JP4547860B2 - 電源装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電源装置に関する。特に電源回路の動作状態を監視し、異常の発生を検出した際の入力遮断構成を持つ電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンタ等における電源装置においては、近年、安全性向上の要求が年々厳しくなってきている。電源装置には、従来から発煙発火や感電などの危険に結びつく異常動作に対する保護回路が設けられている。保護回路は、各種の異常を検知して、電源装置の動作停止処理を行ったり、商用電源としての交流電源からの入力をヒューズやリレーで遮断する構成が一般的である。
【0003】
さらに、特に大きな電力を消費する例えば複写装置、プリンタ、FAX、スキャナなどの各種の画像処理装置では、感電防止を目的とした漏電対策の要求が高まっている。漏電対策のため、多くの場合、画像処理装置などの機器が設置される設備には漏電ブレーカが取り付けられている。しかし、ブレーカにより各種の情報処理装置の電源を一斉に遮断することは、コンピュータよるネットワーク化が急速に進んだ環境においては、重大なデータ損失を発生させる場合があり好ましくない。そこで、各機器に専用の漏電ブレーカを搭載した構成に対する要求が高まっている。
【0004】
一方、省エネルギーを目的としたパワーマネジメントを行うために、電源装置を複数搭載し、必要な電力のみを効率よく供給システムを搭載した機器が多くなってきている。例えば、複写機、ファクシミリ装置、プリンタなどの画像形成装置においては、通電されているほとんどの時間が待機状態であり、省エネルギーの観点から待機時の電力消費を低減することが大きな課題となっている。
【0005】
電力消費を低減した画像形成装置の電源構成として、待機時に必要となる負荷例えば画像形成装置の制御を行うコントローラに電力を供給するための第1の電源装置と、モーター等画像形成等に必要な負荷へ電力を供給するための第2の電源装置を個別に設定した構成、すなわち、コントローラに対する電源と、画像形成処理プロセスを実行する機構に対する電源とを別々に設定した構成が提案されている。
【0006】
このような複数電源構成とした画像形成装置においては、ユーザが、プリント指示を要求した場合、第1の電源、第2の電源の両方から画像形成処理に必要な負荷へ電力が供給される。しかし、ユーザからのプリント指示が無くなると、待機時の電力低減を目的に、第2の電源から負荷(画像形成処理プロセス実行機構)への電力供給を遮断し、コントローラに対する第1の電源装置のみを待機用電源として供給し、ユーザ指示に応じた処理が可能となる。
【0007】
ちなみに第2の電源装置から負荷への電力供給遮断を実行する構成としては、第1の電源装置によって駆動するスイッチング素子の動作停止や、リレーやFET等のスイッチ手段を第1の電源装置によって駆動して入力を遮断する構成が提案されている。さらに待機時の消費電力低減を目的として、待機用電源の効率の向上についても様々な工夫がなされている。
【0008】
また、高速の画像形成装置では定着装置の蓄熱容量が大きいことにより主電源スイッチをOFF後に、装置内の内部温度が上昇するためトナーが凝固する恐れがある。その他にも近年の画像形成装置ではユーザのデータを保管したり、外部から受信したデータの保存を安全に行うことが求められている。この場合は一般的にユーザが主電源スイッチをOFFしても画像形成装置がデータ保護や定着器の冷却が終了するまで画像形成装置への電源供給を遅延出来るように制御されている。
【0009】
図9を参照して、待機用電源回路及び通常動作用電源さらに定着装置等の交流(AC)負荷から成る従来の一般的な画像形成装置の電源遮断構成について説明する。
【0010】
入力端子901は、漏電ブレーカ902、主電源スイッチ921および並列に接続されたリレーなどのスイッチ素子922を介して待機用の副電源である電源回路a911に接続されると共に、リレーなどのスイッチ素子923を介して通常動作用の主電源である電源回路c912に接続される。
【0011】
電源回路a911は、直流電圧Vout1をコントローラ950など機器の制御回路部に供給する。また、冷却ファンの遅延制御やデータ保護に必要な電源についても電源回路a911により供給される。電源回路c912は、直流電圧Vout2を出力し、主にモータ等の駆動系装置からなる駆動部956などへ電力を供給する。主電源スイッチ921がONされると漏電ブレーカ902を介して電源回路a911に交流電力が供給され、動作を開始する。次に電源回路a911から出力される直流電圧Vout1が機器の制御を行うコントローラ950に供給されコントローラ950が動作を開始する。また、直流電圧Vout1を用いた主電源スイッチ921のON/OFF検出信号がコントローラ950のスイッチ信号検出部951に入力される。
【0012】
電源回路a911は、直流電圧Vout1をコントローラ950など機器の制御回路部に供給する。また、コントローラ950のファン遅延制御部952によって動作が制御されるファン(図示せず)や、データ保護部953によって制御されるHDD等のデータ記憶部(図示せず)にも直流電圧Vout1が供給される。異常検出部954が接続される漏電検出部や、過電圧、過電流、温度上昇等の異常を判定する異常検出素子に対しては、独立した電力供給構成が備えられ、コントローラの異常検出部は、これらの異常検出素子からの入力に応じて、異常の発生を検出した場合には、スイッチ素子922、923を駆動するON/OFF制御部955に信号を出力し、ON/OFF制御部955が各スイッチ素子922,923に制御信号を出力して各電源回路911,912に対する電力供給を停止する。
【0013】
コントローラ950は、安全性確保や省エネを目的に入力の接続・遮断を行う。例えば、待機時には省エネを目的に待機用電源回路(電源回路a911)のみの電源入力を接続し、その他への入力を遮断する。また、各種異常状態を異常検出部954において監視し、例えば、駆動部956が異常温度上昇となった場合等にスイッチ素子912をOFFにすることで駆動部956に対する電力入力を遮断し、機器の動作を停止する。同時に機器の異常を表示してその情報を記憶し、修理時の参考情報とする。
【0014】
なお、電源装置がプリンタに対する電源であるような場合において、プリントデータ保護等の処理が必要な場合は、主電源回路である電源回路c912の前段のスイッチ素子923OFFの実行時にコントローラ950は、スイッチ素子923OFFの情報を受けてハードディスク(HDD)などのデータ保護動作を行う。すなわち、データ保護部953が所定のデータ退避動作を行った後、スイッチ素子922,923のオフ処理を実行するシーケンスとする。
【0015】
しかし、従来の電源装置構成においては、様々な省電力型素子の使用により電源装置自体の電力損失は小さくなってきているが、安全回路における消費電力、特に漏電ブレーカの電力損失比率が大きくなってきている。
【0016】
機器の安全性を監視するために、近年のプリンタ、複写機等の画像処理装置の電源装置における安全回路は近年、様々な機能が付加されており、それに伴い消費電力が増大する傾向にある。このような現状において、さまざまな安全基準を達成するための監視回路および電力遮断等の制御回路を消費電力の増加なしに確保することが課題となってきている。
【0017】
さらに、商用交流電源を入力とし、コントローラと画像処理部に対する2電源構成を持つ電源装置においては、上述したように、通常動作用の電源回路はスイッチを介して商用交流電源と接続し、コントローラの出力するON/OFF信号によりスイッチを導通/遮断して交流電源の供給/遮断を行っているが、通常動作用の電源回路に何らかの異常が発生して電源回路が正常動作できなくなった場合、商用交流電源が電源回路に入力されつづける危険性がある。
【0018】
また、コントローラにより何らかの異常検出に基づいて電源入力が遮断された後、ユーザがスイッチを手動により操作して交流電源を強制的に接続した場合、交流電源の過電圧などの異常や電源回路内部の異常が発生しているにもかかわらず、交流電源が入力され、その結果、電源回路のある特定部に電気的ストレスがかかり、故障により発煙・発火に至る可能性がある。
【0019】
なお、こうした対策として電源装置において、想定されるあらゆる故障に対して必要充分なマージンをもった素子や部品を使用することが考えられるが、この場合、定格負荷容量に対して余裕を持った回路構成となるため、電源装置としてサイズが大きくなり、重量が増え、コストが高くなるという問題が発生する。
【0020】
また、交流入力段にリセット機能付のスイッチを使うことにより安全対策を講じる構成もあるが、一般的にリセット機能付のスイッチは、プランジャ等により動作させるものであり、その特性上、応答速度がおそく、過電流や発熱などの緊急性の高い異常時には間に合わない危険性があった。
【0021】
さらに、従来構成においては、コントローラが各電源のON/OFFをつかさどっているため、ソフトウェアの暴走などでその安全性が確保できない場合があり、このソフトウェアエラーについても課題となっている。また、電源装置とコントローラ部は機器の内部において物理的に分離されている場合が多く、接続するためのハーネスやコネクタ部の故障により、電源回路の遮断情報がコントローラに正しく伝達されない場合が発生するなどの問題もあった。
【0022】
上記課題を解決する為にコントローラ部のON/OFF制御部にタイマ回路を設け正規のタイミングにてOFF信号が送出されない場合には、ソフトウェアを介在せずに強制的にOFF信号を送出する技術が知られている。しかし、この技術では危険性が高い異常時にデータ保護動作などの遅延処理時間より早く強制OFF出来ないために商用交流電源が電源回路に入力されつづける時間が長くなり危険性が高まる可能性が高い。
【0023】
また、異常のレベルに関係なく交流電源を遮断するとデータ消失や負荷側部品の保護などが出来ないという課題がある。
【0024】
次に省エネを実現するための従来構成の問題点について考察する。低速な画像形成装置では定着部の蓄熱容量が低く装置内部を冷却する必要が無いので、画像形成装置が省エネ待機状態(SLEEP MODE)に入ったときには短い時間でデータや部品の保護を行い、コントローラ部のデータ受信部などのジョブ要求を監視する機能部分のみに電源を供給するので数ワットと少ない消費電力が実現できる。
【0025】
しかし、例えば高速な画像形成装置では主電源スイッチOFF時や省エネ待機状態(SLEEP MODE)に入ったときにトナー凝固防止のため画像形成装置内部を冷却ファンにより遅延して冷却する必要がある。これらの遅延時間はデータや部品の保護動作は数秒から数十秒と短いが、トナー凝固防止の為に必要な冷却ファンの遅延動作時間は数十分程度である為、電源回路はコントローラ部へ全ての遅延動作が終了するまで電源供給しており消費電力が大きくなるという課題がある。
【0026】
さらに最近では省エネの観点からくるトナーの融点が益々下がる方向にあり、省エネ時の電力や安全性についても要求が厳しくなってきている。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、情報処理装置、複写機・プリンタ等の省エネ要求は高まるとともに、安全対策についても厳しい要求がなされている。現実の機器では電源装置の漏電ブレーカ、過電圧、過電流、その他の安全維持のための監視回路等において、多くの電力を消費しているのが現状であり、安全性などの必要機能を犠牲にせずに漏電ブレーカを含む電力損失を低減することが必須となっている。また、上述したようにトナー凝固防止の為に必要な冷却ファンの遅延動作時間確保のためには、電力供給を継続して実行することが必要となる。
【0028】
製品の信頼性の確保、省エネ、安全性、これらの要求は、近年ますます厳しくなってきている。本発明は、これらの現状に鑑みてなされたものであり、高い安全性を維持しながら、省エネルギーおよび高信頼性を実現した電源装置を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の側面は、遅延した駆動停止処理を必要とする遅延停止要請負荷に対して電力を供給する遅延停止要請電源回路と、遅延した駆動停止処理を必要としない負荷に対して電力を供給する早期停止電源回路と、前記遅延停止要請電源回路の前段に設けられ、該遅延停止要請電源回路に対する電力供給および停止の切り替えを行うスイッチ素子と、前記スイッチ素子の制御を行う遅延制御部とを有し、前記遅延制御部は、前記遅延停止要請電源回路および早期停止電源回路の双方から駆動電力を入力し、該入力電力に基づいて前記スイッチ素子の制御を実行する構成であり、前記早期停止電源回路からの供給電力停止後、前記遅延停止要請電源回路からの電力供給に基づいて前記スイッチ素子をオン状態に維持し、前記遅延停止要請電源回路に対する電力供給を継続させる処理を実行する構成であることを特徴とする電源回路にある。
【0030】
本構成によれば、例えば冷却ファンなど、異常停止処理後にも駆動が必要な電力の供給を、既存の電源回路からの電力供給に基づいて継続して確実に実行可能となる。
【0031】
さらに、本発明の電源回路の一実施態様において、前記遅延制御部は、タイマを有し、前記タイマは、前記早期停止電源回路からの電力停止をトリガとして、予め設定された規定時間の経過を計測して該規定時間の経過に基づく信号を出力する構成であり、前記遅延制御部は、前記タイマからの出力信号に基づいて、前記スイッチ素子をオフに設定し、前記遅延停止要請電源回路に対する電力供給を遮断する処理を実行する構成であることを特徴とする。
【0032】
本構成によれば、早期停止電源回路からの電力停止をトリガとしてタイマを動作させて、遅延停止要請電源回路に対する電力供給を一定時間継続させる構成としたので、例えばプリンタにおけるトナー凝固の発生を防止するために必要な時間等、予め定めた時間の通電を間違いなく実行可能となる。
【0033】
さらに、本発明の電源回路の一実施態様において、前記遅延制御部は、前記遅延停止要請電源回路および他の早期停止電源回路の双方からの電圧を前記スイッチ素子に印加して前記スイッチ素子をオンに設定する構成であり、前記遅延制御部は、前記タイマからの出力信号に基づいて動作するサイリスタを有し、該サイリスタは、前記遅延停止要請電源回路および早期停止電源回路双方の出力部およびグランド間に接続され、前記タイマからの出力信号に基づいて前記遅延停止要請電源回路および早期停止電源回路の双方からの出力をグランドに短絡することで、前記スイッチ素子をオフに設定する処理を実行する構成であることを特徴とする。
【0034】
本構成によれば、スイッチ素子の駆動を複数の電源回路の切り替えおよびタイマの設定時間によって制御可能となり、負荷に対する電力供給を一定時間継続し、タイマ設定時間の経過に伴うオフへの切り替えを確実に実行することが可能となる。
【0035】
さらに、本発明の電源回路の一実施態様において、前記遅延停止要請負荷は、冷却用のファンであることを特徴とする。
【0036】
本構成によれば、他の電源回路に接続された負荷に対する電力供給を停止後、ファンを継続的に動作させることが可能となる。
【0037】
さらに、本発明の電源回路の一実施態様において、前記電源装置は、さらに、前記複数の電源回路各々に対応して設けられた個々の電源回路に対する電力の供給および停止の切り替えを行う複数のスイッチ素子と、電源装置の複数の位置に設置された異常を検出する複数の動作検出部と、前記動作検出部からの検出信号に基づいて異常判定処理を実行する異常監視部と、前記異常監視部からのスイッチ素子を特定した制御信号に基づいて前記複数のスイッチ素子を選択的に制御するスイッチ制御回路とを有し、前記異常監視部における異常判定に基づいて、前記スイッチ制御回路を介した制御信号出力により、前記早期停止電源回路に対応するスイッチ素子をオフとして該早期停止電源回路に対する電力供給を停止する構成であることを特徴とする。
【0038】
本構成によれば、漏電、過電圧、過電流、その他、各種の異常状態を電源装置または前記電源回路を介して電力供給を行う負荷に対応する複数の位置に設置された異常検出用の複数の動作検出部において検出し、検出情報に基づいて各スイッチ素子を駆動することで、各電源回路体に対する電力供給遮断が可能となる。
【0039】
さらに、本発明の電源回路の一実施態様において、前記電源装置は、さらに、電源装置に対する電力の供給および停止の切り替えを行うリセットスイッチと、前記異常監視部からの制御信号に基づいて前記リセットスイッチを駆動するリセットスイッチ駆動部と、を有することを特徴とする。
【0040】
本構成によれば、漏電、過電圧、過電流、その他、各種の異常状態を電源装置または前記電源回路を介して電力供給を行う負荷に対応する複数の位置に設置された異常検出用の複数の動作検出部において検出し、検出情報に基づいてリセットスイッチを駆動することで、電源装置全体に対する電力供給遮断が可能となる。
【0041】
さらに、本発明の電源回路の一実施態様において、前記リセットスイッチは、前記電源装置に対する電力入力部に設けられた構成であることを特徴とする。
【0042】
本構成によれば、異常発生時に電源装置に対する入力を大元から遮断可能となり、より安全な電力遮断が実現される。
【0043】
さらに、本発明の電源回路の一実施態様において、前記複数の電源回路は、主電源回路としての通常動作用電源回路と、副電源回路としての待機用電源回路とを含み、前記待機用電源回路は、通常動作停止時における制御を実行する前記負荷としてのコントローラに対する電力供給を実行するとともに、前記複数の動作検出部、異常監視部、リセットスイッチ駆動部、およびスイッチ制御回路に対する電力供給を行う構成であることを特徴とする。
【0044】
本構成によれば、通常動作を実行していない待機時においても異常監視を継続して実行可能となり、より高度な安全性を保つことが可能となる。
【0045】
さらに、本発明の電源回路の一実施態様において、前記動作検出部は、前記負荷としてのコントローラにおけるエラーを検出する暴走検出部を有し、前記異常監視部は前記暴走検出部からの検出信号に基づいてコントローラにおけるエラー発生と判断した際に、前記スイッチ制御回路を介した制御信号出力により、前記早期停止電源回路に対応するスイッチ素子をオフとする処理を実行する構成であることを特徴とする。
【0046】
本構成によれば、コントローラにおけるソフトウェアの暴走などのコントローラエラー時に確実に電源遮断が可能となり安全性の高い電源装置が実現される。
【0047】
さらに、本発明の電源回路の一実施態様において、前記電源装置は、負荷としてデータ記憶部とその他の駆動部を接続した電源回路と、前記電源回路からの電力をデータ記憶部とその他の駆動部両者に供給する第1設定と、データ記憶部のみに供給する第2設定の2つの設定の切り替え処理を実行する電源回路出力段接続スイッチ素子とを含み、前記異常監視部における異常判定に基づいて、前記スイッチ制御回路を介した制御信号出力により、前記電源回路出力段接続スイッチ素子を制御してデータ記憶部のみに電力を供給する設定への切り替えを実行する構成であることを特徴とする。
【0048】
本構成によれば、駆動部に対する電源供給を遮断した後にも、データ記憶部に対する
電源供給を継続させることが可能となり、データ退避処理を確実に実行させることが可能となる。
【0049】
さらに、本発明の電源回路の一実施態様において、前記動作検出部は、漏電検出部、電圧検出部、電流検出部のうち少なくとも1つを含む構成であることを特徴とする。
【0050】
本構成によれば、漏電検出、電圧検出、電流検出等に基づく異常検出を確実に判定可能となり、安全性を高めた電源装置が実現される。
【0051】
さらに、本発明の電源装置の一実施態様において、前記動作検出部は、電圧検出部および電流検出部を含み、前記電圧検出部および電流検出部は、前記複数の電源回路および該電源回路から電力の供給される負荷の少なくともいずれかに対応して設定された構成であることを特徴とする。
【0052】
本構成によれば、電圧検出、電流検出等に基づく異常検出を電源回路毎に判定可能となり、電源回路個別の対応が可能となる。
【0053】
さらに、本発明の電源装置の一実施態様において、前記動作検出部は、温度検出素子、におい検出素子、音検出素子、煙検出素子、計時変化検出素子のいずれかを含む構成であることを特徴とする。
【0054】
本構成によれば、各電源回路および負荷の構成に応じて最適な異常検出処理および安全対策が可能となる。
【0055】
さらに、本発明の電源装置の一実施態様において、前記複数のスイッチ素子は、前記スイッチ制御回路からの入力信号に基づく高速応答可能な半導体素子によって構成されていることを特徴とする。
【0056】
本構成によれば、各電源回路個別の電力供給ストップを高速に実施でき、異常検出から異常部位に対する電力供給停止を即座に実行可能となる。
【0057】
さらに、本発明の電源装置の一実施態様において、前記個々の電源回路に対する電力の供給および停止の切り替えを行う複数のスイッチ素子は、前記スイッチ制御回路からの信号によって動作するとともに、電源装置に接続されたコントローラからの信号によっても動作する構成であることを特徴とする。
【0058】
本構成によれば、異常監視部が、異常発生部位情報を含む異常情報をコントローラに出力し、コントローラが、異常発生部位に応じて電源回路の前段に設けられたスイッチ素子を選択的にオフする処理を実行することが可能となる。
【0059】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電源装置の詳細について図面を参照しながら説明する。
【0060】
[実施例1]
図1は、本発明の実施例1に係る電源装置の構成を示すブロック図である。この第1の実施の形態の電源装置は、例えば複写機、プリンタ等の画像形成装置に内蔵される。
【0061】
画像形成装置の入力端子101は、交流電源に接続されている。交流電源は、電源装置110に構成された複数の電源回路を介して様々な負荷に電力を供給する。図に示すように、電源装置110は、コントローラ103等に対する電力供給を行う副電源回路としての電源回路a(待機用電源)111と、画像形成処理プロセスを実行するモータ等の駆動部108を含む画像処理実行部に対する電力供給を行う主電源回路としての電源回路b(通常動作用電源)112と、冷却用ファン109等に電力を供給する電源回路c113を有し、これら各電源回路を介して各負荷(図示せず)に電力が供給される。各電源回路は、トランス、トランスの出力を設定するためのスイッチング素子、DC−DCコンバータ等で構成され、負荷に応じた出力制御を行う。電源回路a(待機用電源)111の出力する直流電圧Vout1は、コントローラ103に供給される。
【0062】
このように、本実施例の電源装置は、各々が異なる負荷に対する電力供給を行う複数の電源回路を有する。電源回路c113は、冷却用ファン109等、遅延した駆動停止処理を必要とする遅延停止要請負荷に対して電力を供給する遅延停止要請電源回路であり、その他の電源回路a(待機用電源)111と電源回路b(通常動作用電源)112は、遅延した駆動停止処理を必要としない負荷に対して電力を供給する早期停止電源回路である。
【0063】
入力端子101はリセットスイッチ102、漏れ電流を検知する零相変流器(ZCT)を有する漏電検出部121、入力電流の異常を検知するカレントトランスを有する電流検出部122、図示していないノイズフィルタ等を介して主電源スイッチ114および並列に接続されたリレー等で構成されたスイッチ(SW)素子115を介し電源回路a111に接続されると共に、主電源スイッチ1114と並列にリレー等で構成されたスイッチ素子116を介して電源回路b112に接続され、さらに主電源スイッチ114と並列にリレー等で構成されたスイッチ素子117を介して電源回路c113に接続されている。
【0064】
主電源スイッチ114は電源回路a111に交流電源を供給すると共に主電源スイッチ114に連動したON/OFF信号をコントローラ103へ入力している。コントローラ103は、例えば電源装置110がプリント処理、コピー処理等のデータ処理装置用の電源装置である場合には、プリント処理、コピー処理等のデータ処理を実行中であるか否かを判別し、データ処理を実行中である場合には、処理データの保護を目的にスイッチ素子115をONにして主電源スイッチ114とは無関係に電源回路111への交流電源の供給を維持し、処理データをHDD等の記憶部(図示せず)に記憶する処理をコントローラ103のデータ保護部105で実行する。
【0065】
本電源装置は省エネルギー性・安全性・高信頼性を両立したパワーマネジメントを行うために、図に示すように電源回路を複数搭載し、各電源回路a〜cの前段にそれぞれスイッチ素子115,116,117を設け、各スイッチを通常動作時、待機時等、目的に合わせてON/OFFすることで必要な電力のみを各負荷に効率よく供給することを可能としている。
【0066】
電源回路a111は直流電圧Vout1端子から主にデータ処理と機器の制御を司るコントローラ103に電力を供給し、電源回路b112は直流電圧Vout2端子から主に画像形成を行う駆動部108に電力を供給し、電源回路c113は直流電圧Vout3端子から主に定着部を冷却するファン(FAN)109に電力を供給する。
【0067】
ユーザが、プリント指示を要求した場合、これら3つの電源回路111,112,113全てから画像形成処理に必要な負荷へ電力を供給し、ユーザからのプリント指示が無くなると、待機時の電力低減を目的に、スイッチ素子116をオフとして主電源である電源回路b112から負荷への電力供給を遮断し、電源回路a111を待機用電源として動作させる。
【0068】
待機用電源である電源回路a111から電力供給を受けているコントローラ103はデータ処理を必要としていない時には、コントローラ103内のON/OFF制御部107を介して制御信号を出力してスイッチ素子116をOFFして電力の消費を抑制する。また、画像形成装置内においてトナー凝固が発生する温度にある場合には電源回路c113の動作を継続させる制御、すなわちスイッチ素子117をONのまま継続する制御を遅延制御部151の制御の下に実行する。
【0069】
その後、画像形成装置内の温度が信頼性に問題のない温度まで下がる所定の時間が経過した後、スイッチ素子117をOFFとして電源回路c113から負荷への電力供給を遮断する。
【0070】
なお、電源回路b(通常動作用電源)112および電源回路c113から負荷への電力供給遮断処理は、電源回路におけるスイッチング動作の停止やリレーやFET等のスイッチ手段を使用しての出力を遮断する方法もあるが、電源回路の待機や動作時の無駄な損失を極力減らす為に電源回路a(待機用電源)111から電力の供給されるコントローラ103の出力する信号に基づいて、リレーやFET等のスイッチ手段からなるスイッチ素子116,117をオフして入力側を遮断する。
【0071】
上述したように、正常な処理が実行される場合には、コントローラ103の制御の下に各電源回路の前段のスイッチ素子115,116,117が各状態に応じてON/OFF制御される。本発明の電源装置では、さらに、異常発生時のリセットスイッチ102、スイッチ素子115,116,117の制御を動作検出部120、異常監視部132、リセットスイッチ駆動回路131、スイッチON/OFF回路133の構成によって実行する。
【0072】
本発明の電源装置は、動作検出部120において漏電、過電圧、過電流、その他の動作状態、異常状態を検出し、異常監視部132において、動作検出部120からの監視情報を入力し、入力情報に基づいてリセットスイッチ駆動回路131からの出力をリセットスイッチ102に入力して、交流電源を遮断する処理と、異常監視部132において、動作検出部120からの監視情報を入力し、入力情報に基づいてスイッチON/OFF回路(スイッチ制御回路)133からの出力をスイッチ素子115,116,117に入力して、電源回路a(待機用電源)111、または電源回路b(通常動作用電源)112、または電源回路c113への交流電源を選択的に遮断する処理を可能とした構成を持つ。
【0073】
動作検出部120は、図に示すように、漏電検出部121、電圧検出部123、電流検出部122、異常検出部A124、暴走検出部125を含む構成であり、これらの検出部、少なくとも電圧検出部123、電流検出部122、異常検出部A124は、複数の電源回路111,112,113または電源回路から電力の供給される負荷に対応して個別に複数設定される。異常監視部132は、動作検出部120からの入力信号に基づいて異常発生部位を判定し、判定した異常発生部位に基づいて、リセットスイッチ102または、複数のスイッチ素子115,116,117のいずれかを選択的に動作させる制御信号をリセットスイッチ駆動回路131、またはスイッチON/OFF回路133に出力する。
【0074】
なお、異常検出部A124は、温度検出素子、におい検出素子、音検出素子、煙検出素子、素子の計時変化状態を検出する計時変化検出素子等によって構成され、各異常の発生可能性のある部位に取り付けられる。
【0075】
動作検出部120、異常監視部132、リセットスイッチ駆動回路131、およびスイッチON/OFF回路133に対する電力は、第1の電源(電源回路部a(待機用電源)111)のDC出力部115から供給される。
【0076】
次に、図1に示す電源装置110の内部構成を説明する。動作検出部120には、図に示すように漏電検出部121、電流検出部122、電圧検出部123、温度検出など異常を検出する異常検出部A124、およびコントローラ103のソフトウェアエラー等の暴走を検出する暴走検出部125が設けられている。以下、各検出部について説明する。
【0077】
漏電検出部121は、1次回路に感電の危険となる漏れ電流が発生しているか否かを検出する回路である。電源回路に供給されるAC電源の行きの電流と帰りの電流との電流差(例えば、人が活電部に触れることによって生じた漏れ電流が電流差になる)を零相変流器(ZCT)で検知し、更に異常監視部における増幅器(AMP)で増幅し、ある基準を超えた時に異常漏電と判断する。
【0078】
漏電検出信号は、異常監視部132に入力され、異常監視部132は、リセットスイッチ駆動回路131に動作信号を出力し、リセットスイッチ駆動回路131は、リセットスイッチ102をOFFして、交流電源の入力を遮断する。あるいは、異常監視部132は、スイッチON/OFF回路133に動作信号を出力し、スイッチON/OFF回路133は、各電源回路の入力段に設けたスイッチ素子115,116,117をOFFし、電源回路a(待機用電源)111、電源回路b(通常動作用電源)112、および電源回路c113への交流電源を遮断する。リセットスイッチ駆動回路131は、異常監視部132からのON/OFF制御信号に基づいてリセットスイッチ102を駆動し、スイッチON/OFF回路133は、異常監視部132からのスイッチ素子を特定したON/OFF制御信号に基づいて複数のスイッチ素子を選択的に動作させる。
【0079】
このように、各電源回路の入力段のスイッチ素子115,116,117もOFFすることにより、リセットスイッチ102をOFFするだけよりも速断性を増すことができるため、安全性を向上することができる。リセットスイッチ102は例えばプランジャの動作により接続を遮断する構成であるため、異常監視部132からの出力信号をリセットスイッチ駆動回路131が受信してから、実際にリセットスイッチ102が動作して入力が遮断するまでに時間を要するが、各電源回路の入力段のスイッチ素子115,116,117は、半導体素子であるリレーやFET等のスイッチ手段からなり、異常監視部132からの出力信号をスイッチON/OFF回路133が受信してから、実際にスイッチ素子115,116,117をオフするまでの期間が短くて済み、異常検出後、即座に電源回路a(待機用電源)111、電源回路部b(通常動作用電源)112、電源回路c113への交流電源を遮断することができる。
【0080】
なお、動作検出部120および異常監視部132、リセットスイッチ駆動回路131の動作電圧は、電源回路a(待機用電源)111のDC出力部141、および、電源回路c113のDC出力部142から電力が供給される。従来の電源装置においては、例えば漏電検出部に対しては、入力電圧から直接電力を常時供給する構成が一般的であったが、本構成においては、電源回路a(待機用電源)111のDC出力部141、および、電源回路c113のDC出力部142から電力を供給する構成としたので、漏電検出部等に対する独立した電力供給構成を持つことなく、構成の簡素化、および電力損失の大幅な削減が可能となる。
【0081】
電圧検出部123は、電源回路への入力電圧を検出し、予め定められたある基準値を超えた時に過電圧と判断し、異常監視部132からリセットスイッチ駆動回路131に信号を出力し、リセットスイッチ102をOFFする。あるいは、異常監視部132からスイッチON/OFF回路133に動作信号を出力し、スイッチON/OFF回路133が各電源回路の入力段に設けたスイッチ素子115,116,117をOFFし、電源回路a(待機用電源)111、電源回路b(通常動作用電源)112、および電源回路c113への交流電源の入力を遮断する。リセットスイッチ駆動回路131は、異常監視部132からのON/OFF制御信号に基づいてリセットスイッチ102を駆動し、スイッチON/OFF回路133は、異常監視部132からのスイッチ素子を特定したON/OFF制御信号に基づいて複数のスイッチ素子を選択的に動作させる。
【0082】
各電源回路の入力段のスイッチ素子もOFFすることにより、リセットスイッチをOFFするだけよりも速断性を増すことができるのは漏電遮断と同様である。
【0083】
なお、電圧検出部123は、電源回路の異常時に電圧が上昇する可能性のある各部分に設けられる。例えば電源回路a(待機用電源)111、電源回路b(通常動作用電源)112、および電源回路c113の内部または各出力部に設けることで、それぞれの電源回路または電源回路の出力異常を個別に判断し、異常である電源回路の入力部に設けたスイッチ素子115,116,117のいずれかをOFFし、電源回路a(待機用電源)111、または電源回路b(通常動作用電源)112、または電源回路c113への交流電源を選択的に遮断することが可能となる。
【0084】
電流検出部122は、異常時に電流が増加する可能性のある回路部分の電流を検出し、異常検出部A124は、例えば電源回路の異常時に温度が上昇する素子の温度を検出し、検出信号を入力する異常監視部132に異常信号が入力された場合に、異常監視部132からリセットスイッチ駆動回路131に信号を出力し、リセットスイッチ102をOFFする。あるいは、異常監視部132からスイッチON/OFF回路133に動作信号を出力し、スイッチON/OFF回路133が各電源回路の入力段に設けたスイッチ素子115,116,117をOFFし、電源回路a(待機用電源)111、電源回路b(通常動作用電源)112、および電源回路c113への交流電源を遮断する。リセットスイッチ駆動回路131は、異常監視部132からのON/OFF制御信号に基づいてリセットスイッチ102を駆動し、スイッチON/OFF回路133は、異常監視部132からのスイッチ素子を特定したON/OFF制御信号に基づいて複数のスイッチ素子を選択的に動作させる。
【0085】
なお、電流検出部122、異常検出部A124も、上述の電圧検出部123と同様、電流値異常、あるいは温度上昇等の異常が発生する可能性のある各部分に設けられる。例えば電源回路a(待機用電源)111、電源回路b(通常動作用電源)112、および電源回路c113の各出力部に設けることで、それぞれの電源回路の異常を個別に判断し、異常である電源回路の入力部に設けたスイッチ素子115,116,117のいずれかをOFFし、電源回路a(待機用電源)111、または電源回路b(通常動作用電源)112、または電源回路c113への交流電源を選択的に遮断することが可能となる。
【0086】
なお、異常監視部132において異常と判断された場合は、コントローラ103に対して異常警報を出力する。すなわち、異常監視部132によって判定された異常発生部位情報を含む異常情報をコントローラ103に出力する。コントローラ103は入力情報に基づいてディスプレイ(図示せず)に異常状態の発生を示すメッセージ出力等を実行する。また、コントローラ103は、異常警報入力に基づいて、各スイッチ素子115,116,117の駆動信号を出力してもよい。
【0087】
なお、コントローラ103自身が持つ異常検出部B104において実行する安全監視プログラムに基づいて異常を判定し、判定情報に基づいて各スイッチ素子115,116,117の駆動信号を出力して各電源回路に対する電力供給を停止することも可能である。
【0088】
なお、リセットスイッチ駆動回路131を駆動させて電源装置110に対する電力を全体的に遮断するか、スイッチON/OFF回路133を駆動させて、スイッチ素子115,116,117を遮断するかは選択的に実行可能であり、いずれを動作させるかは検出した異常の内容および異常の発生場所に基づいてあらかじめ定められたシーケンスに従って異常監視部132において判断され、判断に基づく制御が実行される。具体的な処理シーケンスの例については、フローを参照して後段で詳細に説明する。
【0089】
なお、異常検出部A124は、上述の温度検出のみならず、半導体破損や定着装置などの温度異常による異臭を検知するにおい検知回路や、半導体などが破損するときに発せられる破裂音を検知する音検知回路、電気部品などが故障により発熱し発生する煙を検知する煙検知回路などによって構成され、各異常の発生可能性のある部位にそれぞれの異常検出素子が設置される。また、機器が寿命に達したときに異常として入力を遮断するために、異常監視部の判定を、使用時間に伴って上昇する様々な特性を検知して異常と判断しても良い。例えば部品の温度上昇速度が寿命ともに加速する部品(電解コンデンサなど)の温度検知値をメモリーして上昇速度が速くなったら異常と判定し、異常判定に基づいてリセットスイッチ102または、スイッチ素子115,116,117を動作させる構成としてもよい。
【0090】
暴走検出部125は、コントローラ103のソフトウェア暴走を監視する。具体的には、異常発生時に主電源スイッチ114がOFFされた際、コントローラ103のON/OFF制御部107の制御の下に、主電源スイッチ114のOFF後、規定時間内に各スイッチ素子115,116,117が正しくOFFされた否かを監視する。
【0091】
暴走検出部125からの監視情報としての検出信号は異常監視部132に出力される。異常監視部132は、主電源スイッチ114のOFF後、規定時間内に各スイッチ素子115,116,117が正しくOFFされていないと判定した場合、コントローラ103のソフトウェア暴走によるエラーと判断し、スイッチON/OFF回路133に制御信号を出力し、スイッチON/OFF回路133の制御の下に各電源回路の入力段に設けたスイッチ素子115、116を強制的にOFFする処理を実行し、電源回路a111と電源回路b112に対する電力供給を遮断する。
【0092】
例えば画像形成装置では電源回路b112により供給されている電源により動作する駆動部の退避動作に2秒程度かかり、コントローラ111で電源回路a111により供給されている電源により動作するデータ退避処理には5秒程度かかり、電源回路c113により供給されている電源により動作するFAN109は装置内の冷却に15分程度かかる。従って、これらの処理を考慮したスイッチ素子115,116,117の駆動制御が必要となる。しかし、ソフトウェア暴走によるエラーを発生させている可能性のあるコントローラに制御を任せることは危険である。
【0093】
そのため、本発明では電源回路c113により供給されている電源により動作するFAN109の駆動を継続させるため、電源回路c113の前段のスイッチ素子117のON/OFF制御をコントローラと独立して行うことを可能とした。この構成について、以下、詳細に説明する。
【0094】
図1に示すように、遅延制御部151にスイッチ素子118を設け、電源回路b112の出力(Vout2)、および電源回路c113の出力(Vout3)を切り替えてスイッチ素子117のON/OFF制御を行う。主電源スイッチ114のON時にはスイッチ素子118をa側に切り替えて電源回路b112の出力Vout2を用いてスイッチ素子117をONに設定する制御を実行する。スイッチ素子117をONとすることで電源回路c113が立ち上がりFAN109が動作を開始する。
【0095】
上述したように、異常発生時に主電源スイッチ114がOFFされた場合、暴走検出部125からの監視情報に基づいて異常監視部132は、規定時間内に各スイッチ素子115,116,117が正しくOFFされていないと判定した場合、コントローラ103のソフトウェア暴走によるエラーと判断し、スイッチON/OFF回路133に制御信号を出力し、スイッチON/OFF回路133の制御の下に各電源回路の入力段に設けたスイッチ素子115、116を強制的にOFFする処理を実行し、電源回路a111と電源回路b112に対する電力供給を遮断する。
【0096】
さらに、上述の処理と並行して、遅延制御部151内のスイッチ素子118をb側に切り替えて電源回路c113の出力Vout3の出力の一部を用いてスイッチ素子117のONを維持させる。なお、電源回路c113からのスイッチ素子117駆動用電圧は電源回路b112からのものより低めに設定し誤動作を防止する。
【0097】
その後、遅延制御部151内のタイマによって計測される冷却に必要な時間経過後に遅延OFF信号によりスイッチ素子118を再度a側、すなわち電源回路b112の出力Vout2側に切り替えることでスイッチ素子117をOFFとして電源回路3の動作を停止する。これらの処理形態によりコントローラ103の暴走時に素早くコントローラ103への電力供給を遮断し安全が確保できると共にファン109の駆動を継続させて画像装置内の冷却が可能となり信頼性の確保が実現される。遅延制御部151内の構成については、図2を参照して、後段で詳細に説明する。
【0098】
遅延制御部151は、遅延停止要請電源回路としての電源回路c113および早期停止電源回路としての電源回路b112の双方から駆動電力を入力し、該入力電力に基づいてスイッチ素子117の制御を実行する構成であり、早期停止電源回路としての電源回路b112からの供給電力停止後、遅延停止要請電源回路としての電源回路c113からの電力供給に基づいてスイッチ素子117をオン状態に維持し、遅延停止要請電源回路としての電源回路c113に対する電力供給を継続させる処理を実行する構成である。
【0099】
本構成は省エネ待機時にも適用できる。省エネ待機時には所定の処理プロセスが終了した後、スイッチ素子116がOFFされ主電源である電源回路b112の動作が停止する。後は前述の動作と同様にスイッチ素子117は所定の処理が経過した後OFFして電源回路c113を停止させ、電源回路a111とコントローラ103の待機に必要な必要最低限の部分に通電することで消費電力を抑制できる。
【0100】
また、主電源スイッチ114のOFF時においても装置の冷却時にFAN109を駆動する電源回路c113のみを動作させればよいので無駄な電力消費が抑制できる利点がある。このように、スイッチ素子117を、コントローラ103と独立した制御系において制御することにより高い信頼性と優れた省エネおよび高い安全性が実現される。
【0101】
図1に示す構成により、様々な異常の発生した電源回路への電源供給を継続的に停止することができる。本構成によれば、電源回路での異常発生時に電源供給を確実に停止できるので、電源回路においては、定格負荷容量を越えた負荷容量に対応する回路構成とすることなく、定常負荷に対して最適である素子や部品を選定するだけで済みコストダウンが実現される。さらにプランジャによって動作するリセットスイッチ102のみならず、リレーやFET等のスイッチ手段からなる各電源回路の入力段のスイッチ素子115,116,117のオフ処理により各電源回路の入力を遮断する構成であるため、異常発生からの電力遮断までの時間を短縮することが可能であり、また、異常個所に応じて選択的に各電源回路への交流電源を遮断することが可能となる。
【0102】
例えば電源回路b112における異常発生時はスイッチ素子116のみ遮断することで、コントローラ103へは、電源回路a111を介して通電が可能であり、異常状態を外部に伝達することが可能となる。これは、コントローラや駆動回路などそれぞれ接続された各負荷において異常が発生した場合、これらの異常も検出可能とするものであり、このような異常時にも入力電源遮断が行なわれ、安全性が確保される。
【0103】
さらに、異常が発生した電源回路のみの電力供給を選択的に遮断可能であるので、異常発生後、所定時間の処理が必要なデータ保護やFanによる装置内の冷却処理などを実行する電源回路に対しては、それぞれ個別に電力供給を継続する遅延動作が可能となり、信頼性と安全性の両立が実現される。
【0104】
また、必要に応じて異常監視部132にタイマー回路を内蔵して、漏電検出部121、電圧検出部123、電流検出部122、異常検出部A124からそれぞれ送られる異常信号の示す値が通常値を継続的に逸脱している期間を測定し、その測定された期間が所定の期間以上に達したとき、異常と判断し、異常のある回路を判断して、異常のある回路に接続されたスイッチ素子115,116,117のいずれかをスイッチON/OFF回路133によって動作(OFF)させて、異常のある回路に対する電力供給を遮断、あるいはリセットスイッチ駆動回路131を動作させてリセットスイッチ102をOFFし、入力を遮断する構成としてもよい。本構成によれば、電源装置の起動時等に発生する過渡状態に起因する電源異常の誤検知を防止することができる。
【0105】
本構成によれば、コントローラ103や図示しない駆動回路など、各電源回路それぞれに接続された各負荷において異常が発生した場合も、動作検出部120の検出素子をそれぞれに配置することで、各位置の異常が容易に検出可能であり、このような異常時にも入力電源遮断を行なうことが可能となり、より高い安全性が確保される。
【0106】
また、通常は動作検出部120および異常監視部132、リセットスイッチ駆動回路131、スイッチON/OFF回路133の動作電圧は、電源回路a111のDC出力部141から供給されているが、電源回路部c113のDC出力部142からも供給できるようになっており、電源回路a111が停止及び故障しても動作検出部120および異常監視部132、リセットスイッチ駆動回路部131等を動作させることが可能となり、冗長性をあげることが可能となる。
【0107】
[回路構成例]
図2は、上述した電源装置の回路構成を具体化して示した図である。電源回路a310は、高周波成分を除去する入力フィルタ回路311、入力信号の整流平滑処理を行う1次整流平滑回路312、トランス313、トランス出力制御のための制御信号、例えばパルス幅信号を出力する制御回路314、トランス313の一次側のスイッチング処理を実行するスイッチング素子315、およびトランス2次側において出力信号の整流平滑処理を行う2次整流平滑回路316を有する。2次整流平滑回路316によって整流平滑された電力がコントローラ等に供給される。電源回路b320、電源回路c330も電源回路a310と同様の構成である。
【0108】
図に示すように、トランス313は、負荷に対する出力を生成するとともに、異常処理部350、すなわち、リセットスイッチ駆動回路351、漏電検出部352、電流検出部353、電圧検出部354、異常監視部355、暴走検出部357、スイッチON/OFF回路356に対して供給する電力を生成する構成を有する。このトランス313は、図1に示すDC出力部141を構成する。
【0109】
漏電検出部352は、リセットスイッチ302の前段もしくは後段に零相変流器(ZCT)303を設置し、交流入力電流の行きと帰りの電流の差を漏電検出部352にて検出し、その差があるレベル以上になった時に異常監視部355にて漏電と判断する。漏電と判断した場合、異常監視部355からリセットスイッチ駆動回路351に信号を送りリセットスイッチ302をOFFし、また、各電源回路310,320,330の入力段に設けたスイッチ素子としてのリレー361,362,363をOFFし、入力を遮断する。
【0110】
リセットスイッチ駆動回路351を駆動させて電源装置に対する電力を全体的に遮断するか、スイッチON/OFF回路356を駆動させて、リレー361,362,363を遮断するかは選択的に実行可能であり、いずれを動作させるかは検出した異常の内容および異常の発生場所に基づいてあらかじめ定められたシーケンスに従って異常監視部355が判断し、判断に基づく制御が実行される。
【0111】
電流検出部353は、入力電流をカレントトランス358により検出し、異常監視部353に検出値を入力し、異常監視部353が異常な電流であるかを判断する。異常と判断した場合、異常監視部353からリセットスイッチ駆動回路351に信号を送りリセットスイッチ302をOFFする。あるいは、各電源回路310,320,330の入力段に設けたスイッチ素子としてのリレー361,362,363をOFFし、入力を遮断する。
【0112】
このようにカレントトランス358により、瞬時的な異常電流を捕らえて入力を遮断する方法と同時に、異極のAC入力ラインにサーキットブレーカ304を設置することで実効的(熱的)な過電流においては、サーキットブレーカ304を動作させ入力を遮断することができる。この2つの電流遮断方法により様々な電流異常に対して対応することが可能となる。
【0113】
電圧検出部354は、例えば電源回路a310に対するAC入力電圧を整流平滑する一次整流平滑回路312の平滑電圧を検出し、異常監視部355において異常な過電圧であるかを判断する。異常の場合、異常監視部355からリセットスイッチ駆動回路351に信号を送りリセットスイッチ302をOFFする。あるいは、各電源回路310,320,330の入力段に設けたスイッチ素子としてのリレー361,362,363をOFFし、入力を遮断する。
【0114】
暴走検出部357は、コントローラの暴走の判定に際して、主電源スイッチ360のON/OFF信号を検知し検知信号を異常監視部355に出力すると、異常監視部355は主電源スイッチOFFからタイマーを動作させ予め設定された規定時間が経過してタイマーアウトしたときに、スイッチON/OFF回路356に制御信号を出力し、リレースイッチ素子361,362を強制的にOFFする。このとき危険度に合わせたタイマーを2個動作させてリレースイッチ素子361,362を異なるタイミングでOFFすることで更に安全性および信頼性を高めることが可能となる。すなわち、電源回路a310において実行されるデータ退避処理時間を考慮して、電源回路a310の前段のリレースイッチ素子361のオフタイミングを遅延させる制御を行うことで、処理データの記憶処理を確保した電源遮断が可能となる。
【0115】
リセットスイッチ駆動回路351、漏電検出部352、電流検出部353、電圧検出部354、異常監視部355、スイッチON/OFF回路356、暴走検出部357の動作電圧は電源回路a310におけるトランス313の一次側から供給される。
【0116】
リセットスイッチ駆動回路、各検出部、異常監視部等からなる異常処理部350の動作電圧は、図2に示すように、電源回路a310におけるトランス313の一次側に生成した補助巻線317からダイオード(D1)318を介して供給される。さらに、電源回路c330においても、同様のトランスの一次側に生成した補助巻線からダイオード(D2)を介して供給される。
【0117】
例えば入力商用電圧が100V−ACでトランス313の入力巻線に生じる電圧が140Vのとき、トランスの補助巻線により10〜15V−DCの電圧を生成して異常処理部350に対する供給電圧とする。
【0118】
なお、図2に示すように、トランス313の一次側で電源回路a310を制御する制御回路314に対する供給電力として低いDC電圧を生成し、これを異常処理部350に対する供給電力に兼用することで、異常処理部350に専用の電力供給構成を形成する必要がなく、コストダウン、省エネが実現される。なお、このような兼用構成とせず、トランスの1次側あるいは2次側に異常処理部350に対する供給電力を生成するための巻線を形成して必要となるDC電圧を作って供給する構成としてもよい。
【0119】
このように、リセットスイッチ駆動回路351、漏電検出部352、電流検出部353、電圧検出部354、異常監視部355、暴走検出部357、スイッチON/OFF回路356への電力供給構成は、電源回路a310、電源回路a330から供給されるので、独立した専用の電力供給構成を省略可能であり、コストダウン、省エネが実現される。
【0120】
次に遅延制御部340の構成および処理について説明する。図に示すように、遅延制御部340は、電源回路b320、電源回路c330からダイオード371,372を介して接続され、電源回路b320、電源回路c330からの電力が供給され、また、予め設定された時間を計測するタイマ370を有する。
【0121】
冷却ファンを駆動する電源回路c330に接続されたスイッチ素子363のON/OFF制御は、省エネ待機時(主電源スイッチOFF時も含む)に電源回路320の動作が停止するため電源回路330の2次整流回路336の出力からダイオード(D4)372を介して供給する電圧により制御し、スイッチ素子(リレー)363の駆動を維持する。
【0122】
スイッチ素子362のオフによって電源回路b320の出力がなくなったことをトリガ(Triger)としてタイマ370がセットされる。この時点で、スイッチ素子(リレー)363の駆動(ON維持)電圧は、電源回路c330の2次整流平滑回路336の後段の出力部、ダイオード372を介して供給される。
すなわち、図1において、スイッチ素子118がaからbに切り替えられる動作が行われる。電源回路c330には継続して電力が供給されているので、スイッチ素子363はONのまま維持され、電源回路c330の負荷として接続されたファンは駆動状態を継続することができる。
【0123】
その後、予め設定された時間経過後にタイマ370からタイムアウト信号が出力される。タイマ370には並列して抵抗(R1)373、サイリスタ(Q1)374が接続されており、タイマ370から出力されるタイムアウト信号に基づいて、サイリスタ(Q1)374をONさせてスイッチ素子(リレー)363の駆動電源を遮断することで、スイッチ素子(リレー)363をOFFに切り替えて電源回路c330に対する電力供給を停止させる。
【0124】
タイマ370のタイムアウト時間は、電源回路c330の負荷として接続されるファンによる冷却処理が充分に実行される時間として設定される。具体的には、例えば装置内の内部温度の上昇によるトナー凝固の恐れを解消するに充分な冷却時間に設定される。
【0125】
このように、ファンによる冷却処理が充分に実行される間、電源回路c330には、電力が供給されるので、異常発生時において、他の電源回路に対する電力供給が遮断された後であっても冷却処理が継続して実行され、トナー凝固、あるいはその他の部品の破損等の恐れが解消される。また、本構成は、コントローラに対する電力供給停止の際にも有効に作用するので、コントローラによるソフトウェアエラー等の発生時にも有効である。
【0126】
なお、スイッチON/OFF回路356からの制御信号に基づいて、サイリスタ(Q1)374をONさせてスイッチ素子(リレー)363の駆動電源を遮断することで、スイッチ素子(リレー)363をOFFに切り替えて電源回路c330に対する電力供給を停止させる処理も可能である。
【0127】
図3は、異常監視部、リセットスイッチ駆動回路、リセットスイッチの具体的回路構成例を示す図である。
【0128】
漏電検出部における漏電検知時には零相変流器303に誘起される電圧がダイオード421、抵抗422を介してオペアンプ(op amp1)411に入力され、オペアンプ(op amp1)411に設定された閾値を超えるとオペアンプ(op amp1)411の出力によりフォトカプラ412がONしてリセットスイッチ302のコイル413を動作させてAC入力を遮断する。
【0129】
電流検出部における過電流検知時にはカレントトランス358に誘起される電圧がダイオード441、抵抗442を介してオペアンプ(op amp2)431に入力され、オペアンプ(op amp2)431に設定された閾値を超えるとオペアンプ(op amp2)431の閾値を超えるとオペアンプ(op amp2)431の出力によりフォトカプラ412がONしてリセットスイッチ302のコイル413を動作させてAC入力を遮断する。
【0130】
電圧検出部における過電圧検知時の処理は以下の通りである。電源回路a310内部の一時整流平滑回路312により整流した電圧が規定より高いときにツェナーダイオード451が動作してフォトカプラ452がONしてリセットスイッチ302のコイル413を動作させてAC入力を遮断する。
【0131】
なお、図3にはリセットスイッチ302の動作構成のみを示してあるが、各電源回路個別に設けられるリレー、FET等のスイッチ手段の動作制御は、各動作検出部からの信号に基づいて異常監視部が出力する出力信号をスイッチON/OFF回路が受信し、スイッチON/OFF回路が受信信号に基づいて各スイッチ素子の駆動信号を出力する制御シーケンスに従って実行される。
【0132】
[実施例2]
図4は、本発明に係る電源装置の第2の実施例構成を示すブロック図である。
この第2の実施例における電源装置510は、上述した第1の実施例の構成と同様、待機時に必要となる負荷、例えば画像形成装置の制御を行うコントローラに電力を供給する電源回路部a(待機用電源)511と、モータ等画像形成等に必要な負荷へ電力を供給する電源回路部b(通常動作用電源)512とを持つ。
【0133】
本実施例2の構成は、さらに、AC電力調整回路513を設け、AC電力調整回路513の前段にスイッチ素子517を設けている。AC電力調整回路513は、定着装置等に用いられるランプ573に電力を供給する。スイッチ素子517はコントローラ503およびスイッチON/OFF回路533によって制御される。
【0134】
実施例2では動作検出部520、異常監視部532、リセットスイッチ駆動回路531、スイッチON/OFF回路533に対する動作電圧を、電源回路部a(待機用電源)511のDC出力部のみならず、電源回路部b(通常動作用電源)512のDC出力部、およびAC電力調整回路513のAC出力部から整流用ダイオード541,542,543を介して供給可能な構成とした。なお、動作検出回路及び異常監視部、リセットスイッチ駆動回路部の動作電圧は、電源回路a511、電源回路b512、AC電力調整回路513の順に低く設定することで誤動作を防止している。
【0135】
従って、電源回路部a(待機用電源)511が故障しても、電源回路部b(通常動作用電源)512のDC出力、あるいはAC電力調整回路513のAC出力に基づいて動作検出部520、異常監視部532、リセットスイッチ駆動回路531、スイッチON/OFF回路533を動作させることが可能となり、信頼性を高め冗長性をあげることが可能となる。
【0136】
スイッチ素子517は、スイッチ素子515,516と同様リレーやFET等のスイッチ手段からなり、AC電力調整回路513に対する入力電力のオンオフ設定を行う。コントローラ503からの制御信号、または、異常監視部532からの出力信号に基づいて動作するスイッチON/OFF回路533によってオン/オフ制御がなされる。
【0137】
動作検出部520には、実施例1と同様、漏電検出部521、電流検出部522、電圧検出部523、温度検出、におい検出など様々な異常を検出する異常検出部524が設けられている。これらの検出部は、それぞれの異常の発生の可能性がある箇所に散在して設置される。例えば電源回路部a(待機用電源)511、電源回路部b(通常動作用電源)512、AC電力調整回路513の出力段に設けられ、各出力の異常を個別に検出し、検出異常に基づいて、異常監視部532がスイッチON/OFF回路533に駆動信号を出力し、スイッチ素子515、516,517を選択的に遮断(OFF)する。もちろん、実施例1と同様、異常監視部532がリセットスイッチ駆動回路531に駆動信号を出力し、リセットスイッチ502を遮断することも可能である。
【0138】
なお、リセットスイッチ駆動回路531を駆動させて電源装置510に対する電力を全体的に遮断するか、スイッチON/OFF回路533を駆動させて、スイッチ素子515,516,517を遮断するかは選択的に実行可能であり、いずれを動作させるかは検出した異常の内容および異常の発生場所に基づいてあらかじめ定められたシーケンスに従って異常監視部532において判断され、判断に基づく制御が実行される。
【0139】
さらに、本実施例においては、電源回路b512にて生成される電源出力Vout4をハードディスク(HDD)571などのデータ記憶装置に供給し、スイッチ素子551を介した電源出力Vout2をモータ等の駆動部572へ供給する構成としている。
【0140】
スイッチ素子551は、スイッチ素子515,516,517と同様リレーやFET等のスイッチ手段からなり、コントローラ503からの制御信号、または、異常監視部532からの出力信号に基づいて動作するスイッチON/OFF回路533によってオン/オフ制御がなされる。
【0141】
異常発生時には、異常監視部532からの出力信号に基づいて動作するスイッチON/OFF回路533によって、スイッチ素子551をオフさせることで、駆動部572に対する電力供給のみを遮断し、データ退避動作に必要なHDD571に対して電力供給を継続することが可能となる。
【0142】
また、本実施例においては、電源回路a511の前段のスイッチ素子515と、電源回路b512の前段のスイッチ素子516を連動して制御する構成としてある。すなわちコントローラ503によるスイッチ制御、および、スイッチON/OFF回路533によるスイッチ素子の制御において、スイッチ素子515とスイッチ素子516を連動して制御する。
【0143】
電源回路a511などの待機電源では生成する出力数と出力電力が少ない方が交流から所定の直流電圧に変換する際の変換損失が大幅に減少することが知られており、本構成のように回路構成を簡略化し、電源回路の出力数を減少させることで、電圧変換時の変換損失を減少可能となる。また、省エネ待機時にはスイッチ素子515,516,517をOFFすることで消費電力が大幅に低減され省エネ性能が向上できる。
【0144】
本構成例によれば、さらなる安全性と省エネ性能の向上がはかれる。なお、さらに第3、第4…など複数の電源回路や負荷装置を接続し、それぞれの入力段にリレーやFET等のスイッチ手段からなるスイッチ素子を設けることで高い安全性と省エネ性能の向上を実現できるシステムを組むことが可能である。
【0145】
[処理シーケンス]
次に、本発明の電源装置の動作について、図5、図6および図7のフローチャートを参照して説明する。図5は、本発明の電源装置の立ち上げから電源回路からの電力供給に基づく処理(プリント処理)を実行する場合の処理手順を示すフローである。図6は、動作停止処理の処理手順、図7は、異常判定処理の手順を示すフローである。なお、図5、図6、および図7とも、上述した実施例1において説明した図1の構成を持つ電源装置における処理例として説明する。以下のフローの説明は図1を参照して説明する。各フローにおける各構成の参照符号は図1の符号に対応する。
【0146】
まず、図5の電源装置の立ち上げから処理の実行に関する処理手順について説明する。ステップS101において、主電源スイッチ114(図1参照)をONする。これは、ユーザによって手動で処理される。ステップS102において、電源回路a(待機用電源)111に電力が供給される。ステップS103において、電源回路a111から電力がコントローラ103に供給され、コントローラが立ち上げられる。ステップS104において、コントローラ103の制御により、スイッチ素子115がON状態に設定される。
【0147】
ステップS105において、さらにコントローラからの信号が出力され、スイッチ素子116がONとなり、ステップS106において、電源回路b(通常動作用電源)112に対して電力が供給される。
【0148】
ステップS107において、さらにコントローラからの信号が出力され、スイッチ素子117がONとなり、ステップS108において、電源回路c113に対して電力が供給される。
【0149】
ステップS109において、電源回路c113からの電力供給により、ファン119が始動する。ステップS110において、コントローラ内部の待機タイマーがセットされる。ステップS111において、主電源スイッチ114がオフされているか否かが判定され、オフであれば、ステップS151に進み、停止動作に移行する。
【0150】
主電源スイッチ114がオフされていない場合は、ステップS112に進み、プリント開始がなされたか否かが判定され、プリント開始がなされた場合は、ステップS113において、電源回路b(通常動作用電源)112を介して各プリント処理部に対する電力が供給されてプリント動作が実行される。次に、ステップS114において、主電源スイッチ114がオフされているか否かが判定され、オフであれば、ステップS151に進み、停止動作に移行する。主電源スイッチ114がオフされていない場合は、ステップS115において、プリント完了か否かが判定され、プリント完了と判定すると、ステップS110に戻りコントローラ内部の待機タイマーがセットされる。ステップS115において、プリント未完了と判定した場合は、ステップS113においてプリント動作が実行される。
【0151】
ステップS112において、プリントが開始されない場合は、ステップS121に進み、待機タイマーの状態を判定し、待機タイマーがゼロ、すなわち、予め定められた時間、非動作状態が継続した場合、ステップS122以下に進み、待機状態への移行処理を実行する。
【0152】
ステップS122では、データ保護動作を行う。これは、処理データの記憶部への格納処理等である。データ保護処理が完了すると、ステップS123に進み、遅延制御部151のスイッチ素子118をb側、すなわち、電源回路c側からの電力供給による制御形態にセットする。
【0153】
次に、ステップS124でスイッチ素子116をコントローラ103からの制御信号に基づいてオフし、ステップS125において主電源である電源回路bの電力供給を停止する。ステップS126において、遅延制御部151のタイマ370(図2参照)をセットする。タイマに設定される時間は、前述したように、電源回路c113の負荷として接続されるファン109による冷却処理が充分に実行される時間として設定される。具体的には、例えば装置内の内部温度の上昇によるトナー凝固の恐れを解消するに充分な冷却時間に設定される。
【0154】
ステップS127で、スイッチ素子115をオフとし、ステップS128においてタイマ370の経過状態を判定し、タイマが規定時間を経過したことを条件として、ステップS129において、スイッチ素子118をa側、すなわち、主電源である電源回路bからの電力供給形態にセットする。
【0155】
この時点で、主電源である電源回路bには電力供給が停止されており、従って、スイッチ素子118によるスイッチ素子117のON維持処理が停止され、スイッチ素子117がOFFとなり、ステップS130において、電源回路c113に対する電力供給が停止され、ステップS131において、ファン109が停止する。
【0156】
ステップS132では、復帰信号の有無を判定し、復帰信号があった場合は、ステップS105に進み、電源回路b(通常動作用電源)112の前段に設けられたスイッチ素子116をONし、以下、ステップS105以下を繰り返し実行する。復帰信号は、コントローラが、例えばプリント開始等のユーザ入力に基づいてコントローラ内部で発生する信号である。
【0157】
次に、図6を参照して停止動作処理の手順について説明する。ステップS201において、処理の終了が判定される。これは例えばプリント処理等の終了をコントローラ103が判定するものである。用紙がないなどの理由により停止処理が始まった場合等には、処理が未了であるので、ステップS202に進み、処理中動作停止処理に移行する。この処理は、例えば停止理由のメッセージ表示などである。処理が終了していればステップS203に進み、データ保護動作、すなわち処理データの記憶部への格納処理を実行する。
【0158】
ステップS204では、遅延制御部151のスイッチ素子118をb側、すなわち電源回路c側からの電力供給による制御形態にセットする。ステップS205で、スイッチ素子116をコントローラ103からの制御信号に基づいてオフし、ステップS206において主電源である電源回路bの電力供給を停止する。ステップS207において、スイッチ素子115をコントローラ103からの制御信号に基づいてオフし、待機電源である電源回路aの電力供給を停止する。
【0159】
ステップS209において、遅延制御部151のタイマ370(図2参照)をセットする。タイマに設定される時間は、前述したように、電源回路c113の負荷として接続されるファン109による冷却処理が充分に実行される時間として設定される。具体的には、例えば装置内の内部温度の上昇によるトナー凝固の恐れを解消するに充分な冷却時間に設定される。
【0160】
ステップS210で、タイマ370の経過状態を判定し、タイマが規定時間を経過したことを条件として、ステップS211において、スイッチ素子118をa側、すなわち、主電源である電源回路bからの電力供給形態にセットする。
【0161】
この時点で、主電源である電源回路bには電力供給が停止されており、従って、スイッチ素子118によるスイッチ素子117のON維持処理が停止され、スイッチ素子117がOFFとなり、ステップS212において、電源回路c113に対する電力供給が停止され、ステップS213において、ファン109が停止し停止処理が終了する。
【0162】
次に、図7を参照して本発明の電源装置において異常判定処理の手順について説明する。本フローも上述した実施例1(図1)を参照して説明する。
【0163】
ステップS301において、異常監視部132が動作検出部120からの入力に基づいて異常の有無および位置を判定する。なお、上述した実施例中でも説明したように、過電圧、過電流、温度上昇等の異常検出部は、電源装置の各部に設けられており、異常監視部は、各異常検出部からの入力に基づいて異常発生箇所を判定する。
【0164】
ステップS301では、まず、漏電、入力過電圧、入力過電流の発生の有無が判定される。ステップS301で漏電、入力過電圧、入力過電流の発生ありと異常監視部232が判定した場合は、ステップS321に進み、異常監視部からの信号をリセットスイッチ駆動回路131に出力し、リセットスイッチ102をOFFし、ステップS322において、電源回路a(待機用電源)111の前段に設けられたスイッチ素子115にスイッチON/OFF回路133から信号を出力し、スイッチ素子115をOFFとして、ステップS323において、電源回路a(待機用電源)111に対する電力供給を停止する。
【0165】
さらに、ステップS324において、電源回路b(通常動作用電源)112の前段に設けられたスイッチ素子116をOFFし、ステップS325において、電源回路b(通常動作用電源)112に対する電力供給を停止する。
【0166】
さらに、ステップS326において、電源回路c113の前段に設けられたスイッチ素子117にスイッチON/OFF回路133から信号を出力し、スイッチ素子117をOFFとして、ステップS327において、電源回路c113に対する電力供給を停止し、ステップS328においてファン109を停止する。
【0167】
なお、ステップS321〜S328の処理順は、このフローのようなシーケンスで実行することは必須ではなく、例えば異常監視部132から、リセットスイッチ102、および全てのスイッチ素子115,116,117をOFFするための制御信号をリセットスイッチ駆動回路131、スイッチON/OFF回路133に一斉出力し、各処理を並列に実行してもよい。
【0168】
ステップS301において、過電圧、過電流、温度上昇等の異常検出がなされなかった場合は、ステップS302に進み、電源回路a(待機用電源)111の異常の有無を判定する。この異常判定は、電源回路a111内部あるいは出力に対して設けられた電流検出部122、電圧検出部123、異常検出部A124からの入力信号に基づいて異常監視部132が判定する。
【0169】
電源回路a111に異常有りと判定すると、上述したステップS321〜S328の処理を実行する。
【0170】
ステップS302において、電源回路a111に異常なしと判定した場合は、ステップS303に進み、電源回路b(通常動作用電源)112の異常の有無を判定する。この異常判定は、電源回路b112内部あるいは出力に対して設けられた電流検出部122、電圧検出部123、異常検出部A124からの入力信号に基づいて異常監視部132が判定する。
【0171】
電源回路b112に異常有りと判定すると、ステップS311において、電源回路b112の前段に設けられたスイッチ素子116にスイッチON/OFF回路133から信号を出力し、スイッチ素子116をOFFとして、ステップS312において、電源回路b112に対する電力供給を停止する。さらに、ステップS313において、遅延制御部151のタイマ370(図2参照)をセットする。タイマに設定される時間は、前述したように、電源回路c113の負荷として接続されるファン109による冷却処理が充分に実行される時間として設定される。具体的には、例えば装置内の内部温度の上昇によるトナー凝固の恐れを解消するに充分な冷却時間に設定される。
【0172】
ステップS314で、タイマ370の経過状態を判定し、タイマが規定時間を経過したことを条件として、ステップS315において、スイッチ素子118をa側、すなわち、主電源である電源回路bからの電力供給形態にセットする。
【0173】
ステップS316において、この時点で、主電源である電源回路bには電力供給が停止されており、従って、スイッチ素子118によるスイッチ素子117のON維持処理が停止され、スイッチ素子117がOFFとなり、ステップS317において、電源回路c113に対する電力供給が停止され、ステップS318において、ファン109が停止する。
【0174】
ステップS303の判定において、電源回路b112に異常なしと判定した場合は、ステップS304に進み、電源回路c113の異常判定が実行され、電源回路c113に異常ありと判定すると、ステップS316において、コントローラ103の制御の下にスイッチ素子117がオフとされ、ステップS317において、電源回路c113に対する電力供給が停止され、ステップS319において、ファン109が停止する。
【0175】
図8は、漏電発生時、入力過電圧、入力過電流、電源回路a(待機電源)、電源回路b(主電源)、電源回路c(ファン用)の各電源異常の発生時におけるリセットスイッチおよび各スイッチ素子のオンオフ状態を示す図である。各スイッチの符号は図1の参照符号に対応する。
【0176】
漏電の場合は、リセットスイッチ102および全ての電源回路に対応するスイッチ素子115,116,117、およびスイッチ素子117を制御するスイッチ素子118がOFFとなる。なお、スイッチ素子118のOFF状態は、遅延制御部151に対する電力供給がなされず、スイッチ素子118からスイッチ素子117に対するON維持信号が出力されないことを意味する。
【0177】
入力過電圧、入力過電流、電源回路a(待機用電源)異常の場合も漏電の場合と同様、リセットスイッチ102および全ての電源回路に対応するスイッチ素子115,116,117およびスイッチ素子118がOFFとなる。
【0178】
電源回路b(主電源)が異常の場合は、リセットスイッチ102および電源回路a(待機用電源)、電源回路cに対応するスイッチ素子115,117はONとされ、電源回路b(主電源)に対応するスイッチ素子116はOFFとされ、スイッチ素子118がb側、すなわち電源回路c側に接続される。
【0179】
電源回路cが異常の場合は、リセットスイッチ102および電源回路a(待機用電源)、電源回路b(主電源)に対応するスイッチ素子115.116はONとされ、電源回路cに対応するスイッチ素子117はOFFとされる。スイッチ素子118の設定は任意である。
【0180】
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0181】
【発明の効果】
以上、記述したように本発明の電源装置によれば、例えば冷却ファン等、他の負荷より遅延した駆動停止処理を必要とする負荷(遅延停止要請負荷)を含む様々な負荷に対して電力を供給する電源装置において、遅延停止要請負荷に対して電力を供給する遅延停止要請電源回路と、遅延した駆動停止処理を必要としない負荷に対して電力を供給する早期停止電源回路との双方から駆動電力を入力し、該入力電力に基づいて、遅延停止要請電源回路に対する電力供給および停止の切り替えを行うスイッチ素子の制御を実行する構成とし、早期停止電源回路からの供給電力停止後、遅延停止要請電源回路からの電力供給に基づいてスイッチ素子をオン状態に維持し、前記遅延停止要請電源回路に対する電力供給を継続させる処理を実行する構成としたので、例えば冷却ファンなど、異常停止処理後にも駆動が必要な電力の供給を、既存の電源回路からの電力供給に基づいて継続して確実に実行することが可能となる。
【0182】
さらに、本発明の構成によれば、遅延制御部内のタイマが、早期停止電源回路からの電力停止をトリガとして、予め設定された規定時間の経過を計測して該規定時間の経過に基づく信号を出力し、タイマからの出力信号に基づいてスイッチ素子をオフに設定して遅延停止要請電源回路に対する電力供給を遮断する処理を実行する構成としたので、例えばプリンタにおけるトナー凝固の発生を防止するために必要な時間等、予め定めた時間の通電を間違いなく実行可能となる。
【0183】
さらに、本発明の構成によれば、動作検出部、異常監視部等に対する電力を待機用電源回路等、既存の電源回路から出力する構成とし、動作検出部において電源回路の動作状態を監視し、動作状態に異常が発生していることを検出した際に、異常監視部の判定に基づいて各スイッチを動作させることを可能としたので、電源回路個別の電力供給の停止処理を高速に実行することが可能となり、より強固な安全性維持が実現され、異常監視部に対する独自の電源供給構成を設ける必要がなくなりコストダウン、省エネが実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電源装置の構成例(実施例1)を示す図である。
【図2】 本発明の電源装置の構成例における具体的回路構成例を示す図である。
【図3】 本発明の電源装置の構成例における具体的回路構成例を示す図である。
【図4】 本発明の電源装置の構成例(実施例2)を示す図である。
【図5】 本発明の電源装置における立ち上げ、動作処理シーケンスを説明するフローチャートを示す図である。
【図6】 本発明の電源装置における停止処理シーケンスを説明するフローチャートを示す図である。
【図7】 本発明の電源装置における異常判定処理シーケンスを説明するフローチャートを示す図である。
【図8】 本発明の電源装置における各状態のスイッチ素子設定について説明する図である。
【図9】 従来の電源装置の構成例を示す図である。
【符号の説明】
101 入力端子、102 リセットスイッチ
103 コントローラ、104 異常検出部B
105 データ保護部、106 スイッチ信号検出部
107 ON/OFF制御部、108 駆動部
109 ファン、111 電源回路部a
112 電源回路部b、113 電源回路c
114 主電源スイッチ、115,116,117,118 スイッチ素子
120 動作検出部、121 漏電検出部
122 電流検出部、123 電圧検出部
124 異常検出部A、125 暴走検出部
131 リセットスイッチ駆動回路、 132 異常監視部
133 スイッチON/OFF回路、151 遅延制御部
301 入力端子、302 リセットスイッチ、
303 零相変流器、304 サーキットブレーカ
310 電源回路、311 入力フィルタ
312 1次整流平滑回路、313 トランス
314 制御回路、315 スイッチング素子、
316 2次整流平滑回路、317 補助巻線
318 ダイオード、320 電源回路b
330 電源回路c、336 二次整流平滑回路
340 遅延制御部、350 異常処理部
351 リセットスイッチ駆動回路、 352 漏電検出部
353 電流検出部、354 電圧検出部
355 異常検出部、356 スイッチON/OFF回路
358 カレントトランス、360 主電源スイッチ
361,362,363 リレースイッチ素子
370 タイマ、 371,372 ダイオード、
373 抵抗、374 サイリスタ、
411 オペアンプ、412 フォトカプラ
421 ダイオード、422 抵抗
431 オペアンプ、441 ダイオード
442 抵抗、451 ツェナーダイオード
452 フォトカプラ、503 コントローラ
511 電源回路a、512 電源回路b
513 AC電力調整回路、514 主電源スイッチ
515,516,517,551 スイッチ素子、
541,542,543 ダイオード
571 HDD、572 駆動部、573 ランプ
901 入力端子、902 漏電ブレーカ
910 電源装置、921 主電源スイッチ
911 電源回路a、912 電源回路c
922,923 スイッチ素子、950コントローラ
951 スイッチ信号検出部、952 ファン遅延制御部
953 データ保護部、954 異常検出部
955 ON/OFF制御部、956 駆動部

Claims (15)

  1. 電源供給対象の機器の待機動作への移行の端緒をなす状態の検出結果、または前記機器の異常状態における前記機器のコントローラの暴走エラーの検出結果に基づいて第1のタイミングで駆動停止される負荷に対して電力を供給する早期停止電源回路と、
    前記第1のタイミングの前にすでに駆動開始され前記第1のタイミングから遅延した第2のタイミングで駆動停止処理を必要とする遅延停止要請負荷に対してその駆動開始から前記第2のタイミングの間に電力を供給する遅延停止要請電源回路と、
    前記遅延停止要請電源回路の前段に設けられ、該遅延停止要請電源回路に対する電力供給および停止の切り替えを行うスイッチ素子と、
    前記スイッチ素子の制御を行う遅延制御部とを有し、
    前記遅延制御部は、前記遅延停止要請電源回路および早期停止電源回路の一方から駆動電力を選択して入力し、該入力される駆動電力に基づいて前記スイッチ素子をオン状態に維持する制御を実行してオン状態の前記スイッチ素子を通じて前記遅延停止要請電源回路から前記遅延停止要請負荷に電力を供給する構成であり、前記早期停止電源回路からの供給電力停止前には、前記遅延停止要請電源回路からの電力供給受けることなく、前記早期停止電源回路からの電力供給に基づいて前記スイッチ素子をオン状態に維持し、前記早期停止電源回路からの供給電力停止後、前記遅延停止要請電源回路からの電力供給に基づいて前記スイッチ素子をオン状態に維持し、前記遅延停止要請電源回路に対する電力供給を継続させる処理を実行する構成であることを特徴とする電源装置。
  2. 前記遅延制御部は、タイマを有し、
    前記タイマは、前記早期停止電源回路からの電力停止をトリガとして、予め設定された規定時間の経過を計測して該規定時間の経過に基づく信号を出力する構成であり、
    前記遅延制御部は、
    前記タイマからの出力信号に基づいて、前記スイッチ素子をオフに設定し、前記遅延停止要請電源回路に対する電力供給を遮断する処理を実行する構成であることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  3. 前記遅延制御部は、
    前記タイマからの出力信号に基づいて動作するサイリスタを有し、該サイリスタは、前記遅延停止要請電源回路および早期停止電源回路双方の出力部およびグランド間に接続され、前記タイマからの出力信号に基づいて前記遅延停止要請電源回路および早期停止電源回路の双方からの出力をグランドに短絡することで、前記スイッチ素子をオフに設定する処理を実行する構成であることを特徴とする請求項2に記載の電源装置。
  4. 前記遅延停止要請負荷は、冷却用のファンであることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  5. 前記電源装置は、さらに、
    前記複数の電源回路各々に対応して設けられた個々の電源回路に対する電力の供給および停止の切り替えを行う複数のスイッチ素子と、
    電源装置の複数の位置に設置された異常を検出する複数の動作検出部と、
    前記動作検出部からの検出信号に基づいて異常判定処理を実行する異常監視部と、
    前記異常監視部からのスイッチ素子を特定した制御信号に基づいて前記複数のスイッチ素子を選択的に制御するスイッチ制御回路とを有し、
    前記異常監視部における異常判定に基づいて、前記スイッチ制御回路を介した制御信号出力により、前記早期停止電源回路に対応するスイッチ素子をオフとして該早期停止電源回路に対する電力供給を停止する構成であることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  6. 前記電源装置は、さらに、
    電源装置に対する電力の供給および停止の切り替えを行うリセットスイッチと、
    前記異常監視部からの制御信号に基づいて前記リセットスイッチを駆動するリセットスイッチ駆動部と、
    を有することを特徴とする請求項5に記載の電源装置。
  7. 前記リセットスイッチは、前記電源装置に対する電力入力部に設けられた構成であることを特徴とする請求項6に記載の電源装置。
  8. 前記複数の電源回路は、主電源回路としての通常動作用電源回路と、副電源回路としての待機用電源回路とを含み、
    前記待機用電源回路は、通常動作停止時における制御を実行する前記負荷としてのコントローラに対する電力供給を実行するとともに、前記複数の動作検出部、異常監視部、リセットスイッチ駆動部、およびスイッチ制御回路に対する電力供給を行う構成であることを特徴とする請求項5に記載の電源装置。
  9. 前記動作検出部は、前記負荷としてのコントローラにおけるエラーを検出する暴走検出部を有し、
    前記異常監視部は前記暴走検出部からの検出信号に基づいてコントローラにおけるエラー発生と判断した際に、前記スイッチ制御回路を介した制御信号出力により、前記早期停止電源回路に対応するスイッチ素子をオフとする処理を実行する構成であることを特徴とする請求項8に記載の電源装置。
  10. 前記電源装置は、
    負荷としてデータ記憶部とその他の駆動部を接続した電源回路と、
    前記電源回路からの電力をデータ記憶部とその他の駆動部両者に供給する第1設定と、データ記憶部のみに供給する第2設定の2つの設定の切り替え処理を実行する電源回路出力段接続スイッチ素子とを含み、
    前記異常監視部における異常判定に基づいて、前記スイッチ制御回路を介した制御信号出力により、前記電源回路出力段接続スイッチ素子を制御してデータ記憶部のみに電力を供給する設定への切り替えを実行する構成であることを特徴とする請求項5に記載の電源装置。
  11. 前記動作検出部は、漏電検出部、電圧検出部、電流検出部のうち少なくとも1つを含む構成であることを特徴とする請求項5に記載の電源装置。
  12. 前記動作検出部は、電圧検出部および電流検出部を含み、前記電圧検出部および電流検出部は、前記複数の電源回路および該電源回路から電力の供給される負荷の少なくともいずれかに対応して設定された構成であることを特徴とする請求項5に記載の電源装置。
  13. 前記動作検出部は、温度検出素子、におい検出素子、音検出素子、煙検出素子、計時変化検出素子のいずれかを含む構成であることを特徴とする請求項5に記載の電源装置。
  14. 前記複数のスイッチ素子は、前記スイッチ制御回路からの入力信号に基づく高速応答可能な半導体素子によって構成されていることを特徴とする請求項5に記載の電源装置。
  15. 前記個々の電源回路に対する電力の供給および停止の切り替えを行う複数のスイッチ素子は、前記スイッチ制御回路からの信号によって動作するとともに、電源装置に接続されたコントローラからの信号によっても動作する構成であることを特徴とする請求項8に記載の電源装置。
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