JP4548222B2 - シート駆動用の減速機構及び当該減速機構を備えたパワーシート装置 - Google Patents

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Description

本発明は、モータの駆動力によって自動車用シートの位置調整を行う際に用いるシート駆動用の減速機構、又は、当該駆動機構を採用したパワーシート装置の構成に関するものであって、特に、タウメル機構を介してモータの駆動力を減速して、シートクッションの上下位置や、シートにおけるサイドサポートの張出し程度の調整等を可能とする、減速機構に関するものである。
車両用シートには、乗員の手動操作によって可動部を作動させるマニュアルシートと、モータの駆動力によって可動部を作動させるパワーシートとがある。モータの駆動力により車両用シートの可動部を作動させる場合には、当該モータと可動部との間に減速機構を介在させることとなる。斯様な減速機構に関しては、特許文献1に記載の発明が公知となっている。
この特許文献1には、減速機構としての「タウメル機構」に対して、偏心軸(34)と揺動プレート(46)とを組み合わせてなる、所謂「オルダム機構」が開示されている。この特許文献1に記載された発明は、前記揺動プレート(46)によって平歯車(24)の回転を規制した状態で、前記偏心軸(34)が平歯車(24)の中央に穿設された環状偏心面(穴36)と当接して回転することにより、前記平歯車(24)が回転すること無く遊星運動して、該平歯車(24)と噛合する内リング歯車(22)が回転するものである。かかる発明によれば、出力軸の回転に揺動がなく、小型な装置で大きな減速比を得られ、尚かつ、モータのウォーム減速器(ギアボックス)内に組み込むことをも可能とする点で、非常に優れた技術であるといえる。
しかしながら、上記特許文献1に記載の減速機構は、モータの減速器と一体に構成され(或いは、モータの減速器の出力軸を「タウメル機構の減速器」に直接連結され)るため、安価な汎用モータと自在に組み合わせることが困難であった。即ち、車両用シートにおけるそれぞれの可動部よって必要となるトルク値は様々であり、出力トルク値に応じてモータが任意に選定されることとなる。従って、任意に選定されたモータの仕様に合わせて、その都度毎に上記減速機構を設計・製作する必要があるため、いきおい装置自体の製造コストが高くなるという問題があった。
また、上記特許文献1に記載の減速機構では、歯車どうしの間で「遊び」が存在するため、当該減速機構を車両用シートに組み込んだ場合には、モータを作動させる度に「ガタ」が発生し、該車両用シートに着座する乗員に不快感を抱かせてしまうという問題があった。
この点、上記歯車どうしの「遊び」を解消させるものとして、特許文献2に記載の発明が開示されている。この特許文献2に記載のタウメル機構は、支持軸(71)の偏心軸部(71c)によって遊星運動する外歯(74)を2枚の内歯(72a, 73a)に噛合させ、これら2枚の内歯(72a, 73a)を相対回転させるものである。前記偏心軸部(71c)をテーパ状に形成されており、内歯(72a, 73a)に対して外歯(74)を押圧することとなり、タウメル機構の欠点である揺動を吸収することが可能となる。
即ち、特許文献2に記載の発明は、「揺動」がなく大きな減速比が得られ、また、遊び(ガタ)を防止するための円錐状の偏心軸を備えるという点では、優れた技術であるといえる。しかしながら、出力側が可動ギアの回転(即ち、「アーム」の回動)に限られるため、シートクッションの上下位置の調節に用いるハイト機構(リフト機構)に採用するに際しても、減速機構の配置及びリンク片等の位置や形状等に制約が多く、パワーシート全体のレイアウトにも制約が課されるという問題があった。
なお、パワーシート装置におけるハイト機構(リフト機構)というのは、複数のリンク片を組み合わせてなるものであり、駆動側のリンク片の可動範囲を規制すべく、被駆動側のリンク片等にストッパー部材を突設させるのが一般的である。そのため、突出したストッパー部材と他部材との干渉を回避したり、乗員に危害感を及ぼさないようにする必要があり、設計上の制約が存在していた。
本発明は上記諸問題に鑑みて案出されたものであり、その解決しようとする課題は、以下のとおりである。
欧州特許公報0450324B1号公報(FIG.1、FIG.2、FIG.4) 特許第3355659号公報(図1、図2)
即ち本発明に係る減速機構は、駆動用モータのギアボックスとは別部材からなり、その入力側にはアダプターを介在させることにより、多種多様な汎用モータとの組み合わせを可能にすると共に、その出力側はピニオンギアの回転力として得ることにより、車両用シートの設計の自由度を向上させることを可能とする減速機構を、安価に提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の採った手段は以下の通りである。
先ず請求項1に係る発明は、駆動用モータに装着可能なケース部材1と、当該ケース部材1内に装備されるタウメル機構とからなるシート駆動用の減速機構10であって、
前記タウメル機構は、
出力軸としてのピニオンギア2cを備えた内歯車2と、
当該内歯車2と噛合して、該内歯車2の内歯よりも少なくとも1以上の歯数が異なる外歯を有する外歯車3と、
当該外歯車3の中心に穿設された円錐面3bに対て摺接する円錐部4b、及び、一端面に設けられた角柱部4aを備え、前記角柱部4aの方向に向かうにつれて、徐々に拡開するテーパー形状を有している偏心軸4と、
前記外歯車3に設けられた突部3aに係合する長穴5aを備え、該長穴5a内における外歯車3の往復移動を可能とし、尚かつ、当該長穴5a内の往復移動とは直交する方向に向けて、該外歯車3と共にケース部材1内を往復移動するリンク片5と、
前記偏心軸の前記角柱部4aが嵌まる角孔6b、及び、前記駆動用モータの出力軸と嵌合可能な凹部6aを備える連結部材6と、
当該連結部材6と前記偏心軸4との間に介在させ、該偏心軸4の円錐部4bが外歯車3の円錐面3bを押圧することにより、該外歯車3の外歯が内歯車2の内歯に対して密着するように付勢するスプリング7とを有し、
前記駆動用モータの駆動力によって、前記連結部材6で連結されている前記出力軸と前記偏心軸4とが同軸回転し、前記偏心軸4の回転によって遊星運動する外歯車3に噛合する内歯車2が回転し、出力軸としてのピニオンギア2cを回転させることを特徴とするものである。
次に請求項2に係る発明は、駆動用モータに装着可能なケース部材1と、当該ケース部材1内に装備されるタウメル機構とからなるシート駆動用の減速機構10であって、
前記タウメル機構は、
出力軸としてのピニオンギア2cを備えた内歯車2と、
当該内歯車2と噛合して、該内歯車2の内歯よりも少なくとも1以上の歯数が異なる外歯を有する外歯車3と、
当該外歯車3の中心に穿設された円錐面3bに対して摺接する円錐部4b、及び、前記ケース部材に装着される前記駆動用モータの出力軸と嵌合可能な、一端面に設けられた嵌合孔4cを備え、前記嵌合孔4cの方向に向かうにつれて、徐々に拡開するテーパー形状を有している偏心軸4と、
前記外歯車3に設けられた突部3aに係合する長穴5aを備え、該長穴5a内における外歯車3の往復移動を可能とし、尚かつ、当該長穴5a内の往復移動とは直交する方向に向けて、該外歯車3と共にケース部材1内を往復移動するリンク片5と、
前記偏心軸4と前記ケース部材1との間に介在させ、該偏心軸4の円錐部4bが外歯車3の円錐面3bを押圧することにより、該外歯車3の外歯が内歯車2の内歯に対して密着するように付勢するスプリング7とを有し、
前記駆動用モータの駆動力によって、前記出力軸と、前記出力軸に連結される前記偏心軸4とが同軸回転し、前記偏心軸4の回転によって遊星運動する外歯車3に噛合する内歯車2が回転し、出力軸としてのピニオンギア2cを回転させることを特徴とするものである。
また請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載のシート駆動用の減速機構10において、出力軸としてのピニオンギア2cを備えた内歯車2に少なくとも1以上の凸部2aを設け、当該内歯車2が回転して、凸部2aがケース部材1又はリンク片5に当接することにより、該内歯車2の回転範囲の規制を行うことを特徴とするものである。
そして請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3に記載のシート駆動用の減速機構10と、当該減速機構10に装着された駆動用モータを備えたことを特徴とする車両用シートである。
上記手段を採ったことにより得られる効果は、以下の通りである。
先ず請求項1に係る発明によれば、任意に選定される駆動用モータの仕様に応じて連結部材6(の形状)のみを変更することによって、その他の構成要素に変更を加えることなく、多種多様な駆動用モータの出力軸との連結が可能となる。即ち、本請求項に係る発明の減速機構10を採用することにより、車両用シートの設計に際して安価な汎用モータを容易に選定できるため、車両用シートを安価に提供することが可能となるという効果を奏するのである。また、連結部材6と偏心軸4との間にはスプリング7を介在させているので、該スプリング7の付勢力により外歯車3の外歯が内歯車2の内歯に対して密着するため、各構成要素間におけるガタの発生を防止することが可能となるという効果を奏するのである。
次に請求項2に係る発明によれば、任意に選定される駆動用モータの仕様に応じて偏心軸4(特に嵌合孔4cの形状)のみを変更することによって、その他の構成要素に変更を加えることなく、多種多様な駆動用モータの出力軸との連結が可能となる。即ち、本請求項に係る発明の減速機構10を採用することにより、車両用シートの設計に際して安価な汎用モータを容易に選定できるため、車両用シートを安価に提供することが可能となるという効果を奏するのである。また、偏心軸4とケース部材1との間にはスプリング7を介在させているので、該スプリング7の付勢力により外歯車3の外歯が内歯車2の内歯に対して密着するため、各構成要素間におけるガタの発生を防止することが可能となるという効果を奏するのである。
また請求項3に係る発明では、内歯車2の回転範囲を規制するストッパとして、内歯車2に設けた凸部2aを、ケース部材1又はリンク片5に当接させるものとしている。即ち本請求項に係る発明によれば、回転範囲を規制するストッパを当該減速機構10の内部に備えるため、ストッパと他部材との干渉を回避したり、乗員に危害感を及ぼさないよう配慮する必要が無く、制約無く車両用シートを設計できるという効果を奏するのである。
そして請求項4に係る発明によれば、請求項1乃至請求項3に記載の減速機構10を用いることにより安価な汎用モータを採用できるため、これらの構成を有する車両用シート全体も安価に提供できるという効果を奏することとなる。
以下、本発明に係るシート駆動用の減速機構を、実施例を用いて説明する。
(実施例1)
図1乃至図3は、実施例1に係るシート駆動用の減速機構10を示すものである。本実施例に係る減速機構10は、図1に示すように、第1ケース部材1aと第2ケース部材1bとの間に、外歯車3と内歯車2及び偏心軸4とから成るタウメル機構(差動/減速機構)が配置されており、当該外歯車3の揺動を吸収するリンク片5が、第1ケース部材1aに対し上下方向に移動可能に配置されている。そして、前記外歯車3に対して一体に設けられた突部3aが前記リンク片5の長穴5aに摺嵌されている。尚、内歯車2には長孔2bが穿設されており、当該長孔2bに出力軸としてのピニオンギア2cが装着されている。
また、連結部材6は略円板状に形成され、第1ケース部材1aに回転可能に組み合わされている。当該連結部材6における第1ケース部材1aの外部に突出した面には、図示されないモータの出力軸に設けられたピニオンギアが嵌る凹部6aが形成されると共に、該連結部材6の内面には偏心軸4の角柱部4aが遊嵌される角穴6bが設けられている。これら偏心軸4と連結部材6との間にはウェイブワッシャ状のスプリング7が配置され、該スプリング7によって偏心軸4の円錐部4bが外歯車3の円錐面3bに食い込む方向へと付勢されている。
前記偏心軸4の円錐部、並びに、前記外歯車3の円錐面3bは、図1に示す形態では、第2ケース部材1b方向から第1ケース部材1a方向へと徐々に拡開するテーパー形状に形成している。そのため、上記のスプリング7が偏心軸4を外歯車3方向へ付勢することによって円錐部4bが円錐面3bを押圧し、それに伴って当該外歯車3が内歯車2を押圧することとなるため、内歯車2と外歯車3との間における「遊び(ガタ)」の発生が防止できる。
本実施例に係るシート駆動用の減速機構の作動状況につき説明する。まず、図示しないモータの駆動力によって連結部材6が回転し、当該連結部材6を介して偏心軸4が回転する。当該偏心軸4の回転により、該偏心軸4における円錐部4bが外歯車3における円錐面3bの内側を回転しながら押圧する。このとき、当該外歯車3の突起3aはリンク片5の長穴5aに摺嵌されているため、該外歯車3自体は回転することなく、リンク片5の長穴5aを往復移動し、尚かつ、当該長穴5a内の往復移動とは直交する方向に向けて、該リンク片5と共に第1ケース部材1aの凹部内を往復移動しながら、内歯車2の内周を遊星運動することとなる。当該外歯車3の遊星運動により内歯車2は回転し、当該内歯車2に装着されたピニオンギア2cが回転することとなる。
なお、上記内歯車2は凸部2aが突設されており、当該内歯車2が回転することによりリンク片5に当接して回転が止まることとなる。かかる構成により、当該内歯車2の回転範囲の規制が可能となる。
本実施例に係るシート駆動用の減速機構によれば、偏心軸4と連結部材6とが別体となっており、この間にスプリング7を配置して容易に遊び(ガタ)の防止機構を構成、内装できる。
また、連結部材6のみを変更することにより、その他の構成要素に変更を加えることなく、任意に選定される多種多様な汎用モータの出力軸(図示しない)に連結でき、高い汎用性を実現することとなる。
(実施例2)
図4乃至図6は、実施例2に係るシート駆動用の減速機構10を示すものである。本実施例に係る減速機構10は、図4に示すように、第1ケース部材1aと第2ケース部材1bとの間に、外歯車3と内歯車2及び偏心軸4(ピン状)とから成るタウメル機構(差動/減速機構)が配置されており、当該外歯車3の揺動を吸収するリンク片5が、第1ケース部材1aに対し上下方向に移動可能に配置されている。そして、前記外歯車3に対して一体に設けられた突部3aが前記リンク片5の長穴5aに摺嵌されている。尚、内歯車2には長孔2bが穿設されており、当該長孔2bに出力軸としてのピニオンギア2cが装着されている。
また、前記偏心軸4は第1ケース部材1aに回転可能に組み合わされている。当該偏心軸4における第1ケース部材1aの外部に突出した面には、図示されないモータの出力軸が嵌る嵌合孔4c(本実施例ではモータの出力軸が嵌る四角孔)が形成されている。該偏心軸4と第1ケース部材1aにおける軸孔1cとの間にはウェイブワッシャ状のスプリング7が配置され、該スプリング7によって偏心軸4の円錐部4bが外歯車3の円錐面3bに食い込む方向へと付勢されている。
前記偏心軸4の円錐部、並びに、前記外歯車3の円錐面3bは、図4に示す形態では、第2ケース部材1b方向から第1ケース部材1a方向へと徐々に拡開するテーパー形状に形成している。そのため、上記のスプリング7が偏心軸4を外歯車3方向へ付勢することによって円錐部4bが円錐面3bを押圧し、それに伴って当該外歯車3が内歯車2を押圧することとなるため、内歯車2と外歯車3との間における「遊び(ガタ)」の発生が防止できる。
本実施例に係るシート駆動用の減速機構の作動状況につき説明する。まず、図示しないモータの駆動力によって偏心軸4が回転する。当該偏心軸4の回転により、該偏心軸4における円錐部4bが外歯車3における円錐面3bの内側を回転しながら押圧する。このとき、当該外歯車3の突起3aはリンク片5の長穴5aに摺嵌されているため、該外歯車3自体は回転することなく、リンク片5の長穴5aを往復移動し、尚かつ、当該長穴5a内の往復移動とは直交する方向に向けて、該リンク片5と共に第1ケース部材1aの凹部内を往復移動しながら、内歯車2の内周を遊星運動することとなる。当該外歯車3の遊星運動により内歯車2は回転し、当該内歯車2に装着されたピニオンギア2cが回転することとなる。
なお、上記内歯車2は凸部2aが突設されており、当該内歯車2が回転することによりリンク片5に当接して回転が止まることとなる。かかる構成により、当該内歯車2の回転範囲の規制が可能となる。
本実施例に係るシート駆動用の減速機構によれば、偏心軸4と連結部材6とが別体となっており、この間にスプリング7を配置して容易に遊び(ガタ)の防止機構を構成、内装できる。
また、偏心軸4の形状(特に、嵌合孔4cの形状)のみを変更することにより、その他の構成要素に変更を加えることなく、任意に選定される多種多様な汎用モータの出力軸(図示しない)に連結でき、高い汎用性を実現することとなる。
上記実施例1又は実施例2に係るシート駆動用の減速機構10は、図7に示すように、シートフレーム20における各可動部に装着されることとなる。より詳細には、当該減速機構10をシートクッション側のシートフレームの前後箇所にそれぞれ配置すると共に、該減速機構10の出力側ピニオンギア2cに可動リンクの外歯を噛合させるものとしている。かかる構成によれば、減速機構10を作動させて(図7において時計廻り方向に)ピニオンギア2cを回転させることにより可動リンクが矢印方向に回動して、シートクッションの高さ位置を下降させることが可能となるのである。
実施例1に係るシート駆動用の減速機構10の分解斜視図である。 図1に示すシート駆動用の減速機構10の平面図である。 図2に示すシート駆動用の減速機構10のA−A断面図である。 実施例2に係るシート駆動用の減速機構10の分解斜視図である。 図4に示すシート駆動用の減速機構10の平面図である。 図5に示すシート駆動用の減速機構10のB−B断面図である。 実施例1又は実施例2に係るシート駆動用の減速機構10を装着したシートフレーム20の側面図である。
符号の説明
1a 第1ケース部材
1b 第2ケース部材
2 内歯車
2a 凸部
2b 長孔
2c ピニオンギア
3 外歯車
3a 突部
3b 円錐面
4 偏心軸
4a 角柱部
4b 円錐部
4c 嵌合孔
5 リンク片
5a 長穴
6 連結部材
6a 凹部
6b 角穴
7 スプリング
10 シート駆動用の減速機構
20 シートフレーム

Claims (4)

  1. 駆動用モータに装着可能なケース部材と、当該ケース部材内に装備されるタウメル機構とからなるシート駆動用の減速機構であって、
    前記タウメル機構は、
    出力軸としてのピニオンギア(2c)を備えた内歯車(2)と、
    当該内歯車(2)と噛合して、該内歯車(2)の内歯よりも少なくとも1以上の歯数が異なる外歯を有する外歯車(3)と、
    当該外歯車(3)の中心に穿設された円錐面(3b)に対して摺接する円錐部(4b)、及び、一端面に設けられた角柱部(4a)を備え、前記角柱部(4a)の方向に向かうにつれて、徐々に拡開するテーパー形状を有している偏心軸(4)と、
    前記外歯車(3)に設けられた突部(3a)に係合する長穴(5a)を備え、該長穴内における外歯車(3)の往復移動を可能とし、尚かつ、当該長穴内の往復移動とは直交する方向に向けて、該外歯車(3)と共にケース部材内を往復移動するリンク片(5)と、
    前記偏心軸の前記角柱部(4a)が嵌まる角孔(6b)、及び、前記駆動用モータの出力軸と嵌合可能な凹部(6a)を備える連結部材(6)と、
    当該連結部材(6)と前記偏心軸(4)との間に介在させ、該偏心軸(4)の円錐部(4b)が外歯車の円錐面(3b)を押圧することにより、該外歯車(3)の外歯が内歯車(2)の内歯に対して密着するように付勢するスプリング(7)とを有し、
    前記駆動用モータの駆動力によって、前記連結部材(6)で連結されている前記出力軸と前記偏心軸(4)とが同軸回転し、前記偏心軸(4)の回転によって遊星運動する外歯車(3)に噛合する内歯車(2)が回転し、ピニオンギア(2c)を回転させることを特徴とするシート駆動用の減速機構。
  2. 駆動用モータに装着可能なケース部材と、当該ケース部材内に装備されるタウメル機構とからなるシート駆動用の減速機構であって、
    前記タウメル機構は、
    出力軸としてのピニオンギア(2c)を備えた内歯車(2)と、
    当該内歯車(2)と噛合して、該内歯車(2)の内歯よりも少なくとも1以上の歯数が異なる外歯を有する外歯車(3)と、
    当該外歯車(3)の中心に穿設された円錐面(3b)に対して摺接する円錐部(4b)、及び、前記ケース部材に装着される前記駆動用モータの出力軸と嵌合可能な、一端面に設けられた嵌合孔(4c)を備え、前記嵌合孔(4c)の方向に向かうにつれて、徐々に拡開するテーパー形状を有している偏心軸(4)と、
    前記外歯車(3)に設けられた突部(3a)に係合する長穴(5a)を備え、該長穴内における外歯車(3)の往復移動を可能とし、尚かつ、当該長穴内の往復移動とは直交する方向に向けて、該外歯車(3)と共にケース部材内を往復移動するリンク片(5)と、
    前記偏心軸(4)と前記ケース部材との間に介在させ、該偏心軸(4)の円錐部(4b)が外歯車の円錐面(3b)を押圧することにより、該外歯車(3)の外歯が内歯車(2)の内歯に対して密着するように付勢するスプリング(7)とを有し、
    前記駆動用モータの駆動力によって、前記出力軸と、前記出力軸に連結される前記偏心軸(4)とが同軸回転し、前記偏心軸(4)の回転によって遊星運動する外歯車(3)に噛合する内歯車(2)が回転し、ピニオンギア(2c)を回転させることを特徴とするシート駆動用の減速機構。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のシート駆動用の減速機構において、
    出力軸としてのピニオンギアを備えた内歯車に少なくとも1以上の凸部を設け、当該内歯車が回転して、凸部がケース部材又はリンク片に当接することにより、該内歯車の回転範囲の規制を行うことを特徴とするシート駆動用の減速機構。
  4. 請求項1乃至請求項3に記載のシート駆動用の減速機構と、当該減速機構に装着された駆動用モータを備えたことを特徴とする車両用シート。
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