JP4552042B2 - スライドロック装置 - Google Patents

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JP4552042B2 JP2000301480A JP2000301480A JP4552042B2 JP 4552042 B2 JP4552042 B2 JP 4552042B2 JP 2000301480 A JP2000301480 A JP 2000301480A JP 2000301480 A JP2000301480 A JP 2000301480A JP 4552042 B2 JP4552042 B2 JP 4552042B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シャワーヘッド保持台、電灯スタンドの電灯保持ヘッド等の高さ調整を行うスライドロック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
シャワーヘッドは縦長のスタンドに取付けられており、使用者の身長の大小や使用者の好みに応じてその高さ調整が可能となっている。図11はこのような高さ調整を行う従来のスライドロック装置100を示す。
【0003】
このスライドロック装置100は、その全体がスタンドやガイドパイプなどの長尺な相手部材110に長さ方向へのスライド可能に取付けられるものであり、ベース120と摩擦板130とを備えている。ベース120は相手部材110が貫通する貫通孔121を上下方向に有していると共に、内部には窪み状の収納部122が形成されている。
【0004】
摩擦板130はベース120の収納部122内に配置される。この摩擦板130は相手部材110の外面に当接することによって摩擦力を発生するものであり、摩擦板130を付勢するばね140が収納部122に配置されている。ばね140は相手部材110の長さ方向と直交する方向に摩擦板130を付勢している。摩擦板130は相手部材110を挟むように少なくとも一対が設けられ、相手部材110を挟持した摩擦力によってスライドロック装置100の全体が相手部材110の定位置に固定される。一方、相手部材110に対する高さ調整は、摩擦板130の摩擦力よりも大きな操作力をベース120に作用させてスライドさせることにより行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のスライドロック装置では、相手部材110への固定を行うロック力や相手部材110に対するスライドの操作性が摩擦力に大きく依存した構造となっている。すなわち、摩擦力を大きくしてロック力を増大させた場合には、スライドの操作性が悪くなり、摩擦力を小さくした場合には、スライドの操作性が良好となる反面、充分なロック力を得ることができず、自重によってスライドロック装置100が落下する不具合が発生している。
【0006】
また、シャワー施設等の使用環境においては、水が付着し、付着した水によって摩擦力が変動する。このため、常に一定した摩擦力を保持することができず、不安定な性能となっている。
【0007】
本発明はこのような問題点を考慮してなされたものであり、スライドのロックを確実に行うことができると共に、スライド操作を円滑に行うことができ、さらには安定した性能を保持することができるスライドロック装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による請求項1に記載のスライドロック装置は、長尺な相手部材が貫通した状態で、前記相手部材の長手方向に沿って移動可能なスライドロック装置であって、
前記相手部材が貫通する貫通孔が設けられ前記貫通孔の側面に収納部が設けられ前記収納部に前記相手部材と交差する角度のテーパ面が設けられ、前記相手部材の長手方向にスライド可能なベースと、前記収納部に収納され、前記相手部材を挟み込んで、前記ベースに対してスライド可能に設けられるスライダと、前記テーパ面と前記相手部材との間に位置するように前記スライダに保持され、前記相手部材との間で摩擦力を発生させることによって前記ベースと前記スライダを前記相手部材にロックするストッパと、前記テーパ面と前記相手部材との間の隙間が漸減する方向へスライドするように前記スライダを付勢する弾性部材と、前記ベースの外側に取り付けられ前記弾性部材の付勢方向と同じ方向に操作すると前記ベースに当接して前記ベースを前記弾性部材の付勢方向と同じ方向にスライドさせ、前記弾性部材の付勢方向と反対の方向に操作すると前記スライダに係合して前記スライダを前記弾性部材の付勢方向と反対の方向にスライドさせ、さらに、前記ベースに当接して前記ベースを前記弾性部材の付勢方向と反対の方向にスライドさせる操作部材と、を備えることを特徴とする。
【0011】
この発明では、スライダに取付けられたストッパが弾性部材の付勢力によってベースのテーパ面及び相手部材に挟まれ、相手部材との間で摩擦力を発生させる。この摩擦力によって相手部材へのロックが行われ、相手部材が定位置へ固定された状態となる。この固定状態ではテーパ面と相手部材との隙間が漸減する方向に弾性部材がスライダを付勢しており、従って、スライダに取り付けられたストッパはテーパ面によって相手部材に強固に当接した状態となる。このため、大きな摩擦力が発生し、スライドのロックを確実に行うことができる。
【0012】
また、この構造では、弾性部材の付勢力をテーパ面によるストッパへの押し付け力に変換しているため、一定の摩擦力を発生することができる。このため、水等が付着しても摩擦力が変動することがなく、安定したロックを行うことができる。
【0013】
一方、操作部材を操作してスライダをスライドさせることにより、テーパ面と相手部材との隙間が広がる方向へストッパを動かすこととなり、ストッパの相手部材への当接が解除され、ロック解除状態となる。このため、相手部材に対して円滑にスライドさせることができる。
【0014】
本発明による請求項2に記載のスライドロック装置は、長尺な相手部材が貫通した状態で、前記相手部材の長手方向に沿って移動可能なスライドロック装置であって、前記相手部材が貫通する貫通孔が設けられ前記貫通孔の側面に収納部が設けられ前記収納部に前記相手部材と交差する角度のテーパ面が設けられ、前記相手部材の長手方向にスライド可能なベースと、前記収納部に収納され、前記相手部材を挟み込んで、前記ベースに対してスライド可能に設けられたスライダと、前記テーパ面と前記相手部材との間に位置するように前記スライダに保持され、前記相手部材との間で摩擦力を発生させることによって前記ベースと前記スライダを前記相手部材にロックするストッパと、前記テーパ面と前記相手部材との間の隙間が漸減する方向へスライドするようにスライダを付勢する弾性部材と、で構成され、少なくとも2つが正逆反転状態に設けられるロックユニットと、前記2つのロックユニットが連結され、前記2つのべースにかけて配置され一方のロックユニットの前記弾性部材の付勢方向と同じ方向に操作すると他方のロックユニットの前記スライダに係合して他方のロックユニットの前記スライダを他方のロックユニットの前記弾性部材の付勢方向と反対の方向にスライドさせ、さらに、一方のロックユニットの前記ベースに当接して一方のロックユニットの前記ベースを一方のロックユニットの前記弾性部材の付勢方向と同じ方向にスライドさせ、一方のロックユニットの前記弾性部材の付勢方向と反対の方向に操作すると一方のロックユニットの前記スライダに係合して一方のロックユニットの前記スライダを一方のロックユニットの前記弾性部材の付勢方向と反対の方向にスライドさせ、さらに、他方のロックユニトの前記ベースに当接して他方のロックユニトの前記ベースを他方のロックユニットの前記弾性部材の付勢方向と同じ方向にスライドさせる操作部材と、を備えることを特徴とする。
【0015】
この発明のロックユニットは、請求項1の発明のベース、スライダ、ストッパ、弾性部材を有しており、このロックユニットの少なくとも2つが正逆反転状態で連結されているため、スライドのロックを正逆の2方向に対して安定して行うことができる。
【0016】
また、この発明では、操作部材を操作して一方のロックユニットのスライダを弾性部材に抗してスライドさせると、他方のロックユニットのベースが同じ方向にスライドする。そして、一方のロックユニットにおけるスライダのスライドによって、そのロックユニットのテーパ面と相手部材との隙間が広がり、テーパ面がストッパを押すことがなくなる。また、他方のロックユニットにおけるベースのスライドでは、ベースのテーパ面がストッパから離れ、ストッパを押すことがなくなる。以上によって、双方のロックユニットにおけるストッパは、いずれも相手部材から離れることができ、相手部材との摩擦力が極度に小さくなる。従って、スライドロック装置の全体を円滑にスライドさせることができる。
【0017】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の発明であって、前記ストッパに接触するストッパ受板が前記テーパ面に沿って設けられていることを特徴とする。
【0018】
このように、ストッパ受板を設けることにより、強度が付与されるためストッパを確実に相手部材に当接させることができる。
【0019】
請求項4の発明は、請求項1又は2に記載の発明であって、前記相手部材と弾性的に接触して摩擦力を発生する摩擦摺動部材が前記ベースに設けられていることを特徴とする。
【0020】
相手部材が上下方向に伸びている場合において、操作部材の操作でロックを解除したとき、スライドロック装置が自重によって急激に下方向にスライドすると共に、このスライドによってテーパ面がストッパを相手部材に押し付けてロックを行うため、スライドとロックとが繰り返されるガタついたぎこちない作動となることがある。摩擦摺動部材は相手部材に弾性的に接触して、自重による急激なスライドを抑制する。このため、円滑なスライドを行うことができ、操作性が向上する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示する実施の形態により具体的に説明する。なお、各実施の形態において、同一の要素は同一の符号を付して対応させてある。
【0022】
(実施の形態1)
図1〜図5は本発明の実施の形態1を示す。この実施の形態のスライドロック装置1はベース2と、スライダ3と、ストッパ4と、弾性部材としてのばね5と、操作部材6とを備えている。
【0023】
ベース2は、長尺な相手部材7が貫通した状態で、相手部材7の長手方向にスライドする。このため、ベース2には相手部材7の貫通孔2aが軸方向に形成されている。図2はベース2を示し、貫通孔2aの両側には、スライダ3を収納する収納部2bが形成されていると共に、収納部2bの上部には、テーパ面8が形成されている。この実施の形態では、相手部材7は矩形断面の長尺材が使用されており、テーパ面8は相手部材7を挟む位置となるように対向して形成されている。
【0024】
テーパ面8は、貫通孔2aを貫通する相手部材7と交差する角度を有して傾斜するものである。この実施の形態では、相手部材7に対し、下方向へのロックを行うものであり、このためテーパ面8は下端部が相手部材7から離れる一方、上端部が相手部材7に接近するように傾斜している。
【0025】
テーパ面8の上下端部には、取付溝部2cが形成されており、この取付溝部2cにストッパ受板9が固定されている。ストッパ受板9は上下端部が取付溝部2cに嵌合することにより、テーパ面8に沿うようにベース2の内部に固定されるものである。ストッパ受板9の材質としては、ステンレス等の硬質の材料を使用することができ、これによりテーパ面8の摩耗を防止することができる。テーパ面8に固定されたストッパ受板9は、相手部材7との間に隙間を有しており、これによりテーパ面8と相手部材7との間に隙間が設けられている。
【0026】
スライダ3は一対がベース2の収納部2bに収納されることにより、相手部材7を挟んだ状態で配置されている。スライダ3はベース2に対して相対的にスライドするようにベース2に取付けられる。各スライダ3は図3に示すように、先端(上端)の薄肉状の第1の保持部3aと、中間の連設部3bと、基端(下端)の厚肉状の第2の保持部3cとが連設されることにより形成されている。連設部3bと第2の保持部3cとの境界部分は外側に段状に突出する係合段部3dとなっており、この係合段部3dに後述する操作部材6が係合する。
【0027】
スライダ3の第1の保持部3aはストッパ4を保持するものであり、このための半球状の保持孔10が形成されている。この保持孔10はストッパ受板9側が大径で開口し、相手部材7側が小径で開口した半球状に形成されている。
【0028】
ストッパ4は球体からなり、上記保持孔10に落し込まれることにより、保持孔10に保持される。保持孔10が半球状となっていることから、球体状のストッパ4は保持孔10からストッパ受け板9側に突出した状態で保持される。そして、突出した部分がストッパ受板9に当接する。また、ストッパ4は保持孔10の相手部材7側の小径の開口部分から突出し、この突出部分が相手部材7に当接する。
【0029】
スライダ3の第2の保持部3cには、ばね孔11が軸方向に形成されており、このばね孔11に上述したばね5が挿入される。ばね5はコイルばねからなり、ばね孔11に挿入された状態で、一端がスライダ3に接触し、他端がベース2に接触する。これにより、ばね5はスライダ3を上方に付勢している。すなわち、ばね5はストッパ受板9(テーパ面8)と相手部材7との間の隙間を漸減する方向にスライダ3を介してストッパ4を付勢するものである。
【0030】
操作部材6はベース2の長手方向における略中間部分でかつベース2の外側に位置するようにベース2に取付けられている。操作部材6の内側部分には、スライダ3の係合段部3dと係合する係合面6aが形成されている。係合面6aは係合段部3dに対し上方から臨んでおり、係合段部3dを押すことにより係合段部3dを介してスライダ3を下方にスライドさせるように作用する。このスライド方向はばね5がスライダを付勢する方向と反対の方向となっており、これによりスライダ3はばね力に抗してばね5を縮める方向にスライドする。
【0031】
図4及び図5は、この実施の形態の作用を示している。相手部材7への装着状態において、ばね5は相手部材7とストッパ受板9との隙間が小さくなる方向にスライダ3を付勢しており、これによりスライダ3に取付けられているストッパ4はストッパ受板9に当接し、当接した反力によってストッパ4は相手部材7に当接して摩擦力を発生している。従って、スライドロック装置1はスライドすることなく、相手部材7に固定される。
【0032】
一方、操作部材6以外のスライドロック装置1における部品に対して、図4(a)の矢印Aで示す下方向の力を作用させた場合、ストッパ受板9がストッパ4を保持孔10に押し込む。このため、ストッパ4は相手部材7に強固に当接して、摩擦力が増大する。これにより、スライドロック装置1は矢印A方向にスライドすることなくロックされる。
【0033】
これに対し、図4(b)の矢印Bで示す上方向の力が作用した場合、この方向はストッパ受板9がストッパ4から離れる方向であるため、ストッパ4を保持孔10に押し込む力が小さくなり、ストッパ4は相手部材7との当接力が小さくなり、摩擦力が極度に減少する。このため、スライドロック装置1は矢印B方向にスライドすることができる。従って、矢印B方向へのスライドを円滑に行うことができる。
【0034】
次に、操作部材6に対して図5の矢印C方向で示す下方向の力を作用させると、係合面6aが係合段部3dを同方向に押すため、スライダ3がばね5の付勢力に抗して下方向にスライドする。ストッパ4はこのスライドと共に一体的に下方向に移動し、ストッパ受板9との当接から解除される。これにより、ストッパ4は相手部材7を押すことがなくなり、摩擦力が極度に低下するため、スライドロック装置1の全体を矢印C方向に円滑にスライドすることができる。
【0035】
(実施の形態2)
図6は本発明の実施の形態2を示す。この実施の形態では、操作部材6の下端部に外側に突出する摘み片12が形成されると共に、ベース2における摘み片12との対向部分に外側に突出する摘み片13が形成されている。これらの摘み片12,13を指で把持することにより、操作部材6を矢印C方向に確実にスライドさせることができる。このため、操作部材6への操作を円滑に行うことができ、スライドロック装置1のスライドも円滑に行うことができる。
【0036】
(実施の形態3)
図7は本発明の実施の形態3を示し、ベース2に摩擦摺動部材14が設けられている。摩擦摺動部材14は、ストッパ受板9の上方に形成された切り欠き溝15に収納されている。切り欠き溝15は、ベース2のテーパ面8と同じ方向に傾斜する傾斜面15aを上端部分に有しており、摩擦摺動部材14はこの傾斜面15aの押圧によって相手部材7と接触することができる。摩擦摺動部材14はゴム、弾性樹脂などの弾性材料によって球状体に形成されており、傾斜面15aの押圧によって相手部材7と弾性的に接触してスライドを制動するように作用する。
【0037】
この実施の形態において、スライドロック装置1を下方向にスライドする際に、傾斜面15aが摩擦摺動部材14を相手部材7方向に押しつけるため、摩擦摺動部材14と相手部材7との間に小さな摩擦力が発生している。従って、操作部材6によるロック解除を行っても、直ちにスライドロック装置1の全体がスライドすることがなくなり、安全となる。また、摩擦摺動部材14が弾性的に接触するため、スライド時の耳障りな異音を吸収し、円滑なスライドを行うことができる。
【0038】
この実施の形態においては、相手部材7が上下方向に伸びている場合に、摩擦摺動部材14が特に有効に作用する。すなわち、相手部材7が上下方向に伸びている場合において、操作部材6の操作でロックを解除したとき、スライドロック装置1が自重によって急激に下方向にスライドすると共に、このスライドによってストッパ受板9がストッパ4を相手部材7に押し付けてロックを行うため、スライドとロックとが繰り返されるガタついたぎこちない作動となることがある。このとき摩擦摺動部材14は相手部材7に弾性的に接触して、自重による急激なスライドを抑制する。このため、円滑なスライドを行うことができ、操作性が向上する。なお、摩擦摺動部材14は、球状体に限定されるものではなく、例えばピン形状のローラ等の相手部材7と接触し摺動回転することにより摩擦力を発生させる形状であればよい。
【0039】
(実施の形態4)
図8〜図10は本発明の実施の形態4を示す。この実施の形態のスライドロック装置31は、図8に示すように、2つのロックユニット32,33及び操作部材34を備えている。
【0040】
2つのロックユニット32,33は、実施の形態1と同様にテーパ面8が形成されたベース2と、ベース2にスライド可能に設けられたスライダ3と、スライダ3に保持された球体状のストッパ4と、スライダ3をスライド付勢する弾性部材としてのばね5とをそれぞれ備えている。また、テーパ面8にはストッパ受板9が取り付けられている。
【0041】
この2つのロックユニット32,33は、正逆反転状態となるように操作部材34によって連結されるものである。この実施の形態において、ばね5は2つのロックユニット32,33のスライダ3,3にかけて伸びており、ストッパ受板9と相手部材7との隙間が漸減する方向へスライドするようにそれぞれのスライダ3,3を付勢している。これに限らず、上述した隙間漸減方向に付勢するばねをそれぞれのロックユニット32,33に配置しても良い。
【0042】
操作部材34は2つのロックユニット32,33のベース2,2にかけて配置されており、これにより、2つのロックユニット32,33を連結している。この操作部材34には、各ロックユニット32,33におけるスライダ3の係合段部3dと対向する係合面34aが上下位置に形成されている。また、2つのロックユニット32,33のベース2,2との対向面には、それぞれのベース2,2に当接可能な当接面34b、34bが上下位置に形成されている。
【0043】
このような実施の形態のスライドロック装置31では、2つのロックユニット32,33を正逆反転状態で連結しており、ロックユニット32,33によって正逆2方向のロックを行うことができる。すなわち、上方向に対しては、下側のロックユニット33のストッパ4が相手部材7に当接して摩擦力を発生するため、ロックを行うことができ、下方向に対しては、上側のロックユニット32のストッパ4が相手部材7に当接して摩擦力を発生するため、ロックを行うことができるものである。このため、相手部材7の長手方向における正逆両方向へのロックを確実に行うことができる。
【0044】
図9は操作部材34を矢印Dで示す上方向に操作した状態を示す。この方向への操作では、操作部材34の下側の係合面34aが下側のロックユニット33におけるスライダ3の係合段部3dに当接して、そのスライダ3を上方向へスライドさせるため、同ロックユニット33のストッパ4がストッパ受板9から離れ、これにより同ロックユニット33のロックが解除される。これに加えて、操作部材34の上側の当接面34bが上側のロックユニット32におけるベース2に下方から当接して同ベース2を押し上げる。この押上げによって、そのストッパ受板9がストッパ4から離れるため、上側のロックユニット32のロックが解除される。従って、スライドロック装置31の全体を矢印D方向に円滑にスライドさせることができる。
【0045】
これに対し、図10は操作部材34を矢印Eで示す下方向に操作した状態を示す。この方向への操作では、操作部材34の上側の係合面34aが上側のロックユニット32におけるスライダ3の係合段部3dに当接して、そのスライダ3を下方向へスライドさせるため、同ロックユニット33のストッパ4がストッパ受板9から離れ、ロックユニット32のロックが解除される。また、操作部材34の下側の当接面34bが下側のロックユニット33におけるベース2に上方から当接して同ベース2を押し下げる。この押下げによって、そのストッパ受板9がストッパ4から離れるため、下側のロックユニット33のロックが解除される。従って、スライドロック装置31の全体を矢印E方向に円滑にスライドさせることができる。
【0046】
なお、この実施の形態では、2つのロックユニット32,33を正逆反転状態で連結したが、ロックユニットとしては、2つのロックユニットが正逆反転されていれば、3つ或いはそれ以上であっても良い。
【0047】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく種々変形が可能である。例えば、ストッパ受板9を省略し、ベース2のテーパ面8によってストッパ4を押圧しても良い。また、ストッパ4としては、ピン形状のローラであっても良く、この場合には、ストッパ4が相手部材7と線接触するため、さらに大きな摩擦力を発生することができ、ロック力を大きくすることが可能となる。
【0048】
さらに、相手部材7が円形断面や楕円形断面或いは多角形断面などの場合には、これらの断面に沿ってストッパ4を複数配置することにより、そのロックを行うことができる。さらに、また相手部材7としては上下方向のみならず、水平方向や斜め方向であっても同様に適用することが可能である。また、さらにばね5として、皿ばね、ウエーブスプリング等のばねを用いることができ、弾性部材として、ガスシリンダ或いはゴム等の弾性材等のばね5以外の材料を用いることができる。
【0049】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、弾性部材によって付勢されたストッパの摩擦力によってスライドがロックされるため、安定したロックを行うことができる。
【0050】
請求項2の発明によれば、ストッパがベースのテーパ面及び相手部材に挟まれて摩擦力を発生させることにより、ロックが行われるため、大きな摩擦力が発生し、スライドのロックを確実に行うことができる。また、操作部材を操作することにより、ロック解除されるため、相手部材に対して円滑にスライドさせることができる。
【0051】
請求項3の発明によれば、ロックユニットが正逆反転状態で連結されているため、スライドのロックを正逆の2方向に対して安定して行うことができる。また、操作部材の操作によって、正逆2方向のロックが解除されるため、円滑にスライドさせることができる。
【0052】
請求項4の発明によれば、請求項1又は2記載の発明と同様な効果を有するのに加えて、ストッパ受板により強度が付与されるため、ストッパを確実に相手部材に当接させることができる。
【0053】
請求項5の発明によれば、請求項1又は2記載の発明と同様な効果を有するのに加えて、ガタついたぎこちない作動がなくなり、円滑なスライドを行うことができ、操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の断面図である。
【図2】(a)はベースの正面図、(b)はそのy−y線断面図である。
【図3】(a)はスライダの正面図、(b)はそのx−x線断面図である。
【図4】(a)及び(b)は実施の形態1の正逆2方向に対する作用を示す断面図である。
【図5】操作部材を操作した場合の実施の形態1の作動を示す断面図である。
【図6】実施の形態2の断面図である。
【図7】実施の形態3の断面図である。
【図8】実施の形態4の断面図である。
【図9】一方向に操作部材を操作した場合の実施の形態4の作用を示す断面図である。
【図10】逆方向に操作部材を操作した場合の実施の形態4の作用を示す断面図である。
【図11】従来のスライドロック装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1、31 スライドロック装置
2 ベース
3 スライダ
4 ストッパ
5 ばね
6、34 操作部材
7 相手部材
8 テーパ面
9 ストッパ受板
32、33 ロックユニット

Claims (4)

  1. 長尺な相手部材が貫通した状態で、前記相手部材の長手方向に沿って移動可能なスライドロック装置であって、
    前記相手部材が貫通する貫通孔が設けられ前記貫通孔の側面に収納部が設けられ前記収納部に前記相手部材と交差する角度のテーパ面が設けられ、前記相手部材の長手方向にスライド可能なベースと、
    前記収納部に収納され、前記相手部材を挟み込んで、前記ベースに対してスライド可能に設けられるスライダと、
    前記テーパ面と前記相手部材との間に位置するように前記スライダに保持され、前記相手部材との間で摩擦力を発生させることによって前記ベースと前記スライダを前記相手部材にロックするストッパと、
    前記テーパ面と前記相手部材との間の隙間が漸減する方向へスライドするように前記スライダを付勢する弾性部材と、
    前記ベースの外側に取り付けられ前記弾性部材の付勢方向と同じ方向に操作すると前記ベースに当接して前記ベースを前記弾性部材の付勢方向と同じ方向にスライドさせ、前記弾性部材の付勢方向と反対の方向に操作すると前記スライダに係合して前記スライダを前記弾性部材の付勢方向と反対の方向にスライドさせ、さらに、前記ベースに当接して前記ベースを前記弾性部材の付勢方向と反対の方向にスライドさせる操作部材と、を備えることを特徴とするスライドロック装置。
  2. 長尺な相手部材が貫通した状態で、前記相手部材の長手方向に沿って移動可能なスライドロック装置であって、
    前記相手部材が貫通する貫通孔が設けられ前記貫通孔の側面に収納部が設けられ前記収納部に前記相手部材と交差する角度のテーパ面が設けられ、前記相手部材の長手方向にスライド可能なベースと、前記収納部に収納され、前記相手部材を挟み込んで、前記ベースに対してスライド可能に設けられたスライダと、前記テーパ面と前記相手部材との間に位置するように前記スライダに保持され、前記相手部材との間で摩擦力を発生させることによって前記ベースと前記スライダを前記相手部材にロックするストッパと、前記テーパ面と前記相手部材との間の隙間が漸減する方向へスライドするようにスライダを付勢する弾性部材と、で構成され、少なくとも2つが正逆反転状態に設けられるロックユニットと、
    前記2つのロックユニットが連結され、前記2つのべースにかけて配置され一方のロックユニットの前記弾性部材の付勢方向と同じ方向に操作すると他方のロックユニットの前記スライダに係合して他方のロックユニットの前記スライダを他方のロックユニットの前記弾性部材の付勢方向と反対の方向にスライドさせ、さらに、一方のロックユニットの前記ベースに当接して一方のロックユニットの前記ベースを一方のロックユニットの前記弾性部材の付勢方向と同じ方向にスライドさせ、一方のロックユニットの前記弾性部材の付勢方向と反対の方向に操作すると一方のロックユニットの前記スライダに係合して一方のロックユニットの前記スライダを一方のロックユニットの前記弾性部材の付勢方向と反対の方向にスライドさせ、さらに、他方のロックユニトの前記ベースに当接して他方のロックユニトの前記ベースを他方のロックユニットの前記弾性部材の付勢方向と同じ方向にスライドさせる操作部材と、を備えることを特徴とするスライドロック装置。
  3. 前記ストッパに接触するストッパ受板が前記テーパ面に沿って設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスライドロック装置。
  4. 前記相手部材と弾性的に接触して摩擦力を発生する摩擦摺動部材が前記ベースに設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスライドロック装置。
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