JP4551224B2 - ニトリラーゼ又はニトリルヒドラターゼ活性を有する細胞を保存及び/又は貯蔵する方法 - Google Patents

ニトリラーゼ又はニトリルヒドラターゼ活性を有する細胞を保存及び/又は貯蔵する方法 Download PDF

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Description

本発明は、少なくとも1つのニトリルヒドラターゼ又はニトリラーゼ酵素活性を示す微生物を保存及び/又は貯蔵する方法であって、保存及び/又は貯蔵が、0.1〜100mM/lの範囲の総アルデヒド濃度で少なくとも1種のアルデヒドを含む水性媒体中で行なわれる方法に関する。
微生物が産する酵素は、化学的製造方法で生体触媒として用いられることが多くなってきている。特に、アミド、カルボン酸又はα−ヒドロキシカルボン酸を得るためのニトリルの酵素による加水分解は、経済的に非常に重要な工程である。ニトリル加水分解酵素は、ニトリルヒドラターゼ及びニトリラーゼファミリーに分類することができる。ニトリルヒドラターゼとニトリラーゼは、それらの活性中心に触媒に必須のシステイン分子を有する(Levy-Schil(1995)Gene 161:15-20)。ニトリルヒドラターゼは、1モル当量の水の付加を触媒することにより、対応するアミドを生じる。ニトリラーゼは、2モル当量の水の付加を触媒することにより、対応するカルボン酸を生じる。概して、上記酵素は、光学的に選択性の水和又は加水分解をもたらし、これによって光学的に活性の(キラル)生成物が得られる。キラルカルボン酸は、合成有機化学で需要の多い化合物である。これらは、多数の医薬活性化合物、又は植物保護用の活性化合物のための出発化合物である。キラルカルボン酸は、ジアステレオマー塩を用いた古典的ラセミ混合物分割のために用いることができる。従って、R−(−)−又はS−(−)−マンデル酸は、例えば、ラセミアミンのラセミ混合物分割に用いられる。R−(−)−マンデル酸は、合成において中間体としても用いられる。
酵素反応には、通常、精製又は部分的に精製した酵素を用いるが、対応する酵素活性を有する微生物を用いることも可能である。酵素は、天然又は組換え体に由来するものでよい。一般に、酵素は、反応を進行させるステップで製造される(発現される)。これに関して、比較的多量の酵素を製造し、これらを必要に応じて触媒工程に導入することが望ましい。しかし、この場合、酵素の活性を保持しつつ酵素を貯蔵することが必要になってくる。これに関して、冷却及び/又は凍結が標準的方法である。しかし、凍結は通常、複雑な凍結/解凍方法を必要とし、概して酵素活性の大きな喪失につながる。一般に、冷却は精密なロジスティック及びエネルギー消費を必要とする。
EP−A1 0 666 320には、対応するニトリルからαヒドロキシ酸/アミドを製造する方法が記載されており、その方法では、反応の前に、用いる微生物を亜硫酸ナトリウム(1M)とリン酸バッファー(50mM)の存在下でインキュベートする。さらに、反応中の酵素活性は、亜リン酸塩又は次亜リン酸塩の添加により安定化させることもでき、この添加により、遊離の酵素阻害アルデヒドが錯化する。EP−A10 610 048には、微生物を用いてα−ヒドロキシ酸を製造する方法が記載されており、この方法では、亜硫酸ナトリウムの添加により反応中の酵素活性を安定化させ、この添加によって同様に、遊離の酵素阻害アルデヒドが錯化する。前記の方法では、添加剤は、いずれも例外なく、ニトリルの変換中に添加される。反応での使用前の安定化方法は開示されていない。
システイン依存活性を保存するための典型的方法は、ジチオトレイトール及び/又はメルカプトエタノール及び/又はエチレンジアミンテトラ酢酸を添加するものである(例:ロドコッカス・ロドクラウス(Rhodococcus rhodochrous) J1ニトリラーゼ; Kobayashi M (1989) Eur J Biochem 182: 349-356)。
ロドコッカスsp.ATCC 39484ニトリラーゼの安定化は、基質(ベンゾニトリル)を添加することにより達成されている(Stevenson DE (1992) Biotechnol Appl Biochem 15:283-302)。ロドコッカス・ロドクラウスNCIB 11216ニトリラーゼの場合には、基質濃度以外に、塩基性pH、温度及び酵素濃度が安定化の速度に寄与する(Harper BH (1976) Biochem Soc Trans 4:502-504; Harper BH (1977) Biochem J 165:309-319)。これらの事例における問題点は、安定剤が酵素により改変されるため、時間が経過するにつれその効果を失うことである。
ロドコッカス・ロドクラウスJ1ニトリラーゼの場合、酵素活性を安定化させるために、無機塩(20%以下の(NHSOを含む)とアルコール(50%以下のグリセロール、10%エタノール)を添加することが記載されている(Nagasawa T (2000) Eur J Biochem 267:138-144)。
アルカリゲネス・フェカーリスJM3ニトリラーゼの場合には、酵素活性を安定化するために、60%硫酸アンモニウム、2M NaCl又は30%プロパンジオールの添加が記載されている(Nagasawa T (1990) Eur J Biochem 194:765-772)。
EP−A1 0 707 061には、少なくとも100mMから飽和点までの濃度で、無機塩(リン酸塩、ホウ酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩および塩酸塩)を貯蔵バッファーに添加することにより、ニトリラーゼ含有細胞を安定化する方法が記載されている。
米国特許第4,931,391号、EP−A1 0 243 967及び米国特許第4,900,672号には、細胞懸濁液にアミド若しくはカルボン酸(又は物質の組合せ)の添加によるニトリルヒドラターゼ活性の安定化が記載されている。
米国特許第4,343,900号には、アクリロニトリルからアクリルアミドを製造する方法であって、用いる固定細胞の膨潤に関連する活性の喪失を防止する目的で、反応混合物に炭酸アルカリ金属を添加することが記載されている。
米国特許第6,251,646号及び米国特許第6,368,804号には、少なくとも0.1Mから飽和濃度までの濃度で炭酸(水素)アンモニウム、ナトリウム若しくはカリウムを添加することにより、ニトリラーゼ活性担持微生物を安定化する方法が記載されている。
反応性アルデヒド基のために、アルデヒドは酵素阻害物質として分類される。産生過程におけるニトリラーゼに対するその阻害作用については、多数の刊行物で主張されている(EP−B1 0 773 297 B1、p.4、パラグラフ[0013]及び[0025];EP−B1 0 707 061 B1、p.2、パラグラフ[0005];EP−B1 0 666 320、p.2、パラグラフ[0004]並びにその箇所で引用されている参照文献;EP−A2 0 486 289、p.2、第30行、並びにその箇所で引用されている参照文献;Yamamoto (1992) J Ferm Technol 73:425-430、特に、p.429、最後のパラグラフ)。
前記酵素を工業的に用いることに関して、貯蔵中のニトリラーゼ/ニトリルヒドラターゼ活性の不活性化は重要なコスト要因である。例えば、4℃及びpH6.0で、6.6日の期間後に活性は36%低下するが、これは活性の喪失が1日当たり5.5%であることを示している(図1;実施例3での比較実験を参照)。ニトリラーゼの場合、活性の喪失は、例えば、酵素多量体がそのモノマーに分解し、これらモノマーにはニトリラーゼ活性が全くないためと考えられる(Nagasawa T (1990) Eur J Biochem 194:765-772)。記載されている方法は、非常に限られた程度までしかこの問題を解決することができない。さらに、前記の方法は、生体触媒を安定化するために高濃度の添加剤を用いるが、これらの添加剤は、生体触媒を使用した後、入念に分離し、処分しなければならない。
従って、本発明の目的は、不要な付随物質で反応混合物を汚染することなく、ニトリラーゼ/ニトリルヒドラターゼ活性を可能な限り長期間にわたり安定化させる方法を提供することである。
本発明の方法はこの目的を達成する。
本発明の第1ステップは、少なくとも1つのニトリルヒドラターゼ又はニトリラーゼ酵素活性を有する微生物を保存及び/又は貯蔵する方法であって、保存及び/又は貯蔵が、0.1〜100mM/lの範囲の総アルデヒド濃度で少なくとも1種のアルデヒドを含む水性媒体中で行われる方法に関する。
上記保存ステップは、細胞により触媒しようとする反応の反応物質で該細胞を処理する前に実施するのが好ましい。好ましい実施形態では、水性媒体は、ニトリル、シアン化水素酸及びシアン化塩からなる群より選択されるシアン化物の化合物を含み、その総濃度は、総アルデヒド濃度の10モル%以下である。特に好ましい実施形態では、保存及び/又は貯蔵に適した水性媒体は前記シアン化物化合物の添加を一切含まない。
「アルデヒド」という用語は、広く理解されるべきであり、脂肪族及び芳香族アルデヒドの両方を含む。好ましい実施形態では、アルデヒドは、式III:
Figure 0004551224
(式中、Rは、置換又は非置換の、分枝鎖又は非分枝鎖のC1−C10−アルキル−、C2−C10−アルケニル−、あるいは置換又は非置換のアリール−又はヘタリール−でありうる)
の化合物を意味する。特に、芳香族アルデヒドが好ましく、非置換ベンズアルデヒド及び置換ベンズアルデヒド、例えば、o−クロロベンズアルデヒド、m−クロロベンズアルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、o−ブロモベンズアルデヒド、m−ブロモベンズアルデヒド、p−ブロモベンズアルデヒド、o−メチルベンズアルデヒド、m−メチルベンズアルデヒド及びp−メチルベンズアルデヒドが極めて好ましい。
保存/貯蔵される微生物を用いて、例えば、式(II)のラセミニトリルを式(Ia)のキラルカルボン酸又は式(Ib)のキラルアミドに変換することができる:
Figure 0004551224
(式中、
*は任意により活性中心であり、
、RおよびRは、互いに独立に、水素、置換又は非置換の、分枝鎖又は非分枝鎖のC1−C10−アルキル−、C2−C10−アルケニル−、置換又は非置換のアリール−、ヘタリール−、OR又はNRであり、基R、RおよびRは常に異なるものであり、
は、水素、置換又は非置換の、分枝鎖又は非分枝鎖のC1−C10−アルキル−、C2−C10−アルケニル−、C1−C10−アルキルカルボニル−、C2−C10−アルケニルカルボニル−、アリール−、アリールカルボニル−、ヘタリール−又はヘタリールカルボニル−であり、
は、水素、置換又は非置換の、分枝鎖又は非分枝鎖のC1−C10−アルキル−、C2−C10−アルケニル−、アリール−又はヘタリール−である)。
最も好ましいニトリルは、マンデロニトリル、o−クロロマンデロニトリル、p−クロロマンデロニトリル、m−クロロマンデロニトリル、o−ブロモマンデロニトリル、p−ブロモマンデロニトリル、m−ブロモマンデロニトリル、o−メチルマンデロニトリル、p−メチルマンデロニトリル又はm−メチルマンデロニトリルである。最も好ましいキラルカルボン酸は、R−マンデル酸、S−マンデル酸、R−p−クロロマンデル酸、S−p−クロロマンデル酸、R−m−クロロマンデル酸、S−m−クロロマンデル酸、R−o−クロロマンデル酸、S−o−クロロマンデル酸、S−o−ブロモマンデル酸、S−p−ブロモマンデル酸、S−m−ブロモマンデル酸、S−o−メチルマンデル酸、S−p−メチルマンデル酸、S−m−メチルマンデル酸、R−o−ブロモマンデル酸、R−p−ブロモマンデル酸、R−m−ブロモマンデル酸、R−o−メチルマンデル酸、R−p−メチルマンデル酸及びR−m−メチルマンデル酸である。
目的とするニトリラーゼ/ニトリルヒドラターゼ触媒反応のための出発化合物として、式(VI)のα−ヒドロキシニトリル:
Figure 0004551224
(式中、Rは、式(III)と同じ定義とする)
を用いる場合には、保存/貯蔵に用いられるアルデヒドは、水素シアン酸又はシアン化物との反応により前記αヒドロキシニトリルを生じる同じアルデヒドである、すなわち、基Rは式III及びIVにおいて同一のものが選択される。
保存及び/又は貯蔵に適した水性媒体中のアルデヒドの総濃度は、0.1〜100mM/l、好ましくは0.2〜50mM/l、特に好ましくは0.5〜10mM/l、非常に好ましくは0.3〜5mM/l、最も好ましくは0.4〜2mM/lである。
水性媒体は、中性、弱塩基又は弱酸性pHを有する。従って、pHは、pH6〜8、好ましくはpH6.5〜7.5の範囲にある。保存温度は、好ましくは0〜40℃、特に好ましくは1〜10℃、非常に好ましくは2〜5℃である。
本発明の方法は、実験室条件下及び製造条件下の両方で、酵素活性の長期間持続を確実にするのに極めて適していることが証明された。生体触媒は、37日の観察期間中全く不活性化を示さない。
本発明に関して、「微生物」とは、グラム陽性又はグラム陰性細菌を意味する。
エンテロバクテリア科のすべての属及び種、又は放線菌目の科、属及び種が好ましく、特に、エンテロバクテリア科のエッシェリヒア、セラチア、プロテウス、エンテロバクター、クレブシエラ、サルモネラ、シゲラ、エドワードシーラ、シトロバクター、モルガネラ、プロビデンシア及びエルシニアの種が非常に好ましい。
さらには、シュードモナス属、バークホルデリア属、ノカルジア属、アセトバクター属、グルコノバクター菌、コリネバクテリウム属、ブレビバクテリウム属、バチルス属、クロストリジウム属、シアノバクター属、スタフィロコッカス属、アエロバクター属、アルカリゲネス属、ロドコッカス属並びにペニシリウム属の種も好ましい。
最も好ましいのは、エッシェリヒア属の種、特に大腸菌(Escherichia coli)である。
本発明の方法に際し、微生物は、増殖、休止、固定化又は破砕された状態で存在することができる。「破砕された細胞」とは、例えば、溶剤での処理により透過性にされた細胞、例えば、酵素処理、機械的処理(例:フレンチプレス若しくは超音波)又は別の方法により開口させた細胞を意味する。このようにして得られる粗抽出物は、本発明の方法に有利に適している。部分的又は完全に精製した酵素調製物もまた本発明の方法に用いることができる。反応において有利に用いられる固定化微生物又は酵素も同様に好適である。固定化は、例えば、1種以上のアクリルモノマー(例:アクリルアミド、アクリル酸、メタクリルアミド、メタクリル酸、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジエチルアミノプロピルアクリルアミド若しくはジエチルアミノプロピルメタクリルアミド)、並びにまた、必要に応じて、1種以上の架橋剤(例:メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、1,2−ジヒドロキシエチレンビスアクリルアミド若しくはビスアクリルアミド酢酸)を細胞又は酵素調製物に添加した後、フリーラジカル重合(例えば、過硫酸アンモニウムにより開始される)を行うことにより、実施することができる。
異種細菌又は真菌による汚染を防ぐために、必要に応じて、抗菌又は殺菌効果のある好適な活性化合物又は他の塩(例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸)を保存/貯蔵溶液に添加することもできる。
本発明の方法に用いる微生物は、保存/貯蔵前に、これらの微生物が増殖可能な培地で培養することができる。この培地は、合成培地又は天然培地のいずれでもよい。生物に応じて、当業者に公知の培地を用いる。微生物を増殖させるために、使用する培地は、炭素源、窒素源、無機塩、並びに必要に応じて、少量のビタミン及び微量元素を含む。
有利な炭素源の例として、以下のものが挙げられる:ポリオール(例えば、グリセロール)、糖、例えば、単−、二−若しくは多糖(例:グルコース、フルクトース、マンノース、キシロース、ガラクトース、リボース、ソルボース、リブロース、ラクトース、マルトース、スクロース、ラフィノース、デンプン又はセルロース)、複合糖源(例えば、メラッセ(melasse))、糖リン酸(例:フルクトース−1,6−二リン酸)、糖アルコール(例:マンニトール)、アルコール(例:メタノール又はエタノール)、カルボン酸(例:クエン酸、乳酸若しくは酢酸)、脂肪(例:ダイズ油又はナタネ油)、アミノ酸、例えば、アミノ酸混合物(例:カザミノ酸(Difco))、又は個々のアミノ酸(例:グリシン又はアスパラギン酸)、あるいはアミノ糖(後者は、窒素源として同時に用いることも可能である)。特に好ましいのはポリオールであり、中でもグリセロールが好ましい。
有利な窒素源は、有機又は無機窒素化合物、あるいはこれらの化合物を含む材料である。例として、アンモニウム塩(例:NHCl又は(NHSO)、硝酸塩、尿素、若しくは複合窒素源(例:コーンスティープリカー)、ビール酵母自己分解物、ダイズミール、コムギグルテン、酵母抽出物、ペプトン、食肉抽出物、カゼイン加水分解物、酵母又はジャガイモタンパク質が挙げられ、これらは、窒素源として同時に用いられることも多い。
無機塩の例として、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、コバルト、モリブデン、マンガン、カリウム、亜鉛、銅及び鉄の塩がある。これら塩のアニオンとしては、塩素イオン、硫酸イオン及びリン酸イオンを挙げることができる。本発明の方法での生産性を高める上で重要な要因は、生産培地中のFe2+又はFe3+イオン濃度の制御である。
必要に応じて、その他の増殖因子(例えば、ビタミン)、又は増殖プロモーター(例えば、ビオチン、2−KLG、チアミン、葉酸、ニコチン酸、パントテン酸塩若しくはピリドキシン)、アミノ酸(例えば、アラニン、システイン、プロリン、アスパラギン酸、グルタミン、セリン、フェニルアラニン、オルニチン若しくはバリン)、カルボン酸(例えば、クエン酸、ギ酸、ピメリン酸若しくは乳酸)、あるいはジチオトレイトールのような物質を栄養培地に添加する。
上記栄養素を混合する比率は、発酵の種類に応じて変動し、各々のケースで指定される。培地成分は、必要であれば、別々に又は一緒に滅菌した後、発酵の開始時に全部導入するか、あるいは、その後の発酵中に、必要に応じて、連続的に又は非連続的に添加することができる。
培養条件は、生物が増殖して、得られる最高収率(例えば、発現させる組換えタンパク質の総活性により決定する)を達成できるように指定する。好ましい培養温度は、15℃〜40℃である。25℃〜37℃の温度が特に有利である。pHは3〜9の範囲に維持するのが好ましい。5〜8のpH値が特に有利である。一般に、数時間〜数日、好ましくは8時間〜21日、特に好ましくは4時間〜14日のインキュベーションが十分である。
当業者は、例えば、培地の有利な最適化について、応用微生物生理学のテキスト、“A Practical Approach(編集:PM Rhodes, PF Stanbury, IRL-Press, 1997, pp. 53-73, ISBN 0 19 963577 3)から情報を得ることができる。
保存/貯蔵の目的で、微生物培養の前、その間又は後に、アルデヒドを添加してもよい。従って、例えば、微生物をそれ以上分離することなく、発酵混合物にアルデヒドを添加することによって、活性の最大限の保存を達成することが可能である。
しかし、上記のように培養しておいた微生物細胞又は微生物を分離することも可能であり、分離は、例えば、培養培地からそれらを遠心分離し、任意により適当なバッファー(ホウ酸バッファー又はリン酸バッファー)で1回又は数回洗浄してから、保存/貯蔵の目的で、少なくとも1種のアルデヒドを含む水溶液中に溶解又は再懸濁させることにより実施する。少なくとも1種のアルデヒドを含む上記水溶液における微生物の濃度は任意に選択することができる。
本発明に関して用いられる微生物は、少なくとも1つのニトリルヒドラターゼ及び/又はニトリラーゼ活性を呈示する。
一般に、「ニトリルヒドラターゼ」活性は、以下に示すように、ニトリルに対する1モル当量の水の付加を触媒し、これによって対応するアミドを形成する特性を意味する:
R−CN + HO → R−CO−NH
その際、ニトリルヒドラターゼはECクラス4.2.1.84(ニトリルヒドラターゼ)の酵素を含むのが好ましい。
一般に、「ニトリラーゼ」活性は、以下に示すように、ニトリルに対する2モル当量の水の付加を触媒し、これによって対応するカルボン酸を形成する特性を意味する:
R−CN + 2HO → R−COOH−NH
ニトリラーゼは、好ましくは、ECクラス3.5.5.1(ニトリラーゼ)、3.5.5.2(リシニンニトリラーゼ)、3.5.5.4(シアノアラニンニトリラーゼ)、3.5.5.5(アリールアセトニトリラーゼ)、3.5.5.6(ブロモキシニルニトリラーゼ)並びに3.5.5.7(脂肪族ニトリラーゼ)を含む。
前記微生物細胞のニトリラーゼ及び/又はニトリルヒドラターゼ活性は、天然又は組換え体由来のものでよい。
これに関して、「天然由来の」とは、人為的作用によってもたらされる遺伝的変化を一切含まないそのままの微生物が、ニトリラーゼ及び/又はニトリルヒドラターゼ活性を呈示することを意味する。多数のこのような微生物が当業者に知られている。特に、ロドコッカス属及びゴルドナ属の微生物、例えば、ロドコッカスsp.HT40−6(FERM BP−5231)、ロドコッカス・ロドクラウスATCC33278、ロドコッカス・ロドクラウスJ−1(FERM BP−1478)、並びにゴルドナ・テラエ(Gordona terrae)MA−1(FERM BP−4535)(JP−A−4−222591、JP−B−6−55148、EP−A1 0 707 061)が好ましい。
これに関連し、「組換え体由来の」とは、ニトリラーゼ及び/又はニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素をコードするDNA配列を微生物から単離し、別の種の微生物において発現させることを意味する。ニトリラーゼ及び/又はニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素をコードする多数の配列が当業者に知られている。例として以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない:
1.アシドボラクス・ファシリス(Acidovorax facilis)ニトリラーゼ72W (Gavagan JEら(1999) Appl Microbiol Biotechnol 52:654-659)
2.アシネトバクターsp.AK226ニトリラーゼ(Yamamoto K及びKomatsu K (1991) Agric Biol Chem 55(6):1459-1466)
3.アシネトバクターsp.RFB1ニトリラーゼ(Finnegan Iら (1991) Appl Microbiol Biotechnol 36:142-144)
4.アルカリゲネス・フェカーリスATCC8750ニトリラーゼ(Yamamoto Kら (1991) Appl Environ Microbiol 57(10):3028-3032)
5.アルカリゲネス・フェカーリスJM3ニトリラーゼ(Nagasawa Tら (1990) Eur J Biochem 194:765-772)
6.アラビドプシス・タリアーナニトリラーゼ(NIT1/NIT2/NIT3)(Vorwerk S ら (2001) Planta 212:508-516)
7.アルスロバクターsp.J−1ニトリラーゼ(Bandyopadhyay AKら(1986) Appl Environ Microbiol 51(2):302-306)
8.バチルス・パリダス(Bacillus pallidus)Dac521ニトリラーゼ (Cramp Rら(1997) Microbiology 143:2313-2320)
9.コマモナスsp.NI1ニトリラーゼ(Cerbelaud Eら(1996) Ind Chem Libr 8:189-200)
10.コマモナス・テストステロニsp.ニトリラーゼ(Levy-Schil Sら (1995) Gene 161:15-20)
11.フザリウム・オキシスポラムf.sp.メロニスニトリラーゼ(Goldlust A及びBohak Z (1989) Biotechnol Appl Biochem 11:581-601)
12.フザリウム・ソラニニトリラーゼ(Harper BH (1977) Biochem J 167:685-692)
13.クレブシエラ・オザエナニトリラーゼ(McBride KEら(1986) Appl Environ Microbiol 52(2):325-330)
14.シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluoreszenz)DSM 7155ニトリラーゼ(Layh Nら(1998) J Mol Catal B: Enzym 5:467-474)
15.シュードモナスsp.ニトリラーゼ(Layh Nら(1992) Arch Microbiol 158:405-411)
16.シュードモナスsp.(S1)ニトリラーゼ(Dhillon Jら (1999) Can J Microbiol 45: 811-815)
17.シュードモナスsp.13 ニトリラーゼ(Yanase Hら(1982) Agric Biol Chem 46:2925)
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19.ロドコッカス・ロドクラウスK22ニトリラーゼ(Kobayashi Mら(1990) J Bacteriol 172(9):4807-4815)
20.ロドコッカス・ロドクラウスNCIB11215ニトリラーゼ(Harper BH (1985) Int J Biochem 17(6):677-683)
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23.ロドコッカスsp.ATCC39484ニトリラーゼ(Stevenson DEら (1992) Biotechnol Appl Biochem 15:283-302)。
好ましい実施形態では、ニトリラーゼは、以下からなる群より選択される核酸配列によりコードされるアミノ酸配列により示される:
a)配列番号1に記載の配列を有する核酸配列、
b)遺伝暗号の縮合により配列番号1に記載の核酸配列から誘導される核酸配列、
c)配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードし、アミノ酸レベルで少なくとも35%の相同性を示すと共に、少なくとも1つのニトリルを対応するカルボン酸に変換することができる、配列番号1に記載の核酸配列の誘導体。
組換えニトリラーゼ/ニトリルヒドラターゼの発現は、例えば、微生物に導入しておいた適当なDNA構築物を用いて実施することができる。DNA構築物はベクターであるのが好ましい。ベクターは、例えば、プラスミド、コスミド又はファージでありうる。組換え形態で発現させる核酸配列を含み、かつ、原核宿主細胞において自律複製が可能な環状プラスミドであるベクターが好ましい。ベクターの例として以下のものが挙げられる:
a)好ましくは、大腸菌におけるpQE70、pQE60及びpQE−9(QIAGEN, Inc.); pBluescriptベクター、Phagescriptベクター、pNH8A、pNH16a、pNH18A、 pNH46A(Stratagene Cloning Systems, Inc);ptrc99a、pKK223−3、pKK233−3、pDR540、pRIT5(Pharmacia Biotech, Inc.);pLG338、pACYC184、pBR322、pUC18、pUC19、pKC30、pRep4、pHS1、pHS2、pPLc236、pMBL24、pLG200、pUR290、pIN−III113−B1、λgt11若しくはpBdCI、
b)好ましくは、ストレプトミセス属におけるpIJ101、pIJ364、pIJ702若しくはpIJ361、
c)好ましくは、バチルス属におけるpUB110、pC194若しくはpBD214、
d)コリネバクテリウム属におけるpSA77若しくはpAJ667、
又は前記プラスミドの誘導体。これらのプラスミドは、使用可能なプラスミドのほんの一部の選択に過ぎない。その他のプラスミドは当業者にはよく知られており、例えば、書籍:Cloning Vectors(編集:Pouwels P. H.ら、Elsevier, Amsterdam-New York-Oxford, 1985, ISBN 0 444 904018)に記載されている。
DNA構築物は、発現させようとする少なくとも1つの核酸配列であって、ニトリラーゼ及び/又はニトリルヒドラターゼ活性を有する酵素をコードし、かつ、使用する特定の微生物で機能するプロモーターに機能的に連結した上記核酸配列を含む。
当業者には、微生物において機能する多数のプロモーターが知られており、そのような例として、cos、tac、trp、tet、lpp、lac、lacIq、T7、T5、T3、gal、trc、ara、rha、SP6、λ−PR若しくはλ−PLプロモーターのようなプロモーターを挙げることができる。大腸菌ラムノースオペロンプロモーター(rhaプロモーター)が特に好ましく、これはラムノースを添加することにより誘導することができる。
一般に、機能的連結とは、遺伝子制御配列(例えば、プロモーター)が、発現させようとする核酸配列に関してその機能を発揮することができるような配置を意味する。これに関連して、「機能」とは、例えば、核酸配列の発現の制御、すなわち、転写及び/又は翻訳の制御を意味する。これに関し、「制御」は、例えば、発現、すなわち転写及び場合に応じて翻訳、の開始、増強、調節又は抑制を包含する。機能的連結とは、例えば、調節エレメントの各々が、核酸配列の発現に関してその機能を果たすことができるように、プロモーター、発現させようとする核酸配列、また必要に応じてその他の調節エレメント(例えば、ターミネーター)の連続的配置を意味するものとする。当業者であれば、本発明のDNA構築物のいずれかを取得する多様な方法を熟知している。DNA構築物は、通常の組換え及びクローニング方法を用いて作製することができ、そのような方法は、例えば、以下の文献に記載されている:T Maniatis、EF Fritsch及びJ Sambrook, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY (1989);TJ Silhavy, ML Berman及びLW Enquist, Experiments with Gene Fusions, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY (1984);並びにAusubel, FMら、Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing Assoc. and Wiley Interscience (1987)。
前記DNA構築物は、別の機能的エレメントを含んでいてもよい。機能的エレメントという用語は、広く理解されているものであり、本発明のDNA構築物又は生物の発生、複製又は機能に対して影響を及ぼすあらゆる配列を意味する。例えば、機能的エレメントは、対応する宿主生物における転写、並びに場合に応じて翻訳を保証、増強、調節又は改変する。
機能的エレメントは、例えば、”Goeddel; Gene Expression Technology: Methods in Enzymology 185, Academic Press, San Diego, CA (1990)”又は”Gruber及びCrosby, in: Methods in Plant Molecular Biology and Biotechnology, CRC Press, Boca Raton, Florida, 編集:Glick及びThompson、第7章、89-108”、並びにこれらの刊行物に含まれる引用文献に記載されている。以下にさらに詳しく説明する宿主生物又は出発生物に応じて、様々な制御配列が適しており、発現カセット又はベクターの導入により、このような生物は、遺伝的に改変された生物又はトランスジェニック生物に変換される。
「遺伝子制御配列」は、例えば、遺伝子の5’非翻訳領域又は非コード3’領域を含む。加えて、「遺伝子制御配列」という用語は、シグナルペプチド配列からなる融合タンパク質をコードする配列を意味する。例として以下のものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
a)選択マーカー
選択マーカーは、概して、形質転換細胞を首尾よく選択し、かつ、時間経過による、及び細胞分裂中の、宿主細胞からのDNA構築物の喪失を防止するために必要である。このような喪失は、特に、発現させようとする核酸配列によりコードされる組換えタンパク質が原核生物に有毒な作用を及ぼす場合に起こりうる。発現構築物と一緒に導入される選択マーカーは、首尾よく形質転換された細胞に対して生物致死剤(例えば、アンピシリン、カナマイシン又はヒグロマイシンのような抗生物質)に対する耐性を賦与する。選択マーカーの例としては、以下のものが挙げられる:
−Amp(アンピシリン耐性;b−ラクタマーゼ)
−Cab(カルベニシリン耐性)
−Cam(クロラムフェニコール耐性)
−Kan(カナマイシン耐性)
−Rif(リファンピシン耐性)
−Tet(テトラサイクリン耐性)
−Zeo(ゼオシン耐性)
−Spec(スペクチノマイシン)
適量の抗生物質を用いることにより、選択圧を維持する。例として以下のものが挙げられる:アンピシリン、100mg/l、カルベニシリン、100mg/l、クロラムフェニコール、35mg/l、カナマイシン、30mg/l、リファンピシン、200mg/l、テトラサイクリン、12.5mg/l並びにスペクチノマイシン、50mg/l。
選択マーカーは、例えば、アミノ酸又はヌクレオチド合成における遺伝的欠失を補完することにより、対応して形質転換された宿主細胞を選択することができる遺伝子及び遺伝子産物をさらに含む。この目的のためには、中でも、前記のアミノ酸又はヌクレオチド構成ブロックを含まない培地を用いる。当業者はこのような多種の系を熟知している。例として、例えば、大腸菌株KC8(Clontech)に存在するように、トリプトファン(例:trpC)、ロイシン(例:leuB)及びヒスチジン(例:hisB)生合成の欠失が挙げられる。これらの欠失は、中でも、選択マーカーTRP1、Leu2及びHIS3により補完することができる。
b)転写ターミネーター
転写ターミネーターは、不要な転写を低減し、プラスミド及びmRNA安定性を増強する。
c)シャイン−ダルガーノ配列
シャイン−ダルガーノ(SD)配列は、翻訳を開始するのに必要であり、16SリボソームRNAの3’末端と相補的である。開始コドンでの翻訳の開始の効率は実際の配列に左右される。大腸菌に適したコンセンサス配列の例として、5’-TAAGGAGG-3’がある。これは、開始コドンの約4〜14ヌクレオチド上流に位置し、8ヌクレオチドが最適である。二次構造の形成(発現を低減する可能性がある)を防止するために、この領域はA/Tヌクレオチドが豊富であるのが好ましい。
d)開始コドン
開始コドンは、翻訳が開始される位置である。ATGは大腸菌で最も多く用いられる開始コドンであり、これに代わり、GTGを用いることもできる。
e)タグ及び融合タンパク質
比較的短いペプチド(タグ)又は他方のタンパク質(融合パートナー)を有する、発現させようとする組換えタンパク質のN又はC末端融合物が有利である。これらにより、例えば、発現、溶解度、検出可能性及び精製の改善を達成することができる。このような融合物と、発現及び精製後にタグ又は融合パートナーを除去することができるプロテアーゼ切断配列(例:トロンビン又は第X因子の場合)との組合せが好ましい。
f)マルチクローニング領域(マルチクローニング部位;MCS)により、1以上の核酸配列の挿入が可能及び容易になる。
g)停止コドン/翻訳ターミネーター
考えられる3つの停止コドンのうち、TAGおよびTGAを用いた場合、翻訳は全く終結していないのにリードスルーが起こりうることから、TAAが好ましい。信頼できる終結を確実にするため、いくつかの停止コドンの配列を用いてもよい。
h)リポーター遺伝子
リポーター遺伝子は、容易に定量可能なタンパク質をコードし、これらのタンパク質は、固有の色又は酵素活性により、形質転換の効率、発現レベル、並びに発現の部位又は時間を評価することができる。リポーター遺伝子は、例えば、以下のタンパク質をコードする:加水分解酵素、蛍光タンパク質、生物発光タンパク質、グルコシダーゼ又はペルオキシダーゼ。ルシフェラーゼ、βガラクトシダーゼ、βグルクロニダーゼ、緑色蛍光タンパク質、アセチルトランスフェラーゼ、ホスホトランスフェラーゼ及びアデニルトランスフェラーゼが好ましい(Schenborn E, Groskreutz D (1999) Mol Biotechnol 13(1):29-44も参照)。
形質転換微生物の作製には、対応する宿主細胞に、対応するDNA(例えば、本発明の発現カセット又はベクター)を導入する必要がある。形質転換と呼ばれるこの手順には、多数の方法が利用可能である(Keownら (1990) Methods in Enzymology 185:527-537も参照)。従って、DNAは、例えば、マイクロインジェクション若しくはエレクトロポレーション、又はDNAをコードする微粒子によるボンバードメント(パーティクルボンバードメントジーンキャノンを用いたパーティクルガン法)により、直接導入することができる。また、例えば、ポリエチレングリコールを用いて、細胞を化学的に透過性にし、DNAが拡散により細胞中に進入できるようにすることも可能である。DNAは、ミニセル、細胞、リソソーム若しくはリポソームのようなその他のDNA含有単位との融合により実施することもできる。電気的刺激により細胞を可逆的に透過性にするエレクトロポレーションも、DNAを挿入するのに適したもう1つの方法である。好ましい一般的方法として、リン酸カルシウム媒介形質転換、DEAEデキストラン媒介形質転換、カチオン脂質媒介形質転換、エレクトロポレーション、形質導入及び感染を挙げることができる。これらの方法は、当業者には周知であり、例えば、以下の文献に記載されている:Davisら、(1986) Basic Methods In Molecular Biology;Sambrook Jら、(1989) Molecular cloning: A laboratory manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press;Ausubel FMら、(1994) Current protocols in molecular biology, John Wiley and Sons;Glover DMら、(1995) DNA Cloning Vol.1, IRL Press ISBN 019-963476-9。
形質転換された細胞、すなわち、挿入されたDNAを含む細胞は、選択マーカーが、挿入DNAの一部を形成する場合、非形質転換細胞から選択することができる。前記のように様々な選択マーカーがある。
本発明はさらに、少なくとも1つのニトリルヒドラターゼ又はニトリラーゼ酵素活性を含む微生物の調製物に関し、この調製物は、以下のものを含む:
a)0.1〜100mM/lの範囲の総アルデヒド濃度をもたらす少なくとも1種のアルデヒド、及び
b)総濃度が、総アルデヒド濃度の10モル%以下である、ニトリル、シアン化水素酸及びシアン化塩からなる群より選択されるシアン化物の化合物。
特に好ましい実施形態では、本発明の調製物は上記シアン化物化合物の添加を全く含まない。
本発明はさらに、食料品、飼料、医薬品又はファインケミカルの製造のための、本発明の調製物の使用に関する。「ファインケミカル」とは、好ましくはタンパク質、酵素、ビタミン、アミノ酸、糖、脂肪酸、並びに天然及び合成調味剤、着香剤並びに色素を意味する。
本発明はさらに、本発明の微生物の調製物の1つを用いて、組換えタンパク質、酵素(好ましくは、ニトリラーゼ及び/又はニトリルヒドラターゼ活性)、あるいは、その他のファインケミカル、例えば、アミド又はカルボン酸(好ましくは、キラルカルボン酸及びアミド)を製造する方法、又はその調製物に関する。
本発明の好ましい部分は、カルボン酸及び/又はアミド(好ましくは、キラルカルボン酸/アミド)を製造する方法であって、以下のステップ:
a)少なくとも1つのニトリルヒドラターゼ又はニトリラーゼ酵素活性を有する微生物を培養するステップ、
b)少なくとも1種のアルデヒドを添加するステップであって、総アルデヒド濃度が0.1〜100mM/lの範囲であるステップ、
c)前記微生物のアルデヒド処理調製物を少なくとも1種のニトリルと接触させ、このニトリルをカルボン酸及び/又はアミドに変換させるステップ
を含む方法に関する。
好ましい実施形態では、微生物の調製物は、アルデヒドの添加と共に、総アルデヒド濃度の10モル%以下である濃度で、ニトリル、シアン化水素酸及びシアン化塩からなる群より選択されるシアン化物の化合物を含む。特に好ましい実施形態では、前記調製物は、シアン化物化合物の添加を一切含まない。さらに好ましい実施形態では、調製物は、アルデヒドの添加(ステップb)後、反応ステップc)で用いるまで貯蔵することができる。本発明の方法は、バッチ方式又は供給バッチ方式で連続的又は非連続的に実施することができる。この場合、微生物の調製物と、基質としてのラセミニトリルを後に添加してもよい。
反応の実施及び/又は生成物の精製などに関する詳細は、例えば、WO00/23577号に記載されている。この文献に記載されている出発化合物、生成物、並びに方法に関するパラメーターは、本明細書に参照としてその全体を組み込むものとする。
別の好ましい実施形態では、酵素、特にニトリラーゼ及び/又はニトリルヒドラターゼを安定化、保存及び/又は貯蔵するための他の方法と、前記方法を組み合わせることができる。これらの方法は、限定するものではないが、例えば、以下のステップを含む:
a)少なくとも100mM、好ましくは300〜700mMの濃度で、少なくとも1種の無機塩(好ましくは、リン酸塩、ホウ酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩及び塩酸塩からなる群より選択される)を添加するステップ;
b)ニトリラーゼ及び/又はニトリルヒドラターゼ補欠分子族として機能する金属カチオンを有する金属塩(例:塩化コバルト又は硫酸鉄)を添加するステップ;
c)ニトリル(例:ベンゾニトリル、イソブチロニトリル若しくはスクシノニトリル)及び/又はアミド(s−カプロラクタム、イソブチルアミド若しくはプロピオンアミド)を添加するステップ。
別途記載のない限り、クローニング、制限切断、アガロースゲル電気泳動、DNA断片の結合、微生物の形質転換、細菌の増殖、並びに組換えDNA配列の分析をSambrookら、 (1989)(Cold Spring Harbor Laboratory Press: ISBN 0-87969-309-6)等の一般的な核酸の方法に記載されているように実施した。ABIレーザー蛍光DNAシークエンサーを用いて、サンガー(Sanger)法(Sangerら、(1977) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 74:5463-5467)により組換えDNA分子の配列決定を実施した。 発現させようとする構築物におけるポリメラーゼの誤りを防止するために、ポリメラーゼ連鎖反応により得られた断片を配列決定して、確認した。
ニトリラーゼ活性を有する細胞の作製
大腸菌株(TG10 pDHE1650 pAgro4 pHSG575)を20lの生物反応器で発酵させた。10lの作業容量を含むこの反応器に、振盪器付きフラスコから200mlの前培養物を接種した。前培養培地は、主要培養培地と一致する。
培地:
40gの99.5%グリセロール
15gのトリプトン
13.3gのリン酸二水素カリウム
5gの酵母エキス
4gのリン酸水素二アンモニウム
1.7gのクエン酸
1.1gの硫酸マグネシウム七水和物
1mlのSL Korz 1000C微量元素溶液
0.1mlのTego KS911消泡剤
0.062gの硫酸鉄(II)七水和物
10mgの塩酸チアミン
1lになるよう脱イオン水を添加する
培地を121℃で30分滅菌する。次に、0.1gのアンピシリンを滅菌条件下で添加する。
微量元素溶液
クエン酸*H20 20g
塩化コバルト(II)六塩化物 CoCl*6HO 2.5g
塩化マンガン(II)四塩化物 MnCl*4HO 3.0g
塩化銅(II)二水和物 CuCl*2HO 0.3g
ホウ酸 HBO 0.6g
モリブデン酸ナトリウム二水和物 NaMoO*2HO 0.5g
酢酸亜鉛脱水和物(dehydrate) Zn(CHCOO)*2HO 2.6g
1lになるよう脱イオンHOを添加する
グリセロール供給溶液
2lの脱イオン水
211gの硫酸ナトリウム
13.6gの硫酸鉄(II)七水和物
8.8kgの99.5%グリセロール
220mlの微量元素溶液
ラムノース供給溶液
703gの脱イオン水
297gのラムノース一水和物
37℃の温度で発酵を実施する。攪拌器の回転速度を400〜1500l/分に調節しながら、ガス抜きを8〜30l/分に調節することにより、pOを20%以上に維持する。1時間の発酵時間後、IPTG(0.15mM)を用いて培養を誘導する。次に、18.5gのラムノース供給溶液を添加する。最初に導入した量のグリセロールが消費されたら、グリセロールを連続的に供給する。44時間にわたる発酵時間の後、1l当たり50gDBM及び1l当たり50〜60kUの細胞懸濁液を得る。前記細胞を4℃まで冷却する。
活性試験
50μlの細胞懸濁液をピペットで880μlのリン酸ナトリウムカリウムバッファー(10mM)へと移し、全体を30℃で平衡化させる。20μlのマンデロニトリルのメタノール溶液(12%)を添加することにより、反応を開始する。10分後、50μlの1M HCを添加することにより、酵素反応を停止させる。細胞塊を遠心して分離し、上清中のマンデル酸の濃度をHPLC(ODS Hypersil 100*2.0mm、移動相:75%HPO(14.8mM)/25%メタノール;流速:0.5ml/分;注入量:2μl;カラム温度:40℃;検出:210nm;マンデル酸滞留時間:0.9分)により測定する。
ベンズアルデヒドを用いた貯蔵
発酵終了から14時間後、NaOH又はHSOで細胞懸濁液のpHを6.0、6.6若しくは7.2に調節した後、ベンズアルデヒドで処理した。サンプルを4℃又は22℃で貯蔵した。発酵終了から0.6日、3.6日及び6.6日後、酵素活性を測定した。
Figure 0004551224
CBAを用いた貯蔵
発酵終了から14時間後、NaOH又はHSOで細胞懸濁液のpHを6.0、6.6若しくは7.2に調節した後、2−クロロベンズアルデヒドで処理した。サンプルを4℃又は22℃で貯蔵した。発酵終了から0.6日、3.6日及び6.6日後、酵素活性を測定した。
Figure 0004551224
長期貯蔵
細胞懸濁液をpH6.6に調節した後、2-クロロベンズアルデヒドを1.35mMの濃度まで添加してから、細胞懸濁液を4℃で保存した。活性の推移を図2に示す。
(R)−マンデル酸の製造のためのニトリラーゼの貯蔵安定性を示す。20日(d)までの期間にわたり、アルデヒドを添加していない(比較実験)、大腸菌発現ニトリラーゼの3つの独立した調製物の活性(A;初期活性の%で表す)の低下を示す。 (R)−マンデル酸の製造のためのニトリラーゼの貯蔵安定性を示す。2−クロロベンズアルデヒドを添加した同様の別の調製物(黒丸)と比較した、2−クロロベンズアルデヒドを添加しない大腸菌発現ニトリラーゼの調製物(白丸)の活性(A;初期活性の%で表す)の低下を示す。この図は、32日(d)までの期間(t)を示す。

Claims (6)

  1. 少なくとも1つのニトリラーゼ酵素活性を示す微生物を保存及び/又は貯蔵する方法であって、保存及び/又は貯蔵が、0.1〜100mM/lの範囲の総アルデヒド濃度で少なくとも1種のアルデヒドを含む水性媒体中で行われ、該水性媒体が、シアン化物化合物の添加を全く含まないものである、上記方法。
  2. アルデヒドが、式III:
    Figure 0004551224
    (式中、Rは、置換又は非置換の、分枝鎖又は非分枝鎖のC1−C10−アルキル又はC2−C10−アルケニル、あるいは置換又は非置換のアリール又はヘタリールでありうる)
    により表される、請求項1に記載の方法。
  3. 細胞により触媒される反応の反応物質で該細胞を処理する前に保存ステップを実施する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. アルデヒドが、非置換ベンズアルデヒド及び置換ベンズアルデヒドからなる群より選択される、請求項に記載の方法。
  5. 微生物が、エンテロバクテリア科又はノカルジア科の種から選択される、請求項に記載の方法。
  6. 微生物が、シュードモナス属、バークホルデリア属、ノカルジア属、アセトバクター属、グルコノバクター属、コリネバクテリウム属、ブレビバクテリウム属、バチルス属、クロストリジウム属、シアノバクター属、スタフィロコッカス属、アエロバクター属、アルカリゲネス属、ロドコッカス属及びペニシリウム属からなる群より選択される、請求項に記載の方法。
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