JP4551182B2 - 増設梁の接合構造 - Google Patents

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Description

本発明は、既存建物の補強を目的とした増設梁の、端部における躯体との接合構造に関する。
耐震診断の結果、耐震性が不十分であると判断された場合や、用途変更により積載荷重が増えた場合の既存建物に対する補強方法の一つとして、既存建物の梁の周囲に鉄筋コンクリート梁を増設して、既存の梁の耐力を大きくすることにより、耐震性を改善する補強法が実用化されている。なお、以下において、既存の梁の周囲に増設される鉄筋コンクリート梁を「増設梁」と称する場合がある。
このような梁の補強構造では、増設梁の主筋を既存の建物に定着させることにより、端部の固定度が上がり、ピン接合で設計する場合よりも剛性や曲げ耐力が増加する。そのため、増設梁の主筋は、既存躯体を構成する柱や梁等にあと施工アンカーを打設して定着させる方法が一般的である。
接着系のアンカーの場合は、既存建物の躯体を構成する柱や梁や壁等の部材に、アンカー鉄筋を挿入するための孔(鉄筋径の10倍程度の深さ)を穿孔して、充填材とともに増設梁の主筋をこの鉄筋挿入孔に挿入して固定することで定着を可能としている。
例えば、特許文献1には、先端に向かって大径となるコーン形状に形成された拡張部材を備えた異形鉄筋を、コンクリート躯体に開けられた底部に拡幅部を有する挿入孔に挿入し、充填材により充填することにより、異型鉄筋の引抜き耐力を増強して定着させるコンクリート構造物接合体が記載されている。
特開2004−116128号公報([0011]−[0016]、図1−図2)
ところが、耐震補強が必要と判断された既存建物の躯体はコンクリート強度が低い場合や、寸法(幅、厚み)が小さいことが多い。特に躯体の両側に当該コンクリート躯体と直交する方向に増設梁を設ける場合は、主筋の定着長を確保するのに必要な厚みを有していない場合が多く、対向するアンカー筋の位置をずらしたり、主筋径を落として本数を増やしたりして対処しなければならなかった。
また、主筋の先端に拡張部材を設け、底部に拡幅部が設けられた挿入孔に定着させる方法でも、躯体のコンクリート強度が低い場合には鉄筋の降伏以前に定着部でコーン破壊が生じる可能性があり、増設梁の曲げ耐力や端部の固定度が特定できないことがある。
本発明は、前記の問題点を解決するためになされたものであり、積載荷重の増大や耐震補強の一手段として、躯体と一体的に構築される増設梁の主筋の定着を確実にして既存建物の耐力を向上させる、増設梁の接合構造に関する。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
既存建物を補強する増設梁の接合構造であって、前記増設梁の主筋が、前記既存建物の躯体に穿孔した鉄筋挿通孔を貫通して配筋され、前記鉄筋挿通孔を貫通した主筋のうち上端主筋および下端主筋の少なくとも一方が、前記増設梁と直交する方向に設けられた直交増設梁の内部において定着されていることを特徴としている。
かかる増設梁の接合構造は、強度や剛性が不十分であると判断された既存建物について増設梁による補強を行う場合において、増設梁の主筋が既存建物の躯体を貫通して、該躯体の増設梁が当接している面と反対側の面においてこの主筋が固定されることにより、増設梁と躯体とを一体化するとともに、端部の固定度を既存架構と同程度にするものである。つまり、柱、梁や壁等の躯体の部材寸法が小さく、増設される増設梁の主筋の定着長を確保できない場合でも、増設梁を両端固定として躯体と一体化することが可能となり、既存建物の耐力や剛性を確実に高めることが可能となる。また、主筋の定着は、既存の躯体を貫通してその反対側において行われているため、アンカー筋を打設する方法のように、コーン破壊による主筋の引抜け(定着破壊)が生じることがない。
ここで、本発明に係る増設梁の主筋の定着は、主筋が既存建物の躯体を構成する梁、柱、壁等の部材に固定されて設計耐力を発揮できる状態であって、ピン接合以外の半固定も含む。
かかる増設梁の接合構造は、既存建物の躯体を貫通した主筋を、当該増設梁が当接された面と反対側の面においてこの増設梁と直交する方向に構築された増設梁(以下、本明細書において「直交増設梁」という場合がある)に定着することにより、確実かつ簡易に増設梁の既存建物への接合を行うことが可能となる。ここで、主筋の定着は、直交増設梁の内部で折曲げ定着により所定の定着長を確保する方法、または、固定手段を介して直交増設梁の側面にて行う方法により行うものとする。
また、請求項に記載の発明は、既存建物を補強する増設梁の接合構造であって、前記増設梁が、前記既存建物の躯体を構成する梁を挟んで両側にそれぞれ増設されており、一方の増設梁の主筋のうち少なくとも上端主筋または下端主筋の一方が、前記梁に穿孔した鉄筋挿通孔を貫通して配筋され、他方の増設梁の内部において定着されていることを特徴としている。
かかる増設梁の接合構造によれば、単純な配筋で主筋の定着を互いに確保することができるため、梁の剛性・耐力の大幅な向上や、太径鉄筋の使用が可能となり好適である。
また、本発明の増設梁の接合構造を備えた既存建物の補強方法は、増設梁の端部が接合される前記既存建物の躯体に、前記増設梁の主筋が貫通する鉄筋挿通孔を穿孔する穿孔工程と、前記鉄筋挿通孔を利用して増設梁の配筋を行う配筋工程と、前記増設梁の断面に合せて型枠を設置する型枠工程と、前記型枠内にコンクリートまたはモルタルを充填する充填工程と、を含んでいればよい
かかる既存建物の補強方法は、柱や梁、壁等の躯体に鉄筋を挿通させて躯体の外部で定着することにより、部材断面やコンクリート強度の制約を受けてあと施工アンカーでは主筋の定着を確保できない場合でも、躯体の耐力や剛性の増強を可能にする。つまり、主筋の定着が不確実な躯体の内部にアンカー筋を打設するのではなく、躯体を貫通させて当該躯体の外側において、そこに設けられた他の部材に主筋を定着することにより増設梁主筋の降伏を保証し、端部の固定をより強固にして効率的に補強することができる。
また、既存建物の躯体を貫通した増設梁の主筋を、躯体の増設梁を当接させた反対側の面において固定手段を介して機械的に固定すれば、主筋の定着が確実になって端部の固定度も上がり、躯体と増設梁との一体化を簡易に行うことができて好適である。
本発明の増設梁の接合構造および既存建物の補強方法により、積載荷重の増大や、耐震性が不十分であると判断された建物に対して、増設梁の主筋を躯体に確実に定着させて、既存建物の剛性や耐力を向上させることが可能となる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
<第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態(以下、単に「第1実施形態」という場合がある)に係る既存建物の補強方法により補強がなされた建物を示す断面図である。また、図2は、図1のA部分の増設梁の接合構造を示す拡大図であり、(a)は平断面図、(b)は(a)のa−a断面、(c)は(a)のb−b断面を示している。さらに、図3は、図1のB部分の増設梁の接合構造を示す拡大図であり、(a)は平断面図、(b)は(a)のc−c断面、(c)は(a)のd−d断面を示している。
第1実施形態に係る増設梁の接合構造(第一接合構造1及び第二接合構造2)は、図1に示すように、その横断方向(図1における左右方向)に、所定の間隔を有して立設された3本の既存柱21と各既存柱21の間に横設された既存梁22(図2又は図3参照)と既存梁22の上面に配設されて上層階と下層階とを区分するスラブ23とを含む既存建物20について、その耐震性を増強するために、既存梁22の周囲に、増設梁10を構築したものであるが、本発明の増設梁の接合構造が適用される既存建物の規模は限定されるものではない。
第一接合構造1及び第二接合構造2は、所定の間隔を有して配設された3本の既存柱21から、増設梁10と直交する方向(図1において紙面に直交する方向)に配設された既存梁(請求項の躯体)22に両端が接合された増設梁10を構築して既存建物20を補強する構造であって、増設梁10の主筋11のうち、少なくとも上端主筋(主筋11)が、各既存梁22を貫通して配筋されて、既存梁22の内部では定着されていない。
そして、両端の既存柱21a,21aに固定された既存梁(以下「端部既存梁」という場合がある)22aの増設梁10の端部が当接されている面と反対側の面には、端部既存梁22aを貫通した主筋11をプレート定着するための固定手段12が配設され、既存梁22の外部で定着を確保している(第一接合構造1)。
また、中央の既存柱21bに固定された既存梁(以下「中央既存梁」という場合がある)22bには、該中央既存梁22bを挟んで両側にそれぞれ増設梁10の端部が当接されており、これらの2本の増設梁10,10が、中央既存梁22bを貫通する上端主筋(主筋11)と中央既存梁22bの下を通設する下端主筋(主筋11)とを介して構築されている(第二接合構造2)。
以下、第1実施形態について、詳細に説明する。
両端の既存柱21a,21aにおける第一接合構造1は、図2(a)及び図2(b)に示すように、端部既存梁22aの増設梁10の主筋11に対応する位置に鉄筋挿通孔30が貫通されており、主筋11の挿通を可能としている。なお、第1実施形態では、増設梁10は、それぞれ4本の主筋11がその長手方向に配筋されているものとする(図2(c)参照)。そして、端部既存梁22aの増設梁10の端部が当接された面と反対側の面には、所定の厚みを有し、増設梁10の断面形状と略同形状の矩形状の鋼板からなる固定板12aと、ナット12bとからなる固定手段12が配設されている。ここで、固定板12aには、端部既存梁22aの鉄筋挿通孔30に対応する位置に鉄筋挿通孔(図示せず)が貫通されており、主筋11が挿通可能に形成されている。なお、第1実施形態では、1枚の固定板12aにより増設梁10の全主筋11,11,…を固定するものとする。ここで、固定板12aは、所定の強度を有し、主筋11の固定が可能であれば鋼板に限定されるものではない。
そして、増設梁10の端部から突出された主筋11は、端部既存梁22aの鉄筋挿通孔30と固定板12aの鉄筋挿通孔を挿通した後、ナット12bにより締着されている。ここで、主筋11はネジ鉄筋からなり、ナット12bは主筋11のネジ山に対応したネジ加工がなされたものを使用する。なお、主筋11は、ネジ鉄筋に限定されるものではなく、例えば、通常の丸鋼棒や異形鋼棒の先端にネジ加工を施したものや、通常の丸鋼棒や異形鋼棒の先端にネジ部を固定したものを使用してもよい。
また、中央既存梁22bにおける第二接合構造2は、図3(a)及び(b)に示すように、中央既存梁22bに、増設梁10の上端主筋(主筋11)に対応する位置に鉄筋挿通孔30がそれぞれ2本貫通されており、上端主筋(主筋11)の挿通を可能としている。また、下端主筋(主筋11)は、図3(b)に示すように、中央既存梁22bの下方を通設されている。そして、既存柱21bを挟んで相対する方向に、増設梁10,10が横設されており、両増設梁10,10は、中央既存梁22bを挿通および中央既存梁22bの下方を通設した、主筋11によって端部の定着を確保し、正負両方の曲げモーメントに抵抗することができる。
なお、主筋11は、既存梁22を貫通して又はその下を通設して、その反対側に配設された増設梁10のコンクリート又は固定手段12によって定着されているため、鉄筋挿通孔30内において定着する必要はないが、気密性等を目的として、必要に応じて鉄筋挿通孔30の充填を行う場合もある。
次に、第1実施形態に係る、既存建物の補強方法について説明する。
第1実施形態に係る既存建物の補強方法は、増設梁10が接合される既存梁22に、鉄筋挿通孔30を穿孔する穿孔工程と、この鉄筋挿通孔30を利用して増設梁10の配筋を行う配筋工程と、増設梁10の断面に合せて型枠を設置する型枠工程と、型枠内にコンクリートを充填する充填工程とから構成されている。
穿孔工程においては、既存梁22の増設梁10の主筋11に対応する位置に、インパクトドリル、ロータリーハンマドリル、コアドリル等の公知の穿孔手段を用いて、断面円形の鉄筋挿通孔30を貫通させる。ここで、鉄筋挿通孔30の内径は、主筋11の鉄筋径に若干の余裕を有した形状とする。なお、鉄筋挿通孔30の形状は円形に限定されるものではなく、例えば、四角形状に形成してもよい。なお、この場合には、鉄筋挿通孔30の高さ及び幅が、主筋11の鉄筋径よりも若干大きく形成されるものとする。
配筋工程では、主筋11を既存梁22に形成された鉄筋挿通孔30に挿通させて肋筋11a(図2(c)および図3(c)参照)を配筋することにより行う。第1実施形態における主筋11は、図1に示すように、既存梁22,22,22の間を横設する2本の増設梁10について、同一の連続した主筋11を配筋するものとする。ここで、増設梁10の配筋は、前記の構成に限定されるものではなく、例えば、増設梁10の主筋11をそれぞれ既存建物20の既存梁(躯体)22に定着することにより、各増設梁10がそれぞれ個別の主筋11を有する構成としてもよい。また、増設梁10,10の主筋11は、図1に示すように、任意の長さの鉄筋を重ね継手により延長することで、同一の連続した主筋11を使用するものとしたが、継手の箇所数等は既存建物の規模や使用する鉄筋の径等に応じて適宜設定するものとする。また、既存建物の規模や施工の手間等に応じて、継手を設けない1本の主筋11をスパンを跨いで通しで配筋する構成としてもよい。
接合構造1においては、それぞれ端部既存梁22a,22aの増設梁10,10が接合される面と反対側の面において、鉄筋挿通孔30に対応する位置に配設された固定手段12を介して増設梁10,10の主筋11を定着する。
ここで、主筋11の端部は、固定板12aとナット12bとにより固定するものとし、一つの増設梁10の4本の主筋11,11,…に対して、1枚の固定板12aと4個のナット12b,12b,…により締着する(図2(c)参照)。
配筋終了後、増設梁10の主筋11および肋筋11aを囲う型枠(図示せず)を配設した後(型枠工程)、コンクリートを型枠内に打設する(充填工程)。なお、コンクリートの打設のタイミングは限定されるものではなく、例えば、増設梁10の配筋作業が全て完了した後にコンクリート打設を行う方法でもよく、また、図1における右側の増設梁10の配筋が完了したら、左側の増設梁10の配筋作業を行うとともに右側の増設梁10のコンクリート打設を行う方法でもよい。また、型枠内に充填される材料は、コンクリート以外に、充填性の優れたグラウト材やモルタル等を使用してもよい。
以上に示した増設梁の接合構造によれば、耐震性が不十分であると判断された場合や、用途変更により積載荷重が増えた既存建物に対する補強方法の一つとして、既存建物20の既存柱21が増設梁10の主筋11を定着させるために必要な寸法や強度を有していない場合であっても、既存建物20と増設梁10との一体化を確実に行うことができる。
つまり、増設梁10の主筋11を既存梁22を貫通させて、既存梁22の反対側の面において定着することにより、確実に端部の固定度を高めてより大きな曲げモーメントを負担することが可能となる。
また、第一接合構造1では、固定手段12を用いて既存梁22を貫通した主筋11を簡易に固定するため、作業性に優れており、施工期間の短縮が可能となる。
また、一本の既存梁22を挟んで該既存梁22に直交する方向に増設梁10,10を接合する第二接合構造2は、同一の連続した主筋11,11,…を共有することにより、それぞれ個別に主筋11を固定(定着)させる必要がなく、その作業に要する手間や、材料を省略することができ、施工性、経済性に優れている。
また、前記実施形態に係る増設梁の接合構造(第一接合構造1、第二接合構造2)によれば、増設梁10の主筋11を既存梁22の断面内において個々に定着させるのではなく、既存柱21を貫通させて、その反対側の部材(固定手段12又は増設梁10)に定着するため、端部で主筋が降伏した場合でも、降伏域は固定手段12や増設梁10まで進展しないため、定着は終局まで確実に保持される。
<第2の実施の形態>
図4は、第2の実施の形態(以下、単に「第2実施形態」という場合がある)に係る増設梁の接合構造を示す図であり、(a)は平断面図、(b)は(a)のe−e断面を示している。
第2実施形態に係る増設梁の接合構造は、図4(a)に示すように、増設梁10を既存梁22の周囲に構築する場合において、当該増設梁10を接合する既存梁22の周囲にも直交増設梁10’が構築されているものである。
そのため、増設梁10は、図4(a)及び(b)に示すように、鉄筋挿通孔30を貫通した主筋11が、増設梁10と直交する方向に設けられた直交増設梁10’に定着されることにより、既存梁22に接続されている。
なお、直交増設梁10’,10’は、既存梁22を挟んで構築されており、同一の連続した主筋11,11,…を共有することにより、接続されている。
図4(a)及び(b)に示すように、増設梁10には、その横断方向に2本の主筋11,11が上下に2段、計4本の主筋11,11,…が軸方向に配筋されている。そして、これらの主筋11,11,…は、鉄筋挿通孔30を貫通して、既存梁22に反対側に構築された直交増設梁10’に定着されている。
ここで、増設梁10の上端主筋(主筋11)は、図4(b)に示すように、鉄筋挿通孔30を貫通した後、直交増設梁10’の側面において固定手段12により定着されている。そして、下端主筋(主筋11)は、鉄筋挿通孔30を貫通した後、直交増設梁10’の内部において、折り曲げられることにより、所定の定着長を確保して、定着されている。なお、上端主筋及び下端主筋(主筋11,11)の定着方法は、上記の方法に限定されるものではなく、全主筋11,11,…について固定手段12を介して行う方法、全主筋11,11,…を折り曲げて直交増設梁10’内で定着させる方法、また、下端主筋を固定手段12により定着、上端主筋を直交増設梁11’内において定着させる方法等、適宜既存建物及び直交増設梁の規模や構成、作業手順等に応じて決定すればよい。
次に、第2実施形態に係る、既存建物の補強方法について説明する。
第2実施形態に係る既存建物の補強方法は、増設梁10が接合される既存梁22及び直交増設梁10’が接合される既存梁22に、鉄筋挿通孔30を穿孔する穿孔工程と、この鉄筋挿通孔30を利用して増設梁10及び直交増設梁10’の配筋を行う配筋工程と、増設梁10及び直交増設梁10’の断面に合せて型枠を設置する型枠工程と、型枠内にコンクリートを充填する充填工程とから構成されている。
穿孔工程では、既存梁22の増設梁10の主筋11に対応する位置に、穿孔手段を用いて、断面円形の鉄筋挿通孔30を貫通させる。この際、鉄筋挿通孔30は、増設梁10と直交増設梁10’との配筋がお互いに干渉することがないようにする。
なお、その他の第2実施形態に係る穿孔工程の内容は、第1実施形態に示したものと同様なため、詳細な説明は省略する。
配筋工程では、主筋11を既存梁22に形成された鉄筋挿通孔30に挿通させて肋筋11aを配筋することにより行う。なお、増設梁10の下端主筋(主筋11)は、既存躯体と直交増設梁10’の内部において必要な定着長が確保できるように、一端を折り曲げた鉄筋を挿通させる。また、増設梁10の上端主筋(主筋11)は、鉄筋挿通孔30を貫通した後、直交増設梁10’を貫通して固定手段12により固定が可能な長さを有して配筋する。
その他の配筋工程の内容は、第1実施形態で示したものと同様なため、詳細な説明は省略する。
そして、配筋工程により配筋された増設梁10及び直交増設梁10’の主筋11および肋筋11aの周囲に、型枠(図示せず)を配設した後(型枠工程)、コンクリートを型枠内に打設する(充填工程)。そして、コンクリートの養生が完了したら、型枠を取り外して、固定手段12のナット12bを締め付けて、主鉄筋11の定着を完了させる。
以上に示した第2実施形態に係る増設梁の接合構造による作用効果は、第1実施形態で示したものと同様であるため、詳細な説明は省略する。
以上、本発明について、好適な実施形態について説明したが、本発明は前記の実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
第1実施形態では、増設梁を既存梁に接合する構成としたが、例えば、図および図に示すように、増設梁10の主筋を既存柱21a、21bに貫通させて、接合する構成としてもよく、増設梁を接合する既存建物の躯体は限定されるものではない。また、増設梁を既存建物の壁に接合してもよいことはいうまでもない。
第1実施形態では、中央既存梁を挟む増設梁の上端主筋が同一の鉄筋からなり、中央既存梁を貫通する構成としたが、中央既存梁を挟む増設梁がそれぞれ個別の上端主筋を有して、それぞれ中央既存梁に定着されている構成としてもよい。
また、第1実施形態では、上端主筋のみが中央既存梁を貫通する構成としたが、全主筋が中央既存梁を貫通する構成としてもよく、増設梁の配筋は、既存梁の断面形状に応じて適宜設定すればよい。
ずれ止筋やアンカー等を必要に応じて増設梁と既存梁との間に所定の間隔で配設することにより、増設梁と既存梁との一体化をより効果的に行い得ることはいうまでもない。
前記各実施形態では、部材寸法が小さく、増設梁の主筋の定着長が確保できない場合に、本発明の増設梁の接合構造を適用するものとしたが、定着長を確保することが可能な部材厚を有した躯体からなる既存建物について、本発明の第二接合構造を適用することにより、それぞれ個別に行う主筋の固定作業を省略して、施工期間の短縮を図ってもよい。
また、主筋の端部をナットにより締着することで固定する構成としたが例えば、固定板の鉄筋挿通孔から突出した主筋の先端部を、固定板に溶接して固定してもよい。
固定手段として、矩形状の固定板を使用するものとしたが、固定板の形状は問わない。また、前記各実施形態では、1枚の固定板によって複数の主筋を固定する構成としたが、例えば主筋ごとに固定板を配設してもよく、固定手段の構成は限定されるものではない。
また、既存柱を挟んで増設梁を構築する場合に、該既存柱を貫通した主筋を共有する構成としたが、これに限定されるものではなく、それぞれ、主筋を個別に配筋して、それぞれ既存柱に固定手段を介して定着する構成としてもよい。
さらに、前記各実施形態に示した各増設梁の接合構造は、対象となる既存建物の構造や要求性能等に応じて、適宜組み合わせて使用されることはいうまでもない。
第1の実施の形態に係る既存建物の補強方法により補強がなされた建物を示す断面図である。 図1のA部分の接合構造を示す拡大図であり、(a)は平断面図、(b)は(a)のa−a断面、(c)は(a)のb−b断面を示している。 図1のB部分の接合構造を示す拡大図であり、(a)は平断面図、(b)は(a)のc−c断面、(c)は(a)のd−d断面を示している。 第2の実施の形態に係る増設梁の接合構造を示す図であり、(a)は平断面図、(b)は(a)のe−e断面を示している。 その他の実施形態の第一接合構造を示す図であり、(a)は平断面図、(b)は(a)のa−a断面、(c)は(a)のb−b断面を示している。 その他の実施形態の第二接合構造を示す図であり、(a)は平断面図、(b)は(a)のc−c断面を示している。
符号の説明
1 第一接合構造(増設梁の接合構造)
2 第二接合構造(増設梁の接合構造)
10 増設梁
11 主筋
12 固定手段
20 既存建物
21 既存柱
22 既存梁(躯体)
23 スラブ
30 鉄筋挿入孔

Claims (2)

  1. 既存建物を補強する増設梁の接合構造であって、
    前記増設梁の主筋が、前記既存建物の躯体に穿孔した鉄筋挿通孔を貫通して配筋され、
    前記鉄筋挿通孔を貫通した主筋のうち上端主筋および下端主筋の少なくとも一方が、前記増設梁と直交する方向に設けられた直交増設梁の内部において定着されていることを特徴とする、増設梁の接合構造。
  2. 既存建物を補強する増設梁の接合構造であって、
    前記増設梁が、前記既存建物の躯体を構成する梁を挟んで両側にそれぞれ増設されており、
    一方の増設梁の主筋のうち少なくとも上端主筋または下端主筋の一方が、前記梁に穿孔した鉄筋挿通孔を貫通して配筋され、他方の増設梁の内部において定着されていることを特徴とする、増設梁の接合構造。
JP2004313786A 2004-10-28 2004-10-28 増設梁の接合構造 Expired - Fee Related JP4551182B2 (ja)

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