JP4546516B2 - 精米機 - Google Patents

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Description

本発明は、搗精体が、研削部および移送部を積み重ねた研削ブロックと、研磨部および移送部を積み重ねた研磨ブロックと、を複数段積み重ねてなる揚穀式の精米機。
従来、鉛直軸を中心に回転駆動する搗精体と、搗精体の周囲に設けられる筒状の除糠網と、搗精体の外周面と除糠網の内周面との間に形成される搗精室と、を備え、搗精室内を下方から上方へ移送される米粒を精米する揚穀式の精米機が用いられている。ここで精米とは、玄米の表面から糠を分離して白米へと加工することをいう。このような精米機において、搗精体としては、円筒体の表面に砥石や電着砥粒を設けたもの、あるいは、金属素材や繊維素材からなるブラシを設けたものが一般的である。しかしながら、砥石や電着砥粒を設けた搗精体は研削作用が強く、米粒を削りすぎてしまったり、割れを生じたりすることがあり、また、砥粒の脱落も問題であった。一方、ブラシを設けた搗精体は研削作用が弱いため、それのみをもって玄米から白米に精米することはできず、精米された米粒の表面に残る糠層を剥離させる、すなわち研米することしかできなかった(その意味では、ブラシを設けた搗精体のみを備える装置は、精米機ではなく研米機といえる)。
そこで、文献1において、搗精体の下部に砥石を、上部にブラシを設けた精米機が提案されている(図7(ハ))。このような構成とすることで、搗精体の下部においては強い研削作用を持つ砥石が米粒を精米し、搗精体の上部においてはブラシが精米された米粒を研米して、米粒を過度に削ることなく、一台の装置で精米処理および研米処理を行うことができる。しかしながら、砥石を用いていることから砥粒の脱落の問題がある。また、米粒を上昇させるのは下部に設けられた搬送スクリューのみであるので、精米の最終段階において、後続の米粒がなくなると、それ以上米粒が上方へ移送されなくなり、搗精室内に米粒が残留するおそれがある。さらに、この精米機は搗精室の出口に抵抗体を備え、米粒に圧力を加える構造であるので、米粒の温度が上昇し、品質が低下する点も問題である。一方、文献2において、ブラシと螺旋を組み合わせたブロックを複数個積み重ねた搗精体を備える研米機が提案されている(図1)。このような構成とすることで、米粒は各螺旋において上昇する力を付与されるので、搗精室内に米粒が残留しない。しかしながら、搗精体に砥石などを備える精米機に本構成を適用すると、米粒を上昇させる力が強すぎて、米粒が十分に精米されないまま排出されるおそれがある。
特開2000−5610号公報 特開2005−138019号公報
本発明は、上記事情を鑑みたものであり、縦型で揚穀式の精米機であって、米粒の過剰な研削や割れ、温度上昇を抑え、また、適切な時間だけ精米処理および研米処理を行い、内部に米粒が残留せず、さらに砥粒などの脱落のおそれのない精米機を提供することを目的とする。なお、以下において精米機とは精米処理と研米処理の両方を行うものとする。
本発明のうち請求項の発明は、鉛直軸を中心に回転駆動する搗精体と、該搗精体の周囲に設けられる筒状の除糠網と、前記搗精体の外周面と前記除糠網の内周面との間に形成される搗精室と、を備え、該搗精室内を下方から上方へ移送される米粒を精米する揚穀式の精米機であって、前記搗精体が、研削部およびその上側に位置する移送部を備える研削ブロックと、研磨部およびその上側に位置する移送部を備える研磨ブロックと、を複数段積み重ねてなるもので、前記研削ブロックの上側に前記研磨ブロックが配設されており、前記研削ブロックの移送部および前記研磨ブロックの移送部が、円筒体と、該円筒体の外周面に設けられ米粒に対し上向きの付勢力を加える正リード部および下向きの付勢力を加える逆リード部と、からなり、前記逆リード部の上側に前記正リード部が配設されていることを特徴とする。搗精体とは、米粒を精米および研米し、かつ移送するための機能を有するものであり、精米をするための研削部、研米をするための研磨部および移送をするための移送部からなる。これらの研削部、研磨部および移送部は、すべてが一体的に形成される場合もあるが、とくに本発明においては、研削部と移送部を備える研削ブロックおよび研磨部と移送部を備える研磨ブロックを積み重ねた構造である。研削ブロックおよび研磨ブロックそれぞれの個数は、目標とする精米の度合(精白度)に応じて自由に設定できる。また、研削ブロックおよび研磨ブロックの移送部とは別に、搗精体の上部および下部に、米粒の揚穀および排出のための移送部を設けることが望ましい。除糠網は、網目状で、搗精体の周囲に配設され、搗精体の外周面と除糠網の内周面とで搗精室を形成する。米粒は搗精室内を移送され、研削部および研磨部によって表面の糠が分離される。米粒から分離された糠は、除糠網の網目を通過して外側に排出される。移送部は、回転することでその周囲の米粒に回転軸方向の付勢力を加えるものであり、たとえば、円筒体の外周面に螺旋状の鍔部を設けたものが挙げられる。この場合、鍔部の巻きの方向により、付勢力の向きが決定される。すなわち、移送部の回転方向が、移送部の下方から見て右回転である場合に、移送部の下方から上方に向けて左巻きに形成された鍔部は、米粒に上向きの付勢力を加え、右巻きに形成された鍔部は、米粒に下向きの付勢力を加える。よってこの場合、左巻きの鍔部が正リード部に相当し、右巻きの鍔部が逆リード部に相当する。
本発明のうち請求項の発明は、前記研削ブロックの移送部および前記研磨ブロックの移送部の一部または全部が、円筒体と、該円筒体の外周面から円筒体の半径方向外向きに突出した略三角柱形状の三角突部と、からなり、該三角突部の一つの側面が正リード部を、他の一つの側面が逆リード部を構成することを特徴とする。このように構成すると、三角突部の側面が、前記の螺旋状の鍔部の一部分と同等の機能を有する。三角突部は、一つの移送部においていくつ設けられていてもよいが、複数個の三角突部が設けられる場合、それぞれが等間隔に配置されることが望ましい。また、それぞれの移送部において三角突部の個数が異なっていてもよい。
本発明のうち請求項の発明は、前記研削ブロックの移送部が、前記円筒体と、前記三角突部と、からなり、前記研磨ブロックの移送部が、前記円筒体と、螺旋状の鍔部と、からなることを特徴とする。本発明は、研削部および研磨部のそれぞれに組み合わされる移送部の構成を特定するものである。研磨部に組み合わされる螺旋状の鍔部は、巻きの方向が異なる二種類の鍔部からなり、それぞれが正リード部および逆リード部に相当する。
本発明のうち請求項の発明は、前記除糠網の、前記移送部周辺に当たる部分に、無孔部が形成されることを特徴とする。無孔部は、網目が形成されておらず、平滑な内周面を有しており、その上下の除糠網と一体に形成されるものであってもよいし、除糠網と別の部材により形成されるものであってもよい。
本発明のうち請求項の発明は、前記移送部の周辺部分に、前記除糠網に代わって環状のリング部材が設けられることを特徴とする。リング部材は、その上下端で除糠網と接続されており、平滑な内周面を有する。また、ある程度以上の肉厚を有し、精米機の動作時の振動などにより変形することのないものが望ましい。
本発明のうち請求項の発明は、前記研削部が、ローレット加工により形成された切削刃を備えることを特徴とする。ローレット加工とは、ローレット工具とよばれる工具により金属材料の表面に種々のパターンを形成するものであり、ローレット工具を押し付けて塑性変形させる転造式と、ローレット工具により切削する切削式とがある。ここではいずれの方式を用いてもよく、また金属の種類やパターンの形状についても自由に選択することができる。さらに、こうして形成された切削刃について、サンドブラスト加工などを施すことにより刃先を丸くして、切削力を調節してもよい。
本発明のうち請求項の発明によれば、研削部により米粒が精米され、研磨部により精米された米粒が研米されるので、一台の装置で精米処理および研米処理を行うことができる。さらに、研削部または研磨部と移送部とが交互に積み重ねられるので、米粒に順次付勢力が加えられ、搗精室内に米粒が残留しない。また、搗精室内を下方から上方へ移送される米粒に対して、上向きの付勢力を加える一方で、下向きの付勢力も同時に加えることで、米粒が搗精室内に滞留する時間を長くし、十分な精米および研米が行われる。
本発明のうち請求項の発明によれば、上向きの付勢力を加える正リード部と、下向きの付勢力を加える逆リード部とを一体に構成することができ、加工製造が容易である。また、側面の面積や回転方向に対する側面の角度を変化させたり、同一円周上に設ける三角突部の個数を増減させたりすることで、容易に付勢力の強さを調節することができる。
本発明のうち請求項の発明によれば、研削部と研磨部にそれぞれ適した種類の移送部を組み合わせることで、より効率的に精米を行うことができる。すなわち、三角突部は螺旋状の鍔部と比べて米粒に加える付勢力が弱いため、研削部においては米粒がより長く滞留して十分な精米が行われ、研磨部においては時間をかけることなく、速やかに米粒が排出される。
本発明のうち請求項の発明によれば、除糠網の移送部周辺に当たる部分に網目のない無孔部を形成することで、米粒が網目に引っ掛かり割れてしまうことを防ぐ。移送部部分は、米粒に確実に付勢力を加えるため、搗精室(移送部と除糠網との間隙)が狭くなっており、網目が存在する場合、引っ掛かった米粒が移送部と除糠網とに挟まれて割れてしまうことが考えられる。また、網目は米粒から剥離された糠を排出するためのものであるから、米粒を移送するだけの移送部においては必要ないため、本発明の構成が望ましい。
本発明のうち請求項の発明によれば、移送部の周辺部分において、除糠網に代わってリング部材を設けることで、薄い金属からなる除糠網を容易に真円形に成形し、その形状を保つことができる。また、精米機が動作により振動しても、当該部分の形状を確実に保つことができる。リング部材を設けない場合、振動により除糠網が弾性変形して、移送部と除糠網との間の距離が狭くなり、そこに挟まれた米粒が割れてしまうおそれがあり、リング部材によりこれを防ぐことができる。
本発明のうち請求項の発明によれば、ローレット加工により形成された切削刃を用いることで、砥石などを用いる場合のように、砥粒の脱落のおそれがない。また、その材質や刃の形状についても自由に選択することができ、熱処理やコーティング処理による強化も可能である。さらに、こうして形成された切削刃について、サンドブラスト加工などを施すことにより、刃先を丸くして、切削力を調節することもできる。
本発明の精米機の具体的な構成について、各図面に基づいて説明する。図1は、本発明の特徴部分である搗精体の拡大図であり、図2は、当該搗精体を備える精米機の全体図である。本精米機は、主軸9と、主軸9の外周部に設けられる搗精体1と、搗精体1の周囲に設けられる除糠網2と、を備え、これらがキャビネット10に収納されている。主軸9は、鉛直に立設され、その下端はベアリング63aにより回転自在に軸支され、さらにモータ61の軸と伝達ベルト62で連結されており、上端はベアリング63bを介してキャビネット10に回転自在に軸支されている。なお、主軸9の回転方向は、下方から見て右回転である。搗精体1は、米粒を精米する研削ブロック4および研米する研磨ブロック5からなる。さらに、研削ブロック4は、研削部7および移送部6からなり、研磨ブロック5は、研磨部8および移送部6からなるが、個々の詳細は後述する。ここでは、研削ブロック4が四段、研磨ブロック5が二段積み重ねられている。そして、搗精体1の下方には、揚穀スクリュー11が、上方には排出スクリュー12が設けられる。これらの搗精体1、揚穀スクリュー11および排出スクリュー12は、いずれも主軸9と一体となって回転する。搗精体1の周囲には、略円筒状の除糠網2が設けられ、搗精体1の外周面と、除糠網2の内周面との間に、搗精室3が形成される。除糠網2は、枠体13を介してキャビネット10に固定されており、除糠網2の外周面と、キャビネット10の内周面との間に、集塵室14が形成される。
さらに、本精米機は、投入ホッパー15、定量供給装置16、排出樋17および糠吸引口18を備える。投入ホッパー15は、玄米を投入するためのものであり、一定量の玄米を溜められるだけの容積を有する。そして、投入ホッパー15の出口に定量供給装置16が設けられる。これは、放射状の羽根19が回転する速度を調節して、米粒を一定量ずつ供給するものである。定量供給装置16の出口は、揚穀スクリュー11部分に接続されている。また、排出樋17は、排出スクリュー12の上部に設けられる。これは、精米が完了した米を外部に排出するものである。さらに、糠吸引口18は、キャビネット10の一部分に設けられ、後述の除糠ファンおよびサイクロンに接続されている。
ここで、本精米機により玄米を精米する流れを説明する。玄米は、投入ホッパー15に投入され、定量供給装置16によって、一定量ずつ供給される。玄米は揚穀スクリュー11部分に供給され、上方へ移送される。そして、搗精室3に入った玄米は、まず研削ブロック4の研削部7によって、表面の糠が削り取られてゆく。この際、削り取られた糠は、除糠網2の網目を通して外側へ排出され、集塵室14に溜まり、さらに糠吸引口18から外部へ排出される。米粒は精米されながら上昇し、次に研磨ブロック5の研磨部8によって表面が磨かれる。そして研米された米粒は、排出スクリュー12によってさらに上方へ移送され、排出樋17から排出される。
次に、本精米機の搗精体1について詳述する。搗精体1は、研削ブロック4および研磨ブロック5を複数段積み重ねてなる。図3に示すのは研削ブロック4であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d)は三角突部24の拡大図である。研削ブロック4は、研削部7および移送部6を積み重ねた構造であり、円筒体21と、円筒体21の外周面下部に設けられる切削刃26(研削部7を構成)と、外周面上部に設けられる三角突部24(移送部6を構成)と、を備える。切削刃26は、ローレット加工により形成されたもので、詳細は後述する。三角突部24は、円筒体21の外周面から外向きに突出した略三角柱形状の部材であり、正面視した際に(図3(d))、その三つの側面のうち二つの側面が、それぞれ回転方向に対して正リード角および逆リード角を有するように設けられる。このように構成すると、その一方の側面が正リード部22を形成し、他方の側面が逆リード部23を形成する。なお、三角突部24は、同一円周上に複数個設けてもよく、二〜八個程度とすることが望ましい。図3は、三個設けた例を示すが、それぞれの研削ブロック4において異なっていてもよく、図1および図2においては、下から一段目と二段目には三個、三段目と四段目には二個の三角突部24が設けられている。また、円筒体21の中心軸上には、主軸9を挿入するための貫通孔27が設けられる。貫通孔27の内周面には複数本の係止突条28が設けられており、主軸9と接する(図3(c))。さらに、円筒体21の上面および下面には、係合凸部29および係合凹部30が設けられ、複数個の研削ブロック4を積み重ねた際に、上下で嵌合して一体となる。
図4に示すのは研磨ブロック5であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d)はブラシ31の拡大図である。研磨ブロック5は、研磨部8および移送部6を積み重ねた構造であり、円筒体21と、円筒体21の外周面下部に設けられるブラシ31(研磨部8を構成)と、外周面上部に設けられる鍔部25(移送部6を構成)と、を備える。ブラシ31は、筆先状の毛束32が複数集合したもので(図4(d))、素材はナイロンである。図4(b)、(c)においては一部の毛束32のみを表示し、その他の毛束32は破線により省略しており、実際には破線に沿って毛束32が隙間なく並ぶ構成である。なお、毛束32の素材は、ナイロンのほかステンレス鋼線などでもよい。鍔部25は、円筒体21の外周面に設けられる螺旋状の部材であり、下方から上方に向けて左巻きに形成された正鍔部25aと、右巻きに形成された逆鍔部25bと、からなる。この場合、正鍔部25aが正リード部に相当し、逆鍔部25bが逆リード部に相当する。また、円筒体21の中心軸上には、主軸9を挿入するための貫通孔27が設けられる。貫通孔27の内周面には複数本の係止突条28が設けられており、主軸9と接する(図4(c))。さらに、円筒体21の上面および下面には、係合凸部29および係合凹部30が設けられ、複数個の研磨ブロック5を積み重ねた際に、上下で嵌合して一体となる。この係合凸部29と係合凹部30は、研削ブロック4および研磨ブロック5で共通の形状となっており、両者は相互に積み重ねることが可能である。
次に、研削部7についてさらに詳述する。研削部7は、図5に示すように、円筒体21の外周面に切削刃26が形成された構造である。なお、(a)は研削ブロック4の正面図、(b)は切削刃26の拡大断面図、(c)は切削刃26の斜視図である。この切削刃26は、ローレット加工により形成されるもので、その形状はローレットのパターンおよびピッチpと刃高tにより決まる。加工により形成された切削刃26のピッチpおよび刃高tは、もちろんローレットのそれと同じであり(図5(b))、たとえば綾目のローレットを用いると、図5(c)に示すように四角錐を隙間なく並べた形状となる。その他、平目のローレットなどを用いてもよい。切削刃26の素材には、一般的な鋼材や工具鋼、ステンレス鋼などを用い、熱処理や表面処理などで硬度を高め耐磨耗性を向上させるとよく、さらに硬質メッキやコーティング処理を施してもよい。そして本精米機ではさらに、こうして形成された刃に対してサンドブラスト加工を施し、刃先を丸めた。このようにすることで、切削力を抑え、米粒が割れたり米粒の表面に傷が付いたりすることを防いでいる。
また、除糠網2は、搗精体を取り囲む円筒形状の網であるが、その網目は、図6(a)に示すように、搗精体の回転方向に対して傾斜した長孔42からなる。網目をこのように形成することで、除糠網2に接触した米粒に上向きの付勢力を加えることができる。また、網目は全域に渡って一様ではなく、搗精体の各部分に対応した構成となっている。図6(b)は除糠網2の中心軸断面図であるが、図に示されるとおり、下部の研削ブロックに対応する部分は、上部の研磨ブロックに対応する部分に比べて網目が粗くなっており、また個々の長孔42の大きさが小さい。これは、米粒がより激しく運動する研削ブロック部分において、米粒が長孔42に引っ掛かかることを防ぎ、また除糠網2自体の強度を高めるために、孔に相当する面積を小さくしたものである。さらに、研削ブロックに対応する部分のうち、移送部に対応する部分には、環状のリング部材51が設けられる。リング部材51は、除糠網2と比較して肉厚で網目がなく、表面は平滑である。移送部部分は、搗精室(移送部と除糠網2との間隙)が狭くなっており、網目が存在する場合、引っ掛かった米粒が移送部と除糠網2とに挟まれて割れてしまう可能性が高いので、網目をなくすことでこれを防ぐ。さらに、肉厚のリング部材51を設けることで、精米機が動作により振動しても、当該部分の形状を確実に保つことができ、振動により除糠網2が弾性変形して、移送部と除糠網2との間の距離が狭くなり、そこに挟まれた米粒が割れてしまうことを防ぐ。とくに、研削ブロックの移送部を構成する三角突部は、除糠網2と平行な広い面を有し、両者の間に米粒が挟まる可能性が高いため、リング部材51を設ける必要性が高い。また、除糠網2の内周面には、抵抗体52が設けられる。抵抗体52は、上下にのびる突条であり、図6(c)および(d)に示すように、等間隔に複数個設けられることが望ましい。このような抵抗体52を設けることで、精米時に米粒が抵抗体52と衝突して撹拌され(回転や運動方向の変化)、米粒が切削刃やブラシに接触する機会が増えるため、精米作用が向上し、米粒の表面がまんべんなく精米される。また、抵抗体52がないと、米粒が切削刃やブラシに引っ掛かり、一体となって回転してしまう場合があり、これを防ぐ効果もある。なお、本実施例では、研削ブロック部分については円周上に十四本、研磨ブロック部分については円周上に八本の抵抗体52が設けられている。研削ブロック部分の方が抵抗体52の数が多いのは、とくに撹拌作用を強くして充分に精米を行うためである。また、除糠網2は、図7に示すように、移送部周辺に当たる部分に網目がない無孔部41を設ける構成としてもよい。無孔部41は、その上下の除糠網2と一体にすれば容易に形成することができ、リング部材を設けた場合と同様、網目に引っ掛かった米粒が移送部と除糠網2とに挟まれて割れることを防ぐ。
次に、本精米機を、コイン式精米装置に組み込んだ使用例を示す。図8(a)に示すのがその全体概要図である。本コイン式精米装置は、建屋201内に設置されるもので、建屋201は壁202によって客室203と機械室204に仕切られる。客室203には玄米投入口100と白米タンク150および制御盤160の操作パネル161(図8(b))が設けられる。機械室204には、玄米搬送装置101、昇降機110、石抜機120、精米機130が順に設けられ、さらに除糠ファン140、サイクロン141および糠回収部142が備えられる。
玄米投入口100はある程度の玄米を一度に投入できるだけの容積を有し、その底部には玄米搬送装置101が設けられる。玄米搬送装置101は横向きの搬送スクリュー102を備え、投入された玄米を客室203側から機械室204側へと搬送する。なお、搬送スクリュー102の上方に、玄米が投入されたことを検知するための投入口センサS1が設けられる。昇降機110は、玄米を引き上げるモータ駆動のバケットコンベヤで、引き上げた玄米を後続の石抜機120に投入する。石抜機120は、その上部にホッパー121を有し、ホッパー121の下方には傾斜した選別板122が揺動可能に支持され、選別板122の下方にはファン123が備えられる。選別板122には全面にわたって多数の孔が開けてあり、石抜機120の駆動中は、揺動する選別板122の下方から上方に向かってファン123からの風が吹き抜ける。すると、玄米中に混入する石屑が、玄米との比重差によって沈み込み、さらに揺動作用によって選別板122の上方に移動して回収される。一方、風によって浮き上がった玄米は、後から供給される玄米に押し流され、精米機130に送り込まれる。精米機130については、前述のとおりであるが、投入ホッパーの上部には米があふれることを防ぐためのオーバーフローセンサS2が、投入ホッパーの下部には米が投入されたことを検知するための精米センサS3が設けられる。精米機130により精米された米は、客室203の白米タンク150へと排出される。なお、精米機130に設けられた糠吸引口に、糠を吸引するための除糠ファン140が接続されており、吸引された糠はサイクロン141により空気と分離され、糠回収部142に溜まる。糠回収部142は、図のようにタンク状のものであってもよいし、その他袋状のものや、仕切られた部屋自体であってもよい。制御盤160は、図8(b)に示すように、その前面に客室203側を向いた操作パネル161を備える。操作パネル161には、コイン投入口162、投入金額表示灯163、精白度を選択するための精白度スイッチ164などが設けられる。また、制御盤160内には、マイクロコンピュータを用いた制御装置が備えられ、各種スイッチやセンサなどから得られるデータを、入力インターフェースを介してコントローラに取り込み、メモリに記録したプログラムに基づく処理を行って、各種制御信号を、出力インターフェースを介して所定の装置などに出力する。以上の構成により、使用者は、操作パネル161に必要な金額を投入し、玄米投入口100へ玄米を投入し、希望の精白度スイッチ164を押すだけで、あとは自動的に精米が行われ、白米タンク150に白米が排出される。なお、本精米装置においては、搗精体の回転速度と玄米の供給能率を制御することにより精白度を調整する。また、本精米機をコイン式精米装置に組み込む利点として、本発明の精米機は縦型揚穀式で玄米の投入ホッパーが下部にあるため、石抜機120から排出された米を直接投入することができ、昇降機110が一台しか必要なく、精米装置全体を小さくすることができる。
本発明の精米機は、上記の実施例に限定されるものではない。たとえば、各構成要素の形状や素材などは、本発明の要件を満たす限り、自由に選択することができる。また、コイン式精米機への組み込み例も一例に過ぎず、種々の既存の装置と組み合わせることが可能である。
搗精体部分の拡大図。 精米機の全体図。 研削ブロックの三面図および三角突部の拡大図。 研磨ブロックの三面図およびブラシの拡大図。 切削刃の詳細図。 除糠網の詳細図。 除糠網の別の実施形態の中心軸断面図。 本発明の精米機を含むコイン式精米装置の全体概略図。
1 搗精体
2 除糠網
3 搗精室
4 研削ブロック
5 研磨ブロック
6 移送部
7 研削部
8 研磨部
21 円筒体
22,25a 正リード部
23,25b 逆リード部
24 三角突部
25 鍔部
26 切削刃
41 無孔部
51 リング部材

Claims (6)

  1. 鉛直軸を中心に回転駆動する搗精体(1)と、該搗精体(1)の周囲に設けられる筒状の除糠網(2)と、前記搗精体(1)の外周面と前記除糠網(2)の内周面との間に形成される搗精室(3)と、を備え、該搗精室(3)内を下方から上方へ移送される米粒を精米する揚穀式の精米機であって、
    前記搗精体(1)が、研削部(7)およびその上側に位置する移送部(6)を備える研削ブロック(4)と、研磨部(8)およびその上側に位置する移送部(6)を備える研磨ブロック(5)と、を複数段積み重ねてなるもので、前記研削ブロック(4)の上側に前記研磨ブロック(5)が配設されており、
    前記研削ブロック(4)の移送部(6)および前記研磨ブロック(5)の移送部(6)が、円筒体(21)と、該円筒体(21)の外周面に設けられ米粒に対し上向きの付勢力を加える正リード部(22,25a)および下向きの付勢力を加える逆リード部(23,25b)と、からなり、前記逆リード部(23,25b)の上側に前記正リード部(22,25a)が配設されていることを特徴とする精米機。
  2. 前記研削ブロック(4)の移送部(6)および前記研磨ブロック(5)の移送部(6)の一部または全部が、円筒体(21)と、該円筒体(21)の外周面から円筒体(21)の半径方向外向きに突出した略三角柱形状の三角突部(24)と、からなり、該三角突部(24)の一つの側面が正リード部(22)を、他の一つの側面が逆リード部(23)を構成することを特徴とする請求項記載の精米機。
  3. 前記研削ブロック(4)の移送部(6)が、前記円筒体(21)と、前記三角突部(24)と、からなり、前記研磨ブロック(5)の移送部(6)が、前記円筒体(21)と、螺旋状の鍔部(25)と、からなることを特徴とする請求項記載の精米機。
  4. 前記除糠網(2)の、前記移送部(6)周辺に当たる部分に、無孔部(41)が形成されることを特徴とする請求項1、2または3記載の精米機。
  5. 前記移送部(6)の周辺部分に、前記除糠網(2)に代わって環状のリング部材(51)が設けられることを特徴とする請求項1、2または3記載の精米機。
  6. 前記研削部(7)が、ローレット加工により形成された切削刃(26)を備えることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の精米機。
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