JP4317058B2 - 研磨装置、研磨方法、被研磨物処理システム及び被研磨物処理方法 - Google Patents
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Description
尚、上述の問題は、砂以外の粒、粉、片、塊状体から異物を除去する場合でも同様に発生していた。
本発明は、以下の通りである。
[1] 被研磨物を研磨する研磨装置であって、
筒状のケーシング体と、該ケーシング体の内部で回転可能に設けられる回転体と、該ケーシング体の内壁面に設けられるケーシング体側研磨手段と、を備え、前記回転体の回転によって、該回転体に供給される前記被研磨物を前記ケーシング体側研磨手段に向って跳ね飛ばすようにし、
前記ケーシング体の軸心(C2)と前記回転体の軸心(C1)とを相対的に平行移動させる軸心移動手段をさらに備えることを特徴とする研磨装置。
[2] 被研磨物を研磨する研磨装置であって、
筒状のケーシング体と、該ケーシング体の内部で回転可能に設けられる回転体と、該ケーシング体の内壁面に設けられるケーシング体側研磨手段と、を備え、前記回転体の回転によって、該回転体に供給される前記被研磨物を前記ケーシング体側研磨手段に向って跳ね飛ばすようにし、
前記回転体が、羽根車本体と、該羽根車本体に設けられる羽根とを有し、
前記羽根が、前記ケーシング体の内底部側に溜まる前記被研磨物を掻上げる掻上手段を有することを特徴とする研磨装置。
[3] 前記回転体の軸心(C1)を垂直面内で傾動させる軸心傾動手段をさらに備える上記[1]又は[2]に記載の研磨装置。
[4] 前記ケーシング体の軸心(C2)と前記回転体の軸心(C1)とを相対的に平行移動させる軸心移動手段をさらに備える上記[2]又は[3]に記載の研磨装置。
[5] 前記ケーシング体側研磨手段が、弾性部を介して前記ケーシング体の内壁面に設けられている上記[1]乃至[4]のいずれか一項に記載の研磨装置。
[6] 前記回転体が、羽根車本体と、該羽根車本体に設けられる羽根とを有する上記[1]記載の研磨装置。
[7] 前記羽根が、前記ケーシング体の内底部側に溜まる前記被研磨物を掻上げる掻上手段を有する上記[6]記載の研磨装置。
[8] 前記羽根には回転体側研磨手段が設けられている上記[2][6]又は[7]に記載の研磨装置。
[9] 前記羽根が、前記羽根車本体に揺動自在に支持されている上記[2][6][7]又は[8]に記載の研磨装置。
[10] 前記被研磨物が砂である上記[1]乃至[9]のいずれか一項に記載の研磨装置。
[11] 前記砂が、土壌に石灰を添加すると共にこれを加熱乾燥して得られるものである上記[10]記載の研磨装置。
[12] 上記[1]乃至[11]のいずれか一項に記載の研磨装置を用いる研磨方法であって、
前記羽根車の回転によって、該羽根車に供給される前記被研磨物を前記ケーシング側研磨手段に向って跳ね飛ばして該被研磨物を研磨することを特徴とする研磨方法。
[13] 被研磨物を乾燥させる乾燥装置と、
前記乾燥装置で乾燥された前記被研磨物を研磨する上記[1]乃至[11]のいずれか一項に記載の研磨装置と、
前記研磨装置で研磨された製品と研磨屑とを選別する製品選別装置と、を備えることを特徴とする被研磨物処理システム。
[14] 被研磨物を乾燥させる乾燥工程と、
上記[1]乃至[11]のいずれか一項に記載の研磨装置によって、前記乾燥工程で乾燥された前記被研磨物を研磨する研磨工程と、
前記研磨工程で研磨された製品と研磨屑とを選別する製品選別工程と、を備えることを特徴とする被研磨物処理方法。
本発明の他の研磨装置によると、比較的高速で回転される回転体によって、この回転体に供給される被研磨物が研磨手段に向って跳ね飛ばされ、被研磨物と研磨手段との衝突や摩擦等により被研磨物が研磨される。従って、大量の被研磨物を短時間で均一且つ確実に異物除去して良質な製品を得ることができる。また、前記回転体が、羽根車本体と羽根とを有するので、より簡易・安価な構造とすることができる。また、前記羽根が掻上手段を有するので、掻上手段によりケーシング体の内底部側に溜まる被研磨物を掻上げて、より研磨効率を向上させることができる。
また、軸心傾動手段をさらに備える場合は、回転体の傾き角度を調整することによって、磨きの程度と処理量とを好適にバランスさせて研磨効率を向上させることができる。
また、軸心移動手段をさらに備える場合は、回転体及びケーシング体のそれぞれの軸心の相対位置(間隔)を変更することによって、磨きの程度と処理量とを好適にバランスさせて研磨効率を向上させることができる。
また、前記ケーシング体側研磨手段が、弾性部を介して前記ケーシング体の内壁面に設けられている場合は、弾性部の弾性変形により研磨手段への被研磨物のなじみが良くなり、異物除去効率を更に向上させることができる。
また、前記回転体が、羽根車本体と羽根とを有する場合は、より簡易・安価な構造とすることができる。
また、前記羽根が掻上手段を有する場合は、掻上手段によりケーシング体の内底部側に溜まる被研磨物を掻上げて、より研磨効率を向上させることができる。
また、前記羽根には羽根側研磨手段が設けられている場合は、羽根で被研磨物を跳ね飛ばす際に、被研磨物と研磨手段との摩擦等により被研磨物を研磨でき、より研磨効率を向上させることができる。
また、前記羽根が、前記羽根車本体に揺動自在に支持されている場合は、より強力に被研磨物を跳ね飛ばすことができる。
また、前記被研磨物が砂である場合は、大量の砂粒を短時間で均一且つ確実に異物除去して良質な砂製品を得ることができる。
また、前記砂が、土壌に石灰を添加すると共にこれを加熱乾燥して得られるものである場合は、より確実に砂の異物を除去することができる。また、原料が汚染土壌であっても、これを改質して、良質な砂製品を得ることができる。
本発明の研磨方法によると、比較的高速で回転される回転体によって、この回転体に供給される被研磨物が研磨手段に向って跳ね飛ばされ、被研磨物と研磨手段との衝突や摩擦等により被研磨物が研磨される。従って、大量の被研磨物を短時間で均一且つ確実に異物除去して良質な製品を得ることができる。
本発明の被研磨物処理システムによると、乾燥装置によって、被研磨物が乾燥され、研磨装置によって、その乾燥された被研磨物が研磨されて異物が除去され、製品選別手段によって、製品と研磨屑とが選別される。これにより、水を使わずに良質な製品を得ることができ、濁水が発生しないので濁水を処理する設備が必要ないので装置を簡易、安価にすることができる。
本発明の被研磨物処理方法によると、乾燥工程によって、被研磨物が乾燥され、研磨工程によって、その乾燥された被研磨物が研磨されて異物が除去され、製品選別工程によって、製品と研磨屑とが選別される。これにより、水を使わずに良質な製品を得ることができ、濁水が発生しないので濁水を処理する設備が必要ないので装置を簡易、安価にすることができる。
本発明に係る研磨装置は、以下に述べるケーシング体、回転体、及びケーシング体側研磨手段を備えて構成される。また、この研磨装置は、例えば、後述する軸心傾動手段、及び軸心移動手段のうちの少なくとも一方をさらに備えることができる。
上記「回転体側研磨手段」は、例えば、羽根の表面の全領域にわたって設けられていたり、羽根の表面の一部領域に設けられていたりすることができる。この回転体側研磨手段(以下、単に研磨手段とも記載する。)は、例えば、ボルト、保持具、接着剤等の適宜固定手段を用いてケーシング体の内壁面に固定されていることができる。また、この研磨手段の平面形状としては、例えば、平面状、波状、鋸刃状等を挙げることができる。
尚、羽根車本体の表面にも、羽根と同様にして、上記回転体側研磨手段を設けることができる。
この被研磨物の乾燥形態としては、例えば、(1)加熱により乾燥させる形態、(2)石灰等の添加により化学的に乾燥させる形態、(3)自然風、人工風等によって乾燥させる形態等のうちの1種又は2種以上を組み合わせたもの等を挙げることができる。なお、乾燥された被研磨物(特に砂)の含水率は、25%以下程度であれば良いが、望ましくは10%以下が適している。ただし、乾燥後の被研磨物(特に砂)の温度が高い状態で異物除去処理をすることで、許容される含水率の範囲を広くすることができる。
尚、上記「砂」の砂質、粒径、供給量等は特に問わない。この砂とは、土、砂利、レキ等を含んで意味するものとする。また、コンクリート骨材として用いられる砂としては、例えば、5〜40mmの粗骨材製品、0.15〜5mmの細骨材製品等を挙げることができる。
本発明に係る研磨方法は、上述の研磨装置を用いる研磨方法であって、前記羽根車の回転によって、該羽根車に供給される前記被研磨物を前記ケーシング側研磨手段に向って跳ね飛ばして該被研磨物を研磨することを特徴とする。
本発明に係る被研磨物処理システムは、以下に述べる乾燥装置と、研磨装置と、製品選別装置と、を備えて構成される。
被研磨物が砂である場合、上記(2)形態では、通常、土壌に石灰を添加して乾燥された砂が得られることとなる。これにより、土壌の粘度鉱物と石灰との化学反応によって、土質の含水比低下、塑性低下、強度増加等の利点がある。また、上記石灰としては、例えば、生石灰、消石灰、サイクロンライム等を挙げることができる。この石灰添加による乾燥装置としては、例えば、公知の土壌攪拌装置(一般にリテナとも称する。)、振動ミル等を挙げることができる。
本発明に係る被研磨物処理方法は、以下に述べる乾燥工程と、研磨工程と、製品選別工程と、を備えて構成される。
被研磨物が砂である場合、上記(2)形態では、通常、土壌に石灰を添加して乾燥された砂が得られることとなる。これにより、土壌の粘度鉱物と石灰との化学反応によって、土質の含水比低下、塑性低下、強度増加等の利点がある。また、上記石灰としては、例えば、生石灰、消石灰、サイクロンライム等を挙げることができる。この石灰添加による乾燥装置としては、例えば、公知の土壌攪拌装置(一般にリテナとも称する。)、振動ミル等を挙げることができる。
(1)砂研磨装置の構成
本実施例に係る砂研磨装置1(本発明に係る「研磨装置」として例示する。)は、図1及び2に示すように、筒状のケーシング体2と、羽根車3(本発明に係る「回転体」として例示する。)と、研磨部材4(本発明に係る「ケーシング体側研磨手段」として例示する。)と、を備えて基本的に構成される。
ここで、上記駆動モータM1、支持軸8a,8b、ベース部材9a,9b等によって、本発明に係る「軸心傾動手段」が構成されていると言える。
ここで、上記駆動モータM3、ジャッキ機構11等によって、本発明に係る「軸心移動手段」が構成されていると言える。
次に、以上のように構成された砂研磨装置1の作用について説明する。図1及び2に示すように、ケーシング体2の軸心C2と羽根車の軸心C1とが、互いに一致し且つ略水平方向を向いた状態より、駆動モータM2の駆動により羽根車3を回転方向Rに所定の回転速度で回転させると共に、支持軸10aを介して羽根車3の中心部に砂を供給する。すると、その供給された砂は、各羽根3bの根元側から先端側に向って羽根3b表面上を案内移動される。このとき、砂は、各羽根3bの研磨部材14との接触により表面に付着した異物が除去される。
次に、本実施例に係る砂処理システムについて説明する。この砂処理システムは、図12に示すように、ロータリーキルン16(本発明に係る「乾燥装置」として例示する。)と、上述した砂研磨装置1と、篩機17(本発明に係る「製品選別装置」として例示する。)と、を備えて基本的に構成される。そして、上記ロータリーキルン16には、原材料である砂Sが投入され、含水率が10%以下になるまで乾燥させる。その乾燥させた砂Sが砂研磨装置1に供給され、研磨されて異物が除去される。その後、その異物除去された砂は、篩機17にかけられ、骨材製品と研磨屑砂製品とに分けられる。
本実施例の砂研磨装置1では、ケーシング体2内で羽根車3を高速で回転させて、この羽根車3の各羽根3bにより砂を研磨部材4に向って跳ね飛ばすようにしたので、砂と研磨手段4との衝突や摩擦等により砂が好適に研磨される。従って、大量の砂粒を短時間で均一且つ確実に異物除去して良質な砂を得ることができる。
また、本実施例では、軸心傾動手段により羽根車3の姿勢を変更させ得ると共に、軸心移動手段によりケーシング体2に対して羽根車3を昇降させ得るようにしたので、磨きの程度と処理量とを好適にバランスさせて研磨効率を向上させることができる。
また、本実施例では、各羽根3bの先端側に掻上部材13を設け、この掻上部材13によりケーシング体2の底部に溜まる砂を掻き上げるようにしたので、砂と研磨部材4,14との衝突や摩擦等の回数が多くなり、より研磨効率を向上させることができる。
また、本実施例では、研磨部材4,14を、弾性を有する基材4a,14aにスチールワイヤ4b,14bと研磨材4c,14cとを設けて構成したので、研磨部材4,14に砂が衝突する際に、基材4a,14aの弾性変形により研磨部材4,14に対する砂のなじみが良くなり、より研磨効率を向上させることができる。
また、本実施例では、各羽根3bの表面に研磨部材14を設けたので、砂と研磨部材4,14との衝突や摩擦等の回数が多くなり、より研磨効率を向上させることができる。
試験1では、上記砂研磨装置1Bに、粒径0.2〜5.0mmの砕石砂を投入して研磨処理(筒状体の回転速度:1000rpm、処理量:5t/時間)を行い、その後、篩により粒径0.2mm以下の研磨屑砂製品を得た。そして、研磨処理前、研磨処理後、及び篩後のそれぞれの様子を顕微鏡による拡大写真により観察した。その結果、研磨処理前では、図17に示すように、粒径の大きな砕石砂のみの集合体であることがわかる。これに対して、研磨処理後では、図18に示すように、粒径の大きな砕石砂と粒径が小さな研磨屑製品との集合体であることがわかる。また、篩後では、図19に示すように、粒径の小さな研磨屑砂製品のみの集合体であることがわかる。この研磨屑砂製品の表面には異物の付着はほぼ見られなかった。
また、試験2では、上記砂研磨装置1Bに、粒径2.5mm以下の残土砂を投入して研磨処理(筒状体の回転速度:1000rpm、処理量:5t/時間)を行い、その後、篩により粒径0.2〜2.5mmの砂製品を得た。そして、研磨処理前、及び研磨処理・篩後のそれぞれの様子を顕微鏡による拡大写真により観察した。その結果、研磨処理前では、図21に示すように、土と砂の集合体であることがわかる。これに対して、研磨処理・篩後では、図22に示すように、砂製品のみの集合体であることがわかる。この砂製品の表面には異物の付着はほぼ見られなかった。
Claims (14)
- 被研磨物を研磨する研磨装置であって、
筒状のケーシング体と、該ケーシング体の内部で回転可能に設けられる回転体と、該ケーシング体の内壁面に設けられるケーシング体側研磨手段と、を備え、前記回転体の回転によって、該回転体に供給される前記被研磨物を前記ケーシング体側研磨手段に向って跳ね飛ばすようにし、
前記ケーシング体の軸心(C2)と前記回転体の軸心(C1)とを相対的に平行移動させる軸心移動手段をさらに備えることを特徴とする研磨装置。 - 被研磨物を研磨する研磨装置であって、
筒状のケーシング体と、該ケーシング体の内部で回転可能に設けられる回転体と、該ケーシング体の内壁面に設けられるケーシング体側研磨手段と、を備え、前記回転体の回転によって、該回転体に供給される前記被研磨物を前記ケーシング体側研磨手段に向って跳ね飛ばすようにし、
前記回転体が、羽根車本体と、該羽根車本体に設けられる羽根とを有し、
前記羽根が、前記ケーシング体の内底部側に溜まる前記被研磨物を掻上げる掻上手段を有することを特徴とする研磨装置。 - 前記回転体の軸心(C1)を垂直面内で傾動させる軸心傾動手段をさらに備える請求項1又は2に記載の研磨装置。
- 前記ケーシング体の軸心(C2)と前記回転体の軸心(C1)とを相対的に平行移動させる軸心移動手段をさらに備える請求項2又は3に記載の研磨装置。
- 前記ケーシング体側研磨手段が、弾性部を介して前記ケーシング体の内壁面に設けられている請求項1乃至4のいずれか一項に記載の研磨装置。
- 前記回転体が、羽根車本体と、該羽根車本体に設けられる羽根とを有する請求項1記載の研磨装置。
- 前記羽根が、前記ケーシング体の内底部側に溜まる前記被研磨物を掻上げる掻上手段を有する請求項6記載の研磨装置。
- 前記羽根には回転体側研磨手段が設けられている請求項2、6又は7に記載の研磨装置。
- 前記羽根が、前記羽根車本体に揺動自在に支持されている請求項2,6,7又は8に記載の研磨装置。
- 前記被研磨物が砂である請求項1乃至9のいずれか一項に記載の研磨装置。
- 前記砂が、土壌に石灰を添加すると共にこれを加熱乾燥して得られるものである請求項10記載の研磨装置。
- 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の研磨装置を用いる研磨方法であって、
前記羽根車の回転によって、該羽根車に供給される前記被研磨物を前記ケーシング側研磨手段に向って跳ね飛ばして該被研磨物を研磨することを特徴とする研磨方法。 - 被研磨物を乾燥させる乾燥装置と、
前記乾燥装置で乾燥された前記被研磨物を研磨する請求項1乃至11のいずれか一項に記載の研磨装置と、
前記研磨装置で研磨された製品と研磨屑とを選別する製品選別装置と、を備えることを特徴とする被研磨物処理システム。 - 被研磨物を乾燥させる乾燥工程と、
請求項1乃至11のいずれか一項に記載の研磨装置によって、前記乾燥工程で乾燥された前記被研磨物を研磨する研磨工程と、
前記研磨工程で研磨された製品と研磨屑とを選別する製品選別工程と、を備えることを特徴とする被研磨物処理方法。
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