JP4552522B2 - 紙幣処理装置 - Google Patents

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本発明は、顧客等の操作により各種の取引を行う自動取引装置に組み込まれる紙幣処理装置に関するものである。
従来のこの種の紙幣処理装置においては、出金取引時に紙幣収納カセットから繰り出した紙幣を鑑別部に搬送して、この鑑別部により金種が確定し、正常と鑑別された紙幣のみ接客部に搬送して集積し、予め顧客が指定した金額分の紙幣が接客部に集積されると、シャッターを開いて集積紙幣を顧客に支払うが、前記鑑別部で金種が不明あるいは搬送異常と鑑別された紙幣はリジェクト紙幣としてリジェクトカセットに搬送して収納するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−266223号公報(段落「0020」、段落「0023」等、図1等)
しかしながら、上述した従来の技術においては、以下の問題がある。
すなわち、リジェクトカセットに収納された紙幣は、精査時等に係員により回収されるまで単に紙幣処理装置内に保管される所謂死蔵の紙幣である。
一方、出金取引時に紙幣収納カセットから繰り出される紙幣は、それ以前に紙幣収納カセットに収納される際に鑑別部で出金に利用できると鑑別された正常な紙幣である。
このように紙幣収納カセットから繰り出される紙幣は本来正常な紙幣であるにも拘らず、従来はその紙幣を出金取引時に鑑別部でリジェクト紙幣と1度鑑別されただけで、リジェクトカセットに収納して精査時等まで死蔵させてしまうため、資金効率を低下させてしまうという問題がある。
本発明は、このような問題を解決することを課題とする。
そのため、本発明は、金種別に紙幣を収納した金種別カセット内から紙幣を繰り出して鑑別部で鑑別し、正常と鑑別された紙幣を接客部から支払う紙幣処理装置において、出金取引時の紙幣の搬送方向における鑑別部の下流側に紙幣を一時保留する一時保留部を配置し、出金取引時に前記鑑別部でリジェクト紙幣と鑑別された紙幣を前記一時保留部に集積して保留し、出金する分の正常な紙幣を前記接客部に集積した後、前記一時保留部から前記リジェクト紙幣を繰り出して金種別カセットに収納すると共に、そのリジェクト紙幣を収納した金種別カセットを記憶手段に記憶し、以後の出金取引で前記記憶手段に記憶された金種別カセットから繰り出された紙幣については、前記鑑別部でリジェクト紙幣と鑑別された紙幣をリジェクト専用カセットに収納することを特徴とする。
このようにした本発明は、出金取引時に鑑別部でリジェクト紙幣と鑑別された紙幣を一時保留部に保留し、この紙幣を金種別カセットに戻して、その金種別カセットを記憶手段に記憶し、次の出金取引時に再度鑑別を行って正常と鑑別されれば、顧客等に出金し、鑑別部でリジェクト紙幣と鑑別された紙幣をリジェクト専用カセットに収納するようにしているため、死蔵紙幣の発生を抑制して資金効率を向上させることができるという効果が得られる。
以下、図面を参照して本発明による紙幣処理装置の実施例を説明する。
図1は本発明による紙幣処理装置の内部構造を示す概略側面図である。
図において1は接客部で、この接客部1には図示しないシャッターが設けられており、顧客が自動取引装置を操作して取引を行う際はこのシャッターが開閉して紙幣の出し入れが可能になるように制御されるものとなっている。
この接客部1内には、顧客が紙幣を投入する際には開口部が上に向きかつ紙幣の分離や取り込みを行うときは開口部が横を向くように角度変化する紙幣保持部材2と、入金取引時に顧客により紙幣保持部材2にセットされた紙幣を1枚ずつ分離して装置内に送り込む分離手段、及び顧客に返却する紙幣や出金取引時に顧客に支払う紙幣を紙幣保持部材2に取り込む取り込み手段を有している。
3は鑑別部で、この鑑別部3は、紙幣の真偽、金種、正損、表裏の鑑別を行うと共に、重送、連鎖、斜行等の搬送異常の検知、及び金種が確定した紙幣の計数を行う機能を有している。
4a〜4dは紙幣収納カセットで、ここでは4個並べて配置しているが、この数に限られるものではなく、運用形態等に応じて少なくとも1つ備えていればよい。
紙幣収納カセット4a〜4dにはそれぞれ上部一端に紙幣の取り込み及び繰り出し用の開口部が形成されており、各々の開口部には紙幣収納カセット4a〜4d内に紙幣を1枚ずつ送り込んで集積させると共に紙幣収納カセット4a〜4d内から紙幣を1枚ずつ分離して繰り出す複数のローラから成る集積繰り出し手段が設けられている。
また、紙幣収納カセット4a〜4d内にはそれぞれ昇降可能なステージが設けられており、紙幣収納カセット4a〜4d内に収納される紙幣はこのステージ上に集積され、各ステージは紙幣の収納、繰り出しに応じて昇降動作するものとなっている。
5は出金取引時の紙幣の搬送方向における鑑別部3の下流側に配置された一時保留部で、接客部1側の上部に紙幣取り込み口を有し、この取り込み口と同側の下部に繰り出し口を有している。そして一時保留部5内には紙幣を取り込むための複数のローラから成る取り込み手段と、紙幣を一枚ずつ分離して繰り出す複数のローラから成る繰り出し手段が前記取り込み口と繰り出口に対応して設けられている。
この一時保留部5は、通常、入金取引時に鑑別部3で入金可能と鑑別された紙幣を、入金が確定するまで一時保留するために用られるが、本発明では出金取引時のリジェクト紙幣等の処理に利用される。
6は補充回収カセットで、この補充回収カセット6は紙幣処理装置に対して着脱可能に設けられている。
この補充回収カセット6は、紙幣収納カセット4a〜4に対して紙幣の補充を行ったり、該紙幣収納カセット4a〜4から紙幣の回収を行うために使用されるものであるが、本発明とは直接関係がないのでその詳細については説明を省略する。
7は出金取引時等に顧客が取忘れた紙幣を収納する取忘れ紙幣収納カセット、8は入金取引時に鑑別部3で入金可能であるが出金用紙幣として再利用するには不適当な損券と鑑別された紙幣を収納する損券カセット、9は出金取引時及び補充回収カセット6への回収時に鑑別部3で金種不明等のリジェクト紙幣と鑑別された紙幣を収納するリジェクト専用カセットで、これらのカセット7〜9も紙幣処理装置に対して着脱可能に設けられている。
10a〜10hは紙幣を搬送する搬送路である。
ここで、搬送路10aと10bは、接客部1の分離手段から鑑別部3を経由し、コの字を描くように下方に反転して紙幣収納カセット4a〜4dに対応する各集積繰り出し手段に至る入金経路を成し、搬送路10bと10cは紙幣収納カセット4a〜4dに対応する各集積繰り出し手段から鑑別部3を経由して一時保留部5の下側から逆コの字を描くように一時保留部5の上方に反転して接客部1の取り込み手段に至る出金経路を成すように設けられており、従って搬送路10bは入金経路と出金経路とで共用されるものとなっている。
また、搬送路10cと搬送路10bは、紙幣の装填・補充時に補充回収カセット6から繰り出された紙幣を鑑別部3を経て紙幣収納カセット4a〜4dに対応する各集積繰り出し手段に至る装填・補充経路としても利用される。
そのため、少なくとも搬送路10bと10cは紙幣の入金、装填・補充時と出金時とで紙幣を逆の方向に搬送するように駆動制御されるものとなっている。
このような紙幣の搬送経路において、一時保留部5は出金時の紙幣の搬送方向における鑑別部3の下流側に配置されており、そして搬送路10dは接客部1の取り込み手段の手前で搬送路10cから分岐して一時保留部5の取り込み口に至る経路を成すように設けられている。
この搬送路10dは搬送路10cにより搬送されてきた紙幣反転して一時保留部5の取り込み口に送るように配置されている。
また、搬送路10eは一時保留部5の繰り出し口を始点として搬送路10cの鑑別部3側へ合流する経路を成すように設けられており、搬送路10fは搬送路10bから分岐して搬送路10cに合流するバイパス経路を成すように設けられている。
搬送路10gは搬送路10bの終端から取り忘れ紙幣収納カセット7、損券カセット8、及びリジェクト専用カセット9の各紙幣取り込み口に至る経路を成すように、更に搬送路10hは搬送路10cの途中から分岐して搬送路10gに合流する経路を成すように設けられている。
そして、これらの搬送路の分岐部や合流部には図示しないブレードが設けられ、紙幣の搬送方向を切り替えるようなっている。
このような構成を有する本装置において、以下に説明する各部の動作は、各実施例とも図示しない記憶部に格納されたプログラム(ソフトウェア)に基づいて図示しない制御部により制御されるものとなっている。
図2〜図5は第1の実施例を示す説明図で、この実施例は図1で説明した紙幣収納カセット4a〜4dのうち、紙幣収納カセット4a,4bは万円紙幣を収納する金種別カセット、紙幣収納カセット4c,4dは千円紙幣を収納する金種別カセットとして用いるように設定したものである。
次に第1の実施例の作用について説明する。
出金取引時に顧客または金融機関のオペレータが出金金種、金額を指定する。
指定された金種に万円紙幣がある場合、図2に示すように例えば金種別カセット4aから集積繰り出し手段により紙幣が1枚ずつ繰り出されて搬送路10bにより鑑別部3に搬送され、この鑑別部3で紙幣の金種、表裏等の鑑別が行われると共に、重送、連鎖、斜行等の搬送異常の検知が行われる。
その結果、金種が確定し、搬送異常も検知されない正常と鑑別された紙幣は計数されて搬送路10cにより接客部1に搬送され、取り込み手段により紙幣保持部材2に取り込まれて集積される。
また、金種不明あるいは搬送異常が検知されてリジェクト紙幣と鑑別された紙幣は搬送路10cにより搬送され、接客部1の手前で搬送方向が切り替えられて搬送路10dに送り込まれた後、一時保留部5に設けられた取り込み手段により一時保留部5内に取り込まれて集積され、一時保留される。
このような処理が繰り返され、接客部1の紙幣保持部材2に指定枚数の万円紙幣が集積されると、一時保留部5に万円のリジェクト紙幣が存在しない場合、指定された金種に千円紙幣があれば、千円紙幣の繰り出しに移るが、一時保留部5に万円のリジェクト紙幣が存在する場合、図3に示したように一時保留部5から繰り出し手段によりリジェクト紙幣が1枚づつ分離して繰り出される。
繰り出されたリジェクト紙幣は搬送路10eにより搬送されて搬送路10cに送り込まれた後、搬送路10cから搬送路10bに送り込まれ、この搬送路10bにより鑑別部3を通過し、元の金種別カセット4aに搬送されて集積繰り出し手段により金種別カセット4a内に収納される。
一時保留部5内のリジェクト紙幣がすべて繰り出され、金種別カセット4a内に収納されると、指定された金種に千円紙幣がある場合、図4に示すように、例えば金種別カセット4cから集積繰り出し手段により紙幣が1枚ずつ繰り出されて搬送路10bにより鑑別部3に搬送され、この鑑別部3で紙幣の金種、表裏等の鑑別が行われると共に、重送、連鎖、斜行等の搬送異常の検知が行われる。
その結果、金種が確定し、搬送異常も検知されない正常と鑑別された紙幣は計数され搬送路10cにより接客部1に搬送され、取り込み手段により紙幣保持部材2に取り込まれて集積される。
また、金種不明あるいは搬送異常が検知されてリジェクト紙幣と鑑別された紙幣は搬送路10cにより搬送され、接客部1の手前で搬送方向が切り替えられて搬送路10dに送り込まれた後、一時保留部5にけられた取り込み手段により一時保留部5内に取り込まれて集積される。
このような処理が繰り返され、接客部1の紙幣保持部材2に指定枚数の万円紙幣と千円紙幣が集積されて揃うと、紙幣保持部材2はその開口部が上方を向くように角度変化し、シャッターが開いて紙幣が顧客またはオペレータに支払われ、紙幣が取り出されるとシャッターは閉じられる。
そして、一時保留部5に千円のリジェクト紙幣が存在する場合、顧客またはオペレータへの紙幣の支払いと並行して、図5に示したように一時保留部5から繰り出し手段によりリジェクト紙幣が1枚づつ分離して繰り出され、繰り出されたリジェクト紙幣は搬送路10eにより搬送されて搬送路10cに送り込まれた後、搬送路10cから搬送路10bに送り込まれて、この搬送路10bにより鑑別部3を通過し、元の金種別カセット4cに搬送されて集積繰り出し手段により金種別カセット4c内に収納される。
その後、紙幣処理装置は次の取引に備えて待機状態となる。
金種別カセット4b、4dから紙幣を繰り出して支払いを行う場合も同様である。
次の出金取引では、前回のリジェクト紙幣が金種別カセット4a〜4dから繰り出されて前記と同様の処理が行われる。
これにより、前回鑑別部3でリジェクト紙幣と鑑別された紙幣でも、鑑別部3で正常と鑑別されれば、顧客等に出金する。
尚、この場合、前回のリジェクト紙幣を収納した金種別カセットを図示しない一時記憶メモリ等に記憶し、その金種別カセットから繰り出された紙幣については、鑑別部3で金種不明あるいは搬送異常が検知されることでリジェクト紙幣と鑑別された紙幣は一時保留部5に送らず、搬送路10cから搬送路10hに送り、搬送路10gによりリジェクト専用カセット9に搬送してリジェクト専用カセット9内に収納するようにしてもよい。
以上説明したように第1の実施例によれば、出金取引時に鑑別部でリジェクト紙幣と鑑別された紙幣を一時保留部に保留し、この紙幣を金種別カセットに戻して、次の出金取引時に再度鑑別を行って正常と鑑別されれば、顧客等に出金するようにしているため、死蔵紙幣の発生を抑制して資金効率を向上させることができるものとなる。
図6〜図9は第2の実施例を示す説明図で、この実施例は図1で説明した紙幣収納カセット4a〜4dのうち、紙幣収納カセット4aは正常な万円紙幣を収納する金種別カセット、紙幣収納カセット4bは万円のリジェクト紙幣を収納する金種別リジェクトカセット、紙幣収納カセット4cは正常な千円紙幣を収納する金種別カセット、紙幣収納カセット4dは千円のリジェクト紙幣を収納する金種別リジェクトカセットとして用いるように設定したものである。
次に第2の実施例の作用について説明する。
出金取引時に顧客または金融機関のオペレータが出金金種、金額を指定すると、指定された金種に万円紙幣がある場合、図6に示すように例えば金種別カセット4aから集積繰り出し手段により紙幣が1枚ずつ繰り出される。
繰り出された紙幣は、第1の実施例と同じ手順で鑑別部3による鑑別を経て、正常な紙幣は接客部1の紙幣保持部材2に取り込まれて集積され、リジェクト紙幣は一時保留部5内に取り込まれて一時保留される。
そして、接客部1の紙幣保持部材2に指定枚数の万円紙幣が集積されると、一時保留部5に万円のリジェクト紙幣が存在しない場合、指定された金種に千円紙幣があれば、千円紙幣の繰り出しに移るが、一時保留部5に万円のリジェクト紙幣が存在する場合、図7に示したように一時保留部5から繰り出し手段によりリジェクト紙幣が1枚づつ分離して繰り出される。
繰り出されたリジェクト紙幣は搬送路10eにより搬送されて搬送路10cに送り込まれた後、搬送路10cから搬送路10bに送り込まれ、この搬送路10bにより鑑別部3を通過し、金種別カセット4bに搬送されて集積繰り出し手段により金種別リジェクトカセット4b内に収納される。
一時保留部5内のリジェクト紙幣がすべて繰り出され、金種別リジェクトカセット4b内に収納されると、指定された金種に千円紙幣がある場合、図8に示すように、例えば金種別カセット4cから集積繰り出し手段により紙幣が1枚ずつ繰り出される。
繰り出された紙幣は、第1の実施例と同じ手順で鑑別部3による鑑別を経て、正常な紙幣は接客部1の紙幣保持部材2に取り込まれて集積され、リジェクト紙幣は一時保留部5内に取り込まれて一時保留される。
このような処理が繰り返され、接客部1の紙幣保持部材2に指定枚数の万円紙幣と千円紙幣が集積されて揃うと、紙幣保持部材2はその開口部が上方を向くように角度変化し、シャッターが開いて紙幣が顧客またはオペレータに支払われ、紙幣が取り出されるとシャッターは閉じられる。
そして、一時保留部5に千円のリジェクト紙幣が存在する場合、顧客またはオペレータへの紙幣の支払いと並行して、図9に示したように一時保留部5から繰り出し手段によりリジェクト紙幣が1枚づつ分離して繰り出され、繰り出されたリジェクト紙幣は搬送路10eにより搬送されて搬送路10cに送り込まれた後、搬送路10cから搬送路10bに送り込まれて、この搬送路10bにより鑑別部3を通過し、金種別リジェクトカセット4dに搬送されて集積繰り出し手段により金種別カセット4d内に収納される。
その後、紙幣処理装置は次の取引に備えて待機状態となる。
以後同様に出金取引が繰り返されるが、取引の途中で金種別カセット4aまたは4cの紙幣が不足した場合、金種別リジェクトカセット4bまたは4dから紙幣が繰り出されて金種別カセット4aまたは4cから繰り出された紙幣と同様の処理が行われる。
これにより、以前に鑑別部3でリジェクト紙幣と鑑別された紙幣でも、鑑別部3で正常と鑑別されれば、顧客等に出金する。
尚、この場合、金種別リジェクトカセット4bまたは4dから繰り出された紙幣については、鑑別部3で金種不明あるいは搬送異常が検知されることでリジェクト紙幣と鑑別された紙幣は一時保留部5に送らず、搬送路10cから搬送路10hに送り、搬送路10gによりリジェクト専用カセット9に搬送してリジェクト専用カセット9内に収納するようにしてもよい。
以上説明したように第2の実施例によれば、出金取引時に鑑別部でリジェクト紙幣と鑑別された紙幣を一時保留部に保留し、この紙幣を金種別リジェクトカセットに戻しておき、金種別カセットの紙幣の不足時に金種別リジェクトカセットから繰り出して再度鑑別を行って正常と鑑別されれば、顧客等に出金するようにしているため、第1の実施例と同様に死蔵紙幣の発生を抑制して資金効率を向上させることができるものとなる。
図10〜図13は第3の実施例を示す説明図で、この実施例は図1で説明した紙幣収納カセット4a〜4dのうちの1つ、例えば紙幣収納カセット4aをリジェクト紙幣と鑑別された紙幣を収納する再鑑別用カセット、残りの紙幣収納カセット4b〜4dを金種別カセットとして用いるように設定したもので、金種別カセット4b〜4dに収納する紙幣の金種は任意であるが、ここでは金種別カセット4bを万円紙幣収納用、紙幣収納カセット4c,4dは千円紙幣収納用として用いるように設定したものとする。
次に第3の実施例の作用について説明する。
出金取引時に顧客または金融機関のオペレータが出金金種、金額を指定すると、指定された金種に万円紙幣がある場合、図10に示すように金種別カセット4bから集積繰り出し手段により紙幣が1枚ずつ繰り出される。
繰り出された紙幣は、第1の実施例と同じ手順で鑑別部3による鑑別を経て、正常な紙幣は接客部1の紙幣保持部材2に取り込まれて集積され、リジェクト紙幣は一時保留部5内に取り込まれて一時保留される。
そして、接客部1の紙幣保持部材2に指定枚数の万円紙幣が集積されると、一時保留部5に万円のリジェクト紙幣が存在しない場合、指定された金種に千円紙幣があれば、千円紙幣の繰り出しに移るが、一時保留部5に万円のリジェクト紙幣が存在する場合、図11に示したように一時保留部5から繰り出し手段によりリジェクト紙幣が1枚づつ分離して繰り出され、繰り出されたリジェクト紙幣は搬送路10eにより搬送されて搬送路10cに送り込まれた後、搬送路10cから搬送路10bに送り込まれて、この搬送路10bにより鑑別部3に搬送される。
そして、鑑別部3で再度鑑別及び搬送異常の検知が行われ、その結果金種が判明した正常な紙幣は搬送路10bにより金種別カセット4bに搬送されて集積繰り出し手段により金種別リジェクトカセット4b内に収納される。
また、ここでもリジェクト紙幣と鑑別された紙幣は搬送路10bにより再鑑別用カセット4aに搬送されて集積繰り出し手段により再鑑別用カセット4a内に収納される。
一時保留部5内のリジェクト紙幣がすべて繰り出され、再鑑別用カセット4aまたは金種別カセット4b内に収納されると、指定された金種に千円紙幣がある場合、例えば金種別カセット4cから集積繰り出し手段により紙幣が1枚ずつ繰り出される。
繰り出された紙幣は、第1の実施例と同じ手順で鑑別部3による鑑別を経て、正常な紙幣は接客部1の紙幣保持部材2に取り込まれて集積され、リジェクト紙幣は一時保留部5内に取り込まれて一時保留される。
このような処理が繰り返され、接客部1の紙幣保持部材2に指定枚数の万円紙幣と千円紙幣が集積されて揃うと、紙幣保持部材2はその開口部が上方を向くように角度変化し、シャッターが開いて紙幣が顧客またはオペレータに支払われ、紙幣が取り出されるとシャッターは閉じられる。
そして、一時保留部5に千円のリジェクト紙幣が存在する場合、顧客またはオペレータへの紙幣の支払いと並行して、一時保留部5から繰り出し手段によりリジェクト紙幣が1枚づつ分離して繰り出され、繰り出されたリジェクト紙幣は搬送路10eにより搬送されて搬送路10cに送り込まれた後、搬送路10cから搬送路10bに送り込まれて、この搬送路10bにより鑑別部3に搬送される。
そして、鑑別部3で再度鑑別及び搬送異常の検知が行われ、その結果金種が判明した正常な紙幣は搬送路10bにより金種別カセット4cに搬送されて集積繰り出し手段により金種別カセット4c内に収納される。
また、ここでもリジェクト紙幣と鑑別された紙幣は搬送路10bにより再鑑別用カセット4aに搬送されて集積繰り出し手段により再鑑別用カセット4a内に収納される。
金種別カセット4dから紙幣を繰り出して出金する場合も同様に処理が行われる。
その後、紙幣処理装置は次の取引に備えて待機状態となる。
以後同様に出金取引が繰り返されるが、取引と取引の間の装置の空き時間に図12に示すように再鑑別用カセット4aから集積繰り出し手段により紙幣が繰り出される。
繰り出された紙幣は搬送路10bにより搬送され、鑑別部3を通過した後、搬送路10cにより搬送されて接客部1の手前で搬送方向が切り替えられて搬送路10dに送り込まれた後、一時保留部5に設けられた取り込み手段により一時保留部5内に取り込まれて集積される。
再鑑別用カセット4aからすべての紙幣が繰り出され、一時保留部5内に取り込まれて集積されると、図13に示したように一時保留部5から繰り出し手段によりリジェクト紙幣が1枚づつ分離して繰り出され、繰り出されたリジェクト紙幣は搬送路10eにより搬送されて搬送路10cに送り込まれた後、搬送路10cから搬送路10bに送り込まれて、この搬送路10bにより鑑別部3に搬送される。
そして、鑑別部3で再度鑑別及び搬送異常の検知が行われ、その結果金種が判明した正常な紙幣はその金種に応じて搬送路10bにより金種別カセット4b〜4dいずれかに搬送されて集積繰り出し手段により金種別カセット4b〜4d内に収納される。
また、リジェクト紙幣と鑑別された紙幣は搬送路10bにより再鑑別用カセット4aに搬送して集積繰り出し手段により再鑑別用カセット4a内に収納するようにしてもよいが、ここでの紙幣は複数回の鑑別でいずれもリジェクト紙幣と鑑別されているので、搬送路10bから搬送路10gに送り込んでリジェクト専用カセット9に搬送し、リジェクト専用カセット9内に収納するようにしてもよい。
以上説明したように、第3の実施例では、出金取引時に鑑別部でリジェクト紙幣と鑑別された紙幣を一時保留部に保留し、この紙幣を再鑑別用カセットに搬送して収納し、装置の空き時間に鑑別部に搬送して再度鑑別することにより正常と鑑別された紙幣を金種別カセットに戻すようにしているため、第1の実施例と同様に死蔵紙幣の発生を抑制して資金効率を向上させることができるものとなる。
また、この第3の実施例によれば、金種別カセットには正常と鑑別された紙幣のみが収納されるので、出金取引時にリジェクト紙幣が発生することも抑制され、取引時間の短縮にも寄与できるものとなる。
尚、上述した第1〜第3の実施例において、鑑別部3でリジェクト紙幣と鑑別された紙幣のうち、紙幣の長さや幅の寸法が正常な紙幣の寸法より短いことでリジェクト紙幣と鑑別された紙幣は、金種別カセット4aへの収納あるいは金種別カセット4aからの繰り出し時等に折れや破損が生じた可能性が高く、一時保留部5に送るとジャム等を生じる恐れがあるので、このような寸法の小さいリジェクト紙幣は搬送路10cから搬送路10hに送り、搬送路10gによりリジェクト専用カセット9に搬送してリジェクト専用カセット9内に収納すればジャム等の発生を予防することができる。
図14及び図15は第4の実施例を示す説明図で、この第4の実施例は第1の実施例と同様に図1で説明した紙幣収納カセット4a〜4dのうち、紙幣収納カセット4a,4bは万円紙幣を収納する金種別カセット、紙幣収納カセット4c,4dは千円紙幣を収納する金種別カセットとして用いるように設定したものであるが、一時保留部5は紙幣の表裏取り揃えに利用するものである。
次に第4の実施例の作用について説明する。
出金取引時に顧客または金融機関のオペレータが出金金種、金額を指定する。
指定された金種に万円紙幣がある場合、図14に示すように例えば金種別カセット4aから集積繰り出し手段により紙幣が1枚ずつ繰り出されて搬送路10bにより鑑別部3に搬送され、この鑑別部3で紙幣の金種、表裏等の鑑別が行われると共に、重送、連鎖、斜行等の搬送異常の検知が行われる。
その結果、金種が確定し、搬送異常も検知されない正常と鑑別された表(または裏)向きの紙幣は計数されて搬送路10cにより接客部1に搬送され、取り込み手段により紙幣保持部材2に取り込まれて集積される。
また、正常と鑑別された裏(または表)向きの紙幣は搬送路10cにより搬送され、接客部1の手前で搬送方向が切り替えられて搬送路10dに送り込まれて表裏が反転された後、一時保留部5に設けられた取り込み手段により一時保留部5内に取り込まれて集積され、一時保留される。
更に、金種不明あるいは搬送異常が検知されて鑑別部3でリジェクト紙幣と鑑別された紙幣は搬送路10cから搬送路10hに送られ、搬送路10gによりリジェクト専用カセット9に搬送されてリジェクト専用カセット9内に収納される。
このような処理が繰り返され、接客部1の紙幣保持部材2と一時保留部5に指定枚数の万円紙幣が集積されると、一時保留部5から繰り出し手段により紙幣が1枚づつ分離して繰り出され、繰り出された紙幣は搬送路10eにより搬送されて搬送路10cから搬送路10bに送り込まれる。
そして搬送路10bにより紙幣は搬送されて鑑別部3を通過し、搬送路10fにより再び搬送路10cに送りこまれ、この搬送路10cにより接客部1に搬送されて、取り込み手段により紙幣保持部材2に取り込まれて集積される。
この場合、一時保留部5に一時保留されている紙幣は、上述したように一時保留部5に取り込まれる際に表裏反転されており、その反転されたままの状態で一時保留部5から繰り出されて接客部1まで搬送されるので、既に紙幣保持部材2に集積されている紙幣と同じ向きに表裏が揃えられて紙幣保持部材2に集積されることになる。
一時保留部5内の紙幣がすべて繰り出され、接客部1の紙幣保持部材2に集積されると、指定された金種に千円紙幣がある場合、例えば金種別カセット4cから集積繰り出し手段により紙幣が1枚ずつ繰り出されて搬送路10bにより鑑別部3に搬送され、この鑑別部3で紙幣の金種、表裏等の鑑別が行われると共に、重送、連鎖、斜行等の搬送異常の検知が行われる。
その結果、金種が確定し、搬送異常も検知されない正常と鑑別された表(または裏)向きの紙幣は計数され搬送路10cにより接客部1に搬送され、取り込み手段により紙幣保持部材2に取り込まれて集積される。
また、正常と鑑別された裏(または表)向きの紙幣は搬送路10cにより搬送され、接客部1の手前で搬送方向が切り替えられて搬送路10dに送り込まれて表裏が反転された後、一時保留部5に設けられた取り込み手段により一時保留部5内に取り込まれて集積され、一時保留される。
更に、金種不明あるいは搬送異常が検知されて鑑別部3でリジェクト紙幣と鑑別された紙幣は搬送路10cから搬送路10hに送られ、搬送路10gによりリジェクト専用カセット9に搬送されてリジェクト専用カセット9内に収納される。
このような処理が繰り返され、接客部1の紙幣保持部材2と一時保留部5に指定枚数の万円紙幣と千円紙幣が集積されて揃うと、万円紙幣の場合と同様に一時保留部5から紙幣が繰り出されて接客部1の紙幣保持部材2に集積される。
そして、一時保留部5内の紙幣がすべて繰り出され、接客部1の紙幣保持部材2に集積されると、紙幣保持部材2はその開口部が上方を向くように角度変化し、シャッターが開いて表裏が揃えられた紙幣が顧客またはオペレータに支払われ、紙幣が取り出されるとシャッターは閉じられる。
その後、紙幣処理装置は次の取引に備えて待機状態となる。
金種別カセット4b、4dから紙幣を繰り出して支払いを行う場合も同様である。
以上説明した第4の実施例によれば、特に紙幣の表裏を反転するための表裏反転機構を設けることなく、一時保留部を利用して出金取引時に紙幣の表裏を揃えることができる、装置を大型化することなく、紙幣の表裏を揃えて出金したいという要求に応えることができる。
尚、上述した各実施例では4個の紙幣収納カセット4a〜4cを備えた装置について説明したが、これに限られるものではなく、例えば第1、第4の実施例の場合、紙幣収納カセットが1個備えられている装置であっても実現可能であり、また、第2、第3の実施例の場合は、紙幣収納カセットが2個備えられている装置であれば実現可能である。
実施例の内部構成を示す側面図 第1の実施例を示す説明図 第1の実施例を示す説明図 第1の実施例を示す説明図 第1の実施例を示す説明図 第2の実施例を示す説明図 第2の実施例を示す説明図 第2の実施例を示す説明図 第2の実施例を示す説明図 第3の実施例を示す説明図 第3の実施例を示す説明図 第3の実施例を示す説明図 第3の実施例を示す説明図 第4の実施例を示す説明図 第4の実施例を示す説明図
符号の説明
1 接客部
2 紙幣保持部材
3 鑑別部
4a〜4d 紙幣収納カセット
5 一時保留部
6 補充回収カセット
7 取り忘れ紙幣収納カセット
8 損券カセット
9 リジェクト専用カセット
10a〜10h 搬送路

Claims (3)

  1. 金種別に紙幣を収納した金種別カセット内から紙幣を繰り出して鑑別部で鑑別し、正常と鑑別された紙幣を接客部から支払う紙幣処理装置において、
    出金取引時の紙幣搬送方向における鑑別部の下流側に紙幣を一時保留する一時保留部を配置し、
    出金取引時に前記鑑別部でリジェクト紙幣と鑑別された紙幣を前記一時保留部に集積して保留し、
    出金する分の正常な紙幣を前記接客部に集積した後、前記一時保留部から前記リジェクト紙幣を繰り出して金種別カセットに収納すると共に、そのリジェクト紙幣を収納した金種別カセットを記憶手段に記憶し、
    以後の出金取引で前記記憶手段に記憶された金種別カセットから繰り出された紙幣については、前記鑑別部でリジェクト紙幣と鑑別された紙幣をリジェクト専用カセットに収納することを特徴とする紙幣処理装置。
  2. 請求項1記載の紙幣処理装置において、
    出金取引時の紙幣が複数金種の場合、先に繰り出して鑑別を行った金種のリジェクト紙幣を前記一時保留部からすべて繰り出して金種別カセットに収納した後、次の金種の紙幣を繰り出すことを特徴とする紙幣処理装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の紙幣処理装置において、
    前記一時保留部から繰り出したリジェクト紙幣を、鑑別前にその紙幣が繰り出された元の金種別カセットに収納することを特徴とする紙幣処理装置。
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