JP4545977B2 - 植生用マット及びその植生用マットを使用した施工方法 - Google Patents

植生用マット及びその植生用マットを使用した施工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば河川の堤防などの植生護岸等に用いる植生用マット及びその施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば河川堤防の法面の植生護岸工では、(1)椰子マットの一方面にスフ薄綿を介して種子・肥料を装着してなる人工芝を、河川の水表の法面(河川表法)に前記種子・肥料が下方になるようにして張り付ける方法が採用されているが、前記椰子マットは前記法面に張り付けた前記人工芝上を流れる流水によって生じる負圧で前記法面の土壌を吸い出す、いわゆる吸出し作用の影響を受けない程度の目合いを有するとともに軽量かつ安価である反面、前記椰子マットは、その強度が弱いために例えば河川の増水時などに起こる早い流速の流水によって前記人工芝が簡単に剥がれて流出してしまうという問題があった。
【0003】
これを解消するため、この発明の出願人は、(2)可撓性を有するネット材に芝生マットとしての野芝を一体化させて成る植生マット(特願平11−181262号)を前記法面に張り付ける方法を先に出願している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この場合、前記ネット材によって前記植生マットは早い流速の流水には耐えることができるけれども、前記野芝は高価である上、前記野芝の重量が前記ネット材に比して重いため、矩形状の前記植生マットの規格を例えば2m×2〜3m(40kg〜60kg)よりも大きくできないことから、張り付け作業にあたり規格の小さい前記植生マット同士のジョイント箇所を多く必要とし、しかも強度的に弱い前記ジョイント箇所を補強するのに結束材を多く使用することで手間がかかり、材料・施工面で高価になったり、また、前記植生マット自体の製造が複雑で時間がかかるといった問題があった。
【0005】
この発明は、かゝる実情に鑑みて成されたものであって、軽量かつ安価で吸出し防止効果があり、かつ、早い流速の流水に剥がれることなく耐えることができる植生用マットおよびその施工方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明の植生用マットは、河川を流れる水の流速が2.0〜3.5m/sの流体力に耐えられる河川植生護岸用の植生用マットであって、可撓性を有し目合いが5〜7mmで強度のあるネットと、目付量25〜70gの軽量で吸出し防止効果のある耐腐食性材料のシートとを一体化させてなり、規格が1〜3m×10〜30mであるものである(請求項1)。
【0007】
この植生用マットは 河川堤防法面に敷設した後、その上に野芝の張付けや種子吹付工等の植生工を施工する河川植生護岸工法として使用される(請求項2)。
【0008】
また、この発明は別の観点から、河川を流れる水の流速が2.0〜3.5m/sの流体力に耐えられる河川植生護岸用の植生用マットであって、可撓性を有し目合いが5〜7mmで強度のあるネットと、目付量25〜70gの軽量で吸出し防止効果のある耐腐食性材料のシートが装着され、該腐食性材料のシートの他方面に、少なくとも植物種子が装着され、規格が1〜3m×10〜30mである植生用マット(請求項3)を提供する。
更には、この耐腐食性材料によるシートは植物の根茎や茎葉が通過貫通できる目合いをもち、土砂の吸出しを防止できる効果のあるメッシュ状の不織布が使用されている(請求項4)。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、例えば河川堤防などの法面Nの植生護岸の状況を示し、図2は、その植生護岸に用いるこの発明の植生用マット1を示し、図3、図4は、植生用マット1の動作を示し、図5は、その植生護岸を側面から見ている。なお、図1において、図中のRは水の流れ方向である。
【0010】
上記の植生用マット1は、例えば1〜3m×10〜30mの規格とすることができ、前記先願の明細書、図面で示した植生マットの規格、すなわち、2m×3mよりも数倍の大きな矩形状のものである。
【0011】
この植生用マット1は、可撓性を有し強度(後述する)のあるネット2と、軽量で吸出し防止効果がある耐腐食性材料のシート3とを一体化させてなる。
【0012】
この耐腐食性材料のシート3は、耐腐食性材料の合成樹脂繊維による不織布である。例えばナイロン、ビニロンやポリエステル繊維を使用して不織布を構成し、これを、ポリビニルアルコールなどのような水溶性糊剤による接着や縫製により可撓性の強度のあるネット2に固着される。
【0013】
このようにして形成された本発明の植生用マット1を図1のように河川堤防法面に張り付け河川堤防法面の保護を行う。こうすると、強力なネットで河川堤防法面が保護されると共にこれに装着されている吸出し防止効果のある耐腐食性のシートにより河川の増水により水位が上昇しても法面土壌が吸出しを受けることなく、河川堤防法面は保護される。更にその上に、例えばロール状の野芝4を張り付け、植生護岸を完成させる。このようにして形成されると、野芝の根茎は可撓性を有する強度のあるネット2及び耐腐食性材料のシート3に絡みついて一体となり、更には、河川堤防法面土壌に野芝の根茎を蔓延させて強固な植生護岸構造を形成する。植生用マット1の上に薄い覆土、例えば2〜3cmを敷設することもあり、この場合は上記の覆土中に根茎を蔓延させ、やがてはネット2及びシート3にの芝の根茎が絡みつき、植生護岸構造を形成する。覆土を併用する場合は、乾燥のおそれがあったり、野芝に付着している土壌が比較的少ない(薄い)場合に併用する。
【0014】
この植生護岸構造が形成されると、洪水などにより、河川の水位が上昇し、この植生護岸を河川水が、浸漬するようになっても、強力なネットと吸出し防止機能を持つ耐腐食性材料のシート及び、これらに根茎が強力に絡みついた野芝とが一体となって河川堤防法面を保護しているために、河川の流水により捲れ上げられ、剥がされたりすることなく、特に、吸出し防止効果の優れた耐腐食性材料のシート3により、河川法面の土壌が吸い出しを受けるすこともなく、安定した護岸構造を形成することができる。
【0015】
上記の実施例では、河川法面に敷設された植生用マットの上に、野芝4を張り付け施工した例をあげたが、この野芝4の張り付けによる植生工の他に、植物種子、肥料、土壌改良材、有機質材等を混合して吹付ける所謂種子吹付け工(厚層基材吹付け工)や植物種子を肥料等の植生材料と共に、ネットや紙布片などに装着した緑化シートや、緑化用マットといわれる植生基体を敷設施工することも有効である。
【0016】
一方、本発明に使用する、可撓性を有し、強度のあるネット2は、耐久性に富む繊維、例えばナイロンやポリエステル、アラミド、カーボン、ガラス、ポリアセタール等の繊維を用いて、目合い5mm〜25mm(望ましくは5〜7mm)程度の格子状に成型したものであるが、上記の繊維による線条を用いて、上記と同様の目合いの網状体に編組したものにしてもよく、これら両者(格子状体と網状体)を重ね合わせてもよいのであって、幅1m当たりの引っ張り強度を、0.5〜4.0トン程度としている。これは、河川を流れる水の流速が2.0〜3.5m/Sの流体力に十分耐えられる強度を有している。
【0017】
このネット2は、1m2当たりの重量が200グラム〜250グラムと軽い。
【0018】
本発明に使用する吸出し防止機能を有する耐腐食性材料のシート3としては、ナイロンやビニロン、ポリエステル繊維等の合成繊維を素材とする目付け量25〜70g程度の不織布が使用できる。
【0019】
前記不織布の更に好適な例として、メッシュ状の不織布が使用され(図2の一部拡大図を参照)、このメッシュ状の不織布は、例えばポリエステルなどの合成繊維からなる、縦及び横方向において、例えば0.5〜10mm間に、0.3〜5.0mm幅で形成される疎部5と密部6とを交互に配置した状態を有している。即ち、前記疎部5は、不織布を形成する素材が少なくなったり存在していなかったりして、容易に植物の芽や根が通り得るようになっていて、且つ土砂を通さないあるいは通し難い程度の大きさに形成された部分であり、前記密部6は、不織布を形成する素材が一定以上密に詰まっていて、植物の芽や根及び土砂を通さないあるは通し難い程度の強度となっている部分である。そして、隣り合う二つの密部6では、一方の密部6の中心から他方の密部6の中心までの距離をAとすると、この距離Aは、0.5〜1.0mmとなるように形成されている。また、前記疎部5の幅をBとすると、この幅Bは、0.3〜5.0mmとなるように形成される。そして、本実施例では、前記疎部5は、不織布10mm×10mmの範囲において、1.0mm程度の孔部分として横方向に5〜6個、縦方向に3〜4個形成されており、不織布の目付量は30〜70g/m2となっている。
【0020】
なお、前記疎部5の幅が、0.3mmよりも小さければ、植物の芽や根が通過しがたくなり、また、0.5mmよりも大きければ、土砂を通しやすくなるために、不織布による吸出し防止効果が低下する。ここで、前記疎部5が、孔部分として形成される場合であって、かつその幅Bが比較的大きい(たとえば5.0mm以上)場合には、土砂はこの疎部5を多少は通ると考えられるが、このような場合には、前記疎部5に図2の一部拡大図に示すような細い糸状体5aを張った状態とすれば、この糸状体5aの存在によって土砂はより通り難くなる。すなわち、前記疎部5が土砂を多少通し得る程度の大きさに形成されている場合には、前記疎部5に、前記糸状体5aや網状体(図示せず)など、疎部5内に配置すれば土砂を通さずあるいは通し難くして、かつ植物の芽、根や茎葉は通りうるままとする機能を発揮する妨害部材を張った(設けた)状態とすれば、この妨害部材の存在によって土砂はより通り難くなるのである。また、前記疎部5に植物の芽、根や茎葉が挿通した状態となると、殆ど土砂が通らなくなる。
【0021】
本発明の第二の発明は、前記した可撓性を有し強度のあるネット2に、軽量で吸出し防止効果のある耐腐食性材料のシート3が装着され、該耐腐食性材料のシート3の他方面に、少なくとも植物種子が装着されたことを持微とする植生用マット1である。
この植生用マット1には、植物種子として、在来種の野芝やチガヤ、ススキ、ヨモギ、メドハギ等の周辺の植生との違和感が少ない植物が使用できるが、施工が早急に植生護岸としての機能を発揮させるには、発芽が早く初期生長が旺盛で、可撓性ネット2や吸出し防止シート3に植物の根茎が短期間で絡んで一体となる植物種子、即ち、洋芝といわれる、クリーピングレッドフェスク、トールフェスク、ブルーグラス類、ベントグラス類、バ−ミューダグラス類等がより好適である。勿論これらの在来種と洋芝類を適宜の割合で混合することも好適である。
【0022】
また、この実施例の他の形態として、前記の植生用マット1に、粗目のネット7に薄い綿状の繊維(薄綿ラップ)を接着し、この薄綿ラップにポリビニールアルコールなどのような水溶性糊剤を用いて植物種子、肥料、土壌改良剤などよりなる植生材料8を接着した植生基体(所謂人工芝)を接着または縫製により装着一体化することがある。この場合には、種子等の植生材料8に高分子土壌凝集剤を混入することがある。
この高分子土壌凝集剤としては、ポリアクリルアマイド、ポリエチレンオキサイド、ポリビニールアルコールなどが使用できる。この高分子土壌凝集剤は、植生用マット1の裏側の地山土壌が、河川水によって泥水化されると、この泥水中の土壌粒子を凝集して団粒化した大きな粒子とする作用を持つもので、この高分子土壌凝集剤によって、植生用マット1の吸出し防止効果を向上させることができる。
【0023】
なお、スフ薄綿(薄綿ラップ)を用いたのは、植物の発芽生育の妨げにならず、しかも、水分により溶解するからである。この条件を満たすものとしてクレープ紙、高分子系フィルムあるいは澱粉系フィルム、寒冷紗付き水溶性紙、スフ系不織布、パルプ系不織布などがある。よって、スフ薄綿(薄綿ラップ)の代わりにこれらを用いてもよい。
【0024】
また、上記の人工芝を、前記した植生用マット1に装着する場合、人工芝を構成する粗目のネット7を地山側に、即ち法面土壌に接するように装着する場合があり、こうすると、河川堤防法面に張付け施工された場合、この粗目のネット7が種子等の植生材料8の保護層となり、河川が増水して、植生用マット1施工部位まで水位が上昇した場合でも、種子が流されることを防止できる。粗目のネット7としては、ジュートやヤシなどの有機質繊維によるものの他ポリエチレンなどのプラスチック繊維によるネットが使用できる。特にプラスチック繊維は薄くても強度があり、耐久性がある点で植生用マット1の法面への密着を阻害することがなくより好適である。
【0025】
また、前記人工芝は、1m2当たりの重量が200グラム〜600グラムと軽いために、この人工芝を使用して植生用マット1を構成しても全体として軽量に仕上げることができる。
【0026】
よって、植生用マット1を従来例で示した野芝をの根茎を装着した植生マットよりも軽くでき、そのため、上述したように、例えば矩形状の植生用マット1の規格を1m×30m、あるいは、2m×20mなどのように大きくしても作業者が十分担げる程度の重さ(例えば、10kg〜20kg程度)にできる。これにより、従来規格が小さいためにジョイント箇所を多く必要としていたことによる問題点を解消できる。
【0027】
次に、例えば河川法面Nの植生護岸における植生用マット1の敷設の手順について説明する。
図1および図4に示すように、法尻の湛水域又はかなりの期間湛水する部分を適宜掘削して、この掘削部に、例えばカゴマット10の張り工法を実施(その他、捨て石やフトンカゴの敷設も好適である。)する。
【0028】
この際、カゴマット10の下側に、前記ネット2と同様のネット9を適宜の幅にわたって敷き込んで、その上辺部9aを、カゴマット10の上部の法面N側(護岸域側)に突出させておく。一方、想定される増水時の最高水位付近、好ましくは図示するように、最高水位Hよりもやゝ上部側の護岸域にも、前記ネット2と同様のネット11を、その一部を突出させて埋設しておく。
【0029】
なお、この実施の形態では、植生用マット1の幅方向両側に、例えば50mm幅のネット部分2a,2bを張り出させ、ネット2の長手方向一方には、例えば250mm幅のネット部分2cを張り出させ、更に、ネット2の長手方向他方には、例えば50mm幅のネット部分2dを張り出させている。
【0030】
そして、作業者が植生用マット1を、例えば護岸域の下流側から上流側に向けて且つ護岸域の下部側から上部側に向けて法面Nに張設するのである。
このとき、護岸域下部側の植生用マット1については、カゴマット10の下側に敷き込んで突出させたネット9の上辺部9aに、ネット2の他方のネット部分2dを上方から重ね合わせて、この両者2d,9aにアンカー15を打設するのであり、上下の植生用マット1,1については、下部側の植生用マット1の上部側ネット部分2cに、上部側の植生用マット1の下部側ネット部分2dを上方から重ね合わせて、この両者2d,2cにアンカー15を打設するのである。
【0031】
そして、護岸域上部側の植生用マット1については、それの上部側ネット部分2cを、ネット11の突出辺部11aに上方から重ね合わせて、この両者2c,11aにアンカー15を打設するのであるが、この際、植生用マット1の長さ寸法の関係で、植生用マット1の上端が突出辺部11aを越えることがあり、この場合は、突出辺部11aへの重なり部分にアンカー15を打設すればよく、或いは、ネット2を切断して、植生用マット1の長さ寸法を調整し、両者2c,11aを重ね合わせるようにしてもよいのである。
【0032】
一方、護岸域の下流側から上流側に向けて張設される植生用マット1については、下流側の植生用マット1の上流側ネット部分2bに、上流側の植生用マット1の下流側ネット部分2aを重ね合わせて、この両者2a,2bをアンカー(図示せず)を打設するのであり、かつ、ネット14に対しては、植生用マット1の上流側ネット部分2bを重ね合わせて、この両者2b,14をコイル線材やステイプルなどの連結手段(図示せず)によって連結して、この重ね合わせ部に、上流側の植生用マット1の下流側ネット部分2aを重ね合わせ、これら三者2a,2b,14にアンカー(図示せず)を打設するのである。
【0033】
そして、上下ならびに左方方向で隣り合う植生用マット1,1の夫々の重ね合わせ部と、護岸域上部側の植生用マット1とネット11との重ね合わせ部とについては、これらのネット2,11を、予め護岸域に埋設した接続金具(図示せず)に係止させるのであり、かつ、必要に応じて植生用マット1を覆うように、植生用マット1に覆土(図示せず)を施すのである。
上記の通り、植生用マット1は主として河川堤防法面の法長方向に、縦長に張設する方法について述べたが、これを法幅方向に横長に調節することもあり、このようにすると流水方向に平行に横長に植生用マットが張設されるために、植生用マットの接続箇所が縦長に張設する方法に比較して少なくなり、より流水により剥がされる可能性を少なくすることができる。
【0034】
また、上記の張り出しネット部分2a〜2dの各端部に、ネット連結時の目ずれ防止のために、2〜5cm程度の幅で網目を密にした部分を形成しておくことが有効である。
【0035】
次に、植生用マット1の動作について図3、図4を用いて説明する。
【0036】
第一発明の植生用マット1を法面Nに張設した後の施工初期は、図3(A)に示すような状態になっている。すなわち、可撓性のある強度のあるネット2と吸出し防止効果のある耐腐食性材料のシート3(不織布)により河川堤防法面を強固に被覆し、特に、河川が増水して水が上昇しても、耐腐食性材料のシート2により法面土壌が吸出しを受けることなく、法面の侵食防止を図ることができる。この植生用マット1上に野芝4を張付けると、野芝4の根茎4aは上記ネット2および耐腐食性材料のシート(不織布)3に絡み付きこれらが一体となった植生護岸構造を形成する(図3(B))。
【0037】
第二発明の植生用マット1を法面Nに張設した後の施工初期は、図4(A)に示すような状態になっている。すなわち、可撓性のある強度のあるネット2と吸出し防止効果のある耐腐食性材料のシート(不織布)3により河川堤防法面を強固に被覆し、特に、河川が増水して水が上昇しても、耐腐食性材料のシート2により法面土壌が吸出しを受けることなく、法面の侵食防止を図ることができる。第二発明の場合、植生用マット1に、植物種子その他の植生材料8が、装着されているために、施工後には、植物種子が発芽生育し、可撓性ネット2及び耐腐食性シート3に根茎8aを伸ばし、根茎8aがこれらに絡みついて一体となった植生護岸構造を形成し、更にはこの根茎8aが河川堤防法面土壌に蔓延して河川堤防法面を強固にすることができ、洪水などにより、河川が増水し水位が上昇して、河川堤防の表面を大きな流速で流水が流れても、河川堤防が浸食を受けることなく保護される(図4(B))。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明は、可撓性を有し強度のあるネットと、軽量で吸出し防止効果のある耐腐食性材料のシートとを一体化させてなる植生用マット、あるいは、可撓性を有し強度のあるネットに、軽量で吸出し防止効果のある耐腐食性材料のシートが装着され該耐腐食性材料のマットの他方面に、少なくとも植物種子が装着されてなる植生用マットを、例えば河川堤防などの法面の植生護岸に敷設したので、以下の効果を奏する。
【0039】
(1)例えば矩形状の規格を1m×30m、あるいは、2m×20mといった、法長に合わせた製品(植生用マット)の製造が可能であり、軽量であるため、施工効率を向上できる。
(2)幅1m当たりの引っ張り強度が、例えば、0.5〜4.0トン程度の強靭なネットに植物が絡むことにより、流水に耐えることができる。
(3)安価な植生護岸工が実施できる。
(4)(a)植物種子などの植生材料を吹き付け後に例えば椰子マットを張る方法とか、(b)可撓性を有する強度のあるネットを施工した後に例えば10cm程度の覆土を行い植物種子などの植生材料の吹き付けを行うといった複数の工程作業を行う必要はなく、この発明の植生用マットを法面に敷設するという1つの工程だけで植生護岸工が施工できる(第二発明)。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態の植生用マットが適用される河川堤防の法面に対する植生護岸の状況説明図である。
【図2】 上記実施形態の植生用マットを下面側からみた斜視図である。
【図3】 上記実施形態における動作説明図である。
【図4】 他の実施例における動作説明図である。
【図5】 図1の一部を取り出して図示した植生護岸の縦断側面図である。
【符号の説明】
1…植生用マット、2…可撓性を有し強度のあるネット、3…吸出し防止効果のある耐腐食性材料のシート。

Claims (4)

  1. 河川を流れる水の流速が2.0〜3.5m/sの流体力に耐えられる河川植生護岸用の植生用マットであって、可撓性を有し目合いが5〜7mmで強度のあるネットと、目付量25〜70gの軽量で吸出し防止効果のある耐腐食性材料のシートとを一体化させてなり、規格が1〜3m×10〜30mであることを特徴とする河川植生護岸用の植生用マット。
  2. 請求項1の植生マットを河川堤防法面に敷設した後、その上に野芝の張付けや種子吹付工等の植生工を施工する河川植生護岸工法。
  3. 河川を流れる水の流速が2.0〜3.5m/sの流体力に耐えられる河川植生護岸用の植生用マットであって、可撓性を有し目合いが5〜7mmで強度のあるネットに、目付量25〜70gの軽量で吸出し防止効果のある耐腐食性材料のシートが装着され、該耐腐食性材料のシートの他方面に、少なくとも植物種子が装着され、規格が1〜3m×10〜30mであることを特徴とする河川植生護岸用の植生用マット。
  4. 耐腐食性材料のシートが、合成繊維からなるメッシュのある不織布である請求項1あるいは3に記載の河川植生護岸用の植生用マット。
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