本発明は、シャッターカーテンの持上げ防止構造に係り、詳しくは、閉鎖状態のシャッターに対し、外部から工具を利用して強引に床面と座板との隙間からシャッターカーテンを持上げようとしても、シャッターカーテンの開放を阻止し、もってシャッターの防犯効果を確保することができるシャッターの持上げ防止構造に関するものである。
この種シャッターには、重量シャッターと軽量シャッターの区別があり、また駆動装置の有無によって電動式シャッターと手動式シャッターとに区別される。しかし、シャッターの最大使命は、閉鎖状態を保持して防犯効果を確保する点にある。
そこで、通常のシャッター開閉時には、シャッターカーテンの自重により、昇降動作に支障を来すことがないと共に、シャッターの閉鎖状態では、シャッターカーテンを下から持上げようとしても、持ち上がらないようにして防犯効果を確保するシャッターが提案されている。
実用新案登録第2525921号
しかし、特許文献1のものは、シャッターカーテンを構成するカーテン片間に屈折可能なロック部材で連結し、該ロック部材の屈折箇所にロック爪を設け、閉鎖時のシャッターを持上げようとすると、このロック爪がガイドレールに設けたフック部に係止されて、シャッターの開放を阻止するようにしたものが開示されている。しかし、このものはロック爪がガイド溝に突出しているので、シャッターカーテンが強風にあおられて面圧を受けると、シャッターの開閉中にロック爪がフック部に係止して開閉不能になる不具合があったうえ、シャッターカーテンに加工を施さなければ、閉鎖時におけるシャッターの持上げを阻止して防犯効果を確保することができない、という不具合があった。
本発明は、上記のような実状に鑑み、従来の不具合を解消すべく創案されたものであって、その意図するところは、重量シャッター、軽量シャッターの区別なく、電動式シャッター、手動式シャッターの区別もなく、少なくとも複数のスラットをインターロック部を介して上下方向に連結してなるシャッターカーテンがガイドレールに沿って昇降案内されて開口部を開閉するシャッターに適用されると共に、構造が極めて簡単で故障の惧れがなく、閉鎖時におけるシャッターカーテンの持上げに対する防犯性を著しく向上させることができるシャッター装置におけるシャッターカーテンの持上げ防止構造を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するため、本発明が採用した第1の技術手段は、複数のスラットをインターロック部を介して上下方向に連接してなるシャッターカーテンの両端部を、建物開口部の両側に立設した各ガイドレールの案内溝に昇降案内させて建物開口部を開閉するように構成したシャッター装置において、上記各ガイドレールの案内溝には、床面上方の近傍に位置する前面の屋内側面部を水平方向に切り欠いた切欠き凹部が一体形成され、全閉状態を維持するシャッターカーテンの座板が持上げられた際、該切欠き凹部に対向する座板とスラットとの連結部を、上記切欠き凹部によって形成される係止部に係止してシャッターカーテンの持ち上げを防止するように構成されており、上記切欠き凹部には、当該切欠き凹部を塞ぐ変形可能あるいは回動可能なカバー体が配設されており、全閉状態を維持するシャッターカーテンの座板が屋外側から持ち上げられた際、該連結部が、上記切欠き凹部のカバー体を押圧して変形あるいは回動させて該連結部を該係止部に係止するように構成したことを特徴とするものである。
本発明が採用した第2の技術手段は、複数のスラットをインターロック部を介して上下方向に連接してなるシャッターカーテンの両端部を、建物開口部の両側に立設した各ガイドレールの案内溝に昇降案内させて建物開口部を開閉するように構成したシャッター装置において、上記ガイドレールの案内溝は各ガイドレールの屋内側面部及び屋外側面部との間に形成され、屋内側面部には、全閉状態のシャッターカーテンの座板とスラットとの連結部よりも高い位置に係止部を有する屋内側切欠き凹部を形成し、全閉状態を維持するシャッターカーテンの座板が屋外側から持ち上げられた際、該座板が傾動して、該連結部が、該屋内側切欠き凹部の係止部に係止することでシャッターカーテンの持ち上げを防止するように構成されており、上記屋内側切欠き凹部には、当該屋内側切欠き凹部を塞ぐ変形可能あるいは回動可能なカバー体が配設されており、全閉状態を維持するシャッターカーテンの座板が屋外側から持ち上げられた際、該連結部が、上記屋内側切欠き凹部のカバー体を押圧して変形あるいは回動させて該連結部を該係止部に係止するように構成したことを特徴とするものである。
前記第2の技術手段において、一つの好ましい態様では、屋外側面部には、全閉状態のシャッターカーテンの座板に対向して屋外側切欠き凹部が形成されており、
全閉状態を維持するシャッターカーテンの座板が屋外側から持ち上げられた際、該座板は、その下端側が該屋外側切欠き凹部を介して屋外側へ移動することで傾動して、該連結部が、該屋内側切欠き凹部の係止部に係止することでシャッターカーテンの持ち上げを防止するように構成されている。
本発明が採用した第3の技術手段は、複数のスラットをインターロック部を介して上下方向に連接してなるシャッターカーテンの両端部を、建物開口部の両側に立設した各ガイドレールの案内溝に昇降案内させて建物開口部を開閉するように構成したシャッター装置において、上記ガイドレールの案内溝は各ガイドレールの屋内側面部及び屋外側面部との間に形成され、ガイドレール内部空間は、シャッターカーテン端部を受け入れる該案内溝と、該案内溝の屋内側の空間と、該案内溝の屋外側の空間とから形成され、該ガイドレール内部空間の屋内側空間には、全閉状態のシャッターカーテンの座板とスラットとの連結部よりも高い位置に係止部を有するレール内引掛部材が設けてあり、ガイドレールの屋内側面部には、該レール内引掛部材の係止部に対向する部位を含む屋内側切欠き凹部を形成し、全閉状態を維持するシャッターカーテンの座板が屋外側から持ち上げられた際、該座板が傾動して、該連結部が、該レール内引掛部材の該係止部に係止することでシャッターカーテンの持ち上げを防止するように構成されており、上記屋内側切欠き凹部には、当該屋内側切欠き凹部を塞ぐ変形可能あるいは回動可能なカバー体が配設されており、全閉状態を維持するシャッターカーテンの座板が屋外側から持ち上げられた際、該連結部が、上記屋内側切欠き凹部のカバー体を押圧して変形あるいは回動させて該連結部を該係止部に係止するように構成されている。
前記第3の技術手段において、一つの好ましい態様では、ガイドレール屋外側面部には、全閉状態のシャッターカーテンの座板に対向する部位を含む屋外側切欠き凹部が形成されており、全閉状態を維持するシャッターカーテンの座板が屋外側から持ち上げられた際、該座板は、その下端側が該屋外側切欠き凹部を介して屋外側へ移動することで傾動して、該連結部が該係止部に係止することでシャッターカーテンの持ち上げを防止するように構成されている。
前記第3の技術手段において、該レール内引掛部材は、一つの好ましい態様では、ガイドレール(後述の実施例では、内ガイドレールと区別するために通常のガイドレールを外ガイドレールと言う)内に設けた内ガイドレールである。内ガイドレールの案内溝は該内ガイドレールの屋内側面部及び屋外側面部によって形成され、内ガイドレールの屋内側面部には、全閉状態のシャッターカーテンの座板の直上に位置するスラットのインターロック部よりも高い位置に上端縁を有する屋内側切欠き凹部が形成され、該上端縁が係止部を構成する。かつ、一つの好ましい態様では、ガイドレール屋外側面部には、全閉状態のシャッターカーテンの座板に対向する部位を含む屋外側切欠き凹部が形成されており、さらに、内ガイドレールの屋外側面部には、全閉状態のシャッターカーテンの座板に対向して屋外側切欠き凹部が形成される。また、レール内引掛部材が後述する実施例のように断面視コ字状の部材から構成される場合には、ガイドレール下方部位の壁面が二重構造となることで、ガイドレールのこじ開けに対してもより効果的である。
上述のとおり、ガイドレールに形成された切欠き凹部には、該切欠き凹部を塞ぐカバー体が配設される。ガイドレールに屋内側切欠き凹部のみが形成されている場合には、カバー体は、該屋内側切欠き凹部を塞ぐように配設される。ガイドレールに屋内側切欠き凹部のみならず、屋外側切欠き凹部が形成されている場合には、好ましくは、屋内側カバー体、屋外側カバー体が、屋内側切欠き凹部、屋外側切欠き凹部をそれぞれ塞ぐように配設される。屋内側カバー体は、通常のシャッターカーテンの昇降時には、該座板が傾動して座板とスラットとの連結部が切欠き凹部に入り込むことを規制し、全閉状態を維持するシャッターカーテンの屋外側からの座板持上げ時には、該座板が該カバー体を押圧して変形あるいは回動させながら傾動することで、該連結部を切欠き凹部に係止させる。屋外側カバー体、屋内側カバー体の両方を設けたものでは、外ガイドレールの下方部位の案内溝は各カバー体によって形成され、通常のシャッターカーテンの昇降時には、屋内側カバー体が、該座板が傾動して座板とスラットとの連結部が屋内側切欠き凹部に入り込むことを規制し、屋外側カバー体が、該座板の下端側が屋外側切欠き凹部内に入り込むことを規制する。全閉状態を維持するシャッターカーテンの屋外側からの座板持上げ時には、該座板が該カバー体を押圧して変形させながら傾動あるいは回動することで、該連結部を切欠き凹部に係止する。
一つの好ましい態様では、切欠き凹部を塞ぐカバー体は、変形可能であり、全閉状態を維持するシャッターカーテンの座板が屋外側から持ち上げられた際、該連結部が、屋内側カバー体を押圧して変形させて該連結部を該係止部に係止するように構成されている。変形可能な屋内側カバー体、屋外側カバー体がそれぞれ配設されたものでは、全閉状態を維持するシャッターカーテンの座板が屋外側から持ち上げられた際、該座板の下端側が該屋外側カバー体を押圧して変形させながら屋外側へ移動することで傾動して、該連結部が、上記屋内側切欠き凹部のカバー体を押圧して変形させて該連結部を該係止部に係止するように構成される。
変形可能なカバー体のさらに具体的な態様としては、塑性変形可能なカバー体と弾性変形可能なカバー体とが例示される。ガイドレールの切欠き凹部に、当該切欠き凹部を塞ぐ塑性変形可能なカバー体が配設されているものでは、全閉状態を維持するシャッターカーテンの座板持上げで、該連結部(当該座板の直上に位置して切欠き凹部に対向するインターロック部)が、上記切欠き凹部のカバー体を押圧した際に、これを没入方向に塑性変形させて該連結部(上記インターロック部)を切欠き凹部に係止するものである。上記ガイドレールの切欠き凹部に、当該切欠き凹部を塞ぐ弾性変形可能なカバー体が配設されているものでは、全閉状態を維持するシャッターカーテンの座板持上げで、該連結部(当該座板の直上に位置して切欠き凹部に対向するインターロック部)が、上記切欠き凹部のカバー体を押圧した際に、これを没入方向に弾性変形させて該連結部(上記インターロック部)を切欠き凹部に係止させ、かつ座板の持上げ解除で、没入方向に弾性変形したカバー体を元の所定形状位置に復帰させるように構成される。
カバー体の他の好ましい態様では、切欠き凹部を塞ぐカバー体は、回動可能であり、全閉状態を維持するシャッターカーテンの座板が屋外側から持ち上げられた際、該連結部が、上記切欠き凹部のカバー体を押圧して回動させて該連結部を該係止部に係止するように構成されている。回動可能な屋内側カバー体、屋外側カバー体がそれぞれ配設されたものでは、全閉状態を維持するシャッターカーテンの座板が屋外側から持ち上げられた際、該座板の下端側が該屋外側カバー体を押圧して回動させながら屋外側へ移動することで傾動して、該連結部が、上記屋内側切欠き凹部のカバー体を押圧して変形させて該連結部を該係止部に係止するように構成されている。
一つの態様では、カバー体を設けた技術手段において、上記切欠き凹部には、その近傍に位置して前記カバー体の変形あるいは回動を検出する検知部が併設されている。
また、本明細書において、ガイドレールの「屋外側面部」、「屋内側面部」には、見込方向に延出する面部(後述する実施例における7a,7b)のみならず、該見込面の先端からガイドレール内部に向って延出してシャッターカーテン端部の呑み込み口を形成する部位(後述する実施例における7a´,7b´)が含まれる。また、係止部に係止する「座板とスラットとの連結部」には、連結部に位置して座板上部に形成された突起のようなものも含まれる。
したがって本発明によれば、シャッター装置の閉鎖状態で工具を用いて屋外側からシャッターカーテンを座板の下面から持上げた際、これに連動して屈曲する座板とスラットとの連結部が、ガイドレール側の切欠き凹部の係止部に強固に係止されて、シャッターカーテンの持上げを防止することができる。しかも従来のシャッターカーテンを構成するスラットのインターロック部を、そのまま持ち上げ防止の構成部材として利用するので、シャッターカーテンの基本構成を変更することなく、ガイドレール側における簡単かつ僅かな変更加工のみで、上述の効果を有する持上げ防止構造を安価に構築することができる。また、全閉状態を維持するシャッターカーテンが外力により開口幅方向に移動するような状態が生じても、ガイドレール内に呑み込まれた当該カーテン両端部の連結部(インターロック部)が確実にガイドレールの切欠き凹部に係止されて安定した防犯機能の保持を図ることができる。
ガイドレールの屋外側面部に、全閉状態のシャッターカーテンの座板に対向して屋外側切欠き凹部を形成したものでは、全閉状態を維持するシャッターカーテンの座板が持ち上げられた際、該座板は、その下端側が該屋外側切欠き凹部を介して屋外側へ移動することで座板が的確に傾動して、該座板とスラットとの連結部が、該屋内側切欠き凹部の上端縁に良好に係止することでシャッターカーテンの持ち上げを防止することができる。ガイドレールの屋外側面部において、座板の下端側が屋外側へ移動できる空間を設けることで、屋内側のみに切欠き凹部を設けるもの(傾動する座板の下端側がガイドレールの屋外側面部に当接してしまい、それ以上の傾動が規制されてしまう)に比べて、座板の下端側の屋外側への移動距離を大きく取ることができ、座板をより大きく傾動させることができ、屋内側切欠き凹部への強固な係止が行われる。特に、屋内側切欠き凹部の幅を大きく取れないような場合(例えば、軽量シャッターのガイドレール)には、屋外側切欠き凹部を設けることで、座板をより傾斜させた状態で、座板とスラットとの連結部を係止部に強固に係止させることができて有利である。
また、上記切欠き凹部を塞ぐカバー体を配設する構成とした場合には、シャッターカーテンの通常の開閉時に、上記カバー体が化粧カバーとして機能するので、切欠き凹部への異物、埃の混入を防止できると共に、シャッターカーテンの下端部が開口部の前後方向に多少動いたとしても、カバー体が切欠き凹部を塞いでいるので、インターロック部が切欠き凹部に不必要に引っ掛かってしまうようなことがない。
上記カバー体を塑性変形可能なカバー体として構成した場合は、シャッターカーテンを座板部の下面から持上げがあった際に、建物内部への侵入が結果として行われなかったとしても、その痕跡がカバー体の塑性変形として残るので、建物の管理者、あるいは関係者に防犯上の注意を喚起することができる。
一方、上記カバー体を弾性変形可能に構成した場合は、シャッターカーテンを座板部の下面から持上げがあったとしても、座板部が通常の着床状態に復帰すれば、同時にカバー体も元の所定形状位置に復帰するので、外観上の変化を生じさせずに通常のシャッターカーテンによる開閉を行うことができる。
切欠き凹部を塞ぐために回動可能なカバー体を設けたものは、変形可能なカバー体に比べ、カバー体全体が屋内側へ拡開するので、全閉状態を維持するシャッターカーテンの座板持上げで、当該座板とスラットとの連結部が、上記切欠き凹部のカバー体を押圧した際に、これを屋内側へ回動させて該連結部を切欠き凹部により確実に係止することができる。回動可能なカバー体は、好ましくは、ばね材によって、通常時は切欠き凹部を塞いた姿勢となっている。
更に、上記切欠き凹部の近傍に前述のカバー体の変形を検出する検知部を併設したことにより、当該検知部の検出が行われた時点で、直ちに警報音の発生、防犯管理システム等へ検出信号を送出し得て、悪意ある部外者に対して建物内部への侵入をあきらめさせることができると共に、シャッターカーテンの全閉状態で、巻取りドラムの制動規制あるいは開閉機の回転制動がなされて、シャッターカーテンの自重降下を規制するように構成したシャッター装置において、上記検知信号を受けてシャッターカーテンの自重降下の規制を解除するように制御すれば、自重降下しようとするシャッターカーテンの重量が当該カーテン最下部に掛かり、人手あるいはジャッキアップ装置によるシャッターカーテンの持上げを困難にして、防犯機能の向上をより一層図ることが可能になる。
ガイドレールの案内溝に切欠き凹部を一体形成して、この切欠き凹部に座板の持ち上げで屈曲したインターロック部を係止させることにより、全閉状態におけるシャッターカーテンの持上げを防止できるようにした。
本発明の実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1において、1は建物開口部に設置されたシャッター装置であって、該シャッター装置1は、開口部の上部に設置したシャッターケース2内の巻取りドラム(図示せず)に、複数のスラット3a、3a…および3b、3b…を上下方向に屈曲自在に連結してなるシャッターカーテン4を巻装し、建物開口部の左右両側に立設したガイドレール5、5の離間対向する前面7、7に形成した案内溝8に、シャッターカーテン4の両端部を呑み込ませて建物開口部を開閉し、全閉位置でシャッターカーテン4の最下部に設けた座板6が着床した際には、図示しない下限リミットスイッチがオフ動作に切り替わり、これにより巻取りドラムの繰り出し回転作動が停止されると共に、図示しない制動機構により当該巻取りドラムの自由回転が制動され、吊下したシャッターカーテン4がその自重降下を規制された状態で建物開口部を全閉するように構成されている。
ここで上記案内溝8を形成する前面7、7の屋外側Aの面部7aと屋内側Bの面部7bのうち、当該屋内側Bの面部7bには、図2および図3に示すように、図視でコ字状をなして水平に切り欠いた切欠き凹部9が、床面10から上方の所定高さの間で案内溝8に連通して一体形成されており、上記切欠き凹部9には、図4(a)に示すように、切欠き部位でガイドレール5の内方から切欠き部位を塞ぐカバー体11が配設されている。
すなわち、上記カバー体11は弾性変形可能な金属板で形成され、同図の図視で、ガイドレール5の底片5a側に基端部11aを固定した本体部11bの先端側余長部11cを、案内溝8の形成面域に沿って屋内側面部7b方向に折曲し、更に上記先端側余長部11cの先端面11dをガイドレール5の内方に折曲して構成されると共に、上記ガイドレール5の屋内側片5bの内面には、検知部としての検知スイッチ12が併設されて、同図(b)に示すように、カバー体11が座板6の直上に位置するスラット3bのインターロック部3b´に押圧された際に、当該カバー体11の屋内側Bへの変形で上記先端側余長部11cの先端面11dを検知スイッチ12に当接し、全閉状態を保持するシャッターカーテン4に対して座板6の持ち上げがあったことを検出するようになっている。
なお、上記シャッターカーテン4は、床面10から人の背丈程度の高さ位置までは、中空部を有して二重構造に形成されるフォロー型スラットのスラット3a、3a…で構成され、それ以上のシャッターケース2までの高さおよび図示しない巻取りドラムに巻装されたスラットは、単一の金属板で形成された通常のスラット3b、3b…で構成されており、上記フォロー型スラットのスラット3a、3a…を採用することにより、スラットをバールや金ノコギリで切り裂いて建物内部に侵入を図るような悪意ある部外者に対して、より一層の防犯機能をシャッターカーテン4に付与するように構成されている。また、単一の金属板で形成された通常のスラット3bを座板6の直上に位置するスラットとして採用した理由は、上記切欠き凹部9に対して屈曲したインターロック部を係止させる上での取り合いを考慮したものである。
叙上の如き構成において、建物開口部の通常の閉鎖を行う場合に、図示しない閉鎖釦を操作すると、巻取りドラムに巻装されているシャッターカーテン4がシャッターケース2内から繰り出されて、その両端部が左右両側のガイドレール5、5に設けた案内溝8、8に案内されて下降を開始すると共に、上記シャッターカーテン4の最下部に位置する座板6が着床した時点で、図示しない下限リミットスイッチにより、巻取りドラムの繰り出し回転作動が停止されると同時に、当該巻取りドラムの自由回転が制動されて、建物開口部に吊下されたシャッターカーテン4は、その自重降下が規制された状態、すなわち座板6にシャッターカーテン4の重量が掛からない吊り下げ状態を維持して建物開口部が全閉されることになる。
このようなシャッターカーテン4による建物開口部の全閉状態で、図5に示すように、悪意ある部外者がバール13等の工具を用いて屋外側Aから建物内部に侵入しようとして、座板6の下面と床面10との僅かな隙間にバール13の先端を進入させると、座板6が図示の斜め上向き矢印のように傾動して、この傾動変化が当該座板6の直上に連結されたスラット3bの上動変化を誘発し、切欠き凹部9に対向するインターロック部3b´を介して当該スラット3bが屈曲すると共に、上記座板6の屋内側Bに位置する端部がカバー体11に当接し、該カバー体11が屋内側Bに向けて水平矢印方向に押圧されて弾性変形し、上記カバー体11の先端側余長部11cに形成した先端面11dが、ガイドレール5の屋内側面5b内面に設けた検知スイッチ12に当接した時点で、全閉状態を保持するシャッターカーテン4に対して座板6の持ち上げがあったことが当該スイッチ12により検出され、当該検出信号が図示しない制御部に送出されると、シャッターカーテン1の自重降下規制が解除されて、それに伴って自重降下しようとするシャッターカーテン1の重量が当該カーテン1の最下部に掛かり、人手によるシャッターカーテン1の持上げが困難な状態となる。
そして、さらに悪意ある部外者が座板6をバール13で持ち上げた状態で、図示しないジャッキアップ装置の昇降腕部14を座板6の下面に進入させてジャッキアップ操作を行うと、図6に示すように、座板6は上方に一旦微動するものの、スラット3bのインターロック部3b´が切欠き凹部9の上縁9aに当接して係止された時点で、それ以上のシャッターカーテン4の持上げは実質的に不可能となり、悪意ある部外者は建物内部への侵入をあきらめざるを得ない状態に陥り、シャッター装置1の防犯効果を大幅に高めることができる。なお、本実施例1では、切欠き凹部9を塞ぐカバー体11を弾性変形可能な金属板で形成した場合を示したが、これに限定されるものではなく、バネ鋼板で弾性変形可能に構成する、あるいは弾性ゴムを切欠き凹部9に適合するように適宜成形してその弾力を利用するようにカバー体を構成してもよい。
図15はさらにカバー体11の他の実施例を示す図であり、本体部11bの基端部側が基端部11aにスプリング丁番121を介して回動自在に連結されている。通常時には、図15(a)に示すように、スプリング丁番121によって、先端側余長部11cが切り欠き凹部9を塞いでおり、開口部全閉時において、座板6が上方に持ち上げられて傾動すると、図15(b)に示すように、座板6の上端側のスラット3bのインターロック部3b´が本体部11bに当接してそれを回動させ、スラット3bのインターロック部3b´が切り欠き凹部9の上縁9aに当接して係止することで、シャッターカーテン4の上動を規制する。
次に上記実施例1では、カバー体11を弾性変形可能な金属板で形成し、その先端側余長部11cの先端面11dが、ガイドレール5の屋内側片5b内面に設けた検知スイッチ12に当接して座板6の持ち上げを検出するように構成したが、図7(a)に示すように、塑性変形する金属板を前記実施例1と同形状に曲成してカバー体11´を構成し、その内方に位置して検知部12´を配置することにより、同図(b)に示すように、上記カバー体11´が座板6の直上に位置するスラット3bのインターロック部3b´に押圧された際に、当該カバー体11´の屋内側Bへの塑性変形で検知部12´を押圧変形させて、全閉状態を保持するシャッターカーテン4に対して座板6の持ち上げがあったことを検出するように構成してもよい。
実施例1,2では、複数のスラットをインターロック部を介して上下方向に連接してなるシャッターカーテンの両端部を、建物開口部の両側に立設した各ガイドレールの案内溝に昇降案内させて建物開口部を開閉するように構成したシャッター装置において、各ガイドレール5の案内溝8には、床面10上方の近傍に位置する前面7の屋内側面部7bを水平方向に切り欠いた切欠き凹部9が一体形成され、全閉状態を維持するシャッターカーテン4の座板6が持上げられた際、当該座板6の直上に位置して切欠き凹部9に対向するスラット3bのインターロック部3´(座板6とスラット3bとの連結部)を、切欠き凹部9に係止してシャッターカーテン4の持ち上げを防止するように構成したシャッターカーテンの持上げ防止構造を開示した。図示のインターロック部3b´(連結部)では、インターロック部3b´(連結部)を構成する座板6の上端部位が切欠き凹部9の上縁9aに係止するものであるが、インターロック部3b´(連結部)を構成するスラット3bの下端部位が座板6の上端部位が切欠き凹部9の上縁9aに係止するものでもよい。
図8に基づいて実施例3を説明する。図8左図は図3に、図8右図は図6にそれぞれ対応しており、同一の構成要素には同一の参照符号が付してあり、同じ参照符号が付された構成要素については既述の説明を援用することができる。図8左図は、開口部全閉状態を保持するシャッターカーテン下端部を示す図である。ガイドレール5の前面を構成する屋外側面部7aと屋内側面部7bとの間にガイドレール5の案内溝8が形成されている。
屋内側面部7bにおいて、開口部全閉状態を維持するシャッターカーテン4の座板6の上端側に位置する部位から上方に向って屋内側切欠き凹部90が形成されており、屋内側切欠き凹部90の水平状の上端縁900が係止部を構成する。全閉状態において、屋内側切欠き凹部90の下端縁901は、座板6とスラット3との連結部(インターロック部)3´に対向しており、屋内側切欠き凹部90の上端縁900は、座板6とスラット3との連結部3´に対向する位置よりも所定寸法上方に形成されている。全閉状態のシャッターカーテンの座板とスラットとの連結部と、屋内側切欠き凹部の上端縁とは、座板6を屋内側から持上げた場合、座板と床面との隙間が相当程度空かないような位置関係である。屋内側切欠き凹部90の下端縁901の位置は、図示のものには限定されず、下端縁901は連結部3´に対向する部位の下方に位置していてもよい。すなわち、屋内側切欠き凹部90は、全閉状態から座板6を持ち上げた際に、座板6が傾動でき、座板6とスラットとの連結部3´が屋内側切欠き凹部90内に侵入して、連結部3´が屋内側切欠き凹部90の上端縁900に係止できるような空間を形成するものであれば、その下端縁901の位置は限定されない。
屋外側面部7aにおいて、全閉状態を維持するシャッターカーテン4の座板6に対向する部位には屋外側切欠き凹部91が形成されている。屋外側切欠き凹部91は、屋内側切欠き凹部90よりも下方に形成されている。図8に示すものでは、屋外側切欠き凹部91の上端縁910は、座板6とスラット3との連結部3´に対向しており(屋内側切欠き凹部90の下端縁901と同じ高さ)、屋外側切欠き凹部91の下端縁911は床面となっており、屋外側切欠き凹部91は、座板6の略全高寸法を有しているが、全閉状態から座板6を持ち上げた際に、座板6の下端側が侵入できる空間を形成して座板6を傾動させるものであれば、その上端縁910、下端縁911の位置は限定されない。
図8左図の状態において、全閉状態を維持するシャッターカーテン4の座板6が屋外側から座板6と床面との隙間に冶具等を差し込むことで持ち上げられた際には、座板6は、上方に移動しながら下端側が屋外側切欠き凹部91を介して屋外側へ移動することで傾動し、座板6とスラット3との連結部3b´が屋内側へ移動して、屋内側切欠き凹部90に侵入し、座板6が傾動した姿勢で、座板6とスラット3との連結部が屋内側切欠き凹部90の上端縁900に係止することでシャッターカーテン4の持ち上げを防止する。また、屋内側切欠き凹部90、屋外側切欠き凹部91に第1実施例及び第2実施例で記載した変形可能なカバー体を設けてもよい。あるいは、屋内側切欠き凹部90、屋外側切欠き凹部91に対して後述する変形可能のカバー体、または、回動可能のカバー体を設けても良い。
図9乃至図12に基づいて実施例4について説明する。実施例4では、シャッター装置のガイドレールが外ガイドレール5と外ガイドレール5の内部に設けた内ガイドレール50とから構成されており、内ガイドレール50がレール内引掛部材を構成している。外ガイドレールは実質的に通常のガイドレールに相当し、既述のガイドレールと同じ参照符号5によって説明する。外ガイドレール5は開口部の高さ寸法に対応する長さ寸法を有しており、内ガイドレール50は外ガイドレール5に比べて短尺であり、外ガイドレール5の下方部位に設けられる。外ガイドレール5は、底片5aと屋内側片5bと屋外側片5cとから断面視略コ字状を有している。側片5b、5cの開口部側の先端部位5b´、5c´にはガイドレール溝8を形成する屋外側面部7a,7a´、屋内側面部7b、7b´が一体形成されている。
図11は、内ガイドレール50を示す図であり、内ガイドレール50は、底片50a、屋内側片50b、屋外側片50cから構成され、断面視略コ字形状を有している。内ガイドレール50はさらに、屋外側片50cと一体的に形成された屋外側前面70a、屋内側片50bと一体的に形成された屋内側前面70bを有しており、屋外側前面70aと屋内側前面70bの間がガイド溝80としてシャッターカーテン4の幅方向端部を受け入れるようになっている。内ガイドレール50は、底片50a、室内側片50b、室外側片50cをそれぞれ、外ガイドレール5の底片5a、室内側片5b、室外側片5cの内壁面に当接させて、ガイド溝80とガイド溝8とがシャッターカーテン幅方向端部を受け入れる案内溝を形成するように、外ガイドレール5に対して設けてある。内ガイドレール50の案内溝80において、屋内側面部70bの上方部位には、屋内側切欠き凹部90が形成されており、屋外側面部70aの下方部位には、屋外側切欠き凹部91が形成されている。屋内側切欠き凹部90の上端縁900は水平状であり、下端縁901は傾斜状である。屋外側切欠き凹部91の上端縁910は水平状であり、下端縁911は傾斜状である。屋内側切欠き凹部90の下端縁901と屋外側切欠き凹部91の上端縁910は対向しており、屋外側切欠き凹部91は屋内側切欠き凹部90より下方に位置している。
図9は図8に対応する図であり、左図が通常時、右側が座板持ち上げ時を示している。全閉状態において、屋内側切欠き凹部90の傾斜状の下端縁901は、座板6とスラット3との連結部3´に対向しており、屋内側切欠き凹部90の上端縁900は、座板6とスラット3との連結部3´に対向する位置よりも所定寸法上方に形成されている。屋内側切欠き凹部90の下端縁901の位置は、図示のものには限定されず、下端縁901は連結部3´に対向する部位の下方に位置していてもよい。すなわち、屋内側切欠き凹部90は、全閉状態から座板6を持ち上げた際に、座板6が傾動でき、座板6とスラット3との連結部3´が屋内側切欠き凹部90内に侵入して、連結部3´が屋内側切欠き凹部90の上端縁900に係止できるような空間を形成するものであれば、その下端縁901の位置は限定されない。
屋外側面部70aにおいて、全閉状態を維持するシャッターカーテン4の座板6に対向する部位には屋外側切欠き凹部91が形成されている。屋外側切欠き凹部91は、屋内側切欠き凹部90よりも下方に形成されている。図9に示すものでは、屋外側切欠き凹部91の上端縁910は、座板6とスラット3との連結部3´に対向しており(屋内側切欠き凹部90の下端縁901と同じ高さ)、屋外側切欠き凹部91の傾斜状の下端縁911は座板6の下端部よりも若干上方に位置している。第2切欠き部91の上下端の位置は、全閉状態から座板6を持ち上げた際に、座板6の下端側が侵入できる空間を形成して座板6を傾動させるものであれば、その上端縁910、下端縁911の位置は限定されない。
外ガイドレール5の屋外側面部7a,7a´、屋内側面部7b,7b´は側片5b、5cの開口部側の先端部位5b´、5c´と共に、内ガイドレール50の全高を含む下方部位において切り欠かれており、屋外側切欠き凹部91A、屋内側切欠き凹部90Aが形成されている。屋内側切欠き凹部90Aは、内ガイドレール50の屋内側切欠き凹部90の上端縁900を含む部位に対向しており、屋外側切欠き凹部91Aは、全閉状態のシャッターカーテン4の座板6を含む部位に対向している。
外ガイドレール5には、屋外側切欠き凹部91A、屋内側切欠き凹部90Aをそれぞれ塞ぐように変形可能なカバー体110が配設される。ガイドレール5の屋内側面部7bに形成した屋内側切欠き凹部90Aおよび内ガイドレール50の屋内側面部70bに形成した屋内側切欠き凹部90は、屋内側カバー体110によって隠蔽される。ガイドレール5の屋外側面部7aに形成した屋外側切欠き凹部91Aおよび内ガイドレール50の屋外側面部70aに形成した屋外側切欠き凹部91は、屋外側カバー体110によって隠蔽される。実施例のものでは、カバー体110はばね鋼から形成された弾性変形可能なカバー体であり、外ガイドレール5の前面7a,7bに対応する前片110a、外ガイドレール5の側片に対応する側片110b及び案内溝8に臨む折曲片110cを有する。図10下図に示すように、通常時は、カバー体110の前片110a、折曲片110cは内ガイドレール50の屋内側面部70b、屋外側面部70aよりも案内溝側に延出している。前片110aの上方部位及び下方部位には螺子孔110dが形成されており、図示しない螺子を用いて外ガイドレール5の前面7a,7bに取り付けられる。
図9において、カバー体110の上端110Aは、B−B線の上に位置しており、カバー体110の下端は床面10近傍まで延出している。カバー体11は、高さ方向の略中間部位が、座板6とスラット3との連結部3´が係止する係止部に位置するようにして上下端部においてガイドレール5に取り付けられる(カバー体110において、螺子を用いてカバー体110をガイドレール5に止着した部位でカバー体110の変形は拘束されており、この止着部位を拘束部位という。尚、実施例では止着手段として螺子を用いるが、止着手段は他の手段、例えば、カシメであってもよい。)。こうすることで、座板6とスラット3との連結部3´が係止する係止部をカバー体110の拘束部位からより離隔した部位に位置させることができ、カバー体110において、連結部3´が当接して押圧するであろう部位の変形量をより大きくすることができる。図9の実施例に基づいて説明すると、カバー体110は、その上下端部を介してガイドレール5に取り付けられた際に、その高さ方向の略中間部位が、座板6とスラット3との連結部3´が係止する係止部を構成する屋内側切欠き凹部90の上端縁900に対応し、かつ上下端部から上端縁900までの十分な距離が取れるような高さ寸法を有している。そして、カバー体110は、高さ方向の略中間部位が、座板6とスラット3との連結部3´が係止する屋内側切欠き凹部90の上端縁900に位置するようにして、上下端部において図示しない螺子を用いてガイドレール5の屋外側面部7a、屋内側面部7bにそれぞれ取り付けられる。こうすることで、係止部を構成する屋内側切欠き凹部90の上端縁900からカバー体110の拘束部位(上下端部)までの寸法を大きく取ることができる。
カバー体110は、シャッターカーテン4の通常の上昇時に、シャッターカーテン4の座板6がカバー体110を押圧して変形させながら屋内側切欠き凹部90、屋外側切欠き凹部91を介して傾動し、座板6とスラット3の連結部3´が上端縁900に係止してしまうことを防止するガイド体の役割を有する。カバー体110はシャッターカーテン4の通常の上下動時に座板6やスラット3(連結部を構成するインターロック部を含む)が接触する程度の力で変形することがなく、開口部全閉時において、屋外側から冶具によって屋外側から座板を強制的に持上げた時に、より強い力が作用することで変形するような強度を有している。図10のC-C断面図から明らかなように、カバー体110の前片110a及び折曲片110cは、屋外側切欠き凹部91A、屋内側切欠き凹部90A、内ガイドレール50の前面70a,70bを塞ぐように外ガイドレール5に取り付けられている。尚、ガイドレール5の案内溝8の呑み込み口に位置して長尺状の樹脂製の消音材15が取り付けてある。
通常のシャッターカーテン4の昇降時には、シャッターカーテン4の下端部位(スラット3及び座板6)はカバー体110によって案内され、座板6が屋内側切欠き凹部90及び/あるいは屋外側切欠き凹部91に侵入して傾動し、座板6とスラット3との連結部3´が屋内側切欠き凹部90の上端縁900に係止するようなことがない。開口部全閉時において、屋外側から冶具等を用いて座板6を持ち上げようとすると、座板6は、座板6とスラット3との連結部が屋内側カバー体110を屋内側に拡開するように変形させると同時に、座板6の下端側が屋外側カバー体110を屋外側に拡開するように変形させて座板6の下端側が内ガイドレール50の屋外側切欠き凹部91を介して屋外側へ移動することで傾動し、座板6とスラット3との連結部3´が屋内側面部70bに形成した屋内側切欠き凹部90に侵入し、屋内側切欠き凹部90の上端縁900に係止する。
実施例4では、開口部全閉時における屋外側からの座板の持上げの際に、座板6とスラット3との連結部3´が係止する係止部を、ガイドレール5の内部空間に設けるものの実施例として、断面視コ字状の内ガイドレール50から構成されたレール内引掛部材について説明した。レール内引掛部材の構成は、内ガイドレールを用いたものに限定されるものではない。シャッターカーテン端部を受け入れる案内溝8と、案内溝8の屋内側の空間8Aと、案内溝8の屋外側の空間8Bとから形成されるガイドレール内部空間において、該ガイドレール内部空間の屋内側空間8Aに、全閉状態のシャッターカーテンの座板6とスラット3との連結部よりも高い位置に係止部を有するレール内引掛部材であって、座板が屋外側から持上げられて傾動し、座板とスラットとの連結部が屋内側に移動した時に、該連結部を係止できる係止部を提供できるものであればよく、他の係止部を有する他のレール内引掛部材でもよい。他の構成のレール内引掛部材については、後述する。
図13、図14は、実施例5を示す図であり、実施例4に示す屋内側面部7bに設けた変形可能なカバー体110に代えて、回動可能なカバー体120を設けたものであり、カバー体以外の構成については、実施例4に記載された内容を援用することができる。カバー体120は、前片120a、側片120b、及び案内溝に臨む折曲片120cを有している。カバー体120は、側片120bの基端側を外ガイドレール5の室内側片5bに対してスプリング丁番121を介して回動可能に取り付けられている。図13下図に示すように、通常時は、カバー体120の前片120a、折曲片120cは内ガイドレール50の屋内側面部70bよりも案内溝側に延出している。
外ガイドレール5は、内ガイドレール50の屋内側面部70b、屋外側面部70aにそれぞれ対向する屋内側面部7b、7b´、屋外側面部7a、7a´を有し、外ガイドレール5の屋内側面部7b、7b´の、内ガイドレール50の屋内側面部70bに形成された屋内側切欠き凹部90に対向する部位を含んで、屋内側切欠き凹部90Aが形成され、屋内側切欠き凹部90Aを塞ぐように、回動可能なカバー体120が配設される。
カバー体120は、通常のシャッターカーテンの昇降時には、スプリング丁番121のバネ力で、座板6が傾動して座板6とスラット3の連結部3´が屋内側切欠き凹部90内に入り込むことを規制するような姿勢を維持している(図13下図)。カバー体120は、屋外側から屋内側へ向う力が作用するとスプリング丁番121のバネ力に抗して拡開するように屋内側へ回動する(図13上図)。
図14は、カバー体120の構成をさらに詳細に示す図である。外ガイドレール5は、底片5aを構成する片と屋内側片5bを構成する片とを有し、屋内側片5bを構成する片の先端にスプリング丁番121を介してカバー体120が回動自在に取り付けられている。カバー体120の高さ寸法は、少なくとも、内ガイドレール50の屋内側面部70bに形成された屋内側切欠き凹部90に対応する部位を含んでいればよい。尚、図13、14では屋内側面部7bに設けたカバー体120を示したが、屋外側側面部7a、7a´にも屋外側切欠き凹部を形成したような場合には、カバー体120を該屋外側切欠き凹部に対応するようにして、ガイドレールに設けても良い。また、回動可能なカバー体を、前述の変形可能なカバー体に代えて設けても良い。
図16は、実施例6を示す図であり、図9乃至図12に示す実施例4と類似するものである。実施例6と実施例4の異なる点は、実施例6では、屋外側に位置する切欠き凹部を有しない点、屋外側に位置する切欠き凹部を塞ぐカバー体を有しない点である。図16において、実施例6と実施例4とで共通部材には共通の参照符号が付してあり、これらの点を除き、実施例4に係る記述の説明は、原則として、実施例6の説明として援用することができる。実施例6では、シャッター装置のガイドレールが外ガイドレール5と外ガイドレールの内部に設けた内ガイドレール50とから構成されており、内ガイドレール50がレール内引掛部材を構成している。
外ガイドレールは実質的に通常のガイドレールに相当する。外ガイドレール5は開口部の高さ寸法に対応する長さ寸法を有しており、内ガイドレール50は外ガイドレール5に比べて短尺であり、外ガイドレール5の下方部位に設けられる。外ガイドレール5は、底片と室内側片と室外側片とから断面視略コ字状を有している。側片の開口部側の先端部位にはガイドレール溝を形成する室外側面部7a、室内側面部7bが一体形成されている。内ガイドレール50は、底片、屋内側片、屋外側片から構成され、断面視略コ字形状を有している。内ガイドレールはさらに、屋外側片と一体的に形成された屋外側前面70a、屋内側片と一体的に形成された屋内側前面70bを有しており、屋外側前面70aと屋内側前面70bの間が案内溝としてシャッターカーテン4の幅方向端部を受け入れるようになっている。内ガイドレールの案内溝において、屋内側面部70bの上方部位には、切欠き凹部90が形成されている。切欠き凹部90の上端縁900は水平状であり、下端縁901は傾斜状である。図16は図9に対応する図であり、左図が通常時、右側が座板持ち上げ時を示している。全閉状態において、切欠き凹部90の傾斜状の下端縁901は、座板6とスラット3との連結部3´に対向しており、切欠き凹部90の上端縁900は、座板6とスラット3の連結部3´に対向する位置よりも所定寸法上方に形成されている。
外ガイドレール5の屋内側面部7b、7b´は屋内側片5bの開口部側の先端部位5b´と共に、内ガイドレール50の全高を含む下方部位において切り欠かくことで屋内側切欠き凹部90Aが形成されており、屋内側切欠き凹部90A、内ガイドレールの屋内側面部70bに形成した切欠き凹部90を塞ぐように変形可能なカバー体110が設けてある。カバー体110は、シャッターカーテンの通常の上昇時に、シャッターカーテンの座板6が傾動し、座板6とスラット3との連結部3´が上端縁900に係止してしまうことを防止するガイド体の役割を有すると共に、内ガイドレール50を隠蔽する役割を有する。通常のシャッターカーテンの昇降時には、シャッターカーテン4はカバー体110によって案内され、座板6が切欠き凹部90に侵入して傾動し、座板6とスラット3の連結部3´が屋内側切欠き凹部90の上端縁900に係止するようなことがない。開口部全閉時において、座板6が持ち上げられると、座板6はカバー体110を屋内側に拡開するように変形させながら傾動して、座板6とスラット3の連結部3´が屋内側面部70bに形成した切欠き凹部90に侵入し、切欠き凹部90の上端縁900に係止する。図17は図16におけるC−C断面図、B−B断面図である。A−A断面図については、図10に示すA−A断面図と同様である。
図18、図19は、さらに、レール内引掛部材の他の実施例を示す図である。図19に示すように、引掛部材50´は、図11に示す内ガイドレール50と類似の形状を有しており、同様の構成要素には同じ参照符号が付してある。引掛部材50´は外ガイドレール5に比べて短尺であり、外ガイドレール5の下方部位に設けられる。外ガイドレール5は、底片と室内側片と室外側片とから断面視略コ字状を有している。側片の開口部側の先端部位にはガイドレール溝を形成する室外側面部7a、室内側面部7bが一体形成されている。引掛部材50´は、底片50a、屋内側片50b、屋外側片50cから構成され、断面視略コ字形状を有している。引掛部材50´はさらに、屋外側片50cと一体的に形成された屋外側前面70a、屋内側片50bと一体的に形成された屋内側前面を切り欠いて形成した複数の係止片70b´とを有しており、屋外側面部70aと複数の係止突片70b´の間が案内溝80としてシャッターカーテン4の幅方向端部を受け入れるようになっている。
上下方向に連設された各係止突片70b´間に、屋内側切欠き凹部90が形成される。係止突片70b´は、水平縁900と、下縁900の先端から上方に延出する垂直縁902と、垂直縁902の上端から屋内側片50b側へ傾斜状に延出する傾斜縁901とを有する。上下隣位の係止突片70b´において、上側の係止突片70b´の下縁900と下側の係止突片70b´の傾斜縁901との間の空間が屋内側切欠き凹部90を形成し、上側の係止突片70b´の下縁が係止部を構成する切欠き凹部90の上端縁900を形成する。
図18は図9に対応する図であり、左図が通常時、右側が座板持ち上げ時を示している。全閉状態において、下方の切欠き凹部90の傾斜状の下端縁901は、座板6とスラット3との連結部3´より若干上方に位置しており、切欠き凹部90の上端縁900は、座板6とスラット3の連結部3´に対向する位置よりも所定寸法上方に形成されている。外ガイドレール5の屋内側面部7bは屋内側片5bの開口部側の先端部位と共に、引掛部材50´の全高を含む下方部位において切り欠かくことで屋内側切欠き凹部90Aが形成されており、屋内側切欠き凹部90A、及び引掛部材50´に形成した複数の切欠き凹部90を塞ぐように変形可能なカバー体110が設けてある。カバー体110は、シャッターカーテンの通常の上昇時に、シャッターカーテンの座板6が傾動し、座板6とスラット3との連結部3´が上端縁900に係止してしまうことを防止するガイド体の役割を有すると共に、引掛部材50´を隠蔽する役割を有する。通常のシャッターカーテンの昇降時には、シャッターカーテン4はカバー体110によって案内され、座板6が切欠き凹部90に侵入して傾動し、座板6とスラット3の連結部3´が屋内側切欠き凹部90の上端縁900に係止するようなことがない。開口部全閉時において、座板6が持ち上げられると、座板6はカバー体110を屋内側に拡開するように変形させながら傾動して、座板6とスラット3の連結部3´が引掛部材50´に形成した切欠き凹部90に侵入し、切欠き凹部90の上端縁900に係止する。図18では、最下位の切欠き凹部90に座板6とスラット3との連結部3´が係止した状態を示したが、連結部3´が最下位の切欠き凹部90に係止しなかった場合であっても、さらに上方側のいずれかの切欠き凹部90に連結部3´を係止させることで、より確実に座板6の持上げを防止することができる。図18における、A−A断面図、B−B断面C−C断面図は、図16に示す各断面図と同様である。図18、図19では、屋外側切欠き凹部を設けないものを示したが、例えば図9に示すもののように、屋外側切欠き凹部を設けてもよい。
スラットで構成されたシャッターカーテンの閉鎖状態を示す全体正面図
シャッターカーテンの一部省略縦断面図
全閉状態を保持するシャッターカーテン下端部を要部拡大縦断面図
(a)は通常の全閉状態におけるシャッターカーテンの要部横断面図(b)は座板の持ち上げにより屈曲したインターロック部により弾性変形したカバー体を示す要部横断面図
スラットで構成されたシャッターカーテンに対して座板の持ち上げがあった場合の閉鎖状態を示す一部省略縦断面図
座板直上のスラットのインターロック部が切欠き凹部に係止された状態を示す一部省略縦断面図
(a)は通常の全閉状態におけるシャッターカーテンの他の構成を示す要部横断面図(b)は座板の持ち上げにより屈曲したインターロック部により塑性変形したカバー体を示す要部横断面図
さらに他の実施例を示す図であり、左図は、全閉状態を保持するシャッターカーテン下端部を示し、右図は、左図の状態から座板が持ち上げられた状態を示す図である。
さらに他の実施例を示す図であり、左図は、全閉状態を保持するシャッターカーテン下端部を示し、右図は、左図の状態から座板が持ち上げられた状態を示す図である。
図9における各線に沿った断面図である。
図9に示す実施例における内ガイドレールの構成を示す図である。
図9に示す実施例におけるカバー体の構成を示す図である。
さらに他の実施例を示す図であり、上図は、カバー体が回動した状態を示し、下図は、通常時のカバー体の姿態を示す図である。
図13に示すカバー体の詳細を示す図である。
さらに他の実施例を示す図であり、(a)は通常の全閉状態におけるシャッターカーテンの要部横断面図(b)は座板の持ち上げにより屈曲したインターロック部により回動したカバー体を示す要部横断面図
さらに他の実施例を示す図であり、左図は、全閉状態を保持するシャッターカーテン下端部を示し、右図は、左図の状態から座板が持ち上げられた状態を示す図である。
図16における各線に沿った断面図であり、A−A断面図においては、図10のものと同様である。
さらに他の実施例を示す図であり、左図は、全閉状態を保持するシャッターカーテン下端部を示し、右図は、左図の状態から座板が持ち上げられた状態を示す図である。
図16に示す実施例におけるレール内引掛部材の構成を示す図である。
符号の説明
5 ガイドレール
7 前面
4 シャッターカーテン
8 案内溝
1 シャッター装置
10 床面
7b 屋内側面部
9 切欠き凹部
6 座板
3b スラット
3b´ インターロック部
11 カバー体
12 検知部
90 屋内側切欠き凹部
900 上端縁(係止部)
90A 屋内側切欠き凹部
91 屋外側切欠き凹部
91A 屋外側切欠き凹部
50 内ガイドレール
110 カバー体
120 カバー体
50´ 引掛部材