JP4548898B2 - 真空用ステ−ジ機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子ビ−ムを用いた露光装置、例えば、DVD原盤を製作する走査型露光装置に備えるステ−ジ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は電子ビ−ムによる描画によってDVD原盤を製作する走査型露光装置の縦断面図、図7は同露光装置の側面図である。
【0003】
この露光装置は、X軸ステ−ジ11上に回転ステ−ジ12が備えてあり、また、回転ステ−ジ12のスピンドル13には描画する試料14を搭載するようになっている。
そして、X軸ステ−ジ11を移動させ、回転ステ−ジ12を回転させて試料14を変位させ、また、電子ビ−ムを試料14に照射することにより、試料の範囲を連続に、または、遂次移動させながら描画する。
なお、電子ビ−ムは電子鏡筒10より照射する。
【0004】
上記したX軸ステ−ジ11と回転ステ−ジ12は、図示するように真空チャンバ−15内に配設されている。
X軸ステ−ジ11は、転がり軸受け16によってX軸方向(図7において左右方向)に移動するようになっており、モ−タ17によって回転駆動されるスクリュウ杆18と、このスクリュウ杆18によりねじ送りされる駆動軸19に連動されてX軸方向に駆動される。
【0005】
回転ステ−ジ12は、スピンドル13の下部に設けられた電磁モ−タ20によって回転駆動され、また、スピンドル13の下端部に設けたエンコ−ダ21によって、このスピンドル13の回転角度を計測するようになっている。
【0006】
スピンドル13はエア−軸受け22によって軸受けされており、また、このエア−軸受け22には、蛇腹状の隔壁23、24がX軸ステ−ジ11の移動方向に平行するように設けられ、これら隔壁23、24がX軸ステ−ジ11の移動に伴って伸縮する構成となっている。
【0007】
そして、隔壁23、24の中にはエア−軸受け22のエア−パッド25にエア−を供給し、また、排出するための配管26、27が設けられている。
なお、配管26はエア−パッド25のオリフェスに、配管27はエア−排気溝25bに各々接続されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように構成されている従来の露光装置は、X軸ステ−ジ11が転がり軸受け16によって軸受けされているため、X軸方向の移動によって振動し、描画精度が低下する。
【0009】
また、X軸ステ−ジ11の移動により隔壁23、24が伸縮することから、隔壁23、24がX軸ステ−ジ11の移動時に抵抗となり、ピッチングや真直度といった精度を低下させ、延いては描画精度を低下させていた。
なお、隔壁23、24が伸縮を繰り返すことで疲労し真空チャンバ−15の真空漏れが懸念されていた。
【0010】
本発明は上記した実情にかんがみ、X軸ステ−ジの摺動面に非接触静圧軸受けを採用することにより、ステ−ジ機構の無振動化、高速度化、高加速度化、長寿命化を計ることを第1の目的とする。
【0011】
また、回転ステ−ジのエア−軸受けにエア−を供給し、また、そのエア−を排出するための配管を覆う隔壁を省略し、X軸ステ−ジの精度を維持するステ−ジ機構を提供することを第2の目的とする。
【0012】
さらに、X軸ステ−ジの摺動面に非接触静圧軸受けを設けているにもかかわらず、真空チャンバ−内の真空環境を保つことができ、クリ−ン環境を維持できるステ−ジ機構を提供することを第3の目的とする。
【0013】
上記した目的を達成するため、本発明では、第1の発明として、空チャンバー摺動自在に貫通する、平行に設けられた2つのスライド軸と、
上記真空チャンバー内において上記2つのスライド軸に橋渡しするように取り付けられたステージ基体と、
上記真空チャンバー外において上記2つのスライド軸各々を案内するように設けられたエアースライド軸受け
備え、
上記ステージ基体には、回転ステージが設けられ、該回転ステージは、試料を搭載するスピンドルと、上記スピンドルのエアー軸受けと、上記スピンドルを回転駆動するアクチュエータとを有し、
上記エアースライド軸受けには、上記スライド軸の摺動面に、上記スライド軸を圧縮気体で浮上させるための第1のエアーパッドとこの第1のエアーパッドから気体を排気するための吸引部とを設け、上記エアー軸受けには、上記スピンドルの摺動面に、上記スピンドルを圧縮気体で浮上させるための第2のエアーパッドとこの第2のエアーパッドから気体を排気するための排気部とを設けてなり、
上記第2のエアーパッドへの気体の供給および該気体の排気は、上記2つのスライド軸のうち少なくとも1つの内部に設けられた空間を介して行われることを特徴とする真空用ステ−ジ機構を提案する。
【0014】
この第1の発明では、エア−スライド軸受けに圧縮気体を供給することで、2つのスライド軸が浮上し、スライド軸が非接触の軸受け状態となる。
スライド軸がこのように浮上した状態で、第1のアクチュエ−タにより移動駆動される。
【0015】
また、エア−軸受けに圧縮気体を供給することで、回転ステ−ジのスピンドルが浮上し、スピンドルが非接触の軸受け状態となる。
スピンドルがこのように浮上した状態で、第2のアクチュエ−タにより回転駆動される。
【0016】
この結果、スピンドルに搭載される試料が、非接触で移動するスライド軸と非接触で回転する回転ステ−ジのスピンドルによって移動し、電子ビ−ムの照射によって描画される。
【0017】
第2の発明は、第1の発明の真空用ステ−ジ機構において、上記スライド軸貫通する真空チャンバーの貫通部と上記エアースライド軸受けとの間に、上記真空チャンバーへの気体の流入を防止する隔壁を設けたことを特徴とする真空用ステ−ジ機構を提案する。
【0018】
この第2の発明によれば、スライド軸と回転ステ−ジの軸受けにエア−軸受けを採用したにもかかわらず、真空チャンバ−内の真空度を高真空に維持することができる。
【0019】
第3の発明は、第1又は第2の発明の真空用ステ−ジ機構において、2つのスライド軸の少なくとも1つを中空とし、該中空部が上記空間を形成し、上記第2のエア−パッドへの気体の排気を該中空部自体を介して行なう構成としたことを特徴とする真空用ステ−ジ機構を提案する。
【0020】
上記第3の発明によれば、以下のような効果を奏する。
【0021】
上記した第3の発明によれば、回転ステ−ジの給排気構成が簡単化され、特に、蛇腹状の隔壁をなくすことができるから、スライド軸の移動精度を維持することができる。
【0022】
の発明は、真空チャンバーを摺動自在に貫通する一つのスライド軸と、
上記真空チャンバー外において上記スライド軸を案内するように設けられたエアースライド軸受けと、上記真空チャンバー外に設けられて上記スライド軸を移動駆動する第1のアクチュエータとを備え、さらに、上記エアースライド軸受けには、上記スライド軸の摺動面に、上記スライド軸を圧縮気体で浮上させるための第1のエアーパッドとこの第1のエアーパッドから気体を排気するための吸引部とを設け、一方、上記スライド軸は内部に空間を有し、上記スライド軸の上記真空チャンバー内位置する上面には該空間に連通する開口部を設け、この開口部に回転ステージを嵌合させ、この回転ステージには、試料を搭載するスピンドルと、このスピンドルのエアー軸受けと、スピンドルを回転駆動する第2のアクチュエータとを備えると共に、上記エアー軸受けには上記スピンドルの摺動面に、上記スピンドルを圧縮気体で浮上させるための第2のエアーパッドとこの第2のエアーパッドから気体を排気するための排気部とを設けてなり、上記スライド軸を浮上させた状態で上記第1のアクチュエータによって移動駆動し、上記回転ステージの上記スピンドルを浮上させた状態で上記第2のアクチュエータによって回転駆動する構成としたことを特徴とする真空用ステージ機構を提案する。
【0023】
この第5の発明では、スライド軸を一つとし、圧縮気体の配管や電気系の配線を簡便化にすることができることから、製造コストを低減することができる。
【0024】
の発明は、上記第1から第3のいずれかの発明に係る真空用ステージにおいて、上記スピンドルを回転駆動するアクチュエータは、エアータービンであり、上記スピンドルの回転を検出する回転センサと、回転センサの出力に基づいて上記エアータービンを駆動する気体の流量を調整するサーボバルブとを設け、上記回転センサとサーボバルブによって上記エアータービンを制御し、上記スピンドルの回転量若しくは回転数を調整する構成としたことを特徴とする真空用ステ−ジ機構を提案する。
【0025】
この第6の発明によれば、回転ステ−ジを回転駆動する第2のアクチュエ−タとしてエア−タ−ビンを用いることにより、アクチュエ−タの駆動による磁場の発生と変動を抑え、電子ビ−ムの描画精度を高めることができる。
【0026】
の発明は、第1から第3のいずれか、又は第5の発明に係る真空用ステ−ジ機構において、上記スピンドルを回転駆動するアクチュエータは、エアータービンであり、上記エアータービンを駆動する気体の供給と排気が上記2つのスライド軸のうち少なくとも1つの内部に設けられた空間を介して行われることを特徴とする真空用ステ−ジ機構を提案する。
【0027】
の発明は、第の発明の真空用ステ−ジ機構において、上記回転センサの電気系の配線を上記2つのスライド軸のうち少なくとも1つの内部に設けられた空間を介して行なう構成としたことを特徴とする真空用ステ−ジ機構を提案する。
【0028】
上記の第7の発明によれば、エアータービンを駆動する気体の配管や回転センサの電気系の配線が容易となり、製造コストを低減することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の一実施形態状態について図面に沿って説明する。
図1は本発明を実施した従来例同様の露光装置の一部切欠平面図、図2は図1上のA−A線に沿って切断した同露光装置の縦断拡大側面図である。
【0030】
これらの図面において、31はX軸ステ−ジ(直進移動ステ−ジ)で、これは真空チャンバ−32を貫通させた2つのスライド軸33、34と、ステ−ジ基板35と、エア−スライド軸受け36、37、38、39と、蛇腹状の隔壁40、アクチュエ−タとしてのモ−タ41とから構成してある。
【0031】
スライド軸33、34は、中空の四辺形断面とした細長形体とし、所定の間隔をおいて平行させるようにして真空チャンバ−32に貫通してある。
そして、このスライド軸33、34は、真空チャンバ−32の外側面に接近させて配設させたエア−スライド軸受け36〜39によって移動自在に支持してある。
【0032】
また、真空チャンバ−32の外側面とエア−スライド軸受け36〜39の各対向面の間に隔壁40を設け、真空チャンバ−32に形成したスライド軸33、34の貫通孔からの気体の流入を防止し、真空チャンバ−32内の真空環境を保持している。
【0033】
隔壁40はゴムなどの弾性材又は収縮可能な蛇腹状の金属製剛体によって構成することにより、真空チャンバ−壁面の真空引きによる変形の影響を少なくすることができる。
【0034】
すなわち、真空チャンバ−壁面が変形しても、その変形を蛇腹作用で吸収し、スライド軸33、34とエア−スライド軸受けへの影響を抑えステ−ジの精度を維持することが可能になる。
【0035】
一方、スライド軸33、34のほぼ中央部となる真空チャンバ−32内の位置には、2つのスライド軸33、34に橋渡しするようにして取付けたステ−ジ基板35が設けてある。
なお、このステ−ジ基板35には開口部35aを形成し、この開口部35aに後述するところの回転ステ−ジが嵌合させてある。
【0036】
また、上記したスライド軸33、34は、それらの一端部を連結板42によって連結してある。
つまり、この連結板42の中央部に設けたねじ部43がモ−タ駆動されるスクリュウ杆44によってねじ送りされることで、スライド軸33、34がX軸方向(図1において左右方向)に直進移動する。
【0037】
上記したエア−スライド軸受け36〜39は図3に示す構成となっている。
すなわち、本実施形態では、スライド軸33、34とエア−スライド軸受け36〜39の開口部断面を四辺形としてある。
【0038】
この理由は、スライド軸33、34の剛性を高めることと、エア−スライド軸受け36〜39の製造の容易さからである。
なお、エア−スライド軸受け36〜39は同一構成である。
また、スライド軸33、34とエア−スライド軸受け36〜39の開口部は円形断面のものとすることが可能である。
【0039】
エア−スライド軸受け36〜39の各々は、スライド軸を取り囲む4枚の板体から構成してある。
なお、図3では一つのエア−スライド軸受け36の底板45と側板46の一部を示している。
この図において、手前が真空チャンバ−32の側面の方向である。
【0040】
以下、そこ板45について説明するが、他の板体は同様の構成となっている。
図示するように、底板45のスライド軸との摺動面には、エア−パッド47の群と各エア−パッド47とエア−パッド47の群を取り囲むように形成した排気溝48と、真空チャンバ−32の側面との対向面49とエア−パッド群との間に形成した2つの吸引溝50、51が設けてある。
【0041】
各エア−パッド47は、「田」の字状の溝52と、この「田」の字状の溝52の中央に配置し、溝52に所定圧力のエア−を供給するためのオリフィス53から構成し、エア−によってスライド軸を浮上させるようになっている。
【0042】
また、排気溝48は対向面49とは反対方向の側面で開通してあり、符号48aが排気溝48の開通部を示している。
エア−パッド47から排気したエア−は、排気溝48を通って開通部48aから排出される。
【0043】
排気溝48の作用は、エア−パッド47から排気したエア−を排気することにより、エア−パッド47と吸引溝50との間の圧力をほぼ大気圧まで減圧し、吸引溝50、51の排気効率を高める。
【0044】
吸引溝50、51は、各板体によってスライド軸を取り囲むように形成される。
そして、吸引溝51は吸引溝50による所定圧をほぼ真空チャンバ−内の真空度まで減圧するためのものである。
【0045】
底板45の吸引溝50、51の底部には吸引孔50a、51a(51aは図示省略)を設け、図示しない真空ポンプに接続する。
例えば、吸引溝50は図1に示す配管54によってロ−タリ−ポンプを接続し、吸引溝51は図1に示す配管55によってタ−ボ分子ポンプ或いはロ−タリ−ポンプを接続する。
【0046】
次に、回転ステ−ジ61について説明する。
既に述べたように、スライド軸33、34のほぼ中央部にはステ−ジ基板35が取付けてあり、このステ−ジ基板35の開口部35aに回転ステ−ジ61が嵌合されている。
【0047】
この回転ステ−ジ61は、スピンドル62と、エア−軸受け63と、スピンドル62を回転するエア−タ−ビン64と、ロ−タリ−エンコ−ダ−65と、エア−タ−ビン64を回転制御するサ−ボバルブ66などによって構成してある。
なお、回転ステ−ジ61を構成するこれらの各部材は真空チャンバ−32内に配設されている。
【0048】
スピンドル62は、ステ−ジ基板35の下面に取付けたエア−軸受け63によって回転自在に支持してある。
また、スピンドル62の上部に形成した拡径フランジ部には試料67を搭載する試料台68が設置してある。
なお、試料67は、電子鏡筒69から照射される電子ビ−ムを偏向、走査して描画される。
【0049】
エア−軸受け63は、スピンドル62に対向する面にエア−パッド70が設けてあり、このエア−パッド70に圧縮エア−を供給してスピンドル62を浮上させるようにしてある。
エア−パッド70への圧縮エア−の供給は、一方のスライド軸33の中空部33aに設けた配管71をエア−軸受け63の内部に設けた管72によって行なう。
【0050】
エア−パッド70には排気溝73が設けてあり、エア−パッド70より排気される圧縮エア−を真空チャンバ−32の外部へ排出し、エア−軸受け63による真空チャンバ−32内の真空度の低下を防止している。
【0051】
つまり、エア−パッド70から排気する圧縮エア−は、排気溝73と、エア−軸受け63内に設けた管74と、配管75とを介してスライド軸33の中空部33aに送り、また、排気溝73と、エア−軸受け63内に設けた管76とを介して他方のスライド軸34の中空部34aに送って排出する。
このように、スライド軸33、34の中空部33a、34aが排気管の役割を果たすようになっている。
【0052】
図4は図1上のB−B線断面図であり、上記したように、圧縮エア−を供給する配管71がスライド軸33の中空部33aに配設され、また、中空部33aが排気管の作用をする様子を示したものである。
【0053】
一方、エア−タ−ビン64は、スピンドル62を回転駆動するアクチュエ−タとしてスピンドル62の下端部に設けてある。
なお、このエア−タ−ビン64はエア−軸受け63に取付けた固定金具77によって覆ってある。
【0054】
エア−タ−ビン64を回転させるためのエア−は、スライド軸33の中空部33aに設けた配管78と、この配管78とエア−タ−ビン64とを連結する配管79によって供給する。
【0055】
また、配管78と79との連結部材にサ−ボバルブ66を設け、このサ−ボバルブ66をロ−タリ−エンコ−ダ−65の出力に基づいて動作させてエア−の流量を調整し、エア−タ−ビン64の回転数を制御する。
【0056】
エア−タ−ビン64より排出されるエア−は、排出ダクト80を通してスライド軸34の中空部34aに送られ、この中空部34aより真空チャンバ−32の外部に排出される。
【0057】
上記したロ−タリ−エンコ−ダ−65はスピンドル62の下端部に設けてあり、この電気配線81がスライド軸34の中空部34aを通して真空チャンバ−32の外部に引き出してある。
【0058】
上記のように構成した露光装置は、スライド軸33、34をエア−スライド軸受け36〜39によって浮上させた状態で、これらスライド軸33、34をモ−タ駆動により移動させることにより、X軸ステ−ジ31をX軸方向に移動させることができる。
【0059】
また、回転ステ−ジ61は、エア−軸受け63によってスピンドル62を浮上させた状態で、このスピンドル62をエア−タ−ビン64によって回転駆動する。
【0060】
このように、移動するX軸ステ−ジ31と回転するスピンドル62によって試料67を変位させながら、試料67に電子ビ−ムを照射し、電子ビ−ムの偏向と走査によって描画する。
なお、X軸ステ−ジ31の移動位置は、ステ−ジ基板35に設けたミラ−82にレ−ザ−光を投光させて測定する測長器83によって行なうようにしてある。
【0061】
本実施形態の露光装置は、回転ステ−ジ61のアクチュエ−タとしてエア−タ−ビン64を用いたことにより、磁場の発生と変動を抑えることができ、電子ビ−ムの偏向の精度を高め、試料67の描画精度を向上させることができる。
【0062】
また、エア−スライド軸受け36〜39へのエア−の給排気を、X軸ステ−ジ31のスライド軸33、34の内部を介して行なう構成としたので、従来例に示したような蛇腹状の隔壁を必要とせず、X軸ステ−ジ31の真直度精度を向上させることができる。
【0063】
さらに、本実施形態のように構成することにより、回転ステ−ジ61のアクチュエ−タとしてエア−タ−ビンを使用することが容易となる。
【0064】
図5は他の実施形態を示す露光装置の縦断面図である。
本実施形態では、スライド軸を一つとしたこと、回転ステ−ジ61をスライド軸に嵌着したことが特徴となっており、その他は上記した露光装置と同様の構成となっている。
【0065】
本実施形態では、断面径の大きい一つのスライド軸91を真空チャンバ−32に貫通させ、上記したエア−スライド軸受け36〜39と同様のエア−スライド軸受けによってこのスライド軸91を支持させてある。
【0066】
また、スライド軸91の上面に嵌合孔を形成し、この嵌合孔に、回転ステ−ジ61のエア−軸受け63を嵌着し、エア−タ−ビン64、ロ−タリ−エンコ−ダ−65などがスライド軸91の中空部91aに位置させるようになっている。
【0067】
また、スライド軸91の中空部91aには、エア−軸受け63のエア−パッドに圧縮エア−を供給する配管92、このエアパッドより圧縮エア−を真空チャンバ−32の外部に排出させる配管93、エア−タ−ビン64にエア−を供給する配管94が配設されている。
【0068】
さらに、エア−タ−ビン64から排出されるエア−をスライド軸91の中空部91aを通して真空チャンバ−外に排出させ、また、ロ−タリ−エンコ−ダ−65の電気配線もその中空部91aを通して真空チャンバ−外に引き出す構成としてある。
【0069】
【発明の効果】
上記した通り、本発明によれば、直進移動ステ−ジと回転ステ−ジとにエア−軸受けを採用したことから、真空チャンバ−内に配設するステ−ジ機構においても、ステ−ジの振動を極力少なくすることができ、真直度、偏揺れ、横揺れ、縦揺れと言ったステ−ジの走り精度を長時間にわたって高精度に維持することができる。
【0070】
また、直進移動ステ−ジと回転ステ−ジの軸受けにエア−軸受けを採用したにもかかわらず、真空チャンバ−内の真空度を高真空に維持することができる。
さらに、移動ステ−ジの高加速化、高速化、長寿命化を達成することができるステ−ジ機構となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す露光装置の一部切欠平面図である。
【図2】図1上のA−A線に沿って切断した同露光装置の縦断拡大側面図である。
【図3】上記露光装置に備えたエア−スライド軸受けを部分的に示した斜視図である。
【図4】図1上のB−B線に沿って切断した拡大断面図である。
【図5】他の実施形態を示す露光装置の縦断面図である。
【図6】従来例として示した露光装置の縦断面図である。
【図7】従来例の上記露光装置の側面図である。
【符号の説明】
31 X軸ステ−ジ
32 真空チャンバ−
33、34 スライド軸
35 ステ−ジ基板
36〜39 エア−スライド軸受け
40 隔壁
41 モ−タ
47 エア−パッド
61 回転ステ−ジ
62 スピンドル
63 エア−軸受け
64 エア−タ−ビン
65 ロ−タリ−エンコ−ダ−
66 サ−ボバルブ
67 試料
69 電子鏡筒
70 エア−パッド
91 スライド軸

Claims (7)

  1. 真空チャンバーを摺動自在に貫通する、平行に設けられた2つのスライド軸と、
    上記真空チャンバー内において上記2つのスライド軸に橋渡しするように取り付けられたステージ基体と、
    上記真空チャンバー外において上記2つのスライド軸の各々を案内するように設けられたエアースライド軸受けと
    を備え、
    上記ステージ基体には、回転ステージが設けられ、該回転ステージは、試料を搭載するスピンドルと、上記スピンドルのエアー軸受けと、上記スピンドルを回転駆動するアクチュエータとを有し、
    上記エアースライド軸受けには、上記スライド軸の摺動面に、上記スライド軸を圧縮気体で浮上させるための第1のエアーパッドとこの第1のエアーパッドから気体を排気するための吸引部とを設け、上記エアー軸受けには、上記スピンドルの摺動面に、上記スピンドルを圧縮気体で浮上させるための第2のエアーパッドとこの第2のエアーパッドから気体を排気するための排気部とを設けてなり、
    上記第2エアーパッドへの気体の供給および該気体の排気は、上記2つのスライド軸のうち少なくとも1つの内部に設けられた空間を介して行われることを特徴とする真空用ステージ機構。
  2. 上記スライド軸が貫通する真空チャンバーの貫通部と上記エアースライド軸受けとの間に、上記真空チャンバーへの気体の流入を防止する隔壁を設けたことを特徴とする請求項1に記載の真空用ステージ機構。
  3. 上記2つのスライド軸のうち少なくとも1つを中空とし、該中空部が上記空間を形成し、上記第2のエアーパッドの気体の排気を該中空部自体により行なう構成としたことを特徴する請求項1又は請求項2に記載の真空用ステージ機構。
  4. 真空チャンバーを摺動自在に貫通する一つのスライド軸と、
    上記真空チャンバー外において上記スライド軸を案内するように設けられたエアースライド軸受けと、上記真空チャンバー外に設けられて上記スライド軸を移動駆動する第1のアクチュエータとを備え、さらに、上記エアースライド軸受けには、上記スライド軸の摺動面に、上記スライド軸を圧縮気体で浮上させるための第1のエアーパッドとこの第1のエアーパッドから気体を排気するための吸引部とを設け、一方、上記スライド軸は内部に空間を有し、上記スライド軸の上記真空チャンバー内位置する上面には該空間に連通する開口部を設け、この開口部に回転ステージを嵌合させ、この回転ステージには、試料を搭載するスピンドルと、このスピンドルのエアー軸受けと、スピンドルを回転駆動する第2のアクチュエータとを備えると共に、上記エアー軸受けには上記スピンドルの摺動面に、上記スピンドルを圧縮気体で浮上させるための第2のエアーパッドとこの第2のエアーパッドから気体を排気するための排気部とを設けてなり、上記スライド軸を浮上させた状態で上記第1のアクチュエータによって移動駆動し、上記回転ステージの上記スピンドルを浮上させた状態で上記第2のアクチュエータによって回転駆動する構成としたことを特徴とする真空用ステージ機構。
  5. 上記スピンドルを回転駆動するアクチュエータは、エアータービンであり、上記スピンドルの回転を検出する回転センサと、該回転センサの出力に基づいて上記エアータービンを駆動する気体の流量を調整するサーボバルブとを設け、上記回転センサとサーボバルブによって上記エアータービンを制御し、上記スピンドルの回転量若しくは回転数を調整する構成としたことを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の真空用ステージ機構。
  6. 上記スピンドルを回転駆動するアクチュエータは、エアータービンであり、上記エアータービンを駆動する気体の供給と排気が上記2つのスライド軸のうち少なくとも1つの内部に設けられた空間を介して行われることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか、又は請求項5に記載の真空用ステージ機構。
  7. 上記回転センサの電気系の配線を上記2つのスライド軸のうち少なくとも1つの内部に設けられた空間を介して行なう構成としたことを特徴とする請求項に記載の真空用ステージ機構。
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