてヒドロキシ、COOH、アミノ、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクロアルキルの1つ以上で置換されているC1-4アルキルである、
    化合物。
  7. 請求項6に記載の化合物であって、ここで:
    3は、水素、CH3またはCH2CH3であり;
    4は、水素またはクロロであり;そして
    Wは、PhCH2CH2、(CH33C、HOOCCH2、CF3CH2、(CH32N(CH22、PhCH2O(CH22、PhCH(CH3)、PhCH2CH(COOH)、CH3(CH25、PhCH2、H、CH3(CH24、CH3CH2CH(CH3)CH2、(Ph)2CHCH2、PhCH2CH(CH3)、PhCH(CH3)CH2、(CH32CH、PhCH(OH)CH2、PhC(CH32CH2、(Ph)2CHCH2であり、ここでPhはフェニルであるか、または、Wは、以下:
    Figure 0004554077
    Figure 0004554077
    Figure 0004554077
    Figure 0004554077
    Figure 0004554077
    である、化合物。
  8. 5が水素である、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物。
  9. Xが、NR11または−CH=N−である、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物であって、ここで:
    11が、水素、または必要に応じて、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシ、ヒドロキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、カルボアルコキシ、フェニル、シアノ、トリフルオロメチル、アセチルアミノ、ピリジル、チオフェニル、フリル、ピロリルもしくはイミダゾリルのうちの1〜3個で置換されたC1-6アルキルである、化合物。
  10. Xが酸素である、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物。
  11. 6が、水素またはC1-6アルキルである、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物。
  12. 7、R8、R9およびR10が、独立して、水素、C1-6アルキル、C6-10アリール(C1-6)アルキル、C6-10アリール、C2-10ヒドロキシアルキルまたはC2-7カルボキシアルキルのうちの1つである、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物。
  13. 7、R8、R9およびRl0が、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、ベンジル、フェニルエチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、2−カルボキシメチル、3−カルボキシエチルもしくは4−カルボキシプロピルのうちの1つであり、またはここで、R7およびR8、もしくはR9およびR10のいずれかが、それらが結合したCと一緒になって、三員環から七員環の炭素環式環を形成する、請求項12に記載の化合物。
  14. a、RbおよびRcが、独立して、水素、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、シアノ、もしくは−CO2Wのうちの1つであり、ここで各場合において、RWが、C1-4アルキル、C4-7シクロアルキルもしくはベンジルオキシカルボニルである、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物。
  15. a、RbおよびRcが、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、シアノ、−CO2CH3、−CO2CH2CH3もしくは−CO2CH2CH2CH3のうちの1つである、請求項14に記載の化合物。
  16. a、RbおよびRcが、各々水素である、請求項15に記載の化合物。
  17. a、RbおよびRcが、独立して、以下:
    Figure 0004554077
    のうちの1つであり、
    ここで、Rd〜Rhが、請求項1に規定されるとおりである、
    請求項14に記載の化合物。
  18. 請求項17に記載の化合物であって、ここで:
    d、ReおよびRgが、各々水素であり;
    fがメチルであり;そして
    hが、ベンジルもしくはtert−ブチルである、
    化合物。
  19. 以下の式IIまたはIII:
    Figure 0004554077
    のうちの1つを有し、ここで、n'およびm'は、各々独立して0〜3であり、そしてR3、R4、W、X、nおよびmは、請求項1に規定された通りである、請求項1に記載の化合物またはそれらの溶媒和物、水和物もしくは薬学的に受容可能な塩。
  20. 請求項19に記載の化合物であって、ここで: Wは、PhCH2CH2、(CH33C、HOOCCH2、CF3CH2、(CH32N(CH22、PhCH2O(CH22、PhCH(CH3)、PhCH2CH(COOH)、CH3(CH25、PhCH2、H、CH3(CH24、CH3CH2CH(CH3)CH2、(Ph)2CHCH2、PhCH2CH(CH3)、PhCH(CH3)CH2、(CH32CH、PhCH(OH)CH2、PhC(CH32CH2、(Ph)2CHCH2であり、ここでPhはフェニルであるか、またはWは、以下:
    Figure 0004554077
    Figure 0004554077
    Figure 0004554077
    Figure 0004554077
    Figure 0004554077
    である、化合物。
  21. 以下:
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(フェネチルアミノ)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2,2−ジフェニルエチルアミノ)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(4−メチルフェネチルアミノ)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(4−メトキシフェネチルアミノ)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(1−フェニルシクロブチル)メチルアミノ−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−[2−(1−ナフタレン)エチル]アミノ−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−フェニル−1−ブチルアミノ)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[3,4−メチレンジオキシフェニル]エチルアミノ)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[2−ピリジル]エチルアミノ)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[2−メチルフェニル]エチルアミノ)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[3−メチルフェニル]エチルアミノ)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[2−トリフルオロメチルフェニル]エチルアミノ)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[3−トリフルオロメチルフェニル]エチルアミノ)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[4−トリフルオロメチルフェニル]エチルアミノ)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[3,5−ジメチルフェニル]エチルアミノ)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−インダニルアミノ)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[3,4−ジフルオロフェニル]エチルアミノ)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[5−インダニル]エチルアミノ)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−フルオロフェネチルアミノ)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(3,4−ジメトキシフェネチルアミノ)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(4−フルオロフェネチルアミノ)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(4−エチルフェネチルアミノ)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−フェニルプロピルアミノ)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(3,4−ジメチルフェネチルアミノ)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−ナフタレンエチルアミノ)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2,2−ジフェニルプロピルアミノ)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−(3−インドリル)−エチルアミノ−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[1−(4−メチルナフタレン)]エチルアミノ)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[2,4−ジフルオロフェニル]エチルアミノ)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノ−N'−メチルアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−[4−メチルフェニル]エチルアミノ)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−5−クロロ−6−メチル−3−(フェネチルアミノ)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−5−クロロ−6−メチル−3−(2,2−ジフェニルエチルアミノ)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノヒドラジノ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(フェネチル)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノヒドラジノ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(1−メチル−2−フェニルエチル)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノヒドラジノ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−エチル−3−(フェネチル)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノヒドラジノ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(4−メチルフェニルエチル)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(1−メチル−2−(4−メチルアミノ−3−ピリジル)エチル−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(1−メチル−2−(3−ピリジル)エチル−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−シクロプロピル−2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−シクロブチルエチル)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−シクロブチル−2,2−ジフルオロエチル)−ピラジノン、
    l−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−(3−フルオロフェニル)エチル)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエチル)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−フェニルシクロプロピル)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−(4−クロロフェニル)−2−シクロプロピルエチル)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−シクロプロピル−2−(3−ピリジル)エチル)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−ベンジルシクロプロピル)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−シクロピロピル−2−(3−フルオロフェニル)エチル)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2−シクロプロピル−2−(3,4−ジフルオロフェニル)エチル)−ピラジノン、
    1−{N−[2−(アミジノアミノオキシ)エチル]アミノ}カルボニルメチル−6−メチル−3−(2,2−ジフルオロ−2−フェニルエチルアミノ)−ピラジノン、
    のうちの1つである、請求項1に記載の化合物、およびそれらの薬学的に受容可能な塩。
  22. 1が放射活性原子を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物。
  23. 前記放射活性原子が、I−125、I−131およびI−123から選択される放射性ヨウ素原子である、請求項22に記載の化合物。
  24. 請求項1に記載の化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物
  25. 請求項19に記載の化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物。
  26. 請求項21に記載の化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物。
  27. 請求項1に記載の化合物を含んでなる、トロンビンであるプロテアーゼを阻害するための薬学的組成物
  28. 非ヒト表面の血栓形成性を低減する方法であって、該表面に請求項1に記載の化合物をコーティングする工程、包埋する工程、吸着させる工程または共有結合させる工程を包含する、方法。
  29. 請求項1に記載の化合物を含んでなる、哺乳動物における異常なタンパク質分解を処置するための薬学的組成物
  30. 請求項1に記載の化合物を含んでなる、哺乳動物における虚血、ウイルス感染、卒中、ガン、再狭窄、心筋梗塞、敗血性ショックの間に生じる散在性の筋肉内凝固障害、不安定な狭心症、外傷によって生じる散在性筋肉内血液凝固、冠動脈バイパス、股関節置換、血栓溶解治療、敗血症、血液透析、成人の呼吸窮迫症候群、慢性関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、硬化(induration)、転移(metastasis)、化学療法の間の凝固亢進、アルツハイマー病、ダウン症候群、眼におけるフィブリン形成、創傷治癒、または炎症と関連する血栓症を処置するための薬学的組成物
  31. 請求項1に記載の化合物を含んでなる、哺乳動物における血液凝固を低減するための薬学的組成物
  32. 哺乳動物におけるトロンビンをインビトロで検出する方法であって、該方法は、
    (a)請求項22に記載の化合物を哺乳動物に由来するサンプルに加える工程;および
    (b)該トロンビンに結合した該化合物を検出する工程
    を包含する、方法。
  33. 前記表面がステントである、請求項28に記載の方法。
  34. .1〜500mgの、請求項1に記載の化合物を含む、請求項24に記載の薬学的組成物
  35. 非経口投与または経口投与のために適合された、請求項34に記載の薬学的組成物
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