JP4552288B2 - 画像記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光材料を露光して画像を記録する画像記録装置に関するものであり、特に、光源からの光の色温度を調整することが可能な画像記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、デジタルライン露光デバイスと呼ばれる画像記録装置が種々提案されている。この種の画像記録装置は、フィルム画像などを画像データとして取り込み、取り込んだ画像データに応じて印画紙を露光し、印画紙に画像を記録するものである。
【0003】
上記の露光の際には、画素単位で設けられたシャッターにより、光源からの光の透過量を画像データに応じて調節する。そして、このシャッターとしては、PLZT素子などが用いられる。
【0004】
特開昭63−189264号公報には、上記のようなPLZT素子をシャッターとして用いたカラー画像記録装置が開示されている。このカラー画像記録装置は、露光に用いるB,G,Rの各光ごとに光源、フィルタ、およびPLZT素子からなるシャッターを備えた構成である。このカラー画像記録装置では、光源、フィルタ、およびシャッターを複数備えているため、装置の大型化やコストアップを招来するという問題があった。
【0005】
これに対して、特開昭63−221060号公報には、1対の光源およびPLZT素子からなるシャッターを有し、印加電圧に応じたPLZT素子の透過分光特性を利用して複数色の光による露光を可能としたカラー画像形成装置が開示されている。しかし、印加電圧に応じたPLZT素子の透過分光特性では、印画紙に適した波長および光量の光を得ることが困難であり、記録した画像における色のコントラストが悪化するという問題があった。
【0006】
そこで、光源およびPLZT素子を有するシャッターを1組備え、光源とシャッターとの間にB,G,Rの各フィルタを順次挿入可能な構成としたカラー画像記録装置が開発されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記いずれのカラー画像記録装置においても、PLZT素子を駆動するために印加する駆動電圧には、PLZT素子を透過させる光の波長成分に応じた最適な値(最適駆動電圧)がある。この最適駆動電圧は、上記のように光の波長成分によって異なるため、光源の色温度を変化させるとそれに伴って変化することになる。
【0008】
一般に、駆動電圧の最適駆動電圧への調整は、装置の調整の最初の段階で行われるものである。その理由は、駆動電圧を決定していないと、その後の装置セッティング(セットアップ作業)が困難となるためである。
【0009】
また、駆動電圧を決定した後のセットアップ作業には、光源の色温度を調整するステップも含まれている。このステップは、印画紙における各色成分の発色特性のバランスを調整する上で欠かせないものである。
【0010】
このように、従来の装置では、駆動電圧を決定した後に光源の色温度の調整を含むセットアップ作業を行っていたため、装置をプリント可能状態(セットアップ完了状態)にした際に、駆動電圧が最適駆動電圧からずれた状態となる場合があった。
【0011】
このように、駆動電圧が最適駆動電圧からずれた状態で露光を行うと、記録する画像におけるコントラストの低下や、PLZT素子を用いたヘッド特有の履歴現象(ドット間における連続駆動時間の差に起因するドット単位の透過率変動をいう。同じ画像を複数枚記録する際に発生しやすい。)に起因するドット間の露光強度の不均一化を招来するといった問題が生じる。
【0012】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、適切に調整された露光系によって露光を行うことが可能な画像記録装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る画像記録装置は、上記の課題を解決するために、感光材料を露光して画像を記録する画像記録装置であって、光源と、光源からの光の色温度を調整する調光部と、前記調光部から前記感光材料へ向かう光の光路上に設けられており、前記感光材料への光の照射を、印加される駆動電圧に応じて制御する記録ヘッドと、記録する画像の画像データに応じて、前記記録ヘッドに前記駆動電圧を印加する駆動部と、前記調光部による色温度の調整状態に応じて、前記駆動電圧を補正する補正部と、を備えていることを特徴としている。
【0014】
また、本発明の請求項2に係る画像記録装置は、請求項1に記載の画像記録装置において、さらに、前記記録ヘッドが、PLZT素子を用いて構成されていることが好ましい。
【0015】
上記の構成では、画像データに応じて、駆動部により駆動電圧を記録ヘッドに印加する。記録ヘッドは、駆動電圧に応じて光源からの光(調光部により色温度が調整された光)による感光材料の露光を制御する。これにより、感光材料に画像を記録することができる。また、調光部により、光源からの光を感光材料の特性などに適した色温度に調整することができる。したがって、記録した画像の色バランスなどを調整することができる。
【0016】
ここで、記録ヘッドによる制御は、印加される駆動電圧のみならず、制御対象となる光の色温度によっても影響を受けることがある。例えば、印加される駆動電圧に応じて透過光量を制御するような記録ヘッドでは、透過させる光の色温度によっても透過光量が変化しやすい。特に、請求項2に係る画像記録装置のように、記録ヘッドが、PLZT素子を用いて構成されている場合には、この傾向が顕著に現れる。
【0017】
そこで、上記の構成では、さらに補正部が設けられている。この補正部は、調光部による色温度の調整状態に応じて、記録ヘッドに印加する駆動電圧を補正するものである。したがって、光源の色温度に適した駆動電圧を印加して記録ヘッドを駆動し、画像の記録を行うことができる。
【0018】
これにより、記録する画像のコントラストの低下や、記録ヘッドが複数のドットに区分されている場合における、履歴現象に起因するドット間の露光強度の不均一化などを抑制することができる。その結果、記録する画像の最高濃度を向上させることができ、また、同じ画像を複数枚記録するような場合でも、ドット間の露光状態の均一性を向上させることができる。つまり、記録する画像の画質を向上させることが可能になる。
【0019】
本発明の請求項3に係る画像記録装置は、請求項1または2に記載の画像記録装置において、さらに、前記調光部は、光の波長に応じて透過率が異なる調光フィルタを有しているとともに、前記光源から前記記録ヘッドへ向かう光の光路に対して、前記調光フィルタの挿入度合を調整することにより、光源からの光の色温度を調整することが好ましい。
【0020】
上記の構成では、上記の調光部が、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)などの調光フィルタのように、光の波長に応じて透過率が異なる調光フィルタを有している。そして、この調光フィルタを、光源から記録ヘッドへ向かう光の光路に対して出し入れすることにより、光源からの光の色温度を調整する。これにより、簡単な構成で調光部を形成することが可能になる。
【0021】
なお、透過特性が互いに異なる複数の調光フィルタを用いることにより、より柔軟な色温度の調整を行うことができる。
【0022】
本発明の請求項4に係る画像記録装置は、請求項3に記載の画像記録装置において、さらに、前記補正部が、前記調光フィルタの位置に応じて前記駆動電圧を補正することが好ましい。
【0023】
上記したように、光源から記録ヘッドへ向かう光の光路に対して調光フィルタの挿入度合を調整することで光源からの光の色温度を調整する構成では、調光フィルタの位置と、光源からの光の色温度との間には相関関係がある。そこで、上記の構成では、調光フィルタの位置によって調光部による色温度の調整状態を把握し、これに応じて駆動電圧を補正する。これにより、簡単な構成で補正部を形成することが可能になる。
【0024】
本発明の請求項5に係る画像記録装置は、請求項1から4の何れか1項に記載の画像記録装置において、さらに、前記調光部による色温度の調整状態に対応して、前記駆動電圧を補正するための補正量が記憶されている記憶部を備えていることが好ましい。
【0025】
上記の構成では、調光部による色温度の調整状態に対応して、駆動電圧を補正するための補正量が記憶部に記憶されている。そして、この補正量を用いて駆動電圧の補正を行うことができる。これにより、駆動電圧の補正のための処理を簡素化することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1から図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0027】
(1)装置の全体構成
装置の全体構成について、図1に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る画像記録装置の構成を示す概略構成図である。
【0028】
本実施形態に係る画像記録装置は、図1に示すように、マガジン1、画像記録部2、および現像処理部3を備えている。
【0029】
マガジン1には、未露光未現像の印画紙(感光材料)4がロール状態で収納されている。この印画紙4は、マガジン1から画像記録部2内に搬送されるようになっている。マガジン1から画像記録部2内に引き出された印画紙4は、カッター5によって所望のサイズ(プリントサイズ)にカットされ、露光部(PLZT露光部)6と対向する露光位置に搬送される。
【0030】
露光部6には、後述するPLZTヘッド(記録ヘッド)7が設けられている。
また、露光部6には、制御部8が接続されている。この制御部(駆動部)8から露光部6のPLZTヘッド7に対して、ネガ/ポジ等のフィルムや反射原稿などを読み取って得られる画像データ、パーソナルコンピュータにより作成された画像データなどが、後述する駆動電圧として送られる(つまり、印加される)。
【0031】
なお、制御部8がPLZTヘッド7に対して印加する駆動電圧を検出する測定部を設け、後述する駆動電圧の調整を行う際には、この測定部による測定値をフィードバックさせるようにしてもよい。
【0032】
また、制御部8に対して、上記フィルムをスキャニングするスキャナー部や、画像を編集する画像編集部などを接続することにより、制御部8がこれらから画像データを受け取るようにしてもよい。
【0033】
PLZTヘッド7は、透明強誘電性セラミックス材料であるPLZT素子を一対の偏光板(偏光子と検光子)の間に配したものである。PLZT素子は、ジルコン酸鉛(PbZrO3 )とチタン酸鉛(PbTiO3 )とを適当な比率で固溶体としたもの(PZT)に、ランタンを添加してホットプレスして得られる(Pb1-x Lax )(Zry Ti1-y )1-x/4 O3 系固溶体である。
【0034】
このPLZTヘッド7には、光ファイバー束9を介して、後述する光源部10からの光が供給されるようになっている。また、PLZTヘッド7は、画素に相当するドットに区分されている。この各ドットは、光源部10からの光の透過とその阻止とをそれぞれ独立して制御することができるシャッター部を形成している。各シャッター部は、印画紙4の搬送方向と直交する方向(印画紙4の幅方向)に1次元的に配列されている。
【0035】
PLZTヘッド7は、高い透光性と、電圧を印加することにより複屈折率が変化するという電気光学効果とを有している。そして、所望の画素に対応する位置のシャッター部に対して、画像データに応じた駆動電圧(印加電圧)を印加することにより、上記した光の透過とその阻止との制御が可能となる。すなわち、駆動電圧の印加を制御することにより、偏光子で直線偏光された光の偏光状態を、その光がPLZT素子を通過する際に制御する。そして、光を透過させる際には、その光の偏光方向と検光子の偏光面とを平行にし、光の透過を阻止する際には、その光の偏光方向と検光子の偏光面とを直交させる。
【0036】
本実施形態では、PLZTヘッド7の露光解像度を、400DPI(Dot Per Inch:1インチ(約25.4mm)あたりのドット数)としている。また、約512個のドットからなるチップを10個用いてPLZTヘッド7を構成している(合計ドット数5120個)。したがって、PLZTヘッド7の幅は325mmとなり、305mm(およそ12インチ)幅の印画紙4にも余裕をもって対応することができる。この各ドット(シャッター部)に対応して、5120ドット分の上記画像データがPLZTヘッド7に送られるようになっている。
【0037】
このようなPLZTヘッド7を備えた露光部6により印画紙4を露光する。露光中、印画紙4は制御部8の制御によりPLZTヘッド7の駆動に同期した速度で搬送される。
【0038】
なお、PLZTヘッド7による階調露光は、PWM(Pulse Width Modulation)方式によって行うことができる。すなわち、画像データが有する画素の濃度を示す値に応じて、光を透過させる時間(シャッタータイム)を制御することにより、記録する画像における階調性を表現することができる。
【0039】
また、露光位置における印画紙4の裏面側には、測定部11が設けられている。測定部11は、センサ12と、センサ12を移動させるためのセンサステージ13とを有している。センサステージ13は、ボールネジを有しており、制御部8の制御によりセンサ12をPLZTヘッド7のドットの配列方向に走査させる。センサ12は、PLZTヘッド7からの出力光を上記各ドット単位で読み取る。この測定部11により読み取られたデータは、制御部8において1ドットずつの透過光量を均一化する補正値の算出などに用いられる。そして、露光時には、この補正値を加味した画像データにより露光が行われる。
【0040】
画像記録部2において露光された印画紙4は、現像処理部3に搬送される。現像処理部3は、現像部と乾燥部とを備えている。現像部は、発色現像液、漂白液、定着液、安定液の各処理液を収容する各処理層を有している。露光された印画紙4は、これらの各処理液に順次浸漬されることにより現像される。乾燥部は、現像部において現像された印画紙4を乾燥させる。乾燥部において乾燥された印画紙4は、1枚1枚の仕上がりプリント14として装置外部に排出される。
【0041】
(2)PLZTヘッドの特性
次に、PLZTヘッド7(図1参照)の特性について説明する。一般にPLZT素子は、駆動電圧が印加されることにより光を透過する状態(ON状態)において、印加する電圧の大きさ、および透過する光の波長によって、その光に対する透過率が変化する。そして、PLZT素子は、透過する光の波長ごとに最も透過率が高くなる、つまり最も良好に透過する駆動電圧(最適駆動電圧)を有している。このような特性の例を図2に示す。
【0042】
図2は、PLZT素子における駆動電圧と透過光量との関係の一例を示すグラフである。図2では、青色光(波長475nm付近)、緑色光(波長550nm付近)、赤色光(波長680nm付近)の各色(波長)ごとに、駆動電圧と透過率との関係を示している。なお、以下では、青色を「B」と、緑色を「G」と、赤色を「R」と、また、イエローを「Y」と、マゼンタを「M」と、シアンを「C」と記す。
【0043】
B光,G光,R光の各光における最適駆動電圧は、それぞれ45V,50V,55V付近であり、このときの透過光量が最も大きくなる。そして、各光の最適駆動電圧に対して駆動電圧を増大または減少させると、その光の透過光量は徐々に減少することになる。このように、各光の最適駆動電圧からずれた駆動電圧を用いてPLZTヘッド7の制御を行った場合、ON状態とOFF状態(光の透過を阻止する状態)との間での光量差が小さくなる。したがって、最適駆動電圧からずれた駆動電圧を用いてPLZTヘッド7を駆動させて印画紙の露光を行った場合、その露光により記録した画像は、コントラストが低下することになる。
【0044】
また、最適駆動電圧からずれた駆動電圧を用いてPLZTヘッド7の制御を行った場合、駆動電圧の変動や、PLZT素子に電圧を印加するためにPLZTヘッド7が有している電極への電荷の蓄積などに起因して、透過光量が変動しやすくなる(履歴現象)。その理由は、駆動電圧の変化量と透過光量の変化量との関係にある。すなわち、最適駆動電圧付近では、駆動電圧の変化量に対する透過光量の変化量(図2のグラフにおける傾き)が小さいが、最適駆動電圧から大きくずれると、駆動電圧の変化量に対する透過光量の変化量が大きくなるためである。このような透過光量の変動は、記録する画像の発色濃度の不均一化を招来するため、好ましくない。
【0045】
これらの不具合を回避するためには、PLZTヘッド7を駆動する際に印加する駆動電圧を、最適駆動電圧に近付けるように調整することが望ましい。なお、上記のように最適駆動電圧は波長によって異なるため、光源部10(図1参照)からの光の色温度が変化した場合には、それに応じて駆動電圧を調整することが望ましい。
【0046】
(3)光源部の構成
次に、光源部10の構成について、図1を参照しつつ図3に基づいて説明する。図3は、光源部10の構成を示す概略構成図である。光源部10は、ハロゲンランプ(光源)21、リフレクタ22、熱線反射フィルタ23、調光フィルタ(調光部)24(Y調光フィルタ24Y、M調光フィルタ24M、C調光フィルタ24C)、BGR色分解フィルタ25、BGR色分解フィルタ回転用モータ26を有している。
【0047】
この光源部10では、ハロゲンランプ21から発せられた光をリフレクタ22により集光して光ファイバー束9に入射させる。光ファイバー束9に入射した光は、各光ファイバー中を伝搬して上記PLZTヘッド7に達し、印画紙4の露光に供される。なお、図3において、二点鎖線は光ファイバー束9に入射する光の光路を示し、一点鎖線はその光路の中心(光路センタ)を示している。
【0048】
ハロゲンランプ21から光ファイバー束9の入射部9aに至る光路上には、熱線反射フィルタ23、Y調光フィルタ24Y、M調光フィルタ24M、C調光フィルタ24C、BGR色分解フィルタ25がこの順に配置されている。ここで、熱線反射フィルタ23は、ハロゲンランプ21からの光のうち、印画紙4の露光に寄与する割合が小さく、むしろ光路上の各部材に吸収され、各部材を加熱するような光成分(赤外線など)をカットするためのものである。
【0049】
また、調光フィルタ24を構成する、Y調光フィルタ24Y、M調光フィルタ24M、およびC調光フィルタ24Cは、光源部10の光の色温度を調整するためのものである。ここで、色温度の調整とは、後述するBGR色分解フィルタ25による光の分解に先立って、ハロゲンランプ21からの光のB,G,R各色成分のバランスを調整することを指す。この調整により、印画紙を露光するB,G,R各色成分のバランスを、その印画紙に最も適したものとする。
【0050】
Y調光フィルタ24Y、M調光フィルタ24M、およびC調光フィルタ24Cは、ハロゲンランプ21からの光のうち、それぞれB光成分、G光成分、およびR光成分をカットするものである。このY調光フィルタ24Y、M調光フィルタ24M、およびC調光フィルタ24Cは、それぞれ2枚1組で構成されている。
そして、各調光フィルタ24の組は、光路センタにおける光の進行方向に対して垂直な平面内で、光路センタに対して対象に移動することができる。このように各調光フィルタ24を移動して、各調光フィルタ24の光路への挿入度合を調整することにより、ハロゲンランプ21からの光の色温度を調整することができる。
【0051】
すなわち、Y調光フィルタ24Yを光路に挿入していくと、ハロゲンランプ21からの光のB光成分がカットされる(その結果、印画紙のY発色が低下する)。同様に、M調光フィルタ24Mを光路に挿入していくと、G光成分がカットされ(その結果、印画紙のM発色が低下し)、C調光フィルタ24Cを光路に挿入していくと、R光成分がカットされる(その結果、印画紙のC発色が低下する)。このように、色温度を調整することにより、印画紙上でのY,M,C発色のバランスを調整することができる。
【0052】
このような各調光フィルタ24の光路への挿入度合(各調光フィルタ24の位置)の調整は、制御部8により行われる。ここで、各調光フィルタ24の光路センタ側の端部が、光路の内と外との境界(図3中二点鎖線の位置)にある状態、つまり各調光フィルタ24が全開の状態の各調光フィルタ24の位置に数値「720」を対応付ける。また、各調光フィルタ24の光路センタ側の端部が、光路センタ(図3中一点鎖線の位置)にある状態、つまり各調光フィルタ24が全閉の状態の各調光フィルタ24の位置に数値「0」を対応付ける。そして、各調光フィルタ24が上記の2つの状態の間にある場合の各調光フィルタ24の位置を適宜段階的に720と0との間の数値に対応付ける。この数値を用いて、制御部8により各調光フィルタ24の光路への挿入度合の調整が制御される。なお、光源部10からの光の色温度の調整に関する詳細は、後述する。
【0053】
また、BGR色分解フィルタ25は、例えば円板状の回転体により構成されている。そして、この回転体には、その回転中心に対してこの回転体を3等分する位置に、B,G,Rそれぞれのフィルタが設けられている。また、このBGR色分解フィルタ25の回転中心は、光路センタからずれた位置にある。そして、BGR色分解フィルタ25が、BGR色分解フィルタ回転用モータ26によって回転されると、B,G,R各フィルタが順次光路に挿入されるようになっている。
【0054】
このBGR色分解フィルタ25の回転は、制御部8によって制御される。そして、制御部8は、BGR色分解フィルタ25のRのフィルタが光路に挿入されている場合に、画像データのうちのR成分に基づいて、R光の最適駆動電圧を用いてPLZTヘッド7を駆動する。同様に、G,Rのフィルタが光路に挿入されている場合には、画像データのG,R成分に基づいて、G,R光の最適駆動電圧を用いてPLZTヘッド7を駆動する。
【0055】
(4)色温度の調整
次に、光源部10における色温度の調整について、図1および図3を参照しつつ図4から図7に基づいてさらに詳細に説明する。
【0056】
まず、BGR色分解フィルタ25のB,G,R各フィルタによる分光透過特性について図4に基づいて説明する。図4は、BGR色分解フィルタ25におけるB,G,R各フィルタの、波長に対する透過率の関係を示すグラフである。B,G,R各フィルタは、それぞれ波長475nm,550nm,680nmを中心とした所定幅の波長領域の光を高い透過率(ほぼ100%)で透過させ、その他の波長領域の光をほとんど透過させないものである。
【0057】
次に、調光フィルタ24による色温度の調整について図5に基づいて説明する。図5は、図3に示した光源部10において、調光フィルタ24により色温度を調整した場合に、BGR色分解フィルタ25に入る前の光における、波長に対する光量の分布を示すグラフである。図5において、実線は、Y調光フィルタ24Y、M調光フィルタ24M、およびC調光フィルタ24Cをすべて全開とした場合、つまりY調光フィルタ24Y、M調光フィルタ24M、およびC調光フィルタ24Cの位置をすべて720とした場合(「[Y720,M720,C720]」と記す。)(▲1▼)の光量分布を示しており、破線は、Y調光フィルタ24Yのみを全開から約6割挿入した場合(開口部を約4割とした場合)(「[Y288,M720,C720]」と記す。)(▲2▼)の光量分布を示している。
【0058】
画像の記録に用いる印画紙は、その種類によって(さらには、製造時期などによって)感光特性が異なっている。すなわち、B,G,Rの各光の光量バランスを一定にして露光を行った場合でも、印画紙の種類が異なれば記録する画像の発色特性が異なることになる。したがって、画像データを忠実に反映した発色特性を得るためには、露光に用いるB,G,Rの各光の光量バランスを調整する必要がある。
【0059】
例えば、G,R光に対する感度と比較してB光に対する感度が高い印画紙を用いる場合には、B光の光量を抑えるようにバランスを調整する必要がある。上記▲1▼の場合は、ハロゲンランプ21が発する光の光量分布を示すことになるが、これに対してB光の光量を抑えてバランス調整を行うためには、例えば上記▲2▼のように調光フィルタ24を調整すればよい。これにより、G,R光の光量をほとんど変化させることなく、B光の光量を抑えることができる。
【0060】
このようなバランス調整を行った光が、図4に示した特性を有するB,G,R各フィルタを別々に透過した場合、その透過光量の分布はそれぞれ図6に示すようになる。図6は、図3に示した光源部10において、調光フィルタ24により色温度を調整し、BGR色分解フィルタ25を透過した光における、波長に対する光量の分布を示すグラフである。図6において、実線は、上記▲1▼の場合の光量分布を示しており、破線は、上記▲2▼の場合の光量分布を示している。
【0061】
ここで、印画紙におけるY,M,C各色の発色濃度は、図6におけるB,G,R各光の透過光量を示す曲線と、横軸とで囲まれた部分の面積にそれぞれ応じて変化し、この面積が大きくなると発色濃度が高くなり、面積が小さくなると発色濃度が低くなる傾向にある。上記▲2▼の場合は、上記▲1▼の場合に対して、B光の光量が全体的に小さくなっている。これにより、B光に対する感度が高い印画紙を用いた場合に、B光の露光によるY発色のみが強調されることを防止して、画像データに忠実な発色濃度を再現した画像を記録することができる。
【0062】
なお、ここではY調光フィルタ24Yにより色温度を調整した場合について説明したが、M調光フィルタ24MまたはC調光フィルタ24Cによっても同様に色温度を調整することができる。さらに、Y調光フィルタ24Y、M調光フィルタ24M、およびC調光フィルタ24Cによる調整を組み合わせることにより、柔軟な調整が可能になる。
【0063】
以上のように、調光フィルタ24の調整により、光源部10の色温度の調整、すなわち、露光に用いるB,G,Rの各光の光量バランスの調整が可能である。
ところが、このような色温度の調整を行うことにより、BGR色分解フィルタ25を透過するB,G,Rの各光の透過光量のピークが、調整前に対して変化することになる。例えば、図6においては、B光の透過光量がピーク(の中心)となる波長が、475nmから長波長側(G光側)にシフトしている。
【0064】
このように、BGR色分解フィルタ25を透過する透過光の、波長に対する光量分布(特に、ピーク)が変化すると、PLZTヘッド7に達する光の波長成分も変化することになる。上記(2)において説明したように、PLZTヘッド7は波長に応じた最適駆動電圧を有している。上記のようにPLZTヘッド7に達する光の波長成分が変化すると、その光に対する最適駆動電圧も変化する。例えば、図6の場合では、B光の最適駆動電圧が45Vから、45Vと50Vとの間(例えば46V)に変化する。したがって、光源部10からの光の色温度が変化した場合には、それに応じてPLZTヘッド7を駆動する際に印加する駆動電圧を再度調整することが望ましい。
【0065】
駆動電圧を調整する際には、調光フィルタ24が全開の場合の最適駆動電圧に対する差(補正量)(以下、「シフト量」と記す。)を求めるようにすればよい。このシフト量を求めるためには、調光フィルタ24を調整する度に、駆動電圧を変化させてPLZTヘッド7を透過する透過光量を測定し、その測定値が最大値となる駆動電圧を特定することにより求めることができる。
【0066】
また、調光フィルタ24がとり得る様々な状態に対して、予め最適駆動電圧を測定しておき、各最適駆動電圧に対応するシフト量を、制御部(記憶部)8などに設けられたルックアップテーブル(このルックアップテーブルを、以下では、「LUT1」と記す。)に記憶させておくこともできる。このようにLUT1に記憶させるデータは、例えば図7のようなものになる。図7は、調光フィルタ24の状態に対してPLZTヘッド7に印加する駆動電圧を調整するために記憶させておくデータの概念を示す概念図である。このデータは、Y調光フィルタ24Y、M調光フィルタ24M、およびC調光フィルタ24Cそれぞれの位置(以下、「設定値」と記す。)によって決定される3次元のデータである。
【0067】
このデータをLUT1に記憶させておくことにより、調光フィルタ24の設定値を変更した際に、上記各設定値を指定することにより、それに対応してB,G,R各光に対するシフト量を得ることができる。そして、調光フィルタ24が全開の場合の最適駆動電圧にシフト量を加算することにより、変更した設定値に対する最適駆動電圧を得る、つまり最適駆動電圧を補正することができる。このような補正は、制御部(補正部)8によって行えばよい。
【0068】
なお、実際には、上記各設定値を適当な幅に区分し、区分された各部に対して、B,G,R各光の最適駆動電圧を定めておけばよい。なお、以下では、LUT1を用いる方法により最適駆動電圧を決定するものとする。
【0069】
また、ここではシフト量を、調光フィルタ24が全開の場合の最適駆動電圧に対する差として説明するが、調光フィルタ24が全開の場合の最適駆動電圧との比として定義してもよい。
【0070】
(5)セットアップ動作
次に、本画像記録装置において、上記で説明した調整(セットアップ)を行う際の処理の流れについて、図1および図3を参照しつつ図8に基づいて説明する。図8は、本画像記録装置におけるセットアップを行う際の処理の流れを示すフローチャートである。
【0071】
最初に、調光フィルタ24を全開とした状態での最適駆動電圧を求める。そのために、まず、調光フィルタ24を全開([Y720,M720,C720])に設定する(ステップS1)。そして、センサ12をPLZTヘッド7の所定のドットと対向する位置に移動させ、停止させる(ステップS2)。この状態で、PLZTヘッド7への駆動電圧を、例えば40Vから68Vまで変化させつつ、その駆動電圧においてPLZTヘッド7を透過する光の光量を測定し、制御部8に取り込む(ステップS3)。このとき、BGR色分解フィルタ25のBフィルタ、Gフィルタ、およびRフィルタそれぞれが光路に入るタイミングで各々40〜68Vでの光量を測定する。なお、ステップS2およびステップS3をPLZTヘッド7の複数位置で行い、各位置での結果を平均化するようにしてもよい。
【0072】
ステップS3において取り込んだ光量(取り込み値)を制御部8において解析し、B,G,R各光の取り込み値が最も高くなる駆動電圧を、それぞれ各光の最適駆動電圧として仮に設定し、記憶する(ステップS4)。そして、センサ12をPLZTヘッド7と対向しない位置(退避位置)に移動させ、停止させる(ステップS5)。
【0073】
以上の各ステップ(ステップS1〜ステップS5)は、基本的には各装置に対して最初(工場出荷時など)に行う初期設定である。このような初期設定を各装置ごとに行うのは、各装置ごとに最適駆動電圧が異なるためである。その理由は、ハロゲンランプ21やPLZTヘッド7などの個体差にある。つまり、ハロゲンランプ21の各個体間における微妙な色温度のバラツキや、PLZTヘッド7の加工誤差、素材の材質バラツキに起因する。
【0074】
これに対して、以下に説明するステップ(ステップS6からステップS8)は、ユーザが装置を使用する場合において、特に印画紙を変更した際などに行う調光設定である。
【0075】
調光設定では、まず、光源部10の色温度の調整を行う(ステップS6)。このステップでは、上記したように、調光フィルタ24の調整により、光源部10の色温度を印画紙に適したものに調整する。具体的には、調光フィルタ24を様々な状態に設定して印画紙を露光し、調光フィルタ24の各状態に応じて、それぞれY,M,Cの各テストパターンを1枚の印画紙上に記録する。そして、各色のテストパターンにおいて、最も適した発色特性を示すパターンを特定し、そのパターンを記録した調光フィルタ24の位置を設定値として定める。
【0076】
なお、発色特性としては、濃度計などによりテストパターンの反射濃度を測定し、その測定値を基準にすることができる。そして、予め目標とする反射濃度(例えば、反射濃度2.6〜2.7)を決めておき、各色の反射濃度がその値となるように調光フィルタ24を調整すればよい。
【0077】
この濃度計によるテストパターンの反射濃度の測定は、ユーザにより行われる。そして、反射濃度が所定の値となったパターンを指定してユーザが装置に入力することにより、調光フィルタ24の位置を設定値として定めることができる。
また、濃度計を装置に組み込み、これらの処理を自動化させることもできる。
【0078】
調光フィルタ24の調整は、例えば表1を用いて以下に説明するような手順により行うことができる。表1は、調光フィルタ24の調整を行う場合における調光フィルタ24の設定値の変化を示す一例である。
【0079】
一般に、印画紙では、Y,Mの感度は比較的高いが、Cの感度はY,Mの感度と比較して低い。そのため、Y調光フィルタ24Y、M調光フィルタ24M、およびC調光フィルタ24Cの位置を同時に変化させると、Cの反射濃度の変化が捕らえにくくなる。
【0080】
そこで、まず第1段階として、Y調光フィルタ24YおよびM調光フィルタ24Mを完全に挿入した状態に近い状態(表1では「100」)で固定し、C調光フィルタ24Cのみを移動させつつテストパターンを形成する。このとき、BGR色分解フィルタ25のBフィルタ、Gフィルタ、およびRフィルタが光路に入るタイミングでそれぞれテストパターンを形成する。そして、C調光フィルタ24Cの位置を720から100の方向に所定の間隔(例えば「10」間隔)で変化させ、Cの反射濃度が所定の値となるときのC調光フィルタ24Cの設定値(表1では「700」)を求め、その値(以下、「決定値」と記す。)を採用する。なお、上記したように、Cの感度が比較的低い印画紙では、C調光フィルタ24Cの設定値は全開に近くなる。
【0081】
次に、第2段階として、C調光フィルタ24Cを上記で採用した決定値の位置に固定し、Y調光フィルタ24YおよびM調光フィルタ24Mの位置を同時に変化させ、Cの場合と同様にしてそれぞれの決定値(表1では「270」および「360」)を得る。このときも、BGR色分解フィルタ25のBフィルタ、Gフィルタ、およびRフィルタが光路に入るタイミングでそれぞれテストパターンを形成する。
【0082】
ここで、M調光フィルタ24Mの決定値(表1では「360」)を定めた時点では、Y調光フィルタ24Yは決定値(表1では「270」)の位置ではなく、M調光フィルタ24Mの決定値と同じ位置にあることになる。したがって、Y調光フィルタ24Yを決定値に固定した後、M調光フィルタ24Mを再度微調整することが好ましい。そこで、第3段階として、C調光フィルタ24CおよびY調光フィルタ24Yを上記で採用した決定値の位置に固定し、M調光フィルタ24Mの位置を上記で得た決定値に対して所定の範囲(表1では「310〜410」、つまり「360(決定値)±50」)で変化させ、M調光フィルタ24Mの位置の微調整を行う。
【0083】
【表1】
【0084】
そして、このようにしてステップS6で決定した調光フィルタ24の設定値に基づいて、最適駆動電圧の調整を行う。
【0085】
そのために、まず、上記したLUT1を用いて、調光フィルタ24の設定値に対するシフト量を求める(ステップS7)。
【0086】
そして、ステップS4で求めた仮の最適駆動電圧に対して、ステップS7で求めたシフト量を加算することにより、光源部10の調整された色温度に対する最適駆動電圧を決定する。
【0087】
また、ステップS8が終了した後のステップ(ステップS9およびステップS10)は、例えば電源を投入するごとに行うデイリーセットアップである。デイリーセットアップでは、PLZTヘッド7の各ドット間の透過光量の均一(ユニフォーミティ)化を図るための調整(ステップS9)と、階調性の調整(ステップS10)とを行う。
【0088】
ステップS9では、B,G,R各光に対してON状態とし、PLZTヘッド7の各ドットごとに、センサ12によって各光の透過光量を測定する。そして、各ドット間での各光の透過光量が均一となるように、各ドットに対するシャッタータイムを微調整する。
【0089】
ステップS10では、所望の階調性が得られるように、画像データとシャッタータイムとの関係を調整する。そのために、その時点で設定されている画像データとシャッタータイムとの関係に基づいて印画紙を露光し、階調テストパターンを印画紙上に記録する。その階調テストパターンの反射濃度を濃度計によって測定し、所望の階調性となるように、画像データとシャッタータイムとの関係を修正する。なお、この画像データとシャッタータイムとの関係は、制御部(記憶部)8などに設けられたルックアップテーブル(このルックアップテーブルを、以下では、「LUT2」と記す。)に記憶させておくことができる。そして、画像記録時には、LUT2に基づいて画像データに対応するシャッタータイムを特定し、それに基づいて露光を行えばよい。
【0090】
なお、初期設定、調光設定、およびデイリーセットアップを行う時期は上記に限られるものではなく、必要に応じて適宜行えばよい。
【0091】
また、ここでは、調光設定を特に印画紙の交換の際に行うものとして説明したが、これ以外にも、装置(特に、PLZTヘッド7、ハロゲンランプ21、リフレクタ22、現像処理部3の処理液など)の経年変化に対応すべく、定期的に行うようにすればよい。また、印画紙交換時の設定変更に関しては、上記の設定を行った印画紙の種類に対して、その設定を装置に登録しておき、次回からは、その登録内容に基づいて設定変更を行うようにすることもできる。
【0092】
また、上記では調光フィルタ24の位置を決定した後で、最適駆動電圧の調整を行う場合について説明したが、これに限らず、調光フィルタ24の位置の調整を行いつつ、最適駆動電圧の調整を行うこともできる。具体的には、調光フィルタ24の状態を変更する度に、LUT1に基づいてその状態に対応する最適駆動電圧を設定し、その後、テストパターンを記録する、といった処理を繰り返せばよい。なお、この場合、駆動電圧の変更により濃度が変化するため、決定した調光フィルタ24の位置の信頼性が低下する場合がある。
【0093】
以上のように、本実施形態の画像記録装置は(図1および図3参照)、光源部10の色温度調整前後の色温度(具体的には、調光フィルタ24の位置)を考慮し、色温度調整後の色温度に応じて、色温度調整前に仮に設定した最適駆動電圧を補正するようになっている。
【0094】
これにより、記録する画像のコントラストの低下や、履歴現象に起因するドット間の露光強度の不均一化などを抑制することができる。その結果、記録する画像の最高濃度を向上させることができ、また、同じ画像を複数枚記録するような場合でも、ドット間の露光状態の均一性を向上させることができる。つまり、記録する画像の画質を向上させることが可能になる。
【0095】
また、種類の異なる印画紙を用いる場合には、各種類に適している色温度がそれぞれ異なっているため、印画紙の種類ごとに調光フィルタ24の位置や最適駆動電圧を登録できることが望ましい。
【0096】
なお、本実施形態では、記録ヘッドとして、PLZTヘッド7について説明したが、これに限らず、印加する駆動電圧によって透過光量を制御できるとともに、透過させる光の波長成分によって透過光量が影響を受けるような特性を有するヘッドに対して適用することができる。
【0097】
また、階調性の表現に関しても、PWM方式に限らず、印加する駆動電圧の大きさによって階調性の表現を行う方式に適用することもできる。この場合、光源部10の色温度に応じて、駆動電圧を全体的にシフトさせるようにすればよい。
【0098】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係る画像記録装置は、以上のように、光源と、光源からの光の色温度を調整する調光部と、調光部から感光材料へ向かう光の光路上に設けられており、感光材料への光の照射を、印加される駆動電圧に応じて制御する記録ヘッドと、記録する画像の画像データに応じて、記録ヘッドに駆動電圧を印加する駆動部と、調光部による色温度の調整状態に応じて、駆動電圧を補正する補正部と、を備えている構成である。
【0099】
また、本発明の請求項2に係る画像記録装置は、請求項1に記載の画像記録装置において、さらに、記録ヘッドが、PLZT素子を用いて構成されていることが好ましい。
【0100】
上記の構成では、補正部が設けられている。この補正部は、調光部による色温度の調整状態に応じて、記録ヘッドに印加する駆動電圧を補正するものである。
したがって、光源の色温度に適した駆動電圧を印加して記録ヘッドを駆動し、画像の記録を行うことができる。
【0101】
これにより、記録する画像のコントラストの低下や、記録ヘッドが複数のドットに区分されている場合における、履歴現象に起因するドット間の露光強度の不均一化などを抑制することができる。その結果、記録する画像の最高濃度を向上させることができ、また、同じ画像を複数枚記録するような場合でも、ドット間の露光状態の均一性を向上させることができる。つまり、記録する画像の画質を向上させることが可能になる。
【0102】
本発明の請求項3に係る画像記録装置は、請求項1または2に記載の画像記録装置において、さらに、光源から記録ヘッドへ向かう光の光路に対して、調光フィルタの挿入度合を調整することにより、光源からの光の色温度を調整することが好ましい。
【0103】
上記の構成では、上記の調光部が、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)などの調光フィルタのように、光の波長に応じて透過率が異なる調光フィルタを有している。そして、この調光フィルタを、光源から記録ヘッドへ向かう光の光路に対して出し入れすることにより、光源からの光の色温度を調整する。これにより、簡単な構成で調光部を形成することが可能になる。
【0104】
本発明の請求項4に係る画像記録装置は、請求項3に記載の画像記録装置において、さらに、補正部が、調光フィルタの位置に応じて駆動電圧を補正することが好ましい。
【0105】
上記の構成では、調光フィルタの位置によって調光部による色温度の調整状態を把握し、これに応じて駆動電圧を補正する。これにより、簡単な構成で補正部を形成することが可能になる。
【0106】
本発明の請求項5に係る画像記録装置は、請求項1から4の何れか1項に記載の画像記録装置において、さらに、調光部による色温度の調整状態に対応して、駆動電圧を補正するための補正量が記憶されている記憶部を備えていることが好ましい。
【0107】
上記の構成では、調光部による色温度の調整状態に対応して、駆動電圧を補正するための補正量が記憶部に記憶されている。そして、この補正量を用いて駆動電圧の補正を行うことができる。これにより、駆動電圧の補正のための処理を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る画像記録装置の構成を示す概略構成図である。
【図2】図1の画像記録装置が有するPLZT素子における駆動電圧と透過光量との関係の一例を示すグラフである。
【図3】図1の画像記録装置が有する光源部の構成を示す概略構成図である。
【図4】図1の画像記録装置が有するBGR色分解フィルタにおけるB,G,R各フィルタの、波長に対する透過率の関係を示すグラフである。
【図5】図3の光源部において、調光フィルタにより色温度を調整した場合に、BGR色分解フィルタに入る前の光における、波長に対する光量の分布を示すグラフである。
【図6】図3の光源部において、調光フィルタにより色温度を調整し、BGR色分解フィルタを透過した光における、波長に対する光量の分布を示すグラフである。
【図7】調光フィルタの状態に対してPLZTヘッドに印加する駆動電圧を調整するために記憶させておくデータの概念を示す概念図である。
【図8】図1の画像記録装置におけるセットアップを行う際の処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 マガジン
2 画像記録部
3 現像処理部
4 印画紙(感光材料)
6 露光部
7 PLZTヘッド(記録ヘッド)
8 制御部(駆動部、記憶部、補正部)
9 光ファイバー束
10 光源部
21 ハロゲンランプ(光源)
24 調光フィルタ(調光部)
24Y Y調光フィルタ
24M M調光フィルタ
24C C調光フィルタ
25 BGR色分解フィルタ
Claims (5)
- 感光材料を露光して画像を記録する画像記録装置において、
光源と、
光源からの光の色温度を調整する調光部と、
前記調光部から前記感光材料へ向かう光の光路上に設けられており、前記感光材料への光の照射を、印加される駆動電圧に応じて制御する記録ヘッドと、
記録する画像の画像データに応じて、前記記録ヘッドに前記駆動電圧を印加する駆動部と、
前記調光部による色温度の調整状態に応じて、前記駆動電圧を補正する補正部と、
を備えていることを特徴とする画像記録装置。 - 請求項1に記載の画像記録装置において、
前記記録ヘッドが、PLZT素子を用いて構成されていることを特徴とする画像記録装置。 - 請求項1または2に記載の画像記録装置において、
前記調光部は、光の波長に応じて透過率が異なる調光フィルタを有しているとともに、
前記光源から前記記録ヘッドへ向かう光の光路に対して、前記調光フィルタの挿入度合を調整することにより、光源からの光の色温度を調整することを特徴とする画像記録装置。 - 請求項3に記載の画像記録装置において、
前記補正部が、前記調光フィルタの位置に応じて前記駆動電圧を補正することを特徴とする画像記録装置。 - 請求項1から4の何れか1項に記載の画像記録装置において、
前記調光部による色温度の調整状態に対応して、前記駆動電圧を補正するための補正量が記憶されている記憶部を備えていることを特徴とする画像記録装置。
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