JP4551713B2 - 電動昇降戸棚 - Google Patents

Description

本発明は電動昇降戸棚に係り、特に外キャビネットに食器類が収納される内キャビネットを昇降自在に収容させる昇降命令信号を発するリモコン装置を改良した電動昇降戸棚に関する。

従来、電動昇降機構を用いて食器類が収納される内キャビネットを昇降自在とし、この内キャビネットを上昇させて外ケーシング内に収納させ、内キャビネットを下降させて外ケーシングの下方に露出させる電動昇降戸棚がある。

これらの電動昇降戸棚は、一般に内キャビネットの昇降はリモコン装置からの命令によって行われ、昇降命令信号を受信する受信部は、外ケーシング、内キャビネットのハンドルあるいは台所壁面などに取付けられている（特許文献１、２）。

しかし、特許文献１に記載のリモコン装置は手持ち操作タイプであるため、発信部を受信部に向けないと、電波が届かず動作しない場合がありかつ、壁面や流し台前面に発信部を取付けることができなかった。また、特許文献２に記載の電動昇降戸棚は、発信部および受信部の取付け位置によっては、降下した内キャビネットあるいは他の機器によって電波が遮られて電波が届かず動作しない場合があった。
特開平７−３１３２７４号公報 特開２００１−２９９４７７号公報

本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、リモコン装置の発信部の取付け位置が自由で確実な内キャビネットの昇降が行なえる電動昇降戸棚を提供することを目的とする。

上記目的を達成するため、本発明の電動昇降戸棚は、下面に開口が設けられた外キャビネットと、この外キャビネット内に昇降自在に収容され食器類が収納される内キャビネットと、前記外キャビネットに内装され前記内キャビネットを昇降させる電動昇降機構と、この電動昇降機構の動作を制御して内キャビネットを昇降させる命令信号の送受信を行なうリモコン装置を有する電動昇降戸棚において、前記リモコン装置は前記電動昇降戸棚から離間して配置され昇降命令信号を発信する発信部と、この発信部からの昇降命令信号を受信する受信部を有し、前記受信部は内キャビネットの底部より下方に位置するように設けられかつ、受信面が異なる方向に向いて設置された複数の受信素子を有するとともに、内キャビネットを手動によって昇降させる把手部を、前記受信部よりも前方かつ下方に位置するように配置させたことを特徴とする。

本発明に係る電動昇降戸棚によれば、リモコン装置の発信部の取付け位置が自由で確実な内キャビネットの昇降が行なえる電動昇降戸棚を提供することができる。

以下、本発明に係る電動昇降戸棚の一実施形態について添付図面を参照して説明する。

図１は本発明に係る電動昇降戸棚の正面図、図２はその側断面図である。

図１および図２に示すように、本発明に係る電動昇降戸棚１には、前面に回動式開閉扉２ａ、下端に下部開口２ｂが設けられた外キャビネット２と、この外キャビネット２内に昇降自在に収納され、食器類が載置される棚板（図示せず）が設けられた内キャビネット３と、外キャビネット２に内装され内キャビネット３を昇降させる電動昇降機構（図示せず）と、この電動昇降機構の動作を制御し内キャビネット３を昇降させるリモコン装置４が設けられている。

図３に示すように、リモコン装置４は、内キャビネット３の底部３ａの前方に取付けられ昇降命令電波信号を受信する受信部５と、この受信部５に昇降命令電波信号を発信するリモコン（発信部）６からなり、受信部５には、この受信部５の複数の受信素子のうち受信可能（稼動状態）素子を選択的に切換えるチャンネル切換手段７ａが設けられ、図４（ａ）およびスイッチ部分を拡大して示す図４（ｂ）に示すように、このチャンネル切換手段７ａは「０」、「１」、「２」のポジションに切換わる切換ボタン７ａ１を有し、内キャビネット３の上部３ｂに載置されて設けられている。ポジション「０」では受信素子を作動可能状態にし、「１」では一側の受信素子を作動可能状態にし、「２」では他側の受信素子を作動可能状態にする。上記受信部５は内キャビネット３の底部３ａに取り付けているので、他の厨房機器、棚類の影響を受けることなく、リモコン６からの送信を確実に受信部５で受信させることができる。

なお、上記チャンネル切換手段は、主として本発明の電動昇降戸棚を複数台並べて使用するときに有効に用いられるものであり、これを設けるのが好ましいが、１台で使用する場合には、必ずしも必要ではなく、本発明の電動昇降戸棚に必須のものではない。

図５及び図６示すように、受信部５には、複数例えば２個の受信素子５ａ、５ｂが設けられており、図中左側の受信素子５ａの受信面は、垂直面（水平線）に対して左に２５°の角度をなし正面に正対せずに配置され、図中右側の受信素子５ｂの受信面は、垂直面（水平線）に対して右に２５°の角度をなし正面に正対せずに配置され、また、図７に示すように、受信素子５ａ、５ｂの受信面は、水平面に対してわずかに下向きになっている。さらに、受信素子５ａ、５ｂは、受信素子下方後方からの昇降命令電波信号を受信できないように電波遮蔽カバー５ｃによって覆われている。また、受信素子５ａ、５ｂはジョイント等を介していずれも３６０°その受信面の方向を変えることができるようになっている。これにより、リモコンの取付け位置により、確実に受信素子で昇降命令信号が受信できない場合があっても、受信面の方向を変えることができるので、受信可能方向に向けて、確実な受信を行なうようにすることができる。

なお、受信素子は２個以上であれば、３個でもよく、また、それ以上でもよく、この受信素子に応じて、切換ポジションの数を増加させる。

図８および図９に示すように、リモコン（発信部）６は扁平直方体容器状のリモコン本体６ａを有し、このリモコン本体６ａの内部には図１１に示すような図４（ｂ）と同様で切換ボタン７ｂ１を有するチャンネル切換手段７ｂが設けられ、さらに、リモコン本体６ａの前面には電源スイッチ８、段階的昇降スイッチ９、オート昇降スイッチ１０、照明スイッチ１１および円弧状に膨出する発信素子６ｂが長手方向に配置されている。これら各スイッチの近傍には対応する点字が設けられ、また、子供がいたずらしてこれらのスイッチを操作しても動作しないようにするチャイルドボタンを設けておくのが好ましい。

また、図１０および図１１に示すように、このリモコン本体６ａの裏面には、Ｌ字状の取付片１２が設けられ、さらに、電池交換用蓋１３が設けられている。

図１２に示すように、例えば、電動昇降戸棚の下方に設置された流し台１４の前面上端部にはリモコンホルダ１５がネジ孔１５ａを介してネジあるいは両面テープにより取付けられている。

図１３に示すように、リモコンホルダ１５は長方形板状をなし、その一面にはリモコン本体６ａのＬ字状の取付片１２に対応する位置にこの取付片１２が係合する有底の取付爪部１６が設けられている。

なお、図１中、符号３ｃは手動による昇降用の把手部であり、３ｃ_１はリモコン６を用いずに内キャビネット３を昇降させる棚側昇降スイッチであり、１７は流し台１４を照らす照明灯である。図５中、符号１７は流し台１４を照らす照明灯である。

また、電動昇降戸棚に食器乾燥庫を備えさせる場合には、庫内に乾燥用電動ファン、ヒータ、ヒータ制御基板、照明用インバータなどを設け、さらに、リモコン本体６ａの前面に乾燥スイッチを追加する。

次に本発明に係る電動昇降戸棚のリモコン装置の設置方法について説明する。

図６に示すように、通常は２個の受信光素子５ａ、５ｂは、その受信面が垂直面に対して２５°の角度をなし正面に正対せず、図７に示すように、水平面に対してわずかに下向きになって、また、図４（ｂ）に示すチャンネル切換手段７ａおよび図１１に示すチャンネル切換手段７ｂの切換ボタン７ａ_１、７ｂ_１は「０」のポジションで出荷される。

図１２および図１４に示すように、リモコンホルダ１５を流し台１４の前面上端部に設置し、このリモコンホルダ１５を介してリモコン６を流し台１４の前面上端部に取付けて使用する場合には、通常は２個の受信光素子５ａ、５ｂの受信面の方向を変更せず、出荷状態のまま使用する。この場合には、段階的昇降スイッチ９あるいはオート昇降スイッチ１０から入力された命令信号は、リモコン６の発信素子６ｂから受信部５に送信され、受信素子５ａ、受信素子５ｂの両方あるいは一方で受信され、電動昇降機構を介して内キャビネット３を下降あるいは上昇させる。

上記のような電動昇降戸棚１の使用時、受信素子５ａ、５ｂは、受信素子５ａ、５ｂ下方後方からの昇降命令電波信号を受信できないようになっているから、業者あるいは使用者がリモコン６を流し台１４の後方（電動昇降戸棚の下方後方）に設置することは防がれ、使用者が流し台１４を使用している時に、リモコンを操作し、降下してくる内キャビネットにより身体を殴打されることがなく、安全である。

図１５に示すように、リモコン６が図中左側の壁に取付けて使用する場合には、リモコン６から送信された昇降命令電波信号は、図６の左側の受信素子５ａで確実に受信され、電動昇降機構を介して内キャビネット３を下降あるいは上昇させる。このように、リモコン６を図中左側に取付けて使用しても、受信面５ａ_１が左側を向いているので、昇降命令電波信号は確実に受信され、内キャビネット３の昇降は確実に行われる。

また、図１６に示すように、リモコン６を図中右側の壁に取付けて使用する場合には、リモコン６から送信された昇降命令電波信号は、図６の右側の受信素子５ｂで確実に受信され、電動昇降機構を介して内キャビネット３を下降あるいは上昇させる。このように、リモコン６を図中右側に取付けて使用しても、受信面５ｂ_１が左側を向いているので、昇降命令電波信号は確実に受信され、内キャビネット３の昇降は確実に行われる。

さらに、図１７に示すように、本発明に係る電動昇降戸棚を複数台例えば２台並べて使用する場合には、図中左側の第１の電動昇降戸棚２１の図４（ｂ）に示す切換ボタン７ａ_１の「０」のポジションから「１」に切換え、図１１に示す切換えボタン７ｂ_１を「０」のポジションから「１」に切換え、また、図中右側の第２の電動昇降戸棚２２の図４（ｂ）に示す切換ボタン７ｂ_１の「０」のポジションから「２」に切換え、図１１に示す切換ボタン７ｂ_１を「０」のポジションから「２」に切換える。

これにより、本発明に係る電動昇降戸棚を２台並べて使用しても、一方のリモコンにより他方の内キャビネットが昇降することがなく、安全かつ便利である。

上記のように本実施形態の電動昇降戸棚によれば、リモコン装置の発信部の取付け位置が自由で確実な内キャビネットの昇降を行うことができる。

なお、上記実施形態では、リモコン装置に電波信号を用いる例で説明したが、超音波信号あるいは光信号を用いてもよい。

本発明に係る電動昇降戸棚の正面図。 本発明に係る電動昇降戸棚の側断面図。 本発明に係る電動昇降戸棚の底面図。 （ａ）本発明に係る電動昇降戸棚に用いられるチャンネル切換手段の斜視図、（ｂ）は切換ボタン部分の拡大図。 本発明に係る電動昇降戸棚に用いられる受信素子部分の正面図。 本発明に係る電動昇降戸棚に用いられる受信素子の取付け状態図。 本発明に係る電動昇降戸棚の底部近傍の断面図。 本発明に係る電動昇降戸棚に用いられるリモコンの正面図。 本発明に係る電動昇降戸棚に用いられるリモコンの側面図。 本発明に係る電動昇降戸棚に用いられるリモコンの上面図。 本発明に係る電動昇降戸棚に用いられるリモコンの裏面図。 本発明に係る電動昇降戸棚の使用状態を示す概念図。 本発明に係る電動昇降戸棚に用いられるリモコンホルダの正面図。 本発明に係る電動昇降戸棚の使用状態を示す概念図。 本発明に係る電動昇降戸棚の使用状態を示す概念図。 本発明に係る電動昇降戸棚の使用状態を示す概念図。 本発明に係る電動昇降戸棚の使用状態を示す概念図。

符号の説明

１ 電動昇降戸棚
２ 外キャビネット
３ 内キャビネット
３ａ 底部
４ リモコン装置
５ａ、５ｂ 受信素子
６ リモコン（発信部）
６ｂ 発信素子
７ａ チャンネル切換手段
７ａ_１ 切換ボタン
７ｂ チャンネル切換手段
７ｂ_１ 切換ボタン
９ 段階的昇降スイッチ
１０ オート昇降スイッチ
１４ 流し台
１５ リモコンホルダ

Claims (1)

1. 下面に開口が設けられた外キャビネットと、この外キャビネット内に昇降自在に収容され食器類が収納される内キャビネットと、前記外キャビネットに内装され前記内キャビネットを昇降させる電動昇降機構と、この電動昇降機構の動作を制御して内キャビネットを昇降させる命令信号の送受信を行なうリモコン装置を有する電動昇降戸棚において、
   前記リモコン装置は前記電動昇降戸棚から離間して配置され昇降命令信号を発信する発信部と、この発信部からの昇降命令信号を受信する受信部を有し、
   前記受信部は内キャビネットの底部より下方に位置するように設けられかつ、受信面が異なる方向に向いて設置された複数の受信素子を有するとともに、
   内キャビネットを手動によって昇降させる把手部を、前記受信部よりも前方かつ下方に位置するように配置させたことを特徴とする電動昇降戸棚。

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